JP3748260B2 - プラントデータ評価システムと方法、復水器真空度監視方法、データマイニング方法、および、プログラム - Google Patents

プラントデータ評価システムと方法、復水器真空度監視方法、データマイニング方法、および、プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電所などにおける異常監視を行う技術に係り、特にプラントデータの相関を演算することにより効率的かつ適切に異常監視を行うプラントデータ評価システムと方法、復水器真空度監視方法、データマイニング方法、および、プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラントデータの上下限値や標準偏差を用いた異常監視あるいは動作傾向に基づく異常監視の技術が提案されている。
特開2001−273007号公報に記載の「プラント最適運転制御システム」では、実データの平均値を基準として、標準偏差の算出など統計的処理の後、ある範囲外のデータを除外して運転制御のデータとして使用するシステムが提案されている。特開2001−175972号公報に記載の「異常監視装置」では、実データから平均値とσ(標準偏差)を計算し、3σを閾値として、その閾値内になるデータを用いて監視する装置が提案されている。また、特開平6−4789号公報に記載の「機器の異常監視方法および装置」では、複数の監視信号から重回帰分析により回帰係数を求め、この回帰係数の時間変化率と正常変化率により異常を判断する方法および装置が提案されている。さらに、特開平8−220278号公報に記載の「プラント監視装置及び監視方法」では、実データの変化率について、設定した閾値をN回連続して上昇・下降した場合、異常とする装置及び方法が提案されている。
【0003】
しかしながら、過去のデータから求めた標準偏差および上下限値を使ってデータの評価を行う手法は、標準偏差については、標準偏差の何倍を評価基準にするかで評価結果が分かれる。例えば、倍率を大きくすればデータの異常を検知しにくくなり、逆に小さくすれば正常データであるにもかかわらず異常判定にしてしまうという問題がある。
【0004】
また、上下限は、機器および系統の保護を目的とした値であり、一般に通常値との差が大きくなり、微小なデータ変動(異常の兆候)の判定には使用が困難であるという問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、監視対象となるプラントデータに相関のあるデータを効率的に抽出・加工して、正常な範囲(従来、異常検出が困難な範囲)に潜んでいる微細な異常の兆候を発見可能なプラントデータ評価システムと方法、復水器真空度監視方法、データマイニング方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係わるプラントデータ評価システムは、プラントのデータを保存するデータ登録手段と、過去の一定期間の実データを用いて監視対象データ項目ごとに他のデータ項目との相関近似式を仮算出したのち、当該相関近似式による値と実データとの偏差に基づき不良データを検出し、前記過去の一定期間の実データのうち前記検出した不良データ排除後のデータを用いて少なくとも前記相関近似式、および、標準偏差を含む評価基準を本算出する評価基準構築手段と、前記評価基準構築手段により本算出された評価基準を用いてプラントのデータの評価を実行するデータ評価手段と、前記データ評価手段による評価結果を表示する状態表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項1記載の発明では、監視対象データ項目ごとに他のデータ項目との相関近似式を仮算出して、その相関近似式による値と実データとの偏差に基づき不良データを排除した後のデータを用いてデータ評価に用いる評価基準を本算出する。
【0008】
ここで、「実データ」(生データ)とは、プラント等の計測データまたはそれに一定の変換を施したデータを意味し、相関近似式との偏差(偏差データ)と区別して用いる趣旨である。また、「データ」は、特に指定しない限り実データと偏差データを含む。
【0009】
請求項2の発明に係わるプラントデータ評価システムは、プラントのデータを保存するデータ登録手段と、過去の一定期間の実データを用いて監視対象データ項目ごとに他のデータ項目との相関近似式を仮算出したのち、当該相関近似式による値と実データとの偏差に基づき不良データを検出し、前記過去の一定期間の実データのうち前記検出した不良データ排除後のデータを用いて少なくとも相関近似式、標準偏差、および、変化量の標準偏差を含む評価基準を本算出する評価基準構築手段と、前記評価基準構築手段により本算出された評価基準を用いてプラントのデータの評価を実行するデータ評価手段と、前記データ評価手段による評価結果を表示する状態表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明では、さらに、データの変化量の標準偏差を用いてプラントを評価する。
【0011】
請求項3の発明に係わるプラントデータ評価システムでは、さらにデータ評価手段は、データの上昇または下降の連続回数に基づいて評価を実行することを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明では、データが連続して上昇または下降しているか否かを監視する。特に、偏差データの変化方向の連続回数を用いて評価するようにすると微小な異常の兆候の検出効果が高まる。
【0013】
請求項4の発明に係わるプラントデータ評価システムでは、データ評価手段は、プラントの運転サイクルまたは時期に基づく補正値を用いて評価を実行することを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明では、実データまたは相関近似式に対して、運転サイクルごとの補正値である初期補正値または週や季節ごとの補正値である時期補正値によって補正を施して評価を行う。
【0015】
請求項5の発明に係わるプラントデータ評価システムでは、さらに、評価基準構築手段は、プラントのデータと相関近似式による値の偏差を演算すると共に当該偏差を監視対象データ項目として該偏差についての評価基準を演算し、データ評価手段は、当該評価基準を用いてプラントのデータを評価することを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の発明では、実データと相関近似式との差分に対して相関のあるデータを用いて監視を行う。
【0017】
請求項6の発明に係わるプラントデータ評価方法は、プラントのデータを保存するデータ登録段階と、過去の一定期間の実データを用いて監視対象データ項目ごとに他のデータ項目との相関近似式を仮算出したのち、当該相関近似式による値と実データとの偏差に基づき不良データを検出し、前記過去の一定期間の実データのうち前記検出した不良データ排除後のデータを用いて相関近似式を本算出する評価基準構築段階と、当該本算出された相関近似式による値と実データ値との偏差を演算して、該偏差の値、該偏差の変化率、または、該偏差の変化方向の連続回数に基づいて異常の有無を監視するデータ評価段階とを含ことを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の発明では、相関近似式による値と実データ値との偏差を演算して、該偏差の値、該偏差の変化率、または、該偏差の変化方向の連続回数に基づいて、事前に求めたそれぞれの標準偏差に基づいて異常の有無を監視する
【0019】
なお、事前に監視対象項目の相関近似式やそれぞれの標準偏差を求める場合は、5サイクル分のデータを用いるのが有効である。
【0020】
また、偏差の値を次の監視対象データ項目として、評価基準構築段階でこの偏差と相関の高い他のデータとの相関近似式やその式との標準偏差、偏差の変化率の標準偏差を求めておき、データ評価段階で、各標準偏差および偏差の変化方向の連続回数に基づいて異常を監視するようにすると、さらに微細な異常の兆候まで監視することが可能となる。
【0021】
特に偏差データと相関の高い他のデータとの相関近似式を求める場合は、その相関の強さが所定値γ以上の他のデータが存在するかどうかを判定し、存在する場合は、その中で最も相関の高いデータ項目との相関近似式を計算するようにすれば、有効な相関データの抽出と実質的に同質の(同じ動きをする)他のデータを効率よく排除することが可能となる。
【0022】
また、上記のように、まず、実データと他のデータとの相関を求め、順次、その偏差とさらに他のデータとの相関を求める場合は、その回数を最大N(Nは自然数)として上限を設定するようにしてもよい。
【0023】
なお各データに対し,相関データの影響がある程度除去されるまで自動的にN次相関までとるようにすると,基本的に通常フラットなトレンドとなり,評価基準算定用の5サイクルから判明するN個の影響要因以外の外乱があった場合のみピークが現れることになる。
【0024】
したがって、プラントの異常監視の手順は次のようになる。
a.評価基準算定用のある期間の過去データに対し,データの振れ幅がある基準(例えば±3%)に収まるまで,対象データから最も相関の高い要因データを引き,これにより得られたデータからその最も相関の高い要因データを引くという処理を順次N回繰り返す(N次相関の算出)。
b.何の要因データをどの順番で差し引いたかを記録する。
c.今回の監視対象データに対し,上記a、bと同様の手順で計算する。
d. 上記a.で定めた振れ幅の基準以内の値になれば、異常無しとし、基準外であれば異常有りとする。
e.同時に上記cの手順で求まるピークの波形に対し,相関が高い要因データを算出することにより、この要因データが外乱であると判定する。
【0025】
以上の手順でプラントの異常を監視することにより、プラントの自動運転が可能となる。また、この手順による異常監視は、プラント以外の対象、たとえば、気象予測や来客予測等にも適用可能である。
【0026】
請求項7の発明に係わるプラントデータ評価方法では、さらに、監視対象データ項目の実データと相関近似式による値との偏差を時期ごとに演算すると共に当該偏差と時期に基づく相関が所定値以上であるか否かを判定し、所定値以上の場合は、当該偏差を用いて時期補正値を演算し、当該時期補正値で相関近似式を補正することを特徴とする。
【0027】
請求項7記載の発明では、監視対象データ項目によって、その相関近似式を時期ごとに補正する。具体的には、監視対象データ項目の実データと相関近似式による値との偏差と時期(たとえば、曜日)との相関を演算して、所定値以上(たとえば、70%、80%)以上の相関があれば、時期ごとの偏差を補正値として用いる。これにより、時期によって生じる定常誤差を修正することができる。
【0028】
請求項8の発明に係わるプラントデータ評価方法では、さらに、監視対象データ項目の実データと相関近似式による値との偏差を複数の運転サイクルの夫々について演算すると共に当該偏差と運転サイクルに基づく相関が所定値以上であるか否かを判定し、所定値以上の場合は、プラント運転開始後、所定期間の実データを用いて初期補正値を演算し、初期補正値で相関近似式を補正することを特徴とする。
【0029】
請求項8記載の発明では、監視対象データ項目によって、その相関近似式を運転サイクルごとに補正する。これにより、運転サイクルごとにより生じる定常誤差を修正することができる。
また、運転サイクルごとに初期補正を行って得られたデータの偏差の平均値と当該サイクルの標準偏差とを比較して、所定値以上乖離している場合は、初期補正を行わないという処理を行うことにより、計器誤差以外の外乱による影響を排除することができる。
【0030】
なお、所定期間としては、プラント総合負荷試験直後の運転開始日のデータを用いるのがよい。さらに、週ごとなど、季節ごとなど時期により監視対象データが変動する場合は、時期補正値と共に相関近似式を補正すると効果が高い。
【0031】
ここで、プラント総合負荷試験とは、一般的にプラント運転前の試験を意味する。
【0032】
より具体的には、プラントの検査により、装置や計器類の交換、オーバーホールなどをすると、相関近似式の傾き自体の変動は比較的少ないものの、調整の仕方により、過去のデータを用いて求めた相関近似式による予測値と実データとの間に一定のずれ(誤差)が生じるという特徴がある。このため、収集した各データを総合試験直後の運用開始日の値をもとに補正値を計算して、以後その補正値を用いて、相関近似式と実データの比較の際に補正をするようにすれば、精度の高い監視が可能となる。
【0033】
なお、相関近似式の補正とは、実質的に相関近似式を補正することになれば足りる趣旨であり、相関近似式に対する補正と、実データに対する補正の両方を意味する。後者の場合、相関近似式による値と実データとの比較において、実データ側を補正して、その補正値と相関近似式の値とを比較あるいは偏差を演算することになる。
【0034】
請求項9の発明に係わるプラントデータ評価方法は、ユーザ側のデータ収集装置および端末装置と通信ネットワークを介して接続され、前記データ収集装置から送られてくるデータを処理するサーバ装置によりプラントのデータを評価するプラントデータ評価方法であって、前記サーバ装置は、プラント種別ごとに一または二以上のユーザのプラントから収集した過去の一定期間の実データを用いて相関近似式を仮算出したのち、当該相関近似式による値と実データとの偏差に基づき不良データを検出し、前記過去の一定期間の実データのうち前記検出した不良データ排除後のデータを用いて相関近似式を本算出するステップと、前記データ収集装置から送られてくるプラントのデータをユーザごとに記憶するステップと、前記ユーザごとのデータと該データと同一のプラント種別に属する前記本算出された相関近似式による値との偏差を演算すると共に当該偏差についての評価基準を演算し、ユーザごとに当該評価基準を記憶するステップと、該評価基準に基づいて、プラントの異常の兆候を監視し、異常の兆候を発見したときは前記ユーザの端末装置へ通知するステップと、を含むことを特徴とする。
【0035】
請求項9記載の発明では、サーバでプラントデータを集中管理して、評価基準の構築やデータの評価を実行する。また、実データと相関近似式との差分(偏差)に対して相関のあるデータを用いて監視を行い、異常の兆候が発見されたときは、ユーザへ通知する。
【0038】
請求項10の発明に係わる復水器真空度監視方法は、復水器真空度データを収集するステップと、海水温度データを収集するステップと、前記収集した過去の一定期間の実データを用いて復水器真空度と海水温度の相関近似式を仮算出したのち、当該相関近似式による値と実データとの偏差に基づき不良データを検出し、前記過去の一定期間の実データのうち前記検出した不良データ排除後のデータを用いて相関近似式を本算出するステップと、前記各データと前記本算出された相関近似式との差である復水器真空度偏差を演算し、該復水器真空度偏差の標準偏差を演算するステップと、当該標準偏差および前記復水器真空度偏差を用いて復水器真空度を監視するステップと、を含むことを特徴とする。
【0039】
請求項10記載の発明では、復水器真空度と海水温度との相関をもとに、海水温度の影響を減らして復水器真空度の監視を行う。
【0040】
請求項11の発明に係わる復水器真空度監視方法は、復水器真空度データを収集するステップと、海水温度データを収集するステップと、復水器真空度データを、特定曜日を基準とした曜日ごとの補正値で補正するステップと、過去の一定期間の前記補正後の復水器真空度データと前記収集した海水温度データを用いて相関近似式を仮算出したのち、当該相関近似式による値と各データとの偏差に基づき不良データを検出し、前記過去の一定期間の各データのうち前記検出した不良データ排除後のデータを用いて相関近似式を本算出するステップと、前記補正後のデータと前記本算出された相関近似式との差である復水器真空度偏差を演算するステップと、前記復水器真空度偏差の標準偏差を演算するステップと、当該標準偏差および前記復水器真空度偏差を用いて復水器真空度を監視するステップと、を含むことを特徴とする。
【0041】
請求項11記載の発明では、復水器真空度データに曜日による補正を加えて監視を行う。
【0042】
なお、補正値は、曜日ごとの鉄イオン皮膜厚と真空低下量との関係を演算することにより求めることができる。
【0043】
請求項12の発明に係わるデータマイニング方法は、コンピュータを用いてデータ間の相関を演算するデータマイニング方法であって、過去の一定期間の実データを用いてデータ間の相関近似式と標準偏差を仮算出したのち、当該相関近似式による値と実データとの偏差を前記標準偏差と比較することにより不良データを検出するステップと、前記過去の一定期間の実データうち前記検出した不良データ排除後のデータを用いて前記相関近似式を本算出するステップと、その後、当該本算出された相関近似式を用いてデータの評価を行うステップと、を含むことを特徴とする。
【0044】
請求項13の発明に係わるプログラムは、データ間の相関を演算するプログラムであって、データを入力する処理と、過去の一定期間の実データを用いてデータ間の相関近似式と標準偏差を仮算出する処理と、当該相関近似式による値と実データとの偏差を前記標準偏差と比較することにより不良データを検出する処理と、前記過去の一定期間の実データのうち前記検出した不良データ排除後のデータを用いて、前記相関近似式の係数を演算する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0045】
請求項14の発明に係わるプログラムは、ユーザ側のデータ収集装置および端末装置と通信ネットワークを介して接続され、前記データ収集装置から送られてくるデータを処理するサーバ装置上で動作するプログラムであって、プラント種別ごとに一または二以上のユーザのプラントから収集した過去の一定期間の実データを用いて相関近似式を仮算出したのち、当該相関近似式による値と実データとの偏差に基づき不良データを検出し、前記過去の一定期間の実データのうち前記検出した不良データ排除後のデータを用いて相関近似式を本算出する処理と、前記データ収集装置から送られてくるプラントのデータをユーザごとに記憶する処理と、前記ユーザごとのデータと該データと同一のプラント種別に属する前記本算出された相関近似式による値との偏差を演算すると共に当該偏差についての評価基準を演算し、ユーザごとに当該評価基準を記憶する処理と、前記ユーザごとの評価基準に基づいて、前記ユーザのプラントのデータを評価する処理と、当該評価結果を前記ユーザの端末装置へ送信する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。図1は、第1の実施の形態にかかわるプラントデータ評価システムの機能ブロック図である。ここで、プラントデータ評価システム1は、プラントデータを入力する入力部12、入力されたデータを用いて演算処理を実行する演算部11、演算結果を表示する表示部13、プラントデータ等のデータを記憶する記憶部14で構成されている。
【0047】
演算部11は、入力部12または表示部13との間で入力または出力処理を行う入出力処理手段21、プラントデータを登録あるいは編集するデータ登録・編集手段22、プラントデータの評価基準を作成する評価基準構築手段23、評価基準に従ってプラントデータを評価するデータ評価手段24、評価に必要なデータの選別条件等を設定する評価条件補正手段25、および、評価結果を表示する状態表示手段26を有している。
【0048】
また、記憶部14は、プラントデータを保存するプラントデータファイル31、プラントデータの評価基準情報を保存する評価基準ファイル32、評価結果を保存する評価結果ファイル33を有している。
【0049】
次に、プラントデータ評価システム1の動作を説明する。
【0050】
<プラントデータ登録段階>
プラントデータは、キーボードなどの入力部12を通して入力され、入出力手段21、データ登録・編集手段22を介して、プラントデータファイル31に保存される。なお、このプラントデータは、CD−ROM等の記憶媒体やネットワークを通して入力してもよい。登録するデータとしては、プラントを評価・診断するための今回データのみでなく、評価基準を構築するために必要な過去一定期間のデータについても登録する。評価基準を構築するためのプラントデータとしては、一般に各データ項目に対して60回分(月に1回データを採取するとして5年分)のデータ数が有効である。
【0051】
図2は、プラントデータファイル31のデータ構成例である。データ採取日時、データ識別情報、データ値、プラント状態が保存されている。なお、データ識別情報ごとなど必要によりソート可能とする。
【0052】
また、プラントデータ採取ごとに、このデータ登録・編集手段22を通して逐次データが登録される。
【0053】
<評価基準の確立段階>
まず、データ登録・編集手段22により、プラントデータファイル31に保存されているプラントデータの中で、定検中や停止中のデータなどプラントの評価に使わない、いわゆる異常データを排除する。
【0054】
次に、図3を用いて評価基準構築手段23の動作を説明する。
【0055】
評価基準構築手段23は、入力部12により起動されると、監視対象のデータ項目を抽出する(S101)。そして、このデータ項目との相関の演算の対象となるデータ項目を選択して(S102)、監視対象データと相関データを用いて、相関近似式と標準偏差を仮算出する(S103)。なお、この段階の相関近似式と標準偏差は、プラントデータの評価に直接使用しないので、「仮算出」という。
【0056】
複数の種類のデータ項目との相関を個々に仮算出し、相関の高いデータ項目を所定の数(たとえば、10項目)だけ抽出する(S104)。そして、仮算出で求めた標準偏差を用いてプラントデータファイル31に保存されているデータのうち、所定の範囲に入らないデータ(例えば、±4σ以内に入らないデータ)を不良データとして排除する(S105)。
【0057】
次に、不良データ排除後のデータを用いて、それぞれのデータ項目について、相関近似式、標準偏差σ1、および、変化量標準偏差σ2を算出する(S106)。なお、この段階の算出を「本算出」という。ここで、変化量標準偏差とは、所定期間のデータの変化量に対する標準偏差を意味する。
【0058】
そして、相関の最も大きなデータ項目の相関近似式、標準偏差σ1、および、変化量標準偏差σ2を評価基準ファイル32に保存する(S107)。以上の処理を全ての監視対象のデータ項目に対して繰り返す(S108)。
【0059】
図4は、評価基準ファイル32のデータ構成例である。ここで、係数a、bは、相関近似式が、y=a・x+bの形式で表されるときの係数を示す。また、標準偏差σ1、変化量標準偏差σ2の値も格納されている。なお、相関近似式が、2次式など、他の形式で表されるような場合は、その形式情報(近似式パターン)や係数情報が格納される。
【0060】
<プラントデータの評価段階>
次に、図5を用いてデータ評価手段24の動作を説明する。データ評価手段24は、入力部12からの指示により、又は、定期的に起動されると、プラントデータの補正が必要かどうかを判定し(S201)、補正が必要な場合は、評価条件補正手段25を起動して、補正処理を実行する(S202)。ここで、補正処理の例としては、相関近似式を用いて今回データの予測値を算出するに際して、初期値を総合負荷検査直後の値に補正するとか、曜日ごとなど時期によりデータ値に一定の変動があり、その変動がプラントの正常動作によるものならば、採取したプラントの実データに補正値を加えることが挙げられる。なお、相関近似式との差異を実態に合わせて補正できればよいので、プラントの実データではなく、相関近似式の係数を補正するようにしてもよい。
【0061】
次に、相関近似式により今回データの予測値を算出する(S203)。そして、偏差による評価(S204)として、プラントの実データの補正値と予測値との差異を標準偏差σ1により評価して、所定の範囲内にあるときは正常、所定の範囲外のときは異常とする。このとき、評価結果を段階的に分け、例えば、±2σ1の範囲内にあるときは正常状態、±2σ1から±3σ1の範囲にある場合は注意状態、±3σ1以上離れているときは異常状態としてもよい。
【0062】
続いて、変化量による評価(S205)として、そのプラントデータの前回値と今回値の変化量を、変化量の標準偏差σ2により評価して、所定の範囲外ならば異常とする。
【0063】
さらに、傾向による評価(S206)として、プラントデータが連続して上昇または下降した場合は、その回数により正常・異常を判定する。プラントデータの場合は、数回、例えば4回連続で注意状態、5回連続で異常状態とするのが効果的である。
【0064】
図6は、評価結果ファイルのデータ例の説明図である。ここで、偏差欄の1.5は、偏差が1.5σ1にあることを意味する。
【0065】
次に、状態表示手段26を起動して、評価結果ファイル33に基づいて、表示部13に状態表示やグラフ表示を行う(S207)。
【0066】
本実施の形態では、評価基準の確立段階で、相関近似式や標準偏差を仮算出して、相関の強いデータ項目を抽出し、その後、標準偏差をもとにバラツキの大きなデータを排除して、最終的に評価に用いるデータ項目の相関近似式や標準偏差等の評価基準を算出するので、相関を求めるデータ量が多くても、簡便な手法で精度の高い評価基準を得ることができる。
【0067】
また、プラントデータの評価段階では、評価基準の確立段階で求めた評価基準を用いて、プラントの実データに補正を施して評価を実行するので、複雑な要素によって変動するプラントデータを計算機に負荷をかけず精度よく評価することができる。
【0068】
なお、本実施の形態では、監視対象のデータ項目について、相関データの項目を一種類に絞り込んで、相関近似式等の評価基準情報を保存することとしたが、必要により、所定値以上の相関のある複数の種類のデータ項目について評価基準情報を保存し、これを用いて評価を行うようにしてもよい。
【0069】
また、偏差、変化量、傾向による評価のうち監視項目によっては、一部の評価のみを実施することにしてもよい。
【0070】
次に、第2の実施の形態を説明する。
図7は、本実施の形態にかかわるプラントデータ評価システムの機能ブロック図である。
【0071】
図1との違いは、プラントデータ評価システム1にデータ収集装置2から送られてくるプラントデータを通信回線3を介して受信する通信部15と、演算部11に通信部15との間でデータの受け渡しを行う送受信処理手段27、および、記憶部14に収集したプラントデータを保存するデータ収集手段28を備え、また、記憶部14には、異常データを抽出するための条件を保存した異常データ抽出条件ファイル34を設けたことである。ここで、異常データ抽出条件ファイル34の例を図8に示す。この図において、定検中など、プラントデータ採取時のプラント状態であって、評価データとしては使用できないプラントの状態が保存されている。なお、データ項目ごとに評価データとして使用できないプラントの状態を設定可能にしておいてもよい。
【0072】
その他は、図1と同様であるので、同一要素には同一符号を付し、説明を省略する。
【0073】
次に、プラントデータ評価システム1の動作を第1の実施の形態との差異を中心に説明する。
【0074】
<プラントデータ登録段階>
評価基準を作成するための過去のデータは、入力部12を通して入力される。また、評価対象となるプラントの実データは、プラント側に設置されたデータ収集装置2を介して送られ、通信部15で受信され、送受信処理手段27、データ収集手段28を通して、記憶部14のプラントデータファイル31に保存される。
【0075】
なお、評価基準を作成するための過去のデータはデータ収集装置2から通信回線3経由で入力するようにしてもよい。
【0076】
<評価基準の確立段階>
次に、図9を用いて評価基準構築手段23の動作を説明する。評価基準構築手段23は、入力部12により起動されると、異常データ抽出条件ファイル34を参照して、評価データとしては使用しないプラントデータ、即ち異常データを排除する(S301)。次に、監視対象のデータ項目を抽出する(S302)。そして、このデータ項目との相関の演算の対象となるデータ項目を選択して(S303)、監視対象データと相関データを用いて、相関近似式と標準偏差を仮算出する(S304)。
【0077】
複数の種類のデータ項目との相関を個々に仮算出し、相関の高いデータ項目を所定の数だけ抽出する(S305)。そして、仮算出で求めた標準偏差を用いてプラントデータファイル31に保存されているデータのうち、所定の範囲に入らないデータを不良データとして排除する(S306)。
【0078】
次に、不良データ排除後のデータを用いて、それぞれのデータ項目について、相関近似式、標準偏差σ1、および、変化量標準偏差σ2を算出する(S307)。そして、相関の最も大きなデータ項目の相関近似式、標準偏差σ1、および、変化量標準偏差σ2を評価基準ファイル32に保存する(S308)。
【0079】
次にプラントの実データと相関近似式による値との偏差を計算する(S310)。そして、この偏差を監視対象データ項目としてステップS303からステップS308までの処理を実行する。相関の強さ(相関係数)が所定値γ以上かどうかを判定し(S312)、γ以上でなければ次の監視データ項目について実施し(S313)、γ以上のものがある限り、最大N回(Nは自然数)まで順次偏差の相関について評価基準を演算する(S309)。
【0080】
以上の処理により作成された評価基準ファイル32を図10に示す。ここで、1次とは、監視対象データ項目と相関データ項目との相関を意味し、2次とは、1次で求めた相関近似式による値と実データとの差(偏差)と別の相関データ項目との相関を意味する。このように、順次、前の段階で求められた相関近似式との偏差についての相関が計算され、その演算結果が保存される。
【0081】
このように監視データ項目ごとに保存されている相関のデータ数に相当する最大相関次数、および、各次数の相関のデータについては、相関データ項目、近似式パターン、近似式の各係数の値(a,b,c)、標準偏差σ1、変化量標準偏差σ2、および、相関の強さγの値が保存されている。
【0082】
ここで、図10中、近似式パターン「2」とは、2次式の相関近似式、すなわち、y=a・x+bx+cの形式で表されることを意味する。
【0083】
<プラントデータの評価段階>
プラントデータの評価手順は、基本的に第1の実施の形態と同様である。ただし、評価基準の確立段階で求めた2次、3次など必要により高次についての評価基準も用いて評価処理を実行する。
【0084】
本実施の形態では、実データと相関近似式との偏差を求め、その偏差についての相関を評価することとしたので、簡単な手法で異常の前兆の検出が可能となる。
【0085】
特に、多くのデータ項目との相関を一度に計算しようとすると、計算機の負荷が大きくなるが、本実施の形態によれば、パーソナルコンピュータ相当の性能で短時間に最も相関のあるデータ項目から順に相関データを求めることができる。
【0086】
さらに、データ項目の中には、項目名は変わっても実質的に同じデータ(全く同じ動きをするデータ)が存在する可能性があるが、本実施の形態の如く、順次、相関近似式による値との偏差を計算し、その偏差の相関データを抽出するようにすれば、このような実質的に同じデータを排除することができる。
【0087】
なお、本実施の形態で説明した評価基準構築手段の処理手順は、プラントデータのみでなく一般的なデータマイニングに対しても有効である。
【0088】
次に、第3の実施の形態を説明する。
図11は、プラントデータ評価システムおよびインターネット網を介して繋がるユーザ側装置の構成図である。ここで、プラントデータ評価システム1は、インターネット網4と接続するためのルータ61、複数のサーバをつなげるハブ62、Webサーバ63、プラントデータ評価のアプリケーションを実行するアプリケーションサーバ64、および、電子メールを送信するためのsmtpサーバ65から構成されている。このプラントデータ評価システムにより、アプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP)として、プラントデータ評価サービスを提供する。
【0089】
一方、プラントデータ評価サービスの利用者のユーザ側装置5は、インターネット網4に繋がるユーザ端末51と、ユーザのプラントのデータを収集し、インターネット網4を通してデータを送信する機能を有するデータ収集装置52から構成されている。ユーザ端末51およびデータ収集装置52は、同じユーザに対して複数台存在する場合もある。
【0090】
また、このサービスの利用者とは無関係に設置され、海水温度データや気象データなどを収集するデータ収集装置6もインターネット網4に繋がっている。
【0091】
図12は、アプリケーションサーバ64(以下、サーバ64という)の機能ブロック図である。ここで、サーバ64は、ハブ62とデータの送受信を行う通信部16、アプリケーションプログラムを実行する演算部11、記憶部14を備えている。また、演算部11は、通信部16とデータの受け渡し処理を行う送受信処理手段27、ユーザ情報を登録するユーザ情報登録手段29、プラントデータの評価基準を作成する評価基準構築手段23、評価基準に従ってプラントデータを評価するデータ評価手段24、評価に必要なデータの選別条件等を設定する評価条件補正手段25、評価結果を表示する状態表示手段26、データ収集装置6、52から送られてくるデータを記憶部14へ保存するデータ収集手段28、および、ユーザがプラントの監視条件を設定するための監視条件設定手段30を有している。
【0092】
また、記憶部14は、プラントデータファイル31、評価基準ファイル32、評価結果ファイル33、異常データ抽出条件ファイル34に加えて、ユーザ情報を保存するユーザ情報ファイル35、プラントの種別を保存するプラントパターンファイル36、ユーザごとに監視項目等のデータを保存する監視データファイル37を有している。ここで、プラントパターンファイル36には、図13に例示するように、監視プラントごとにパターン番号、監視項目、その監視項目を監視するために必須のデータ、および、より高い精度で監視可能にするための任意データが保存されている。
【0093】
次に、プラントデータ評価システム1の動作を説明する。
【0094】
<ユーザ情報登録段階>
ユーザは、ユーザ端末51を通して、プラントデータ評価サービスへの申し込みを行い、ユーザ情報は、ユーザ情報登録手段29により、記憶部14のユーザ情報ファイル35に保存される。図14は、ユーザ情報ファイル35の一例である。ここで、ユーザ情報ファイルには、ユーザごとに発行されるユーザID(ユーザ識別情報)、パスワード等の他、異常発見時の通知先として、電子メールアドレスや電話番号等の情報が入力される。また、ユーザ側のデータ収集装置52の装置ID(装置識別情報)が保存される。この装置IDは、データ収集装置52からプラントデータを送信するときに、伝送データに付され、サーバ64において、どのデータ収集装置から送られてきたデータかを識別するために使われる。
【0095】
<監視項目設定段階>
ユーザは、ユーザ端末51を通して、監視項目の設定要求を送る。この要求により、監視条件設定手段30が起動される。監視条件設定手段30は、起動されると、Webサーバ63経由でユーザ端末51上に図15に例示する監視条件設定画面を表示する。この画面でユーザが、例えば、プラントパターン「1」を選択すると、プラントパターンファイル36を参照して、そのパターンに対応する、原子力発電所の監視項目として、復水器真空度や発電端効率などの項目が表示される。そして、ユーザが監視項目として、復水器真空度を選択すると、収集データとして、必須データと任意データが表示される。ユーザは、任意データのうち、収集してサーバ64へ送るデータをチェックし、確定ボタンをクリックする。これにより、設定情報がサーバ64に送られ、監視データファイル37に保存される。図16は、監視データファイル37の一例である。ここで、監視データファイル37には、ユーザID、プラントパターン、監視項目、および、収集データID(以下、データIDという)が保存されている。このデータIDは、収集データ項目と対応しており、データ収集装置52から送られる各データにそのデータに対応するデータIDおよび収集時刻が付される。
【0096】
なお、以上の説明では、ユーザが監視項目の設定を行うこととしたが、収集可能なデータ項目に対して自動的に常時監視するようにして、どれか一つでも異常が認められればユーザへ通知するようにしてもよい。
【0097】
<評価基準の確立段階>
ユーザは、過去のデータをサーバ64に送り、第1の実施の形態または第2の実施の形態で説明した手法により評価基準を演算させることも可能であるが、以下の手法を選択することもできる。
【0098】
まず、評価基準ファイル32には、予め、標準の評価基準データが格納されている。たとえば、復水器真空度データと海水温度データとの相関係数、相関近似曲線の係数、標準分散、変化量の標準分散が、一般データとして格納されている。ユーザは端末51を通してこれを確認し、編集を行い、自己の評価基準として保存する。特に、相関近似曲線の傾きは、プラントによりあまり変化しない場合が多いので、中心値を補正するのみで有効に活用可能である。
【0099】
<プラントデータの収集・評価段階>
データ収集装置52から定期的に送られてくるプラントデータは、通信部16および送受信処理手段27で受信処理され、データ収集手段28により、装置IDおよびデータIDごとにプラントデータファイル31に保存される。
【0100】
そして、データ評価手段24により、評価基準ファイル32に保存されている当該ユーザの評価基準に基づいて、監視対象のデータが評価される。このとき、評価基準構築手段23は、収集したデータをもとに初期設定された評価基準を逐次補正する。なお、評価手法は、第1の実施の形態または第2の実施の形態と同様なので説明を省略する。
【0101】
データ評価手段は、評価結果をユーザごとプラントごとに評価結果ファイル33に保存すると共に異常を検出したときは、ユーザ情報ファイル35に保存されている異常発見時の電子メールアドレスへsmtpサーバ65経由で通知する。また、電話通知の場合は、予め録音された音声または音声合成にて通知する。これによりユーザは、異常をリアルタイムで知ることができる。
【0102】
<プラント状態確認段階>
ユーザは、評価結果情報を入手するときは、端末51を通してプラントの状態表示要求を行う。ユーザから状態表示要求があると、状態表示手段26は、評価結果ファイル33およびプラントデータファイル31の情報をもとに、Webサーバ63経由でユーザ端末51上にプラントの状態を表示させる。たとえば、ユーザが偏差による評価を選択したときは図17や図20に示す偏差評価グラフを表示し、変化量による評価を選択したときは図18や図21に示す変化量評価グラフを表示し、また、傾向による評価を選択したときは図19や図22に示す傾向評価グラフを表示する。このとき異常があるときは、図22のA点のようにグラフ上に異常位置を表示する。特に図20、図21、図22に示すように、正常範囲と異常範囲を区分する線(情報)をグラフ上に表示してユーザに提供すれば、ユーザは、異常位置と共にプラントの各データ変動を視覚的に捉えることができ、また異常の原因分析等に利用することも可能である。
【0103】
<その他のサービス>.
プラントデータ評価システム1としては、標準の評価基準を作成する際に、独自に収集したデータあるいは各ユーザのプラントデータの実績値を利用するのみでなく、他の場所に設置されたデータ収集装置6からの情報を採取し、随時、ユーザのプラントデータとの相関を演算する。これにより、たとえば、地球の裏側の海水温度などが、ユーザのプラントに影響を与えるような場合もあり、本実施形態のサービスによりデータを集中管理することによってこれを効率的に発見することができる。
【0104】
本実施の形態によれば、プラントデータをサーバで収集して評価し、デフォルトで標準的な評価基準を設定可能にするので、データ数が少なく評価基準が直ちに得られないプラントに対しても評価が可能となる。また、収集したデータにより逐次ユーザごとプラントごとに評価基準を修正していくので、精度の高い評価も可能となる。
【0105】
なお、本実施の形態では、プラントデータについて説明したが、たとえば、農作物の収穫高データとか地震発実データなど、プラント以外にも適用可能であることは明白である。
【0106】
また、上記説明では、ユーザが監視項目の設定や評価基準確立のためのデータをサーバへ送ることとしたが、プラントデータ評価サービスを提供する業者などユーザ以外の者が行うようにしてもよい。
【0107】
本発明は、監視対象データと相関のあるデータを用いて、監視対象データの異常の兆候の検出を行うものであり、上述の各実施の形態に限られないのは明白である。たとえば、図23ないし図25は、児童の身長と体重の相関を分析するためのグラフであり、図24に示す身長と体重の相関近似式を用いて、図25の監視対象を身長とし、相関データを体重として、相関近似式による予測値と身長との偏差を児童ごとにプロットすることにより、その児童の身体的な変化傾向を知ることも可能である。同様に、小売店や飲食店等の売上予測、気象予測、交通量予測、株価予測などにも適用可能である。
【実施例】
原子力発電所のプラントデータの評価システムおよび評価方法について説明する。
【0108】
図26は、本実施例にかかわるプラントデータ評価システムの構成図である。所内LANに図1のファイル31〜33を保存したデータサーバを設け、コンピュータを通して各ファイルにアクセス可能とした。また、データ評価手段等の各手段21〜26を各コンピュータに設けた。
【0109】
次に図27を用いてプラントデータ評価の処理手順の概要を説明する。まず、プラントデータを入力して(S401)、評価を開始する(S402)。なお、この段階で評価基準は既に作成され、データサーバに保存されている。そして、偏差による評価を行い(S403)、偏差が3σの範囲外か否かを判定して(S406)、範囲外ならば異常表示をし(S410)、範囲内ならば異常表示をしない(S409)。変化量による評価として(S404)、変化量が基準値の範囲外ならば(S407)、異常表示を行う(S411)。また、変動の傾向による評価を行い(S405)、規定回数以上の連続した上昇または下降があれば(S408)、異常表示を行う(S412)。そして、グラフ表示の要求を受付け(SS413)、グラフ表示を行い(S414)、データの確認を行う(S415)。新たなグラフ表示要求に対してグラフ表示処理を行い、作業終了により処理を終える(S416)。
【0110】
<評価基準の確立段階>
次にプラントデータの評価処理の具体例として、原子炉で発生しタービンで仕事をした蒸気を冷却する復水器の真空度を用いて説明する。
【0111】
図28は、約1年間の復水器真空度の推移を示すグラフである。復水器真空度は、この期間中、約92KPa〜97KPaで変動している。変動幅は5KPaである。評価基準構築手段により図3に示す処理を実行することによって、これは、復水器を冷却する海水温度の変動、つまり外乱に伴うものであり、空気の漏洩、冷却管のつまり等の異常が発生したのではないことが分かった。
【0112】
<データ評価処理>
図29は、図28の復水器真空度を最大の外乱である海水温度との相関で表したものである。これにより、海水温度の影響をなくした状態で復水器真空度の変化を見ることができるようになった。
【0113】
図29中の曲線は過去の5サイクルのデータから求めたもので、データの中心線(近似曲線)は、(1)式になる。
【0114】
y=−0.00488x−0.0601x+97.92 ・・・(1)
【0115】
実績値と近似曲線との差をグラフ化すると図30の偏差グラフとなる。最大の外乱を除去したため、変動幅が図28の5KPaから1.5KPaに大幅に小さくなっている。これによって、図28では確認が困難な微小な変化が発見できるようになった。
【0116】
以下、具体的な評価方法について説明する。
【0117】
(偏差による評価)
実績値と近似式から求めた値の差(偏差データ)を標準偏差により評価する。異常の早期発見のため、±3σ(確率的に0.3%のデータを異常判定)と、注意喚起のため±2σ(確率的に4.5%のデータを注意判定)を判断基準とした。
【0118】
(変化量による評価)
偏差による評価の段階で求める偏差データについて、今回の偏差データと前回の偏差データとの差(変化量)を計算し、変化量の標準偏差により評価する。偏差の評価と同様に、±3σを異常判定、±2σを注意判定の基準とした。
【0119】
過去のデータ分析により、偏差による評価または変化量による評価に関しては、データが過去の変動範囲にあっても±3σ以上の変化があった場合、機器または計器の異常の可能性が高いことを確認した。
【0120】
(傾向評価)
偏差による評価の段階で求める偏差データについて、前回の偏差データに対して今回の偏差データが5回連続して上昇または下降した場合を異常判定基準とし、注意喚起のため4回連続を注意判定基準とした。
【0121】
プラントデータは、通常ある点を中心に絶えず変動しており、過去のデータ分析によって、データが5回以上連続で上昇、下降した場合、機器または計器の異常の可能性が高いことを確認した。
【0122】
以上、本実施例で説明したように、これまで、復水器真空度の異常警報は、海水温度(外乱)に影響を受けず、かつ機器の保護の観点から88KPaと通常値に余裕を持って設定することが一般的であった。このため、復水器真空度が僅かしか低下しない微小な空気漏洩が発生したような場合は、当然のことながら異常警報は発生しなかった。また、運転員によるデータ評価においても外乱による変動が大きいため、異常判定が極めて困難な状況であった。
【0123】
しかしながら、この海水温度の要因を除去した復水器真空度偏差の変動を監視することにより、従来の復水器真空度の異常警報が出る以前、もしくはプラントの運転に悪影響が出始める前に、その前兆となる微細な異常状態を検出することが可能となった。
【0124】
なお、復水器真空度は、復水器細管への鉄イオン供給量により変化するが、図30の復水器真空度偏差と鉄イオン皮膜厚との相関をとることにより、鉄イオン皮膜厚の変化に基づいて復水器真空度偏差も週のサイクルで変動していることが分かった。このため、曜日ごとの真空低下量(設計真空度との差)を求め、復水器真空度偏差の数値に対して、週の特定の曜日たとえば月曜日を基準(0)として差分を補正するようにすれば、鉄皮膜の要因も除去して、より高い精度で真空度の変動を監視することができる。
【0125】
また、評価基準構築手段の他の実施例として、図31に示す評価基準ファイルを用いるようにしてもよい。図31において、評価基準ファイルは、図4に示す評価基準ファイルの項目に対して、一または二以上の時期補正値、および、初期補正値が追加されている。
【0126】
ここで、時期補正値とは、曜日、月、季節、運転開始日からの運転日数などにより、規則的に誤差(相関近似式による予測値と実データとの差)の大きさが変化するような場合は、その規則あるいは周期に応じて相関近似式に付加する数値のことである。たとえば、復水器真空度偏差のように曜日により実データとの誤差が変化するような場合は、曜日ごとに時期補正値を保存しておき、監視日の曜日によって該当する時期補正値を抽出して、相関近似式を補正する。
【0127】
また、初期補正値とは、運転開始日の実データをもとに相関近似式を補正する数値のことで、通常、その運転サイクルにおいては、その補正値を用いる。これは、相関近似式は、過去のデータに基づいて算出されるものであるが、計器の調整や装置交換に伴う装置の特性の違い、あるいは、サイクルごとのプラント状態の変化などにより、相関近似式による予測値と実データとの間に定常的に差違が生ずる場合があるためである。
【0128】
なお、初期補正値を算出するタイミングは、プラント総合負荷試験直後に限られず、これを算出するタイミングについて一定の基準があればよい。また、初期補正値は、通常は運転開始日(運転サイクル初日)の実データをもとに計算するのが効率的で有効であるが、プラント総合負荷試験で実運転の環境が模擬できるならば、試験中のデータを用いて計算してもよい。
【0129】
図31の評価基準ファイルに基づく、相関近似式は以下のようになる。
y=a・x+b+時期補正値+初期補正値 ・・・(2)
【0130】
なお、プラントによっては、時期補正値または初期補正値のいずれか一方で足りる場合もある。
【0131】
この時期補正値または初期補正値は、すべてのパターンの相関近似式に用いることができる。たとえば、図10の評価基準ファイルに対して、これらの補正値の欄を設けるようにしてもよい。
【0132】
次に図33を用いて、時期補正値の計算手順を説明する。
まず、各相関近似式についてその相関近似式の時期ごとに相関近似式による予測値と過去に蓄積した実データとの差を計算する(S601)。時期ごととは、たとえば、曜日ごと、月ごと、季節ごと、イベントごとなどである。そして、その差が時期により有意差が有るかどうかを判定して(S602)、有意差がある場合は、その時期ごとの補正値を相関近似式に付加する(S603)。たとえば、曜日によって予測値と実データとの差が変動するならば、相関近似式の時期補正値には、曜日ことに異なる値が設定されることになる。以上のステップS601からS603までの処理を、計算対象となるすべての時期項目について実行する(S604)。
【0133】
なお、図33のフローチャートは、過去のデータに基づいて時期補正値を計算することとしたが、時期により有意差があるか否かを過去のデータで判定しておき、有意差があるものについてのみ、その補正値を運転中のプラントの実データを用いて計算するようにしてもよい。
【0134】
次に図32を用いて、初期補正値の計算手順を説明する。
まず、プラントの運転開始後、ある監視対象項目について相関近似式による予測値を計算する(S501)。次に、この予測値と実データとの差を計算する(S502)。そして、この差が所定の範囲内か否かを判定して(S503)、所定の範囲内ならば、この差を初期補正値として設定する(S504)。ステップS503で、所定の範囲外ならばプラント異常として処理する(S505)。以上、ステップS501からステップS505までの処理を初期補正値の計算対象となる監視対象項目について繰り返す(S506)。
【0135】
なお、ステップS503において、所定の範囲は3σを基準にするのがよい。通常、計器の調整や同種の装置の交換による差違は、3σ以内となるからである。
また、初期補正値の計算の際、当該日に採取した複数時点の監視項目データを平均化して、その平均値を用いるようにするのがよいが、サンプリング数が少ない場合は、この所定の範囲を広くし、サンプリング数が多くなるに従い、所定の範囲を狭くするようにすれば、サンプリング数が少ないときのデータのばらつきによって、本来正常であるにもかかわらず、異常と判定することを防ぐことができ、サンプリング数が多くなるに従い初期補正値の精度を高めることができる。
【0136】
初期補正の必要なデータ項目としては、タービン効率、主蒸気流量、給水温度、原子炉圧力などがあり、運用上、初期補正を行う必要のないデータ項目としては、復水器真空度、ドライウェル圧力、ドライウェル凝縮水流量などがある。過去データによって求めた相関近似式による値と実データとの偏差(複数ある場合はその平均)をプラントサイクルごとに、有意差があるかどうかを予め調べておき、所定値以上の有意差があるものについては、初期補正の必要なデータ項目として評価基準ファイルに初期補正値欄を設けておくとよい。時期補正値についても同様である。
【0137】
なお、原子力プラントの初期補正、時期補正として、過去5運転サイクルの夫々のサイクルごとに標準偏差と平均値を演算して評価を行うデータ項目の約8割(約50項目)を対象に補正処理を行った。5秒間隔で収集した一日分のデータの平均処理によって計器誤差(調整誤差を含む)を精度よく求めることができるため、プラント総合負荷試験終了後の通常運用開始日の一日データを用いて初期補正値を算出することができる。
【0138】
復水器真空度については、海水温度のみならず、採取していない他の海水性状、たとえば、海水の濁りや貝、藻などの繁殖状況等の影響も大きく、初期補正は不適であることが分かった。この場合、復水器真空度など初期補正に適さない項目については、予め初期補正演算の対象外としておくことにより、初期補正演算の負荷を軽減することができる。
【0139】
また、過去のデータを用いた検証において、夫々の運転サイクルごとにプラント総合負荷試験補正演算を行って得られたデータの偏差の平均値と予め求められている当該サイクルの標準偏差とを比較して、所定の割合(たとえば、50%もしくは100%)以上乖離している場合は、補正を行わないという処理を行うことも効果がある。誤差(乖離)が過大な場合は、計器誤差以外の外乱による影響を受けている可能性があるからである。すなわち、データの標準偏差、あるいは、偏差の絶対値ではなく、データの偏差の平均値を比較対象とすることによって、計器誤差の影響を排除して、海水性状といった大きな季節変動等の外乱の影響の有無を判定できるのである。
【0140】
なお、1週間周期の変動である鉄イオンによる影響(復水器逆洗による影響)は、プラント総合負荷試験による初期補正とは別に、対象となる復水器真空度のデータを曜日補正することにより排除可能である。
【0141】
また、1年周期の変動である海水温度および海水性状による影響は、曜日補正を行った復水器真空度データとの相関を取ることにより、除去可能である。
【0142】
本実施例によれば、相関近似式を時期補正値と初期補正値で修正するので、より精度の高い監視が可能となる。また、これらの補正値を用いれば、1サイクル分の過去データを用いて算出した相関近似式で実効ある監視が可能となる。
【0143】
特に、初期補正値による補正(以下、初期補正という)を行う監視と、初期補正を行わない監視を組み合わせることにより、計算機負荷を軽減しつつ精度の高い監視が可能となる。
【0144】
たとえば、発電所などのプラントにおいて、以下の2種類の監視を行う。
(1)実データを5秒ごとに計算機に取り込み、24時間分のデータの平均値を計算し、この「一日データ」を用いて初期補正値を求める。この初期補正値により補正された単サイクルの相関近似式を5つ(5サイクル分)求め、それぞれの相関近似式による予測値の平均値からの標準偏差を基準に監視を行う。
(2)初期補正値の演算の必要の無い場合(計器誤差等がほとんど無い場合など)は、5サイクル分の実データをもとに相関近似式を求め、その相関近似式による予測値からの標準偏差を基準に監視を行う。
上記(1)(2)のうちで監視のための計算機負荷は、(1)の方が大きいため、監視対象項目ごとに予め上記(1)(2)のいずれで監視を行うかを定めておき、それぞれの方法で監視を行うようにすれば、計算機負荷を軽減して、かつ精度の高い監視が可能となる。
【0145】
特に、監視対象項目によっては、月に1回の定例作業で、人間系で採取するデータもある。これらのいわゆる「一月データ」は、計器の調整誤差よりも人間の読み取り誤差の方が大きく、かつ偶発的に偏った状態のデータを採取してしまうことがある。このような人間系で採取するようなデータについては、上記(2)の監視方法の方が適している。
また、本実施例によれば、監視対象によって相関近似式の補正のしかたを変えるので、精度の高い監視を効率的に行うことができる。
【0146】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、監視対象となるデータに相関のあるデータを精度よく効率的に抽出でき、微小な変動を監視することができる。これにより、プラント等の異常の兆候を事前に発見することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるプラントデータ評価システムの機能ブロック図
【図2】図1のプラントデータファイルのデータ構成例の説明図
【図3】図1の評価基準構築手段の処理手順を表すフローチャート
【図4】図1の評価基準ファイルのデータ構成例の説明図
【図5】図1のデータ評価手段の処理手順を表すフローチャート
【図6】図1の評価結果ファイルのデータ構成例の説明図
【図7】本発明の第2の実施の形態におけるプラントデータ評価システムの機能ブロック図
【図8】図7の異常データ抽出条件ファイルのデータ構成例の説明図
【図9】図7の評価基準構築手段の処理手順を表すフローチャート
【図10】図7の評価基準ファイルのデータ構成例の説明図
【図11】本発明の第3の実施の形態におけるプラントデータ評価システムおよびユーザ側装置の装置構成図
【図12】図11のアプリケーションサーバの機能ブロック図
【図13】図12のプラントパターンファイルのデータ構成例の説明図
【図14】図12のユーザ情報ファイルのデータ構成例の説明図
【図15】本発明の第3の実施の形態における監視条件設定画面例の説明図
【図16】図12の監視データファイルのデータ構成例の説明図
【図17】本発明の第3の実施の形態における偏差評価グラフ
【図18】本発明の第3の実施の形態における変化量評価グラフ
【図19】本発明の第3の実施の形態における傾向グラフ
【図20】本発明の第3の実施の形態における他の偏差評価グラフ
【図21】本発明の第3の実施の形態における他の変化量評価グラフ
【図22】本発明の第3の実施の形態における他の傾向グラフ
【図23】本発明の第3の実施の形態における児童の身長グラフ
【図24】本発明の第3の実施の形態における児童の身長と体重の相関図
【図25】本発明の第3の実施の形態における児童の身長偏差グラフ
【図26】本発明の実施例におけるプラントデータ評価システムの構成図
【図27】本発明の実施例におけるプラントデータ評価の処理手順の概要の説明図
【図28】本発明の実施例における復水器真空度の推移を示すグラフ
【図29】本発明の実施例における復水器真空度と海水温度との相関図
【図30】本発明の実施例における復水器真空度の偏差の推移を示すグラフ
【図31】本発明の他の実施例における評価基準ファイルのデータ構成例の説明図
【図32】本発明の他の実施例における初期補正値の計算手順のフローチャート
【図33】本発明の他の実施例における時期補正値の計算手順のフローチャート
【符号の説明】
1…プラントデータ評価システム、
2、6、52…データ収集装置、3…通信回線、4…インターネット網、5…ユーザ側装置、11…演算部、12…入力部、13…表示部、14…記憶部、15、16…通信部、21…入出力処理手段、22…データ登録・編集手段、23…評価基準構築手段、24…データ評価手段、25…評価条件補正手段、26…状態表示手段、27…送受信処理手段、28…データ収集手段、29…ユーザ情報登録手段、30…監視条件設定手段、31…プラントデータファイル、32…評価基準ファイル、33…評価結果ファイル、34…異常データ抽出条件ファイル、35…ユーザ情報ファイル、36…プラントパターンファイル、37…監視データファイル、51…ユーザ端末、61…ルータ、62…ハブ、63…Webサーバ、64…アプリケーションサーバ、65…smtpサーバ

Claims (14)

  1. プラントのデータを保存するデータ登録手段と、過去の一定期間の実データを用いて監視対象データ項目ごとに他のデータ項目との相関近似式を仮算出したのち、当該相関近似式による値と実データとの偏差に基づき不良データを検出し、前記過去の一定期間の実データのうち前記検出した不良データ排除後のデータを用いて少なくとも前記相関近似式、および、標準偏差を含む評価基準を本算出する評価基準構築手段と、前記評価基準構築手段により本算出された評価基準を用いてプラントのデータの評価を実行するデータ評価手段と、前記データ評価手段による評価結果を表示する状態表示手段と、を備えたことを特徴とするプラントデータ評価システム。
  2. プラントのデータを保存するデータ登録手段と、過去の一定期間の実データを用いて監視対象データ項目ごとに他のデータ項目との相関近似式を仮算出したのち、当該相関近似式による値と実データとの偏差に基づき不良データを検出し、前記過去の一定期間の実データのうち前記検出した不良データ排除後のデータを用いて少なくとも相関近似式、標準偏差、および、変化量の標準偏差を含む評価基準を本算出する評価基準構築手段と、前記評価基準構築手段により本算出された評価基準を用いてプラントのデータの評価を実行するデータ評価手段と、前記データ評価手段による評価結果を表示する状態表示手段と、を備えたことを特徴とするプラントデータ評価システム。
  3. 前記データ評価手段は、データの上昇または下降の連続回数に基づいて評価を実行することを特徴とする請求項1または2に記載のプラントデータ評価システム。
  4. 前記データ評価手段は、プラントの運転サイクルまたは時期に基づく補正値を用いて評価を実行することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一に記載のプラントデータ評価システム。
  5. 前記評価基準構築手段は、プラントのデータと相関近似式による値の偏差を演算すると共に当該偏差を監視対象データ項目として該偏差についての評価基準を演算し、前記データ評価手段は、当該評価基準を用いてプラントのデータを評価することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一に記載のプラントデータ評価システム。
  6. プラントのデータを保存するデータ登録段階と、過去の一定期間の実データを用いて監視対象データ項目ごとに他のデータ項目との相関近似式を仮算出したのち、当該相関近似式による値と実データとの偏差に基づき不良データを検出し、前記過去の一定期間の実データのうち前記検出した不良データ排除後のデータを用いて相関近似式を本算出する評価基準構築段階と、当該本算出された相関近似式による値と実データ値との偏差を演算して、該偏差の値、該偏差の変化率、または、該偏差の変化方向の連続回数に基づいて異常の有無を監視するデータ評価段階とを含ことを特徴とするプラントデータ評価方法。
  7. 監視対象データ項目の実データと相関近似式による値との偏差を時期ごとに演算すると共に当該偏差と時期に基づく相関が所定値以上であるか否かを判定し、所定値以上の場合は、当該偏差を用いて時期補正値を演算し、当該時期補正値で前記相関近似式を補正することを特徴とする請求項6記載のプラントデータ評価方法。
  8. 監視対象データ項目の実データと相関近似式による値との偏差を複数の運転サイクルの夫々について演算すると共に当該偏差と運転サイクルに基づく相関が所定値以上であるか否かを判定し、所定値以上の場合は、プラント運転開始後、所定期間の実データを用いて初期補正値を演算し、前記初期補正値で相関近似式を補正することを特徴とする請求項6または7に記載のプラントデータ評価方法。
  9. ユーザ側のデータ収集装置および端末装置と通信ネットワークを介して接続され、前記データ収集装置から送られてくるデータを処理するサーバ装置によりプラントのデータを評価するプラントデータ評価方法であって、前記サーバ装置は、プラント種別ごとに一または二以上のユーザのプラントから収集した過去の一定期間の実データを用いて相関近似式を仮算出したのち、当該相関近似式による値と実データとの偏差に基づき不良データを検出し、前記過去の一定期間の実データのうち前記検出した不良デー タ排除後のデータを用いて相関近似式を本算出するステップと、前記データ収集装置から送られてくるプラントのデータをユーザごとに記憶するステップと、前記ユーザごとのデータと該データと同一のプラント種別に属する前記本算出された相関近似式による値との偏差を演算すると共に当該偏差についての評価基準を演算し、ユーザごとに当該評価基準を記憶するステップと、該評価基準に基づいて、プラントの異常の兆候を監視し、異常の兆候を発見したときは前記ユーザの端末装置へ通知するステップと、を含むことを特徴とするプラントデータ評価方法。
  10. 復水器真空度データを収集するステップと、海水温度データを収集するステップと、前記収集した過去の一定期間の実データを用いて復水器真空度と海水温度の相関近似式を仮算出したのち、当該相関近似式による値と実データとの偏差に基づき不良データを検出し、前記過去の一定期間の実データのうち前記検出した不良データ排除後のデータを用いて相関近似式を本算出するステップと、前記各データと前記本算出された相関近似式との差である復水器真空度偏差を演算し、該復水器真空度偏差の標準偏差を演算するステップと、当該標準偏差および前記復水器真空度偏差を用いて復水器真空度を監視するステップと、を含むことを特徴とする復水器真空度監視方法。
  11. 復水器真空度データを収集するステップと、海水温度データを収集するステップと、復水器真空度データを、特定曜日を基準とした曜日ごとの補正値で補正するステップと、過去の一定期間の前記補正後の復水器真空度データと前記収集した海水温度データを用いて相関近似式を仮算出したのち、当該相関近似式による値と各データとの偏差に基づき不良データを検出し、前記過去の一定期間の各データのうち前記検出した不良データ排除後のデータを用いて相関近似式を本算出するステップと、前記補正後のデータと前記本算出された相関近似式との差である復水器真空度偏差を演算するステップと、前記復水器真空度偏差の標準偏差を演算するステップと、当該標準偏差および前記復水器真空度偏差を用いて復水器真空度を監視するステップと、を含むことを特徴とする復水器真空度監視方法。
  12. コンピュータを用いてデータ間の相関を演算するデータマイニング方法であって、過去の一定期間の実データを用いてデータ間の相関近似式と標準偏差を仮算出したのち、当該相関近似式による値と実データとの偏差を前記標準偏差と比較することにより不良データを検出するステップと、前記過去の一定期間の実データうち前記検出した不良データ排除後のデータを用いて前記相関近似式を本算出するステップと、その後、当該本算出された相関近似式を用いてデータの評価を行うステップと、を含むことを特徴とするデータマイニング方法。
  13. データ間の相関を演算するプログラムであって、データを入力する処理と、過去の一定期間の実データを用いてデータ間の相関近似式と標準偏差を仮算出する処理と、当該相関近似式による値と実データとの偏差を前記標準偏差と比較することにより不良データを検出する処理と、前記過去の一定期間の実データのうち前記検出した不良データ排除後のデータを用いて、前記相関近似式の係数を演算する処理と、をコンピュータに実行させるためのデータマイニング用プログラム。
  14. ユーザ側のデータ収集装置および端末装置と通信ネットワークを介して接続され、前記データ収集装置から送られてくるデータを処理するサーバ装置上で動作するプログラムであって、プラント種別ごとに一または二以上のユーザのプラントから収集した過去の一定期間の実データを用いて相関近似式を仮算出したのち、当該相関近似式による値と実データとの偏差に基づき不良データを検出し、前記過去の一定期間の実データのうち前記検出した不良データ排除後のデータを用いて相関近似式を本算出する処理と、前記データ収集装置から送られてくるプラントのデータをユーザごとに記憶する処理と、前記ユーザごとのデータと該データと同一のプラント種別に属する前記本算出された相関近似式による値との偏差を演算すると共に当該偏差についての評価基準を演算し、ユーザごとに当該評価基準を記憶する処理と、前記ユーザごとの評価基準に基づいて、前記ユーザのプラントのデータを評価する処理と、当該評価結果を前記ユーザの端末装置へ送信する処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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