JP3745445B2 - 湿度発生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、湿度計を校正するために湿度を発生する湿度発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
湿度計を校正するために使用する湿度発生装置には、飽和槽の飽和空気と乾燥空気を混合させる分流式を用いたもの、あるいは水蒸気が飽和している飽和槽の温度、圧力と、目的とする湿度を得るための測定・試験槽の温度、圧力との比を利用して所定の湿度を発生する2温度法、2圧力法、2温度2圧力法を用いたもの等がある。
【0003】
分流式では、飽和空気と乾燥空気との混合比の精度の確保が難しく、又、2温度法、2圧力法では、0.1℃の温度差が湿度1%RHであることから、2温度法では、飽和槽、試験槽の各温度を精密に維持する必要があり、槽の温度を変化させるに時間を要するものであり、又、2圧力法では圧力の切換で済むので応答は速いが、通常大きな恒温槽を必要とする。
【0004】
つまり、こうした湿度発生装置には、加湿槽からの加湿空気から恒温恒湿の飽和空気を得るための飽和槽(飽和器、飽和装置)等が用いられ、これにより得られた飽和空気を試験槽に供給してるが、通常は飽和槽や試験槽は大型の水温槽内に設置して一定温度とし所望の飽和空気等を得るようにしている(これらの点については、JIS Z8806−1981、B7920−1994等を参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような水温槽を用いると、水温槽全体の温度制御を必要とし制御対象の熱容量が大きく、制御が困難で、また、均一な温度分布を得るために水温槽全体を攪拌する等の必要があり、温度分布の評価が難しく、かつ装置や付帯設備が大型で複雑なものとなる問題点があった。
【0006】
この発明の目的は、以上の点に鑑み、簡単な構成で、小形、コンパクト、高精度の湿度発生装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、飽和槽の空気を減圧して試験槽に供給してなる2圧力法による湿度発生装置において、試験槽と飽和槽とを高熱伝導体で一体的に構成し、試験槽の温度と飽和槽の温度とを室温とするようにした湿度発生装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施例を示す2圧力法による湿度計校正用の湿度発生装置である。
【0009】
図において、1は、アルミニウム、銅等の熱伝導の良好な金属ブロック等の高熱伝導体で、この高熱伝導体1の内部の下方に飽和槽2が、又、内部の上方に試験槽5が一体的に上下に直列的に設けられている。つまり、飽和槽2、試験槽5は、高熱伝導体1内に、例えば、くりぬき、又は密着組み合わせ等で一体化して形成する。この飽和槽2は、高熱伝導体1内に密閉空間Rを形成し、その内部の空間Rの底面を水Wを収容する水盤状とし、この空間を表面が多孔体22とされた垂直の板体21で仕切り、この板体21との水Wの水面で形成された水路23上を、下部よりコンプレッサ等で導入され加圧された空気A0を通過させる構造である。つまり、飽和槽2の所定位置下部又は中央下部から水面上に空気A0を供給し、板体21により螺旋状又はジグザグ状等の長い通路とされた水路23上を通過し、外方から温度T1、圧力P1の100%RHの十分な飽和空気A1を取り出す。なお、この飽和槽2の板体21の表面の多孔体22は例えばアルミニウムの表面をアルマイト処理してなる酸化アルミニウム等で、表面積が大きく保水力を有し、十分な飽和空気A1が得られる。なお。高熱伝導体1を構成するアルミニウム、銅の熱伝導率は、水の約420〜720倍で、極めて熱伝導率が高く、全体として0.1℃以内の均熱性が容易に得られる。なお、飽和槽2に供給される空気A0は、通常の空気でも、加湿された空気でもいずれでもよい。
【0010】
そして、飽和槽2からの飽和空気A1は、圧力調整弁3で減圧され、断熱膨張による温度低下を防止するための加温手段4を有する配管31を介し、この減圧された空気A2は、飽和槽2の上部に設けられた試験槽5の外周に螺旋状に形成された高熱伝導体1内の通路51を上方から下方に通過して試験槽5に供給される。試験槽5の蓋等で密閉された空間50に空気A2の圧力は減圧されたP2、温度はT2(T1=T2)で室温、飽和槽2、試験槽5の圧力P1、P2は圧力計61、62で測定される。なお、切換手段60により1個の圧力計62のみで、飽和槽2の圧力、及び試験槽5の圧力を測定でき、簡素化ができる。又、飽和槽2の圧力のみを測定するようにし、これと試験槽5の圧力と同等の大気圧とを1個の圧力計61で切換測定してもよい。
【0011】
つまり、一般に相対湿度Uは次式で与えられる。
【0012】
U=(P2/P1)・(e1/e2)×100 (1)
ここでP1は飽和槽2の圧力、P2は試験槽5の圧力、e1は飽和槽2の温度T1における飽和水蒸気圧、e2は試験槽5の温度T2における飽和水蒸気圧である。
【0013】
この図1では2圧力法で、温度T1、温度T2は室温で等温なので、e1=e2で、圧力P1、P2を用い、次式から100%RH以下の相対湿度が得られる。
【0014】
U=(P2/P1)×100 (2)
つまり、大型の恒温水槽等が不要で、試験槽5、飽和槽2の全体を熱伝導体1内に一体化して構成しているので、飽和槽2、試験槽5とも、高精度に室温とされ、圧力調整弁3の操作のみで、高精度の所定湿度の空気が得られ、目的とする湿度定点が実現できる。
【0015】
図2は、この発明の他の一実施例を示す構成説明図で、図1と同一符号は同等の構成要素を示す。
【0016】
図2(a)において、試験槽5、飽和槽2の全体を高熱伝導体1内に一体的に構成し、飽和槽2の下方からの空気A0は水W上を通過して飽和空気A1となり、減圧されて試験槽5に供給される。この試験槽5は、飽和槽2の上方の位置に直列的に一体的に熱伝導の良好な金属等の高熱伝導体1で構成され、しかも、試験槽5は、前記飽和槽2からの飽和空気A1を減圧した空気A2を、外周の螺旋状に形成された溝52を外体53で密閉した通路を上方から下方に通過させて室温になじませ、蓋等で密閉された内部の空間50に導入する。このように、試験槽5、飽和槽2は熱伝導の良好な金属等の高熱伝導体1で一体構成しているので、両温度は正確に室温の等温とされ、高精度の相対湿度が発生され湿度計の良好な校正が可能となる。更に、湿度発生槽としての高熱伝導体1は、全体を補助的な恒温水槽、又は全体の外周に冷却、加熱体等の補助体1aを介在させ、室温以外の温度としてもよい。
【0017】
図2(b)においては、飽和槽2からの飽和空気A1を減圧した空気A2を、試験槽5の外周の高熱伝導体1の上下に貫通した通路54に上下に往復通過させて室温になじませ、蓋等で密閉された試験槽5の内部の空間に導入している。
【0018】
なお、以上、試験槽5、飽和槽2の全体を熱伝導体1内で上下に一体化して構成した例を示したが、試験槽5、飽和槽2の全体を高熱伝導体1内に左右並列、あるいは斜めに形成する等どのように構成しても、試験槽5、飽和槽2の全体を高熱伝導体1内に一体化してあれば、同等の効果が得られる。
【0019】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明は、飽和槽の空気を減圧して試験槽に供給してなる2圧力法による湿度発生装置において、試験槽と飽和槽とを高熱伝導体で一体的に構成し、試験槽の温度と飽和槽の温度とを室温とするようにした湿度発生装置である。このため、小形、コンパクトで簡易な構成とでき、大型の恒温水槽が不要で、室温とでき、きわめて正確な湿度を発生させることができ、湿度計の校正に好適である。又、試験槽は、前記飽和槽の上方に直列的に一体的に熱伝導の良好な金属等の高熱伝導体で構成されているので、両者は極めて正確に室温で等温とでき、正確な湿度を発生でき、更に、試験槽は、飽和槽からの空気を外周の螺旋状に形成された通路等を上方から下方に通過させ内部に導入することで、いっそう等温とできる。又、湿度発生槽の全体を補助的な恒温水槽、又は全体の外周に冷却、加熱体等の補助体を介在させ、室温以外の温度とでき、各種温度における様々な校正、評価試験が容易に可能となる。又、飽和槽は、密閉容器の内部の空間の底面を水盤状とし、この空間を表面が多孔体の垂直の板体で仕切り、この板体と水面で形成された水路上を加湿空気を通過させているで、十分な湿潤を与えることができ、所定位置下部又は中央下部から水面上に空気を供給し、螺旋状又はジグザグ状等の長い通路とされた水路を通過し、外方から飽和空気を取り出すことで長い通路を確保でき十分な飽和空気が得られ、更に、仕切の表面の多孔体をアルマイト処理による酸化アルミニウム等で形成して、表面積を大きく取り、容易に保水力を高めることができる。このように、全体として、恒温水槽のような大型の装置は不要で、湿度計校正装置として小型、コンパクト化を図ることができ、また、2圧力法以外の装置にも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す構成説明図である。
【図2】この発明の一実施例を示す構成説明図である。
【符号の説明】
1 高熱伝導体
2 飽和槽
3 圧力調整弁
4 加熱手段
5 試験槽
61、62 圧力計
Claims (8)
- 2圧力法による湿度発生装置において、試験槽と飽和槽とをアルミニウム、銅又はアルミニウムと銅の何れから成る高熱伝導体で一体的に構成したことを特徴とする湿度発生装置。
- 前記湿度発生装置は、全体を補助的な恒温水槽、又は全体の外周に冷却、加熱体等の補助体を介在させたことを特徴とする請求項1記載の湿度発生装置。
- 前記飽和槽の圧力、及び試験槽の圧力を切換手段で切り換えて、1個の圧力計で測定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の湿度発生装置。
- 前記試験槽は、前記飽和槽から減圧して供給された空気を外周に形成された通路を上方から下方に通過させ内部に導入することを特徴とする請求項1から請求項3いずれかに記載の湿度発生装置。
- 前記飽和槽は、前記高熱伝導体内に密閉空間を形成し、その内部の空間の底面に水を収容し、この空間を垂直の板体で仕切り、この板体と水面で形成された水路上を空気を通過させる構造としたことを特徴とする請求項1から請求項4いずれかに記載の湿度発生装置。
- 前記飽和槽は、所定位置下部又は中央下部から水上に空気を供給し、螺旋状又はジグザグ状等の長い通路とされた前記水路上を通過させ、外方から飽和空気を取り出すこと特徴とする請求項1から請求項5いずれかに記載の湿度発生装置。
- 前記飽和槽の板体の表面を多孔体としたことを特徴とする請求項5記載の湿度発生装置。
- 前記飽和槽の板体表面の多孔体は、アルマイト処理による酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項7記載の湿度発生装置。
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1996
- 1996-03-22 JP JP09360296A patent/JP3745445B2/ja not_active Expired - Fee Related
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