JP3741549B2 - 舵取装置及びこれに用いる取付具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として自動車に用いる舵取装置及びこれを車体に取付ける取付具に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の舵取装置としては、例えば舵軸を回転可能に収納するハウジングに、自動変速機用の操作部が取付けられる舵取装置が知られている。
【0003】
図10は従来の舵取装置の平面図である。
この舵取装置は、舵取りのための舵輪に連動する舵軸100と、該舵軸100を回転可能に収納して支持するハウジング101と、該ハウジング101のロアー側を車体に取付けるロアー側の取付具102と、前記ハウジング101の長手方向中央部を車体に取付けるアッパー側の取付具103及び自動変速機用の操作部104と、該操作部104に連動する連動索105が保持された保持具106が支持される支持ブラケット107と、前記舵輪に加わる操舵トルクに基づいて駆動制御される操舵補助用の電動モータ108とを備えている。
【0004】
ハウジング101は、円筒状のパイプ部109とこれの端部が圧入によつて連結された成形筒部110とを備え、パイプ部109の軸長方向中央部に前記アッパー側の取付具103及び操作部104が取付けられており、成形筒部110の一側に前記電動モータ108に連動する減速機構が収納されるモータ側筒部が設けられている。また、成形筒部110には、ロアー側の端部に第1の取付部を設け、中間部に第2の取付部を設け、第1の取付部に前記ロアー側の取付具102が複数本の取付ねじ111によって取付けられており、第2の取付部に板状の前記支持ブラケット107が複数本の取付ねじ112によって取付けられている。
【0005】
図11は従来のロアー側の取付具の側面図である。
ロアー側の取付具102は、L字状に曲げられている金属板の一方側板部を車体に取付ける取付片113とし、他方側板部を前記ハウジングの成形筒部110の端部に固定されるリング状の固定部114としてなり、この固定部114に複数個の貫通孔115を設け、これら貫通孔115に挿通する前記取付ねじ111を前記第1の取付部に緊締することによって前記成形筒部110に取付けられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、以上の如く構成された従来の舵取装置によれば、ハウジング101に第1の取付部及び第2の取付部を設けて、第1の取付部にはロアー側の取付具102を取付け、第2の取付部には支持ブラケット107を取付けているため、ハウジング101への組付け工数が多くて、舵取装置の組立て作業性が悪いのであり、また、前記支持ブラケット107はハウジングの成形筒部110に取付けられるため、衝撃等によって成形筒部110への取付部が壊れ易く、これの剛性が低かったのである。また、ロアー側の取付具用の取付ねじ111とは別個に支持ブラケット用の取付ねじ112が必要であり、さらに、ハウジング101及び支持ブラケット107に取付部が必要であるため、舵取装置の全体の重量が増大することになるという問題があった。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ハウジングを車体に取付ける取付具が、操作部に連動する連動索を保持する保持具が結合される結合部を備えることにより、舵取装置を組立てるとき、取付具をハウジングに固定することによって前記保持具を取付け得るようにでき、舵取装置の組立て工数を少なくすることができる舵取装置及びこれに用いる取付具を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る舵取装置は、舵輪に連動する舵軸を回転可能に収納する筒形をなすハウジングに、該ハウジングを車体に取付ける板製の取付具及び自動変速機用の操作部が取付けられる舵取装置において、前記取付具は、前記ハウジングの端部に固定される固定板部と、該固定板部の一側から板厚方向に曲げられ、且つ前記ハウジングに作用する軸長方向への衝撃エネルギーを吸収する衝撃エネルギー吸収部を有し車体に取付けられる取付片と、前記固定板部の他側から第1及び第2の曲がり部により板厚方向に曲げられて前記ハウジングの径方向一側に配置され、且つ前記操作部に連動する連動索を保持すべき保持具が結合される結合板部とを一体に構成してあることを特徴とする。
【0009】
発明に係る取付具は、舵軸を回転可能に収納する筒形をなすハウジングの端部を車体に取付ける板製の取付具において、前記ハウジングの端部に固定される固定板部と、該固定板部の一側から板厚方向に曲げられ車体に取付けられる取付片と、前記固定板部の他側から第1及び第2の曲がり部により板厚方向に曲げられて前記ハウジングの径方向一側に配置され、且つ変速機用の操作部に連動する連動索を保持すべき保持具が結合される結合板部とを一体に構成してあることを特徴とする。
【0010】
第1発明及び第発明にあっては、ハウジングを車体に取付ける取付具に、操作部に連動する連動索を保持すべき保持具が結合される結合部を設けてあるから、舵取装置を組立てるとき、取付具をハウジングに固定することによって前記保持具を取付け得るようにできる。従って、舵取装置の組立て工数を少なくすることができ、組立て作業性を良好にできる。しかも、ハウジングに固定される固定板部に結合板部が設けられているから、前記ハウジングに作用する衝撃エネルギーを前記保持具に影響されることなく良好に吸収することができ、また、結合板部は、ハウジングに固定する固定板部と一体であるから、従来例の如くロアー側の取付具とは別個に支持ブラケットが設けられているものに比べて取付ねじ等の取付構造を少なくでき、軽量化することができる。
【0012】
発明に係る取付具は、舵軸を回転可能に収納するハウジングの端部を車体に取付ける取付具において、L字状に曲げられている金属板の一方側板部を、前記ハウジングに作用する軸長方向への衝撃エネルギーを吸収する衝撃エネルギー吸収部及び車体に取付ける取付孔を有する取付片とし、他方側板部を前記ハウジングの端部に固定されるリング状の固定板部とし、該固定部の一側から第1及び第2の曲がり部により板厚方向に曲げられて前記ハウジングの径方向一側に配置され、且つ前記ハウジングに取付けられる操作部用の連動索を保持すべき保持具が結合される結合板部を一体に備えていることを特徴とする。
【0013】
3発明にあっては、ハウジングに固定される固定部に結合部が設けられているから、前記ハウジングに作用する衝撃エネルギーを前記保持具に影響されることなく良好に吸収することができ、また、結合部は、ハウジングに固定する固定部と一体であるから、従来例の如くロアー側の取付具とは別個に支持ブラケットが設けられているものに比べて取付ねじ等の取付構造を少なくでき、軽量化することができる。また、取付片、固定部及び結合部が金属板で一体に構成されているから、保持具の取付け剛性を高くすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は舵取装置の平面図、図2は舵取装置の正面図である。
この舵取装置は、一端部が舵取りのための舵輪に連動する舵軸1と、該舵軸1を回転可能に収納して支持するハウジング2と、該ハウジング2のロアー側の端部を車体に取付けるロアー側の取付具3と、前記ハウジング2の長手方向中央部を車体に取付けるアッパー側の取付具4及び自動変速機用の操作部5と、該操作部5に連動する連動索6を保持する保持具7と、前記舵輪に加わる操舵トルクに基づいて駆動制御される操舵補助用の電動モータ8とを備えている。
【0015】
ハウジング2は、円筒状のパイプ部21とこれの端部が圧入によつて連結された成形筒部22とを備えており、パイプ部21の軸長方向中央部に前記アッパー側の取付具4及び操作部5が取付けられている。成形筒部22は、前記舵輪に加わる操舵トルクを検出するトルクセンサ9を収納するセンサ側筒部22aと、前記電動モータ8に連結されるモータ側筒部22bとを備え、これらセンサ側筒部22a及びモータ側筒部22bが複数本の締付ねじ23によって結合されている。また、モータ側筒部22bのセンサ側筒部22aと反対側の端面には複数の取付孔が周方向に等間隔で設けられている。
【0016】
図3はロアー側の取付具の側面図である。
ロアー側の取付具3は、L字状に曲げられている金属板の一方側板部を車体に取付ける取付孔30,30を有する取付片31とし、他方側板部を前記ハウジング2のモータ側筒部22bの端部に固定されるリング状の固定(以下固定部と称する)32としてなる取付具本体3aを備えており、前記固定部32に前記取付孔に対応する複数個の貫通孔33を周方向に等間隔で設け、これら貫通孔33に挿通する取付ねじ34を前記取付孔に緊締することによって前記成形筒部22に取付けられる。固定部32の一側には前記保持具7が結合される結合(以下結合部と称する)35を一体に設けている。
【0017】
この結合部35は、前記固定部32の一側と連続する板部を、その板厚方向へ成形するのであって、第1の曲がり部36によって前記取付片31と反対側へ直角状に曲がり、さらに第2の曲がり部37によって前記固定部32と反対側へ直角状に曲がっており、前記固定部32が成形筒部22に固定されたとき、該成形筒部22の径方向一側に結合部35が配置されるようにしてある。この結合部35には、一対の貫通孔38が離隔して設けられている。
【0018】
保持具7は、金属板を成形してなり、その一端側に前記貫通孔38に対応する一対の貫通孔が設けてあり、他端側に前記連動索6に嵌合保持される筒部材10が嵌め込みによって取付けられる取付孔が設けてある。そして、結合部35の前記貫通孔38及び保持具7の貫通孔に挿通する取付ねじ11にナット12を螺着することによって保持具7を結合部35に着脱が可能にして取付けられる。
連動索6は、例えばインナーワイヤ及びこれを収納して案内するアウター筒とを備えている。
【0019】
ロアー側の取付具3の取付片31は、離隔して一対が設けてあり、これら取付片31,31に一側が切欠きされた前記取付孔30,30が設けられている。各取付片31,31の基部及び前記取付孔30,30間には切欠凹部を有する衝撃エネルギー吸収部39,39が設けられており、自動車の前面衝突等により運転者から舵輪に衝撃エネルギーが作用したとき、前記衝撃エネルギー吸収部39,39を変形させて前記衝撃エネルギーを吸収することができるようにしてある。
【0020】
操作部5は、シフトレバー(図示せず)と、これの操作によって動作する機構部(図示せず)と、これを収納するケーシング51とを備えており、該ケーシング51が取付ブラケット13を介して前記ハウジング2に固定されており、また、機構部に前記連動索6が連結されており、シフトレバーによって選択された変速段位に応じて連動索6のインナーワイヤを移動させるようにしてある。
【0021】
図4はハウジングの成形筒部内の構造を示す拡大断面図である。
成形筒部22内には、前記舵軸1の他端部に結合される筒状の入力軸14と、該入力軸14内に挿入されて、その一端部が入力軸14の一端部に第1のダウエルピン15によって結合されるトーションバー16と、一端部が前記入力軸14の他端部外周に挿嵌されており、他端部が前記トーションバー16の他端部に第2のダウエルピン17によって結合される出力軸18と、該出力軸18の外周に嵌合によつて固定されるウォームホイール19及びこれに噛合するウォーム20と、前記出力軸18のウォームホイール19の軸長方向一側及び他側に嵌合される第1及び第2玉軸受60,61と前記入力軸14の外周に嵌合される軸受62と、前記トルクセンサ9とが収納されている。
【0022】
モータ側筒部22bのセンサ側筒部22aと反対側となる他端部には、前記第1玉軸受60が嵌合される嵌合孔24が設けてあり、該嵌合孔24の軸長方向一端部にねじ溝25が、また、他端部に前記第1玉軸受60の移動を制限する鍔部26が夫々設けられており、前記ねじ溝25にナット体27を螺着することによって第1玉軸受60の外輪を鍔部26に押し付けて固定するようにしてある。また、出力軸18の他端部外周にはねじ溝を設けて、これに螺着されるナット体63の締込みによって第1玉軸受60の内輪を出力軸18の中途に設けられた段部に押し付けて固定するようにしてある。
【0023】
トルクセンサ9は、端面に矩形状の歯部が周方向に形成されており、前記入力軸14及び出力軸18に夫々固定される一対の磁性体製リング91,91をトルク検出コイル92の内側に配置し、前記トーションバー16の捩じれに対応して入力軸14側の磁性体製リング91と出力軸18側の磁性体製リング91とが相対回転したときに前記歯部の対向面積が変化して、トルク検出コイル92のインピーダンスが変化することにより前記操舵トルクを検出する非接触式センサが用いられている。
【0024】
成形筒部22に収納されたものを組立てる場合、例えば第1玉軸受60を嵌合孔24に挿嵌し、モータ側筒部22b及び出力軸18の各ねじ溝にナット体27,63を螺着して第1玉軸受60の外輪及び内輪を固定し、ウォームホイール19及び磁性体製リング91が固定された出力軸18を前記第1玉軸受60内に挿入する。また、軸受62と、トルク検出コイル92と第2玉軸受61とが収納されたセンサ側筒部22a内に磁性体製リング91及びトーションバー16が固定されている入力軸14を挿入する。そして、入力軸14の他端部が出力軸18の一端部内に挿入され、センサ側筒部22aがモータ側筒部22bに結合される。この状態に組立てられたあと、ロアー側の取付具3がモータ側筒部22bの他端部に取付ねじ34によって取付けられる。
【0025】
このロアー側の取付具3がモータ側筒部22bに取付けられる以前に舵軸1の一端部に軸長方向への押圧力が作用した場合、従来のものにあっては前記第1玉軸受60が出力軸18とともに軸長方向へ移動することになるが、本発明にあつては、前記第1玉軸受60がナット体27,63によってモータ側筒部22bに固定されているから、第1玉軸受60が出力軸18とともに軸長方向へ移動することを確実に防止することができる。従って、前記トルクセンサ9の磁性体製リング91,91の位相がずれることを防止でき、センサ出力の変動を良好に防止することができる。即ち、従来のものは、前記鍔部26が前記嵌合孔24の軸長方向一端部に設けられており、他端部は鍔部が設けられることなく開放されていたから、前記ロアー側の取付具3がモータ側筒部22bに取付けられる以前に舵軸1の一端部に軸長方向への押圧力が作用した場合、前記第1玉軸受60が出力軸18とともに軸長方向へ移動することになる。
【0026】
図5は図1のV−V線の拡大断面図、図6はアッパー側の取付具の車体への取付側の分解斜視図である。
アッパー側の取付具4は、金属板を凹状に成形してなり、溶接等の取付手段によってハウジング2に取付けられるU字形の固定片41と、該固定片41の一端部及び他端部から直角状に曲がっており、車体に取付けられる一対の取付片42とを備えている。取付片42にはハウジング2の軸長方向へ延びる切欠凹部42a,42a及び該切欠凹部42a,42aの凹縁部に穿設された複数のピン孔42b・・・が設けられており、前記切欠凹部42a,42aにボルト孔43aを有するアルミニウム等の金属製の第1スペーサ43,43及び衝撃エネルギー吸収体44を有する合成樹脂製の第2スペーサ45,45を保持し、第1スペーサ43,43のボルト孔43a,43aに挿通するボルトによって取付具4を車体に固定するようにしている。
【0027】
第1スペーサ43,43は、前記切欠凹部42a,42aの凹縁部の下側面と対面する対面部をL字形に切欠いて一対の薄肉対面部43b,43bとしており、これら薄肉対面部43b,43bに前記ピン孔42b・・・に対応する複数のピン孔43c・・・が設けられている。
【0028】
第2スペーサ45,45は前記切欠凹部42a,42aの凹縁部の上側面と対面するように略コ字形に形成されており、この第2スペーサ45,45の前記上側面との対面部に前記ピン孔42b・・・に挿嵌されるピン状の前記衝撃エネルギー吸収体44が一体に成形されている。
【0029】
そして、第2スペーサ45,45を取付片42,42の切欠凹部42a,42aに挿嵌して薄肉対面部43b,43bを切欠凹部42a,42aの凹縁部の下側面と対面させるとともに、衝撃エネルギー吸収体44をピン孔42b・・・,43c・・・に挿嵌して第2スペーサ45,45を切欠凹部42a,42aの凹縁部の上側面と対面させ、第1スペーサ43,43のボルト孔43a,43aに挿通するボルトを車体に穿設されている取付孔に螺着することによって取付片42,42を第1及び第2スペーサ43,43、45,45の間で挾み込み固定する。この固定状態において、自動車の前面衝突等により運転者から舵輪に作用する衝撃エネルギーによって舵軸1及びこれの軸受を介してハウジング2が軸長方向へ押圧されたとき前記衝撃エネルギー吸収体44が破断してアッパー側の取付具4が第1スペーサ43,43に対して摺動し、衝撃エネルギーを吸収するようにしてある。
【0030】
図7はアッパー側の取付具の車体への取付側の拡大断面図である。
第2スペーサ45,45は、第1スペーサ43,43の薄肉対面部43b,43bとの間で前記取付片42,42を挾み込むときの厚さH1が第1スペーサ43,43の厚さH2よりも厚くなるような厚さに形成して、前記ボルトによって取付片42,42を車体に挾み込み固定するとき第2スペーサ45,45が撓み、該第2スペーサ45,45と取付片42,42と第1スペーサ43,43とを密着させて取付具4の取付部の剛性を高めるようにしてある。
【0031】
以上の如く金属製の第1スペーサ43,43及び合成樹脂製の第2スペーサ45,45によって取付具4を挾み込み固定することによって合成樹脂製のスペーサのみを用いたものに比べて取付具4の車体への取付部の剛性を高めることができ、また、金属製のスペーサのみを用いたものに比べてトルソー評価時のスペーサ摺動荷重、即ち、舵軸1の一端部に荷重を加えて取付具4がスペーサから抜け出るまでのスペーサ摺動荷重を小さくすることができる。
【0032】
また、合成樹脂製の第2スペーサ45,45に衝撃エネルギー吸収体44を一体に成形したことによってインジェクション工程がなくなり、このインジェクション工程に見合う作業時間を短縮することができる。また、金属板製の取付具4が金属製の第1スペーサ43,43と接触し、これが車体と接触するから、例えば舵輪に設けられた警音器押しボタンのボディアースヘ流れる電流を前記第1スペーサ43,43から車体へ良好に逃がすことができ、特別のホーンアースを不要にできる。
【0033】
以上の如く構成した舵取装置は、ハウジング2に取付けられた操作部5に連結されている連動索6の中途部に嵌合保持される筒部材10が保持具7に取付けられており、この保持具7が、ロアー側の取付具3の一端に成形されている結合部35に取付ねじ11によって取付けられる。従って、従来例の如く保持具7を取付けるための専用のブラケットが不要であり、ハウジング2への組み付け工数が少なくて、舵取装置の組立て作業性を良好にできるのである。また、金属板製の取付具3に結合部35を一体に成形して、該結合部35に前記保持具7を取付けるため、保持具7の取付部の剛性を高めることができる。
【0034】
また、保持具7を取付けるための結合部35は、車体に取付ける取付片31でなく、ハウジング2に固定する固定部32と一体に設けてあるため、前記舵輪に加わる衝撃エネルギーによって舵軸1を介してハウジング2が軸長方向へ移動するとき前記取付片31の衝撃エネルギー吸収部39を前記保持具7に影響されることなく良好に変形させることができ、衝撃エネルギーを良好に吸収することができる。
【0035】
図8はアッパー側の取付具の他の実施の形態を示す正面図、図9はアッパー側の取付具の展開図である。
この実施の形態の取付具4は、矩形状の金属板の長さ方向一端部に前記切欠凹部42aと前記ピン孔42b・・・とアース片42cとを成形し、他端部に前記切欠凹部42aと前記ピン孔42b・・・とを成形して、これを凹状に曲げるとき、前記アース片42cを押し潰して薄肉にするとともに波形状に曲げて弾性を与え、これが車体と接触するようにしている。
【0036】
この実施の形態にあっては、アース片42cが取付具4と一体に成形されているから、従来の如くアース片が別個に形成されているものに比べて取付具4との接触不良をなくすることができ、組付け作業性を向上できるのであり、また、アース片42cに弾性を与えているから、車体との接触性を良好にできる。
【0037】
【発明の効果】
以上詳述した如く第1発明及び第発明によれば、ハウジングを車体に取付ける取付具に、操作部に連動する連動索を保持する保持具が結合される結合部を設けてあるから、舵取装置を組立てるとき、取付具をハウジングに固定することによって前記保持具を取付け得るようにできるのであり、従って、舵取装置の組立て工数を少なくすることができ、組立て作業性を良好にできる。しかも、ハウジングに固定される固定板部に結合板部が設けられているから、前記ハウジングに作用する衝撃エネルギーを連動索を保持する保持具に影響されることなく良好に吸収することができる。また、結合板部は、ハウジングに固定する固定板部と一体であるから、従来例の如くロアー側の取付具とは別個に支持ブラケットが取付けられているものに比べて取付ねじ等の取付構造を少なくでき、軽量化することができる。
【0038】
3発明によれば、ハウジングに固定される固定部に結合部が設けられているから、前記ハウジングに作用する衝撃エネルギーを連動索を保持する保持具に影響されることなく良好に吸収することができる。しかも、結合部は、ハウジングに固定する固定部と一体であるから、従来例の如くロアー側の取付具とは別個に支持ブラケットが取付けられているものに比べて取付ねじ等の取付構造を少なくでき、軽量化することができる。また、取付片、固定部及び結合部が金属板で一体に構成されているから、保持具の取付板部の剛性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る舵取装置の平面図である。
【図2】本発明に係る舵取装置の正面図である。
【図3】本発明に係る舵取装置のロアー側の取付具の側面図である。
【図4】本発明に係る舵取装置のハウジングの成形筒部内の構造を示す拡大断面図である。
【図5】図1のV−V線の拡大断面図である。
【図6】本発明に係る舵取装置のアッパー側の取付具の車体への取付側の分解斜視図である。
【図7】本発明に係る舵取装置のアッパー側の取付具の車体への取付側の拡大断面図である。
【図8】本発明に係る舵取装置のアッパー側の取付具の他の実施の形態を示す正面図である。
【図9】本発明に係る舵取装置のアッパー側の取付具の展開図である。
【図10】従来例に係る舵取装置の平面図である。
【図11】従来例に係る舵取装置のロアー側の取付具の側面図である。
【符号の説明】
1 舵軸
2 ハウジング
3 取付具
31 取付片
32 固定部
35 結合部
5 操作部
6 連動索
7 保持具

Claims (3)

  1. 舵輪に連動する舵軸を回転可能に収納する筒形をなすハウジングに、該ハウジングを車体に取付ける板製の取付具及び自動変速機用の操作部が取付けられる舵取装置において、前記取付具は、前記ハウジングの端部に固定される固定板部と、該固定板部の一側から板厚方向に曲げられ、且つ前記ハウジングに作用する軸長方向への衝撃エネルギーを吸収する衝撃エネルギー吸収部を有し車体に取付けられる取付片と、前記固定板部の他側から第1及び第2の曲がり部により板厚方向に曲げられて前記ハウジングの径方向一側に配置され、且つ前記操作部に連動する連動索を保持すべき保持具が結合される結合板部とを一体に構成してあることを特徴とする舵取装置。
  2. 舵軸を回転可能に収納する筒形をなすハウジングの端部を車体に取付ける板製の取付具において、前記ハウジングの端部に固定される固定板部と、該固定板部の一側から板厚方向に曲げられ車体に取付けられる取付片と、前記固定板部の他側から第1及び第2の曲がり部により板厚方向に曲げられて前記ハウジングの径方向一側に配置され、且つ変速機用の操作部に連動する連動索を保持すべき保持具が結合される結合板部とを一体に構成してあることを特徴とする取付具。
  3. 舵軸を回転可能に収納するハウジングの端部を車体に取付ける取付具において、L字状に曲げられている金属板の一方側板部を、前記ハウジングに作用する軸長方向への衝撃エネルギーを吸収する衝撃エネルギー吸収部及び車体に取付ける取付孔を有する取付片とし、他方側板部を前記ハウジングの端部に固定されるリング状の固定板部とし、該固定部の一側から第1及び第2の曲がり部により板厚方向に曲げられて前記ハウジングの径方向一側に配置され、且つ前記ハウジングに取付けられる操作部用の連動索を保持すべき保持具が結合される結合板部を一体に備えていることを特徴とする取付具。
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