JP3740237B2 - 画像認識装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物を画像データとして取込み、テンプレートデータとの照合によって対象物を認識する画像認識装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の画像認識装置では、パターンマッチング処理の高速化を図るため、テンプレートデータは２値データを使用していた。
【０００３】
ところが、計測した画像データは多値データであり２値データと照合した場合差異が大きくなるため、正確な類似度を得ることができず、そのため、認識率の改善が困難になるという問題があった。
【０００４】
図７に従来技術による画像認識装置の典型的なシステム構成を示す。
【０００５】
このテンプレート調整部７１４は、テンプレートデータを保存する記憶部７２１と記憶部７２１から最新のテンプレートデータを入力しテンプレートデータを生成する処理装置７１３と、テンプレートデータの調整要求を入力する入力装置７１２と、調整結果のテンプレートデータを表示する表示装置７１１と、要求・応答信号を伝送するための制御バス７０１と、処理データを伝送するためのデータバス７０２とから構成されている。
【０００６】
このシステムは、入力装置７１２からテンプレートデータ調整要求を入力すると、制御バス７０１を介して記憶部７２１に対してテンプレートデータ読込要求を送信する。記憶部７２１は、処理装置７１３からのテンプレートデータ読込要求を受信するとテンプレートデータファイルからテンプレートデータを読み込み、データバス７０２を介して処理装置７１３に対して出力する。
【０００７】
処理装置７１３は、記憶部７２１から転送されてきたテンプレートデータを読み込み表示装置７１１に出力する。オペレータは表示されたテンプレートデータを読み取り画像データと比較することにより、テンプレートデータを画像データに一致させるように調整を行っていた。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記テンプレートデータ調整作業では、２値化テンプレートデータしか作成することができず、計測画像データとのパターンマッチングの結果得られる類似度が小さく、相違するテンプレートとの類似度間に大きな差異が得られない。このため、認識率が低いという問題があった。
【０００９】
そこで、本発明は、対象物を画像で認識する際に認識率を大幅に向上させるのに最適なテンプレートデータを生成する画像認識装置を提供することを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
請求項１の発明は、対象物を画像によって認識するためにパターンマッチングする標準となる複数の画素から構成されるテンプレートデータを保存する記憶部と、パターンマッチングする対象物を撮影する画像撮影部と、この画像撮影部によって撮影された画像を画像データとする画像入力部と、この画像入力部による画像データを画像処理してテンプレートデータと対比可能とする計測画像データを作成する画像処理部と、テンプレートデータおよび計測画像データを、それぞれ総画素数を次元とするベクトルＴ ＊ およびＴとみなし、ｃｏｓθ＝（Ｔ ＊ ・Ｔ）／（｜Ｔ ＊ ｜｜Ｔ｜）を満たすｃｏｓθを求め、Ｔ ＊＊ ＝Ｔｃｏｓ ２ θ＋Ｔ ＊ （１−ｃｏｓ ２ θ）を満たすＴ ＊＊ を新たなテンプレートデータとして生成して記憶部へ記憶させるテンプレート調整部を設けるようにしたものである。この手段によれば、テンプレートデータと計測画像データの各画素に重みを付けて、重み付けの平均を求めてテンプレートデータとするので、対象物を画像で認識するのに最も確率的に高いテンプレートデータが生成される。
【００１５】
請求項２の発明は、対象物を画像によって認識するためにパターンマッチングする標準となる複数の画素から構成されるテンプレートデータを保存する記憶部と、パターンマッチングする前記対象物を撮影する画像撮影部と、この画像撮影部によって撮影された画像を画像データとする画像入力部と、この画像入力部による画像データを画像処理して前記テンプレートデータと対比可能とする計測画像データを作成する画像処理部と、テンプレートデータおよび計測画像データを、それぞれ総画素数を次元とするベクトルＴ ＊ およびＴとみなし、複数の前記計測画像データに対してｃｏｓθ＝（Ｔ ＊ ・Ｔ）／（｜Ｔ ＊ ｜｜Ｔ｜）を満たすｃｏｓθを求め、これらのｃｏｓθを平均した値をβとし、Ｔ ＊＊ ＝Ｔβ ２ ＋Ｔ ＊ （１−β ２ ）を満たすＴ ＊＊ を新たなテンプレートデータとして生成して前記記憶部へ記憶させるテンプレート調整部を設けるようにしたものである。この手段によれば、テンプレートデータと計測画像データの各画素について重みを求めて、しかも多数の重みから重みの分布関数を求めて、これに加重平均を得て対象物を認識する最も確率的に高いテンプレートデータが生成される。従って、対象物の画像による認識率を大幅に向上させることができる。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【００１７】
図１は、本発明の第１実施の形態を示すブロック構成図である。
【００１８】
第１実施の形態は、対象物の画像データを処理した計画画像データとテンプレートデータとに基づいて最適なテンプレートデータを生成するテンプレート調整部１１４を設ける点に特徴を有する。
【００１９】
ここで、処理装置１１３は、入力装置１１２からテンプレートデータ調整要求を入力し、制御バス１０１を介して記憶部１２１にテンプレートデータ読込要求を送信する。記憶部１２１ではテンプレートデータ読込要求を入力するとテンプレートデータファイルからテンプレートデータを読み込み、データバス１０２を介して、処理装置１１３にテンプレートデータを送信する。処理装置１１３は、記憶部１２１からテンプレートデータを受信後、表示装置１１１にテンプレートデータを表示する。
【００２０】
一方、処理装置１１３は、入力装置１１２から画像データ計測要求を入力し、制御バス１０１を介して画像処理部１３３に画像データ計測要求を送信する。画像処理部１３３は、処理装置１１３から画像データ計測要求を受信すると、画像入力部１３２に対して、画像信号入力要求を出力する。画像入力部１３２は、画像処理部１３３から画像信号入力要求を受信すると、画像撮影部１３１から画像信号を入力し、画像データをデータバス１０２を介して、画像処理部１３３に対して出力する。画像処理部１３３は、画像入力部１３２から入力した画像データをもとに文字領域の切り出しを行い、切り出し文字データをデータバス１０２を介して記憶部１２１に転送する。記憶部１２１は、画像処理部１３３から切り出し計測画像データを入力すると、計測画像データとしてファイルに書き込む。
【００２１】
次に、テンプレート調整部１１４では、表示装置１１１に表示されるテンプレートデータに対比して計測画像データである切出文字画像データを表示装置１１１に表示させる。そして、両者を組合せ、若しくは、計測画像データに基づいて調整して最適なテンプレートデータを生成し記憶部１２１へ記憶させる。
【００２２】
このような処理を実行することにより、最適なテンプレートデータが生成され、認識率を改善することが可能となる。
【００２３】
図２は、本発明の第２実施の形態を示すブロック構成図である。
【００２４】
第２実施の形態は、多値化テンプレートデータと計測画像データとを各画素毎に組合せて最適なテンプレートデータを生成する点に特徴を有する。
【００２５】
図２は切り出し計測画像データに一致するようにテンプレートデータを調整する機能を有し、図１のテンプレート調整部に相当する。図２において、処理装置２１３上で実行される多値化テンプレート生成機能２２１は、入力装置２１２からテンプレートデータ調整要求を入力し、制御バス１０１を介して記憶部１２１にテンプレートデータ読込要求を送信する。記憶部１２１ではテンプレートデータ読込要求を入力するとテンプレートデータファイルからテンプレートデータを読み込み、データバス１０２を介して、処理装置２１３上で実行される多値化テンプレート生成機能２２１に多値化テンプレートデータ２０１を送信する。
【００２６】
処理装置２１３上で実行される多値化テンプレート生成機能２２１は、記憶部１２１からテンプレートデータを受信後、表示装置２１１にテンプレートデータを表示する。オペレータは表示されたテンプレートデータを切出文字画像データ２０２と比較する。そして、テンプレートデータの各画素について計測画像データの多値データの値に一致させて最適化テンプレートデータ２０３を生成する。これにより類似度が改善され、認識率が向上する。
【００２７】
図３は、本発明の第３実施の形態を示すテンプレートデータ調整部の構成図であって、図３は基準となるテンプレートデータと計測した切出文字画像データとの平均値をとることにより最適なテンプレートデータを生成する機能を有し、図１のテンプレート調整部に相当する。
【００２８】
基準平均多値化テンプレート生成機能３２１は、入力装置３１２からテンプレートデータ自動調整要求を入力し、制御バス１０１を介して画像処理部１３３に画像入力要求を送信する。画像処理部１３３は、処理装置３１３上で実行する基準平均多値化テンプレート生成機能３２１から画像入力要求を入力すると制御バス１０１を介して、画像入力部１３２に画像入力要求を送信する。画像入力部１３２は、画像撮影部１３１から画像信号を入力し、データバス１０２を介して画像処理部１３３で実行する基準平均多値化テンプレート生成機能３２１に切出文字画像データ３０２を一定周期で出力する。
【００２９】
画像処理部１３３は、画像データから文字を切り出し、データバス１０２を介して、処理装置３１３上で実行する基準平均多値化テンプレート生成機能３２１に転送する。処理装置３１３上で実行する基準平均多値化テンプレート生成機能３２１は、画像処理部１３３から入力した切出文字画像データ３０２と多値化テンプレートデータ３０１の平均を取ることにより最適化テンプレートデータ３０３を自動生成し、表示装置３１１に表示する。
【００３０】
具体的には、次の式（１），（２）に定義するテンプレートデータと計測画像データによって式（３）による最新のテンプレートデータを生成する。
【００３１】
【数１】
【００３２】
本処理は繰り返し実行され、処理装置３１３上で実行する基準平均多値化テンプレート生成機能３２１が入力装置３１２からテンプレートデータ調整終了要求を入力するまで継続する。処理装置３１３上で実行する基準平均多値化テンプレート生成機能３２１は入力装置３１２からテンプレートデータ自動調整終了要求を入力すると、制御バス１０１を介して画像処理部１３３に画像入力停止要求を出力し、画像信号の収集を停止後、記憶部１２１に対して、最適化テンプレートデータ３０３をデータバス１０２を介して出力する。
【００３３】
記憶部１２１は、処理装置３１３上で実行する基準平均多値化テンプレート生成機能３２１からテンプレートデータを受信すると、テンプレートデークファイルへの書き込みを実行する。従って、画像処理部１３３は計測した画像データを元に最適なテンプレートデータを生成することができ、認識率の改善が可能となる。
【００３４】
図４は、本発明の第４実施の形態を示すテンプレート調整部の構成図である。図４は、計測画像データのみの平均を取ることによりテンプレートデータを生成する機能を有し、図１のテンプレート調整部１１４に相当する。
【００３５】
図４において、処理装置４１３上で実行する計測平均多値化テンプレート生成機能４２１は、入力装置４１２からテンプレートデータ全自動調整要求を入力し、制御バス１０１を介して画像処理部１３３に画像入力要求を送信する。画像処理部１３３は、処理装置４１３上で実行する計測平均多値化テンプレート生成機能４２１から画像入力要求を入力すると制御バス１０１を介して、画像入力部１３２に画像入力要求を送信する。
【００３６】
画像入力部１３２は、画像撮影部１３１から画像信号を入力し、データバス１０２を介して画像処理部１３３に入力画像データを出力する。画像処理部１３３は、画像データから文字を切り出し、切出文字画像データ４０１をデータバス１０２を介して、処理装置４１３上で実行する計測平均多値化テンプレート生成機能４２１に転送する。
【００３７】
処理装置４１３で実行する計測平均多値化テンプレート生成機能４２１は、画像処理部１３３から入力した計測画像データの平均を取ることにより最適化テンプレートデータ４０２を自動生成し、表示装置４１１に表示する。
【００３８】
具体的には、次の式（４）によって各画素毎に平均値を求めて最新のテンプレートデータを生成する。
【００３９】
【数２】
【００４０】
本処理は繰り返し実行され、処理装置４１３上で実行する計測平均多値化テンプレート生成機能４２１は入力装置４１２からテンプレートデータ全自動調整終了要求を入力するまで継続する。
【００４１】
処理装置４１３上で実行する計測平均多値化テンプレート生成機能４２１は入力装置４１２からテンプレートデータ調整終了要求を入力すると、制御バス１０１を介して画像処理部１３３に画像入力停止要求を出力し、画像信号の収集を停止後、記憶部１２１に対して、最適化したテンプレートデータをデータバス１０２を介して出力する。記憶部１２１は、処理装置４１３上で実行する計測平均多値化テンプレート生成機能４２１から最適化テンプレートデータ４０２を受信すると、テンプレートデータファイルへの書き込みを実行する。
【００４２】
このように処理装置４１３は観測した画像データのみを用いてテンプレートデータを生成することができ、認識率を改善することが可能となる。
【００４３】
図５は、本発明の第５実施の形態を示すテンプレート調整部の構成図である。
【００４４】
図５は、基準テンプレートデータと計測画像データとの内積値から各計測画像データの重みを算出し、加重平均をとりその画像データをテンプレートとする機能を有し、図１のテンプレート調整部１１４に相当する。
【００４５】
処理装置５００上の加重平均多値化テンプレート生成機能５２１は、入力装置５１２からテンプレートデータ加重平均調整要求を入力し、制御バス１０１を介して画像処理部１３３に画像入力要求を送信する。画像処理部１３３は、処理装置５００上の加重平均多値化テンプレート生成機能５２１から画像入力要求を入力すると制御バス１０１を介して、画像入力部１３２に画像入力要求を送信する。画像入力部１３２は、画像撮影部１３１から画像信号を入力し、データバス１０２を介して画像処理部１３３に入力画像データを出力する。画像処理部１３３は、入力画像データから文字を切り出し、データバス１０２を介して、処理装置５００上の加重平均多値化テンプレート生成機能５２１に転送する。処理装置５００上の加重平均多値化テンプレート生成機能５２１は、画像処理部１３３から入力した切出文字画像データ５０２と基準テンプレートデータ５０１の加重平均を自動的に取ることにより最適化テンプレートデータ５０３を自動生成し、表示装置５１１に表示する。
【００４６】
具体的には、式（１）と（２）に示すテンプレートデータと計測画像データについて式（５）と式（６）によってベクトルを取り、式（７）によって内積値であるｃｏｓθを求める。そして、式（８）によって最新のテンプレートデータを生成する。
【００４７】
【数３】
【００４８】
本処理は繰り返し実行され、処理装置５００上の加重平均多値化テンプレート生成機能５２１が入力装置５１２からテンプレートデータ加重平均調整終了要求を入力するまで継続する。処理装置５００上の加重平均多値化テンプレート生成機能５２１は入力装置５１２からテンプレートデータ加重平均調整終了要求を入力すると、制御バス１０１を介して画像処理部１３３に画像入力停止要求を出力し画像信号の収集を停止後、記憶部１２１に対して最適化したテンプレートデータをデータバス１０２を介して出力する。記憶部１２１は、処理装置５００上の加重平均多値化テンプレート生成機能５２１からテンプレートデータを受信すると、テンプレートデータファイルへの書き込みを実行する。
【００４９】
図６は、本発明の第６実施の形態を示すテンプレート調整部の構成図である。
【００５０】
図６は、計測した文字画像データの内積の分布を取りその平均値から指定した範囲内の画像データにより最適なテンプレートデータを自動生成する機能を有し、図１のテンプレート調整部１１４に相当する。
【００５１】
処理装置６１３上で実行する統計平均多値化テンプレート生成機能６２１は、入力装置６１２からテンプレートデータ統計調整要求を入力し、制御バス１０１を介して画像処理部１３３に画像入力要求を送信する。画像処理部１３３は、処理装置６１３上で実行する統計平均多値化テンプレート生成機能６２１から画像入力要求を入力すると制御バス１０１を介して、画像入力部１３２に画像入力要求を送信する。画像入力部１３２は、画像撮影部１３１から画像信号を入力し、データバス１０２を介して画像処理部１３３に入力画像データを出力する。
【００５２】
画像処理部１３３は、入力画像データから文字を切り出し、データバス１０２を介して、処理装置６１３上で実行する統計平均多値化テンプレート生成機能６２１に転送する。処理装置６１３上で実行する統計平均多値化テンプレート生成機能６２１は、画像処理部１３３から入力した切出文字画像データ６０２と基準テンプレートデータ６０１の内積を算出し、内積の分布を算出する。入力した切出文字画像データ６０２は、算出した重みデータと合わせて統計処理データ６０４として記憶部６１４へ保存する。統計処理データ６０４から算出した内積分布において、指定した範囲内のテンプレートデータの平均値を最適化テンプレートデータ６０３として、データバス１０２を介して記憶部１２１に出力する。
【００５３】
具体的には、次の式（９）によって内積値の平均を求め、式（１０）によって最新のテンプレートデータを生成する。
【００５４】
【数４】
【００５５】
本処理は繰り返し実行され、処理装置６１３上で実行する統計平均多値化テンプレート生成機能６２１が入力装置６１２からテンプレートデータ統計調整終了要求を入力するまで継続する。処理装置上で実行する統計平均多値化テンプレート生成機能６２１は入力装置６１２からテンプレートデータ統計調整終了要求を入力すると、制御バス１０１を介して画像処理部１３３に画像入力停止要求を出力し、画像信号の収集を停止後、記憶部１２１に対して、最適化テンプレートデータ６０３をデータバス１０２を介して出力する。記憶部１２１は、処理装置６１３上で実行する統計平均多値化テンプレート生成機能６２１からテンプレートデータを受信すると、テンプレートデータファイルへの書き込みを実行する。
【００５６】
このようにテンプレートデータの統計処理を行うことにより画像認識装置の認識率を改善することが可能となる。
【００５７】
このように本発明は、常にテンプレートデータが対象物の画像を認識するのに最適な状態とすることができるので、特に、同一対象物の状態が変化するとき有効である。例えば、ビデオカメラ等のＩＴＶ装置から入力された画像イメージデータを処理し、その画像を認識するための画像認識装置に関し、特に、画像を連続的に入力しながら処理を高速に実行する場合に適し、対象とする画像および処理の内容は特に問わないが、例えば、原子力発電所で用いられる燃料棒に刻印された燃料番号の画像を取込み、刻印された番号を出力する燃料番号自動読取装置や工業製品の生産ラインにおいて製品の画像を取込み、各製品の状態の合否を判断する製品検査装置などがある。この場合に、対象物が現場にあって、対象物の周辺の状態が時々刻々と変化するときに、その状況に即したテンプレートデータを生成することができる。
【００５８】
前述したものは本発明の実施の形態であり、実施するシステム構成の詳細は特に本発明の本質ではないが、画像認識装置の実現形態として、例えば、図１に示す第１の実施の形態の画像入力部と画像処理部とテンプレート調整部を一体化したシステム構成をとることができる。
【００５９】
また、画像入力機能、画像処理機能、テンプレート調整機能の同一装置への統合化により実装密度の拡大がはかれコンパクトなシステムにすることができる。
【００６０】
更に処理装置が、画像撮影部を含んだ構成をとれば、画像撮影、画像入力、画像処理、テンプレート調整機能を統一化することにより１台の処理装置に統合化することができる。この改善によりシステムの実装密度を更に改善することが可能となる。
【００６１】
【発明の効果】
以上説明したように請求項１の発明によれば、テンプレートデータと計測画像データとを組合せ、若しくは、一方のデータを調整するので、対象物の状況に応じたテンプレートデータを生成できる。従って、対象物を画像で認識するとき、テンプレートデータと計測データの近似あるいは類似する画素が多く、対象物の認識率が格段と向上させることができる。
【００６２】
請求項２の発明によれば、多値化データと計測画像データとを対比して各画素毎に組合せるので、テンプレートデータが計測画像データに即応し対象物の認識率を向上させることができる。
【００６３】
請求項３の発明によれば、テンプレートデータと計測画像データとの各画素の平均によってテンプレートデータを生成するので、テンプレートデータによる認識度と計測画像データによる認識度とが両者加味され、対象物の状況に応じ認識度を向上させることができる。
【００６４】
請求項４の発明によれば、計測画像データを複数用いて各画素の平均を求めるので、対象物の画像に即したテンプレートデータが生成され、認識率を向上させることができる。
【００６５】
請求項５の発明によれば、テンプレートデータと計測画像データの各画素に重みを付けて、重み付けの平均を求めてテンプレートデータとするので、一律の重みと異なり、対象物を画像で認識するのに最も確率的に高いテンプレートデータが生成される。従って、対象物の画像による認識率を大幅に向上することができる。
【００６６】
請求項６の発明によれば、テンプレートデータと計測画像データの各画素について重みを求めて、求めた多数の重みから重みの分布関数を求めて、これの加重平均を得て対象物を認識するのに最も確率的に高いテンプレートデータを生成する。従って、対象物の画像による認識率を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施の形態を示すブロック構成図である。
【図２】本発明の第２実施の形態を示すテンプレート調整部の構成図である。
【図３】本発明の第３実施の形態を示すテンプレート調整部の構成図である。
【図４】本発明の第４実施の形態を示すテンプレート調整部の構成図である。
【図５】本発明の第５実施の形態を示すテンプレート調整部の構成図である。
【図６】本発明の第６実施の形態を示すテンプレート調整部の構成図である。
【図７】従来のテンプレート調整部の構成図である。
【符号の説明】
１１１，２１１ 表示装置
１１２ 入力装置
１１３，３１３，４１３ 処理装置
１１４，７１４ テンプレート調整部
１２１，７２１ 記憶部
１３１ 画像撮影部
１３２ 画像入力部
１３３ 画像処理部
２０１，３０１ 多値化テンプレートデータ
２０２，３０２，４０１，５０２，６０２ 切出文字画像データ
２０３，３０３，４０２，５０３，６０３ 最適化テンプレートデータ
２２１ 多値化テンプレート生成機能
３２１ 基準平均多値化テンプレート生成機能
４２１ 計測平均多値化テンプレート生成機能
５０１，６０１ 基準テンプレートデータ
５２１ 加重平均多値化テンプレート生成機能
６０４ 統計処理データ
６２１ 統計平均多値化テンプレート生成機能
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物を画像データとして取込み、テンプレートデータとの照合によって対象物を認識する画像認識装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の画像認識装置では、パターンマッチング処理の高速化を図るため、テンプレートデータは２値データを使用していた。
【０００３】
ところが、計測した画像データは多値データであり２値データと照合した場合差異が大きくなるため、正確な類似度を得ることができず、そのため、認識率の改善が困難になるという問題があった。
【０００４】
図７に従来技術による画像認識装置の典型的なシステム構成を示す。
【０００５】
このテンプレート調整部７１４は、テンプレートデータを保存する記憶部７２１と記憶部７２１から最新のテンプレートデータを入力しテンプレートデータを生成する処理装置７１３と、テンプレートデータの調整要求を入力する入力装置７１２と、調整結果のテンプレートデータを表示する表示装置７１１と、要求・応答信号を伝送するための制御バス７０１と、処理データを伝送するためのデータバス７０２とから構成されている。
【０００６】
このシステムは、入力装置７１２からテンプレートデータ調整要求を入力すると、制御バス７０１を介して記憶部７２１に対してテンプレートデータ読込要求を送信する。記憶部７２１は、処理装置７１３からのテンプレートデータ読込要求を受信するとテンプレートデータファイルからテンプレートデータを読み込み、データバス７０２を介して処理装置７１３に対して出力する。
【０００７】
処理装置７１３は、記憶部７２１から転送されてきたテンプレートデータを読み込み表示装置７１１に出力する。オペレータは表示されたテンプレートデータを読み取り画像データと比較することにより、テンプレートデータを画像データに一致させるように調整を行っていた。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記テンプレートデータ調整作業では、２値化テンプレートデータしか作成することができず、計測画像データとのパターンマッチングの結果得られる類似度が小さく、相違するテンプレートとの類似度間に大きな差異が得られない。このため、認識率が低いという問題があった。
【０００９】
そこで、本発明は、対象物を画像で認識する際に認識率を大幅に向上させるのに最適なテンプレートデータを生成する画像認識装置を提供することを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
請求項１の発明は、対象物を画像によって認識するためにパターンマッチングする標準となる複数の画素から構成されるテンプレートデータを保存する記憶部と、パターンマッチングする対象物を撮影する画像撮影部と、この画像撮影部によって撮影された画像を画像データとする画像入力部と、この画像入力部による画像データを画像処理してテンプレートデータと対比可能とする計測画像データを作成する画像処理部と、テンプレートデータおよび計測画像データを、それぞれ総画素数を次元とするベクトルＴ ＊ およびＴとみなし、ｃｏｓθ＝（Ｔ ＊ ・Ｔ）／（｜Ｔ ＊ ｜｜Ｔ｜）を満たすｃｏｓθを求め、Ｔ ＊＊ ＝Ｔｃｏｓ ２ θ＋Ｔ ＊ （１−ｃｏｓ ２ θ）を満たすＴ ＊＊ を新たなテンプレートデータとして生成して記憶部へ記憶させるテンプレート調整部を設けるようにしたものである。この手段によれば、テンプレートデータと計測画像データの各画素に重みを付けて、重み付けの平均を求めてテンプレートデータとするので、対象物を画像で認識するのに最も確率的に高いテンプレートデータが生成される。
【００１５】
請求項２の発明は、対象物を画像によって認識するためにパターンマッチングする標準となる複数の画素から構成されるテンプレートデータを保存する記憶部と、パターンマッチングする前記対象物を撮影する画像撮影部と、この画像撮影部によって撮影された画像を画像データとする画像入力部と、この画像入力部による画像データを画像処理して前記テンプレートデータと対比可能とする計測画像データを作成する画像処理部と、テンプレートデータおよび計測画像データを、それぞれ総画素数を次元とするベクトルＴ ＊ およびＴとみなし、複数の前記計測画像データに対してｃｏｓθ＝（Ｔ ＊ ・Ｔ）／（｜Ｔ ＊ ｜｜Ｔ｜）を満たすｃｏｓθを求め、これらのｃｏｓθを平均した値をβとし、Ｔ ＊＊ ＝Ｔβ ２ ＋Ｔ ＊ （１−β ２ ）を満たすＴ ＊＊ を新たなテンプレートデータとして生成して前記記憶部へ記憶させるテンプレート調整部を設けるようにしたものである。この手段によれば、テンプレートデータと計測画像データの各画素について重みを求めて、しかも多数の重みから重みの分布関数を求めて、これに加重平均を得て対象物を認識する最も確率的に高いテンプレートデータが生成される。従って、対象物の画像による認識率を大幅に向上させることができる。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【００１７】
図１は、本発明の第１実施の形態を示すブロック構成図である。
【００１８】
第１実施の形態は、対象物の画像データを処理した計画画像データとテンプレートデータとに基づいて最適なテンプレートデータを生成するテンプレート調整部１１４を設ける点に特徴を有する。
【００１９】
ここで、処理装置１１３は、入力装置１１２からテンプレートデータ調整要求を入力し、制御バス１０１を介して記憶部１２１にテンプレートデータ読込要求を送信する。記憶部１２１ではテンプレートデータ読込要求を入力するとテンプレートデータファイルからテンプレートデータを読み込み、データバス１０２を介して、処理装置１１３にテンプレートデータを送信する。処理装置１１３は、記憶部１２１からテンプレートデータを受信後、表示装置１１１にテンプレートデータを表示する。
【００２０】
一方、処理装置１１３は、入力装置１１２から画像データ計測要求を入力し、制御バス１０１を介して画像処理部１３３に画像データ計測要求を送信する。画像処理部１３３は、処理装置１１３から画像データ計測要求を受信すると、画像入力部１３２に対して、画像信号入力要求を出力する。画像入力部１３２は、画像処理部１３３から画像信号入力要求を受信すると、画像撮影部１３１から画像信号を入力し、画像データをデータバス１０２を介して、画像処理部１３３に対して出力する。画像処理部１３３は、画像入力部１３２から入力した画像データをもとに文字領域の切り出しを行い、切り出し文字データをデータバス１０２を介して記憶部１２１に転送する。記憶部１２１は、画像処理部１３３から切り出し計測画像データを入力すると、計測画像データとしてファイルに書き込む。
【００２１】
次に、テンプレート調整部１１４では、表示装置１１１に表示されるテンプレートデータに対比して計測画像データである切出文字画像データを表示装置１１１に表示させる。そして、両者を組合せ、若しくは、計測画像データに基づいて調整して最適なテンプレートデータを生成し記憶部１２１へ記憶させる。
【００２２】
このような処理を実行することにより、最適なテンプレートデータが生成され、認識率を改善することが可能となる。
【００２３】
図２は、本発明の第２実施の形態を示すブロック構成図である。
【００２４】
第２実施の形態は、多値化テンプレートデータと計測画像データとを各画素毎に組合せて最適なテンプレートデータを生成する点に特徴を有する。
【００２５】
図２は切り出し計測画像データに一致するようにテンプレートデータを調整する機能を有し、図１のテンプレート調整部に相当する。図２において、処理装置２１３上で実行される多値化テンプレート生成機能２２１は、入力装置２１２からテンプレートデータ調整要求を入力し、制御バス１０１を介して記憶部１２１にテンプレートデータ読込要求を送信する。記憶部１２１ではテンプレートデータ読込要求を入力するとテンプレートデータファイルからテンプレートデータを読み込み、データバス１０２を介して、処理装置２１３上で実行される多値化テンプレート生成機能２２１に多値化テンプレートデータ２０１を送信する。
【００２６】
処理装置２１３上で実行される多値化テンプレート生成機能２２１は、記憶部１２１からテンプレートデータを受信後、表示装置２１１にテンプレートデータを表示する。オペレータは表示されたテンプレートデータを切出文字画像データ２０２と比較する。そして、テンプレートデータの各画素について計測画像データの多値データの値に一致させて最適化テンプレートデータ２０３を生成する。これにより類似度が改善され、認識率が向上する。
【００２７】
図３は、本発明の第３実施の形態を示すテンプレートデータ調整部の構成図であって、図３は基準となるテンプレートデータと計測した切出文字画像データとの平均値をとることにより最適なテンプレートデータを生成する機能を有し、図１のテンプレート調整部に相当する。
【００２８】
基準平均多値化テンプレート生成機能３２１は、入力装置３１２からテンプレートデータ自動調整要求を入力し、制御バス１０１を介して画像処理部１３３に画像入力要求を送信する。画像処理部１３３は、処理装置３１３上で実行する基準平均多値化テンプレート生成機能３２１から画像入力要求を入力すると制御バス１０１を介して、画像入力部１３２に画像入力要求を送信する。画像入力部１３２は、画像撮影部１３１から画像信号を入力し、データバス１０２を介して画像処理部１３３で実行する基準平均多値化テンプレート生成機能３２１に切出文字画像データ３０２を一定周期で出力する。
【００２９】
画像処理部１３３は、画像データから文字を切り出し、データバス１０２を介して、処理装置３１３上で実行する基準平均多値化テンプレート生成機能３２１に転送する。処理装置３１３上で実行する基準平均多値化テンプレート生成機能３２１は、画像処理部１３３から入力した切出文字画像データ３０２と多値化テンプレートデータ３０１の平均を取ることにより最適化テンプレートデータ３０３を自動生成し、表示装置３１１に表示する。
【００３０】
具体的には、次の式（１），（２）に定義するテンプレートデータと計測画像データによって式（３）による最新のテンプレートデータを生成する。
【００３１】
【数１】
本処理は繰り返し実行され、処理装置３１３上で実行する基準平均多値化テンプレート生成機能３２１が入力装置３１２からテンプレートデータ調整終了要求を入力するまで継続する。処理装置３１３上で実行する基準平均多値化テンプレート生成機能３２１は入力装置３１２からテンプレートデータ自動調整終了要求を入力すると、制御バス１０１を介して画像処理部１３３に画像入力停止要求を出力し、画像信号の収集を停止後、記憶部１２１に対して、最適化テンプレートデータ３０３をデータバス１０２を介して出力する。
【００３３】
記憶部１２１は、処理装置３１３上で実行する基準平均多値化テンプレート生成機能３２１からテンプレートデータを受信すると、テンプレートデークファイルへの書き込みを実行する。従って、画像処理部１３３は計測した画像データを元に最適なテンプレートデータを生成することができ、認識率の改善が可能となる。
【００３４】
図４は、本発明の第４実施の形態を示すテンプレート調整部の構成図である。図４は、計測画像データのみの平均を取ることによりテンプレートデータを生成する機能を有し、図１のテンプレート調整部１１４に相当する。
【００３５】
図４において、処理装置４１３上で実行する計測平均多値化テンプレート生成機能４２１は、入力装置４１２からテンプレートデータ全自動調整要求を入力し、制御バス１０１を介して画像処理部１３３に画像入力要求を送信する。画像処理部１３３は、処理装置４１３上で実行する計測平均多値化テンプレート生成機能４２１から画像入力要求を入力すると制御バス１０１を介して、画像入力部１３２に画像入力要求を送信する。
【００３６】
画像入力部１３２は、画像撮影部１３１から画像信号を入力し、データバス１０２を介して画像処理部１３３に入力画像データを出力する。画像処理部１３３は、画像データから文字を切り出し、切出文字画像データ４０１をデータバス１０２を介して、処理装置４１３上で実行する計測平均多値化テンプレート生成機能４２１に転送する。
【００３７】
処理装置４１３で実行する計測平均多値化テンプレート生成機能４２１は、画像処理部１３３から入力した計測画像データの平均を取ることにより最適化テンプレートデータ４０２を自動生成し、表示装置４１１に表示する。
【００３８】
具体的には、次の式（４）によって各画素毎に平均値を求めて最新のテンプレートデータを生成する。
【００３９】
【数２】
本処理は繰り返し実行され、処理装置４１３上で実行する計測平均多値化テンプレート生成機能４２１は入力装置４１２からテンプレートデータ全自動調整終了要求を入力するまで継続する。
【００４１】
処理装置４１３上で実行する計測平均多値化テンプレート生成機能４２１は入力装置４１２からテンプレートデータ調整終了要求を入力すると、制御バス１０１を介して画像処理部１３３に画像入力停止要求を出力し、画像信号の収集を停止後、記憶部１２１に対して、最適化したテンプレートデータをデータバス１０２を介して出力する。記憶部１２１は、処理装置４１３上で実行する計測平均多値化テンプレート生成機能４２１から最適化テンプレートデータ４０２を受信すると、テンプレートデータファイルへの書き込みを実行する。
【００４２】
このように処理装置４１３は観測した画像データのみを用いてテンプレートデータを生成することができ、認識率を改善することが可能となる。
【００４３】
図５は、本発明の第５実施の形態を示すテンプレート調整部の構成図である。
【００４４】
図５は、基準テンプレートデータと計測画像データとの内積値から各計測画像データの重みを算出し、加重平均をとりその画像データをテンプレートとする機能を有し、図１のテンプレート調整部１１４に相当する。
【００４５】
処理装置５００上の加重平均多値化テンプレート生成機能５２１は、入力装置５１２からテンプレートデータ加重平均調整要求を入力し、制御バス１０１を介して画像処理部１３３に画像入力要求を送信する。画像処理部１３３は、処理装置５００上の加重平均多値化テンプレート生成機能５２１から画像入力要求を入力すると制御バス１０１を介して、画像入力部１３２に画像入力要求を送信する。画像入力部１３２は、画像撮影部１３１から画像信号を入力し、データバス１０２を介して画像処理部１３３に入力画像データを出力する。画像処理部１３３は、入力画像データから文字を切り出し、データバス１０２を介して、処理装置５００上の加重平均多値化テンプレート生成機能５２１に転送する。処理装置５００上の加重平均多値化テンプレート生成機能５２１は、画像処理部１３３から入力した切出文字画像データ５０２と基準テンプレートデータ５０１の加重平均を自動的に取ることにより最適化テンプレートデータ５０３を自動生成し、表示装置５１１に表示する。
【００４６】
具体的には、式（１）と（２）に示すテンプレートデータと計測画像データについて式（５）と式（６）によってベクトルを取り、式（７）によって内積値であるｃｏｓθを求める。そして、式（８）によって最新のテンプレートデータを生成する。
【００４７】
【数３】
本処理は繰り返し実行され、処理装置５００上の加重平均多値化テンプレート生成機能５２１が入力装置５１２からテンプレートデータ加重平均調整終了要求を入力するまで継続する。処理装置５００上の加重平均多値化テンプレート生成機能５２１は入力装置５１２からテンプレートデータ加重平均調整終了要求を入力すると、制御バス１０１を介して画像処理部１３３に画像入力停止要求を出力し画像信号の収集を停止後、記憶部１２１に対して最適化したテンプレートデータをデータバス１０２を介して出力する。記憶部１２１は、処理装置５００上の加重平均多値化テンプレート生成機能５２１からテンプレートデータを受信すると、テンプレートデータファイルへの書き込みを実行する。
【００４９】
図６は、本発明の第６実施の形態を示すテンプレート調整部の構成図である。
【００５０】
図６は、計測した文字画像データの内積の分布を取りその平均値から指定した範囲内の画像データにより最適なテンプレートデータを自動生成する機能を有し、図１のテンプレート調整部１１４に相当する。
【００５１】
処理装置６１３上で実行する統計平均多値化テンプレート生成機能６２１は、入力装置６１２からテンプレートデータ統計調整要求を入力し、制御バス１０１を介して画像処理部１３３に画像入力要求を送信する。画像処理部１３３は、処理装置６１３上で実行する統計平均多値化テンプレート生成機能６２１から画像入力要求を入力すると制御バス１０１を介して、画像入力部１３２に画像入力要求を送信する。画像入力部１３２は、画像撮影部１３１から画像信号を入力し、データバス１０２を介して画像処理部１３３に入力画像データを出力する。
【００５２】
画像処理部１３３は、入力画像データから文字を切り出し、データバス１０２を介して、処理装置６１３上で実行する統計平均多値化テンプレート生成機能６２１に転送する。処理装置６１３上で実行する統計平均多値化テンプレート生成機能６２１は、画像処理部１３３から入力した切出文字画像データ６０２と基準テンプレートデータ６０１の内積を算出し、内積の分布を算出する。入力した切出文字画像データ６０２は、算出した重みデータと合わせて統計処理データ６０４として記憶部６１４へ保存する。統計処理データ６０４から算出した内積分布において、指定した範囲内のテンプレートデータの平均値を最適化テンプレートデータ６０３として、データバス１０２を介して記憶部１２１に出力する。
【００５３】
具体的には、次の式（９）によって内積値の平均を求め、式（１０）によって最新のテンプレートデータを生成する。
【００５４】
【数４】
本処理は繰り返し実行され、処理装置６１３上で実行する統計平均多値化テンプレート生成機能６２１が入力装置６１２からテンプレートデータ統計調整終了要求を入力するまで継続する。処理装置上で実行する統計平均多値化テンプレート生成機能６２１は入力装置６１２からテンプレートデータ統計調整終了要求を入力すると、制御バス１０１を介して画像処理部１３３に画像入力停止要求を出力し、画像信号の収集を停止後、記憶部１２１に対して、最適化テンプレートデータ６０３をデータバス１０２を介して出力する。記憶部１２１は、処理装置６１３上で実行する統計平均多値化テンプレート生成機能６２１からテンプレートデータを受信すると、テンプレートデータファイルへの書き込みを実行する。
【００５６】
このようにテンプレートデータの統計処理を行うことにより画像認識装置の認識率を改善することが可能となる。
【００５７】
このように本発明は、常にテンプレートデータが対象物の画像を認識するのに最適な状態とすることができるので、特に、同一対象物の状態が変化するとき有効である。例えば、ビデオカメラ等のＩＴＶ装置から入力された画像イメージデータを処理し、その画像を認識するための画像認識装置に関し、特に、画像を連続的に入力しながら処理を高速に実行する場合に適し、対象とする画像および処理の内容は特に問わないが、例えば、原子力発電所で用いられる燃料棒に刻印された燃料番号の画像を取込み、刻印された番号を出力する燃料番号自動読取装置や工業製品の生産ラインにおいて製品の画像を取込み、各製品の状態の合否を判断する製品検査装置などがある。この場合に、対象物が現場にあって、対象物の周辺の状態が時々刻々と変化するときに、その状況に即したテンプレートデータを生成することができる。
【００５８】
前述したものは本発明の実施の形態であり、実施するシステム構成の詳細は特に本発明の本質ではないが、画像認識装置の実現形態として、例えば、図１に示す第１の実施の形態の画像入力部と画像処理部とテンプレート調整部を一体化したシステム構成をとることができる。
【００５９】
また、画像入力機能、画像処理機能、テンプレート調整機能の同一装置への統合化により実装密度の拡大がはかれコンパクトなシステムにすることができる。
【００６０】
更に処理装置が、画像撮影部を含んだ構成をとれば、画像撮影、画像入力、画像処理、テンプレート調整機能を統一化することにより１台の処理装置に統合化することができる。この改善によりシステムの実装密度を更に改善することが可能となる。
【００６１】
【発明の効果】
以上説明したように請求項１の発明によれば、テンプレートデータと計測画像データとを組合せ、若しくは、一方のデータを調整するので、対象物の状況に応じたテンプレートデータを生成できる。従って、対象物を画像で認識するとき、テンプレートデータと計測データの近似あるいは類似する画素が多く、対象物の認識率が格段と向上させることができる。
【００６２】
請求項２の発明によれば、多値化データと計測画像データとを対比して各画素毎に組合せるので、テンプレートデータが計測画像データに即応し対象物の認識率を向上させることができる。
【００６３】
請求項３の発明によれば、テンプレートデータと計測画像データとの各画素の平均によってテンプレートデータを生成するので、テンプレートデータによる認識度と計測画像データによる認識度とが両者加味され、対象物の状況に応じ認識度を向上させることができる。
【００６４】
請求項４の発明によれば、計測画像データを複数用いて各画素の平均を求めるので、対象物の画像に即したテンプレートデータが生成され、認識率を向上させることができる。
【００６５】
請求項５の発明によれば、テンプレートデータと計測画像データの各画素に重みを付けて、重み付けの平均を求めてテンプレートデータとするので、一律の重みと異なり、対象物を画像で認識するのに最も確率的に高いテンプレートデータが生成される。従って、対象物の画像による認識率を大幅に向上することができる。
【００６６】
請求項６の発明によれば、テンプレートデータと計測画像データの各画素について重みを求めて、求めた多数の重みから重みの分布関数を求めて、これの加重平均を得て対象物を認識するのに最も確率的に高いテンプレートデータを生成する。従って、対象物の画像による認識率を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施の形態を示すブロック構成図である。
【図２】本発明の第２実施の形態を示すテンプレート調整部の構成図である。
【図３】本発明の第３実施の形態を示すテンプレート調整部の構成図である。
【図４】本発明の第４実施の形態を示すテンプレート調整部の構成図である。
【図５】本発明の第５実施の形態を示すテンプレート調整部の構成図である。
【図６】本発明の第６実施の形態を示すテンプレート調整部の構成図である。
【図７】従来のテンプレート調整部の構成図である。
【符号の説明】
１１１，２１１ 表示装置
１１２ 入力装置
１１３，３１３，４１３ 処理装置
１１４，７１４ テンプレート調整部
１２１，７２１ 記憶部
１３１ 画像撮影部
１３２ 画像入力部
１３３ 画像処理部
２０１，３０１ 多値化テンプレートデータ
２０２，３０２，４０１，５０２，６０２ 切出文字画像データ
２０３，３０３，４０２，５０３，６０３ 最適化テンプレートデータ
２２１ 多値化テンプレート生成機能
３２１ 基準平均多値化テンプレート生成機能
４２１ 計測平均多値化テンプレート生成機能
５０１，６０１ 基準テンプレートデータ
５２１ 加重平均多値化テンプレート生成機能
６０４ 統計処理データ
６２１ 統計平均多値化テンプレート生成機能
Claims (2)
- 対象物を画像によって認識するためにパターンマッチングする標準となる複数の画素から構成されるテンプレートデータを保存する記憶部と、前記パターンマッチングする前記対象物を撮影する画像撮影部と、この画像撮影部によって撮影された画像を画像データとする画像入力部と、この画像入力部による画像データを画像処理して前記テンプレートデータと対比可能とする計測画像データを作成する画像処理部と、前記テンプレートデータおよび前記計測画像データを、それぞれ総画素数を次元とするベクトルＴ ＊ およびＴとみなし、ｃｏｓθ＝（Ｔ ＊ ・Ｔ）／（｜Ｔ ＊ ｜｜Ｔ｜）を満たすｃｏｓθを求め、Ｔ ＊＊ ＝Ｔｃｏｓ ２ θ＋Ｔ ＊ （１−ｃｏｓ ２ θ）を満たすＴ ＊＊ を新たなテンプレートデータとして生成して前記記憶部へ記憶させるテンプレート調整部を備えることを特徴とする画像認識装置。
- 対象物を画像によって認識するためにパターンマッチングする標準となる複数の画素から構成されるテンプレートデータを保存する記憶部と、前記パターンマッチングする前記対象物を撮影する画像撮影部と、この画像撮影部によって撮影された画像を画像データとする画像入力部と、この画像入力部による画像データを画像処理して前記テンプレートデータと対比可能とする計測画像データを作成する画像処理部と、前記テンプレートデータおよび前記計測画像データを、それぞれ総画素数を次元とするベクトルＴ ＊ およびＴとみなし、複数の前記計測画像データに対してｃｏｓθ＝（Ｔ ＊ ・Ｔ）／（｜Ｔ ＊ ｜｜Ｔ｜）を満たすｃｏｓθを求め、これらのｃｏｓθを平均した値をβとし、Ｔ ＊＊ ＝Ｔβ ２ ＋Ｔ ＊ （１−β ２ ）を満たすＴ ＊＊ を新たなテンプレートデータとして生成して前記記憶部へ記憶させるテンプレート調整部を備えることを特徴とする画像認識装置。
Priority Applications (1)
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| JP35670896A JP3740237B2 (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | 画像認識装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP35670896A JP3740237B2 (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | 画像認識装置 |
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| JP35670896A Expired - Fee Related JP3740237B2 (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | 画像認識装置 |
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