JP3740095B2 - 燃料噴射装置およびこれを備えたディーゼル機関 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料噴射装置およびこれを備えたディーゼル機関に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7はディーゼル機関に搭載される従来の燃料噴射装置100の概略構成図である。図において符号101は燃料タンク、102は燃料を加圧供給する燃料ポンプ、103は燃料ポンプ102から加圧供給された燃料を所定の圧力もしくはそれ以上の圧力で蓄えておく蓄圧器、104は蓄圧器103から昇圧された燃料を供給されることにより開放してその燃料を噴射する燃料噴射弁、105は蓄圧器103から燃料噴射弁104へ燃料を供給する供給路である。
【0003】
供給路105には、燃料噴射弁104への燃料供給を断続する電磁弁106が接続されている。電磁弁106には、蓄圧器103から燃料噴射弁104へ燃料を供給するポジションと、燃料噴射弁104への燃料供給を断って燃料噴射弁104側の供給路5に残った余圧を系外に逃がすポジションとを選択可能な三方向弁が使用されている。
【0004】
また、電磁弁106には、燃料噴射弁104への燃料供給を断つポジションが選択されたときに、燃焼噴射弁104側に残って余圧を生じた燃料を排出するドレン排出路108が接続されており、その先には余剰の燃料を受けるドレンパン109が設置されている。
【0005】
上記のように構成された燃料噴射装置100を備えるディーゼル機関を運転したときの燃料噴射装置の作動の仕方について説明する。
蓄圧器103には燃料ポンプ102の働きにより昇圧された燃料が常時蓄えられており、ディーゼル機関が燃料噴射の行程に入ると、電磁弁106が開放され、蓄圧器3に蓄えられた燃料が燃料噴射弁104に供給される。燃料噴射の行程を終えると電磁弁106が閉じられ、燃料噴射弁104側の供給路105に残って余圧を生じた燃料が、電磁弁106に設けられたドレン排出路108を通じて排出され、ドレンパン109に回収される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の燃料噴射装置においては、図8に示すように、燃料噴射期間のすべてにわたってほぼ一定の噴射率で燃料噴射が行われる。このような燃料噴射方式では燃料消費率は優れているが、排ガス中のNOxが多くなることがわかっており、大気汚染を助長する要因となるなど環境面で問題を生じる可能性がある。そのため、NOx低減を図る何らかの対策が望まれている。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、燃料消費率を良好に維持しながら排ガス中のNOxを低減することができる燃料噴射装置およびこれを備えるディーゼル機関を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料噴射装置およびこれを備えるディーゼル機関では、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1記載の燃料噴射装置によれば、昇圧された燃料を蓄えておく蓄圧器と、該蓄圧器から前記燃料が供給されることにより開放して該燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記蓄圧器から前記燃料噴射弁へ燃料を供給する燃料供給路と、該燃料供給路に接続されて前記燃料噴射弁への燃料供給を断続する主弁と、該主弁を駆動する主弁駆動機構と、を具備し、
前記主弁駆動機構、前記主弁を開度の異なる少なくとも二位置に移動せしめる構成を有する燃料噴射装置において、
前記主弁駆動機構は、前記主弁の一端部に設けられ、前記主弁を閉位置に付勢する付勢部材と、前記主弁の他端部に流体を作用させ、前記主弁を開放せしめる駆動部と、を具備し、
前記駆動部は、流体供給源から前記他端部へ流体を供給する流体供給路と、該流体供給路に接続されて前記他端部への流体供給を断続する二つの弁機構と、これら二つの弁機構のうち一方に位置する弁機構を迂回して前記他端部に前記流体を供給する迂回路と、該迂回路に設けられた絞りと、を備えてなり、
前記他端部への流体供給にあたっては前記二つの弁機構のうち他方に位置する弁機構を先行して開放し、続いて一方に位置する弁機構を開放することを特徴とする。
【0009】
この燃料噴射装置においては、開度の異なる少なくとも二位置で主弁が開くこととなる。
したがって、主弁の開度が小さい場合には、その流路における圧力損失が多く発生し、燃料噴射弁から噴射される噴射圧が低く抑えられることとなる。一方、主弁の開度が大きい場合には、その流路における圧力損失が少なくなり、燃料噴射弁から噴射される噴射圧が高められることとなる。
【0011】
また、この燃料噴射装置においては、他方の弁機構が一方の弁機構に先行して開放されることにより、迂回路および絞りを通った流体が主弁の他端部に作用して主弁を開放し、続いて一方の弁機構が開放されることにより流体供給路を通った流体が主弁の他端部に作用して主弁を開放することとなる。
すなわち、はじめに圧力の低い流体が主弁の他端部に作用し、次に圧力の高い流体が主弁の他端部に作用するようになっている。
これにより、主弁はまず小さい開度で開放され、その後大きい開度で開放されることとなる。
したがって、燃料噴射期間における前半の燃料噴射率が低く抑えられ、燃料噴射期間における後半の燃料噴射率が高められる。
【0012】
請求項に記載の燃料噴射装置によれば、請求項に記載の燃料噴射装置において、前記他端部には、該他端部に作用する流体を前記流体供給源に戻す戻り路と、前記流体が作用する前記他端部とを連通する少なくとも一本の連通路が設けられており、かつ該少なくとも一本の連通路は、前記他端部に作用する流体の圧力が高くなるにしたがって流路抵抗が減少するように構成されていることを特徴とする。
【0013】
この燃料噴射装置においては、他端部に作用する流体の圧力が低い場合に、連通路の流路抵抗が大きくなるように設定されている。
したがって、他端部に作用して主弁を開こうとする流体の圧力と、主弁を閉じようとする付勢部材の付勢力とが瞬時に平衡することとなる。
【0014】
請求項に記載の燃料噴射装置によれば、請求項に記載の燃料噴射装置において、前記少なくとも一本の連通路は、前記他端部の外表面に形成されたスリットであることを特徴とする。
【0015】
この燃料噴射装置においては、連通路が他端部の外表面にスリット状に形成されており、他端部に作用する流体はこのスリットを通って戻り路に導かれることとなる。
【0016】
請求項に記載のディーゼル機関によれば、請求項1からのいずれか一項に記載の燃料噴射装置と、前記燃料噴射弁が取り付けられるシリンダヘッドと、を具備してなることを特徴とする。
【0017】
このディーゼル機関においては、燃料噴射期間における燃料噴射率を制御することができるので、燃料消費率を良好に維持しつつ、排ガス中のNOxを低減させることが可能となる。
【0018】
請求項に記載のディーゼル機関によれば、請求項に記載のディーゼル機関において、前記蓄圧器、前記主弁、および前記主弁駆動機構が、前記シリンダヘッドとは分離して設けられていることを特徴とする。
【0019】
このディーゼル機関においては、蓄圧器、主弁、および主弁駆動機構を、シリンダヘッドとは分離して設けることにより、メンテナンスや部品の交換作業等が簡単に行える。
また、ディーゼル機関を設計する上での自由度が増し、シリンダヘッドの小型/軽量化が図れる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る燃料噴射装置およびこれを備えるディーゼル機関の第1の実施形態を図1ないし図3に基づいて説明する。
図1は燃料噴射装置10の概略構成図である。図において符号1は燃料タンク、2は燃料を加圧供給する燃料ポンプ、3は燃料ポンプ2から加圧供給された燃料(たとえば、C重油)を所定の圧力もしくはそれ以上の圧力で蓄えておく蓄圧器、4は蓄圧器3から昇圧された燃料を供給されることにより開放してその燃料を噴射する燃料噴射弁、5は蓄圧器3から燃料噴射弁4へ燃料を供給する燃料供給路、6はこの燃料供給路5に接続されて燃料噴射弁4への燃料供給を断続する主弁、7はこの主弁6を駆動する主弁駆動機構である。
【0021】
燃料噴射弁4は、バネによってニードルバルブ(図示せず)が閉じる方向に付勢されており、蓄圧器3から燃料供給路5を介して燃料がニードルバルブの下方に加わるとバネの付勢力に打ち勝ってニードルバルブが開く、いわゆる機械式のものである。
【0022】
主弁6には、蓄圧器3から燃料噴射弁4へ燃料を供給するポジションと、燃料噴射弁4への燃料供給を断って燃料噴射弁4側の燃料供給路5に残った余圧を系外に逃がすポジションとを選択可能な三方向弁が使用されている。
また、この主弁6には、燃料噴射弁4への燃料供給を断つポジションが選択されたときに、燃料噴射弁4側に残って余圧を生じた燃料を排出するドレン排出路8が接続されており、その先には前述した燃料タンク1が設置されている。
【0023】
主弁6は、燃料供給路5を通じて蓄圧器3から燃料を供給されるシリンダ部11と、シリンダ部11内に往復動可能に配置された制御ピストン12とから構成されている。
【0024】
シリンダ部11には、燃料供給路5を通じて蓄圧器3に連通する空間A1と、燃料噴射弁4に連通する空間A2と、ドレン排出路8に連通する空間A3と、後述するパイロット弁(弁機構)に連通して作動油を供給される空間A4とが連続して設けられている。
【0025】
制御ピストン12には、空間A1,A2間に配置され、両空間を連通/遮断して燃料供給路5を断続する第1の弁体13と、空間A2,A3間に配置され、両空間を連通/遮断してドレン排出路8を開閉する第2の弁体14とが、制御ピストン12の長さ方向に離間して設けられている。制御ピストン12の他端面12bは、後述するパイロット弁(弁機構)から供給される作動油の圧力を受けるべく空間A4に配置されている。
【0026】
シリンダ部11は、長さ方向に垂直な断面を見るとどの部分においても円形をなし、空間A1は空間A2よりも大径に、空間A2は空間A3よりも小径に形成されている。空間A1,A2間にあたるシリンダ部11の内壁面には、漏斗状に径を絞られた縮径部11aが形成されている。また、第1の弁体13には、縮径部11aに当接することで空間A1,A2を仕切るテーパ状のシート部13aが形成されている。シート部13aは、縮径部11aに対しては最外周のエッジ部分を当接するようになっており(これを「外当たり」という)、第1の弁体13が空間A1,A2間を閉じた状態では、空間A1に供給された燃料の圧力がシート部13aに作用しないようになっている。
【0027】
主弁駆動機構7は、制御ピストン12の一端面12aに作用して制御ピストン12を閉位置に付勢する戻しバネ(付勢部材)21と、制御ピストン12の他端面12bに作動油(流体)の圧力を作用させて、制御ピストン12を戻しバネ21が付勢する方向と反対の方向に移動させる駆動部22とから構成されている。
【0028】
この駆動部22は、図示しない作動油供給源から空間A4へ作動油を供給する作動油供給路(流体供給路)23と、この作動油供給路23に直列に接続されて制御ピストン12、すなわち空間A4への作動油の供給を断続する2つのパイロット弁(弁機構)24,25と、これら2つのパイロット弁24,25のうち一方、すなわち制御ピストン12側に位置するパイロット弁25を迂回(バイパス)して空間A4に作動油を供給する迂回路26と、この迂回路26の途中に設けられた絞り27とから構成されている。
【0029】
パイロット弁24,25はそれぞれ、作動油供給源から作動油を供給されるシリンダ部31,32と、各シリンダ部31,32内に往復動可能に配置された制御ピストン33,34と、これら制御ピストン33,34の一端面33a,34aに作用して制御ピストン33,34をそれぞれ閉位置(紙面に向かって右方向)に付勢する戻しバネ35,36と、図示しない制御部に制御されて制御ピストン33,34をそれぞれ開位置(紙面に向かって左方向)に移動させる電磁駆動部35a,36aとから構成されている。
【0030】
シリンダ部31内の空間A5は、一方で作動油供給路23に連通し、他方では空間A5から延長された迂回路26を通じて空間A4に連通している。
また、シリンダ部32内の空間A6は、一方で作動油供給路23に連通し、他方では空間A6から延長された作動油供給路23aおよび前述した迂回路26を通じて空間A4に連通している。
【0031】
制御ピストン33,34にはそれぞれ、作動油供給路23と空間A5,A6との間に配置され、両空間を遮断して作動油供給路23を断続する第3の弁体37,38と、空間A5を画成する第4の弁体39,40とが、制御ピストン33,34の長さ方向に離間して設けられている。
空間A4よりも下流側の作動油排出路(戻り路)41には、作動油の流量を絞る絞り42が設けられている。
【0032】
図2はこの燃料噴射装置10を備えるレシプロ式ディーゼル機関50の概略構成図である。図において符号51はシリンダ、52はシリンダヘッド、53はピストン、54はコネクティングロッド、55はクランクシャフト、56はクランクケース、57はバルブである。
【0033】
燃料噴射装置10は、燃料噴射弁4がシリンダヘッド52の略中央に設置されているが、蓄圧器3、主弁6、および主弁駆動装置7がシリンダヘッド52の側部に分けて設置されており、両者は燃料供給路5をなす管路で接続されている。
【0034】
上記のように構成された燃料噴射装置10を備えるディーゼル機関50を運転した時の燃料噴射装置10の作動の仕方について説明する。
ディーゼル機関50が燃料噴射の行程に入ると、パイロット弁24,25がともに閉じられた状態から、パイロット弁24が先行して作動を開始する。まず、電磁駆動部35aが作動して制御ピストン33が一方向(紙面に向かって左方向)に移動し、第3の弁体37が開いて作動油が空間A5に流れ込み、さらに迂回路26を通じて空間A4に流れ込む。空間A4に作動油が流れ込むと、作動油の圧力を受けて制御ピストン12が他方向(紙面に向かって右方向)に移動し、第1の弁体13が開くとともに第2の弁体14がドレン排出路8を閉じ、蓄圧器3から空間A1,A2、燃料供給路5を通じて燃料噴射弁4に燃料が供給される。このとき、絞り27の作用により空間A4に流れ込む作動油の圧力が低く抑えられるため、制御ピストン12の移動量が低く抑えられ、弁体13の開度が低く抑えられて燃料噴射率が低く抑えられる。
【0035】
続いて、パイロット弁25が作動を開始する。まず、電磁駆動部36aが作動して制御ピストン34が一方向に移動し、第3の弁体38が開いて作動油が空間A6に流れ込み、さらに作動油供給路23aおよび迂回路26を通じて空間A4に流れ込む。空間A4に作動油が流れ込むと、作動油の圧力を受けて制御ピストン12が他方向に移動して第1の弁体13が開き、蓄圧器3から空間A1,A2、燃料供給路5を通じて燃料噴射弁4に燃料が供給される。このとき、絞り27の作用を受けない作動油が作動油供給路23,23a、および迂回路26を通じて空間A4に流れ込むため、制御ピストン12が最大限他方向に移動させられ、弁体13がフルオープン(全開)とされて燃料噴射率が行程前半より高められる。
【0036】
燃料噴射の行程を終えると、パイロット弁24,25が同時に閉じられる。すなわち、電磁駆動部35,36の作動が同時に解除され、パイロット弁24では、戻しバネ35により制御ピストン33が他方向に移動し、第3の弁体37が閉じて空間A5、さらに空間A4への作動油の供給が断たれるとともに、パイロット弁25では、戻しバネ36により制御ピストン34が他方向に移動し、第3の弁体38が閉じて空間A6、さらに空間A4への作動油の供給が断たれる。空間A4への作動油の供給が断たれると、絞り42を通じて空間A4から作動油が排出され、作動油による制御ピストン12の押推力が解除される。作動油による押推力が解除されると、制御ピストン12が戻しバネ21の付勢力を受けて一方向に移動し、第1の弁体13が閉じるとともに第2の弁体14がドレン排出路8を開き、燃料供給路5を通じての燃料供給が断たれる。
【0037】
主弁6が閉じられると、燃料噴射弁4側の燃料供給路5に残って余圧を生じた燃料が、空間A2,A3、ドレン排出路8を通じて排出され、燃料タンク1に回収される。
【0038】
このように、パイロット弁24を先行して開放し、続いてパイロット弁25を開放することにより、噴射行程1回当たりの燃料噴射の期間における前半の燃料噴射率が低く抑えられ、後半の燃料噴射率が高められる(吸入行程1回当たりの燃料噴射率の変化および各弁の開閉状態を示すと図3のようになる)。
【0039】
なお、図1の燃料噴射装置10では、パイロット弁24とパイロット弁25とを同じ大きさとし、パイロット弁24の下流側の迂回路26に絞り27を設けることで空間A4に作用する作動油の圧力が小さく(流量を少なく)なるようにしているが、このように絞り27を設ける以外に、パイロット弁24およびパイロット弁25の大きさ自体を異ならせることで容量に大小の違いを与えることも可能である。
【0040】
次に、本発明に係る燃料噴射装置およびこれを備えるディーゼル機関の第2の実施形態を図4および図5に基づいて説明する。なお、上記第1の実施形態において既に説明した構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態においては、制御ピストン12の他端部に設けられたスリット(連通路)60、および絞り42(図1参照)を有しない作動油排出路41を通じて空間A4内の作動油が作動油供給源に戻されるようになっている。
【0041】
スリット60は、制御ピストン12の他端部(第1の弁体13と反対側に位置する端部)において、他端面12bと作動油排出路41とを連通する流路であり、制御ピストン12の他端部外表面に形成された1本の溝である。
一方、作動油排出路41には制御ピストン12の他端部外表面に沿って環状に配置された環状部41aが設けられている。
【0042】
したがって、パイロット弁24,25が閉じられた状態でも、空間A4と作動油排出路41とはスリット60および環状部41aを介して連通していることとなる。
また、パイロット弁24またはパイロット弁24,25が開かれて、制御ピストン12の他端面12bに作動油の圧力が作用すると、制御ピストン12が他方向(紙面に向かって右方向)に移動することとなる。このとき、制御ピストン12の他方向への移動量が大きいほどスリット60と環状部41aとのオーバーラップ(重なり)が大きくなって、作動油の通過面積が大きくなる。
【0043】
上記のように構成された燃料噴射装置20を備えるディーゼル機関を運転したときの燃料噴射装置20の作動の仕方について説明すると、パイロット弁24,25については上記第1の実施形態と全く同じに開閉動作を行って同様の燃料噴射率を実現する。
ただし、空間A4内の作動油は、上述したようにスリット60および環状部41aを通って作動油排出路41に排出され、作動油供給源に戻されるようになっている。
また、制御ピストン12が右方向に移動するとスリットの流路面積が大きくなり、空間A4の圧力が低下するので、制御ピストン12を右方向に押す力が弱められる。よって、力が平衡する位置で制御ピストン12は止まることになる。
【0044】
本実施形態においても、吸入行程1回当たりの燃料噴射期間における前半の燃料噴射率が低く抑えられ、後半の燃料噴射率が高められる(吸入行程1回当たりの燃料噴射率の変化および各弁の開閉状態を示すと図5のようになる)。
図5(b)および図5(c)に示すように、上記のように構成された燃料噴射装置20では、主弁6リフト量および燃料噴射率を階段状に変化させることができる。
【0045】
なお、本実施形態ではスリット60を、パイロット弁24,25が閉じられた状態でも、空間A4と環状部41aとを連通する1本の溝としている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば図6(a)から図6(c)に示すようなものとすることもできる。
図6(a)に示すスリット60aは、制御ピストン12の他端部において、他端面12bに作動油が作用したとき、空間A4と環状部41aとを連通し、他端面12bに作動油が作用しないとき、空間A4と環状部41aとの連通を断つ流路であり、制御ピストン12の他端部外表面に形成された1本の溝である。
すなわち、パイロット弁24,25が閉じられた状態では空間A4と環状部41aとの連通が遮断されており、パイロット弁24またはパイロット弁24,25が開かれ、制御ピストン12の他端面12bに作動油の圧力が作用して、制御ピストン12が他方向に移動することにより空間A4と環状部41aとが連通状態となる。
言い換えれば、図6(a)に示すスリット60aは、図4に示したスリット60の長さが短くされたものである。
【0046】
また、図6(b)に示す連通路は、図4に示すスリット60と図6(a)に示すスリット60aとから構成されたものであり、これらスリット60,60aは互いに他端部外周面の反対側に設けられている。
したがって、パイロット弁24,25が閉じられた状態では、空間A4と作動油排出路41とがスリット60および環状部41aを介して連通され、パイロット弁24またはパイロット弁24,25が開かれた状態では、空間A4と作動油排出路41とがスリット60,60aおよび環状部41aを介して連通されることとなる。
すなわち、制御ピストン12が他方向に移動していくにしたがってスリット60,60aと環状部41aとのオーバーラップ(重なり)が大きくなって、作動油の通過面積が大きくなる。
【0047】
さらに、図6(c)に示す連通路は、図4に示すスリット60の平面視形状を変更したものである。
すなわち、図6(c)に示すスリット60cは、制御ピストン12の他端面12bで最大流路断面を有する平面視楔形の溝である。
【0048】
したがって、パイロット弁24,25が閉じられた状態でも、空間A4と作動油排出路41とはスリット60cおよび環状部41aを介して連通していることとなる。
また、パイロット弁24またはパイロット弁24,25が開かれて、制御ピストン12の他端面12bに作動油の圧力が作用すると、制御ピストン12が他方向(紙面に向かって右方向)に移動することとなる。このとき、制御ピストン12の他方向への移動量が大きいほどスリット60と環状部41aとのオーバーラップ(重なり)が大きくなって、作動油の通過面積が大きくなる。
【0049】
なお、上述した実施形態においては、パイロット弁24,25が作動油供給路23に対して接続されるとともに、パイロット弁24がパイロット弁25の上流側に位置するように配置されている。
しかしながら本発明はこれに限定されるものではなく、たとえばパイロット弁24とパイロット弁25とを連通する作動油供給路23に作動油供給源から作動油が流れ込むように構成することも可能である。この場合、図1および図4において、パイロット弁24およびパイロット弁25を連通する作動油供給路23の左側から作動油が作動油供給路23に供給されることとなる。
【0050】
【発明の効果】
本発明の燃料噴射装置およびディーゼル機関によれば、以下の効果を奏する。請求項1に記載の燃料噴射装置によれば、開度の異なる少なくとも二位置以上で主弁が開かれることとなり、それぞれの開度で異なる燃料噴射率を得て、燃料噴射期間における燃料噴射率を制御することができるようになるので、燃料消費率を良好に維持しつつ、排ガス中のNOxを低減させることができる。
【0051】
また、燃料噴射期間における前半の燃料噴射率が低く抑えられ、燃料噴射期間における後半の燃料噴射率が高められることとなるので、燃料消費率を良好に維持しつつ、排ガス中のNOxを低減させることができる。
【0052】
請求項に記載の燃料噴射装置によれば、他端面に作用して主弁を開こうとする作動油の圧力と、主弁を閉じようとする戻しバネの付勢力とが瞬時に平衡することとなるので、燃料噴射率を階段状に変化させることができる。
【0053】
請求項に記載の燃料噴射装置によれば、他端部の外表面にスリットを形成すればよいこととなるので、加工が容易で、装置全体として低廉化を図ることができる。
【0054】
請求項に記載のディーゼル機関によれば、燃料噴射期間における燃料噴射率を制御することができるようになるので、燃料消費率を良好に維持しつつ、排ガス中のNOxを低減させることができる。
【0055】
請求項に記載のディーゼル機関によれば、蓄圧器、主弁、および主弁駆動機構を、シリンダヘッドとは分離して設けることにより、メンテナンスや部品の交換作業等を簡単に行うことができる。
また、ディーゼル機関を設計する上での自由度が増し、シリンダヘッドの小型/軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による燃料噴射装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】 図1の燃料噴射装置を搭載したディーゼル機関の概略構成図である。
【図3】 図1に示す燃料噴射装置の作動状態を説明するための図であって、吸入行程1回当たりの燃料噴射率の変化、および各弁の開閉状態を示す図表である。
【図4】 本発明による燃料噴射装置の第2の実施形態を示す概略構成図である。
【図5】 図4に示す燃料噴射装置の作動状態を説明するための図であって、吸入行程1回当たりの燃料噴射率の変化、および各弁の開閉状態を示す図表である。
【図6】 図4に示すスリット(連通路)の変形実施形態を示す図であって、(a)は第1変形実施形態、(b)は第2変形実施形態、(c)は第3変形実施形態を示す図である。
【図7】 従来の燃料噴射装置を示す概略構成図である。
【図8】 図7に示す燃料噴射装置の作動状態を説明するための図であって、吸入行程1回当たりの燃料噴射率の変化、および各弁の開閉状態を示す図表である。
【符号の説明】
3 蓄圧器
4 燃料噴射弁
5 燃料供給路
6 主弁
7 主弁駆動機構
10 燃料噴射装置
12a 一端面(一端部)
12b 他端面(他端部)
20 燃料噴射装置
21 戻しバネ(付勢部材)
22 駆動部
23 作動油供給路(流体供給路)
24 パイロット弁(弁機構)
25 パイロット弁(弁機構)
26 迂回路
27 絞り
41 作動油排出路(戻り路)
50 ディーゼル機関
52 シリンダヘッド
60 スリット(連通路)
60a スリット(連通路)
60c スリット(連通路)
100 燃料噴射装置
103 蓄圧器
104 燃料噴射弁
105 燃料供給路
106 主弁

Claims (5)

  1. 昇圧された燃料を蓄えておく蓄圧器と、該蓄圧器から前記燃料が供給されることにより開放して該燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記蓄圧器から前記燃料噴射弁へ燃料を供給する燃料供給路と、該燃料供給路に接続されて前記燃料噴射弁への燃料供給を断続する主弁と、該主弁を駆動する主弁駆動機構と、を具備し、
    前記主弁駆動機構、前記主弁を開度の異なる少なくとも二位置に移動せしめる構成を有する燃料噴射装置において、
    前記主弁駆動機構は、前記主弁の一端部に設けられ、前記主弁を閉位置に付勢する付勢部材と、前記主弁の他端部に流体を作用させ、前記主弁を開放せしめる駆動部と、を具備し、
    前記駆動部は、流体供給源から前記他端部へ流体を供給する流体供給路と、該流体供給路に接続されて前記他端部への流体供給を断続する二つの弁機構と、これら二つの弁機構のうち一方に位置する弁機構を迂回して前記他端部に前記流体を供給する迂回路と、該迂回路に設けられた絞りと、を備えてなり、
    前記他端部への流体供給にあたっては前記二つの弁機構のうち他方に位置する弁機構を先行して開放し、続いて一方に位置する弁機構を開放することを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 請求項に記載の燃料噴射装置において、
    前記他端部には、該他端部に作用する流体を前記流体供給源に戻す戻り路と、前記流体が作用する前記他端部とを連通する少なくとも一本の連通路が設けられており、かつ該少なくとも一本の連通路は、前記他端部に作用する流体の圧力が高くなるにしたがって流路抵抗が減少するように構成されていることを特徴とする燃料噴射装置。
  3. 請求項に記載の燃料噴射装置において、
    前記少なくとも一本の連通路は、前記他端部の外表面に形成されたスリットであることを特徴とする燃料噴射装置。
  4. 請求項1からのいずれか一項に記載の燃料噴射装置と、
    前記燃料噴射弁が取り付けられるシリンダヘッドと、を具備してなることを特徴とするディーゼル機関。
  5. 請求項に記載のディーゼル機関において、
    前記蓄圧器、前記主弁、および前記主弁駆動機構が、前記シリンダヘッドとは分離して設けられていることを特徴とするディーゼル機関。
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