JP3740001B2 - Method for producing emulsion - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中に分散された脂肪酸アミドの平均粒子径が微細かつ均一であり、安定性が良好なエマルジョンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、有機物の水中油型エマルジョンを得る方法としては、種々の界面活性剤または保護コロイドを分散剤として用い、油相を水相中でコロイドミルなどの機械力によって粉砕する事によって水中油型エマルジョンを得る湿式粉砕法、または種々の界面活性剤または水溶性高分子などを乳化剤として用い、油相の融解温度以上の水相に融解温度以上の油相をホモジナイザーなどを用いて高剪断力で乳化分散した後、それを徐冷または熱交換器等を用いて冷却する事によって水中油型エマルジョンを得る乳化法が知られている。
【0003】
しかし、油相として脂肪酸アミドを使用する場合、前者の方法では、脂肪酸アミドの濃度を15重量%以上とすると平均粒子径が1ミクロン以下の安定な分散体を得るために膨大な処理時間が必要となったり、分散粒子の粒子径分布が広いため安定性の悪いエマルジョンしか得られないという問題がある。一方後者の方法においても、脂肪酸アミドの濃度を10重量%以上とすると、脂肪酸アミドの融解温度以上では良好な乳化状態をとるものでも、冷却時に増粘したり液全体がゲル化または固化してしまい、良好なエマルジョン得ることができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、分散された脂肪酸アミドの平均粒子径が微細かつ均一であり、安定性が良好な脂肪酸アミドエマルジョンを得ることができるエマルジョンの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段・作用および効果】
上記目的を解決するためになされた請求項1の発明は、エマルジョンの製造方法であって、脂肪酸アミドを水中でその融解温度以上の温度で剪断力を加えて乳化する第1工程と、この第1工程で生成された融解温度よりも高温のエマルジョンを脂肪酸アミドの融解温度以下の水相中に投入して混合する第2工程とを順に行うところに特徴を有する。
【0006】
上記請求項1の発明によれば、まず第1工程において高温の水中に溶融した脂肪酸アミドが微細な液滴となって分散したエマルジョンが生成される。これは、第2工程において脂肪酸アミドの融解温度以下の水相中に投入・混合されるから、その温度が急速に低下する。このようにエマルジョンを急冷すると、エマルジョン中の脂肪酸アミドの濃度が高い場合でも、冷却されたエマルジョンが増粘したり、ゲル化または固化してしまうことがなく、微細で均一な平均粒子径の脂肪酸アミドが分散した、良好なエマルジョン得ることができる。またこのエマルジョンは、長時間放置した場合でも粒子同士の凝集・凝結やエマルジョンの増粘が起こることがなく、安定性にも優れる。さらに、第2工程においてはエマルジョンが均一な状態となるように混合すればよいだけであり、第1工程のような強力な剪断力を必要としないので、製造装置および作業が簡単である。第2工程に使用される水相としては、水、水に各種の安定化剤や界面活性剤等の助剤を添加した水溶液、水系エマルジョン等が可能である。
【0007】
また、上記第2工程において、水相としては、既に得られた脂肪酸アミドエマルジョンを利用することもできる(請求項2の発明)。この場合、第1工程で得られる脂肪酸アミドエマルジョンと同一濃度の脂肪酸アミドエマルジョンを使用すれば、全行程で同一濃度の脂肪酸アミドエマルジョンを扱うことになり、濃度管理が簡単になる。
【0008】
上記第1工程において、水を大気圧以上の圧力下で加熱してもよい(請求項3の発明)。大気圧以上の雰囲気下では、水を100℃以上に昇温させることが可能であるので、脂肪酸アミドの融解温度が100℃以上の場合でも、水を100℃以上にして脂肪酸アミドを融解温度以上にできるからである。
【0009】
さらに、上記第2工程における水相の温度は、脂肪酸アミドの融解温度より30℃以上低温であることが望ましい(請求項4の発明)。第1工程で生成された高温のエマルジョンを30℃以上の温度差で急冷すると、より安定的に良好なエマルジョンを得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明のエマルジョンの製造方法によれば、上述したように、まず第1工程において、脂肪酸アミドを水中でその融解温度以上の温度で剪断力を加えて乳化する。例えば、乳化容器にて脂肪酸アミドの融解温度以上で脂肪酸アミドと水と乳化剤とを混合し、例えばホモジナイザーと称される高圧式乳化分散機で高剪断力を与えることにより、乳化分散を行う。この時、乳化させる脂肪酸アミドの融解温度が100℃を上回る場合には、乳化容器を密閉状態として加圧し、温度を100℃以上に昇温させるとよい。このようにすると、融解した脂肪酸アミドの粒子は微細かつ粒子径が均一な状態で水中に分散され、良好な脂肪酸アミドエマルジョンが調製される。
【0011】
そして、この第1工程において得られた高温の脂肪酸アミドエマルジョンを、第2工程において、脂肪酸アミドの融解温度より低温に保持された水相内へ徐々に投入して、均一に混合する。このようにすると、水相内に投入された高温のエマルジョンは、低温の水相に取り囲まれて急速に冷却されつつ、間もなく均一に混合される。なお、この時の水相の温度は、脂肪酸アミドの融解温度より30℃以上の低温に保持しておくことが好ましい。このように、脂肪酸アミドの融解温度以上の脂肪酸アミドエマルジョンを急却すると、水中に分散された脂肪酸アミドの粒子が互いに凝集・凝結したり、エマルジョンがゲル化したりすることがなく、平均粒子径が1μm以下の微細かつ均一な脂肪酸アミド粒子が分散した、安定性の良好なエマルジョンを得ることができるのである。
【0012】
なお、脂肪酸アミドエマルジョンの濃度は、第1工程において調製した高濃度のエマルジョンを第2工程において水または低濃度のエマルジョン等の水相と混合・希釈することにより調整してもよいが、第1工程において所望の濃度のエマルジョンを調製し、予め調製した同一濃度のエマルジョンを冷媒としての水相中に投入するようにしてもよい。後者の方法を採用する場合には、全行程で同一濃度の脂肪酸アミドエマルジョンを扱うことになり、連続的に所望の濃度の脂肪酸アミドエマルジョンが得られるので、生産性がよい。
【0013】
本発明において水中で分散される脂肪酸アミドの種類は、一般に使用されているものでよい。具体的には、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド等の飽和脂肪酸モノアミド類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド等の不飽和脂肪酸モノアミド類、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド等の置換アミド類、メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘン酸アミド等のメチロールアミド類、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド等の不飽和脂肪族ビスアミド類、m−キシリレンビスステアリン酸アミド等の芳香族系ビスアミド類等が挙げられる。これら脂肪酸アミドは、単独で使用しても2種類以上を混合して使用してもよい。
【0014】
なお本発明は、これら中でも融解温度が約85℃〜120℃の範囲であるラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド等の飽和脂肪酸モノアミド類を使用する場合に特に好適である。
【0015】
本発明の脂肪酸アミドエマルジョンの製造方法によれば、最終的に得られる冷却後のエマルジョン中の脂肪酸アミドの平均粒子径は、1μm以下である。
【0016】
本発明において、脂肪酸アミドエマルジョンの濃度は特に限定されないが、好ましくは10〜40重量%である。10重量%以下であると、高温エマルジョンをそのまま冷却するだけで、増粘・固化することなく脂肪酸アミドエマルジョンが得られる。また、40重量%以上の高濃度になると、高温エマルジョンが冷却用水相に十分素早く拡散しないために、凝集物が多くなったり、増粘したりして、良好なエマルジョンが得られない。
【0017】
また、必要に応じて乳化剤、乳化安定剤、防錆剤、防かび剤、消泡剤等の添加剤を混合してもよい。
乳化剤は特に限定されるものでなく、アニオン系、カチオン系、両性系、非イオン系等の界面活性剤を使用することができる。
【0018】
アニオン系界面活性剤としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、高級アルコール硫酸エステル、高級アルキルエーテル硫酸エステル、硫酸化脂肪酸エステル、硫酸化オレフィン等の硫酸エステル類、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、パラフィンスルホン酸、スルホコハク酸ジエステル等のスルホン酸エステル類、高級アルコールリン酸エステル類等の燐酸エステルとアルカリ金属、アルカリ土類金属、あるいはアミン等との塩などが挙げられる。
【0019】
カチオン系あるいは両性系の界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩、塩化アルキルピリジウム塩、あるいはアルキルベタインなどが挙げられる。
【0020】
非イオン系界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等のポリエチレングリコール型、あるいはグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリストールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等の多価アルコール型などが挙げられる。
これらの界面活性剤は単独または2種類以上を組み合わせて使用される。
【0021】
また、乳化安定剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、でんぷん、ゼラチン、高級アルコール等が挙げられる
【0022】
これらの添加剤の混合割合は、脂肪酸アミド100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは3重量部〜50重量部である。0.1重量部以下では、安定なエマルジョンを得ることができ難かったり、分散粒子が粗大化し易い傾向がある。また、100重量部以上加えても分散安定性は向上せず、無駄である。
【0023】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<実施例1>
圧力容器に、パルミチン酸アミド4000g、ラウリン酸294g、25重量%アンモニア水104g、水11800gを投入し、加圧下にて120℃に加熱後、ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)で混合した後、更に高圧ホモジナイザー(A.P.V.Gaulin、Inc製)にて均質圧力20MPa下で均質化処理を行い、高温のパルミチン酸アミドエマルジョンを得た。
次に冷媒として20℃の水5000gを冷媒槽に入れ、60℃以下になるよう冷却しつつ、冷媒中に上記高温のパルミチン酸アミドエマルジョンを徐々に混合した。その後さらに30℃まで冷却することにより、パルミチン酸アミド濃度20重量%のエマルジョンを得た。
得られたエマルジョンの粒子径をレーザー散乱式粒子径測定装置(株式会社堀場製製作所製LA920)にて測定したところ平均粒子径が0.3μmであり、また20℃における粘度は12mPa・sであった。なお、粒子径分布を図1に示す。
【0024】
<実施例2>
圧力容器に、パルミチン酸アミド4000g、パルミチン酸300g、25重量%アンモニア水80g、水7400gを投入し、実施例1と同様の方法で、高温のパルミチン酸アミドエマルジョンを得た。
次に冷媒として20℃の水1774gを冷媒槽に入れ、同じく実施例1と同様の方法で冷媒中に上記の高温パルミチン酸アミドエマルジョンを徐々に混合して、30℃の30重量%のパルミチン酸アミドエマルジョンを得た。
得られたエマルジョンの平均粒子径は0.6μmであり、また20℃における粘度が18mPa・sであった。
【0025】
<実施例3>
圧力容器にパルミチン酸アミド3000g、ラウリン酸221g、25重量%アンモニア水76g、水12903gを投入し、実施例1と同様の方法で、高温のパルミチン酸アミドエマルジョンを得た。
次に、冷媒として水の代わりに実施例1で得られた20重量%のパルミチン酸アミドエマルジョンを使用し、同じく実施例1と同様の方法で冷媒中に上記の高温パルミチン酸アミドエマルジョンを徐々に混合して、30℃の20重量%のパルミチン酸アミドエマルジョンを得た。
得られたエマルジョンの平均粒子径は0.4μmであり、また20℃における粘度が11mPa・sであった。
【0026】
<実施例4>
パルミチン酸アミドの代わりにステアリン酸アミドを用いること以外は実施例1と同様に行い、ステアリン酸アミド20重量%のエマルジョンを得た。
得られたエマルジョンの平均粒子径は0.3μmであり、また20℃における粘度が13mPa・sであった。
【0027】
<実施例5>
パルミチン酸アミドの代わりにベヘン酸アミドを用いること以外は実施例1と同様に行い、ベヘン酸アミド20重量%のエマルジョンを得た。
得られたエマルジョンの平均粒子径は0.8μmであり、また20℃における粘度が12mPa・sであった。
【0028】
<比較例1>
実施例1と同様にして高温エマルジョンを得た後、そのまま冷却行ったところ、液全体が固化し、液状のエマルジョンを得ることができなかった。
【0029】
<比較例2>
実施例1と同様にして得た高温エマルジョンを、プレート式熱交換器を通し冷却しながら加圧乳化槽より抜き出したところ、液が増粘しペースト状となり、液状のエマルジョンを得ることが出来なかった。
【0030】
<比較例3>
ステアリン酸アミド200g、ジオクチルスルホ琥珀酸エステルソーダ塩8g、水798gを混合し、1.5mmのガラスビーズを使用したバッチ式ビーズミルにて湿式粉砕を行った。これにより得られた分散体の平均粒子径は2.5μmであった。粒子径分布を、図2に示す。
【0031】
上記実施例で示したように、本発明の製造方法により調整した脂肪酸アミドのエマルジョンは、いずれのものも分散された脂肪酸アミドの平均粒子径が1μm以下と微細であり、増粘やゲル化あるいは固化が起きることがなかった。これに対し比較例ものでは、脂肪酸アミドの平均粒子径が大きくなってしまったり、エマルジョンが増粘あるいは固化してしまい、良好な状態の脂肪酸アミドエマルジョンを得ることができなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の粒子径分布を示すグラフ
【図2】比較例3の粒子径分布を示すグラフ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing an emulsion in which fatty acid amide dispersed in water has a fine and uniform average particle size and good stability.
[0002]
[Prior art]
In general, an organic oil-in-water emulsion is obtained by using various surfactants or protective colloids as a dispersing agent, and pulverizing the oil phase in the aqueous phase by a mechanical force such as a colloid mill. High shear force using a wet pulverization method to obtain a type emulsion, or using various surfactants or water-soluble polymers as emulsifiers, and using an oil phase above the melting temperature of the oil phase and a homogenizer etc. There is known an emulsification method in which an oil-in-water emulsion is obtained by emulsifying and dispersing in (3) and then cooling it slowly or using a heat exchanger or the like.
[0003]
However, when fatty acid amide is used as the oil phase, the former method requires enormous processing time to obtain a stable dispersion having an average particle size of 1 micron or less when the concentration of fatty acid amide is 15% by weight or more. There is a problem that only an emulsion having poor stability can be obtained because the particle size distribution of dispersed particles is wide. On the other hand, even in the latter method, if the concentration of the fatty acid amide is 10% by weight or more, even if the emulsion is in a good emulsified state above the melting temperature of the fatty acid amide, the viscosity increases during cooling or the whole liquid gels or solidifies. As a result, a good emulsion cannot be obtained.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and provides an emulsion production method capable of obtaining a fatty acid amide emulsion in which the dispersed fatty acid amide has a fine and uniform average particle diameter and good stability. It is intended to do.
[0005]
[Means, actions and effects for solving the problems]
The invention of claim 1 made to solve the above object is a method for producing an emulsion, wherein a first step of emulsifying a fatty acid amide in water at a temperature equal to or higher than its melting temperature by applying a shearing force; It is characterized in that the second step of sequentially adding and mixing an emulsion having a temperature higher than the melting temperature generated in one step into an aqueous phase not higher than the melting temperature of the fatty acid amide is performed.
[0006]
According to the first aspect of the present invention, in the first step, an emulsion is produced in which fatty acid amide melted in high-temperature water is dispersed as fine droplets. Since this is thrown into and mixed with the aqueous phase below the melting temperature of the fatty acid amide in the second step, the temperature rapidly decreases. When the emulsion is rapidly cooled in this way, even when the concentration of the fatty acid amide in the emulsion is high, the cooled emulsion does not thicken, gel or solidify, and the fatty acid has a fine and uniform average particle size. A good emulsion in which the amide is dispersed can be obtained. Further, even when this emulsion is left for a long time, it does not cause aggregation / aggregation of particles or thickening of the emulsion, and is excellent in stability. Furthermore, in the second step, it is only necessary to mix the emulsion so that it is in a uniform state, and since a strong shearing force as in the first step is not required, the manufacturing apparatus and work are simple. As an aqueous phase used in the second step, water, an aqueous solution obtained by adding various stabilizers, surfactants and other auxiliary agents to water, an aqueous emulsion, and the like are possible.
[0007]
In the second step, the fatty acid amide emulsion already obtained can be used as the aqueous phase (invention of claim 2). In this case, if the fatty acid amide emulsion having the same concentration as the fatty acid amide emulsion obtained in the first step is used, the fatty acid amide emulsion having the same concentration is handled in the whole process, and the concentration management becomes simple.
[0008]
In the first step, water may be heated under a pressure equal to or higher than atmospheric pressure (invention of claim 3). Since water can be heated to 100 ° C. or higher under an atmosphere of atmospheric pressure or higher, even when the melting temperature of the fatty acid amide is 100 ° C. or higher, the water is set to 100 ° C. or higher and the fatty acid amide is heated to the melting temperature or higher. Because it can be.
[0009]
Furthermore, the temperature of the aqueous phase in the second step is preferably 30 ° C. or more lower than the melting temperature of the fatty acid amide (the invention of claim 4). When the high-temperature emulsion produced in the first step is rapidly cooled at a temperature difference of 30 ° C. or more, a good emulsion can be obtained more stably.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
According to the method for producing an emulsion of the present invention, as described above, first, in the first step, the fatty acid amide is emulsified in water by applying a shearing force at a temperature equal to or higher than its melting temperature. For example, the emulsification dispersion is performed by mixing the fatty acid amide, water, and the emulsifier at a temperature equal to or higher than the melting temperature of the fatty acid amide in an emulsification container, and applying a high shearing force with, for example, a high-pressure emulsifying disperser called a homogenizer. At this time, when the melting temperature of the fatty acid amide to be emulsified exceeds 100 ° C., the emulsified container is sealed and pressurized, and the temperature may be raised to 100 ° C. or higher. In this way, the melted fatty acid amide particles are dispersed in water with a fine and uniform particle size, and a good fatty acid amide emulsion is prepared.
[0011]
Then, in the second step, the high-temperature fatty acid amide emulsion obtained in the first step is gradually introduced into the aqueous phase maintained at a temperature lower than the melting temperature of the fatty acid amide, and uniformly mixed. In this way, the high-temperature emulsion charged into the aqueous phase is immediately and uniformly mixed while being rapidly cooled by being surrounded by the low-temperature aqueous phase. The temperature of the aqueous phase at this time is preferably kept at a low temperature of 30 ° C. or higher than the melting temperature of the fatty acid amide. As described above, when the fatty acid amide emulsion having a melting point higher than that of the fatty acid amide is rapidly discarded, the particles of the fatty acid amide dispersed in water do not aggregate and coagulate with each other, and the emulsion does not gel, and the average particle size is increased. A stable emulsion in which fine and uniform fatty acid amide particles of 1 μm or less are dispersed can be obtained.
[0012]
The concentration of the fatty acid amide emulsion may be adjusted by mixing and diluting the high-concentration emulsion prepared in the first step with water or an aqueous phase such as a low-concentration emulsion in the second step. In the process, an emulsion having a desired concentration may be prepared, and an emulsion having the same concentration prepared in advance may be put into an aqueous phase as a refrigerant. When the latter method is employed, the fatty acid amide emulsion having the same concentration is handled in the whole process, and the fatty acid amide emulsion having a desired concentration is continuously obtained, so that the productivity is good.
[0013]
In the present invention, the type of fatty acid amide dispersed in water may be those generally used. Specifically, saturated fatty acid monoamides such as lauric acid amide, palmitic acid amide, stearic acid amide, and behenic acid amide, unsaturated fatty acid monoamides such as oleic acid amide, erucic acid amide, and ricinoleic acid amide, N-stearyl stearin Substituted amides such as acid amide, N-oleyl oleic acid amide, N-stearyl oleic acid amide, N-oleyl stearic acid amide, N-stearyl erucic acid amide, N-oleyl palmitic acid amide, methylol stearic acid amide, methylol behen Methylolamides such as acid amides, methylenebisstearic acid amide, ethylene biscapric acid amide, ethylene bislauric acid amide, ethylene bisstearic acid amide, ethylene bisisostearic acid amide, ethylene bishydroxystearate Acid amide, ethylene bisbehenic acid amide, hexamethylene bis stearic acid amide, hexamethylene bis behenic acid amide, hexamethylene bishydroxy stearic acid amide, N, N'-distearyl adipic acid amide, N, N'-distearyl Saturated fatty acid bisamides such as sebacic acid amide, ethylene bisoleic acid amide, hexamethylene bisoleic acid amide, unsaturated aliphatic bisamides such as N, N'-dioleyl adipic acid amide, m-xylylene bisstearic acid amide Aromatic bisamides and the like. These fatty acid amides may be used alone or in combination of two or more.
[0014]
The present invention is particularly suitable when using saturated fatty acid monoamides such as lauric acid amide, palmitic acid amide, stearic acid amide, and behenic acid amide having a melting temperature in the range of about 85 ° C to 120 ° C. .
[0015]
According to the method for producing a fatty acid amide emulsion of the present invention, the average particle size of the fatty acid amide in the emulsion after cooling that is finally obtained is 1 μm or less.
[0016]
In the present invention, the concentration of the fatty acid amide emulsion is not particularly limited, but is preferably 10 to 40% by weight. If it is 10% by weight or less, a fatty acid amide emulsion can be obtained without cooling and thickening only by cooling the high temperature emulsion as it is. On the other hand, at a high concentration of 40% by weight or more, the high temperature emulsion does not diffuse sufficiently quickly into the cooling water phase, so that aggregates increase or the viscosity increases, and a good emulsion cannot be obtained.
[0017]
Moreover, you may mix additives, such as an emulsifier, an emulsion stabilizer, a rust preventive agent, a fungicide, and an antifoamer as needed.
The emulsifier is not particularly limited, and anionic, cationic, amphoteric and nonionic surfactants can be used.
[0018]
Anionic surfactants include fatty acids such as lauric acid, palmitic acid, stearic acid and oleic acid, higher alcohol sulfates, higher alkyl ether sulfates, sulfated fatty acid esters, sulfate esters such as sulfated olefins, and alkylbenzenes. Examples include sulfonic acid esters such as sulfonic acid, alkylnaphthalene sulfonic acid, paraffin sulfonic acid, sulfosuccinic acid diester, and phosphoric acid esters such as higher alcohol phosphoric acid esters and alkali metals, alkaline earth metals, or amines. It is done.
[0019]
Examples of cationic or amphoteric surfactants include quaternary ammonium salts such as alkyltrimethylammonium chloride salts and alkyldimethylbenzylammonium chloride salts, alkylpyridium chloride salts, and alkylbetaines.
[0020]
Nonionic surfactants include higher alcohol ethylene oxide adduct, alkylphenol ethylene oxide adduct, fatty acid ethylene oxide adduct, polyhydric alcohol fatty acid ester ethylene oxide adduct, higher alkylamine ethylene oxide adduct, fatty acid amide ethylene oxide. Polyethylene glycol types such as adducts, fat and oil ethylene oxide adducts, polypropylene glycol ethylene oxide adducts, etc., or glycerol fatty acid esters, pentaerythritol fatty acid esters, sorbitol and sorbitan fatty acid esters, sucrose fatty acid esters, polyvalent Examples include polyhydric alcohol types such as alkyl ethers of alcohols and fatty acid amides of alkanolamines.
These surfactants are used alone or in combination of two or more.
[0021]
Examples of the emulsion stabilizer include polyvinyl alcohol, polyvinyl pyrrolidone, polyvinyl methyl ether, polyethylene oxide, polyacrylamide, polyacrylic acid, carboxymethyl cellulose, methyl cellulose, hydroxymethyl cellulose, starch, gelatin, and higher alcohol.
The mixing ratio of these additives is 0.1 to 100 parts by weight, preferably 3 to 50 parts by weight, based on 100 parts by weight of the fatty acid amide. If the amount is 0.1 parts by weight or less, it is difficult to obtain a stable emulsion, and the dispersed particles tend to be coarse. Further, even if 100 parts by weight or more is added, the dispersion stability is not improved and is useless.
[0023]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples.
<Example 1>
A pressure vessel was charged with 4000 g of palmitic acid amide, 294 g of lauric acid, 104 g of 25 wt% ammonia water, and 11800 g of water, heated to 120 ° C. under pressure, and then mixed with a homomixer (manufactured by Tokushu Kika Kogyo Co., Ltd.). Thereafter, homogenization was further performed with a high-pressure homogenizer (APV Gaulin, Inc.) under a homogeneous pressure of 20 MPa to obtain a high-temperature palmitic acid amide emulsion.
Next, 5000 g of 20 ° C. water as a refrigerant was placed in a refrigerant bath, and the above high temperature palmitic acid amide emulsion was gradually mixed into the refrigerant while cooling to 60 ° C. or lower. Thereafter, the mixture was further cooled to 30 ° C. to obtain an emulsion having a palmitic acid amide concentration of 20% by weight.
When the particle size of the obtained emulsion was measured with a laser scattering type particle size measuring device (LA920 manufactured by Horiba, Ltd.), the average particle size was 0.3 μm, and the viscosity at 20 ° C. was 12 mPa · s. It was. The particle size distribution is shown in FIG.
[0024]
<Example 2>
Into the pressure vessel, 4000 g of palmitic acid amide, 300 g of palmitic acid, 80 g of 25 wt% aqueous ammonia and 7400 g of water were added, and a high temperature palmitic acid amide emulsion was obtained in the same manner as in Example 1.
Next, 1774 g of water at 20 ° C. as a refrigerant is put in a refrigerant tank, and the above high temperature palmitic acid amide emulsion is gradually mixed in the refrigerant in the same manner as in Example 1 to obtain 30 wt% palmitic acid at 30 ° C. An amide emulsion was obtained.
The average particle diameter of the obtained emulsion was 0.6 μm, and the viscosity at 20 ° C. was 18 mPa · s.
[0025]
<Example 3>
A pressure vessel was charged with 3000 g of palmitic acid amide, 221 g of lauric acid, 76 g of 25 wt% aqueous ammonia and 12903 g of water, and a high temperature palmitic acid amide emulsion was obtained in the same manner as in Example 1.
Next, 20% by weight of palmitic acid amide emulsion obtained in Example 1 was used as a refrigerant instead of water, and the above-mentioned high-temperature palmitic acid amide emulsion was gradually added to the refrigerant in the same manner as in Example 1. Mixing gave a 20 wt% palmitic acid amide emulsion at 30 ° C.
The average particle diameter of the obtained emulsion was 0.4 μm, and the viscosity at 20 ° C. was 11 mPa · s.
[0026]
<Example 4>
The same procedure as in Example 1 was performed except that stearic acid amide was used instead of palmitic acid amide to obtain an emulsion containing 20% by weight of stearic acid amide.
The average particle diameter of the obtained emulsion was 0.3 μm, and the viscosity at 20 ° C. was 13 mPa · s.
[0027]
<Example 5>
The same procedure as in Example 1 was conducted except that behenic acid amide was used instead of palmitic acid amide to obtain an emulsion of 20% by weight of behenic acid amide.
The average particle diameter of the obtained emulsion was 0.8 μm, and the viscosity at 20 ° C. was 12 mPa · s.
[0028]
<Comparative Example 1>
When a high temperature emulsion was obtained in the same manner as in Example 1 and then cooled as it was, the whole liquid was solidified and a liquid emulsion could not be obtained.
[0029]
<Comparative Example 2>
When the high temperature emulsion obtained in the same manner as in Example 1 was extracted from the pressurized emulsification tank while cooling through a plate heat exchanger, the liquid thickened and became a paste, and a liquid emulsion could not be obtained. It was.
[0030]
<Comparative Example 3>
200 g of stearamide, 8 g of dioctyl sulfosuccinate soda salt and 798 g of water were mixed, and wet pulverization was performed in a batch type bead mill using 1.5 mm glass beads. The average particle size of the resulting dispersion was 2.5 μm. The particle size distribution is shown in FIG.
[0031]
As shown in the above Examples, the fatty acid amide emulsion prepared by the production method of the present invention has a fine average particle diameter of 1 μm or less of the fatty acid amide in which all of the emulsions are dispersed. Solidification did not occur. On the other hand, in the comparative example, the average particle diameter of the fatty acid amide was increased, or the emulsion was thickened or solidified, so that a fatty acid amide emulsion in a good state could not be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the particle size distribution of Example 1. FIG. 2 is a graph showing the particle size distribution of Comparative Example 3.
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