JP3739575B2 - 合成分布作成用パラメータ探索方法及びその方法を適用する装置、並びに記録媒体 - Google Patents
合成分布作成用パラメータ探索方法及びその方法を適用する装置、並びに記録媒体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、2個以上の単位分布と各単位分布の合成分布作成用パラメータ(重み係数など)とから合成分布を作成する際の、各単位分布の合成分布作成用パラメータを探索する方法及びその方法を適用する装置、並びにそのような方法をコンピュータに実行させたり、そのような装置としてコンピュータを動作させたりするためのプログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図16は、重み係数を合成分布作成用パラメータとする文献「Physical and Medical Biology, 42(1997), p.2411〜p.2420」に示された従来の合成分布作成用パラメータ探索方法を説明するためのグラフ図である。図16では、横軸に重み係数の番号iをとり、縦軸に重み係数の値をとって示している。
【0003】
上記文献に示された従来の合成分布作成用パラメータ探索方法では、n個の単位分布のそれぞれの重み係数の解空間を、分解能Δwで離散化する。この場合、N×Δwがそれぞれの重み係数の解空間の最大値と最小値との差となるように離散化する。図16では、1番目の重み係数について、解空間がΔwで離散化されている様子を示している。
【0004】
そして、すべての重み係数の値が0の状態から出発し、サイズがΔwである重みのブロックを、n個の重み係数の解空間のいずれかに一個ずつ積み上げていく。この場合、ブロックを積んだ後の合成分布が、予め設定した最適な合成分布に最も近くなるように重みのブロックを積み上げていく。図16では、1番目、3番目、4番目、5番目、6番目、n−2番目、n−1番目及びn番目の重み係数の値がΔwであり、2番目の重み係数の値が2Δwである様子を示している。
【0005】
なお、すべての重み係数の値がN×Δwの状態から出発し、サイズがΔwである重みのブロックを、n個の重み係数の解空間のいずれかから一個ずつ積み下ろしていく場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の合成分布作成用パラメータ探索方法では、以上のように重み係数を探索しているため、重み係数間の相関をとらずに、それぞれの重み係数の値が独立に増加(重みのブロックを積み上げていく場合)あるいは減少(重みのブロックを積み下ろしていく場合)していく。しかしながら、例えば、ある重み係数の値を所定量だけ高くした場合に合成分布が改善されなくても、同時に他の重み係数の値を所定量だけ低くすることにより合成分布が改善される場合がある。このことは、n個の単位分布の中に、分布の広がりが大きい単位分布が含まれている場合に起こり易い。従って、従来の合成分布作成用パラメータ探索方法では、必ずしも最適な手順で重み係数を探索していたとは言えないという課題があった。少なくとも最適な設定効率となる手順で重み係数を探索していたとは言えない。
【0007】
また、従来の合成分布作成用パラメータ探索方法では、重み係数の値が分解能Δwで増加(重みのブロックを積み上げていく場合)あるいは減少(重みのブロックを積み下ろしていく場合)していくため、増加あるいは減少の幅が最小である。従って、単位分布の数が多くなり、重み係数の数が多くなると、重み係数の探索効率が低くなるという課題があった。
【0008】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、合成分布作成用パラメータをより適切に探索することができる合成分布作成用パラメータ探索方法及びその方法を適用する装置、並びにそのような方法をコンピュータに実行させたり、そのような装置としてコンピュータを動作させたりするためのプログラムを記録した記録媒体を得ることを目的とする。
【0009】
また、この発明は合成分布作成用パラメータをより効率良く探索することができる合成分布作成用パラメータ探索方法を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る合成分布作成用パラメータ探索方法は、線量分布、磁場分布、電場分布、音の強度分布のいずれかの分布であって、それぞれ相互の相関があるn個の単位分布を作成する第1段階と、n個の単位分布と各単位分布の重み係数と所定合成分布を作り出す構成分布の位置座標の少なくとも一つを含む合成分布作成用パラメータとから作成される合成分布の評価条件を設定する第2段階と、n個の単位分布と各単位分布の合成分布作成用パラメータの初期値とから合成分布を作成し、その合成分布の評価値を上記評価条件で計算する第3段階と、第i(i=1,2,・・・,n)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値を所定の値だけ増減して合成分布を作成し、その合成分布の評価値を上記評価条件で計算し、評価価が向上したか否かを評価する第4段階と、第4段階において評価値が向上しなかった場合、第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値の増減方向と逆方向に値を所定の値だけ増減したときに評価値が向上する第j(j=1,2,・・・,n、j≠i)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータを探索する第5段階とを有し、第4段階と第5段階とをi=1からi=nまで行うことを繰り返し、合成分布の評価値が所定の値に達したとき、各単位分布の合成分布作成用パラメータを出力するようにしたものである。
この発明に係る合成分布作成用パラメータ探索方法は、合成分布作成用パラメータは陽子線のビームエネルギーである。
この発明に係る合成分布作成用パラメータ探索方法は、第4段階において評価値が向上した場合、第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの増減後の値をそのまま保持し、次順位(i=nの場合には第1順位)の単位分布の合成分布作成用パラメータについて第4段階を行い、第5段階において評価値が向上する第j順位の単位分布の合成分布作成用パラメータが見つかった場合、その合成分布作成用パラメータの値及び第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの増減後の値をそのまま保持し、次順位(i=nの場合には第1順位)の単位分布の合成分布作成用パラメータについて第4段階を行い、第5段階において評価値が向上する第j順位の単位分布の合成分布作成用パラメータが見つからなかった場合、第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値の直前の増減を取りやめ、そのパラメータの値をもとにもどし、次順位(i=nの場合には第1順位)の単位分布の合成分布作成用パラメータについて第4段階を行うようにしたものである。
【0011】
この発明に係る合成分布作成用パラメータ探索方法は、n個の単位分布の合成分布作成用パラメータの上限値を所定の値に設定する段階を備えたものである。
【0012】
この発明に係る合成分布作成用パラメータ探索方法は、n個の単位分布の合成分布作成用パラメータの下限値を所定の値に設定する段階を備えたものである。
【0013】
この発明に係る合成分布作成用パラメータ探索方法は、合成分布の評価条件を、所定の領域における合成分布の均一度とするものである。
【0014】
この発明に係る合成分布作成用パラメータ探索方法は、合成分布の評価条件を、所定の領域における合成分布と目標分布との差の自乗和とするものである。
【0016】
この発明に係る合成分布作成用パラメータ探索装置は、第i(i=1,2,・・・,n)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値を所定の値だけ増減させるパラメータ増減手段と、パラメータ増減手段において第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値を所定の値だけ増減させることにより評価値が向上しなかった場合に、第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値の増減方向と逆方向に値を所定の値だけ増減したときに評価値が向上する第j(j=1,2,・・・,n、j≠i)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータを探索するパラメータ探索手段とを備えたものである。
【0017】
この発明に係る記録媒体は、線量分布、磁場分布、電場分布、音の強度分布のいずれかの分布であって、それぞれ相互の相関があるn個の単位分布を作成する第1段階、n個の単位分布と各単位分布の重み係数と所定合成分布を作り出す構成分布の位置座標の少なくとも一つを含む合成分布作成用パラメータとから作成される合成分布の評価条件を設定する第2段階、n個の単位分布と各単位分布の合成分布作成用パラメータの初期値とから合成分布を作成し、その合成分布の評価値を上記評価条件で計算する第3段階、第i(i=1,2,・・・,n)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値を所定の値だけ増減して合成分布を作成し、その合成分布の評価値を上記評価条件で計算し、評価価が向上したか否かを評価する第4段階、第4段階において評価値が向上しなかった場合、第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値の増減方向と逆方向に値を所定の値だけ増減したときに評価値が向上する第j(j=1,2,・・・,n、j≠i)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータを探索する第5段階をコンピュータに実行させ、第4段階と第5段階とをi=1からi=nまで行うことを繰り返し、合成分布の評価値が所定の値に達したとき、各単位分布の合成分布作成用パラメータを出力するようにコンピュータを実行させるためのプログラムを記録したものである。
【0018】
この発明に係る記録媒体は、第i(i=1,2,・・・,n)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値を所定の値だけ増減させるパラメータ増減手段、パラメータ増減手段において第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値を所定の値だけ増減させることにより評価値が向上しなかった場合に、第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値の増減方向と逆方向に値を所定の値だけ増減したときに評価値が向上する第j(j=1,2,・・・,n、j≠i)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータを探索するパラメータ探索手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は重み係数を合成分布作成用パラメータとするこの発明の実施の形態1による合成分布作成用パラメータ探索装置を示すブロック図である。図1において、1は所定の値の最大ビームエネルギーを有する陽子線を人体に照射する場合に形成される深度線量分布を記憶手段(図示せず)に記録されているプログラムを用いて作成し、その深度線量分布を深さの浅い方向に所定のピッチでずらして、その深度線量分布を含めたn個の深度線量分布を作成し、これらn個の深度線量分布を単位線量分布とする単位線量分布作成手段(単位分布作成手段)、2はn個の単位線量分布と各単位線量分布の重み係数とから下記の(1)式を用いて作成される合成線量分布の評価条件を、下記の(2)式を用いて計算される所定の深さ領域における合成線量分布の均一度に設定する評価条件設定手段、3はn個の単位線量分布の重み係数の初期値を所定の値に設定する初期値設定手段、4はn個の単位線量分布と各単位線量分布の重み係数とから下記の(1)式を用いて合成線量分布を作成し、その合成線量分布の均一度を下記の(2)式を用いて所定の深さ領域において計算し、均一度が向上したか否かを評価する均一度評価手段(評価手段)である。
【0020】
【数1】
(1)式において、D(z)は合成線量分布、di(z)は単位線量分布、wiは重み係数、zは体表面からの深さ、nは単位線量分布の数である。
【0021】
【数2】
(2)式において、hは合成線量分布の均一度、Dmaxは合成線量分布における吸収線量の最大値、Dminは合成線量分布における吸収線量の最小値である。
【0022】
また、5は第i(i=1,2,・・・,n)順位の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増減させる重み係数増減手段(パラメータ増減手段)である。すなわち、重み係数増減手段5は、第i順位の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増やすことにより均一度が向上した場合に第i順位の単位線量分布の重み係数の値をそのまま保持し、次順位(ただし、i=nのときは第1順位)の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増やし(0031段落参照)、後述する重み係数探索手段において第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数のうち値を所定の値だけ減らすことにより均一度が向上する重み係数が見つかった場合に第i順位の単位線量分布の重み係数の値をそのまま保持し、次順位(ただし、i=nのときは第1順位)の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増やし(0033段落参照)、後述する重み係数探索手段において第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数のうち値を所定の値だけ減らすことにより均一度が向上する重み係数が見つからなかった場合に第i順位の単位線量分布の重み係数の値をもとにもどし、さらに所定の値だけ減らし(0034段落参照)、第i順位の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ減らすことにより均一度が向上した場合に第i順位の単位線量分布の重み係数の値をそのまま保持し、次順位(ただし、i=nのときは第1順位)の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増やし(0036段落参照)、後述する重み係数探索手段において第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数のうち値を所定の値だけ増やすことにより均一度が向上する重み係数が見つかった場合に第i順位の単位線量分布の重み係数の値をそのまま保持し、次順位(ただし、i=nのときは第1順位)の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増やし(0038段落参照)、後述する重み係数探索手段において第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数のうち値を所定の値だけ増やすことにより均一度が向上する重み係数が見つからなかった場合に第i順位の単位線量分布の重み係数の値をもとにもどし、次順位(ただし、i=nのときは第1順位)の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増やす(0039段落及び、0040段落参照)。
【0023】
また、6は重み係数増減手段5において第i順位の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増減させることにより均一度が向上しなかった場合に、第i順位の単位線量分布の重み係数の値の増減方向と逆方向に値を所定の値だけ増減したときに均一度が向上する第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数を探索する重み係数探索手段(パラメータ探索手段)である。すなわち、重み係数探索手段6は、重み係数増減手段5において第i順位の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増やすことにより均一度が向上しなかった場合に、第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ減らし、均一度が向上したときには重み係数の値をそのまま保持し、均一度が向上しなかったときには重み係数の値をもとに戻す操作を、順位の最も低い単位線量分布の重み係数から始めて値を所定の値だけ減らすことにより均一度が向上する重み係数が見つかるまで行う。見つからない場合には順位の最も高い単位線量分布の重み係数についてまで行う(0032段落参照)。また、重み係数増減手段5において第i順位の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ減らすことにより均一度が向上しなかった場合に、第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増やし、均一度が向上したときには重み係数の値をそのまま保持し、均一度が向上しなかったときには重み係数の値をもとに戻す操作を、順位の最も低い単位線量分布の重み係数から始めて値を所定の値だけ増やすことにより均一度が向上する重み係数が見つかるまで行う。見つからない場合には順位の最も高い単位線量分布の重み係数についてまで行う(0037段落参照)。
【0024】
また、7は合成線量分布の均一度が最適な値に達したとき、各単位線量分布の重み係数を出力する重み係数出力手段(パラメータ出力手段)である。
【0025】
次に動作について説明する。
図2は重み係数を合成分布作成用パラメータとするこの発明の実施の形態1による合成分布作成用パラメータ探索方法を示すフローチャートである。
【0026】
先ず、単位線量分布作成手段1により、214MeVの最大ビームエネルギーを有する陽子線を人体に照射する場合に形成される深度線量分布を、記憶手段(図示せず)に記憶されているプログラムを用いて作成する。図3は、214MeVの最大ビームエネルギーを有する陽子線を人体に照射する場合に形成される深度線量分布を、横軸に深さzをとり、縦軸に吸収線量の相対値をとって示している。そして、単位線量分布作成手段1により、図3に示す最大線量分布を深さの浅い方向に5mmピッチでずらして、図3に示す最大線量分布を含めた28個の深度線量分布を作成し、これら28個の深度線量分布を単位線量分布とする(ステップST1)。図3に示す深度線量分布において、深さ285mm付近に見られるピークをブラッグピーク(Bragg−Peak)という。実際に、陽子線を人体に照射する場合には、陽子線を人体と同一成分からなる板に透過させることにより、板の厚さに応じた距離だけ深度線量分布をスキャンさせることができる。ここでは、深さの浅い位置にブラッグピークを有する深度線量分布から順に、第1順位の単位線量分布、第2順位の単位線量分布、・・・、第28順位の単位線量分布とする。
【0027】
その後、評価条件設定手段2により、28個の単位線量分布と各単位線量分布の重み係数とから(1)式を用いて作成される合成線量分布の評価条件を、(2)式を用いて計算される深さ150mmから287mmの領域における合成線量分布の均一度に設定する(ステップST2)。
【0028】
その後、初期値設定手段3により、28個の単位線量分布のそれぞれの重み係数の初期値をすべて30に設定する。そして、均一度評価手段4により、28個の単位線量分布と各単位線量分布の重み係数の初期値とから(1)式を用いて合成線量分布を作成し、その合成線量分布の均一度を(2)式を用いて深さ150mmから287mmの領域において計算する(ステップST3)。
【0029】
その後、以下の工程をi=1から順に行う。
重み係数増減手段5により、第i順位の単位線量分布の重み係数(W i )の値を1だけ増やす。そして、均一度評価手段4により、(1)式を用いて合成線量分布を作成し、その合成線量分布の均一度を(2)式を用いて深さ150mmから287mmの領域において計算する(ステップST4)。
【0030】
その後、均一度評価手段4により、ステップST4で計算した合成線量分布の均一度が向上したか否かを評価する(ステップST5)。
【0031】
ステップST5において均一度が向上した場合、第i順位の単位線量分布の重み係数(W i )の値をそのまま保持し、次順位の単位線量分布の重み係数(W i + 1 )の値を1だけ増やす段階に移行する(ステップST6)。ただし、i=nの場合には、第1順位の単位線量分布の重み係数の値を1だけ増やす段階に移行する。
【0032】
ステップST5において均一度が向上しなかった場合、値を1だけ減らしたときに均一度が向上する第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数(W j (j≠i))を探索する(ステップST7)。具体的には、以下の第1から第3の操作を、順位の最も低い単位線量分布の重み係数から始めて値を1だけ減らすことにより均一度が向上する重み係数が見つかるまで行う、あるいは見つからない場合には順位の最も高い単位線量分布の重み係数についてまで行う。図4はステップST7の詳細を示すフローチャートである。
第1に、重み係数探索手段6により、第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数(W j (j≠i))の値を1だけ減らす。そして、均一度評価手段4により、(1)式を用いて合成線量分布を作成し、その合成線量分布の均一度を(2)式を用いて深さ150mmから287mmの領域において計算する(ステップST7−1)。第2に、均一度評価手段4により、ステップST7−1で計算した均一度が向上したか否かを評価する(ステップST7−2)。第3に、重み係数増減手段5により、均一度が向上したときには重み係数(W j (j≠i))の値をそのまま保持し、均一度が向上しなかったときには重み係数(W j (j≠i))の値をもとにもどす(ステップST7−3)。
例えば、第2順位の単位線量分布の重み係数の値を1だけ増やしても合成線量分布の均一度が向上しなかった場合、先ず、第1順位の単位線量分布の重み係数の値を1だけ減らし、合成線量分布の均一度が向上したか否かを評価する。そして、第1順位の単位線量分布の重み係数の値を1だけ減らしても、合成線量分布の均一度が向上しなかった場合、第1順位の単位線量分布の重み係数の値をもとにもどし、第3順位の単位線量分布の重み係数の値を1だけ減らす。そして、第3順位の単位線量分布の重み係数の値を1だけ減らしても合成線量分布の均一度が向上しなかった場合、第3順位の単位線量分布の重み係数の値をもとにもどし、第4順位の単位線量分布の重み係数の値を1だけ減らす。以下、同様に、値を1だけ減らすことにより均一度が向上する重み係数が見つかるまであるいは見つからない場合には第28順位の単位線量分布の重み係数についてまで行う。
【0033】
ステップST7において値を1だけ減らすことにより均一度が向上する重み係数が見つかった場合、その重み係数(W j (j≠i))の値及び第i順位の単位線量分布の重み係数(W i )の値をそのまま保持し、次順位の単位線量分布の重み係数(W i + 1 )の値を1だけ増やす段階に移行する(ステップST6)。ただし、i=nの場合には、第1順位の単位線量分布の重み係数の値を1だけ増やす段階に移行する。
【0034】
ステップST7において値を1だけ減らすことにより均一度が向上する重み係数が見つからなった場合、重み係数増減手段5により、第i順位の単位線量分布の重み係数(W i )の値をもとにもどし、さらに第i順位の単位線量分布の重み係数(W i )の値を1だけ減らす。そして、均一度評価手段4により、(1)式を用いて合成線量分布を作成し、その合成線量分布の均一度を(2)式を用いて深さ150mmから287mmの領域において計算する(ステップST8)。
【0035】
その後、均一度評価手段4により、ステップST8で計算した合成線量分布の均一度が向上したか否かを評価する(ステップST9)。
【0036】
ステップST9において均一度が向上した場合、第i順位の単位線量分布の重み係数(W i )の値をそのまま保持し、次順位の単位線量分布の重み係数(W i + 1 )の値を1だけ増やす段階に移行する(ステップST6)。ただし、i=nの場合には、第1順位の単位線量分布の重み係数の値を1だけ増やす段階に移行する。
【0037】
ステップST9において均一度が向上しなかった場合、値を1だけ増やしたときに均一度が向上する第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数(W j (j≠i))を探索する(ステップST10)。具体的には、以下の第1から第3の操作を、順位の最も低い単位線量分布の重み係数から始めて値を1だけ増やすことにより均一度が向上する重み係数が見つかるまで行う、あるいは見つからない場合には順位の最も高い単位線量分布の重み係数についてまで行う。図5はステップST10の詳細を示すフローチャートである。
第1に、重み係数探索手段6により、第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数(W j (j≠i))の値を1だけ増やす。そして、均一度評価手段4により、(1)式を用いて合成線量分布を作成し、その合成線量分布の均一度を(2)式を用いて深さ150mmから287mmの領域において計算する(ステップST10−1)。第2に、均一度評価手段4により、ステップST10−1で計算した均一度が向上したか否かを評価する(ステップST10−2)。第3に、重み係数増減手段5により、均一度が向上したときには重み係数(W j (j≠i))の値をそのまま保持し、均一度が向上しなかったときには重み係数(W j (j≠i))の値をもとにもどす(ステップST10−3)。
【0038】
ステップST10において値を1だけ増やすことにより均一度が向上する重み係数が見つかった場合、その重み係数(W j (j≠i))の値及び第i順位の単位線量分布の重み係数(W i )の値をそのまま保持し、次順位の単位線量分布の重み係数(W i + 1 )の値を1だけ増やす段階に移行する(ステップST6)。ただし、i=nの場合には、第1順位の単位線量分布の重み係数の値を1だけ増やす段階に移行する。
【0039】
ステップST10において値を1だけ増やすことにより均一度が向上する重み係数が見つからなった場合、重み係数増減手段5により、第i順位の単位線量分布の重み係数(W i )の値をもとにもどす(ステップST11)。
【0040】
ステップST11において第i順位の単位線量分布の重み係数(W i )の値をもとにもどした後、次順位の単位線量分布の重み係数(W i + 1 )の値を1だけ増やす段階に移行する(ステップST6)。ただし、i=nの場合には、第1順位の単位線量分布の重み係数の値を1だけ増やす段階に移行する。
【0041】
ステップST4からステップST11をi=1からi=nまで行うことを繰り返し、合成線量分布の均一度が最適な値に達したとき、重み係数出力手段7により、各単位線量分布の重み係数を出力する。
【0042】
図6はこの発明の実施の形態1による合成分布作成用パラメータ探索方法で求めた重み係数の値の分布図である。図6は横軸に単位線量分布の順位iをとり、縦軸に重み係数の値をとって示している。
【0043】
図7はこの発明の実施の形態1による合成分布作成用パラメータ探索方法で求めた重み係数と単位線量分布とから作成される合成線量分布を示す特性図である。図7は横軸に体表面からの深さzをとり、縦軸に吸収線量の相対値をとって示している。図7に示す合成線量分布において、深さ150mmから287mmの領域における平坦部分を拡大ブラッグピーク(SOBP)という。図7には、重み係数をかけた後の各単位線量分布も示している。図7に示す合成線量分布の深さ150mmから287mmの領域における均一度は±1.03%である。
【0044】
図8は、この発明の実施の形態1による合成分布作成用パラメータ探索方法で求めた重み係数に応じた強度の陽子線を人体に照射し、癌を治療する場合の説明図である。図8(A)は体内に存在する腫瘍に陽子線を照射する様子を示し、図8(B)は、この発明の実施の形態1による合成分布作成用パラメータ探索方法で求めた重み係数に応じた強度の陽子線を人体に照射したときの陽子線の吸収線量を、横軸に体表面からの深さzをとり、縦軸に吸収線量の相対値をとって示している。図8から理解できるように、この発明の実施の形態1による合成分布作成用パラメータ探索方法で求めた重み係数に応じた強度の陽子線を人体に照射したとき、陽子線の吸収線量が深さ150mmから287mmの領域で均一となるため、深さ150mmから287mmの領域に存在する腫瘍を均一に治療できる。
【0045】
以上のように、この実施の形態1によれば、重み係数間の相関をとりながら各単位線量分布の重み係数を探索しているため、各単位線量分布の重み係数をより適切に探索することができる効果が得られる。
【0046】
実施の形態2.
図9は重み係数を合成分布作成用パラメータとするこの発明の実施の形態2による合成分布作成用パラメータ探索装置を示すブロック図である。図9において、2aはn個の単位線量分布と各単位線量分布の重み係数とから下記の(3)式を用いて作成される合成線量分布の評価条件を、下記の(4)式を用いて計算される所定の深さ領域における合成線量分布と目標線量分布との差の自乗和に設定する評価条件設定手段、4aはn個の単位線量分布と各単位線量分布の重み係数とから下記の(3)式を用いて合成線量分布を作成し、その合成線量分布と目標線量分布との差の自乗和を下記の(4)式を用いて所定の深さ領域において計算し、自乗和が減少したか否かを評価する自乗和評価手段(評価手段)である。
【0047】
【数3】
(3)式において、D(z)は合成線量分布、di(z)は単位線量分布、wiは重み係数、zは体表面からの深さ、nは単位線量分布の数である。
【0048】
【数4】
(4)式において、χ2は合成分布と目標分布との差の自乗和、D(z)は合成分布、Dobj(z)は目標分布、zは体表面からの深さである。
【0049】
また、5aは第i(i=1,2,・・・,n)順位の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増減させる重み係数増減手段(パラメータ増減手段)である。すなわち、重み係数増減手段5aは、第i順位の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増やすことにより自乗和が減少した場合に第i順位の単位線量分布の重み係数の値をそのまま保持し、次順位(ただし、i=nのときは第1順位)の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増やし(0061段落参照)、後述する重み係数探索手段において第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数のうち値を所定の値だけ減らすことにより自乗和が減少する重み係数が見つかった場合に第i順位の単位線量分布の重み係数の値をそのまま保持し、次順位(ただし、i=nのときは第1順位)の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増やし(0063段落参照)、後述する重み係数探索手段において第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数のうち値を所定の値だけ減らすことにより自乗和が減少する重み係数が見つからなかった場合に第i順位の単位線量分布の重み係数の値をもとにもどし、さらに所定の値だけ減らし(0064段落参照)、第i順位の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ減らすことにより自乗和が減少した場合に第i順位の単位線量分布の重み係数の値をそのまま保持し、次順位(ただし、i=nのときは第1順位)の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増やし(0066段落参照)、後述する重み係数探索手段において第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数のうち値を所定の値だけ増やすことにより自乗和が減少する重み係数が見つかった場合に第i順位の単位線量分布の重み係数の値をそのまま保持し、次順位(ただし、i=nのときは第1順位)の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増やし(0068段落参照)、後述する重み係数探索手段において第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数のうち値を所定の値だけ増やすことにより自乗和が減少する重み係数が見つからなかった場合に第i順位の単位線量分布の重み係数の値をもとにもどし、次順位(ただし、i=nのときは第1順位)の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増やす(0069段落及び、0070段落参照)。
【0050】
また、6aは重み係数増減手段5aにおいて第i順位の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増減させることにより自乗和が減少しなかった場合に、第i順位の単位線量分布の重み係数の値の増減方向と逆方向に所定の値だけ増減したときに自乗和が減少する第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数を探索する重み係数探索手段(パラメータ探索手段)である。すなわち、重み係数探索手段6aは、重み係数増減手段5aにおいて第i順位の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増やすことにより自乗和が減少しなかった場合に、第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ減らし、自乗和が減少したときには重み係数の値をそのまま保持し、自乗和が減少しなかったときには重み係数の値をもとに戻す操作を、順位の最も低い単位線量分布の重み係数から始めて値を所定の値だけ減らすことにより自乗和が減少する重み係数が見つかるまで行う。見つからない場合には順位の最も高い単位線量分布の重み係数についてまで行う(0062段落参照)。また、重み係数増減手段5aにおいて第i順位の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ減らすことにより自乗和が減少しなかった場合に、第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数の値を所定の値だけ増やし、自乗和が減少したときには重み係数の値をそのまま保持し、自乗和が減少しなかったときには重み係数の値をもとに戻す操作を、順位の最も低い単位線量分布の重み係数から始めて値を所定の値だけ増やすことにより自乗和が減少する重み係数が見つかるまで行う。見つからない場合には順位の最も高い単位線量分布の重み係数についてまで行う(0067段落参照)。
【0051】
また、7aは合成線量分布と目標線量分布との差の自乗和が最適な値に達したとき、各単位線量分布の重み係数を出力する重み係数出力手段(パラメータ出力手段)である。
【0052】
また、8は目標線量分布を記憶手段(図示せず)に記憶されているプログラムを用いて作成する目標線量分布作成手段である。
【0053】
その他の構成要素は、図1で同一符号を付して示すものと同一あるいは同等であるため、その詳細な説明は省略する。
【0054】
次に動作について説明する。
図10は重み係数を合成分布作成用パラメータとするこの発明の実施の形態2による合成分布作成用パラメータ探索方法を示すフローチャートである。
【0055】
先ず、実施の形態1の場合と同様に、28個の単位線量分布を作成する(ステップST21)。
【0056】
その後、目標線量分布作成手段8により、目標線量分布を、記憶手段(図示せず)に記憶されているプログラムを用いて作成する(ステップST22)。図11は、目標線量分布を、横軸に深さzをとり、縦軸に吸収線量の相対値をとって示している。
【0057】
その後、評価条件設定手段2aにより、28個の単位線量分布と各単位線量分布の重み係数とから(3)式を用いて作成される合成線量分布の評価条件を、(4)式を用いて計算される深さ150mmから287mmの領域における合成線量分布と目標線量分布との差の自乗和に設定する(ステップST23)。
【0058】
その後、実施の形態1の場合と同様に、28個の単位線量分布のそれぞれの重み係数の初期値をすべて30に設定する。そして、自乗和評価手段4aにより、28個の単位線量分布と各単位線量分布の重み係数の初期値とから(3)式を用いて合成線量分布を作成し、その合成線量分布と目標分布との差の自乗和を(4)式を用いて深さ150mmから287mmの領域において計算する(ステップST24)。
【0059】
その後、以下の工程をi=1から順に行う。
重み係数増減手段5aにより、第i順位の単位線量分布の重み係数(W i )の値を1だけ増やす。そして、自乗和評価手段4aにより、(3)式を用いて合成線量分布を作成し、その合成線量分布と目標線量分布との差の自乗和を(4)式を用いて深さ150mmから287mmの領域において計算する(ステップST25)。
【0060】
その後、自乗和評価手段4aにより、ステップST25で計算した合成線量分布と目標線量分布との差の自乗和が減少したか否かを評価する(ステップST26)。
【0061】
ステップST26において自乗和が減少した場合、第i順位の単位線量分布の重み係数(W i )の値をそのまま保持し、次順位の単位線量分布の重み係数(W i + 1 )の値を1だけ増やす段階に移行する(ステップST27)。ただし、i=nの場合には、第1順位の単位線量分布の重み係数の値を1だけ増やす段階に移行する。
【0062】
ステップST26において自乗和が減少しなかった場合、値を1だけ減らしたときに自乗和が減少する第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数(W j (j≠i))を探索する(ステップST28)。具体的には、以下の第1から第3の操作を、順位の最も低い単位線量分布の重み係数から始めて値を1だけ減らすことにより自乗和が減少する重み係数が見つかるまで行う、あるいは見つからない場合には順位の最も高い単位線量分布の重み係数についてまで行う。図12はステップST28の詳細を示すフローチャートである。
第1に、重み係数探索手段6aにより、第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数(W j (j≠i))の値を1だけ減らす。そして、自乗和評価手段4aにより、(3)式を用いて合成線量分布を作成し、その合成線量分布と目標線量分布との差の自乗和を(4)式を用いて深さ150mmから287mmの領域において計算する(ステップST28−1)。第2に、自乗和評価手段4aにより、ステップST28−1で計算した自乗和が減少したか否かを評価する(ステップST28−2)。第3に、重み係数増減手段5aにより、自乗和が減少したときには重み係数(W j (j≠i))の値をそのまま保持し、自乗和が減少しなかったときには重み係数(W j (j≠i))の値をもとにもどす(ステップST28−3)。
【0063】
ステップST28において値を1だけ減らすことにより自乗和が減少する重み係数が見つかった場合、その重み係数(W j (j≠i))の値及び第i順位の単位線量分布の重み係数(W i )の値をそのまま保持し、次順位の単位線量分布の重み係数(W i + 1 )の値を1だけ増やす段階に移行する(ステップST27)。ただし、i=nの場合には、第1順位の単位線量分布の重み係数の値を1だけ増やす段階に移行する。
【0064】
ステップST28において値を1だけ減らすことにより自乗和が減少する重み係数が見つからなった場合、重み係数増減手段5aにより、第i順位の単位線量分布の重み係数(W i )の値をもとにもどし、さらに第i順位の単位線量分布の重み係数(W i )の値を1だけ減らす。そして、自乗和評価手段4aにより、(3)式を用いて合成線量分布を作成し、その合成線量分布と目標線量分布との差の自乗和を(4)式を用いて深さ150mmから287mmの領域において計算する(ステップST29)。
【0065】
その後、自乗和評価手段4aにより、ステップST29で計算した合成線量分布と目標線量分布との差の自乗和が減少したか否かを評価する(ステップST30)。
【0066】
ステップST30において自乗和が減少した場合、第i順位の単位線量分布の重み係数(W i )の値をそのまま保持し、次順位の単位線量分布の重み係数(W i + 1 )の値を1だけ増やす段階に移行する(ステップST27)。ただし、i=nの場合には、第1順位の単位線量分布の重み係数の値を1だけ増やす段階に移行する。
【0067】
ステップST30において自乗和が減少しなかった場合、値を1だけ増やしたときに自乗和が減少する第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数(W j (j≠i))を探索する(ステップST31)。具体的には、以下の第1から第3の操作を、順位の最も低い単位線量分布の重み係数から始めて値を1だけ増やすことにより自乗和が減少する重み係数が見つかるまで行う、あるいは見つからない場合には順位の最も高い単位線量分布の重み係数についてまで行う。図13はステップST31の詳細を示すフローチャートである。
第1に、重み係数探索手段6aにより、第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数(W j (j≠i))の値を1だけ増やす。そして、自乗和評価手段4aにより、(3)式を用いて合成線量分布を作成し、その合成線量分布と目標線量分布との差の自乗和を(4)式を用いて深さ150mmから287mmの領域において計算する(ステップST31−1)。第2に、自乗和評価手段4aにより、ステップST31−1で計算した自乗和が減少したか否かを評価する(ステップST31−2)。第3に、重み係数増減手段5aにより、自乗和が減少したときには重み係数(W j (j≠i))の値をそのまま保持し、自乗和が減少しなかったときには重み係数(W j (j≠i))の値をもとにもどす(ステップST31−3)。
【0068】
ステップST31において値を1だけ増やすことにより自乗和が減少する重み係数が見つかった場合、その重み係数(W j (j≠i))の値及び第i順位の単位線量分布の重み係数(W i )の値をそのまま保持し、次順位の単位線量分布の重み係数(W i + 1 )の値を1だけ増やす段階に移行する(ステップST27)。ただし、i=nの場合には、第1順位の単位線量分布の重み係数の値を1だけ増やす段階に移行する。
【0069】
ステップST31において値を1だけ増やすことにより自乗和が減少する重み係数が見つからなった場合、重み係数増減手段5aにより、第i順位の単位線量分布の重み係数(W i )の値をもとにもどす(ステップST32)。
【0070】
ステップST32において第i順位の単位線量分布の重み係数(W i )の値をもとにもどした後、次順位の単位線量分布の重み係数(W i + 1 )の値を1だけ増やす段階に移行する(ステップST27)。ただし、i=nの場合には、第1順位の単位線量分布の重み係数の値を1だけ増やす段階に移行する。
【0071】
ステップST25からステップST32をi=1からi=nまで行うことを繰り返し、合成線量分布と目標線量分布との差の自乗和が最適な値に達したとき、重み係数出力手段7aにより、各単位線量分布の重み係数を出力する。
【0072】
図14は、この発明の実施の形態2による合成分布作成用パラメータ探索方法で求めた重み係数の値の分布図である。図14は横軸に単位線量分布の順位iをとり、縦軸に重み係数の値をとって示している。
【0073】
図15は、この発明の実施の形態2による合成分布作成用パラメータ探索方法で求めた重み係数と単位線量分布とから作成される合成線量分布を示す特性図である。図15は横軸に体表面からの深さzをとり、縦軸に吸収線量の相対値をとって示している。
【0074】
以上のように、この実施の形態2によれば、重み係数間の相関をとりながら各単位線量分布の重み係数を探索しているため、各単位線量分布の重み係数をより適切に探索することができる効果が得られる。
【0075】
なお、上述した各実施の形態では、第i順位の単位線量分布の重みの値を増減させるときの値及び第i順位の単位線量分布以外の単位線量分布の重み係数の値を増減させるときの値(以下、増減ステップ値という)を1としていたが、増減ステップ値を段階的に小さくすることにより重み係数をより効率良く探索できる場合がある。例えば、実施の形態1の場合において、増減ステップ値を最初に30とし、ステップST4からステップST11をi=1からi=nまで行うことを繰り返し、合成線量分布の均一度が最適な値に達したとき、増減ステップ値を29とし、再度、ステップST4からステップST11をi=1からi=nまで行うことを繰り返す。この操作を、増減ステップ値が1になるまで行うことにより重み係数をより効率良く探索できる場合がある。同様に、実施の形態2の場合も同様な方法により、重み係数をより効率良く探索ができる場合がある。
【0076】
また、上述した各実施の形態では、重み係数の上限値及び下限値を設けていないが、上述した各実施の形態で求めた重み係数が、その値に応じた強度の陽子線を人体に照射して癌を治療するなどに利用されるため、人体に照射する陽子線の強度が陽子線を照射する装置で照射可能な範囲となるように、重み係数の上限値及び下限値を設定するのが良い。この場合、重み係数がマイナスになると、マイナスの強度の陽子線を人体に照射しなければならず、そのようなことは不可能であるため、重み係数の下限値をゼロ以上とするのが良い。
【0077】
また、上述した各実施の形態では、陽子線を人体に照射するときに形成される深度線量分布を単位分布としたが、磁場分布、電場分布、音の強度分布を単位分布とする場合であっても本発明を同様に適用できる。
【0078】
また、上述した各実施の形態では、1次元の領域における均一度や自乗和を評価条件としたが、2次元や3次元の領域における均一度や自乗和を評価条件とする場合であっても同様に適用できる。また、評価条件は、均一度や自乗和に限らない。
【0079】
また、上述した各実施の形態では、重み係数を合成分布作成用パラメータとしたが、単位分布の位置座標を合成分布作成用パラメータとする場合であっても本発明を同様に適用できる。単位線量分布の位置座標を合成分布作成用パラメータとする場合には、単位線量分布の位置を所定の長さで移動させて、最適な位置座標を探索する。
【0080】
また、上述した各実施の形態において、単位分布作成段階、自乗和設定段階、重み係数初期値設定段階及び目標線量分布作成段階の順序が入れ替わってもよい。
【0081】
また、上述した各実施の形態で説明した合成分布作成用パラメータ探索装置は、合成分布作成用パラメータ探索装置として機能させるためのプログラムを記録した記録媒体を、コンピュータに読み取らせることにより実現することもできる。同様に、上述した各実施の形態で説明した合成分布作成用パラメータ探索方法は、合成分布作成用パラメータ探索方法を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体を、コンピュータに読み取らせることにより実現することもできる。
【0082】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、線量分布、磁場分布、電場分布、音の強度分布のいずれかの分布であって、それぞれ相互の相関があるn個の単位分布を作成する第1段階と、n個の単位分布と各単位分布の重み係数と所定合成分布を作り出す構成分布の位置座標の少なくとも一つを含む合成分布作成用パラメータとから作成される合成分布の評価条件を設定する第2段階と、n個の単位分布と各単位分布の合成分布作成用パラメータの初期値とから合成分布を作成し、その合成分布の評価値を上記評価条件で計算する第3段階と、第i(i=1,2,・・・,n)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値を所定の値だけ増減して合成分布を作成し、その合成分布の評価値を上記評価条件で計算し、評価値が向上したか否かを評価する第4段階と、第4段階において評価値が向上しなかった場合、第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値の増減方向と逆方向に値を所定の値だけ増減したときに評価値が向上する第j(j=1,2,・・・,n、j≠i)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータを探索する第5段階とを有し、第4段階と第5段階とをi=1からi=nまで行うことを繰り返し、合成分布の評価値が所定の値に達したとき、各単位分布の合成分布作成用パラメータを出力するように合成分布作成用パラメータ探索方法を構成したので、各単位分布の合成分布作成用パラメータをより適切に探索することができる効果がある。
【0083】
この発明によれば、n個の単位分布の合成分布作成用パラメータの上限値を所定の値に設定する段階を備えるように合成分布作成用パラメータ探索方法を構成したので、例えば、合成分布作成用パラメータに応じた強度の陽子線を人体に照射する場合、人体に照射する陽子線の強度を陽子線を照射する装置で照射可能な範囲とすることができる効果がある。
【0084】
この発明によれば、n個の単位分布の合成分布作成用パラメータの下限値を所定の値に設定する段階を備えるように合成分布作成用パラメータ探索方法を構成したので、例えば、合成分布作成用パラメータに応じた強度の陽子線を人体に照射する場合、人体に照射する陽子線の強度を陽子線を照射する装置で照射可能な範囲とすることができる効果がある。
【0085】
この発明によれば、合成分布の評価条件を所定の領域における合成分布の均一度とするように合成分布作成用パラメータ探索方法を構成したので、合成分布の評価を容易かつ正確に行うことができる効果がある。
【0086】
この発明によれば、合成分布の評価条件を所定の領域における合成分布と目標分布との差の自乗和とするように合成分布作成用パラメータ探索方法を構成したので、合成分布の評価を容易かつ正確に行うことができる効果がある。
【0088】
この発明によれば、第i(i=1,2,・・・,n)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値を所定の値だけ増減させるパラメータ増減手段と、パラメータ増減手段において第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値を所定の値だけ増減させることにより評価値が向上しなかった場合に、第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値の増減方向と逆方向に値を所定の値だけ増減したときに評価値が向上する第j(j=1,2,・・・,n、j≠i)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータを探索するパラメータ探索手段とを備えるように合成分布作成用パラメータ探索装置を構成したので、各単位分布の合成分布作成用パラメータをより適切に探索することができる合成分布作成用パラメータ探索装置を得ることができる効果がある。
【0089】
この発明によれば、線量分布、磁場分布、電場分布、音の強度分布のいずれかの分布であって、それぞれ相互の相関があるn個の単位分布を作成する第1段階、n個の単位分布と各単位分布の重み係数と所定合成分布を作り出す構成分布の位置座標の少なくとも一つを含む合成分布作成用パラメータとから作成される合成分布の評価条件を設定する第2段階、n個の単位分布と各単位分布の合成分布作成用パラメータの初期値とから合成分布を作成し、その合成分布の評価値を上記評価条件で計算する第3段階、第i(i=1,2,・・・,n)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値を所定の値だけ増減して合成分布を作成し、その合成分布の評価値を上記評価条件で計算し、評価値が向上したか否かを評価する第4段階、第4段階において評価値が向上しなかった場合、第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値の増減方向と逆方向に値を所定の値だけ増減したときに評価値が向上する第j(j=1,2,・・・,n、j≠i)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータを探索する第5段階をコンピュータに実行させ、さらに、第4段階と第5段階とをi=1からi=nまで行うことを繰り返し、合成分布の評価値が所定の値に達したとき、各単位分布の合成分布作成用パラメータを出力するようにコンピュータを実行させるためのプログラムを記録するように記録媒体を構成したので、コンピュータに読み取らせることにより、コンピュータに各単位分布の合成分布作成用パラメータをより適切に探索することができる合成分布作成用パラメータ探索方法を実行させることができる効果がある。
【0090】
この発明によれば、第i(i=1,2,・・・,n)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値を所定の値だけ増減させるパラメータ増減手段、パラメータ増減手段において第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値を所定の値だけ増減させることにより評価値が向上しなかった場合に、第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値の増減方向と逆方向に値を所定の値だけ増減したときに評価値が向上する第j(j=1,2,・・・,n、j≠i)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータを探索するパラメータ探索手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録するように記録媒体を構成したので、コンピュータに読み取らせることにより、コンピュータを各単位分布の合成分布作成用パラメータをより適切に探索することができる合成分布作成用パラメータ探索装置として機能させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による合成分布作成用パラメータ探索装置を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による合成分布作成用パラメータ探索方法を示すフローチャートである。
【図3】 陽子線を人体に照射する場合に形成される深度線量分布を示す特性図である。
【図4】 図2のステップST7の詳細を示すフローチャートである。
【図5】 図2のステップST10の詳細を示すフローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態1による合成分布作成用パラメータ探索方法で求めた重み係数の値の分布図である。
【図7】 この発明の実施の形態1による合成分布作成用パラメータ探索方法で求めた重み係数と単位線量分布とから作成される合成線量分布を示す特性図である。
【図8】 この発明の実施の形態1による合成分布作成用パラメータ探索方法で求めた重み係数に応じた強度の陽子線を人体に照射し、癌を治療する場合の説明図である。
【図9】 この発明の実施の形態2による合成分布作成用パラメータ探索装置を示すブロック図である。
【図10】 この発明の実施の形態2による合成分布作成用パラメータ探索方法を示すフローチャートである。
【図11】 目標線量分布を示す特性図である。
【図12】 図10のステップST28の詳細を示すフローチャートである。
【図13】 図10のステップST31の詳細を示すフローチャートである。
【図14】 この発明の実施の形態2による合成分布作成用パラメータ探索方法で求めた重み係数の値の分布図である。
【図15】 この発明の実施の形態2による合成分布作成用パラメータ探索方法で求めた重み係数と単位線量分布とから作成される合成線量分布を示す特性図である。
【図16】 従来の合成分布作成用パラメータ探索方法を説明するためのグラフ図である。
【符号の説明】
1 単位線量分布作成手段(単位分布作成手段)、2,2a 評価条件設定手段、3 初期値設定手段、4 均一度評価手段(評価手段)、4a 自乗和評価手段(評価手段)、5,5a 重み係数増減手段(パラメータ増減手段)、6,6a 重み係数探索手段(パラメータ探索手段)、7,7a 重み係数出力手段(パラメータ出力手段)。
Claims (10)
- 線量分布、磁場分布、電場分布、音の強度分布のいずれかの分布であって、それぞれ相互の相関があるn個の単位分布を作成する第1段階と、
n個の単位分布と各単位分布の重み係数と所定合成分布を作り出す構成分布の位置座標の少なくとも一つを含む合成分布作成用パラメータとから作成される合成分布の評価条件を設定する第2段階と、
n個の単位分布と各単位分布の合成分布作成用パラメータの初期値とから合成分布を作成し、その合成分布の評価値を上記評価条件で計算する第3段階と、
第i(i=1,2,・・・,n)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値を所定の値だけ増減して合成分布を作成し、その合成分布の評価値を上記評価条件で計算し、評価値が向上したか否かを評価する第4段階と、
第4段階において評価値が向上しなかった場合、第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値の増減方向と逆方向に値を所定の値だけ増減したときに評価値が向上する第j(j=1,2,・・・,n、j≠i)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータを探索する第5段階とを有し、
第4段階と第5段階とをi=1からi=nまで行うことを繰り返し、合成分布の評価値が所定の値に達したとき、各単位分布の合成分布作成用パラメータを出力する
合成分布作成用パラメータ探索方法。 - 合成分布作成用パラメータは陽子線のビームエネルギーであることを特徴とする請求項1記載の合成分布作成用パラメータ探索方法。
- 第4段階において評価値が向上した場合、第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの増減後の値をそのまま保持し、次順位(i=nの場合には第1順位)の単位分布の合成分布作成用パラメータについて第4段階を行い、
第5段階において評価値が向上する第j順位の単位分布の合成分布作成用パラメータが見つかった場合、その合成分布作成用パラメータの値及び第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの増減後の値をそのまま保持し、次順位(i=nの場合には第1順位)の単位分布の合成分布作成用パラメータについて第4段階を行い、
第5段階において評価値が向上する第j順位の単位分布の合成分布作成用パラメータが見つからなかった場合、第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値の直前の増減を取りやめ、そのパラメータの値をもとにもどし、次順位(i=nの場合には第1順位)の単位分布の合成分布作成用パラメータについて第4段階を行うことを特徴とする請求項1記載の合成分布作成用パラメータ探索方法。 - n個の単位分布の合成分布作成用パラメータの上限値を所定の値に設定する段階を備えたことを特徴とする請求項1記載の合成分布作成用パラメータ探索方法。
- n個の単位分布の合成分布作成用パラメータの下限値を所定の値に設定する段階を備えたことを特徴とする請求項1記載の合成分布作成用パラメータ探索方法。
- 合成分布の評価条件を、所定の領域における合成分布の均一度とすることを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の合成分布作成用パラメータ探索方法。
- 合成分布の評価条件を、所定の領域における合成分布と目標分布との差の自乗和とすることを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の合成分布作成用パラメータ探索方法。
- 線量分布、磁場分布、電場分布、音の強度分布のいずれかの分布であって、それぞれ相互の相関があるn個の単位分布を作成する単位分布作成手段と、
n個の単位分布と各単位分布の重み係数と所定合成分布を作り出す構成分布の位置座標の少なくとも一つを含む合成分布作成用パラメータとから作成される合成分布の評価条件を設定する評価条件設定手段と、
n個の単位分布の合成分布作成用パラメータの初期値を所定の値に設定する初期値設定手段と、
n個の単位分布と各単位分布の合成分布作成用パラメータとから合成分布を作成し、その合成分布の評価値を上記評価条件で計算し、評価値が向上したか否かを評価する評価手段と、
第i(i=1,2,・・・,n)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値を所定の値だけ増減させるパラメータ増減手段と、
パラメータ増減手段において第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値を所定の値だけ増減させることにより評価値が向上しなかった場合に、第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値の増減方向と逆方向に値を所定の値だけ増減したときに評価値が向上する第j(j=1,2,・・・,n、j≠i)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータを探索するパラメータ探索手段と、
各単位分布の合成分布作成用パラメータを出力するパラメータ出力手段と
を備えた合成分布作成用パラメータ探索装置。 - 線量分布、磁場分布、電場分布、音の強度分布のいずれかの分布であって、それぞれ相互の相関があるn個の単位分布を作成する第1段階、
n個の単位分布と各単位分布の合成分布作成用パラメータとから作成される合成分布の評価条件を設定する第2段階、
n個の単位分布と各単位分布の重み係数と所定合成分布を作り出す構成分布の位置座標の少なくとも一つを含む合成分布作成用パラメータの初期値とから合成分布を作成し、その合成分布の評価値を上記評価条件で計算する第3段階、
第i(i=1,2,・・・,n)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値を所定の値だけ増減して合成分布を作成し、その合成分布の評価値を上記評価条件で計算し、評価値が向上したか否かを評価する第4段階、
第4段階において評価値が向上しなかった場合、第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値の増減方向と逆方向に値を所定の値だけ増減したときに評価値が向上する第j(j=1,2,・・・,n、j≠i)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータを探索する第5段階
をコンピュータに実行させ、
第4段階と第5段階とをi=1からi=nまで行うことを繰り返し、合成分布の評価値が所定の値に達したとき、各単位分布の合成分布作成用パラメータを出力するようにコンピュータを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 線量分布、磁場分布、電場分布、音の強度分布のいずれかの分布であって、それぞれ相互の相関があるn個の単位分布を作成する単位分布作成手段、
n個の単位分布と各単位分布の重み係数と所定合成分布を作り出す構成分布の位置座標の少なくとも一つを含む合成分布作成用パラメータとから作成される合成分布の評価条件を設定する評価条件設定手段、
n個の単位分布の合成分布作成用パラメータの初期値を所定の値に設定する初期値設定手段、
n個の単位分布と各単位分布の合成分布作成用パラメータとから合成分布を作成し、その合成分布の評価値を上記評価条件で計算し、評価値が向上したか否かを評価する評価手段、
第i(i=1,2,・・・,n)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値を所定の値だけ増減させるパラメータ増減手段、
パラメータ増減手段において第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値を所定の値だけ増減させることにより評価値が向上しなかった場合に、第i順位の単位分布の合成分布作成用パラメータの値の増減方向と逆方向に値を所定の値だけ増減したときに評価値が向上する第j(j=1,2,・・・,n、j≠i)順位の単位分布の合成分布作成用パラメータを探索するパラメータ探索手段、
各単位分布の合成分布作成用パラメータを出力するパラメータ出力手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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JP28020298A JP3739575B2 (ja) | 1998-10-01 | 1998-10-01 | 合成分布作成用パラメータ探索方法及びその方法を適用する装置、並びに記録媒体 |
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