JP3738811B2 - Carriage and recording apparatus having the carriage - Google Patents

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【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は，プリンタ，ファクシミリ，複写機等の記録装置に用いられるキャリッジに関し，特に，被記録材の記録面と平行に，かつ，被記録材の搬送方向と直交して配置されるべきガイド軸に案内されて往復動するとともに，前記被記録材の記録面に記録を行う記録ヘッドを備えたキャリッジに関する。
【０００２】
また，本発明は，該キャリッジを備えた記録装置に関する。
【０００３】
【従来の技術】
プリンタ，ファクシミリ，複写機等の記録装置においては，一般に，記録品質の向上を図るために，被記録材（用紙等）の記録面と，記録ヘッドにおける被記録材に対向している面（以下「ヘッド面」という。）との間の平行度は，精度良く調整されていることが好ましい。
【０００４】
また，同様に記録品質の向上を図るために，ヘッド面に設けられたドット形成素子（たとえばノズル）列（搬送方向に並んだドット形成素子列を指す。）と搬送方向との間の平行度は，精度良く調整されていることが好ましい。
【０００５】
記録面とヘッド面との間の平行度は，図３に示す角度のうち，２つの角度をできるだけ零にすることにより調整される。すなわち，キャリッジに設けられた記録ヘッド２のヘッド面と被記録材２２の記録面とがなす角度のうち，該キャリッジの往復動方向（主走査方向：Ｙ軸）における第１の角度（以下「β角」ともいう。）と，ヘッド面と記録面とがなす角度のうち，被記録材の搬送方向（副走査方向：Ｘ軸）における第２の角度（以下「γ角」ともいう。）とをできるだけ零にすることにより調整される。
【０００６】
また，ドット形成素子列と搬送方向との間の平行度は，図３において，ドット形成素子列と搬送方向とがなす第３の角度（図３では，ドット形成素子列に垂直な記録ヘッド前面と往復動方向とがなす角度として図示しており，以下「α角」ともいう。）をできるだけ零にすることにより調整される。
【０００７】
さらに，記録品質の向上を図るためには，記録面とヘッド面との間の間隔（以下「ペーパ・ギャップ」または単に「ＰＧ」という。）が適正に保たれるように，ペーパ・ギャップが微調整可能であることが好ましい。また，厚紙や薄紙等の種々の厚さを有する被記録材に適切に記録するためには，ペーパ・ギャップが被記録材の厚さに応じて調整可能であることが好ましい。なお，以下では、ペーパ・ギャップの微調整および被記録材の厚さに応じた調整の両者をあわせて「ペーパ・ギャップの調整」といい，前者の微調整のみをいうときは「ペーパ・ギャップの微調整」といい，後者の被記録材の厚さに応じた調整のみをいうときは「ペーパ・ギャップの切り換え」という。
【０００８】
Ａ３判，Ａ４判，Ｂ４判，Ｂ５判等の通常のサイズの被記録材に記録を行う記録装置は，記録装置に設けられたサイドフレームが，キャリッジを案内するガイド軸の両端を支持する構造となっている。そして，β角の調整は，特開平８−３００７６９号公報に示されているように，ガイド軸のサイドフレームにおける支持位置に調整部材を設け，この調整部材によってガイド軸の支持位置を変位させることにより行われている。
【０００９】
また，γ角の調整は，一般に，キャリッジの支持構造（たとえば，ガイド軸およびスライダー軸の取付位置の調整）により行われている。
【００１０】
一方，α角の調整は，特開平８−２５８３６９号公報に示されているように，キャリッジと記録ヘッドとの間に介在させた適正な厚さのスペーサ，または，キャリッジ側に取り付けられた偏心カムにより行われている。
【００１１】
さらに，ペーパ・ギャップの調整は，前記特開平８−３００７６９号公報に示されているように，サイドフレームにおけるガイド軸の支持位置を変位させることにより行われている。
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】
しかし，たとえばＡ２判以上のような横幅の大きな被記録材に記録を行う大型記録装置では，キャリッジを案内するガイド軸が長くなるとともに，キャリッジも大型化するので，キャリッジの重さとガイド軸自体の重さにより，ガイド軸の撓みが大きくなり，記録品質を悪化させる原因となる。したがって，この撓みを抑えるための構造として，一般に，ガイド軸の両端をサイドフレームにより支持する構造とはせずに，ガイド軸の途中部分をサイドフレームにより固定支持し，ガイド軸の両端はサイドフレームから突出した構造とすることが考えられる。
【００１３】
一方，このようにガイド軸の途中部分をサイドフレームにより固定支持する構造とした場合には，前述した通常の記録装置のように，ガイド軸の両端の支持位置に調整部材を設け，この調整部材により，β角の調整およびペーパ・ギャップの調整を行うことはできず，また，キャリッジの支持構造により，γ角の調整を行うことはできない。
【００１４】
また，サイドフレームにおけるガイド軸の途中部分の支持位置に調整部材を設けて調整することも考えられるが，ガイド軸の重さとキャリッジの重さにより，調整部材の強度および調整の精度が問題となる。
【００１５】
さらに，従来のα角の調整は，前述した通常の記録装置のように，ガイド軸の支持位置を調整することにより，β角およびペーパ・ギャップを調整することを前提としているので，これを前提としない記録装置においては，この従来のα角の調整を利用することは難しい。
【００１６】
本発明の課題は，ガイド軸の支持位置の調整によることなく，記録面とヘッド面との間の平行度を調整することができ，もって大型記録装置に用いても記録品質の悪化を防止できるキャリッジおよび該キャリッジを備えた記録装置を提供することにある。
【００１７】
また，本発明の課題は，このようなキャリッジおよび記録装置において，ドット形成素子列と搬送方向との間の平行度を調整することができるようにすることにある。
【００１８】
さらに，本発明の課題は，ガイド軸の支持位置の調整によることなく，ペーパ・ギャップが適正に保たれるようにペーパ・ギャップを調整することができるキャリッジ，該キャリッジのペーパ・ギャップ調整装置および該キャリッジを備えた記録装置を提供することにある。
【００１９】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために，本願請求項１に記載の発明に係るキャリッジは，被記録材の記録面と平行に，かつ，被記録材の搬送方向と直交して配置されるべきガイド軸に案内されて往復動するとともに，前記被記録材の記録面に記録を行う記録ヘッドを備えたキャリッジであって，該キャリッジに対して，前記記録ヘッドを前記記録面と直交する方向に変位可能に支持する支持手段を備え，前記支持手段は，前記被記録材の記録面と平行に配置されるとともに，該キャリッジおよび前記記録ヘッドを回動可能に通る支持軸を備え，前記支持軸は，円柱状の中央部と，該中央部に対して偏心した円柱状の端部とを有し，該中央部は前記記録ヘッドを支持し，該端部は該キャリッジに支持され，前記記録ヘッドは，前記支持軸の中央部が通る第２の穴と，前記支持軸の端部が通る第６の穴とを有し，前記第２の穴は，前記記録面と直交する方向には前記支持軸の中央部と同程度の径を有し，前記搬送方向には前記支持軸の中央部の径よりも長い径を有する長穴であり，前記第６の穴は，前記搬送方向には前記支持軸の端部と同程度の径を有し，前記記録面と直交する方向には前記支持軸の端部の径よりも長い径を有する長穴であることを特徴とする。
【００２０】
本発明によると，キャリッジは，被記録材の記録面と平行に，かつ，被記録材の搬送方向と直交して配置されるべきガイド軸に案内されて往復動し，該キャリッジに備えられた記録ヘッドにより，前記被記録材の記録面に記録を行う。そして，支持手段は，記録ヘッドを，該キャリッジに対して，記録面と直交する方向に変位させる。
【００２１】
これにより，ガイド軸の支持位置を調整することなく，キャリッジに対する記録ヘッドの位置を変位させることにより，ペーパ・ギャップを調整し，記録面とヘッド面との間を適正な距離とすることができる。したがって，ガイド軸の支持位置を調整することができる記録装置においてはもちろんのこと，ガイド軸の支持位置を調整することができない記録装置においても，ペーパ・ギャップを調整し，記録面とヘッド面との間を適正な距離とすることができる。
【００２２】
また，支持手段を，記録ヘッドをキャリッジに対して記録面と直交する方向に変位させる構成としたので，支持手段を，記録ヘッドの重さのみを支持できる程度の強度のものとすることができ，これにより，記録装置が大型化して，記録ヘッドが大型化しても対応可能となる。
なお，「記録面と直交する方向」には，記録面から遠ざかる方向と記録面に近づく方向との双方が含まれる。
【００２３】
本願請求項１に記載の発明に係るキャリッジは，更に，前記支持手段は，前記被記録材の記録面と平行に配置されるとともに，該キャリッジおよび前記記録ヘッドを回動可能に通る支持軸を備え，前記支持軸は，円柱状の中央部と，該中央部に対して偏心した円柱状の端部とを有し，該中央部は前記記録ヘッドを支持し，該端部は該キャリッジに支持されるものであることを特徴とする。
【００２４】
本発明によると，支持手段は支持軸を備え，該支持軸は，キャリッジおよび記録ヘッドを回動可能に通って，その円柱状の中央部で記録ヘッドを支持し，中央部に対して偏心した円柱状の端部はキャリッジに支持される。支持軸は，キャリッジに支持される端部が，記録ヘッドを支持する中央部に対して偏心した構造を有するので，支持軸を回動させることにより，記録ヘッドをキャリッジに対して変位させることができる。また，回動操作という簡単な操作で，ペーパ・ギャップの調整を行うことができる。
【００２５】
本願請求項１に記載の発明に係るキャリッジは，更に，前記記録ヘッドは，前記支持軸の中央部が通る第２の穴と，前記支持軸の端部が通る第６の穴とを有し，前記第２の穴は，前記記録面と直交する方向には前記支持軸の中央部と同程度の径を有し，前記搬送方向には前記支持軸の中央部の径よりも長い径を有する長穴であり，前記第６の穴は，前記搬送方向には前記支持軸の端部と同程度の径を有し，前記記録面と直交する方向には前記支持軸の端部の径よりも長い径を有する長穴であることを特徴とする。
【００２６】
本発明によると，このように第２の穴および第６の穴を構成したので，中央部に対して偏心した端部を有する支持軸の回動操作により，支持軸の中央部は，第２の穴において，搬送方向上下流側に移動するが，記録面と直交する方向には移動せず，一方，記録ヘッドは，第６の穴において，支持軸の端部に対して，記録面と直交する方向には移動するが，搬送方向上下流側には移動しない。
【００２７】
ここで，支持軸の端部はキャリッジに支持されているので，支持軸を回動させても，支持軸の端部が通る第６の穴の構造により，記録ヘッドは，キャリッジに対して，搬送方向上下流側には変位しない。一方，支持軸を回動させると，支持軸の中央部が通る第２の穴の構造により，記録ヘッドは，キャリッジに対して，記録面と直交する方向に変位する。
【００２８】
これにより，ペーパ・ギャップのみを調整することができ，ペーパ・ギャップの調整に伴い，記録ヘッドが搬送方向上下流側等の他の方向にも移動するという副作用を回避できる。
【００２９】
本願請求項２に記載の発明に係るキャリッジは，請求項１において，前記第２の穴には，第１の部材と第２の部材とからなる第２の軸受部材が装着され，前記第１の部材は，前記記録ヘッドに形成された第４の穴に嵌まり込むものであり，かつ，前記第２の部材が嵌まり込むとともに前記支持軸の中央部が通過可能な大きさの第５の穴を有するものであり，前記第２の部材は，前記第５の穴に嵌まり込むものであり，かつ，前記第６の穴を有するものであることを特徴とする。
【００３０】
本発明によると，第１の部材の第５の穴を，支持軸の中央部が通過可能な大きさとしたので，第１の部材を装着した後でも，支持軸を記録ヘッドに挿通させることができる。これにより，第１の部材を第４の穴に装着した後に，記録ヘッドをキャリッジに取り付け，その後，支持軸を挿通し，第２の部材を第５の穴に装着することができるので，キャリッジの組み立てが容易となる。
【００３１】
本願請求項３に記載の発明に係るキャリッジは，請求項２において，前記第２の部材は，その外周の一部が直線状となっている側面視略Ｄ型の形状を有し，前記第５の穴は，前記第２の部材が嵌まり込み，かつ，貫通する構造を有し，前記第２の穴の周辺には，前記第２の部材が前記第５の穴を貫通して前記記録ヘッドと当接して嵌まり込むように，側面視略Ｄ型の第７の穴が形成されていることを特徴とする。
【００３２】
本発明によると，第２の部材の形状を側面視略Ｄ型とし，また，第２の穴の周辺には，第２の部材が第５の穴を貫通して前記記録ヘッドと当接して嵌まり込むように，側面視略Ｄ型の第７の穴を形成したので，支持軸の回動操作に伴う第２の部材の回動を抑止することができる。これにより，第２の部材に形成された第６の穴を，常に，搬送方向には支持軸の端部と同程度の径を有し，記録面と直交する方向には支持軸の端部の径よりも長い径を有する長穴の状態に維持することができる。
【００３３】
本願請求項４に記載の発明に係るキャリッジは，請求項１から３のいずれか１項において，前記支持軸の中央部の円柱面の少なくとも一部は，円周方向に沿って複数の平面を有し，前記記録ヘッドは，前記複数の平面の少なくとも１つを付勢する第２の付勢手段を備えていることを特徴とする。
【００３４】
本発明によると，第２の付勢手段が，支持軸の中央部の円柱面にある平面の少なくとも１つを付勢するので，支持軸の回動が，この複数の面ごとに段階的に行われるとともに，第２の付勢手段が面を付勢している状態で支持軸の回動が停止する。したがって，ペーパ・ギャップを段階的に切り替えることができるとともに，段階的に切り替えた位置で記録ヘッドを停止させることができる。また，第２の付勢手段により，支持軸が付勢されているので，支持軸そのもののぐらつきも防止することができる。
【００３５】
本願請求項５に記載の発明に係る記録装置は，請求項１から４のいずれか１項に記載のキャリッジを備えていることを特徴とする。
【００３６】
これにより，この記録装置においても，前記請求項１から６に記載の発明と同様の作用効果を達成することができ，その結果，記録品質の向上を図ることができる。特に，大型記録装置において，記録品質の向上を図ることができる。
【００３７】
本願発明に関して，以下の関連発明がある。
第１の関連発明に係るキャリッジは，被記録材の記録面と平行に，かつ，被記録材の搬送方向と直交して配置されるべきガイド軸に案内されて往復動するとともに，前記被記録材の記録面に記録を行う記録ヘッドを備えたキャリッジであって，前記記録面に対向している前記記録ヘッドのヘッド面と前記記録面とがなす角度のうち，該キャリッジの往復動方向における第１の角度の方向に，前記記録ヘッドを該キャリッジに対して変位させる第１の角度調整手段を備えていることを特徴とする。
【００３８】
本発明によると，キャリッジは，被記録材の記録面と平行に，かつ，被記録材の搬送方向と直交して配置されるべきガイド軸に案内されて往復動し，該キャリッジに備えられた記録ヘッドにより，前記被記録材の記録面に記録を行う。そして，第１の角度調整手段は，記録ヘッドを，該キャリッジに対して，ヘッド面と記録面とがなす角度のうち，該キャリッジの往復動方向における第１の角度（β角）の方向に変位させる。
【００３９】
これにより，ガイド軸の支持位置を調整することなく，キャリッジに対する記録ヘッドの位置を調整することにより，第１の角度を調整し，記録面とヘッド面との間の平行度を調整することができる。したがって，ガイド軸の支持位置を調整することができる記録装置においてはもちろんのこと，ガイド軸の支持位置を調整することができない記録装置においても，第１の角度を調整し，記録面とヘッド面との間の平行度を調整することができる。
【００４０】
また，第１の角度調整手段を，記録ヘッドをキャリッジに対して変位させる構成としたので，第１の角度調整手段は，記録ヘッドの重さのみを支持できる強度を有すればよく，記録装置が大型化して，記録ヘッドが大型化しても，その重さによる調整精度の悪化もほとんど問題とならない。
なお，第１の角度（β角）の方向には，プラスの角度の方向とマイナスの角度の方向との双方が含まれる。
【００４１】
第２の関連発明に係るキャリッジは，第１の関連発明において，前記第１の角度調整手段は，前記ガイド軸とほぼ平行に配置され，かつ，該キャリッジおよび前記記録ヘッドを通って，該キャリッジに対して前記記録ヘッドを支持する支持軸と，前記支持軸が該キャリッジを通る箇所に形成された第１の穴の少なくとも１つには，前記支持軸の端部を支持するとともに，支持する位置が，前記記録面と直交する方向に調整可能となっている第１の軸受部材とを備えていることを特徴とする。
【００４２】
本発明によると，ガイド軸とほぼ平行に配置された支持軸は，キャリッジおよび記録ヘッドを通って，キャリッジに対して記録ヘッドを支持する。第１の軸受部材は，支持軸がキャリッジを通る箇所に形成された第１の穴に備えられ，支持軸の端部を支持する。第１の軸受部材が支持軸を支持する位置を，記録面と直交する方向に調整すると，この支持軸に支持されている記録ヘッドの位置も，キャリッジに対して，記録面と直交する方向に調整され，これにより，第１の角度が調整される。
【００４３】
このように，支持軸を支持する位置が記録面と直交する方向にのみ移動して，記録ヘッドのキャリッジに対する位置が記録面と直交する方向にのみ調整されるので，他の角度（α角およびγ角）を変化させることなく，第１の角度（β角）のみを調整することができ，第１の角度の調整に伴い他の角度も変化するという副作用を防止することができる。また，支持軸と軸受部材という少ない部品点数で容易に第１の角度の調整を行うことができる。
【００４４】
第３の関連発明に係るキャリッジは，第２の関連発明において，前記第１の穴の少なくとも１つは，前記記録面と直交する方向に伸びる直線状の当接辺を有するものであり，前記第１の軸受部材は，前記穴に回動可能に嵌まり込んで，前記支持軸の端部を支持し，かつ，この支持軸の端部を前記当接辺に押し付ける弾性部材からなるものであることを特徴とする。
【００４５】
本発明によると，第１の軸受部材は，弾性部材からなり，その弾性によって，第１の穴が有する直線状の当接辺に支持軸の端部を押し付けている。したがって，第１の軸受部材を回動させると，支持軸の端部は直線状の当接辺に沿って移動することとなる。これにより，第１の軸受部材を回動させるだけで，第１の角度を調整することができ，しかも支持軸の端部は，記録面と直交する方向にのみ移動するから，調整が容易になる。
【００４６】
第４の関連発明に係るキャリッジは，第３の関連発明において，前記第１の穴は，前記当接辺と対向する第２の辺と，これら当接辺および第２の辺と連なり相互に対向する一対の第３の辺とを有し，前記支持軸の端部は，前記当接辺と当接する第１の円弧面を有し，前記第１の軸受部材は，前記第２の辺と当接する第２の円弧面と，前記第３の辺とそれぞれ当接する一対の第３の円弧面とを有していることを特徴とする。
【００４７】
本発明によると，第１の軸受部材の回動により，支持軸は，その第１の円弧面が当接辺と当接して摺動し，第１の軸受部材は，その第２の円弧面が第２の辺と，第３の円弧面が第３の辺とそれぞれ当接して摺動するので，回動動作が円滑になされる。
【００４８】
第５の関連発明に係るキャリッジは，第４の関連発明において，前記第２の円弧面は，前記第１の円弧面の中心と同心の円弧面であり，前記一対の第３の円弧面は，その中心が共通で曲率半径が同一の円弧面であり，前記第１の円弧面の中心をＯ１，曲率半径をＲ１，前記第２の円弧面の曲率半径をＲ２，前記第３の円弧面の中心をＯ３，曲率半径をＲ３，前記第１の円弧面の中心Ｏ１と第３の円弧面の中心Ｏ３との距離をＡとしたとき，Ｒ１＋Ｒ２＝２Ｒ３で，かつ，Ｒ３−Ｒ１＝Ａの関係が成立することを特徴とする。
【００４９】
本発明によると，支持軸および第１の軸受部材がこのように構成されていることから，第１の軸受部材を回動させると，第３の円弧面の中心Ｏ３が前記当接辺と直交する方向に移動しながら，前記支持軸の端部の第１の円弧面の中心Ｏ１が前記当接辺と平行に移動することとなる。直線状の当接辺は，記録面に対して直交する方向に伸びているから，支持軸の端部は，記録面と直交する方向にのみ移動することとなる。すなわち，第１の軸受部材が必ずしも弾性部材で構成されていなくても，第１の軸受部材を回動させるだけで，記録面と支持軸との平行度の調整を行うことができ，しかも支持軸の端部は記録面と直交する方向にのみ移動するから，第１の角度を容易に調整することができる。
【００５０】
第６の関連発明に係るキャリッジは，第３から第５の関連発明のいずれか１つの発明において，前記第１の軸受部材は，この第１の軸受部材を回動させる第１のレバー状部材を備えていることを特徴とする。
これにより，第１のレバー状部材を回動操作することにより，第１の角度を容易に調整することができ，記録面とヘッド面との間の平行度を容易に調整することができる。
【００５１】
第７の関連発明に係るキャリッジは，第１から第６の関連発明のいずれか１つの発明に係るキャリッジにおいて，前記第１の軸受部材が，前記第１の穴の２つにそれぞれ設けられている，ことを特徴とする。
【００５２】
本発明によると，第１の軸受部材が，第１の穴の２つにそれぞれ設けられているので，これら２つの第１の軸受部材を同時に調整することによって，支持軸を記録面と平行に保ちつつ，その支持位置を記録面と直交する方向に変位させることができる。これにより，記録面とヘッド面とを平行に保ちつつ，記録ヘッドを記録面と直交する方向に調整することができる，すなわち，ペーパ・ギャップを調整することができる。
【００５３】
第８の関連発明に係る記録装置は，第１から第７の関連発明のいずれか１つの発明に係るキャリッジを備えていることを特徴とする。
これにより，この記録装置においても，前記第１から第７の関連発明と同様の作用効果を達成することができ，その結果，記録品質の向上を図ることができる。特に，大型記録装置において，記録品質の向上を図ることができる。
【００５４】
第９の関連発明に係るキャリッジは，被記録材の記録面と平行に，かつ，被記録材の搬送方向と直交して配置されるべきガイド軸に案内されて往復動するとともに，前記被記録材の記録面に記録を行う記録ヘッドを備えたキャリッジであって，前記記録面に対向している前記記録ヘッドのヘッド面と前記記録面とがなす角度のうち，前記被記録材の搬送方向における第２の角度の方向に，前記記録ヘッドを該キャリッジに対して変位させる第２の角度調整手段を備えていることを特徴とする。
【００５５】
本発明によると，キャリッジは，被記録材の記録面と平行に，かつ，被記録材の搬送方向と直交して配置されるべきガイド軸に案内されて往復動し，該キャリッジに備えられた記録ヘッドにより，前記被記録材の記録面に記録を行う。そして，第２の角度調整手段は，前記記録ヘッドを，該キャリッジに対して，ヘッド面と記録面とがなす角度のうち，被記録材の搬送方向における第２の角度（γ角）の方向に変位させる。
【００５６】
これにより，キャリッジの支持構造によることなく，キャリッジに対する記録ヘッドの位置を調整することにより，第２の角度を調整し，記録面とヘッド面との間の平行度を調整することができる。したがって，ガイド軸の支持構造を調整することができる記録装置においてはもちろんのこと，ガイド軸の支持構造を調整することができない記録装置においても，記録面とヘッド面との間の平行度を調整することができる。
【００５７】
また，第２の角度調整手段を，記録ヘッドをキャリッジに対して変位させる構成としたので，第２の角度調整手段は，記録ヘッドの重さのみを支持できる強度を有すればよく，記録装置が大型化して，記録ヘッドが大型化しても，その重さによる調整精度の悪化もほとんど問題とならない。
なお，第２の角度（γ角）の方向には，プラスの角度の方向とマイナスの角度の方向との双方が含まれる。
【００５８】
第１０の関連発明に係るキャリッジは，第９の関連発明に係るキャリッジにおいて，前記第２の角度調整手段は，前記ガイド軸とほぼ平行に配置され，かつ，該キャリッジおよび前記記録ヘッドの双方を通って，該キャリッジに対して前記記録ヘッドを回動可能に支持する支持軸と，前記支持軸を回動軸として記録ヘッドを回動させる第１の回動手段と，前記第１の回動手段による前記記録ヘッドの回動を所望の角度で固定する固定手段とを備えていることを特徴とする。
【００５９】
本発明によると，ガイド軸とほぼ平行に配置された支持軸は，キャリッジおよび記録ヘッドの双方を通って，記録ヘッドをキャリッジに対して回動可能に支持する。第１の回動手段は，支持軸を回動軸として記録ヘッドをキャリッジに対して回動させ，固定手段は，記録ヘッドの回動を所望の角度で固定する。記録ヘッドは，ガイド軸とほぼ平行に配置された支持軸を回動軸として，キャリッジに対して回動し，固定されるので，第２の角度（γ角）が調整される。
【００６０】
また，この回動操作により第２の角度が調整されるので，他の角度（α角およびβ角）を変化させることなく，第２の角度（γ角）のみを調整することができ，第２の角度の調整に伴い他の角度も変化するという副作用を防止することができる。さらに，回動操作とその回動の固定という簡単な操作で第２の角度を調整することができる。
【００６１】
第１１の関連発明に係るキャリッジは，第１０の関連発明に係るキャリッジにおいて，前記第１の回動手段は，前記記録ヘッドに当接して付勢する第１の付勢手段を備え，前記固定手段は，前記第１の付勢手段の付勢力に対抗して前記記録ヘッドに当接する当接手段を備えていることを特徴とする。
【００６２】
本発明によると，前記第１の回動手段を第１の付勢手段により，前記固定手段を当接手段により構成することができるので，少ない部品点数で第２の角度調整手段を構成することができる。
【００６３】
第１２の関連発明に係るキャリッジは，第１０または第１１の関連発明に係るキャリッジにおいて，前記固定手段は，第２のレバー状部材を備えていることを特徴とする。
本発明によると，第２のレバー状部材により固定位置を調整できるので，第２の角度の微妙な調整を容易に行うことができる。
【００６４】
第１３の関連発明に係る記録装置は，第９から第１２の関連発明のいずれか１つの発明に係るキャリッジを備えていることを特徴とする。
これにより，この記録装置においても，前記第９から第１２の関連発明と同様の作用効果を達成することができ，その結果，記録品質の向上を図ることができる。特に，大型記録装置において，記録品質の向上を図ることができる。
【００６５】
第１４の関連発明に係るキャリッジは，被記録材の記録面と平行に，かつ，被記録材の搬送方向と直交して配置されるべきガイド軸に案内されて往復動するとともに，前記被記録材の記録面に記録を行う記録ヘッドを備えたキャリッジであって，前記記録ヘッドは，該キャリッジに対して，該記録ヘッドに設けられたドット形成素子列と前記被記録材の搬送方向とがなす第３の角度の方向に該記録ヘッドを変位させる第３の角度調整手段を備えていることを特徴とする。
【００６６】
本発明によると，キャリッジは，被記録材の記録面と平行に，かつ，被記録材の搬送方向と直交して配置されるべきガイド軸に案内されて往復動し，該キャリッジに備えられた記録ヘッドにより，前記被記録材の記録面に記録を行う。そして，記録ヘッドが備えた第３の角度調整手段は，該記録ヘッドを，該キャリッジに対して，該記録ヘッドに設けられたドット形成素子列と被記録材の搬送方向とがなす第３の角度（α角）の方向に変位させる。
【００６７】
このように，本発明によると，第３の角度調整手段が記録ヘッドに備えられている。したがって，前述したように，キャリッジに対する記録ヘッドの位置を調整することによって，第１の角度および第２の角度の調整を行うキャリッジにおいても，第１の角度および第２の角度の調整の影響を受けることなく，第３の角度を精度良く調整し，ドット形成素子列と被記録材の搬送方向との間の平行度を調整することができる。
なお，第３の角度（α角）の方向には，プラスの角度の方向とマイナスの角度の方向との双方が含まれる。
【００６８】
第１５の関連発明に係るキャリッジは，第１４の関連発明に係るキャリッジにおいて，前記第３の角度調整手段は，前記ガイド軸とほぼ平行に配置され，かつ，前記記録ヘッドに形成された第２の穴を通って，該キャリッジに対して前記記録ヘッドを支持する支持軸と，前記第２の穴に前記支持軸を支持するとともに，支持する位置が，前記被記録材の搬送方向上下流側に調整可能となっている第２の軸受部材とを備えていることを特徴とする。
【００６９】
本発明によると，ガイド軸とほぼ平行に配置された支持軸は，記録ヘッドに形成された第２の穴を通って，キャリッジに対して記録ヘッドを支持する。第２の軸受部材は，第２の穴に装着され，支持軸を支持する。第２の軸受部材が支持軸を支持する位置を，被記録材の搬送方向上下流側に調整すると，この支持軸に支持されている記録ヘッドは，もう一方の第２の穴において支持軸を支持している点を支点として，キャリッジに対してα角の方向に回転し，これにより第３の角度が調整される。
【００７０】
このように，支持軸の支持する位置が搬送方向上下流側に移動することにより，第３の角度（α角）が調整されるので，他の角度（β角およびγ角）を変化させることなく，第３の角度のみを調整することができる。
【００７１】
第１６の関連発明に係るキャリッジは，第１５の関連発明に係るキャリッジにおいて，前記第２の穴は，前記記録面と直交する方向には前記支持軸と同程度の径を有し，前記搬送方向には前記支持軸の径よりも長い径を有する長穴であり，前記第２の軸受部材は，前記支持軸を，前記第２の穴の長手方向に移動させて，第３の角度を調整するものであることを特徴とする。
【００７２】
本発明によると，第２の穴を搬送方向に長い長穴とし，第２の軸受部材がこの長穴の長手方向に支持軸を移動させることによって，第３の角度を調整できるので，比較的簡単な構成により第３の角度の調整を行うことができる。
【００７３】
第１７の関連発明に係るキャリッジは，第１６の関連発明に係るキャリッジにおいて，前記第２の軸受部材は，円形の外周と，この外周に対して偏心し，かつ，前記支持軸が通って該支持軸を支持する円形の第３の穴とを備え，前記記録ヘッドは，前記第２の軸受部材が回動可能に嵌まり込む第４の穴を前記第２の穴の周囲に有することを特徴とする。
【００７４】
本発明によると，第２の軸受部材は，記録ヘッドの第２の穴の周囲に形成された第４の穴に嵌まり込み回動する。また，第２の軸受部材の第３の穴は，円形の外周に対して偏心した穴であり，支持軸を支持する。一方，支持軸は，記録ヘッドに形成された第２の穴にも支持される。したがって，第２の軸受部材を回動させることにより，第２の穴および偏心した第３の穴により，支持軸が支持される位置は，第２の穴の長手方向，すなわち搬送方向上下流側に変位し，これにより，第３の角度が調整される。このように，外周に対して偏心した穴を有する偏心部材という簡単な部材で，第３の角度の調整を行うことができる。
【００７５】
第１８の関連発明に係るキャリッジは，第１６の関連発明に係るキャリッジにおいて，前記第２の軸受部材は，第１の部材と第２の部材とからなり，前記第１の部材は，円形の外周と，この外周に対して偏心し，かつ，前記支持軸が通過できる円形の第５の穴とを備え，前記第２の部材は，前記第１の部材の穴に嵌まり込み，かつ，前記支持軸が通って該支持軸を支持する第３の穴を備えているものであり，前記記録ヘッドは，前記第２の穴の周囲に，前記第１の部材が回動可能に嵌まり込む第４の穴を有することを特徴とする。
【００７６】
本発明によると，第２の軸受部材の第１の部材は，記録ヘッドの第２の穴の周囲に形成された第５の穴に嵌まり込み回動する。また，第２の軸受部材の第２の部材は，第１の部材の偏心した第５の穴に嵌まり込むとともに，支持軸を支持する。一方，支持軸は，記録ヘッドに形成された第２の穴にも支持される。したがって，第１の部材を回動させると，第２の穴および偏心した第５の穴により，第２の部材の位置および支持軸の支持位置は，第２の穴の長手方向，すなわち搬送方向上下流側に変位し，これにより，第３の角度が調整される。このように，外周に対して偏心して穴を有する偏心部材という簡単な部材で，第３の角度の調整を行うことができる。
【００７７】
また，第２の軸受部材を，第１の部材と第２の部材とにより構成し，第１の部材の第５の穴を，支持軸が通過できる円形のものとしたので，第１の部材を取り付けた後に，支持軸をこの第１の部材の第５の穴（すなわち記録ヘッド）に通し，その後，第２の部材を取り付けることができることとなり，キャリッジの組み立てが容易となる。特に，端部よりも中央部が太くなっている支持軸を使用する場合には有効である。
【００７８】
第１９の関連発明に係るキャリッジは，第１８の関連発明に係るキャリッジにおいて，前記第１の部材は，第３のレバー状部材を備えているものであることを特徴とする。本発明によると，第３のレバー状部材により回動操作できるので，回動操作を容易に行うことができる。
【００７９】
第２０の関連発明に係る記録装置は，第１４から第１９の関連発明のいずれか１つの発明に係るキャリッジを備えていることを特徴とする。
これにより，この記録装置においても，前記第１４から第１９の関連発明と同様の作用効果を達成することができ，その結果，記録品質の向上を図ることができる。特に，大型記録装置において，記録品質の向上を図ることができる。
【００８０】
第２１の関連発明に係るペーパ・ギャップ調整装置は，被記録材の記録面と平行に，かつ，被記録材の搬送方向と直交して配置されるべきガイド軸に案内されて往復動するとともに，前記被記録材の記録面に記録を行う記録ヘッドを備えたキャリッジのペーパ・ギャップ調整装置であって，前記記録ヘッドを前記記録面と直交する方向に変位させる変位手段を備えていることを特徴とする。
【００８１】
本発明によると，キャリッジは，被記録材の記録面と平行に，かつ，被記録材の搬送方向と直交して配置されるべきガイド軸に案内されて往復動し，該キャリッジに備えられた記録ヘッドにより，前記被記録材の記録面に記録を行う。そして，変位手段は，記録ヘッドを記録面と直交する方向に変位させる。
【００８２】
これにより，ガイド軸の支持位置を調整することなく，記録ヘッドの位置を変位させることにより，ペーパ・ギャップを調整し，記録面とヘッド面との間を適正な距離とすることができる。したがって，ガイド軸の支持位置を調整することができる記録装置においてはもちろんのこと，ガイド軸の支持位置を調整することができない記録装置においても，ペーパ・ギャップを調整し，記録面とヘッド面との間を適正な距離とすることができる。
【００８３】
また，変位手段を，記録ヘッドを記録面と直交する方向に変位させる構成としたので，変位手段を，記録ヘッドの重さのみを支持できる程度の強度のものとすることができ，これにより，記録装置が大型化して，記録ヘッドが大型化しても対応可能となる。
なお，「記録面と直交する方向」には，記録面から遠ざかる方向と記録面に近づく方向との双方が含まれる。
【００８４】
第２２の関連発明に係るペーパ・ギャップ調整装置は，第２１の関連発明に係るペーパ・ギャップ調整装置において，前記変位手段は，前記被記録材の記録面と平行に配置されるとともに，該キャリッジおよび前記記録ヘッドを回動可能に通る支持軸と，前記支持軸を回動させる第２の回動手段とを備え，前記支持軸は，円柱状の中央部と，該中央部に対して偏心した円柱状の端部とを有し，該中央部は前記記録ヘッドを支持し，該端部は前記キャリッジに支持されるものであることを特徴とする。
【００８５】
本発明によると，支持軸は，その円柱状の中央部で記録ヘッドを支持し，その円柱状の端部はキャリッジに支持される。そして，第２の回動手段は，この支持軸を回動させる。支持軸を，その端部がその中央部に対して偏心した構造としたので，支持軸の回動により，記録ヘッドは，キャリッジに対して変位する。これにより，記録ヘッドをキャリッジに対して変位させ，ペーパ・ギャップを調整することができる。
【００８６】
第２３の関連発明に係るペーパ・ギャップ調整装置は，第２２の関連発明に係るペーパ・ギャップ調整装置において，前記第２の回動手段は，前記キャリッジとは分離して設けられ，かつ，前記キャリッジが待機位置に戻った時に，前記支持軸を回動させる位置に配置されていることを特徴とする。
【００８７】
本発明によると，第２の回動手段をキャリッジとは分離して設けることとしたので，キャリッジの重量を軽くすることができる。また，第２の回動手段を，キャリッジが待機位置（ホーム・ポジション）に戻った時に，支持軸を回動させる位置に配置することとしたので，ガイド軸に沿ったキャリッジの記録動作を妨害することなく，支持軸の回動を行うことができる。
【００８８】
第２４の関連発明に係るペーパ・ギャップ調整装置は，第２３の関連発明に係るペーパ・ギャップ調整装置において，前記第２の回動手段は，モータと，該モータの回転力を伝える太陽歯車と，該太陽歯車の周囲を公転する少なくとも２つの遊星歯車とを備え，前記支持軸は，その端部に，前記遊星歯車の１つと係合する従動歯車を備え，前記遊星歯車は，前記キャリッジがホーム位置に戻る時は，前記従動歯車とは係合しない中立位置に置かれ，前記記録ヘッドを変位させる時は，前記従動歯車と係合する係合位置に回動しながら移動するものであることを特徴とする。
【００８９】
本発明によると，モータが太陽歯車を回動させ，太陽歯車が遊星歯車を回動させ，さらに，遊星歯車は，従動歯車と係合してこれを回動させる。これにより，支持軸が回動し，ペーパ・ギャップが調整される。このように，第２の回動手段を，太陽歯車と，その周囲を公転する少なくとも２つの遊星歯車とを備える構成としたので，従動歯車に係合する遊星歯車を換えることにより，支持軸を時計方向および反時計方向のいずれにも回動させることができる。
【００９０】
また，キャリッジが待機位置に戻る時は，遊星歯車を，従動歯車とは係合しない中立位置に置くこととしたので，キャリッジが待機位置に戻る時に，遊星歯車と従動歯車とが，衝突して歯車が損傷するという事態を回避することができるとともに，キャリッジの待機位置への戻りをスムーズに行うことができる。
【００９１】
さらに，記録ヘッドを変位させる時は，遊星歯車を，従動歯車と係合する係合位置に回動しながら移動させることとしたので，遊星歯車と従動歯車とを確実に係合させることができる。
【００９２】
第２５の関連発明に係る記録装置は，第２１から第２４の関連発明のいずれか１つの発明に係るペーパ・ギャップ調整装置を備えていることを特徴とする。
【００９３】
これにより，この記録装置においても，前記第２１から第２４の関連発明と同様の作用効果を達成することができ，その結果，記録品質の向上を図ることができる。特に，大型記録装置において，記録品質の向上を図ることができる。
【００９４】
第２６の関連発明に係るキャリッジは，被記録材の記録面と平行に，かつ，被記録材の搬送方向と直交して配置されるべきガイド軸に案内されて往復動するとともに，前記被記録材の記録面に記録を行う記録ヘッドを備えたキャリッジであって，第１から第７の関連発明のいずれか１つの発明に係る第１の角度調整手段と，第９から第１２の関連発明のいずれか１つの発明に係る第２の角度調整手段と，第１４から第１９の関連発明のいずれか１つの発明に係る第３の角度調整手段と，請求項１から６のいずれか１項に記載の支持手段とを備えていることを特徴とする。
【００９５】
本発明によると，ガイド軸の支持位置を調整することなく，キャリッジに対する記録ヘッドの位置を調整して，第１の角度，第２の角度およびペーパ・ギャップを個別に調整することができるとともに，このようにして第１の角度，第２の角度およびペーパ・ギャップの調整を行うキャリッジにおいても，第３の角度を調整することができる。
【００９６】
また，第１の角度の調整においては，第１から第７の関連発明と同様の作用効果を，第２の角度の調整においては，第９から第１２の関連発明と同様の作用効果を，第３の角度の調整においては，第１４から第１９の関連発明と同様の作用効果を，ペーパ・ギャップの調整においては，請求項１から６に記載の発明と同様の作用効果を，それぞれ達成することができる。
【００９７】
さらに，記録ヘッドをキャリッジに対して支持する１つの支持軸によって，第１の角度，第２の角度，第３の角度およびペーパ・ギャップを調整することができ，キャリッジの機構を簡素にすることができるとともに，製造コストも抑えることができる。
【００９８】
第２７の関連発明に係る記録装置は，第２６の関連発明に係るキャリッジを備えていることを特徴とする。これにより，この記録装置においても，前記第２６の関連発明と同様の作用効果を達成することができ，その結果，記録品質の向上を図ることができる。
【００９９】
第２８の関連発明に係る記録装置は，被記録材の記録面と平行に，かつ，被記録材の搬送方向と直交して配置されるべきガイド軸に案内されて往復動するとともに，前記被記録材の記録面に記録を行う記録ヘッドを備えたキャリッジであって，第１から第７の関連発明のいずれか１つの発明に係る第１の角度調整手段と，第９から第１２の関連発明のいずれか１つの発明に係る第２の角度調整手段と，第１４から第１９の関連発明のいずれか１つの発明に係る第３の角度調整手段と，請求項２から６のいずれか１項に記載の支持手段とを備えているキャリッジと，第２２から第２４の関連発明のいずれか１つの発明に係る第２の回動手段とを備えていることを特徴とする。
【０１００】
これにより，このようなキャリッジにおけるペーパ・ギャップの調整を，第２２から第２４の関連発明のいずれか１つの発明に係る第２の回動手段によって行うことができ，このようなキャリッジと同様の作用効果に加えて，第２２から第２４の関連発明と同様の作用効果も得ることができる。
【０１０１】
【発明の実施の形態】
以下，本発明の実施の一形態として，本発明を適用した大型記録装置について説明する。
【０１０２】
１．大型記録装置の記録部の全体構成
図１は，本発明を適用した大型記録装置の記録部を示す模式的な斜視図であり，図２は，該記録部の正面図である。この大型記録装置は，キャリッジ１を往復運動させて被記録材供給部（図示せず）から供給されてくる被記録材（用紙等）に記録（印字等）を施すように構成されている。
【０１０３】
この大型記録装置には，主軸４および副軸５が被記録材の搬送方向に直交して配設されている。主軸４および副軸５は，装置本体を構成する一方のサイドフレーム（左サイドフレーム）６および他方のサイドフレーム（右サイドフレーム）７のそれぞれの軸取付部３２ａ，３３ａおよび３２ｂ，３３ｂに固定されるとともに，両サイドフレーム間の範囲を超えて左右に突出し，平行に配置されている。主軸４にはキャリッジ１の主軸軸受部２８が，副軸５にはキャリッジ１の副軸軸受部２７が，それぞれ摺動可能に取り付けられ，キャリッジ１は，これらの軸により往復可能に支持されている。
【０１０４】
キャリッジ１には，記録ヘッド２が組み込まれている。両サイドフレーム６および７を突出した主軸４の左サイドフレーム６側には，キャリッジ・モータ９と駆動プーリ３５が，右サイドフレーム７側には，従動プーリ３６がそれぞれ設けられている。駆動プーリ３５と従動プーリ３６との間には，キャリッジ１に連係したベルト８が掛けられている。このベルト８により，キャリッジ・モータ９の駆動力がキャリッジ１に伝達され，キャリッジ１が主軸４および副軸５に沿って往復動する。
【０１０５】
フラット・ケーブル３の一端は，記録ヘッド２のコネクタに接続され，キャリッジ１が移動する際に，その動きに向かい合う部分（側部）から移動方向に水平に延びるように固定されている。フラット・ケーブル３は，キャリッジ１の往復動に追従して引き回されるため，キャリッジ１が往復動する移動範囲のほぼ中間点においてケーブル・ホルダ３１により保持され，対向する２つの水平部分とこれら水平部分の間に１８０度転換したループ状のＵターン部分を形成している。
【０１０６】
右サイドフレーム７に取り付けられた待機位置（ホーム・ポジション）検出器２９は，キャリッジ１が待機位置に位置することを検出するものである。
【０１０７】
２．調整角およびペーパ・ギャップの調整
記録ヘッド２のヘッド面（被記録材の記録面に対向した面）と被記録材の記録面との間の平行度は，前述した図３に示す角度のうち，β角（第１の角度）とγ角（第２の角度）とをできるだけ零にすることにより調整される。また，ヘッド面に設けられたドット形成素子列（本実施の形態では，インクを吐出するノズルが搬送方向に沿って並べられたノズル列）と搬送方向との間の平行度は，図３において，α角（第３の角度）をできるだけ零にすることにより調整される。
【０１０８】
また，ペーパ・ギャップの調整は，記録ヘッド２と被記録材との間の距離を調整することにより行われる。
これらの各角度の調整およびペーパ・ギャップの調整は，記録ヘッド２をキャリッジ１に対して変位させることにより行われる。
【０１０９】
３．キャリッジの構成
３．１．キャリッジの概要
図４は，キャリッジ１が待機位置に位置している時のキャリッジ１の詳細を示す正面図であり，図５は，その右側面図である。図５の右側面図は，本来，矢印Ａ方向が鉛直上方向であり，矢印Ｂ方向が水平方向であるが，説明の便宜上，被記録材２２の記録面およびこれに対向するヘッド面が図面において水平になるように図示している。なお，符号２３は紙送りローラ（駆動ローラおよび従動ローラ）であり，符号２５は，排紙ローラ（駆動ローラおよび従動ローラ）である。
【０１１０】
キャリッジ１には，記録ヘッド２が組み込まれ，支持軸１０および固定板１１により，キャリッジ１に取り付けられる。記録ヘッド２には，インク・カートリッジ２ａが装着され，また，被記録材２２に対向した位置には，被記録材２２にインクを吐出するヘッド部２ｂが設けられている。ヘッド部２ｂのヘッド面には，インク吐出用の複数のノズルが，ノズル列を形成して設けられている。
【０１１１】
支持軸１０は，キャリッジ１の左右の側壁１ａおよび１ｂと，記録ヘッド２の左右の側壁２ｃおよび２ｄとを貫通し，その両端部は，キャリッジ１の両側壁１ａおよび１ｂからそれぞれ突出している。この突出している両端部には，第１の軸受部材（β角調整用軸受部材）１５および１６がそれぞれ装着される。これにより，支持軸１０はキャリッジ１に回動可能に取り付けられるとともに，記録ヘッド２はキャリッジ１に対して支持される。後に詳述するように，第１の軸受部材１５および１６と支持軸１０とによって，β角およびペーパ・ギャップの調整（特にペーパ・ギャップの微調整）が行われる。
【０１１２】
支持軸１０が記録ヘッド２の右側壁２ｄを貫通する部分には，第２の軸受部材（α角調整用軸受部材）が取り付けられる。第２の軸受部材は，第１の部材（回動部材）１４と第２の部材（スペーサ）１３とから構成される（後述する図１１も参照）。後に詳述するように，第２の軸受部材（第１の部材１４および第２の部材１３）と支持軸１０とによって，α角の調整が行われる。
【０１１３】
支持軸１０の一端（図４における右端）には，従動歯車１７が取り付けられ，ＰＧ駆動ユニット１８の遊星歯車１８ｃまたは１８ｄと係合するようになっている。ＰＧ駆動ユニット１８（図１および図２には図示せず）は，キャリッジ１とは分離して設けられ，大型記録装置の図示しないフレームに取り付けられている。ＰＧ駆動ユニット１８をキャリッジ１に取り付けることもできるが，キャリッジ１の重量を軽くするためには，本実施の形態のように，キャリッジ１とは分離して設けることが好ましい。
【０１１４】
このＰＧ駆動ユニット１８は，駆動モータ１８ａと，太陽歯車機構１８ｂと，２つの遊星歯車１８ｃおよび１８ｄとから構成されている。太陽歯車機構１８ｂは，駆動モータ１８ａの駆動軸に取り付けられ，駆動モータ１８ａの駆動力によって回転する。遊星歯車１８ｃおよび１８ｄは，太陽歯車機構１８ｂと係合してこの周囲を公転し，従動歯車１７と係合する。キャリッジ１が待機位置に戻る際に，遊星歯車１８ｃおよび１８ｄは，ともに従動歯車１７と係合しない中立位置に位置するように駆動制御部（図示せず）によって制御される。これにより，キャリッジ１が待機位置に戻る際に，従動歯車１７と遊星歯車１８ｃおよび１８ｄとが衝突しないようになっている。
【０１１５】
後に詳述するように，キャリッジ１が待機位置に位置している時に，ＰＧ駆動ユニット１８は，遊星歯車１８ｂおよび１８ｃを用いて従動歯車１７（すなわち支持軸１０）を回転させ，これにより，ペーパ・ギャップの調整（特にペーパ・ギャップの切り換え）が行われる。
【０１１６】
固定板１１は，ネジ２１ａおよび２１ｂにより，γ角調整レバー（第２のレバー状部材）１２とともにキャリッジ１に取り付けられる。後に詳述するように，固定板１１と支持軸１０とγ角調整レバー１２とによって，γ角の調整が行われるとともに，記録ヘッド２がキャリッジ１に固定される。
【０１１７】
以下では，α角，β角およびγ角，ならびにペーパ・ギャップの調整を，説明の便宜上，β角およびペーパ・ギャップの調整（特にペーパ・ギャップの微調整），α角の調整，γ角の調整，ペーパ・ギャップの調整（特にペーパ・ギャップの切り換え）の順序で説明する。
【０１１８】
３．２．β角の調整およびペーパ・ギャップの調整
β角およびペーパ・ギャップの調整（特にペーパ・ギャップの微調整）は，第１の軸受部材（β角調整用軸受部材）１５および１６と支持軸１０とによって行われる。
図６は支持軸１０を示し，（Ａ）は斜視図，（Ｂ）は正面図，（ｃ）は側面図である。支持軸１０は，金属製であり，大径部１０ａと，その両端に形成された小径部１０ｂおよび１０ｃとを有する。
【０１１９】
両小径部１０ｂおよび１０ｃの中心（軸心）Ｏ１は，ともに，大径部１０ａの軸心Ｏ０に対して，同一方向に距離ｄだけ偏心しており，偏心軸部を構成している。大径部１０ａの中央部分は，その円周の１／２弱に相当する部分が円周方向に沿って連続した３つの平面を有するようにカットされた切削部１０ｄを有する。切削部１０ｄは，大径部１０ａの円柱側面上，偏心軸部１０ｂおよび１０ｃが大径部１０ａに対して偏心している側に形成され，３平面の中央の面の中心が，軸心Ｏ１と軸心Ｏ０とを結んだ線上に位置するように形成されている。
【０１２０】
また，偏心軸部１０ｃの先端には，従動歯車１７の取付部１０ｅが形成されている。この取付部１０ｅは，偏心軸部１０ｃの円周の一部がカットされ，側面視略Ｄ型となっている。取付部１０ｅが嵌まり込む従動歯車１７の軸受穴も，側面視略Ｄ型となっている。この両者の側面視略Ｄ型の形状によって，従動歯車１７は，支持軸１０に対して空回りしないようになっている。なお，取付部１０ｅの先端部近傍に円周方向に設けられた溝は，従動歯車１７に設けられた爪（図示せず）がこの溝と係合することにより，従動歯車１７が取付部１０ｅから容易に抜けないようにするためのものである。
【０１２１】
図７は，図４のＩ−Ｉ断面図であり，図４と同様に，説明の便宜上，被記録材の記録面およびこれに対向するヘッド面が図面において水平になるように図示している。
キャリッジ１の両側壁１ａおよび１ｂには，第１の穴５０および５１がそれぞれ形成されている。これらの第１の穴５０および５１には，支持軸１０の両偏心軸部１０ｂおよび１０ｃがそれぞれ貫通し，これらの偏心軸部を回動可能に支持する第１の軸受部材１５および１６がそれぞれ装着される。
【０１２２】
図７は，キャリッジ１の右側壁１ｂに装着される第１の軸受部材１６およびこれが装着される第１の穴５１のみを示しており，左側壁１ａに装着される第１の軸受部材１５およびこれが装着される穴５０の図示を省略している。また，以下では，第１の軸受部材１６および第１の穴５１についてのみ説明するが，第１の軸受部材１５および第１の穴５０は，それぞれ第１の軸受部材１６および第１の穴５１と鏡像関係にある点が異なるだけであり，以下に説明する第１の軸受部材１６および第１の穴５１の内容は，第１の軸受部材１５および第１の穴５０についても同様に当てはまるものである。
【０１２３】
第１の軸受部材１６は，穴５１に嵌まり込む軸受部１６ａ（後に詳述）と，それ以外の部分からなるレバー部（第１のレバー状部材）１６ｂとが一体的に形成された弾性部材（たとえば，弾性を有する合成樹脂）により構成され，軸受部１６ａを中心にして回動可能になっている。軸受部１６ａには，さらに，支持軸１０の偏心軸部１０ｃを保持する保持部（後述）が形成され，また，レバー部１６ｂには，さらに，可撓片１６ｅと，円弧状に形成されたネジ止め用穴１６ｃとが形成されている。レバー部１６ｂを有することにより，第１の軸受部材１６の回動操作および微妙な角度調整が容易となる。
【０１２４】
軸受部１６ａは，そこに形成された穴に偏心軸部１０ｃを貫通させた状態で，穴５１に嵌め込まれる。その後，ネジ１０１が，ネジ止め用穴１６ｃを介して側壁１ｂに取り付けられる。これにより，第１の軸受部材１６は，側壁１ｂに装着されるとともに，支持軸１０および支持軸１０により支持される記録ヘッド２は，キャリッジ１に対して支持される。なお，ネジ１０１によるネジ止めは，第１の軸受部材１６が軸受部１６ａを中心に回動可能な程度の強さで行われるが，β角の調整およびペーパ・ギャップの調整の双方またはいずれか一方の完了後，キャリッジ１の振動等による第１の軸受部材１６のずれを防止するために，さらに強くネジ止めされてもよい。
【０１２５】
可撓片１６ｅの先端には，図７において手前側に突出した抓み１６ｄが，可撓片１６ｅと一体的に形成されている。また，可撓片１６ｅの裏面（側壁１ｂに接する面）には，側壁１ｂに円弧状に形成された複数の目盛状溝１ｃに係脱する突起（図示せず）が，可撓片１６ｅと一体的に形成されている。抓み１６ｄを手前に引っ張ると，前記突起が目盛状溝１ｃから外れ，第１の軸受部材１６は，軸受部１６ａを中心に回動可能となる。所望の位置に回動した後，抓み１６ｄの引っ張りを解除すると，前記突起が目盛状溝１ｃの１つと係合する。これにより，目盛状溝１ｃが設けられた範囲内の所望の位置に第１の軸受部材１６（すなわちβ角またはペーパ・ギャップ）を調整することができるとともに，調整後は，第１の軸受部材１６の不用意な回動を防止することができる。
【０１２６】
なお，抓み１６ｄには，針状の操作具を挿通させる穴（図示せず）が形成されており，第１の軸受部材１６の回動操作は，この穴に挿通させた針状の操作具により行うこともできる。また，第１の軸受部材１６の回動操作（すなわち，β角またはペーパ・ギャップの調整操作）は，通常，ユーザによっては行われず，工場において行われる。
【０１２７】
次に，第１の軸受部材１６によって，β角が調整される具体的な機構について説明する。
図８（Ａ）は，第１の軸受部材１６の軸受部１６ａの拡大図であり，図８（Ｂ）は，図８（Ａ）のIV−IV断面図である。穴５１は，ほぼ正方形の穴５１ａと，その対角する角部に形成された一対の挿通口５１ｂ，５１ｂとを有する。ほぼ正方形の穴５１ａは，記録面と直交する方向に伸びる直線状の当接辺ａ１と，これに対向する第２の辺ａ２と，これらの当接辺ａ１および第２の辺ａ２と連なり相互に対向する一対の第３の辺ａ３，ａ３とを有する。
【０１２８】
軸受部１６ａは，穴５１に回動可能に嵌まり込んでいる中空の回動部１６０と，この軸受部１６ａが穴から不用意に抜けないようにするための外側の係止部１６１および内側の一対の係止片１６２，１６２とを有する。
【０１２９】
軸受部１６ａの穴５１への装着は，係止片１６２，１６２を，挿通口５１ｂ，５１ｂに合わせて，側壁１ｂの外側から軸受部１６ａを穴５１に嵌め込んだ後，可撓片１６ｅを図８（Ａ）（および図７）において反時計方向に回動させることにより行われる。これにより，図８（Ｂ）に示すように，係止片１６２，１６２が側壁１ｂの内面と当接し，また係止部１６１が側壁１ｂの外面と当接して，軸受部１６ａが穴５１から抜けなくなる。
【０１３０】
回動部１６０は，支持軸１０の偏心軸部１０ｃを回動可能に保持する保持部１６０ａを有する。偏心軸部１０ｃは，穴５１の当接辺ａ１と当接する第１の円弧面ｃ１を有する。また，回動部１６０は，穴５１の第２の辺ａ２と当接する第２の円弧面ｃ２と，第３の辺ａ３，ａ３とそれぞれ当接する一対の第３の円弧面ｃ３，ｃ３とを有する。
【０１３１】
図９（Ａ）および（Ｂ）は，偏心軸部１０ｃと，穴５１と，軸受部１６ａの回動部１６０との関係を模式的に示したものである。これらの図においては，説明を分かりやすくするために，穴５１の挿通口５１ｂ，５１ｂを省略し，また，第２の円弧面ｃ２の円周部分および第３の円弧面ｃ３，ｃ３の円周部分を図８のものよりも長くするとともに，回動部１６０の中空部分を省略している。
【０１３２】
この実施の形態においては，偏心軸部１０ｃ，穴５１，および回動部１６０の形状ないし寸法は，ほぼ次のように設定されている。
第２の円弧面ｃ２は，第１の円弧面ｃ１の中心Ｏ１と同心の円弧面であり，一対の第３の円弧面ｃ３は，その中心Ｏ３が共通で曲率半径Ｒ３が同一の円弧面である。そして，第１の円弧面ｃ１の曲率半径をＲ１，第２の円弧面ｃ２の曲率半径をＲ２，第１の円弧面ｃ１の中心Ｏ１と第３の円弧面ｃ３の中心Ｏ３との距離（すなわち偏心量）をＡとしたとき，Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３およびＡは，
Ｒ１＋Ｒ２＝２Ｒ３ …（１）
Ｒ３−Ｒ１＝Ａ …（２）
の関係が成立するように設定されている。
【０１３３】
また，第１の当接辺ａ１と第２の当接辺ａ２との距離はＲ１＋Ｒ２，第３の当接辺ａ３同士の間隔は２Ｒ３となるように設定されている。
【０１３４】
仮に，前述した寸法が高精度で得られた場合において，軸受部１６ａ（すなわち，回動部１６０）を回動させると，第３の円弧面ｃ３の中心Ｏ３が当接辺ａ１と直交する方向（±Ｙ軸方向）に移動しながら，偏心軸部１０ｃの第１の円弧面ｃ１の中心Ｏ１が当接辺ａ１と平行（±Ｚ軸方向）に移動する。すなわち，回動部１６０を角度θだけ回動させると，第３の円弧面ｃ３の中心Ｏ３がＹ軸方向にｙ１＝Ａ−Ａ×ｃｏｓθだけ変位し，第１の円弧面ｃ１の中心Ｏ１は，ｚ１＝Ａ×ｓｉｎθだけＺ軸方向に変位する。
【０１３５】
したがって，前述した寸法が高精度で得られた場合には，図９（Ｂ）に示すように，軸受部１６ａを回動させると，第３の円弧面ｃ３の中心Ｏ３が当接辺ａ１と直交する方向（±Ｙ軸方向）に移動しながら，偏心軸部１０ｃの第１の円弧面ｃ１の中心Ｏ１が当接辺ａ１と平行（±Ｚ軸方向）に移動する。これにより，支持軸１０は，当接辺ａ１と平行に移動することとなる。
【０１３６】
直線状の当接辺ａ１は，記録面と直交する方向に伸びているから，支持軸１０は，キャリッジ１に対して，記録面と直交する方向にのみ移動する。また，図１６（後に詳述）に示すように，記録ヘッド２は，その天井壁２ｅにおいて，記録面と直交する方向に設けられた固定板１１の当接部１１ａとキャリッジ・バネ２０（バネ・キャップ４０）とによって挟持されており，記録面と直交する方向にのみ移動するように規制されている。したがって，支持軸１０に支持されている記録ヘッド２は，第１の軸受部材１５および１６の双方またはいずれか一方の回動操作により，キャリッジ１に対して，記録面と直交する方向にのみ変位する。
【０１３７】
図１０は，この様子を示している。図１０（Ａ）は図９（Ａ）に対応する第１の軸受部材１６および記録ヘッド２の位置を，図１０（Ｂ）は図９（Ｂ）に対応する第１の軸受部材１６および記録ヘッド２の位置を，それぞれ示している。第１の軸受部材１６を図１０（Ａ）から（Ｂ）に示すように，反時計方向に回動すると，記録ヘッド２の第１の軸受部材１６側（図４における右側）の部分は，キャリッジ１に対して，記録面と直交する上方向に移動する。すなわち，記録ヘッド２の第１の軸受部材１６側の部分は，キャリッジ１に対して上昇する。一方，図示は省略するが，第１の軸受部材１６を時計方向に回動すると，記録ヘッド２の第１の軸受部材１６側の部分は，キャリッジ１に対して下降する。
【０１３８】
この操作を，左右の第１の軸受部材１５および１６の双方またはいずれか一方について行うことにより，記録ヘッド２のβ角を精度良く調整することができ，その結果，ヘッド面と記録面との間の平行度が精度良く調整され，印字品質の向上を図ることができる。また，この操作を，ヘッド面と記録面とを平行に保ちつつ，左右の第１の軸受部材１５および１６の双方について行うことにより，ペーパ・ギャップを精度良く調整することができる。特に，微妙な位置調整が可能であるので，ペーパ・ギャップの微調整に有効であり，その結果，ヘッド面と記録面との間の間隔が精度良く調整され，印字品質の向上を図ることができる。
【０１３９】
さらに，記録ヘッド２をキャリッジ１に対して変位させることにより，β角およびペーパ・ギャップを調整するので，主軸４および副軸５（図１および図２参照）がサイドフレームに固定されている記録装置においても，β角およびペーパ・ギャップを調整することができる。
【０１４０】
さらにまた，支持軸１０と，第１の軸受部材１５および１６という少ない部品点数で容易にβ角およびペーパ・ギャップを調整することができるとともに，これらの部品は，キャリッジ１に対して記録ヘッド２を支持できる強度を有する程度のものであれば良く，大型記録装置においても，大きな強度を有する構成とする必要はないだけでなく，重さによる支持軸１０の撓みや軸受部１６ａの変形等も無視できる程度の小さなものとすることができる。
【０１４１】
なお，前述したような軸受部１６ａの寸法が高精度で得られる場合には，軸受部１６ａ（回動部１６０）は必ずしも弾性部材で構成されていない，あるいは十分な弾性を有していなくても，回動により，支持軸１０の端部は記録面と直交する方向にのみ移動するから，β角およびペーパ・ギャップの調整を行うことができる。
【０１４２】
一方，軸受部１６ａ（回動部１６０）が弾性部材で構成されている場合には，前記寸法は必ずしも，高精度である必要はない。軸受部１６ａの弾性によって，支持軸１０の端部が当接辺ａ１に押し付けられて回動し，第３の円弧面ｃ３の中心Ｏ３が当接辺ａ１と直交する方向に移動しながら，偏心軸部１０ｃの中心Ｏ１が当接辺ａ１と平行に移動するからである。
【０１４３】
したがって，弾性部材からなる軸受部１６ａ（回動部１６０）が，穴５１に回動可能に嵌まり込んでいて，支持軸１０の端部を支持し，かつ，その弾性で支持軸１０の端部を当接辺ａ１に押し付けるという構成が満たされる限り，穴５１および軸受部１６ａ（回動部１６０）の形状等の構成は，図示したものに限られるものではない。たとえば，回動部１６０は，中空になっていなくてもよく，また，図８に示す形状のほか，図９に示す形状でもよい。
【０１４４】
一方，第２の辺ａ２に当接する第２の円弧面ｃ２と，第３の辺ａ３，ａ３にそれぞれ当接する一対の第３の円弧面ｃ３，ｃ３とを有していれば，より円滑な回動動作が得られる。そこで，本実施の形態では，回動部１６０を弾性部材で形成し，かつ，その第２の円弧面ｃ２と第３の円弧面ｃ３の曲率半径を前述した幾何学的に理想的な寸法Ｒ２，Ｒ３よりもそれぞれ若干大きめに形成し，回動部１６０を穴５１に圧入した構成としている。
【０１４５】
３．３．α角の調整
α角の調整は，支持軸１０と，第２の軸受部材（第１の部材である回動部材１４および第２の部材であるスペーサ１３）とによって行われる。
【０１４６】
図１１は，図４のII−II断面図であり，図４と同様に，説明の便宜上，被記録材の記録面とこれに対向するヘッド面とが図面において水平になるように図示している。図１２は図１１のＶ−Ｖ断面図であり，図１３は図１１のVI−VI断面図である。図１４（Ａ）は記録ヘッド２の右側面図，図１４（Ｂ）は記録ヘッド２の左側面図である。図１５は，α角調整の様子を示す。
【０１４７】
記録ヘッド２の左側壁２ｃには，図１２，図１３および図１４（Ｂ）に示すように，支持軸１０の左偏心軸部１０ｂが回動可能に貫通する左側の第６の穴（長穴）２ｆが形成されている。この長穴２ｆの径は，被記録材の搬送方向（ここでは，上流方向および下流方向の双方を指し，図１２における上下方向を意味する。以下，同じ。）においては，偏心軸部１０ｂが貫通するように偏心軸部１０ｂの直径とほぼ同程度またはこれより僅かに大きい程度であるが，記録面と直交する方向（図１３および図１４（Ｂ）における上下方向）においては，記録ヘッド２が偏心軸部１０ｂに対して移動可能なように偏心軸部１０ｂの直径よりも長くなっている。したがって，記録ヘッド２は，偏心軸部１０ｂ（すなわち支持軸１０の端部）に対して，被記録材の搬送方向には移動しないが，記録面と直交する方向には移動可能となっている。
【０１４８】
また，左側壁２ｃの内側近傍には，支持軸１０の大径部１０ａが貫通する貫通壁２ｈが設けられ，この貫通壁２ｈには，図１２および図１３に示すように，支持軸１０の大径部１０ａが回動可能に貫通する左側の第２の穴（長穴）２ｇが形成されている。この長穴２ｇの径は，記録面と直交する方向においては，大径部１０ａが貫通するように大径部１０ａの直径とほぼ同程度またはこれより僅かに大きい程度であるが，被記録材の搬送方向においては，大径部１０ａが多少移動可能なように大径部１０ａの直径よりも長くなっている。したがって，大径部１０ａ（すなわち支持軸１０の中央部）は，記録面と直交する方向には移動しないが，被記録材の搬送方向には移動可能となっている。
【０１４９】
記録ヘッド２の右側壁２ｄには，図１２，図１３および図１４（Ａ）に示すように，右側の第２の穴２ｉ，第７の穴２ｊおよび第４の穴２ｋが一体的に形成されている。
【０１５０】
右側の第２の穴２ｉは，右側壁２ｄの外側から見て最深部に形成されており，前述した左側の第２の穴２ｇと同形の長穴である。この長穴２ｉは，支持軸１０の大径部１０ａが貫通する貫通穴となっており，大径部１０ａは，長穴の長手方向（被記録材の搬送方向）に多少移動可能となっている。
【０１５１】
したがって，支持軸１０の大径部１０ａは，２つの第２の穴２ｇおよび２ｉにおいて，被記録材の搬送方向に多少移動可能となっている。この移動可能な構造は，後に詳述するペーパ・ギャップの調整（特にペーパ・ギャップの切り換え）において利用される。
【０１５２】
第７の穴２ｊは，右側壁２ｄの外側から見て長穴２ｉの手前側であって，長穴２ｉの周囲に形成されている。図１４（Ａ）において，穴２ｊの左下側部分に長穴２ｉが形成されており，穴２ｊにおいて，長穴２ｉが形成されている部分は，前述したように貫通穴となっているが，それ以外の部分は，貫通しておらず，平坦な底を有する。
【０１５３】
穴２ｊには，後述する側面視略Ｄ型の形状を有するスペーサ１３（図１１および図１５参照）が嵌まり込む。このため，穴２ｊも，その内周の上部に直線部分を有する側面視略Ｄ型の形状を有する。穴２ｊの縦方向（すなわち，記録面と直交する方向）の径（すなわち，直線部分とこれに対向する円弧部分との間の径）ｓ１（図１４（Ａ）参照）は，スペーサ１３の直線部分とこれに対向する円弧部分との間の径ｓ２（図１５参照）と同程度または僅かに大きい程度であるが，横方向（すなわち，搬送方向）の径ｔ１（図１４（Ａ）参照）は，スペーサ１３の直径ｔ２（図１５参照）よりも大きくなっている。すなわち，穴２ｊは，側面視略Ｄ型の形状を有するが，被記録材の搬送方向に長い長穴となっている。
【０１５４】
第４の穴２ｋは，右側壁２ｄの側面から見て穴２ｊの手前側（すなわち，最浅部）であって，穴２ｊの周囲に形成された円形の丸穴である。この丸穴２ｋにおいて，穴２ｊが形成されている部分以外の部分は，穴２ｊの底面よりも一段高くなった平坦な底を有する。
このように，穴２ｉ，２ｊおよび２ｋは，３段構造となっており，穴２ｋの中に穴２ｊが形成され，さらに，穴２ｊの中に穴２ｉが形成されている。
【０１５５】
穴２ｋには，図１１，図１２，図１３および図１５に示すように，回動部材１４が装着される。回動部材１４は，穴２ｋに回動可能に嵌まり込む軸受部１４ａと，フック１４ｂと，第３のレバー状部材（可撓片）１４ｃとを備えている。
【０１５６】
軸受部１４ａは，穴２ｋとほぼ同形同大の円形の外周と，スペーサ１３が嵌まり込む円形の第５の穴１４０とを有する。この第５の穴１４０は，支持軸１０の大径部１０ａが貫通可能な大きさを有するとともに，スペーサ１３が貫通する貫通穴となっている。また，第５の穴１４０は，軸受部１４ａの外周に対して偏心している。
【０１５７】
フック１４ｂは，記録ヘッド２の右側壁２ｄに形成された円弧状のスリット２ｍと移動可能に係合し，回動部材１４が記録ヘッド２から外れないようにするものである。
【０１５８】
可撓片１４ｃは，その先端に形成された抓み１４ｄと，抓み１４ｄの根元部分に形成された挿通穴１４ｅと，可撓片１４ｃの裏面（側壁２ｄに接する面）に形成され，かつ，側壁２ｄに円弧状に形成された複数の目盛状溝２ｎに係脱する突起（図示せず）とを備えている。
【０１５９】
回動部材１４は，軸受部１４ａを穴２ｋに嵌め込むとともに，フック１４ｂをスリット２ｍの一端に形成された挿通口２０ｍに嵌め込むことにより，側壁２ｄに装着され，その後，回動により，所望の位置に調整される。回動操作は，抓み１４ｄを図１１において手前側に引っ張ることにより，可撓片１４ｃの裏側の突起が目盛状溝２ｎに係合しないようにした状態で行われる。回動後，抓み１４ｄの引っ張りを解除すると，裏側の突起が，目盛状溝２ｎの１つと係合する。
【０１６０】
これにより，目盛状溝２ｎが設けられた範囲内の任意の位置に回動部材１４（すなわちα角）を調整することができるとともに，調整後は，回動部材１４の不用意な回動を防止することができる。また，第３のレバー状部材（可撓片）１４を設けたことにより，回動操作が容易になり，微妙な角度調整も容易となる。なお，抓み１４ｄを手前に引っ張る操作は，挿通穴１４ｅに挿通させた針状の操作具を用いて行うこともできる。
【０１６１】
スペーサ１３は，その外周の一部に直線部分を有する側面視略Ｄ型の円筒状部材で構成されている。スペーサ１３は，軸受部１４ａの第５の穴１４０に嵌まり込むとともに，これを貫通して，側壁２ｄに形成された側面視略Ｄ型の穴２ｊに嵌まり込む。すなわち，スペーサ１３の外周の直線状部分は，側面視略Ｄ型の穴２ｊの直線状部分と一致して，この穴２ｊに嵌まり込む。スペーサ１３の外周の直線部分と穴２ｊの直線部分とが一致することにより，スペーサ１３の回動は抑止される。また，穴２ｊは底を有するので，スペーサ１３は，この底に当接して，その嵌まり込みが抑止される。一方，穴２ｊは，被記録材の搬送方向に長い長穴となっているので，スペーサ１３は，穴２ｊに沿って，被記録材の搬送方向に移動可能となっている。
【０１６２】
また，スペーサ１３は，支持軸１０の右偏心軸部１０ｃが貫通する右側の第６の穴１３ａを有する。穴１３ａの径は，スペーサ１３の外周の直線部分と平行な方向においては，偏心軸部１０ｃが貫通するように偏心軸部１０ｃの直径と同程度またはこれより僅かに大きい程度であるが，外周の直線部分と直交する方向においては，偏心軸部１０ｃが移動可能なように偏心軸部１０ｃの直径よりも長くなっている。前述したように，スペーサ１３は，その外周の直線部分が穴２ｊの直線部分と一致するように装着されるので，装着された状態において，穴１３ａは，記録面と直交する方向に長い長穴となる。したがって，穴１３ａにおいて，偏心軸部１０ｃは，記録面と直交する方向に移動可能であり，換言すると，記録ヘッド２は，偏心軸部１０ｃに対して，記録面と直交する方向に移動可能である。
【０１６３】
すなわち，右側の第６の穴１３ａは，前述した左側の第６の穴２ｆと同じく，記録面と直交する方向に長い長穴である。これにより，記録ヘッド２は，左偏心軸部１０ｂおよび右偏心軸部１０ｃに対して，記録面と直交する方向に移動可能となっている。この移動可能な構造は，後に詳述するペーパ・ギャップの調整（特にペーパ・ギャップの切り換え）において利用される。
【０１６４】
なお，第２の軸受部材を，第１の部材である回動部材１４と第２の部材であるスペーサ１３との２つの部材で構成することにより，キャリッジ１の組み立てを容易にすることができる。
【０１６５】
すなわち，回動部材１４は記録ヘッド２に装着されるので，その装着を容易にするためには，キャリッジ１の組み立てを，通常，第２の軸受部材を記録ヘッド２に装着後，記録ヘッド２をキャリッジ１に組み込み，その後，支持軸１０をキャリッジ１および記録ヘッド２に挿通させるという順序で行うのが好ましい。この順序においても，回動部材１４は，支持軸１０の大径部１０ａが挿通可能な大きさを有する穴１４０を有するので，問題なく，支持軸１０を挿通させることができる。そして，最後にスペーサ１３を，キャリッジ１の側壁１ｂに形成された穴５１を通して嵌め込むことにより，支持軸１０の軸受を完成することができる。
【０１６６】
一方，第１の部材である回動部材１４と第２の部材であるスペーサ１３とが一体して第２の軸受部材を構成している場合には，前記組み立ての順序では，支持軸１０を挿通させることができない。逆にいえば，支持軸１０の挿通後に第２の軸受部材を装着できるような構造を，記録ヘッド２が有する場合や，キャリッジ１および記録ヘッド２の双方またはいずれか一方が，前記組み立ての順序と異なる順序で組み立て可能な構成を有する場合には，必ずしも，第２の軸受部材を第１の部材と第２の部材との２つの部材により構成する必要はなく，１つの部材として一体的に構成してもよい。
【０１６７】
なお，後述するペーパ・ギャップの調整，特にペーパ・ギャップの切り換えを考慮すると，第２の軸受部材を，回動部材１４とスペーサ１３との２つの部材で構成する方が好ましい。これは，２つの部材により構成することにより、回動部材１４を回動させても，スペーサ１３の第６の穴１３ａの長穴方向を記録面と直交する方向に維持することができ，もって支持軸１０を記録面と垂直方向に移動可能とすることができるからである。
【０１６８】
図１５に示すように，軸受部１４ａに形成された第５の穴１４０の中心Ｐ１は，その外周の中心Ｐ０に対して距離ｅだけ偏心しており，偏心方向は，回動部材１４が目盛状溝２ｎの中央に係止している状態において，記録面と直交する上方向である。この状態において，回動部材１４を時計方向または反時計方向に回動させると，穴１４０に嵌め込まれたスペーサ１３は，この穴１４０とともに偏心運動を行う。偏心運動であるので，偏心穴は，図１５における左右方向（被記録材の搬送方向）および上下方向（記録面と直交する方向）の双方に変位し，これに伴い，スペーサ１３も，この双方に変位しようとする。
【０１６９】
しかし，スペーサ１３は，側壁２ｄの穴２ｊにより上下方向の変位が抑制されており，また，上下方向の変位は僅かであることから，軸受部１４ａおよびスペーサ１３の双方またはいずれか一方を弾性部材とすることにより，この僅かな変位は吸収される（仮にスペーサ１３が上下方向に僅かに変位しても，その変位は，縦長の穴１３ａによって，偏心軸部１０ｃを上下方向に変位させない）。したがって，スペーサ１３は，左右方向にのみ，それぞれ距離ｆの範囲内で変位する。すなわち，回動部材１４を時計方向および反時計方向に回動させると，これに対応して，スペーサ１３は左方向および右方向に距離ｆの範囲内でそれぞれ変位する。
【０１７０】
スペーサ１３の左右方向の変位に伴い，スペーサ１３により支持されている偏心軸部１０ｃも左右方向に，それぞれ距離ｆの範囲内で変位する。すなわち，偏心軸部１０ｃが記録ヘッド２を支持する位置は，左右方向に変位する。一方，偏心軸部１０ｃは，キャリッジ１に固定され，不動であるので，この変位は，キャリッジ１に対して記録ヘッド２を変位させるように働く。
【０１７１】
すなわち，記録ヘッド２は，図１２において，他方の偏心軸部１０ｂが記録ヘッド２を支持する点Ｔを中心に，キャリッジ１に対して，矢印ａの方向，すなわちα角の方向に回動変位する。具体的には，回動部材１４を時計方向および反時計方向に回動させると，これに対応して，記録ヘッド２は，図１２において，反時計方向および時計方向にそれぞれ回動する。このようにして，α角が調整され，印字品質の向上を図ることができる。
【０１７２】
また，記録ヘッド２をキャリッジ１に対して変位させることにより，α角を調整するので，主軸４および副軸５（図１および図２参照）がサイドフレームに固定されている記録装置においても，α角を調整することができる。さらに，第２の軸受部材である回動部材１４およびスペーサ１３を記録ヘッド２に設けたことにより，前述したβ角および後述するγ角により，記録ヘッド２の位置がキャリッジ１に対して変位する場合でも，これら他の角度の調整に影響を受けることなく，α角を精度良く調整することができる。
【０１７３】
なお，回動部材１４の回動操作（すなわち，α角の調整操作）は，通常，ユーザによっては行われず，工場において行われる。また，α角を調整する機構（回動部材１４，スペーサ１３およびそれらが嵌まりこむ穴）を，記録ヘッド２の側壁２ｄではなく，他方の側壁２ｃに設けてもよい。
【０１７４】
３．４．γ角の調整
γ角の調整は，固定板１１と，γ角調整レバー（第２のレバー状部材）１２と，支持軸１０とによって行われる。
図１６は，図４のIII−III断面図であり，図４と同様に，説明の便宜上，被記録材の記録面とこれに対向するヘッド面とが図面において水平になるように図示している。図１７はγ角の調整の様子を示す正面図であり，図１８はその右断面図である。
【０１７５】
記録ヘッド２には，天井壁２ｅが設けられている。この天井壁２ｅのヘッド部２ｂ側（図１６の下側）の端部中央には，ヘッド・バネ１９が取り付けられている（図１３および図１６参照）。ヘッド・バネ１９は，天井壁２ｅの上面側（外側）では１つの面として構成され，底面側（内側）では３つの枝に分かれて構成されている。ヘッド・バネ１９の上面側の面と，底面側の両端の２つの枝とは，天井壁２ｅを挟圧するように構成され，底面側の中央の１つの枝は，支持軸１０の切削部１０ｄの３面のうちの１つを付勢するように構成されている。ヘッド・バネ１９が切削部１０ｄ（すなわち支持軸１０）を付勢することにより，記録ヘッド２のぐらつきおよび支持軸１０の自由回転が抑止され，固定される。
【０１７６】
天井壁２ｅの他端（図１６における上端）の外側面は，キャリッジ１に設けられたキャリッジ・バネ２０およびバネ・キャップ４０により付勢され，一方，その内側面では，突出した突き当て２ｐが，固定板１１の当接部１１ａに当接する。すなわち，天井壁２ｅは，キャリッジ・バネ２０およびバネ・キャップ４０と，固定板１１とによって挟持されている。
【０１７７】
γ角調整レバー１２は，弾性部材により構成され，その裏面（固定板１１に接する面）に一体的に形成されたダボ１２ａおよび突起１２ｂと，ネジ２１ａおよび２１ｂによりそれぞれネジ止めされるネジ穴１２ｃおよび１２ｄと，抓み１２ｅと，針状操作具挿通用の穴１２ｆとを備えている。
【０１７８】
固定板１１は，記録面と垂直に形成され、天井壁２ｅの突き当て２ｐが当接する当接部１１ａと，当接部１１ａに垂直（すなわち記録面と平行）に一体形成されたレバー取り付け部１１ｄとを備えている。レバー取り付け部１１ｄには，ダボ１２ａが嵌まり込む穴１１ｂと，突起１２ｂが嵌まり込む穴１１ｃと，ネジ２１ａおよび２１ｂによりそれぞれネジ止めされるネジ穴（図示せず）とが形成されている。
【０１７９】
γ角調整レバー１２は，ネジ２１ａおよび２１ｂにより，固定板１１とともにキャリッジ１に取り付けられる。この取り付けにより，固定板１１の取り付け部１１ｄは，キャリッジ１本体に搬送方向に形成された，取り付け部１１ｄの横幅とほぼ同じ間隔を有する一対のリブ状突起１ｄ，１ｄの間に嵌め込まれる。
【０１８０】
γ角調整レバー１２のネジ穴１２ｃは，図１７において上下方向に長い長穴となっており，ネジ穴１２ｄは，円弧状の穴となっている。これにより，γ角調整レバー１２は，ダボ１２ａを中心に，これらのネジ穴１２ｃおよび１２ｄの範囲内で回動可能となっている。したがって，ネジ２１ａおよび２１ｂによるネジ止めは，γ角調整レバー１２が回動可能な程度の強さで行われるが，角度調整完了後，キャリッジ１の振動等による移動を防止するために，さらに強くネジ止めされてもよい。
【０１８１】
γ角調整レバー１２の抓み１２ｅの近傍裏側には，キャリッジ１に形成されたラチェット部１ｆと係脱する突起（図示せず）が，一体的に形成されている。γ角調整レバー１２は，弾性部材により構成されているので，抓み１２ｅを手前側に引っ張ることにより，その裏面にある突起がラチェット１ｆから外れ，回動可能となる。所望の位置に回動した後，抓み１６ｄの引っ張りを解除すると，前記突起がラチェット１ｆに係合する。これにより，ラチェット１ｆが設けられた範囲内の所望の位置にγ角調整レバー１２（すなわちγ角）を調整することができるとともに，調整後は，γ角調整レバー１２の不用意な回動を防止することができる。また，γ角調整レバー１２をレバー状部材とすることにより，回動操作が容易となり，また，γ角の微妙な調整が可能となる。
【０１８２】
なお，γ角調整レバー１２の回動操作は，針状操作具挿通用の穴１２ｆに挿通させた針状の操作具により行うこともできる。また，γ角調整レバー１２の回動操作（すなわち，γ角の調整操作）は，通常，ユーザによっては行われず，工場において行われる。
【０１８３】
固定板１１のネジ穴（図示せず）と，ダボ１２ａが嵌まり込む穴１１ｂとは，ともに，固定板１１が図１７における上下方向（搬送方向）に移動可能なように，上下方向に長い長穴である。一方，突起１２ｂが嵌まり込む穴１１ｃの径は，図１７における左右方向（往復動方向）には長いが，上下方向には突起と同程度の長さである。
【０１８４】
したがって，図１７において，γ角調整レバー１２を時計方向に回動させると，突起１２ｂは，固定板１１を下方向（搬送方向下流側）に移動させ，γ角調整レバー１２を反時計方向に回動させると，固定板１１を上方向（搬送方向上流側）に移動させる。固定板１１のレバー取り付け部１１ｄは，キャリッジ１本体の一対のリブ状突起１ｄ，１ｄの間に嵌まり込んでいるので，この固定板１１の移動は，このリブ状突起１ｄ，１ｄに沿って，すなわち搬送方向上下流側に沿って，平行に行われる。
【０１８５】
この固定板１１の平行移動により，固定板１１の当接部１１ａも，図１８に示すように平行移動する。当接部１１ａが平行移動すると，それに伴い，当接部１１ａとヘッド・バネ２０およびバネ・キャップ４０とによって挟持されている天井壁２ｅ（すなわち記録ヘッド２）は，支持軸１０を中心軸として回動する。このようにして，記録ヘッド２は，キャリッジ１に対して，支持軸１０を中心軸として回動して，γ角が調整され，その結果，ヘッド面と記録面との間の平行度が精度良く調整され，印字品質の向上が図られる。
【０１８６】
また，記録ヘッド２をキャリッジ１に対して変位させることにより，γ角を調整するので，主軸４および副軸５（図１および図２参照）がサイドフレームに固定されている記録装置においても，γ角を調整することができる。さらに，支持軸１０は，キャリッジ１に対して記録ヘッド２を支持できる強度を有する程度のものであれば良く，大型記録装置においても，大きな強度を有する構成とする必要はない。
【０１８７】
４．ペーパ・ギャップの調整
ペーパ・ギャップの調整（特にペーパ・ギャップの切り換え）は，支持軸１０を回動させることにより行われる。
図１２，図１３および図１４を参照しながら説明したように，支持軸１０の大径部１０ａは第２の穴２ｇおよび２ｉによって支持され，偏心軸部１０ｂおよび１０ｃは第６の穴２ｆおよび１３ａによって支持される。第２の穴２ｇおよび２ｉは，搬送方向に長い長穴であり，第６の穴２ｆおよび１３ａは記録面と直交する方向に長い長穴である。
【０１８８】
支持軸１０は偏心構造を有するので，その回動により偏心運動を行う。この偏心運動において，大径部１０ａは，第２の穴２ｇおよび２ｉにおいて，搬送方向には移動できるが，記録面と直交する方向には移動できない。一方，偏心軸部１０ｂおよび１０ｃは，第６の穴２ｆおよび１３ａにおいて，被記録材と直交する方向には移動できるが，搬送方向には移動できない。換言すると，記録ヘッド２は，第６の穴２ｆおよび１３ａにおいて，偏心軸部１０ｂおよび１０ｃに対して，被記録材と直交する方向には移動できるが，搬送方向には移動できない。
【０１８９】
すなわち，支持軸１０を回動させても，記録ヘッド２は，搬送方向においては，偏心軸部１０ｂおよび１０ｃに対して固定位置にあり，変位しない。他方，偏心軸部１０ｂおよび１０ｃは，キャリッジ１にも支持され，固定されている（図７参照）。この結果，支持軸１０を回動させても，記録ヘッド２は，キャリッジ１に対して，搬送方向には移動しない。
【０１９０】
一方，大径部１０ａは，第２の穴２ｇおよび２ｉにおいて，記録面と直交する方向には移動できないので，支持軸１０の回動による大径部１０ａの偏心運動は，記録ヘッド２に対して記録面と直交する方向に作用し，搬送方向には作用しない。すなわち，偏心運動による力は，キャリッジ１に対して，記録ヘッド２を上下させる力としてのみ作用する。また，前述したように，記録ヘッド２は，第６の穴２ｆおよび１３ａの構造により，キャリッジ１に支持固定された偏心軸部１０ｂおよび１０ｃに対しては，記録面と直交する方向に移動可能である。さらに，前述したように，記録ヘッド２は，その天井壁２ｅにおいて，記録面と直交する方向に設けられた固定板１１の当接部１１ａとキャリッジ・バネ２０（バネ・キャップ４０）とによって挟持されており，記録面と直交する方向にのみ移動するように規制されている（図１６参照）。
【０１９１】
この結果，支持軸１０を回動させると，記録ヘッド２は，キャリッジ１に対して，上下運動（すなわち，記録面と直交する方向の運動）のみを行うこととなり，これにより，記録面とヘッド面との間の距離，すなわちペーパ・ギャップが調整される。
【０１９２】
図１９は，ペーパ・ギャップが調整される様子を示している。支持軸１０の回動により，大径部１０ａがキャリッジ１に対して記録ヘッド２（すなわちヘッド部２ｂ）を上下させ，これにより，ペーパ・ギャップが調整される。
【０１９３】
図１６を参照しながら説明したように，支持軸１０の大径部１０ａには，３つの面を有する切削部１０ｄが形成され，この３つの面のいずれか１つをヘッド・バネ１９が付勢し，支持軸１０の回動を抑止している。したがって，本実施の形態では，ペーパ・ギャップを，これら３つに面に対応した３段階に調整することができる。特に，ペーパ・ギャップの切り換えに有効であり，たとえば，厚紙用ペーパ・ギャップと，厚紙と普通紙との間の中程度の厚紙用ペーパ・ギャップと，普通紙用ペーパ・ギャップとの３段階にペーパ・ギャップの切り換えを行うことができる。
【０１９４】
なお，切削面１０ｄを２面あるいは４面以上とすることにより，ペーパ・ギャップの切り換えも２段階あるいは４段階以上とすることができ，また，切削面の数が多くなるほど，ペーパ・ギャップの切り換えだけでなく，ペーパ・ギャップの微調整も行うことができる。
【０１９５】
このように，記録ヘッド２をキャリッジ１に対して変位させることにより，ペーパ・ギャップを調整するので，主軸４および副軸５（図１および図２参照）がサイドフレームに固定されている記録装置においても，ペーパ・ギャップを調整することができる。また，支持軸１０は，キャリッジ１に対して記録ヘッド２を支持できる強度を有する程度のものであれば良く，大型記録装置においても，大きな強度を有する構成とする必要はない。さらに，前述したＰＧ駆動ユニット１８（図４参照）も，キャリッジ１全体ではなく，そのうちの記録ヘッド２のみを上下させる程度の駆動力を有するもので足りる。
【０１９６】
次に，このペーパ・ギャップの調整を，ＰＧ駆動ユニット１８（図４参照）によって自動的に行う場合の処理について説明する。図２０は，ＰＧ駆動ユニット１８によるペーパ・ギャップ調整の処理の流れを示すフローチャートである。
【０１９７】
ペーパ・ギャップは，通常，工場において調整されるα角，β角およびγ角と異なり，被記録材に記録を行う直前に，被記録材の厚さを考慮して調整される。すなわち，キャリッジ１は，記録開始前に，図４に示す待機位置に置かれ，この時，前述したように，ＰＧ駆動ユニット１８によってペーパ・ギャップが調整される。
【０１９８】
ペーパ・ギャップは，記録開始前には，その初期値（デフォルト値）として，普通紙用ペーパ・ギャップ（最小のペーパ・ギャップ）に調整されている。
【０１９９】
大型記録装置の駆動制御部（図示せず）は，紙厚検出器（図示せず）からの紙厚検出信号，大型記録装置の入力装置（操作パネル：図示せず）からの第１の設定信号，または外部のコンピュータ，ワープロ等からの第２の設定信号に基づいて，被記録材の厚さが厚紙，中程度の厚紙，または普通紙のいずれの厚さであるかを判断する（ステップＳ１）。
【０２００】
紙厚検出信号ならびに第１および第２の設定信号のいずれか１つのみが与えられる場合もあるし，これらの２つ以上のものが与えられる場合もある。２つ以上のものが与えられ，それらの内容が矛盾する場合には，あらかじめ定められた優先順位の高い信号が優先的に選択される。
【０２０１】
信号の内容が厚紙であるならば（ステップＳ１において「厚紙」），駆動制御部は，ＰＧ駆動ユニット１８を駆動させて，支持軸１０を厚紙用の回転角だけ回動させ，ペーパ・ギャップを最大にする（ステップＳ２）。
【０２０２】
信号の内容が中程度の厚紙である場合には（ステップＳ１において「中程度」），同じくＰＧ駆動ユニット１８を駆動させて，支持軸１０を中程度の厚紙用の回転角だけ回動させ，ペーパ・ギャップを中程度にする（ステップＳ３）。
【０２０３】
信号の内容が普通紙である場合には，ペーパ・ギャップの調整は行われない。ペーパ・ギャップは，初期値として，普通紙のペーパ・ギャップにすでに調整されているからである。
【０２０４】
ペーパ・ギャップの調整が完了すると，続いて，記録（印刷）が行われる（ステップＳ４）。記録が終了すると，再び，キャリッジ１は，待機位置に戻り，ペーパ・ギャップの調整が行われる。駆動制御部は，記録開始前にペーパ・ギャップが普通紙以外のものに調整されている場合には，ＰＧ駆動ユニット１８を駆動させて，ペーパ・ギャップを普通紙のものに戻し，一方，普通紙のペーパ・ギャップに調整されている場合には，戻す必要はないので，ペーパ・ギャップの調整を行わない（ステップＳ５）。
【０２０５】
なお，ペーパ・ギャップの初期値を設けて，記録終了後にペーパ・ギャップを初期値に戻す操作は必ずしも必須ではない。たとえば，記録終了後，ペーパ・ギャップをそのままとし，かつ，そのペーパ・ギャップを記憶しておき，次の記録開始前に，この記憶されたペーパ・ギャップとこれから行う次の記録のペーパ・ギャップとを比較して，これらが異なる場合には，新たなペーパ・ギャップに調整し，同じ場合には，ペーパ・ギャップを調整することなく記録を開始することもできる。
【０２０６】
【発明の効果】
本発明によると，ガイド軸の支持位置を調整することなく，キャリッジに対する記録ヘッドの位置を変位させることにより，ペーパ・ギャップを調整し，記録面とヘッド面との間を適正な距離とすることができる。したがって，ガイド軸の支持位置を調整することができる記録装置においてはもちろんのこと，ガイド軸の支持位置を調整することができない記録装置においても，ペーパ・ギャップを調整し，記録面とヘッド面との間を適正な距離とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を適用した大型記録装置の記録部を示す模式的な斜視図である。
【図２】図１の記録部の正面図である。
【図３】記録ヘッドを被記録材の記録面と平行にするための調整角およびドット形成素子列を搬送方向と平行にするための調整角を示す。
【図４】キャリッジが待機位置に位置している時のキャリッジの詳細を示す正面図である。
【図５】キャリッジが待機位置に位置している時のキャリッジの詳細を示す右側面図である。
【図６】支持軸を示し，（Ａ）は斜視図，（Ｂ）は正面図，（ｃ）は側面図である。
【図７】図４のＩ−Ｉ断面図である。
【図８】（Ａ）は，第１の軸受部材の軸受部の拡大図であり，（Ｂ）は，図８（Ａ）のIV−IV断面図である。
【図９】（Ａ）および（Ｂ）は，支持軸の偏心軸部と，第１の穴と，第１の軸受部材の軸受部における回動部との関係を模式的に示す。
【図１０】（Ａ）は図９（Ａ）に対応する第１の軸受部材および記録ヘッドの位置を，（Ｂ）は図９（Ｂ）に対応する第１の軸受部材および記録ヘッドの位置を，それぞれ示す。
【図１１】図４のII−II断面図である。
【図１２】図１１のＶ−Ｖ断面図である。
【図１３】図１１のVI−VI断面図である。
【図１４】（Ａ）は記録ヘッドの右側面図，（Ｂ）は記録ヘッドの左側面図である。
【図１５】α角調整の様子を示す。
【図１６】図４のIII−III断面図である。
【図１７】γ角の調整の様子を示す正面図である。
【図１８】γ角の調整の様子を示す右断面図である。
【図１９】ペーパ・ギャップが調整される様子を示す。
【図２０】ＰＧ駆動ユニットによるペーパ・ギャップ調整の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
１ キャリッジ
２ 記録ヘッド
２ｆ，１３ａ 第６の穴
２ｇ，２ｉ 第２の穴
２ｊ 第７の穴
２ｋ 第４の穴
１０ 支持軸
１０ａ 支持軸１０の大径部
１０ｂ，１０ｃ 支持軸１０の偏心軸部
１０ｄ 支持軸１０の切削部
１１ 固定板
１２ γ角調整レバー
１３ スペーサ
１４ 回動部材
１５，１６ 第１の軸受部材
１７ 従動歯車
１８ ＰＧ駆動ユニット
１８ａ 駆動モータ
１８ｂ 太陽歯車機構
１８ｃ，１８ｄ 遊星歯車機構
１９ ヘッド・バネ
５１ 第１の穴
１４０ 第３の穴[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a carriage used in a recording apparatus such as a printer, a facsimile machine, and a copying machine, and in particular, a guide shaft that should be arranged in parallel to the recording surface of the recording material and orthogonal to the conveyance direction of the recording material. The present invention relates to a carriage provided with a recording head that reciprocates and is recorded on the recording surface of the recording material.
[0002]
The present invention also relates to a recording apparatus including the carriage.
[0003]
[Prior art]
In recording apparatuses such as printers, facsimiles, and copiers, in general, in order to improve recording quality, a recording surface of a recording material (such as paper) and a surface facing the recording material in a recording head (hereinafter referred to as a recording material) The degree of parallelism with the “head surface”) is preferably adjusted with high accuracy.
[0004]
Similarly, in order to improve the recording quality, the degree of parallelism between a dot forming element (for example, nozzle) row (referred to as a dot forming element row arranged in the carrying direction) provided on the head surface and the carrying direction. Is preferably adjusted with high accuracy.
[0005]
The parallelism between the recording surface and the head surface is adjusted by making two of the angles shown in FIG. 3 as zero as possible. That is, of the angles formed by the head surface of the recording head 2 provided on the carriage and the recording surface of the recording material 22, the first angle in the reciprocating direction of the carriage (main scanning direction: Y axis) (hereinafter, “ and the second angle (hereinafter also referred to as “γ angle”) in the conveyance direction of the recording material (sub-scanning direction: X axis) among the angles formed by the head surface and the recording surface. Is adjusted to zero as much as possible.
[0006]
Further, the parallelism between the dot forming element array and the transport direction is the third angle formed by the dot forming element array and the transport direction in FIG. 3 (in FIG. 3, the front surface of the recording head perpendicular to the dot forming element array). And the reciprocating direction is shown in the figure, and is also referred to as “α angle” below).
[0007]
Furthermore, in order to improve the recording quality, the paper gap is set so that the distance between the recording surface and the head surface (hereinafter referred to as “paper gap” or simply “PG”) is maintained properly. It is preferable that fine adjustment is possible. In order to appropriately record on a recording material having various thicknesses such as thick paper and thin paper, it is preferable that the paper gap can be adjusted according to the thickness of the recording material. In the following, both the fine adjustment of the paper gap and the adjustment according to the thickness of the recording material are collectively referred to as “paper gap adjustment”. When only the former fine adjustment is referred to, the “paper gap” is referred to. "Fine adjustment of the paper", and the latter adjustment only according to the thickness of the recording material is called "paper gap switching".
[0008]
A recording apparatus for recording on a normal size recording material such as A3 size, A4 size, B4 size, B5 size, etc. has a structure in which side frames provided in the recording device support both ends of a guide shaft for guiding a carriage. It has become. For adjusting the β angle, as shown in Japanese Patent Laid-Open No. 8-300769, an adjustment member is provided at a support position in the side frame of the guide shaft, and the support position of the guide shaft is displaced by this adjustment member. It is done by.
[0009]
Further, the γ angle is generally adjusted by a carriage support structure (for example, adjustment of mounting positions of the guide shaft and the slider shaft).
[0010]
On the other hand, the α angle is adjusted by a spacer having an appropriate thickness interposed between the carriage and the recording head or an eccentricity attached to the carriage side, as disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 8-258369. It is done by cam.
[0011]
Further, the adjustment of the paper gap is performed by displacing the support position of the guide shaft in the side frame, as disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 8-300769.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
However, in a large recording apparatus that records on a recording material having a large width such as A2 or larger, for example, the guide shaft for guiding the carriage becomes longer and the carriage becomes larger, so the weight of the carriage and the guide shaft itself The weight increases the deflection of the guide shaft, which causes the recording quality to deteriorate. Therefore, as a structure for suppressing this bending, in general, the guide shaft is fixedly supported by the side frame without supporting the both ends of the guide shaft by the side frame, and both ends of the guide shaft are supported by the side frame. It is conceivable to have a structure protruding from.
[0013]
On the other hand, when the intermediate portion of the guide shaft is fixedly supported by the side frame as described above, adjustment members are provided at the support positions at both ends of the guide shaft as in the above-described normal recording apparatus. Therefore, the β angle and the paper gap cannot be adjusted, and the γ angle cannot be adjusted by the support structure of the carriage.
[0014]
In addition, it is conceivable to adjust by providing an adjustment member at the support position in the middle portion of the guide shaft in the side frame, but the strength of the adjustment member and the adjustment accuracy become a problem due to the weight of the guide shaft and the weight of the carriage. .
[0015]
Furthermore, the conventional adjustment of the α angle is based on the premise that the β angle and the paper gap are adjusted by adjusting the support position of the guide shaft as in the normal recording apparatus described above. In a recording apparatus that does not, it is difficult to use this conventional α angle adjustment.
[0016]
The problem of the present invention is that the parallelism between the recording surface and the head surface can be adjusted without adjusting the support position of the guide shaft, so that the deterioration of the recording quality can be prevented even when used in a large recording apparatus. An object is to provide a carriage and a recording apparatus including the carriage.
[0017]
Another object of the present invention is to make it possible to adjust the parallelism between the dot forming element array and the transport direction in such a carriage and recording apparatus.
[0018]
Furthermore, an object of the present invention is to provide a carriage capable of adjusting the paper gap so that the paper gap is properly maintained without adjusting the support position of the guide shaft, a paper gap adjusting device for the carriage, and An object of the present invention is to provide a recording apparatus including the carriage.
[0019]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the carriage according to the first aspect of the present invention has a guide shaft that is arranged parallel to the recording surface of the recording material and orthogonal to the conveyance direction of the recording material. A carriage that is guided and reciprocates and has a recording head for recording on the recording surface of the recording material, the recording head being displaceable in a direction perpendicular to the recording surface with respect to the carriage Support means for supporting, and the support means is disposed in parallel with the recording surface of the recording material, and further includes a support shaft that rotatably passes through the carriage and the recording head. It has a columnar central portion and a columnar end portion that is eccentric to the central portion, the central portion supports the recording head, and the end portion is supported by the carriage. The recording head has a second hole through which the center portion of the support shaft passes and a sixth hole through which the end portion of the support shaft passes, and the second hole is orthogonal to the recording surface. The sixth hole has a diameter that is approximately the same as that of the central portion of the support shaft in the direction, and is longer than the diameter of the central portion of the support shaft in the transport direction. It is a long hole having the same diameter as the end of the support shaft in the transport direction and having a diameter longer than the diameter of the end of the support shaft in the direction perpendicular to the recording surface. It is characterized by that.
[0020]
According to the present invention, the carriage is reciprocated by being guided by a guide shaft to be arranged parallel to the recording surface of the recording material and orthogonal to the conveyance direction of the recording material, and is provided in the carriage. Recording is performed on the recording surface of the recording material by a recording head. The supporting means displaces the recording head with respect to the carriage in a direction perpendicular to the recording surface.
[0021]
As a result, the paper gap can be adjusted by displacing the position of the recording head with respect to the carriage without adjusting the support position of the guide shaft, and an appropriate distance between the recording surface and the head surface can be obtained. . Therefore, not only in a recording apparatus that can adjust the support position of the guide shaft, but also in a recording apparatus that cannot adjust the support position of the guide shaft, the paper gap is adjusted so that the recording surface and the head surface An appropriate distance can be set between the two.
[0022]
In addition, since the support means is configured to displace the recording head in the direction perpendicular to the recording surface with respect to the carriage, the supporting means can be strong enough to support only the weight of the recording head. This makes it possible to cope with an increase in the size of the recording apparatus and an increase in the size of the recording head.
The “direction perpendicular to the recording surface” includes both a direction away from the recording surface and a direction approaching the recording surface.
[0023]
In the carriage according to the first aspect of the present invention, the support means is further disposed in parallel with the recording surface of the recording material, and has a support shaft that rotatably passes through the carriage and the recording head. The support shaft has a cylindrical central portion and a cylindrical end portion eccentric to the central portion, the central portion supports the recording head, and the end portion is attached to the carriage. It is characterized by being supported.
[0024]
According to the present invention, the support means includes a support shaft, the support shaft passes through the carriage and the recording head in a rotatable manner, supports the recording head at its cylindrical central portion, and is eccentric with respect to the central portion. The cylindrical end is supported by the carriage. Since the support shaft has a structure in which the end portion supported by the carriage is eccentric with respect to the central portion supporting the recording head, the recording head can be displaced with respect to the carriage by rotating the supporting shaft. it can. In addition, the paper gap can be adjusted by a simple operation such as a turning operation.
[0025]
This application Claim 1 The carriage according to the invention described in More The recording head has a second hole through which the center portion of the support shaft passes and a sixth hole through which the end portion of the support shaft passes, and the second hole is orthogonal to the recording surface. The sixth hole has a diameter that is approximately the same as that of the central portion of the support shaft in the direction, and is longer than the diameter of the central portion of the support shaft in the transport direction. The present invention is characterized in that the transporting direction is a slot having the same diameter as that of the end of the support shaft, and the direction perpendicular to the recording surface is longer than the diameter of the end of the support shaft. To do.
[0026]
According to the present invention, since the second hole and the sixth hole are configured as described above, the center portion of the support shaft is moved to the second position by the turning operation of the support shaft having the end portion eccentric to the center portion. The recording head moves upstream and downstream in the transport direction but does not move in the direction orthogonal to the recording surface. On the other hand, the recording head in the sixth hole It moves in the orthogonal direction, but does not move upstream or downstream in the transport direction.
[0027]
Here, since the end portion of the support shaft is supported by the carriage, even if the support shaft is rotated, the recording head moves relative to the carriage by the structure of the sixth hole through which the end portion of the support shaft passes. There is no displacement upstream and downstream in the transport direction. On the other hand, when the support shaft is rotated, the recording head is displaced in the direction perpendicular to the recording surface with respect to the carriage due to the structure of the second hole through which the central portion of the support shaft passes.
[0028]
As a result, only the paper gap can be adjusted, and the side effect that the recording head moves in other directions such as the upstream and downstream sides in the transport direction can be avoided as the paper gap is adjusted.
[0029]
This application Claim 2 The carriage according to the invention described in Claim 1 In the second hole, a second bearing member made up of a first member and a second member is mounted in the second hole, and the first member is inserted into a fourth hole formed in the recording head. The second member is fitted and has a fifth hole having a size through which a central portion of the support shaft can pass, the second member being It fits into the 5th hole, and has the said 6th hole, It is characterized by the above-mentioned.
[0030]
According to the present invention, since the fifth hole of the first member is sized so that the central portion of the support shaft can pass, the support shaft can be inserted into the recording head even after the first member is mounted. it can. Thus, after the first member is mounted in the fourth hole, the recording head can be attached to the carriage, and then the support shaft can be inserted and the second member can be mounted in the fifth hole. Assembling becomes easy.
[0031]
This application Claim 3 The carriage according to the invention described in Claim 2 The second member has a substantially D-shaped side view in which a part of the outer periphery thereof is linear, and the fifth hole is fitted with the second member, and , And has a structure that penetrates, and in the vicinity of the second hole, the second member passes through the fifth hole and comes into contact with the recording head so as to be fitted into the recording head. A seventh hole of the mold is formed.
[0032]
According to the present invention, the shape of the second member is substantially D-shaped when viewed from the side, and the second member penetrates the fifth hole and contacts the recording head around the second hole. Since the seventh hole having a substantially D shape in side view is formed so as to be fitted, the rotation of the second member accompanying the rotation operation of the support shaft can be suppressed. Accordingly, the sixth hole formed in the second member always has the same diameter as the end of the support shaft in the transport direction, and the end of the support shaft in the direction perpendicular to the recording surface. It can be maintained in the state of a long hole having a diameter longer than the diameter of.
[0033]
This application Claim 4 The carriage according to the invention described in Claims 1 to 3 In any one of the above, at least a part of the cylindrical surface of the central portion of the support shaft has a plurality of planes along a circumferential direction, and the recording head has at least one of the plurality of planes. The second urging means for urging is provided.
[0034]
According to the present invention, since the second urging means urges at least one of the planes on the cylindrical surface of the central portion of the support shaft, the rotation of the support shaft is stepwise for each of the plurality of surfaces. At the same time, the rotation of the support shaft stops in a state where the second urging means urges the surface. Therefore, the paper gap can be switched in stages, and the recording head can be stopped at the position switched in stages. Further, since the support shaft is biased by the second biasing means, wobbling of the support shaft itself can be prevented.
[0035]
This application Claim 5 The recording device according to the invention described in Claims 1 to 4 The carriage according to any one of the above is provided.
[0036]
As a result, this recording apparatus can also achieve the same effects as those of the first to sixth aspects of the invention, and as a result, can improve the recording quality. In particular, the recording quality can be improved in a large recording apparatus.
[0037]
Regarding the present invention, there are the following related inventions.
The carriage according to the first related invention is reciprocated while being guided by a guide shaft to be arranged in parallel with the recording surface of the recording material and perpendicular to the conveyance direction of the recording material, and A carriage having a recording head for recording on a recording surface of a material, wherein an angle formed by a head surface of the recording head facing the recording surface and the recording surface in a reciprocating direction of the carriage A first angle adjusting means for displacing the recording head relative to the carriage in a first angle direction is provided.
[0038]
According to the present invention, the carriage is reciprocated by being guided by a guide shaft to be arranged parallel to the recording surface of the recording material and orthogonal to the conveyance direction of the recording material, and is provided in the carriage. Recording is performed on the recording surface of the recording material by a recording head. Then, the first angle adjusting means causes the recording head to move in the direction of the first angle (β angle) in the reciprocating direction of the carriage among the angles formed by the head surface and the recording surface with respect to the carriage. Displace.
[0039]
Thus, the first angle can be adjusted and the parallelism between the recording surface and the head surface can be adjusted by adjusting the position of the recording head with respect to the carriage without adjusting the support position of the guide shaft. it can. Accordingly, not only in a recording apparatus that can adjust the support position of the guide shaft, but also in a recording apparatus that cannot adjust the support position of the guide shaft, the first angle is adjusted, and the recording surface and the head surface are adjusted. The parallelism between can be adjusted.
[0040]
Further, since the first angle adjusting means is configured to displace the recording head with respect to the carriage, the first angle adjusting means only needs to have a strength capable of supporting only the weight of the recording head. However, even if the recording head becomes larger and the recording head becomes larger, the deterioration of the adjustment accuracy due to its weight hardly poses a problem.
The direction of the first angle (β angle) includes both a positive angle direction and a negative angle direction.
[0041]
A carriage according to a second related invention is the carriage according to the first related invention, wherein the first angle adjusting means is disposed substantially parallel to the guide shaft and passes through the carriage and the recording head. At least one of a support shaft for supporting the recording head and a first hole formed at a position where the support shaft passes through the carriage supports and supports an end portion of the support shaft. And a first bearing member whose position is adjustable in a direction perpendicular to the recording surface.
[0042]
According to the present invention, the support shaft disposed substantially parallel to the guide shaft supports the recording head with respect to the carriage through the carriage and the recording head. The first bearing member is provided in a first hole formed at a position where the support shaft passes through the carriage, and supports the end portion of the support shaft. When the position where the first bearing member supports the support shaft is adjusted in the direction perpendicular to the recording surface, the position of the recording head supported by the support shaft is also perpendicular to the recording surface with respect to the carriage. Adjusted, thereby adjusting the first angle.
[0043]
As described above, the position for supporting the support shaft moves only in the direction orthogonal to the recording surface, and the position of the recording head relative to the carriage is adjusted only in the direction orthogonal to the recording surface. Only the first angle (β angle) can be adjusted without changing the γ angle, and the side effect that other angles change with the adjustment of the first angle can be prevented. Further, the first angle can be easily adjusted with a small number of parts such as the support shaft and the bearing member.
[0044]
The carriage according to a third related invention is the carriage according to the second related invention, wherein at least one of the first holes has a linear contact side extending in a direction orthogonal to the recording surface, The first bearing member is formed of an elastic member that is fitted in the hole so as to be rotatable, supports an end portion of the support shaft, and presses the end portion of the support shaft against the contact side. It is characterized by being.
[0045]
According to the present invention, the first bearing member is made of an elastic member, and the end of the support shaft is pressed against the linear contact side of the first hole by the elasticity. Therefore, when the first bearing member is rotated, the end portion of the support shaft moves along the linear contact side. As a result, the first angle can be adjusted simply by rotating the first bearing member, and the end of the support shaft moves only in the direction perpendicular to the recording surface, making adjustment easy. Become.
[0046]
The carriage according to a fourth related invention is the carriage according to the third related invention, wherein the first hole is connected to the second side facing the contact side, and the contact side and the second side. A pair of opposing third sides, an end of the support shaft having a first arcuate surface that contacts the contact side, and the first bearing member includes the second side And a pair of third arc surfaces that abut each of the third sides.
[0047]
According to the present invention, as the first bearing member rotates, the support shaft slides with its first arc surface abutting against the abutting side, and the first bearing member moves with its second arc surface. Since the second side and the third arcuate surface are in contact with and slide on the third side, the rotation operation is performed smoothly.
[0048]
In a carriage according to a fifth related invention, in the fourth related invention, the second arc surface is an arc surface concentric with the center of the first arc surface, and the pair of third arc surfaces are , Arc centers having the same center and the same radius of curvature, the center of the first arc surface being O 1 , Radius of curvature R 1 , The radius of curvature of the second arc surface is R 2 , The center of the third arc surface is O 3 , Radius of curvature R 3 , The center O of the first arc surface 1 And the center O of the third arc surface 3 When the distance between and is A, R 1 + R 2 = 2R 3 And R 3 -R 1 = A is established.
[0049]
According to the present invention, since the support shaft and the first bearing member are configured in this way, when the first bearing member is rotated, the center O of the third arcuate surface is obtained. 3 While moving in the direction perpendicular to the abutment side, the center O of the first arc surface at the end of the support shaft 1 Will move parallel to the abutment side. Since the linear contact edge extends in a direction orthogonal to the recording surface, the end of the support shaft moves only in the direction orthogonal to the recording surface. That is, even if the first bearing member is not necessarily composed of an elastic member, the parallelism between the recording surface and the support shaft can be adjusted by rotating the first bearing member, and the support is supported. Since the end of the shaft moves only in the direction perpendicular to the recording surface, the first angle can be easily adjusted.
[0050]
A carriage according to a sixth related invention is the carriage according to any one of the third to fifth related inventions, wherein the first bearing member is a first lever-like member that rotates the first bearing member. It is characterized by having.
Accordingly, the first angle can be easily adjusted by rotating the first lever-like member, and the parallelism between the recording surface and the head surface can be easily adjusted.
[0051]
A carriage according to a seventh related invention is the carriage according to any one of the first to sixth related inventions, wherein the first bearing member is provided in each of the two first holes. It is characterized by that.
[0052]
According to the present invention, since the first bearing member is provided in each of the two first holes, the support shaft is made parallel to the recording surface by simultaneously adjusting the two first bearing members. The supporting position can be displaced in the direction orthogonal to the recording surface while maintaining. As a result, the recording head can be adjusted in a direction orthogonal to the recording surface while maintaining the recording surface and the head surface in parallel, that is, the paper gap can be adjusted.
[0053]
A recording apparatus according to an eighth related invention includes the carriage according to any one of the first to seventh related inventions.
As a result, this recording apparatus can achieve the same effects as those of the first to seventh related inventions, and as a result, the recording quality can be improved. In particular, the recording quality can be improved in a large recording apparatus.
[0054]
A carriage according to a ninth related invention is reciprocated while being guided by a guide shaft to be arranged in parallel with a recording surface of the recording material and perpendicular to the conveyance direction of the recording material, and A carriage having a recording head for recording on a recording surface of a material, the transport direction of the recording material out of an angle formed by the head surface of the recording head facing the recording surface and the recording surface And a second angle adjusting means for displacing the recording head with respect to the carriage in the second angle direction.
[0055]
According to the present invention, the carriage is reciprocated by being guided by a guide shaft to be arranged parallel to the recording surface of the recording material and orthogonal to the conveyance direction of the recording material, and is provided in the carriage. Recording is performed on the recording surface of the recording material by a recording head. Then, the second angle adjustment means is a direction of a second angle (γ angle) in the recording material conveyance direction among the angles formed by the head surface and the recording surface with respect to the carriage. Displace to.
[0056]
Accordingly, the second angle can be adjusted by adjusting the position of the recording head with respect to the carriage without depending on the carriage support structure, and the parallelism between the recording surface and the head surface can be adjusted. Therefore, the parallelism between the recording surface and the head surface is adjusted not only in the recording device that can adjust the support structure of the guide shaft, but also in the recording device that cannot adjust the support structure of the guide shaft. can do.
[0057]
Further, since the second angle adjusting means is configured to displace the recording head with respect to the carriage, the second angle adjusting means only needs to have a strength capable of supporting only the weight of the recording head. However, even if the recording head becomes larger and the recording head becomes larger, the deterioration of the adjustment accuracy due to its weight hardly poses a problem.
The direction of the second angle (γ angle) includes both a positive angle direction and a negative angle direction.
[0058]
A carriage according to a tenth related invention is the carriage according to the ninth related invention, wherein the second angle adjusting means is disposed substantially parallel to the guide shaft, and both the carriage and the recording head are arranged. A support shaft for rotatably supporting the recording head with respect to the carriage; a first rotating means for rotating the recording head about the support shaft; and the first rotation. Fixing means for fixing rotation of the recording head by means at a desired angle.
[0059]
According to the present invention, the support shaft disposed substantially parallel to the guide shaft passes through both the carriage and the recording head and supports the recording head so as to be rotatable with respect to the carriage. The first rotation means rotates the recording head relative to the carriage with the support shaft as a rotation axis, and the fixing means fixes the rotation of the recording head at a desired angle. Since the recording head is rotated and fixed with respect to the carriage with a support shaft disposed substantially parallel to the guide shaft as a rotation shaft, the second angle (γ angle) is adjusted.
[0060]
In addition, since the second angle is adjusted by this turning operation, only the second angle (γ angle) can be adjusted without changing other angles (α angle and β angle). It is possible to prevent the side effect that other angles change as the angle 2 is adjusted. Furthermore, the second angle can be adjusted by a simple operation of a turning operation and fixing the turning.
[0061]
A carriage according to an eleventh related invention is the carriage according to the tenth related invention, wherein the first rotating means includes first urging means for urging in contact with the recording head, and The means includes an abutting means for abutting against the recording head against the urging force of the first urging means.
[0062]
According to the present invention, the first rotating means can be constituted by the first urging means, and the fixing means can be constituted by the abutting means, so that the second angle adjusting means is constituted with a small number of parts. Can do.
[0063]
A carriage according to a twelfth related invention is the carriage according to the tenth or eleventh related invention, wherein the fixing means includes a second lever-shaped member.
According to the present invention, since the fixing position can be adjusted by the second lever-shaped member, the second angle can be easily finely adjusted.
[0064]
A recording apparatus according to a thirteenth related invention includes the carriage according to any one of the ninth to twelfth related inventions.
As a result, this recording apparatus can achieve the same effects as the ninth to twelfth related inventions, and as a result, the recording quality can be improved. In particular, the recording quality can be improved in a large recording apparatus.
[0065]
A carriage according to a fourteenth related invention is reciprocated while being guided by a guide shaft to be arranged in parallel to a recording surface of a recording material and orthogonal to a conveyance direction of the recording material, and A carriage having a recording head for recording on a recording surface of a material, wherein the recording head has a dot forming element array provided on the recording head and a transport direction of the recording material with respect to the carriage. And a third angle adjusting means for displacing the recording head in the direction of the third angle formed.
[0066]
According to the present invention, the carriage is reciprocated by being guided by a guide shaft to be arranged parallel to the recording surface of the recording material and orthogonal to the conveyance direction of the recording material, and is provided in the carriage. Recording is performed on the recording surface of the recording material by a recording head. The third angle adjusting means provided in the recording head includes a third angle adjusting unit formed by the dot forming element array provided in the recording head and the conveyance direction of the recording material with respect to the carriage. It is displaced in the direction of the angle (α angle).
[0067]
Thus, according to the present invention, the third angle adjusting means is provided in the recording head. Therefore, as described above, by adjusting the position of the recording head with respect to the carriage, even in the carriage that adjusts the first angle and the second angle, the influence of the adjustment of the first angle and the second angle is affected. Without being received, the third angle can be accurately adjusted, and the parallelism between the dot forming element array and the recording material conveyance direction can be adjusted.
The direction of the third angle (α angle) includes both a positive angle direction and a negative angle direction.
[0068]
A carriage according to a fifteenth related invention is the carriage according to the fourteenth related invention, wherein the third angle adjusting means is arranged substantially parallel to the guide shaft and is formed on the recording head. The support shaft that supports the recording head with respect to the carriage through the hole, and the support shaft that supports the support shaft in the second hole, and the support position is on the downstream side in the conveyance direction of the recording material. And a second bearing member that can be adjusted.
[0069]
According to the present invention, the support shaft disposed substantially parallel to the guide shaft supports the recording head with respect to the carriage through the second hole formed in the recording head. The second bearing member is mounted in the second hole and supports the support shaft. When the position at which the second bearing member supports the support shaft is adjusted to the downstream side in the conveyance direction of the recording material, the recording head supported by the support shaft causes the support shaft to move in the other second hole. With the point being supported as a fulcrum, it rotates in the direction of the α angle relative to the carriage, thereby adjusting the third angle.
[0070]
As described above, the third angle (α angle) is adjusted by moving the position supported by the support shaft to the upstream and downstream sides in the transport direction, so that other angles (β angle and γ angle) can be changed. Without adjustment, only the third angle can be adjusted.
[0071]
A carriage according to a sixteenth related invention is the carriage according to the fifteenth related invention, wherein the second hole has a diameter approximately equal to that of the support shaft in a direction orthogonal to the recording surface, The second bearing member moves the support shaft in the longitudinal direction of the second hole so that the third angle is set to a third angle. It is a thing to adjust.
[0072]
According to the present invention, the third hole can be adjusted by moving the support shaft in the longitudinal direction of the long hole by making the second hole a long hole in the conveying direction and the second bearing member moves in the longitudinal direction of the long hole. The third angle can be adjusted with a simple configuration.
[0073]
A carriage according to a seventeenth related invention is the carriage according to the sixteenth related invention, wherein the second bearing member is a circular outer periphery, is eccentric with respect to the outer periphery, and the support shaft passes through the carriage. A circular third hole for supporting a support shaft, and the recording head has a fourth hole around which the second bearing member is rotatably fitted. Features.
[0074]
According to the present invention, the second bearing member fits into the fourth hole formed around the second hole of the recording head and rotates. Further, the third hole of the second bearing member is a hole eccentric with respect to the circular outer periphery, and supports the support shaft. On the other hand, the support shaft is also supported by a second hole formed in the recording head. Therefore, by rotating the second bearing member, the position at which the support shaft is supported by the second hole and the eccentric third hole is the longitudinal direction of the second hole, that is, the upstream and downstream sides in the transport direction. Thus, the third angle is adjusted. Thus, the third angle can be adjusted with a simple member called an eccentric member having a hole eccentric to the outer periphery.
[0075]
A carriage according to an eighteenth related invention is the carriage according to the sixteenth related invention, wherein the second bearing member includes a first member and a second member, and the first member is a circular member. An outer periphery, and a circular fifth hole that is eccentric with respect to the outer periphery and through which the support shaft can pass, the second member is fitted into the hole of the first member, and The support shaft is provided with a third hole that supports the support shaft, and the recording head is fitted around the second hole so that the first member can rotate. It has the 4th hole to insert, It is characterized by the above-mentioned.
[0076]
According to the present invention, the first member of the second bearing member fits into the fifth hole formed around the second hole of the recording head and rotates. The second member of the second bearing member is fitted into the eccentric fifth hole of the first member and supports the support shaft. On the other hand, the support shaft is also supported by a second hole formed in the recording head. Therefore, when the first member is rotated, the position of the second member and the support position of the support shaft are determined by the second hole and the eccentric fifth hole so that the longitudinal direction of the second hole, that is, the transport direction. It is displaced upstream and downstream, whereby the third angle is adjusted. Thus, the third angle can be adjusted with a simple member that is eccentric with respect to the outer periphery and has a hole.
[0077]
In addition, since the second bearing member is constituted by the first member and the second member, and the fifth hole of the first member is a circular member through which the support shaft can pass, the first member After mounting, the support shaft is passed through the fifth hole (that is, the recording head) of the first member, and then the second member can be mounted, and the carriage can be easily assembled. This is particularly effective when using a support shaft whose center is thicker than the end.
[0078]
According to a nineteenth related invention, the carriage according to the eighteenth related invention is characterized in that the first member includes a third lever-shaped member. According to the present invention, since the rotation operation can be performed by the third lever-like member, the rotation operation can be easily performed.
[0079]
A recording apparatus according to a twentieth related invention includes the carriage according to any one of the fourteenth through nineteenth related inventions.
As a result, this recording apparatus can also achieve the same effects as the fourteenth to nineteenth related inventions, and as a result, the recording quality can be improved. In particular, the recording quality can be improved in a large recording apparatus.
[0080]
The paper / gap adjusting apparatus according to the twenty-first related invention is reciprocated while being guided by a guide shaft that is arranged in parallel to the recording surface of the recording material and perpendicular to the conveyance direction of the recording material. , A paper gap adjustment device for a carriage having a recording head for recording on the recording surface of the recording material, comprising displacement means for displacing the recording head in a direction perpendicular to the recording surface. Features.
[0081]
According to the present invention, the carriage is reciprocated by being guided by a guide shaft to be arranged parallel to the recording surface of the recording material and orthogonal to the conveyance direction of the recording material, and is provided in the carriage. Recording is performed on the recording surface of the recording material by a recording head. The displacement means displaces the recording head in a direction orthogonal to the recording surface.
[0082]
As a result, the paper gap is adjusted by displacing the position of the recording head without adjusting the support position of the guide shaft, so that an appropriate distance between the recording surface and the head surface can be obtained. Therefore, not only in a recording apparatus that can adjust the support position of the guide shaft, but also in a recording apparatus that cannot adjust the support position of the guide shaft, the paper gap is adjusted so that the recording surface and the head surface An appropriate distance can be set between the two.
[0083]
In addition, since the displacement means is configured to displace the recording head in the direction perpendicular to the recording surface, the displacement means can be strong enough to support only the weight of the recording head. It is possible to cope with an increase in the size of the recording apparatus and an increase in the size of the recording head.
The “direction perpendicular to the recording surface” includes both a direction away from the recording surface and a direction approaching the recording surface.
[0084]
A paper gap adjusting device according to a twenty-second related invention is the paper gap adjusting device according to the twenty-first related invention, wherein the displacing means is arranged in parallel with the recording surface of the recording material and the carriage And a support shaft passing through the recording head in a rotatable manner, and a second rotating means for rotating the support shaft, the support shaft being eccentric with respect to the central portion. A cylindrical end portion, the central portion supports the recording head, and the end portion is supported by the carriage.
[0085]
According to the present invention, the support shaft supports the recording head at the center of the columnar shape, and the end of the columnar shape is supported by the carriage. And the 2nd rotation means rotates this support shaft. Since the support shaft has a structure in which the end portion is eccentric with respect to the center portion, the recording head is displaced with respect to the carriage by the rotation of the support shaft. As a result, the recording head can be displaced relative to the carriage, and the paper gap can be adjusted.
[0086]
A paper gap adjusting device according to a twenty-third related invention is the paper gap adjusting device according to the twenty-second related invention, wherein the second rotating means is provided separately from the carriage, and The carriage is arranged at a position to rotate the support shaft when the carriage returns to the standby position.
[0087]
According to the present invention, since the second rotating means is provided separately from the carriage, the weight of the carriage can be reduced. Further, since the second rotating means is arranged at a position where the support shaft is rotated when the carriage returns to the standby position (home position), the carriage recording operation along the guide shaft is obstructed. Without this, the support shaft can be rotated.
[0088]
A paper gap adjusting device according to a twenty-fourth related invention is the paper gap adjusting device according to the twenty-third related invention, wherein the second rotating means is a motor and a sun gear that transmits the rotational force of the motor. , At least two planetary gears that revolve around the sun gear, and the support shaft has a driven gear that engages with one of the planetary gears at an end thereof, When returning to the home position, it is placed in a neutral position that does not engage with the driven gear, and when the recording head is displaced, it moves while rotating to an engaging position that engages with the driven gear. It is characterized by that.
[0089]
According to the present invention, the motor rotates the sun gear, the sun gear rotates the planetary gear, and the planetary gear engages and rotates the driven gear. As a result, the support shaft rotates and the paper gap is adjusted. As described above, since the second rotating means is configured to include the sun gear and at least two planetary gears that revolve around the sun gear, by changing the planetary gear engaged with the driven gear, the support shaft can be changed. It can be rotated in both the clockwise and counterclockwise directions.
[0090]
When the carriage returns to the standby position, the planetary gear is placed in a neutral position that is not engaged with the driven gear. Therefore, when the carriage returns to the standby position, the planetary gear and the driven gear collide with each other. The situation where the gear is damaged can be avoided, and the carriage can be smoothly returned to the standby position.
[0091]
Further, when the recording head is displaced, the planetary gear is moved while being rotated to the engagement position where it is engaged with the driven gear, so that the planetary gear and the driven gear can be reliably engaged. .
[0092]
A recording apparatus according to a twenty-fifth related invention includes the paper gap adjusting device according to any one of the twenty-first to twenty-fourth related inventions.
[0093]
As a result, this recording apparatus can achieve the same effects as the twenty-first to twenty-fourth related inventions, and as a result, the recording quality can be improved. In particular, the recording quality can be improved in a large recording apparatus.
[0094]
A carriage according to a twenty-sixth related invention is guided by a guide shaft to be arranged parallel to the recording surface of the recording material and orthogonal to the conveyance direction of the recording material, and reciprocates. A carriage having a recording head for recording on a recording surface of a material, the first angle adjusting means according to any one of the first to seventh related inventions, and the ninth to twelfth related inventions The second angle adjusting means according to any one of the inventions, the third angle adjusting means according to any one of the fourteenth to nineteenth related inventions, and any one of claims 1 to 6. And the supporting means described above.
[0095]
According to the present invention, the first angle, the second angle, and the paper gap can be individually adjusted by adjusting the position of the recording head with respect to the carriage without adjusting the support position of the guide shaft. The third angle can also be adjusted in the carriage that adjusts the first angle, the second angle, and the paper gap in this way.
[0096]
Further, in the adjustment of the first angle, the same effects as those of the first to seventh related inventions, and in the adjustment of the second angle, the same effects as those of the ninth to twelfth related inventions, In the adjustment of the third angle, the same effects as those of the fourteenth to nineteenth related inventions are achieved, and in the adjustment of the paper gap, the same effects as the inventions of claims 1 to 6 are achieved. can do.
[0097]
Further, the first angle, the second angle, the third angle, and the paper gap can be adjusted by a single support shaft for supporting the recording head with respect to the carriage, thereby simplifying the mechanism of the carriage. As well as manufacturing costs.
[0098]
A recording apparatus according to a twenty-seventh related invention includes the carriage according to the twenty-sixth related invention. As a result, this recording apparatus can also achieve the same effects as the twenty-sixth related invention. As a result, the recording quality can be improved.
[0099]
A recording apparatus according to a twenty-eighth related invention is guided by a guide shaft to be arranged parallel to the recording surface of the recording material and perpendicular to the conveyance direction of the recording material, and reciprocates. A carriage having a recording head for recording on a recording surface of a recording material, the first angle adjusting means according to any one of the first to seventh related inventions, and the ninth to twelfth related The second angle adjusting means according to any one of the inventions, the third angle adjusting means according to any one of the fourteenth to nineteenth related inventions, and any one of claims 2 to 6. And a second rotating means according to any one of the twenty-second to twenty-fourth related inventions.
[0100]
As a result, the paper gap in such a carriage can be adjusted by the second rotating means according to any one of the twenty-second to twenty-fourth related inventions. In addition to the effects, the same effects as the twenty-second to twenty-fourth related inventions can also be obtained.
[0101]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a large recording apparatus to which the present invention is applied will be described as an embodiment of the present invention.
[0102]
1. Overall configuration of the recording unit of a large recording device
FIG. 1 is a schematic perspective view showing a recording unit of a large-sized recording apparatus to which the present invention is applied, and FIG. 2 is a front view of the recording unit. The large recording apparatus is configured to record (print or the like) a recording material (paper or the like) supplied from a recording material supply unit (not shown) by reciprocating the carriage 1.
[0103]
In this large-sized recording apparatus, a main shaft 4 and a sub shaft 5 are arranged orthogonal to the recording material conveyance direction. The main shaft 4 and the sub shaft 5 are fixed to the respective shaft mounting portions 32a, 33a and 32b, 33b of one side frame (left side frame) 6 and the other side frame (right side frame) 7 constituting the apparatus main body. In addition, it protrudes to the left and right beyond the range between both side frames and is arranged in parallel. A main shaft bearing portion 28 of the carriage 1 is attached to the main shaft 4, and a sub shaft bearing portion 27 of the carriage 1 is slidably attached to the sub shaft 5, and the carriage 1 is supported by these shafts so as to be reciprocally movable. Yes.
[0104]
A recording head 2 is incorporated in the carriage 1. A carriage motor 9 and a driving pulley 35 are provided on the left side frame 6 side of the main shaft 4 projecting from both side frames 6 and 7, and a driven pulley 36 is provided on the right side frame 7 side. A belt 8 linked to the carriage 1 is hung between the driving pulley 35 and the driven pulley 36. The belt 8 transmits the driving force of the carriage motor 9 to the carriage 1 so that the carriage 1 reciprocates along the main shaft 4 and the sub shaft 5.
[0105]
One end of the flat cable 3 is connected to the connector of the recording head 2 and is fixed so as to extend horizontally in the moving direction from a portion (side portion) facing the movement when the carriage 1 moves. Since the flat cable 3 is drawn following the reciprocating movement of the carriage 1, it is held by the cable holder 31 at an approximately middle point of the moving range in which the carriage 1 reciprocates. A loop-shaped U-turn portion that is turned 180 degrees is formed between the horizontal portions.
[0106]
A standby position (home position) detector 29 attached to the right side frame 7 detects that the carriage 1 is located at the standby position.
[0107]
2. Adjustment angle and paper gap adjustment
The parallelism between the head surface of the recording head 2 (the surface facing the recording surface of the recording material) and the recording surface of the recording material is the β angle (first angle) among the angles shown in FIG. ) And γ angle (second angle) are adjusted to zero as much as possible. Further, the parallelism between the dot forming element array (nozzle array in which nozzles for ejecting ink are arranged in the transport direction in this embodiment) provided on the head surface and the transport direction is shown in FIG. , Α angle (third angle) is adjusted by making it as zero as possible.
[0108]
The paper gap is adjusted by adjusting the distance between the recording head 2 and the recording material.
These angle adjustments and paper gap adjustments are performed by displacing the recording head 2 with respect to the carriage 1.
[0109]
3. Carriage configuration
3.1. Overview of carriage
FIG. 4 is a front view showing details of the carriage 1 when the carriage 1 is positioned at the standby position, and FIG. 5 is a right side view thereof. In the right side view of FIG. 5, the arrow A direction is the vertically upward direction and the arrow B direction is the horizontal direction, but for convenience of explanation, the recording surface of the recording material 22 and the head surface facing this are shown in the drawing. In FIG. Reference numeral 23 denotes a paper feed roller (drive roller and driven roller), and reference numeral 25 denotes a paper discharge roller (drive roller and driven roller).
[0110]
A recording head 2 is incorporated in the carriage 1 and is attached to the carriage 1 by a support shaft 10 and a fixed plate 11. An ink cartridge 2 a is mounted on the recording head 2, and a head portion 2 b that discharges ink to the recording material 22 is provided at a position facing the recording material 22. On the head surface of the head portion 2b, a plurality of nozzles for ink ejection are provided in a nozzle row.
[0111]
The support shaft 10 passes through the left and right side walls 1 a and 1 b of the carriage 1 and the left and right side walls 2 c and 2 d of the recording head 2, and both end portions thereof protrude from both side walls 1 a and 1 b of the carriage 1, respectively. First bearing members (β angle adjusting bearing members) 15 and 16 are mounted on the projecting ends. Thus, the support shaft 10 is rotatably attached to the carriage 1 and the recording head 2 is supported with respect to the carriage 1. As will be described in detail later, β angle and paper gap adjustment (particularly fine adjustment of the paper gap) is performed by the first bearing members 15 and 16 and the support shaft 10.
[0112]
A second bearing member (α angle adjusting bearing member) is attached to a portion where the support shaft 10 penetrates the right side wall 2d of the recording head 2. The second bearing member includes a first member (rotating member) 14 and a second member (spacer) 13 (see also FIG. 11 described later). As will be described in detail later, the α angle is adjusted by the second bearing member (the first member 14 and the second member 13) and the support shaft 10.
[0113]
A driven gear 17 is attached to one end (right end in FIG. 4) of the support shaft 10 so as to engage with the planetary gear 18c or 18d of the PG drive unit 18. The PG drive unit 18 (not shown in FIGS. 1 and 2) is provided separately from the carriage 1 and is attached to a frame (not shown) of the large-sized recording apparatus. Although the PG drive unit 18 can be attached to the carriage 1, it is preferable that the PG drive unit 18 be provided separately from the carriage 1 as in the present embodiment in order to reduce the weight of the carriage 1.
[0114]
The PG drive unit 18 includes a drive motor 18a, a sun gear mechanism 18b, and two planetary gears 18c and 18d. The sun gear mechanism 18b is attached to the drive shaft of the drive motor 18a and is rotated by the drive force of the drive motor 18a. The planetary gears 18 c and 18 d engage with the sun gear mechanism 18 b to revolve around the sun gear mechanism 18 b and engage with the driven gear 17. When the carriage 1 returns to the standby position, the planetary gears 18 c and 18 d are controlled by a drive control unit (not shown) so as to be positioned at a neutral position where the planetary gears 18 c and 18 d are not engaged with the driven gear 17. Thus, when the carriage 1 returns to the standby position, the driven gear 17 and the planetary gears 18c and 18d do not collide.
[0115]
As will be described in detail later, when the carriage 1 is in the standby position, the PG drive unit 18 rotates the driven gear 17 (that is, the support shaft 10) using the planetary gears 18b and 18c. -Gap adjustment (especially paper gap switching) is performed.
[0116]
The fixing plate 11 is attached to the carriage 1 together with the γ angle adjusting lever (second lever-like member) 12 by screws 21a and 21b. As will be described in detail later, the γ angle is adjusted by the fixing plate 11, the support shaft 10 and the γ angle adjusting lever 12, and the recording head 2 is fixed to the carriage 1.
[0117]
In the following, adjustment of the α angle, β angle, and γ angle, and the paper gap, for the convenience of explanation, adjustment of the β angle and the paper gap (especially fine adjustment of the paper gap), adjustment of the α angle, and adjustment of the γ angle This will be described in the order of adjustment and paper gap adjustment (especially paper gap switching).
[0118]
3.2. β angle adjustment and paper gap adjustment
Adjustment of the β angle and the paper gap (particularly fine adjustment of the paper gap) is performed by the first bearing members (β angle adjusting bearing members) 15 and 16 and the support shaft 10.
FIG. 6 shows the support shaft 10, (A) is a perspective view, (B) is a front view, and (c) is a side view. The support shaft 10 is made of metal and has a large diameter portion 10a and small diameter portions 10b and 10c formed at both ends thereof.
[0119]
Center (axial center) O of both small diameter portions 10b and 10c 1 Are both the axis O of the large diameter portion 10a. 0 On the other hand, it is eccentric by the distance d in the same direction, and constitutes an eccentric shaft portion. The central portion of the large-diameter portion 10a has a cutting portion 10d that is cut so that a portion corresponding to a little less than 1/2 of the circumference has three planes that are continuous along the circumferential direction. The cutting portion 10d is formed on the cylindrical side surface of the large-diameter portion 10a on the side where the eccentric shaft portions 10b and 10c are eccentric with respect to the large-diameter portion 10a. 1 And axis O 0 It is formed so that it may be located on the line which connected.
[0120]
A mounting portion 10e for the driven gear 17 is formed at the tip of the eccentric shaft portion 10c. The mounting portion 10e is substantially D-shaped in a side view when a part of the circumference of the eccentric shaft portion 10c is cut. The bearing hole of the driven gear 17 into which the mounting portion 10e is fitted is also substantially D-shaped in side view. The driven gear 17 is prevented from idling with respect to the support shaft 10 due to the substantially D-shaped shape in both side views. The groove provided in the circumferential direction in the vicinity of the tip of the attachment portion 10e is engaged with a claw (not shown) provided in the driven gear 17 so that the driven gear 17 is attached to the attachment portion 10e. It is intended to prevent it from coming off easily.
[0121]
FIG. 7 is a cross-sectional view taken along the line II of FIG. 4. For convenience of explanation, the recording surface of the recording material and the head surface facing the recording material are shown to be horizontal in the drawing, as in FIG. .
First holes 50 and 51 are formed in both side walls 1a and 1b of the carriage 1, respectively. In these first holes 50 and 51, both eccentric shaft portions 10b and 10c of the support shaft 10 respectively penetrate, and the first bearing members 15 and 16 for rotatably supporting these eccentric shaft portions are respectively provided. Installed.
[0122]
FIG. 7 shows only the first bearing member 16 that is mounted on the right side wall 1b of the carriage 1 and the first hole 51 in which the first bearing member 16 is mounted, and the first bearing member 15 that is mounted on the left side wall 1a and The illustration of the hole 50 in which this is mounted is omitted. Hereinafter, only the first bearing member 16 and the first hole 51 will be described. However, the first bearing member 15 and the first hole 50 are respectively the first bearing member 16 and the first hole 51. And the contents of the first bearing member 16 and the first hole 51 described below apply similarly to the first bearing member 15 and the first hole 50 as well. It is.
[0123]
The first bearing member 16 is an elastic member in which a bearing portion 16a (described in detail later) that fits into the hole 51 and a lever portion (first lever-like member) 16b including other portions are integrally formed. It is made of a member (for example, a synthetic resin having elasticity) and is rotatable about the bearing portion 16a. The bearing portion 16a is further formed with a holding portion (described later) for holding the eccentric shaft portion 10c of the support shaft 10, and the lever portion 16b is further formed with a flexible piece 16e and an arc shape. A screw hole 16c is formed. By having the lever portion 16b, the rotation operation and the fine angle adjustment of the first bearing member 16 are facilitated.
[0124]
The bearing portion 16a is fitted into the hole 51 with the eccentric shaft portion 10c passing through the hole formed therein. Thereafter, the screw 101 is attached to the side wall 1b through the screw fixing hole 16c. Thus, the first bearing member 16 is mounted on the side wall 1b, and the support shaft 10 and the recording head 2 supported by the support shaft 10 are supported by the carriage 1. Note that the screwing with the screw 101 is performed with such a strength that the first bearing member 16 can rotate around the bearing portion 16a, and either β angle adjustment and / or paper gap adjustment may be performed. After one of them is completed, the first bearing member 16 may be more strongly screwed to prevent the first bearing member 16 from being displaced due to vibration of the carriage 1 or the like.
[0125]
At the tip of the flexible piece 16e, a knurling 16d that protrudes toward the front in FIG. 7 is formed integrally with the flexible piece 16e. Further, on the back surface (the surface in contact with the side wall 1b) of the flexible piece 16e, protrusions (not shown) engaged with and disengaged from the plurality of graduated grooves 1c formed in an arc shape on the side wall 1b are formed on the flexible piece 16e. It is integrally formed. When the stagnation 16d is pulled toward the front, the projection is detached from the scale-shaped groove 1c, and the first bearing member 16 can be rotated around the bearing portion 16a. After the rotation to the desired position, when the tension of the stagnation 16d is released, the projection engages with one of the scale-like grooves 1c. As a result, the first bearing member 16 (that is, the β angle or the paper gap) can be adjusted to a desired position within the range where the graduated groove 1c is provided, and after the adjustment, the first bearing member is adjusted. 16 inadvertent rotations can be prevented.
[0126]
Note that a hole (not shown) through which a needle-like operation tool is inserted is formed in the kneading 16d, and the rotation of the first bearing member 16 is performed by a needle-like operation inserted through this hole. It can also be done with tools. Further, the rotation operation of the first bearing member 16 (that is, the β angle or paper gap adjustment operation) is usually not performed by the user but performed in the factory.
[0127]
Next, a specific mechanism by which the β angle is adjusted by the first bearing member 16 will be described.
8A is an enlarged view of the bearing portion 16a of the first bearing member 16, and FIG. 8B is a cross-sectional view taken along the line IV-IV in FIG. 8A. The hole 51 has a substantially square hole 51a and a pair of insertion openings 51b and 51b formed at opposite corners. The substantially square hole 51a is connected to the linear contact side a1 extending in a direction orthogonal to the recording surface, the second side a2 facing the linear contact side a1, and the contact side a1 and the second side a2. And a pair of third sides a3 and a3.
[0128]
The bearing portion 16a includes a hollow rotating portion 160 that is rotatably fitted in the hole 51, an outer locking portion 161 that prevents the bearing portion 16a from being carelessly removed from the hole, and an inner side. A pair of locking pieces 162, 162.
[0129]
The mounting of the bearing portion 16a into the hole 51 is performed by fitting the locking pieces 162, 162 to the insertion openings 51b, 51b and fitting the bearing portion 16a into the hole 51 from the outside of the side wall 1b, and then attaching the flexible piece 16e. This is done by rotating counterclockwise in FIG. 8A (and FIG. 7). As a result, as shown in FIG. 8B, the locking pieces 162 and 162 are in contact with the inner surface of the side wall 1b, the locking portion 161 is in contact with the outer surface of the side wall 1b, and the bearing portion 16a is removed from the hole 51. It will not come out.
[0130]
The rotating part 160 has a holding part 160a that rotatably holds the eccentric shaft part 10c of the support shaft 10. The eccentric shaft portion 10 c has a first circular arc surface c <b> 1 that contacts the contact side a <b> 1 of the hole 51. Further, the rotating unit 160 includes a second arc surface c2 that contacts the second side a2 of the hole 51 and a pair of third arc surfaces c3 and c3 that respectively contact the third sides a3 and a3. Have.
[0131]
FIGS. 9A and 9B schematically show the relationship between the eccentric shaft portion 10c, the hole 51, and the rotating portion 160 of the bearing portion 16a. In these drawings, for easy understanding, the insertion openings 51b and 51b of the hole 51 are omitted, and the circumferential portion of the second arcuate surface c2 and the circumference of the third arcuate surfaces c3 and c3 are omitted. The portion is longer than that of FIG. 8 and the hollow portion of the rotating portion 160 is omitted.
[0132]
In this embodiment, the shapes or dimensions of the eccentric shaft portion 10c, the hole 51, and the rotating portion 160 are set as follows.
The second arc surface c2 is the center O of the first arc surface c1. 1 And a pair of third circular arc surfaces c3 are arranged at the center O 3 Is the common radius of curvature R 3 Are the same arcuate surfaces. The radius of curvature of the first arc surface c1 is R 1 , The radius of curvature of the second arc surface c2 is R 2 , The center O of the first arc surface c1 1 And the center O of the third arc surface c3 3 When the distance (ie, the eccentricity) is A, R 1 , R 2 , R 3 And A
R 1 + R 2 = 2R 3 ... (1)
R 3 -R 1 = A (2)
Is set to hold the relationship.
[0133]
The distance between the first contact side a1 and the second contact side a2 is R 1 + R 2 , The distance between the third contact sides a3 is 2R 3 It is set to become.
[0134]
If the above-described dimensions are obtained with high accuracy, when the bearing portion 16a (that is, the rotation portion 160) is rotated, the center O of the third arcuate surface c3 is obtained. 3 Moves in the direction perpendicular to the contact side a1 (± Y-axis direction), while the center O of the first circular arc surface c1 of the eccentric shaft portion 10c. 1 Moves parallel to the contact side a1 (± Z-axis direction). That is, when the rotation unit 160 is rotated by an angle θ, the center O3 of the third arcuate surface c3 is obtained. 3 Is displaced in the Y-axis direction by y1 = A−A × cos θ, and the center O of the first circular arc surface c1 1 Is displaced in the Z-axis direction by z1 = A × sin θ.
[0135]
Therefore, when the above-described dimensions are obtained with high accuracy, as shown in FIG. 9B, when the bearing portion 16a is rotated, the center O of the third arcuate surface c3 is obtained. 3 Moves in the direction perpendicular to the contact side a1 (± Y-axis direction), while the center O of the first circular arc surface c1 of the eccentric shaft portion 10c. 1 Moves parallel to the contact side a1 (± Z-axis direction). As a result, the support shaft 10 moves in parallel with the contact side a1.
[0136]
Since the linear contact side a <b> 1 extends in a direction orthogonal to the recording surface, the support shaft 10 moves only in the direction orthogonal to the recording surface with respect to the carriage 1. Further, as shown in FIG. 16 (detailed later), the recording head 2 includes a contact portion 11a of a fixed plate 11 provided in a direction perpendicular to the recording surface and a carriage spring 20 (spring) on the ceiling wall 2e. -It is clamped by the cap 40) and is restricted so as to move only in the direction perpendicular to the recording surface. Therefore, the recording head 2 supported by the support shaft 10 is displaced only in the direction perpendicular to the recording surface with respect to the carriage 1 by the rotation operation of either or both of the first bearing members 15 and 16. To do.
[0137]
FIG. 10 shows this state. 10A shows the positions of the first bearing member 16 and the recording head 2 corresponding to FIG. 9A, and FIG. 10B shows the first bearing member 16 and the recording corresponding to FIG. 9B. The position of the head 2 is shown. When the first bearing member 16 is rotated counterclockwise as shown in FIGS. 10A to 10B, the portion of the recording head 2 on the first bearing member 16 side (right side in FIG. 4) The carriage 1 moves in the upward direction perpendicular to the recording surface. That is, the portion of the recording head 2 on the first bearing member 16 side rises with respect to the carriage 1. On the other hand, although not shown, when the first bearing member 16 is rotated clockwise, the portion of the recording head 2 on the first bearing member 16 side is lowered with respect to the carriage 1.
[0138]
By performing this operation for both or either one of the left and right first bearing members 15 and 16, the β angle of the recording head 2 can be accurately adjusted. The parallelism between them is adjusted with high accuracy, and the print quality can be improved. Further, the paper gap can be accurately adjusted by performing this operation on both the left and right first bearing members 15 and 16 while keeping the head surface and the recording surface parallel. In particular, since fine position adjustment is possible, it is effective for fine adjustment of the paper gap. As a result, the distance between the head surface and the recording surface is adjusted with high accuracy, and the print quality can be improved. it can.
[0139]
Further, the β angle and the paper gap are adjusted by displacing the recording head 2 with respect to the carriage 1, so that the main shaft 4 and the sub shaft 5 (see FIGS. 1 and 2) are fixed to the side frame. Also in the device, the β angle and the paper gap can be adjusted.
[0140]
Furthermore, the β angle and the paper gap can be easily adjusted with a small number of parts such as the support shaft 10 and the first bearing members 15 and 16. The large recording apparatus need not be configured to have a large strength, but also bends the support shaft 10 due to the weight, deforms the bearing portion 16a, and the like. It can be as small as negligible.
[0141]
In addition, when the dimension of the bearing portion 16a as described above can be obtained with high accuracy, the bearing portion 16a (the rotating portion 160) is not necessarily constituted by an elastic member or does not have sufficient elasticity. However, since the end of the support shaft 10 moves only in the direction perpendicular to the recording surface by the rotation, the β angle and the paper gap can be adjusted.
[0142]
On the other hand, when the bearing portion 16a (the rotation portion 160) is formed of an elastic member, the dimensions do not necessarily have to be highly accurate. Due to the elasticity of the bearing portion 16a, the end portion of the support shaft 10 is pressed against the abutting side a1 and rotated, and the center O of the third arcuate surface c3 3 Is moving in the direction orthogonal to the contact side a1, while the center O of the eccentric shaft portion 10c is 1 This is because moves in parallel with the contact side a1.
[0143]
Therefore, the bearing portion 16a (rotating portion 160) made of an elastic member is fitted in the hole 51 so as to be rotatable, supports the end portion of the support shaft 10, and the end of the support shaft 10 is elastically supported. As long as the configuration of pressing the portion against the abutting side a1 is satisfied, the configuration of the hole 51 and the shape of the bearing portion 16a (the rotating portion 160) is not limited to the illustrated one. For example, the rotating unit 160 may not be hollow, and may have the shape shown in FIG. 9 in addition to the shape shown in FIG.
[0144]
On the other hand, if it has 2nd circular arc surface c2 contact | abutted to 2nd edge | side a2, and a pair of 3rd circular arc surface c3, c3 contact | abutted to 3rd edge | side a3, a3, respectively, smoother A rotating motion is obtained. Therefore, in the present embodiment, the rotating portion 160 is formed of an elastic member, and the radius of curvature of the second arc surface c2 and the third arc surface c3 is the geometrically ideal dimension R described above. 2 , R 3 Each of them is formed to be slightly larger than the rotation portion 160, and the rotation portion 160 is press-fitted into the hole 51.
[0145]
3.3. α angle adjustment
The α angle is adjusted by the support shaft 10 and the second bearing member (the rotating member 14 as the first member and the spacer 13 as the second member).
[0146]
FIG. 11 is a cross-sectional view taken along the line II-II in FIG. 4. For convenience of explanation, the recording surface of the recording material and the head surface facing the recording material are shown to be horizontal in the drawing, as in FIG. Yes. 12 is a VV sectional view of FIG. 11, and FIG. 13 is a VI-VI sectional view of FIG. FIG. 14A is a right side view of the recording head 2, and FIG. 14B is a left side view of the recording head 2. FIG. 15 shows how the α angle is adjusted.
[0147]
In the left side wall 2c of the recording head 2, as shown in FIGS. 12, 13, and 14B, a left sixth shaft (long length) through which the left eccentric shaft portion 10b of the support shaft 10 pivots is provided. Hole) 2f is formed. The diameter of the long hole 2f indicates the eccentric shaft portion 10b in the recording material conveyance direction (here, it indicates both the upstream direction and the downstream direction, which means the vertical direction in FIG. 12, the same applies hereinafter). In the direction perpendicular to the recording surface (vertical direction in FIGS. 13 and 14B), the recording head 2 is approximately the same as or slightly larger than the diameter of the eccentric shaft portion 10b so as to penetrate. Is longer than the diameter of the eccentric shaft portion 10b so as to be movable with respect to the eccentric shaft portion 10b. Therefore, the recording head 2 does not move in the conveyance direction of the recording material with respect to the eccentric shaft portion 10b (that is, the end portion of the support shaft 10), but can move in the direction orthogonal to the recording surface. .
[0148]
Further, a through wall 2h through which the large-diameter portion 10a of the support shaft 10 passes is provided in the vicinity of the inside of the left side wall 2c, and the through wall 2h has a support shaft 10 as shown in FIGS. A left second hole (long hole) 2g through which the large-diameter portion 10a passes is formed. The diameter of the long hole 2g is approximately the same as or slightly larger than the diameter of the large diameter portion 10a so that the large diameter portion 10a penetrates in the direction orthogonal to the recording surface. In the conveying direction, the diameter of the large-diameter portion 10a is longer than the diameter of the large-diameter portion 10a so that the large-diameter portion 10a can move somewhat. Therefore, the large-diameter portion 10a (that is, the central portion of the support shaft 10) does not move in the direction orthogonal to the recording surface, but can move in the conveyance direction of the recording material.
[0149]
As shown in FIGS. 12, 13 and 14A, the right side wall 2d of the recording head 2 is integrally formed with a right side second hole 2i, a seventh hole 2j and a fourth hole 2k. Has been.
[0150]
The second hole 2i on the right side is formed at the deepest portion when viewed from the outside of the right side wall 2d, and is a long hole having the same shape as the second hole 2g on the left side described above. The long hole 2i is a through hole through which the large-diameter portion 10a of the support shaft 10 passes, and the large-diameter portion 10a can be slightly moved in the longitudinal direction of the long hole (the recording material conveyance direction). Yes.
[0151]
Therefore, the large-diameter portion 10a of the support shaft 10 is slightly movable in the recording material conveyance direction in the two second holes 2g and 2i. This movable structure is used in paper gap adjustment (especially paper gap switching) described in detail later.
[0152]
The seventh hole 2j is formed on the front side of the long hole 2i when viewed from the outside of the right side wall 2d and around the long hole 2i. In FIG. 14A, a long hole 2i is formed in the lower left portion of the hole 2j, and the portion of the hole 2j where the long hole 2i is formed is a through hole as described above. The other parts are not penetrated and have a flat bottom.
[0153]
A spacer 13 (see FIGS. 11 and 15) having a substantially D-shaped side view, which will be described later, is fitted into the hole 2j. For this reason, the hole 2j also has a substantially D shape when viewed from the side, having a linear portion at the upper part of the inner periphery thereof. The diameter of the hole 2j in the vertical direction (that is, the direction perpendicular to the recording surface) (that is, the diameter between the straight line portion and the arc portion opposed thereto) s1 (see FIG. 14A) is the straight line of the spacer 13. The diameter t1 (see FIG. 14A) in the lateral direction (that is, the transport direction) is about the same as or slightly larger than the diameter s2 (see FIG. 15) between the portion and the arc portion facing this portion. Is larger than the diameter t2 of the spacer 13 (see FIG. 15). That is, the hole 2j has a substantially D shape when viewed from the side, but is a long hole that is long in the conveyance direction of the recording material.
[0154]
The fourth hole 2k is a circular round hole formed around the hole 2j on the front side (that is, the shallowest portion) of the hole 2j when viewed from the side surface of the right side wall 2d. In this round hole 2k, the portion other than the portion where the hole 2j is formed has a flat bottom that is one step higher than the bottom surface of the hole 2j.
Thus, the holes 2i, 2j, and 2k have a three-stage structure, the hole 2j is formed in the hole 2k, and the hole 2i is further formed in the hole 2j.
[0155]
As shown in FIG. 11, FIG. 12, FIG. 13 and FIG. 15, the rotation member 14 is mounted in the hole 2k. The rotating member 14 includes a bearing portion 14a that is rotatably fitted in the hole 2k, a hook 14b, and a third lever-like member (flexible piece) 14c.
[0156]
The bearing portion 14a has a circular outer periphery that is approximately the same shape and size as the hole 2k, and a circular fifth hole 140 into which the spacer 13 is fitted. The fifth hole 140 is a through hole through which the large diameter portion 10a of the support shaft 10 can penetrate and the spacer 13 penetrates. Further, the fifth hole 140 is eccentric with respect to the outer periphery of the bearing portion 14a.
[0157]
The hook 14 b is movably engaged with an arc-shaped slit 2 m formed on the right side wall 2 d of the recording head 2 so that the rotating member 14 does not come off the recording head 2.
[0158]
The flexible piece 14c is formed in the stagnation 14d formed at the tip thereof, the insertion hole 14e formed in the root portion of the stagnation 14d, the back surface of the flexible piece 14c (the surface in contact with the side wall 2d), and , Protrusions (not shown) that engage / disengage with a plurality of graduated grooves 2n formed in an arc shape on the side wall 2d.
[0159]
The rotating member 14 is attached to the side wall 2d by fitting the bearing portion 14a into the hole 2k and fitting the hook 14b into the insertion opening 20m formed at one end of the slit 2m. The position is adjusted. The turning operation is performed in a state in which the protrusion on the back side of the flexible piece 14c is not engaged with the scale-like groove 2n by pulling the knurling 14d toward the front side in FIG. After the rotation, when the pulling of the stagnation 14d is released, the projection on the back side engages with one of the scale-like grooves 2n.
[0160]
As a result, the rotating member 14 (that is, the α angle) can be adjusted to an arbitrary position within the range where the scale-shaped grooves 2n are provided, and after the adjustment, the rotating member 14 is inadvertently rotated. Can be prevented. Further, since the third lever-like member (flexible piece) 14 is provided, the turning operation is facilitated, and the delicate angle adjustment is also facilitated. The operation of pulling the kneading 14d forward can also be performed using a needle-like operating tool inserted through the insertion hole 14e.
[0161]
The spacer 13 is configured by a substantially D-shaped cylindrical member in a side view having a linear portion on a part of the outer periphery thereof. The spacer 13 fits into the fifth hole 140 of the bearing portion 14a, and penetrates the spacer 13a to fit into a substantially D-shaped hole 2j formed in the side wall 2d. In other words, the linear portion on the outer periphery of the spacer 13 coincides with the linear portion of the substantially D-shaped hole 2j in side view and fits into the hole 2j. Since the straight line portion on the outer periphery of the spacer 13 and the straight line portion of the hole 2j coincide with each other, the rotation of the spacer 13 is suppressed. Further, since the hole 2j has a bottom, the spacer 13 abuts against the bottom and the fitting thereof is suppressed. On the other hand, since the hole 2j is a long hole in the recording material conveyance direction, the spacer 13 is movable along the hole 2j in the recording material conveyance direction.
[0162]
The spacer 13 has a right sixth hole 13a through which the right eccentric shaft portion 10c of the support shaft 10 passes. The diameter of the hole 13a is about the same as or slightly larger than the diameter of the eccentric shaft portion 10c so that the eccentric shaft portion 10c penetrates in the direction parallel to the linear portion of the outer periphery of the spacer 13. In a direction perpendicular to the straight line portion, the diameter of the eccentric shaft portion 10c is longer than the diameter of the eccentric shaft portion 10c so that the eccentric shaft portion 10c can move. As described above, since the spacer 13 is mounted such that the straight line portion on the outer periphery thereof coincides with the straight line portion of the hole 2j, the hole 13a is a long hole that is long in the direction perpendicular to the recording surface. It becomes. Therefore, in the hole 13a, the eccentric shaft portion 10c can move in a direction orthogonal to the recording surface, in other words, the recording head 2 can move in a direction orthogonal to the recording surface with respect to the eccentric shaft portion 10c. is there.
[0163]
That is, the sixth hole 13a on the right side is a long hole that is long in the direction perpendicular to the recording surface, like the sixth hole 2f on the left side. As a result, the recording head 2 is movable in a direction perpendicular to the recording surface with respect to the left eccentric shaft portion 10b and the right eccentric shaft portion 10c. This movable structure is used in paper gap adjustment (especially paper gap switching) described in detail later.
[0164]
In addition, the assembly of the carriage 1 can be facilitated by configuring the second bearing member with two members, that is, the rotating member 14 that is the first member and the spacer 13 that is the second member. .
[0165]
That is, since the rotating member 14 is mounted on the recording head 2, in order to facilitate the mounting, the carriage 1 is usually assembled, usually after the second bearing member is mounted on the recording head 2 and then the recording head 2. Are preferably incorporated in the order in which the support shaft 10 is inserted into the carriage 1 and the recording head 2. Even in this order, the rotating member 14 has the hole 140 having a size into which the large-diameter portion 10a of the support shaft 10 can be inserted, so that the support shaft 10 can be inserted without any problem. Finally, by inserting the spacer 13 through the hole 51 formed in the side wall 1b of the carriage 1, the bearing of the support shaft 10 can be completed.
[0166]
On the other hand, when the rotating member 14 that is the first member and the spacer 13 that is the second member integrally form the second bearing member, the support shaft 10 is not moved in the assembly order. It cannot be inserted. In other words, when the recording head 2 has a structure in which the second bearing member can be mounted after the support shaft 10 is inserted, the carriage 1 and / or the recording head 2 are arranged in the order of assembly. The second bearing member does not necessarily have to be composed of two members, the first member and the second member, and is integrally formed as one member. It may be configured.
[0167]
In consideration of the adjustment of the paper gap, which will be described later, and particularly the switching of the paper gap, it is preferable that the second bearing member is composed of two members, that is, the rotating member 14 and the spacer 13. This is because it is constituted by two members, so that the direction of the long hole of the sixth hole 13a of the spacer 13 can be maintained in the direction perpendicular to the recording surface even if the rotating member 14 is rotated. This is because the support shaft 10 can be moved in the direction perpendicular to the recording surface.
[0168]
As shown in FIG. 15, the center P1 of the fifth hole 140 formed in the bearing portion 14a is the center P of the outer periphery thereof. 0 Is eccentric by a distance e, and the eccentric direction is an upward direction perpendicular to the recording surface in a state where the rotating member 14 is locked at the center of the scale-shaped groove 2n. In this state, when the rotating member 14 is rotated clockwise or counterclockwise, the spacer 13 fitted in the hole 140 performs an eccentric motion together with the hole 140. Because of the eccentric motion, the eccentric hole is displaced in both the left and right direction (recording material conveyance direction) and the vertical direction (direction perpendicular to the recording surface) in FIG. Try to displace.
[0169]
However, since the displacement of the spacer 13 in the vertical direction is suppressed by the hole 2j in the side wall 2d and the displacement in the vertical direction is slight, either or both of the bearing portion 14a and the spacer 13 are elastic members. Thus, this slight displacement is absorbed (even if the spacer 13 is slightly displaced in the vertical direction, the displacement does not cause the eccentric shaft portion 10c to be displaced in the vertical direction by the vertically long hole 13a). Therefore, the spacers 13 are displaced only in the left-right direction within the range of the distance f. That is, when the rotating member 14 is rotated clockwise and counterclockwise, the spacer 13 is displaced in the range of the distance f in the left direction and the right direction, respectively.
[0170]
As the spacer 13 is displaced in the left-right direction, the eccentric shaft portion 10c supported by the spacer 13 is also displaced in the left-right direction within a distance f. That is, the position where the eccentric shaft portion 10c supports the recording head 2 is displaced in the left-right direction. On the other hand, since the eccentric shaft portion 10 c is fixed to the carriage 1 and is not moved, this displacement acts to displace the recording head 2 with respect to the carriage 1.
[0171]
That is, the recording head 2 is rotationally displaced in the direction of arrow a, that is, in the direction of the α angle with respect to the carriage 1 around the point T at which the other eccentric shaft portion 10b supports the recording head 2 in FIG. To do. Specifically, when the rotating member 14 is rotated clockwise and counterclockwise, the recording head 2 is rotated counterclockwise and clockwise in FIG. 12, respectively. In this way, the α angle is adjusted, and the print quality can be improved.
[0172]
In addition, since the α angle is adjusted by displacing the recording head 2 with respect to the carriage 1, the recording apparatus in which the main shaft 4 and the sub shaft 5 (see FIGS. 1 and 2) are fixed to the side frame is also used. The α angle can be adjusted. Further, by providing the recording head 2 with the rotating member 14 and the spacer 13 which are the second bearing members, the position of the recording head 2 is displaced with respect to the carriage 1 by the β angle described above and the γ angle described later. Even in this case, the α angle can be accurately adjusted without being affected by the adjustment of these other angles.
[0173]
Note that the rotation operation of the rotation member 14 (that is, the α angle adjustment operation) is usually not performed by the user but performed in the factory. Further, a mechanism for adjusting the α angle (the rotating member 14, the spacer 13, and the hole into which they are fitted) may be provided not on the side wall 2d of the recording head 2 but on the other side wall 2c.
[0174]
3.4. Adjustment of γ angle
The γ angle is adjusted by the fixing plate 11, the γ angle adjusting lever (second lever-like member) 12, and the support shaft 10.
FIG. 16 is a cross-sectional view taken along the line III-III of FIG. 4. For convenience of explanation, the recording surface of the recording material and the head surface facing the recording material are shown to be horizontal in the drawing, as in FIG. Yes. FIG. 17 is a front view showing how the γ angle is adjusted, and FIG. 18 is a right sectional view thereof.
[0175]
The recording head 2 is provided with a ceiling wall 2e. A head spring 19 is attached to the center of the end of the ceiling wall 2e on the head 2b side (lower side in FIG. 16) (see FIGS. 13 and 16). The head spring 19 is configured as one surface on the upper surface side (outside) of the ceiling wall 2e, and is divided into three branches on the bottom surface side (inside). The surface on the upper surface side of the head spring 19 and the two branches on both ends on the bottom surface side are configured to sandwich the ceiling wall 2e, and the one branch on the bottom surface side is the cutting portion 10d of the support shaft 10. Are configured to energize one of the three surfaces. When the head spring 19 urges the cutting portion 10d (that is, the support shaft 10), the wobbling of the recording head 2 and the free rotation of the support shaft 10 are suppressed and fixed.
[0176]
The outer surface of the other end (upper end in FIG. 16) of the ceiling wall 2e is urged by a carriage spring 20 and a spring cap 40 provided on the carriage 1, while a protruding abutment 2p is formed on the inner surface thereof. , Abuts against the abutting portion 11a of the fixed plate 11. That is, the ceiling wall 2 e is sandwiched between the carriage spring 20 and the spring cap 40 and the fixing plate 11.
[0177]
The γ-angle adjusting lever 12 is made of an elastic member, and a dowel 12a and a protrusion 12b integrally formed on the back surface (surface in contact with the fixing plate 11) and screw holes 12c screwed by screws 21a and 21b, respectively. And 12d, a ridge 12e, and a hole 12f for inserting a needle-like operating tool.
[0178]
The fixed plate 11 is formed perpendicular to the recording surface, and a contact portion 11a with which the butting 2p of the ceiling wall 2e contacts, and a lever mounting portion integrally formed perpendicular to the contact portion 11a (that is, parallel to the recording surface). 11d. The lever attachment portion 11d is formed with a hole 11b into which the dowel 12a is fitted, a hole 11c into which the protrusion 12b is fitted, and screw holes (not shown) that are respectively screwed with screws 21a and 21b. .
[0179]
The γ angle adjusting lever 12 is attached to the carriage 1 together with the fixing plate 11 by screws 21a and 21b. By this attachment, the attachment portion 11d of the fixed plate 11 is fitted between a pair of rib-shaped protrusions 1d and 1d formed in the carriage 1 body in the transport direction and having substantially the same interval as the lateral width of the attachment portion 11d.
[0180]
The screw hole 12c of the γ-angle adjusting lever 12 is a long hole that is long in the vertical direction in FIG. 17, and the screw hole 12d is an arc-shaped hole. As a result, the γ-angle adjusting lever 12 is rotatable around the dowel 12a within the range of these screw holes 12c and 12d. Accordingly, the screws 21a and 21b are screwed with such a strength that the γ-angle adjusting lever 12 can be turned. It may be screwed.
[0181]
A protrusion (not shown) that is engaged with and disengaged from the ratchet portion 1 f formed on the carriage 1 is integrally formed on the back side of the vicinity of the stagnation 12 e of the γ angle adjusting lever 12. Since the γ angle adjusting lever 12 is made of an elastic member, by pulling the tab 12e toward the front side, the protrusion on the back surface thereof is detached from the ratchet 1f and can be rotated. After the rotation to the desired position, when the pulling of the stagnation 16d is released, the protrusion engages with the ratchet 1f. As a result, the γ angle adjusting lever 12 (that is, the γ angle) can be adjusted to a desired position within the range where the ratchet 1f is provided, and after the adjustment, the γ angle adjusting lever 12 is inadvertently rotated. Can be prevented. Further, by using the γ-angle adjusting lever 12 as a lever-like member, the rotation operation is facilitated, and the γ-angle can be finely adjusted.
[0182]
The rotation operation of the γ angle adjusting lever 12 can also be performed by a needle-like operating tool inserted through the needle-like operating tool insertion hole 12f. Further, the rotation operation of the γ angle adjustment lever 12 (that is, the γ angle adjustment operation) is usually not performed by the user but performed in the factory.
[0183]
Both the screw hole (not shown) of the fixing plate 11 and the hole 11b into which the dowel 12a is fitted are long in the vertical direction so that the fixing plate 11 can move in the vertical direction (conveying direction) in FIG. It is a long hole. On the other hand, the diameter of the hole 11c into which the protrusion 12b is fitted is long in the left-right direction (reciprocating direction) in FIG. 17, but is as long as the protrusion in the vertical direction.
[0184]
Accordingly, in FIG. 17, when the γ angle adjusting lever 12 is rotated clockwise, the protrusion 12b moves the fixing plate 11 downward (downstream in the conveying direction), and moves the γ angle adjusting lever 12 counterclockwise. When rotated, the fixed plate 11 is moved upward (upstream in the transport direction). Since the lever mounting portion 11d of the fixed plate 11 is fitted between the pair of rib-shaped protrusions 1d and 1d of the carriage 1 main body, the movement of the fixed plate 11 moves along the rib-shaped protrusions 1d and 1d. That is, it is performed in parallel along the upstream and downstream sides in the transport direction.
[0185]
Due to the parallel movement of the fixed plate 11, the contact portion 11a of the fixed plate 11 also moves in parallel as shown in FIG. When the abutting portion 11a is translated, the ceiling wall 2e (that is, the recording head 2) sandwiched between the abutting portion 11a, the head spring 20 and the spring cap 40 has the support shaft 10 as the central axis. Rotate. In this way, the recording head 2 is rotated with respect to the carriage 1 about the support shaft 10 as a central axis, and the γ angle is adjusted. As a result, the parallelism between the head surface and the recording surface is accurate. It is well adjusted and print quality is improved.
[0186]
In addition, since the γ angle is adjusted by displacing the recording head 2 with respect to the carriage 1, the recording apparatus in which the main shaft 4 and the sub shaft 5 (see FIGS. 1 and 2) are fixed to the side frame can also be used. The γ angle can be adjusted. Furthermore, the support shaft 10 only needs to have a strength that can support the recording head 2 with respect to the carriage 1, and it is not necessary to have a large strength even in a large-sized recording apparatus.
[0187]
4). Paper gap adjustment
Adjustment of the paper gap (especially switching of the paper gap) is performed by rotating the support shaft 10.
As described with reference to FIGS. 12, 13 and 14, the large-diameter portion 10a of the support shaft 10 is supported by the second holes 2g and 2i, and the eccentric shaft portions 10b and 10c are supported by the sixth hole 2f and Supported by 13a. The second holes 2g and 2i are long holes in the transport direction, and the sixth holes 2f and 13a are long holes in the direction perpendicular to the recording surface.
[0188]
Since the support shaft 10 has an eccentric structure, it performs an eccentric motion by its rotation. In this eccentric motion, the large-diameter portion 10a can move in the transport direction in the second holes 2g and 2i, but cannot move in the direction perpendicular to the recording surface. On the other hand, the eccentric shaft portions 10b and 10c can move in the direction perpendicular to the recording material in the sixth holes 2f and 13a, but cannot move in the transport direction. In other words, the recording head 2 can move in the direction perpendicular to the recording material with respect to the eccentric shaft portions 10b and 10c in the sixth holes 2f and 13a, but cannot move in the transport direction.
[0189]
That is, even if the support shaft 10 is rotated, the recording head 2 is in a fixed position with respect to the eccentric shaft portions 10b and 10c in the transport direction and is not displaced. On the other hand, the eccentric shaft portions 10b and 10c are also supported and fixed by the carriage 1 (see FIG. 7). As a result, even if the support shaft 10 is rotated, the recording head 2 does not move in the transport direction with respect to the carriage 1.
[0190]
On the other hand, since the large-diameter portion 10a cannot move in the direction perpendicular to the recording surface in the second holes 2g and 2i, the eccentric motion of the large-diameter portion 10a due to the rotation of the support shaft 10 is relative to the recording head 2. It acts in the direction perpendicular to the recording surface, and does not act in the transport direction. That is, the force due to the eccentric motion acts only as a force for moving the recording head 2 up and down on the carriage 1. As described above, the recording head 2 can move in the direction perpendicular to the recording surface with respect to the eccentric shaft portions 10b and 10c supported and fixed to the carriage 1 by the structure of the sixth holes 2f and 13a. It is. Further, as described above, the recording head 2 is sandwiched between the abutting portion 11a of the fixing plate 11 provided in the direction orthogonal to the recording surface and the carriage spring 20 (spring cap 40) on the ceiling wall 2e. It is restricted to move only in the direction perpendicular to the recording surface (see FIG. 16).
[0191]
As a result, when the support shaft 10 is rotated, the recording head 2 only moves up and down (that is, movement in a direction perpendicular to the recording surface) with respect to the carriage 1. The distance between the faces, ie the paper gap, is adjusted.
[0192]
FIG. 19 shows how the paper gap is adjusted. As the support shaft 10 rotates, the large-diameter portion 10a moves the recording head 2 (that is, the head portion 2b) up and down with respect to the carriage 1, thereby adjusting the paper gap.
[0193]
As described with reference to FIG. 16, the large-diameter portion 10a of the support shaft 10 is formed with a cutting portion 10d having three surfaces, and a head spring 19 is attached to any one of the three surfaces. The rotation of the support shaft 10 is restrained. Therefore, in this embodiment, the paper gap can be adjusted in three stages corresponding to these three surfaces. In particular, it is effective for switching paper gaps. For example, there are three levels: a paper gap for cardboard, a medium paper gap for cardboard between thick paper and plain paper, and a paper gap for plain paper. Paper gap can be switched.
[0194]
Note that by setting the cutting surface 10d to two or four or more surfaces, the paper gap can be switched to two steps or four or more steps, and as the number of cutting surfaces increases, the paper gap switching is performed. As well as fine adjustment of the paper gap.
[0195]
In this way, the paper gap is adjusted by displacing the recording head 2 with respect to the carriage 1, so that the main shaft 4 and the sub shaft 5 (see FIGS. 1 and 2) are fixed to the side frame. You can also adjust the paper gap. Further, the support shaft 10 only needs to have a strength that can support the recording head 2 with respect to the carriage 1, and it is not necessary to have a large strength even in a large-sized recording apparatus. Further, the above-described PG drive unit 18 (see FIG. 4) is sufficient to have a driving force enough to move up and down only the recording head 2 instead of the entire carriage 1.
[0196]
Next, processing when the paper gap is automatically adjusted by the PG drive unit 18 (see FIG. 4) will be described. FIG. 20 is a flowchart showing the flow of paper gap adjustment processing by the PG drive unit 18.
[0197]
The paper gap is adjusted in consideration of the thickness of the recording material immediately before recording on the recording material, unlike the α angle, β angle, and γ angle which are usually adjusted in a factory. That is, the carriage 1 is placed at the standby position shown in FIG. 4 before the start of recording. At this time, the paper gap is adjusted by the PG driving unit 18 as described above.
[0198]
The paper gap is adjusted to the plain paper paper gap (minimum paper gap) as its initial value (default value) before the start of recording.
[0199]
A drive control unit (not shown) of the large-sized recording apparatus receives a paper thickness detection signal from a paper thickness detector (not shown), and a first setting from an input device (operation panel: not shown) of the large-sized recording apparatus. Based on the signal or the second setting signal from an external computer, word processor or the like, it is determined whether the thickness of the recording material is thick paper, medium thick paper, or plain paper (step) S1).
[0200]
Only one of the paper thickness detection signal and the first and second setting signals may be provided, or two or more of these may be provided. When two or more signals are given and their contents contradict each other, a signal having a predetermined high priority is preferentially selected.
[0201]
If the content of the signal is cardboard (“cardboard” in step S1), the drive control unit drives the PG drive unit 18 to rotate the support shaft 10 by the rotation angle for cardboard, and the paper gap is set. Maximize (step S2).
[0202]
When the content of the signal is medium cardboard (“medium” in step S1), the PG driving unit 18 is similarly driven to rotate the support shaft 10 by a medium cardboard rotation angle, The paper gap is set to an intermediate level (step S3).
[0203]
If the signal content is plain paper, the paper gap is not adjusted. This is because the paper gap is already adjusted to the paper gap of plain paper as an initial value.
[0204]
When the paper gap adjustment is completed, recording (printing) is subsequently performed (step S4). When the recording is completed, the carriage 1 returns to the standby position again, and the paper gap is adjusted. If the paper gap is adjusted to something other than plain paper before the start of recording, the drive control unit drives the PG drive unit 18 to return the paper gap to that of plain paper, while on the other hand If it is adjusted to the paper paper gap, it is not necessary to return it, so the paper gap is not adjusted (step S5).
[0205]
It is not always necessary to set the initial value of the paper gap and return the paper gap to the initial value after the end of recording. For example, after the recording is finished, the paper gap is kept as it is and the paper gap is stored, and before the start of the next recording, the stored paper gap and the paper gap of the next recording to be performed next If they are different, the paper gap can be adjusted to a new one, and if they are the same, recording can be started without adjusting the paper gap.
[0206]
【The invention's effect】
According to the present invention, the paper gap is adjusted by displacing the position of the recording head with respect to the carriage without adjusting the support position of the guide shaft, so that the appropriate distance between the recording surface and the head surface is obtained. Can do. Therefore, not only in a recording apparatus that can adjust the support position of the guide shaft, but also in a recording apparatus that cannot adjust the support position of the guide shaft, the paper gap is adjusted so that the recording surface and the head surface An appropriate distance can be set between the two.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic perspective view showing a recording unit of a large-sized recording apparatus to which the present invention is applied.
FIG. 2 is a front view of the recording unit in FIG.
FIG. 3 shows an adjustment angle for making the recording head parallel to the recording surface of the recording material and an adjustment angle for making the dot forming element array parallel to the transport direction.
FIG. 4 is a front view showing details of the carriage when the carriage is positioned at a standby position.
FIG. 5 is a right side view showing details of the carriage when the carriage is in the standby position.
6A is a perspective view, FIG. 6B is a front view, and FIG. 6C is a side view.
7 is a cross-sectional view taken along the line II of FIG.
8A is an enlarged view of the bearing portion of the first bearing member, and FIG. 8B is a cross-sectional view taken along the line IV-IV in FIG. 8A.
9A and 9B schematically show the relationship between the eccentric shaft portion of the support shaft, the first hole, and the rotating portion of the bearing portion of the first bearing member.
10A is a position of the first bearing member and the recording head corresponding to FIG. 9A, and FIG. 10B is a position of the first bearing member and the recording head corresponding to FIG. 9B. Are shown respectively.
11 is a cross-sectional view taken along the line II-II in FIG.
12 is a cross-sectional view taken along the line VV in FIG.
13 is a cross-sectional view taken along the line VI-VI in FIG.
14A is a right side view of the recording head, and FIG. 14B is a left side view of the recording head.
FIG. 15 shows a state of α angle adjustment.
16 is a cross-sectional view taken along the line III-III in FIG.
FIG. 17 is a front view showing how the γ angle is adjusted.
FIG. 18 is a right sectional view showing how to adjust the γ angle.
FIG. 19 shows how the paper gap is adjusted.
FIG. 20 is a flowchart showing a flow of paper gap adjustment processing by the PG drive unit.
[Explanation of symbols]
1 Carriage
2 Recording head
2f, 13a 6th hole
2g, 2i 2nd hole
2j 7th hole
2k 4th hole
10 Support shaft
10a Large diameter portion of the support shaft 10
10b, 10c Eccentric shaft portion of the support shaft 10
10d Cutting part of support shaft 10
11 Fixing plate
12 γ angle adjustment lever
13 Spacer
14 Rotating member
15, 16 First bearing member
17 Driven gear
18 PG drive unit
18a Drive motor
18b Sun gear mechanism
18c, 18d planetary gear mechanism
19 Head spring
51 1st hole
140 3rd hole

Claims (5)

被記録材の記録面と平行に，かつ，被記録材の搬送方向と直交して配置されるべきガイド軸に案内されて往復動するとともに，前記被記録材の記録面に記録を行う記録ヘッドを備えたキャリッジであって，
該キャリッジに対して，前記記録ヘッドを前記記録面と直交する方向に変位可能に支持する支持手段を備え，
前記支持手段は，前記被記録材の記録面と平行に配置されるとともに，該キャリッジおよび前記記録ヘッドを回動可能に通る支持軸を備え，前記支持軸は，円柱状の中央部と，該中央部に対して偏心した円柱状の端部とを有し，該中央部は前記記録ヘッドを支持し，該端部は該キャリッジに支持され，
前記記録ヘッドは，前記支持軸の中央部が通る第２の穴と，前記支持軸の端部が通る第６の穴とを有し，
前記第２の穴は，前記記録面と直交する方向には前記支持軸の中央部と同程度の径を有し，前記搬送方向には前記支持軸の中央部の径よりも長い径を有する長穴であり，
前記第６の穴は，前記搬送方向には前記支持軸の端部と同程度の径を有し，前記記録面と直交する方向には前記支持軸の端部の径よりも長い径を有する長穴であることを特徴とするキャリッジ。 A recording head that reciprocates while being guided by a guide shaft that is arranged in parallel to the recording surface of the recording material and orthogonal to the conveyance direction of the recording material, and that records on the recording surface of the recording material A carriage with
Support means for supporting the recording head so as to be displaceable in a direction perpendicular to the recording surface with respect to the carriage;
The support means is disposed in parallel with the recording surface of the recording material, and includes a support shaft that rotatably passes through the carriage and the recording head. The support shaft includes a cylindrical central portion, A cylindrical end portion that is eccentric with respect to the central portion, the central portion supports the recording head, the end portion is supported by the carriage ,
The recording head has a second hole through which a central portion of the support shaft passes, and a sixth hole through which an end portion of the support shaft passes,
The second hole has a diameter similar to that of the central portion of the support shaft in a direction orthogonal to the recording surface, and has a diameter longer than that of the central portion of the support shaft in the transport direction. A long hole,
The sixth hole has a diameter approximately equal to the end of the support shaft in the transport direction, and has a diameter longer than the diameter of the end of the support shaft in a direction orthogonal to the recording surface. A carriage characterized by a long hole. 請求項１において，前記第２の穴には，第１の部材と第２の部材とからなる第２の軸受部材が装着され，前記第１の部材は，前記記録ヘッドに形成された第４の穴に嵌まり込むものであり，かつ，前記第２の部材が嵌まり込むとともに前記支持軸の中央部が通過可能な大きさの第５の穴を有するものであり，前記第２の部材は，前記第５の穴に嵌まり込むものであり，かつ，前記第６の穴を有するものであることを特徴とするキャリッジ。 According to claim 1, wherein the second bore, the second bearing member comprising a first member and the second member is mounted, said first member, a fourth formed on the recording head The second member is fitted, and the second member is fitted with a fifth hole having a size through which a central portion of the support shaft can pass. Is a carriage that fits into the fifth hole and has the sixth hole. 請求項２において，前記第２の部材は，その外周の一部が直線状となっている側面視略Ｄ型の形状を有し，前記第５の穴は，前記第２の部材が嵌まり込み，かつ，貫通する構造を有し，前記第２の穴の周辺には，前記第２の部材が前記第５の穴を貫通して前記記録ヘッドと当接して嵌まり込むように，側面視略Ｄ型の第７の穴が形成されていることを特徴とするキャリッジ。 3. The second member according to claim 2 , wherein the second member has a substantially D shape in a side view in which a part of an outer periphery thereof is linear, and the second member is fitted into the fifth hole. And has a structure that penetrates, and a side surface is formed around the second hole so that the second member passes through the fifth hole and comes into contact with the recording head. A carriage having a substantially D-shaped seventh hole formed therein. 請求項１から３のいずれか１項において，前記支持軸の中央部の円柱面の少なくとも一部は，円周方向に沿って複数の平面を有し，前記記録ヘッドは，前記複数の平面の少なくとも１つを付勢する第２の付勢手段を備えていることを特徴とするキャリッジ。4. The method according to claim 1, wherein at least a part of the cylindrical surface of the central portion of the support shaft has a plurality of planes along a circumferential direction, and the recording head includes the plurality of planes. A carriage comprising second urging means for urging at least one. 請求項１から４のいずれか１項に記載のキャリッジを備えていることを特徴とする記録装置。Recording apparatus characterized by comprising a carriage according to any one of claims 1 to 4.
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