JP3738563B2 - Glasses field of view experience apparatus, glasses field of view experience method, and recording medium - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼鏡を掛けて見たときの視野画像を表示させる技術に関し、特に、レンズによる歪みやボケの画像処理速度を向上させた眼鏡の視野体験装置、眼鏡の視野体験方法及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
眼鏡を購入するときは、ユーザーが眼鏡レンズと眼鏡フレームを選択し、これらが組み合わされたものが納入される。眼鏡レンズを選択するときは、眼鏡店にサンプルとして用意されているレンズを装着して見え方をチェックし、店員の説明などを聞きながら自分に適していると思われるものを選択する。そして、別途選択された眼鏡フレームに、選択した眼鏡レンズが装着された眼鏡が作られてユーザーに納品される。
【0003】
従来は、このようにしてユーザーが自分に適していると思われるレンズを実際に装着してから購入するのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フレームにレンズが装着された眼鏡を掛けたときに視野がどの様に見えるかは、実際に納品された眼鏡を掛けてみるまでは判らない。店にサンプルで用意されている眼鏡レンズは数が限られており、サンプルとして用意されていない種類のレンズ、あるいは、サンプルとして用意されたレンズの中間的な性質を持つレンズなどがユーザーに適していると判断した湯合には、実際に納品された眼鏡を掛けて見るまでは、その眼鏡の特性は実際には判らない。
【0005】
特に、距離の遠い物体を見るのに適した遠用領域と、距離の近い物体を見るのに適した近用領域と、これらの間で屈折力が徐々に変化する中間領域とを備えた累進多焦点レンズを選択する場合は、遠用および近用の度数、さらに、遠用あるいは近用のいずれを重視するかなどによって累進面の性質が異なる。そのため、累進多焦点レンズの種類は膨大であり、店に用意されている少数のサンプルを掛けてみただけではユーザーに適したレンズの視野がどのように見えるかは判らない。
【0006】
また、眼鏡店の店員でも、実際に累進レンズを使用した経験の無いユーザーに対しては、その視野の状態を言葉で説明することは困難である。さらに、眼鏡レンズの処方は、球面度数、乱視度数、乱視軸方向、累進レンズでは加入度などがあり、これらが異なると見え方が様々に変化する。このため、サンプルや店員の説明だけでは視野の様子を全て把握することは不可能である。
【0007】
この様な困難を解決するために、眼鏡を掛けて見える視野画像をパソコンなどを用いて表示し、眼鏡を掛けた視野の状態を疑似体験することにより、自分に最適な眼鏡を選択することが検討されている。しかし、累進多焦点レンズでは、眼鏡レンズの遠用領域、近用領域あるいは中間領域によって特性が異なるので、単に眼鏡全体の視野画像を示しただけではユーザーにその特性の差を明療に示すことが難しい。
【0008】
そこで、本発明者は、累進多焦点眼鏡レンズの特性をユーザーに対し明瞭に表示し、累進多焦点眼鏡レンズを用いたときの見え方をユーザーが事前に把握して、自分に最適な眼鏡レンズを選択し、快適な視野が得られるようにすることを目的として眼鏡の視野体験装置、眼鏡の視野体験方法を提案した。
【0009】
この場合、眼鏡レンズ、特に累進レンズの視野特性を把握するためには、視野の中で、必然的に生じる像のボケとゆがみをユーザーに理解させる必要があり、そのため、像のボケとゆがみが加わった視野画像を作成してユーザーに提示することが必要である。
【0010】
ところで、眼鏡レンズを通して見られる虚像を、厳密な光学シミュレーションによって求めるためには、物体を多数の点光源の集まりと考え、それぞれの点から発し、目の開口部(瞳の部分)に入る光線を多数計算してやり、それらを光線の方向によって積分し明るさを求め、画像を作ってやればよい。しかし、この方法では、非常に多量の計算を行わなければならないため、計算時間が大変に長くかかり、視野体験装置としては実用的でない。そこで、厳密なシミュレーション画像と見かけ上同等の画像を、短い計算時間で作成する必要がある。
【0011】
視野画像を作成する際の計算時間を短縮させることは、視野体験装置の実用面で大きな意味を持つ。計算処理を行うパソコンの処理能力が低い場合はもちろんであるが、処理能力に余裕が有る場合でも、短時間で画像を生成することは、視野体験装置に付加価値を付けられる。例えば、ユーザーを待たせないで迅速に画像を提供できる。また、使用者がゆれの状態を体験しようとすると、視線の方向の異なった画像を実時間で作成しなければならず、従来の画像処理を行っていたのでは、不可能である。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、眼鏡レンズ、特に累進多焦点眼鏡レンズの見え方の特性を画像で表示して、ユーザーが最適の眼鏡レンズを選択することができる眼鏡の視野体験装置において、画像処理を高速で行うことができる眼鏡の視野体験装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、眼鏡レンズ、特に累進多焦点眼鏡レンズの見え方の特性を画像で表示して、ユーザーが最適の眼鏡レンズを選択することができる眼鏡の視野体験方法において、画像処理を高速で行うことができる眼鏡の視野体験方法を提供することを目的とする。
【0014】
更に、本発明は、かかる視野体験方法をコンピュータに実現させることができるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の眼鏡の視野体験装置は、眼鏡レンズを通して見るべき元画像を構成する各画素の周辺の画素値に基づき重み付け平均値を算出後、前記元画像を構成する各画素の値を前記重み付け平均値で置き換える画像処理を行う画像処理部と、前記画像処理部で画像処理された視野画像を表示する表示部とを備える眼鏡の視野体験装置であって、前記画像処理部が、前記元画像を構成する各画素のデータと前記眼鏡レンズの収差量とを用いて光線追跡を行うことにより、前記眼鏡レンズを通して見たときの物体の方向と光束の広がり量とを求める処理と、前記眼鏡レンズを通して見たときの物体の方向と光束の広がり量とを求める処理により得られた前記眼鏡レンズを通して見た物体の方向に基づき前記眼鏡レンズを通して見たときの歪みを求め、前記歪みを前記元画像を構成する各画素のデータへ加えた中間画像を作成する処理と、前記眼鏡レンズを通して見たときの物体の方向と光束の広がり量とを求める処理により得られた前記光束の広がり量に応じて、前記元画像を構成する各画素の周辺の画素値に基づく重み付け平均値を算出後、前記元画像を構成する各画素の値を前記重み付け平均値で置き換える平均化を行うときの平均化範囲及び重みを前記眼鏡レンズの収差量に基づき全画素について求める処理と、前記中間画像を作成する処理により得られた前記中間画像を、前記平均化範囲及び重みに基づき平均化処理することにより前記視野画像を得る処理とを行う構成としている。
【0016】
また、請求項4記載の眼鏡の視野体験方法は、眼鏡レンズを通して見るべき元画像を眼鏡レンズを掛けて見た視野画像に画像処理し、画像処理した視野画像を表示する眼鏡の視野体験方法であって、前記画像処理が、前記元画像を構成する各画素のデータと前記眼鏡レンズの収差量とを用いて光線追跡を行うことにより、前記眼鏡レンズを通して見たときの物体の方向と光束の広がり量とを求めるステップと、前記眼鏡レンズを通して見たときの物体の方向と光束の広がり量とを求めるステップにより得られた前記眼鏡レンズを通して見た物体の方向に基づき前記眼鏡レンズを通して見たときの歪みを求め、前記歪みを前記元画像を構成する各画素のデータへ加えた中間画像を作成するステップと、前記眼鏡レンズを通して見たときの物体の方向と光束の広がり量とを求めるステップにより得られた前記光束の広がり量に応じて、前記元画像を構成する各画素の周辺の画素値に基づく重み付け平均値を算出後、前記元画像を構成する各画素の値を前記重み付け平均値で置き換える平均化を行うときの平均化範囲及び重みを前記眼鏡レンズの収差量に基づき全画素について求めるステップと、前記中間画像を作成するステップで得られた前記中間画像を、前記平均化範囲及び重みに基づき平均化処理することにより前記視野画像を得るステップとを有することとしている。
【0017】
更に、請求項6記載の記録媒体は、眼鏡レンズを通して見るべき元画像を眼鏡レンズを掛けて見た視野画像に画像処理し、画像処理した視野画像を表示する眼鏡の視野体験方法であって、前記画像処理が、前記元画像を構成する各画素のデータと前記眼鏡レンズの収差量とを用いて光線追跡を行うことにより、前記眼鏡レンズを通して見たときの物体の方向と光束の広がり量とを求めるステップと、前記眼鏡レンズを通して見たときの物体の方向と光束の広がり量とを求めるステップにより得られた前記眼鏡レンズを通して見た物体の方向に基づき前記眼鏡レンズを通して見たときの歪みを求め、前記歪みを前記元画像を構成する各画素のデータへ加えた中間画像を作成するステップと、前記眼鏡レンズを通して見たときの物体の方向と光束の広がり量とを求めるステップにより得られた前記光束の広がり量に応じて、前記元画像を構成する各画素の周辺の画素値に基づく重み付け平均値を算出後、前記元画像を構成する各画素の値を前記重み付け平均値で置き換える平均化を行うときの平均化範囲及び重みを前記眼鏡レンズの収差量に基づき全画素について求めるステップと、前記中間画像を作成するステップで得られた前記中間画像を、前記平均化範囲及び重みに基づき平均化処理することにより前記視野画像を得るステップとを有する眼鏡の視野体験方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としている。
【0018】
本発明では、光線追跡によるボケて見える光束の広がり量を好ましくは少数の画素に対して求め、その光束の広がり量から平均化処理する平均化範囲を全画素に対して求め、求めた平均化範囲から歪みを加えた中間画像の全ての画素を平均化処理することにより、歪みとボケの画像処理を簡略化して、厳密なシミュレーション画像と見かけ上同等の視野画像を、高速で作成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は下記の実施の形態に限定されるものではない。
【0020】
図1に、本発明の眼鏡の視野体験装置の装置構成の一例を示す。本発明の視野体験装置1は、パーソナルコンピュータ(パソコン)10を中心に構成されており、視野画像を表示可能な画像表示装置としてCRT21およびヘッドマウントディスプレイ(HMD)22が用意されている。また、情報入力装置としてはキーボード23が用意されており、画像入力装置としてCCDカメラ24が用意されている。また、画像あるいはその他の情報を記憶可能な記憶装置としては、ハードディスク25及びCD−ROMドライブ26が用意されており、コンパクトディスク(CD)27に記憶された画像情報あるいはプログラムなどを利用できるようになっている。さらに、本例のパソコン10は、インターネット等のネットワークに接続できるようになっており、ネットワークを介して画像情報あるいはソフトウェアなどの情報を授受できるようになっている。
【0021】
図2に、本発明の視野体験装置1の機能構成のブロック図を示す。視野体験装置1の中核であるパソコン10は、まず、キーボード23から視野体験装置1を操作する命令を受け付けるとともに、眼鏡の種類、画像の種類などの選択命令を受け付け可能な選択入力部11と、CCDカメラ24から表示する物体の画像データの入力可能な画像入力部12とを備えており、これらの入力されたデータに従って物体までの距離に対応する視野画像を選択または生成して出力可能な画像処理部13を備えている。また、眼鏡の視野体験方法のプログラム等のソフトウェア、画像情報、および選択して表示可能な視野画像などを記憶可能な記憶部14を備えており、この内容は、CD−ROM27あるいは、通信機能15を通じてインターネット等のネットワークから随時アップデートすることができる。画像処理部13によって生成または選択された視野画像は表示出力部16からCRT21あるいはHMD22に出力され、表示される。
【0022】
これらの各機能は本例のようにパソコン10で実現することも可能であるが、パソコン10でブラウザを起動し、インターネットを介して所定のアドレスのWWWサーバーとコネクションを張り、同等の機能をパソコン10を経由して提供することも可能であり、WWWサーバーから多種多様な視野画像の中からユーザーが所望する適当な視野画像を入手することも可能である。
【0023】
また、画像処理に関しても、ネットワークを介してホストコンピュータに画像情報を送り、ホストコンピュータによって画像処理して、処理された画像をパソコン10がネットワークを介して受け取って表示するようにしてもよい。
【0024】
このパソコン10は、眼鏡の視野体験方法のプログラムを記録したCD−ROM27やフロッピーディスクなどの記録媒体からハードディスク25などにインストールし、記憶部14にインストールしたプログラムを読み込むことにより、眼鏡の視野体験装置として機能させることができる。
【0025】
図3に、本発明の眼鏡の視野体験装置1での視野画像を表示する処理の概略のフローチャートを示してある。
【0026】
まず、ステップ51で、視野画像を表示したいレンズの種類を選択して入力装置23から入力する。
【0027】
次に、ステップ52で表示したい画像を選択する。例えばCCDカメラ24から出力された画像、予め記憶部14やハードディスク25に格納されている画像、あるいはネットワークを介して取得する画像の中から選択する。累進多焦点レンズの場合、物体の距離に応じてレンズの遠用領域、中間領域、近用領域を使い分けるので、例えば、遠くにある物体の画像、中間の室内にある物体の画像、あるいは目の前の本の画像等の中から元画像を選択して入力装置23から入力する。累進多焦点レンズでは、レンズの遠用領域、中間領域、近用領域の中から選択した画像の距離に応じたレンズ部位の特性に基づいて画像処理をすることになる。
【0028】
そして、ステップ53で、画像処理部13が、ハードディスク25あるいはCD−ROM27などの記録媒体に用意された画像データやプログラムにより選択した元の画像データを選択したレンズ(選択されたレンズの部位)の特性に基づいて画像処理し、視野画像を作成する。
【0029】
次に、ステップ54で、画像処理部13から出力された視野画像データを表示出力部16を介してCRT21、HMD22などに表示する。
【0030】
ユーザーが他のレンズや他の画像を望む場合はステップ51に戻ってレンズの選択、画像の選択などを行って上記の処理を繰り返す。ユーザがそれ以上の画像を望まなければ、処理を終える。
【0031】
図3は本発明の視野体験装置の処理の一例について示したものであり、他の処理の流れも考えられる。例えば、図3では、レンズなどの選択が行われてから視野画像を作成しているが、可能な限りの場合を想定して、予めできる限り多くのレンズで得られる視野画像を作成し、記憶部14やCD27等に格納しておくこともできる。視野体験装置1のパソコン10の処理能力が低い場合などは、この方が実用的であろう。
【0032】
さらに、本例のパソコン10は、インターネットに接続できるようになっており、ネットワークを介して画像情報あるいはソフトウェアなどの情報を授受できるようになっている。
【0033】
このような眼鏡の視野体験装置によれば、ユーザーは、実際に眼鏡を掛けて見る場合のボケや歪みなどとして現れる眼鏡レンズの特性を疑似体験し、多種多様な眼鏡レンズの中から自分に適した眼鏡レンズを店にはない種類の中からも選択することができる。
【0034】
本発明の眼鏡の視野体験装置は、このような視野体験装置におけるレンズを通して見るべき元の画像データを高速に処理し、歪みとボケの加わったレンズの特性を短時間で視野画像に表示できることに特徴がある。
【0035】
累進レンズの視野のボケを表現するには、同一視野の中で、部分的にボケの程度の異なる画像を作成する必要がある。そのためには、光線追跡による点像のボケに応じて、元画像の1つ1つの画素の値をその周辺の画素の重み付け平均値で置き換えてやればよい。つまり、E(i,j)を元の画素の明るさを表すデータとすると、新しい画素データE’(i,j)を
【0036】
【数1】
【0037】
で置き換えてやる。ここで、i、jは、マトリックス状の画素の座標値を示し、an,mは、n,mによって変わる重みを表している。
【0038】
しかし、画素の位置や物体の距離によってボケの程度は異なるので、それぞれの画素に対して行う平均化操作の範囲や重みは、画素によって異なる。1つ1つの画素に対する平均化の範囲や重みを求めるには、多数の光線を計算する必要があり、前述の方法ほどではないにしろ計算時間がかかることに変わりは無い。そこで、少しでもこの計算量を減らす事を考えねばならない。
【0039】
先ず、計算量を減らすための第一の手段は、平均化操作をするときの重みを簡略化することである。実際の光線追跡に基づく重み係数は、各光束の収差の状態に応じて様々な値をとるが、これを簡略化して、全てan,m=1.0とするのである(Sは、平均化の範囲によって変わる。)。これは、レンズの収差として、非点収差と度数ずれのみを取り上げ、他の収差は全て無視することに相当する。眼鏡レンズの場合は、非点収差と度数ずれの影響が大きく、他の収差の影響は殆ど無視できることが知られており、この簡略化を行っても視野画像に大きな差異は生じない。重み係数を同じにする事によって、平均化操作をする時のパラメータは、その範囲を示すものだけになる。非点収差と度数ずれのみを考慮した時の点像の広がりは、楕円形になるため、長径・短径・軸方向の3つのパラメータが決まれば、その大きさが完全に決まる。従って、光線追跡によって画像の各点に対して、この3つのパラメータを求めてやれば良い。
【0040】
次に、さらに計算量を減少させるために取る第二の手段は、光線追跡をする光束の本数を減らすことである。累進レンズの非点収差分布や度数分布が連続的であることを考慮すれば、物体距離が連続であれば、視野の中のボケ量も連続的に変化するものと期待される。従って、計算時間の短縮のためには、全部の画素について平均化範囲を計算するのをやめ、少数の画素についてのみ計算し、その他の画素については、内挿によって求める。平均化の範囲として楕円形状を想定すれば、その大きさを規定するパラメータは3つであるから、内挿も、それぞれのパラメータに対して行えば、各画素に対するパラメータを決めることができる。但し、平均化の計算は画素ごとに行うので、その範囲をあまり細かく計算しても意味が無い。計算量の減少のために平均化範囲を連続値として計算せず、離散値にすることも可能である。
【0041】
これまでの方法は、ある1点におけるボケ量を求めるために、多数の光線を計算してやる方法であるが、さらに計算量を削減することも出来る。そのためには、画素の各点において、眼に入射する多数の光線から直接ボケ量を求めるのではなく、非点収差量と球面度数とを求め、これから平均化の範囲を推定してやる。非点収差量と球面度数を求める計算は、ある光線に対して、その近軸量を計算するため、遥かに計算量が少なくて済む。
【0042】
図4に、画像処理部13が元の画像データを上述したボケの処理を簡略化した画像処理によって視野画像を作成するフローチャートを示した。このフローチャートは、前述の図3に示したフローチャートにおけるステップ53の画像処理の内容を示すものである。
【0043】
まず、ステップ531で、選択した画像の元画像データをパソコン10の記憶部14に読み込む。これにより、眼鏡を通して見る物体表面の色や輝度のデータが入力される。
【0044】
次に、ステップ532で、レンズを通して見たときの物体の方向(歪み)を求めると共に、ボケて見える光束の広がりを少数の画素に対して求める。光束の広がりは、上述したように、例えば、眼鏡レンズの光線追跡により、非点収差と度数ずれのみを考慮した時の点像の広がりである楕円形の長径・短径・軸方向の3つのパラメータを求めることにより求めることができる。また、画素の各点に対して非点収差量と球面度数を求めることにより、光束の広がりを求めることができる。
【0045】
また、歪みを求める際、眼鏡を通して見ている物体が、写真や絵の様な2次元の物体を想定しているときは、ボケた画像を作る前の歪みを加えた中間画像を作成するための計算量を減少させることができる。つまり、全ての画素について光線追跡をして歪みを加えた画像を作るのではなく、選ばれた数少ない光線についてのみ計算し、その結果に基づいてそれ以外の画素は内挿によって変形後の像を求めるのである。
【0046】
次に、ステップ533で、求めた物体の方向から、元画像を処理して眼鏡レンズを通して見たときの歪みを加えた中間画像を作成する。
【0047】
次に、ステップ534で、光束の広がり量に応じて画素データを平均化処理する平均化範囲を計算する。この場合、ステップ532で求めた光束の広がり量は、上述した非点収差量と球面度数から求める簡略化した計算方法では、平均化処理する平均化範囲と一致する。
【0048】
次に、ステップ535で、少数の画素に対して求めた平均化範囲から、全ての画素に対して平均化範囲を内挿によって求める。
【0049】
次に、ステップ536で、ステップ533で作成した中間画像の各々の画素に対して、重なっているボケを積算して平均化処理し、これによって、歪みに加えて先鋭度を場所により変化させたボケを加えた視野画像を作成することができる。
【0050】
このような眼鏡の視野体験装置によれば、画像処理を簡略化しながら厳密なシミュレーションとほぼ同じボケと歪みを加えた視野画像を作成することができる。そのため、パソコンの画像処理機能の負担を軽減して画像処理の高速化を達成できる。これにより、例えば、従来、パソコンの負担が大きくて実現できなかった眼鏡を掛けた顔を動かしたときの視野画像のゆれの動きなどを表示させることが可能となる。従って、より実際に近い状態の視野画像をユーザーに体験してもらうことが可能であり、ユーザーが自分に適した眼鏡レンズの選択を容易にできることになる。
【0051】
(実施例1)
物体上のある1点から発して眼鏡レンズを通って目に到達する光束を計算すれば、その点がどの程度ぼけて見えるか、見かけ上どの方向に見えるかが判る。その見かけのボケ量に合わせて、画素を平均化操作する時の範囲を決めてやれば良い。点光源は、ほぼ楕円形状のボケになるので、その長・短径、及び軸方向を画素の各点について定めてやる。多数の画素それぞれについて平均化範囲を計算するのは大変なので、全部の画素についてボケの範囲を計算せず、少数の画素について計算してやり、その他の画素については、内挿によって求めてやる。例えば、600×800の画像であれば、20画素ごとに格子点を取り、その格子点についてのみ光線追跡によってボケを求めてやれば、計算量は400分の1になる。格子点以外の画素に対するボケ量を求めるには、格子点のデータを元に、補間多項式の係数を求め、その多項式から各画素に対するボケ量を計算してやる。
【0052】
このようにして全ての画素に対するボケ量を求め、各画素に重なっているボケ量を積算し、元画像に歪みを加えた中間画像を平均化処理することにより、ボケと歪みを加えた視野画像を作成することができる。
【0053】
図5は、このようにして得られた視野画像の一例を示す画像である。この視野画像は、累進多焦点レンズの中間領域を用いて中間距離にある目の前のテーブルを見た場合を示している。レンズの中間領域の中央から側方下部に非点収差と度数ずれによるボケが生じている状態が示されている。
【0054】
(実施例2)
実施例1は、ある1点におけるボケ量を求めるために、目に到達する多数の光線を計算してやる方法であるが、さらに計算量を削減することもできる。そのために、直接ボケ量を求めるのではなく、各点において非点収差量と球面度数とを求め、これからボケ量を推定してやる。非点収差量と球面度数を求める計算は、ある光線に対して、その近軸量を計算する為、遥かに計算量が少なくて済む。
【0055】
レンズによって生じる像のボケの原因には、非点収差によるものと、度数ずれによるものとがある。非点収差は、累進レンズの特性により、周辺部に必然的に生じるもので、それぞれのレンズ固有の分布をしており、その量は、光束がレンズを通る場所によって決まり、使用者の条件には依らない。これに対し、度数ずれは、レンズによる虚像の距離が使用者の眼の視度調節範囲を越えるために生じ、使用者の条件によって変化する。レンズによる虚像の距離は、物体までの距離と、光束が通るレンズ上の位置によって変わる。従って、画像を作成するためには、物体までの距離と使用者の条件(視度調節範囲)を想定し、それぞれの光束が通る位置を計算し、非点収差と度数ずれを算出する必要がある。
【0056】
今、使用者の遠点度数をPO、近点度数をP1とするとき、レンズのある1点を通る光束に対する平均度数がS、非点収差量がAとすれば、ボケ像の径D1、D2と下記の関係が成り立つ。
【0057】
1.S≦POのとき
Dl=α|S−0.5A−PO|
D2=α|S+0.5A−PO|
2.PO≦S≦Plのとき
Dl=0.5α|A|
D2=0.5α|A|
3.Pl≦Sのとき
Dl=α|S−0.5A−Pl|
D2=α|S+0.5A−Pl|
ここで、αは収差量と画像のボケ量との比例定数である。この式を用いて非点収差量と度数から、画像のボケ量を求めることができる。なお、ボケの軸方向は、非点収差の軸方向とすればよい。
【0058】
【発明の効果】
本発明の眼鏡の視野体験装置、眼鏡の視野体験方法は、実際に眼鏡レンズがなくても眼鏡を掛けたときの視野画像を表示して、レンズのボケや歪みといった眼鏡レンズの特性をよりわかりやすい状態でユーザーに体験してもらうことができる。この場合のボケや歪みを作り出す際の計算量を減少させ、画像処理の負担を軽くし、高速でボケや歪みが加わった視野画像を作成することができる。そのため、計算時間が短くなってユーザーを待たせる時間が短くなり、更に動画の表示なども可能となる。従って、本発明は、ユーザーが自分にとって最適の視野を実現するレンズの種類と眼鏡フレームを選択するのに、非常に有用である。
【0059】
また、本発明の記録媒体は、かかる視野体験方法をコンピュータに実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の眼鏡の視野体験装置のハードウエアの一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の眼鏡の視野体験装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の眼鏡の視野体験装置の画像表示までの処理過程を示すフローチャートである。
【図4】本発明の眼鏡の視野体験装置の画像処理部における画像処理過程を示すフローチャートである。
【図5】本発明の眼鏡の視野体験装置で表示される視野画像の一例を示す画像である。
【符号の説明】
1 眼鏡の視野体験装置
10 パソコン
11 選択入力部
12 画像入力部
13 画像処理部
14 記憶部
15 通信機能
16 表示出力部
21 CRT
22 ヘッドマウントディスプレイ
23 キーボード
24 カメラ
25 ハードディスクドライブ
26 CD−ROMドライブ
27 コンパクトディスク[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a technique for displaying a field-of-view image when viewed with glasses, and more particularly, to a field-of-view experience device for glasses, a method for experiencing field-of-view of glasses, and a recording medium that improve the image processing speed of distortion and blur caused by a lens. .
[0002]
[Prior art]
When purchasing spectacles, the user selects a spectacle lens and a spectacle frame, and a combination of these is delivered. When selecting a spectacle lens, wear a lens prepared as a sample at the spectacle store, check the appearance, and select the one that seems suitable for you while listening to the explanation of the store clerk. Then, spectacles with the selected spectacle lens mounted on a separately selected spectacle frame are made and delivered to the user.
[0003]
Conventionally, it is common for a user to purchase a lens after actually wearing a lens that seems to be suitable for him / her.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, it is not possible to see how the field of view looks when wearing spectacles with lenses mounted on the frame until the spectacles actually delivered are put on. There are only a limited number of spectacle lenses available in the store as samples, and lenses that are not available as samples, or lenses that are intermediate in nature as samples are suitable for users. If you decide that you have the eyeglasses, you won't actually know the characteristics of the glasses until you wear the glasses that you actually delivered.
[0005]
In particular, a progressive region with a distance region suitable for viewing a distant object, a near region suitable for viewing a close object, and an intermediate region in which the refractive power gradually changes therebetween. When a multifocal lens is selected, the nature of the progressive surface varies depending on the distance and near powers, and whether the distance or near focus is important. For this reason, the number of progressive multifocal lenses is enormous, and it is not possible to determine how the field of view of a lens suitable for the user looks just by applying a small number of samples prepared in the store.
[0006]
In addition, it is difficult for a clerk at a spectacle store to explain the state of the field of view in words to a user who has never actually used a progressive lens. Furthermore, prescriptions for spectacle lenses include spherical power, astigmatism power, astigmatism axis direction, and progressive lens addition, etc. If these are different, the appearance changes variously. For this reason, it is impossible to grasp all aspects of the field of view only by explanation of the sample and the store clerk.
[0007]
In order to solve such difficulties, it is possible to select the most suitable glasses by displaying a visual field image that can be seen wearing glasses using a personal computer, etc., and experiencing the state of the field of view wearing glasses. It is being considered. However, with progressive multifocal lenses, the characteristics differ depending on the distance area, near area, or intermediate area of the spectacle lens, so simply showing the visual field image of the entire spectacle clearly shows the difference in characteristics to the user. Is difficult.
[0008]
Therefore, the present inventor clearly displays the characteristics of the progressive multifocal spectacle lens to the user, and the user knows in advance how the progressive multifocal spectacle lens looks when using the progressive multifocal spectacle lens. The eyeglass field experience device and the eyeglass field experience method were proposed for the purpose of obtaining a comfortable field of view.
[0009]
In this case, in order to grasp the visual field characteristics of spectacle lenses, particularly progressive lenses, it is necessary for the user to understand the image blur and distortion that occur inevitably in the field of view. It is necessary to create and present the added visual field image to the user.
[0010]
By the way, in order to obtain a virtual image seen through a spectacle lens by rigorous optical simulation, the object is considered as a collection of a large number of point light sources, and light rays emitted from each point and entering the opening of the eye (the pupil) are transmitted. You can do many calculations, integrate them according to the direction of the rays, find the brightness, and create an image. However, with this method, a very large amount of calculations must be performed, so that the calculation time is very long and is not practical as a visual field experience device. Therefore, it is necessary to create an image that is apparently equivalent to a strict simulation image in a short calculation time.
[0011]
Reducing the calculation time when creating a field-of-view image has great significance in terms of practical use of the field-of-view experience device. Needless to say, the processing capacity of a personal computer that performs calculation processing is low, but even if the processing capacity is sufficient, generating images in a short time can add value to the visual field experience device. For example, images can be provided quickly without waiting for the user. In addition, when the user tries to experience the state of shaking, images with different line-of-sight directions must be created in real time, which is impossible with conventional image processing.
[0012]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and displays the characteristics of the appearance of a spectacle lens, particularly a progressive multifocal spectacle lens, as an image so that the user can select an optimal spectacle lens. An object of the present invention is to provide a visual field experience device for glasses capable of performing image processing at high speed in the experience device.
[0013]
In addition, the present invention provides a visual field experience method for eyeglasses that allows the user to select the most suitable eyeglass lens by displaying the characteristics of the appearance of the eyeglass lens, particularly a progressive multifocal eyeglass lens, as an image. It aims at providing the visual field experience method of the spectacles which can be performed in.
[0014]
A further object of the present invention is to provide a computer-readable recording medium in which a program capable of causing a computer to realize such a visual field experience method is recorded.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the eyeglass field experience device according to
[0016]
The spectacle field of view experience method according to claim 4 is a spectacle field of view experience method in which an original image to be viewed through a spectacle lens is image-processed into a field image viewed by the spectacle lens, and the image processed field image is displayed. The image processing performs ray tracing using the data of each pixel constituting the original image and the aberration amount of the spectacle lens, so that the direction of the object and the luminous flux when viewed through the spectacle lens are obtained. When viewing through the spectacle lens based on the direction of the object viewed through the spectacle lens obtained by the step of determining the amount of spread and the direction of the object when viewed through the spectacle lens and the amount of spread of the luminous flux Generating an intermediate image in which the distortion is added to data of each pixel constituting the original image, and an object when viewed through the spectacle lens The original image is constructed after calculating a weighted average value based on pixel values around each pixel constituting the original image according to the spread amount of the luminous flux obtained by the step of obtaining the direction and the spread amount of the luminous flux. Obtained by the steps of obtaining the average range and weight for all the pixels based on the aberration amount of the spectacle lens and the step of creating the intermediate image when performing the averaging to replace the value of each pixel with the weighted average value Obtaining the visual field image by averaging the intermediate image based on the averaging range and weight.
[0017]
Furthermore, the recording medium according to claim 6 is a spectacle visual field experience method for performing image processing on an original image to be viewed through a spectacle lens into a visual field image viewed by applying the spectacle lens, and displaying the processed visual field image, The image processing performs ray tracing using the data of each pixel constituting the original image and the aberration amount of the spectacle lens, so that the direction of the object and the amount of spread of the light beam when viewed through the spectacle lens And a distortion when viewed through the spectacle lens based on the direction of the object viewed through the spectacle lens obtained by the step of determining the direction of the object and the spread amount of the luminous flux when viewed through the spectacle lens. Obtaining an intermediate image obtained by adding the distortion to the data of each pixel constituting the original image, and the direction and light flux of the object when viewed through the spectacle lens After calculating a weighted average value based on pixel values around each pixel constituting the original image according to the spread amount of the luminous flux obtained by the step of obtaining the spread amount, each pixel constituting the original image is calculated. The intermediate image obtained in the step of obtaining the average range and weight when performing averaging to replace the value with the weighted average value for all pixels based on the aberration amount of the spectacle lens, and the step of creating the intermediate image A computer-readable recording medium storing a program for causing a computer to execute a method for experiencing the visual field of eyeglasses, which includes the step of obtaining the visual field image by performing an averaging process based on the averaging range and weight.
[0018]
In the present invention, the spread amount of the light beam that appears to be blurred by ray tracing is preferably obtained for a small number of pixels, and the averaging range to be averaged is obtained for all the pixels from the spread amount of the light beam, and the obtained average is obtained. By averaging all pixels in the intermediate image with distortion from the range, the distortion and blur image processing can be simplified, and a visual field image that is apparently equivalent to a strict simulation image can be created at high speed. it can.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, although embodiment of this invention is described, this invention is not limited to the following embodiment.
[0020]
FIG. 1 shows an example of the device configuration of the eyeglass field experience device of the present invention. The visual
[0021]
In FIG. 2, the block diagram of a function structure of the visual
[0022]
Each of these functions can be realized by the
[0023]
As for image processing, image information may be sent to a host computer via a network and processed by the host computer, and the processed image may be received and displayed by the
[0024]
The
[0025]
FIG. 3 shows a schematic flowchart of a process of displaying a field-of-view image in the eyeglass field-of-
[0026]
First, in
[0027]
Next, in
[0028]
Then, in
[0029]
Next, in
[0030]
If the user wants another lens or another image, the process returns to step 51 to select a lens, select an image, etc., and repeat the above processing. If the user does not want any more images, the process ends.
[0031]
FIG. 3 shows an example of processing of the visual field experience apparatus of the present invention, and other processing flows are also conceivable. For example, in FIG. 3, a field image is created after the selection of a lens or the like. However, assuming as much as possible, a field image obtained with as many lenses as possible is created and stored in advance. It can also be stored in the
[0032]
Furthermore, the
[0033]
According to such a spectacle viewing experience device, users can experience the characteristics of spectacle lenses that appear as blurring or distortion when actually wearing glasses, and are suitable for themselves from a wide variety of spectacle lenses. You can choose from the types of eyeglass lenses that are not available in the store.
[0034]
The eyeglass field experience device of the present invention can process the original image data to be viewed through the lens in such a field experience device at high speed, and can display the characteristics of the lens with distortion and blur in a field image in a short time. There are features.
[0035]
In order to express the blur of the field of view of the progressive lens, it is necessary to create images having partially different degrees of blur in the same field of view. For that purpose, the value of each pixel of the original image may be replaced with the weighted average value of the surrounding pixels in accordance with the blur of the point image by ray tracing. That is, if E (i, j) is data representing the brightness of the original pixel, new pixel data E ′ (i, j)
[0036]
[Expression 1]
[0037]
I will replace it with Here, i and j indicate coordinate values of matrix-like pixels, and a n, m Represents a weight that varies depending on n and m.
[0038]
However, since the degree of blur varies depending on the position of the pixel and the distance of the object, the range and weight of the averaging operation performed on each pixel vary depending on the pixel. In order to obtain the averaging range and weight for each pixel, it is necessary to calculate a large number of light rays, and it still takes calculation time if not as much as the above-described method. Therefore, we have to consider reducing this calculation amount as much as possible.
[0039]
First, the first means for reducing the calculation amount is to simplify the weight when performing the averaging operation. The weighting factor based on the actual ray tracing takes various values depending on the aberration state of each light beam. n, m = 1.0 (S varies depending on the range of averaging). This is equivalent to taking only astigmatism and power deviation as lens aberrations and ignoring all other aberrations. In the case of a spectacle lens, it is known that the effects of astigmatism and power deviation are large and the effects of other aberrations can be almost ignored. Even if this simplification is performed, there is no significant difference in the field image. By making the weighting factor the same, the parameter when performing the averaging operation is only the parameter indicating the range. Since only the astigmatism and the frequency shift are taken into account, the spread of the point image becomes an ellipse. Therefore, if three parameters of the major axis, the minor axis, and the axial direction are determined, the size is completely determined. Therefore, these three parameters may be obtained for each point of the image by ray tracing.
[0040]
Next, the second means to further reduce the calculation amount is to reduce the number of light beams to be traced. Considering that the astigmatism distribution and the power distribution of the progressive lens are continuous, if the object distance is continuous, the amount of blur in the field of view is expected to change continuously. Accordingly, in order to shorten the calculation time, the calculation of the averaging range is stopped for all the pixels, only a small number of pixels are calculated, and the other pixels are obtained by interpolation. If an elliptical shape is assumed as the averaging range, there are three parameters that define the size thereof. Therefore, if interpolation is performed for each parameter, the parameter for each pixel can be determined. However, since the calculation of averaging is performed for each pixel, it is meaningless to calculate the range so finely. In order to reduce the amount of calculation, the averaging range may not be calculated as a continuous value but may be a discrete value.
[0041]
The method so far is a method of calculating a large number of rays in order to obtain the amount of blur at a certain point, but the amount of calculation can be further reduced. For this purpose, the amount of astigmatism and the spherical power are obtained instead of directly obtaining the amount of blur from a large number of rays incident on the eye at each point of the pixel, and the averaging range is estimated from this. The calculation for obtaining the astigmatism amount and the spherical power requires a far less calculation amount because the paraxial amount is calculated for a certain ray.
[0042]
FIG. 4 shows a flowchart in which the
[0043]
First, in
[0044]
Next, in step 532, the direction (distortion) of the object when viewed through the lens is obtained, and the spread of the light beam that appears blurred is obtained for a small number of pixels. As described above, the spread of the luminous flux is, for example, three types of elliptical major axis, minor axis, and axial direction which are the spread of the point image when considering only astigmatism and power deviation by ray tracing of the spectacle lens. It can be obtained by obtaining a parameter. Further, by obtaining the astigmatism amount and the spherical power for each point of the pixel, the spread of the light beam can be obtained.
[0045]
Also, when obtaining the distortion, if the object viewed through the glasses is assumed to be a two-dimensional object such as a photograph or a picture, to create an intermediate image with distortion before creating a blurred image The amount of calculation can be reduced. In other words, instead of tracing all the pixels and creating a distorted image, only the few selected rays are calculated, and based on the result, the other pixels are transformed into an image after deformation. It asks.
[0046]
Next, in step 533, from the direction of the obtained object, the original image is processed to create an intermediate image with distortion when viewed through the spectacle lens.
[0047]
Next, in step 534, an averaging range in which the pixel data is averaged according to the spread amount of the light flux is calculated. In this case, in the simplified calculation method obtained from the astigmatism amount and the spherical power described above, the spread amount of the light flux obtained in step 532 matches the averaging range to be averaged.
[0048]
Next, in step 535, the averaged range is obtained by interpolation for all pixels from the averaged range obtained for a small number of pixels.
[0049]
Next, in
[0050]
According to such a spectacle visual field experience device, it is possible to create a visual field image with substantially the same blur and distortion as in a rigorous simulation while simplifying image processing. For this reason, it is possible to reduce the burden of the image processing function of the personal computer and achieve high-speed image processing. Thereby, for example, it is possible to display the movement of the field-of-view image when the face wearing glasses, which has not been realized in the past due to a heavy load on the personal computer, is moved. Therefore, it is possible for the user to experience a field-of-view image that is closer to reality, and the user can easily select a spectacle lens suitable for him / her.
[0051]
Example 1
By calculating the luminous flux emitted from a certain point on the object and reaching the eyes through the spectacle lens, it can be determined how much the point appears blurred and in what direction it looks. A range for averaging the pixels may be determined in accordance with the apparent blur amount. Since the point light source has a substantially elliptical blur, the major axis, the minor axis, and the axial direction are determined for each point of the pixel. Since it is difficult to calculate the averaging range for each of a large number of pixels, calculation is performed for a small number of pixels without calculating the blur range for all pixels, and other pixels are obtained by interpolation. For example, in the case of an image of 600 × 800, if a lattice point is taken every 20 pixels and blur is obtained by ray tracing only for the lattice point, the amount of calculation is 1/400. In order to obtain the blur amount for pixels other than the lattice points, the coefficient of the interpolation polynomial is obtained based on the data of the lattice points, and the blur amount for each pixel is calculated from the polynomial.
[0052]
In this way, the amount of blur for all the pixels is obtained, the amount of blur that overlaps each pixel is integrated, and the intermediate image with distortion added to the original image is averaged, so that the field-of-view image with blur and distortion added Can be created.
[0053]
FIG. 5 is an image showing an example of the visual field image thus obtained. This field-of-view image shows a case where a table in front of the user at an intermediate distance is viewed using an intermediate region of a progressive multifocal lens. A state in which blurring due to astigmatism and power deviation occurs from the center of the middle region of the lens to the lower side portion is shown.
[0054]
(Example 2)
The first embodiment is a method of calculating a large number of rays reaching the eyes in order to obtain the amount of blur at a certain point, but the amount of calculation can be further reduced. For this purpose, the amount of astigmatism and the spherical power are obtained at each point instead of directly obtaining the amount of blur, and the amount of blur is estimated from this. The calculation for obtaining the amount of astigmatism and the spherical power requires a much smaller calculation amount because the paraxial amount is calculated for a certain ray.
[0055]
Causes of image blur caused by the lens include astigmatism and power shift. Astigmatism is inevitably generated in the periphery due to the characteristics of progressive lenses, and has a unique distribution for each lens.The amount of light is determined by the location where the light beam passes through the lens, and is subject to the conditions of the user. Does not depend. On the other hand, the frequency deviation occurs because the distance of the virtual image by the lens exceeds the diopter adjustment range of the user's eye, and changes depending on the condition of the user. The distance of the virtual image by the lens varies depending on the distance to the object and the position on the lens through which the light beam passes. Therefore, in order to create an image, it is necessary to assume the distance to the object and the user's condition (diopter adjustment range), calculate the position through which each light beam passes, and calculate astigmatism and power deviation. is there.
[0056]
Now, assuming that the far point power of the user is PO and the near point power is P1, if the average power with respect to the light beam passing through one point of the lens is S and the amount of astigmatism is A, the diameter D1 of the blurred image, The following relationship holds with D2.
[0057]
1. When S ≦ PO
Dl = α | S-0.5A-PO |
D2 = α | S + 0.5A−PO |
2. When PO ≦ S ≦ Pl
Dl = 0.5α | A |
D2 = 0.5α | A |
3. When Pl ≦ S
Dl = α | S−0.5A−Pl |
D2 = α | S + 0.5A−Pl |
Here, α is a proportional constant between the aberration amount and the image blur amount. Using this equation, the blur amount of the image can be obtained from the astigmatism amount and the frequency. Note that the axial direction of blur may be the axial direction of astigmatism.
[0058]
【The invention's effect】
The eyeglass field experience device and the eyeglass field experience method of the present invention display a field image when wearing glasses without actually having an eyeglass lens, and make it easier to understand the characteristics of the eyeglass lens such as lens blur and distortion. You can have the user experience in the state. In this case, it is possible to reduce the amount of calculation when creating blur and distortion, reduce the burden of image processing, and create a visual field image with blur and distortion added at high speed. For this reason, the calculation time is shortened, the time for waiting for the user is shortened, and a moving image can be displayed. Therefore, the present invention is very useful for a user to select a lens type and a spectacle frame that realizes an optimal field of view for him.
[0059]
Moreover, the recording medium of the present invention can cause a computer to realize such a visual field experience method.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view illustrating an example of hardware of a visual field experience device for glasses according to the present invention.
FIG. 2 is a block diagram showing a functional configuration of the eyeglass visual field experience device of the present invention.
FIG. 3 is a flowchart showing a processing process up to image display of the eyeglass visual field experience device of the present invention.
FIG. 4 is a flowchart showing an image processing process in an image processing unit of the eyeglass field experience device of the present invention.
FIG. 5 is an image showing an example of a visual field image displayed by the spectacle visual field experience device of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Eyeglass field experience device
10 PC
11 Selection input section
12 Image input section
13 Image processing unit
14 Storage unit
15 Communication function
16 Display output section
21 CRT
22 Head mounted display
23 Keyboard
24 cameras
25 Hard disk drive
26 CD-ROM drive
27 compact disc
Claims (7)
前記画像処理部が、前記元画像を構成する各画素のデータと前記眼鏡レンズの収差量とを用いて光線追跡を行うことにより、前記眼鏡レンズを通して見たときの物体の方向と光束の広がり量とを求める処理と、
前記眼鏡レンズを通して見たときの物体の方向と光束の広がり量とを求める処理により得られた前記眼鏡レンズを通して見た物体の方向に基づき前記眼鏡レンズを通して見たときの歪みを求め、前記歪みを前記元画像を構成する各画素のデータへ加えた中間画像を作成する処理と、
前記眼鏡レンズを通して見たときの物体の方向と光束の広がり量とを求める処理により得られた前記光束の広がり量に応じて、前記元画像を構成する各画素の周辺の画素値に基づく重み付け平均値を算出後、前記元画像を構成する各画素の値を前記重み付け平均値で置き換える平均化を行うときの平均化範囲及び重みを全画素について求める処理と、
前記中間画像を作成する処理により得られた前記中間画像を、前記平均化範囲及び重みに基づき平均化処理することにより前記視野画像を得る処理とを行うことを特徴とする眼鏡の視野体験装置。An image processing unit that performs image processing after calculating a weighted average value based on pixel values around each pixel constituting the original image to be viewed through the spectacle lens, and replacing the value of each pixel constituting the original image with the weighted average value And a visual field experience device for glasses comprising a display unit that displays a visual field image processed by the image processing unit,
The image processing unit performs ray tracing using the data of each pixel constituting the original image and the aberration amount of the spectacle lens, so that the direction of the object and the spread amount of the light beam when viewed through the spectacle lens Processing for
Obtaining distortion when viewed through the spectacle lens based on the direction of the object viewed through the spectacle lens obtained by the process of determining the direction of the object and the amount of spread of the luminous flux when viewed through the spectacle lens; Processing to create an intermediate image added to the data of each pixel constituting the original image;
A weighted average based on pixel values around each pixel constituting the original image according to the spread amount of the light beam obtained by the process of obtaining the direction of the object and the spread amount of the light beam when viewed through the spectacle lens After calculating the value, a process for obtaining the averaging range and weight for all pixels when performing averaging to replace the value of each pixel constituting the original image with the weighted average value;
An eyeglass field-of-view experience apparatus that performs the process of obtaining the field-of-view image by averaging the intermediate image obtained by the process of creating the intermediate image based on the averaging range and weight.
前記光束の広がり量を求める処理が、眼鏡レンズの球面度数と非点収差量から計算することを特徴とする眼鏡の視野体験装置。In the eyeglass visual field experience device according to claim 1,
An eyeglass field experience device characterized in that the process of obtaining the amount of spread of the light beam is calculated from the spherical power of the eyeglass lens and the amount of astigmatism.
前記光束の広がり量に応じて画素データを平均化処理するときの平均化範囲を全画素について求める処理が、全画素の一部の画素について平均化範囲を求め、前記一部の画素の平均化範囲に基づく内挿によって全ての画素に対して平均化範囲を求めることを特徴とする眼鏡の視野体験装置。In the eyeglass visual field experience device according to claim 1 or 2,
The process of obtaining the averaging range for all the pixels when averaging the pixel data according to the amount of spread of the luminous flux obtains the averaging range for some pixels of all the pixels, and averages the some pixels A spectacle visual field experience device characterized by obtaining an averaged range for all pixels by interpolation based on a range.
前記画像処理が、前記元画像を構成する各画素のデータと前記眼鏡レンズの収差量とを用いて光線追跡を行うことにより、前記眼鏡レンズを通して見たときの物体の方向と光束の広がり量とを求めるステップと、
前記眼鏡レンズを通して見たときの物体の方向と光束の広がり量とを求めるステップにより得られた前記眼鏡レンズを通して見た物体の方向に基づき前記眼鏡レンズを通して見たときの歪みを求め、前記歪みを前記元画像を構成する各画素のデータへ加えた中間画像を作成するステップと、
前記眼鏡レンズを通して見たときの物体の方向と光束の広がり量とを求めるステップにより得られた前記光束の広がり量に応じて、前記元画像を構成する各画素の周辺の画素値に基づく重み付け平均値を算出後、前記元画像を構成する各画素の値を前記重み付け平均値で置き換える平均化を行うときの平均化範囲及び重みを前記眼鏡レンズの収差量に基づき全画素について求めるステップと、
前記中間画像を作成するステップで得られた前記中間画像を、前記平均化範囲及び重みに基づき平均化処理することにより前記視野画像を得るステップとを有することを特徴とする眼鏡の視野体験方法。A visual field experience method for eyeglasses in which an original image to be viewed through a spectacle lens is image-processed into a visual field image viewed through a spectacle lens, and the processed visual field image is displayed.
The image processing performs ray tracing using the data of each pixel constituting the original image and the aberration amount of the spectacle lens, so that the direction of the object and the amount of spread of the light beam when viewed through the spectacle lens A step of seeking
Obtaining distortion when viewed through the spectacle lens based on the direction of the object viewed through the spectacle lens obtained by the step of determining the direction of the object and the amount of spread of the luminous flux when viewed through the spectacle lens; Creating an intermediate image added to the data of each pixel constituting the original image;
A weighted average based on pixel values around each pixel constituting the original image according to the spread amount of the light beam obtained by the step of obtaining the direction of the object and the spread amount of the light beam when viewed through the spectacle lens After calculating the value, obtaining the averaging range and weight when performing averaging to replace the value of each pixel constituting the original image with the weighted average value for all pixels based on the aberration amount of the spectacle lens;
A method for experiencing the visual field of glasses, comprising: obtaining the visual field image by averaging the intermediate image obtained in the step of creating the intermediate image based on the averaging range and weight.
前記光束の広がりを求めるステップが、眼鏡レンズの球面度数と非点収差量から計算することを特徴とする眼鏡の視野体験方法。In the eyeglasses visual field experience method according to claim 4,
The method for experiencing the field of vision of glasses, wherein the step of obtaining the spread of the luminous flux is calculated from the spherical power of the spectacle lens and the amount of astigmatism.
前記画像処理が、前記元画像を構成する各画素のデータと前記眼鏡レンズの収差量とを用いて光線追跡を行うことにより、前記眼鏡レンズを通して見たときの物体の方向と光束の広がり量とを求めるステップと、
前記眼鏡レンズを通して見たときの物体の方向と光束の広がり量とを求めるステップにより得られた前記眼鏡レンズを通して見た物体の方向に基づき前記眼鏡レンズを通して見たときの歪みを求め、前記歪みを前記元画像を構成する各画素のデータへ加えた中間画像を作成するステップと、
前記眼鏡レンズを通して見たときの物体の方向と光束の広がり量とを求めるステップにより得られた前記光束の広がり量に応じて、前記元画像を構成する各画素の周辺の画素値に基づく重み付け平均値を算出後、前記元画像を構成する各画素の値を前記重み付け平均値で置き換える平均化を行うときの平均化範囲及び重みを前記眼鏡レンズの収差量に基づき全画素について求めるステップと、
前記中間画像を作成するステップで得られた前記中間画像を、前記平均化範囲及び重みに基づき平均化処理することにより前記視野画像を得るステップとを有する眼鏡の視野体験方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。A visual field experience method for eyeglasses in which an original image to be viewed through a spectacle lens is image-processed into a visual field image viewed through a spectacle lens, and the processed visual field image is displayed.
The image processing performs ray tracing using the data of each pixel constituting the original image and the aberration amount of the spectacle lens, so that the direction of the object and the amount of spread of the light beam when viewed through the spectacle lens A step of seeking
Obtaining distortion when viewed through the spectacle lens based on the direction of the object viewed through the spectacle lens obtained by the step of determining the direction of the object and the amount of spread of the luminous flux when viewed through the spectacle lens; Creating an intermediate image added to the data of each pixel constituting the original image;
A weighted average based on pixel values around each pixel constituting the original image according to the spread amount of the light beam obtained by the step of obtaining the direction of the object and the spread amount of the light beam when viewed through the spectacle lens After calculating the value, obtaining the averaging range and weight when performing averaging to replace the value of each pixel constituting the original image with the weighted average value for all pixels based on the aberration amount of the spectacle lens;
For causing the computer to execute a visual field experience method for glasses, comprising: averaging the intermediate image obtained in the step of creating the intermediate image based on the averaging range and weights to obtain the visual field image A computer-readable recording medium on which the program is recorded.
前記光束の広がりを求めるステップが、眼鏡レンズの球面度数と非点収差量から計算することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。The recording medium according to claim 6, wherein
The computer-readable recording medium, wherein the step of obtaining the spread of the light beam is calculated from the spherical power of the spectacle lens and the amount of astigmatism.
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