JP3737606B2 - 平面アンテナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、平面アンテナに関し、特に、接地される導電性平面プレートである地板と、その地板の表面に対向して所定の距離だけ離れた前記表面と平行な仮想平面内に配置され、前記地板に給電素子用絶縁体スペーサによって固定された細長いλ/2アンテナ給電素子とを有する平面アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
図8(a)の平面図および図8(b)の側面図に、この種の従来の平面アンテナが示されている。この平面アンテナ50においては、導体から形成され接地された長方形の地板53のほぼ中央に、地板53から所定の間隔を保つように絶縁体スペーサ54によって支持されたλ/2アンテナ給電素子51が配置されている。この場合、λ/2アンテナ給電素子51の50Ωで整合のとれる位置にタップ給電点52が設けられている。
【0003】
上述の平面アンテナ50は、図9(b)によって示されるXY平面において図9(a)に示されるようなXY平面垂直偏波成分の放射指向特性を有する。この平面アンテナ50は、通常、図10に示されるような状況で使用される。すなわち、平面アンテナ50を窓の室内側に直接貼り付け、あるいは、窓の室内側に立てかけて使用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した図10ような使用状況において、通信を行うべき相手、例えば、基地局あるいは親局が地点Aにある場合には、図9(a)の特性から分かるように通信を行うのに問題はない。しかしながら、通信を行うべき相手が地点Bにある場合には、図9(a)の特性から分かるように平面アンテナ50自体を地点Bに向ける必要が生じる。しかし、平面アンテナ50の使用される場所の状況、例えば、地点Bの方向に大きな柱がある等の状況によっては、地点Bに平面アンテナ50の向きを合わせられないという問題がある。このことは、中継器本体内蔵型の平面アンテナにおいては、さらに困難なものとなる。
【0005】
この発明は、上述の問題を解決すべくなされたものであって、平面アンテナ自体の向きを変えなくても、平面アンテナの放射指向特性を変えることによって、通信を行うのが困難な方向にあった相手とも良好に通信を行うことを可能にさせる平面アンテナを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するために、この発明は、接地される導電性平面プレートである地板と、その地板の表面に対向して所定の距離だけ離れた前記表面と平行な仮想平面内に配置され、前記地板に給電素子用絶縁体スペーサによって固定された細長いλ/2アンテナ給電素子とを有する平面アンテナにおいて、無給電素子用絶縁体スペーサによって前記仮想平面内にあるように支持され、前記λ/2アンテナ給電素子の長手方向に平行を保って、かつ、前記λ/2アンテナ給電素子を中心に対称的な位置において前記λ/2アンテナ給電素子と並列するように配置することが可能なλ/2アンテナ無給電素子を有することを特徴とする。
【0007】
図1に示された平面アンテナ10においては、細長いλ/2アンテナ給電素子11が地板13から所定の距離だけ離れ地板表面に平行に絶縁体スペーサ14によって地板13に固定されている。このλ/2アンテナ給電素子11の左右には、第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子15a,15bがλ/2アンテナ給電素子11と並列するように絶縁体スペーサ14a,14bによって地板13に取り付けられている。この場合、絶縁体スペーサ14a,14bは、移動用スロット16にガイドされて平行移動可能に構成されている。また、図4に示された平面アンテナ20においては、その平行移動は、位置変更機構21によって実行されるように構成されている。
【0008】
また、この発明は、前記λ/2アンテナ無給電素子が、前記λ/2アンテナ給電素子と実質的に同様な形状をもち、前記λ/2アンテナ給電素子の左右に1本ずつ、前記λ/2アンテナ給電素子に近い第1の位置と、前記λ/2アンテナ給電素子から遠い第2の位置と、その中間とに配置可能なように、前記無給電素子用絶縁体スペーサが固定解除可能に前記地板に固定されている。
【0009】
図1に示された平面アンテナ10においては、一対のλ/2アンテナ無給電素子15a,15bがλ/2アンテナ給電素子11と実質的に同様な形状をもち、λ/2アンテナ給電素子11の左右において、移動用スロット16にガイドされて平行移動可能にされており、絶縁体スペーサ14a,14bが移動用スロット16の一番内側に当接したところが第1の位置であり、絶縁体スペーサ14a,14bが移動用スロット16の一番外側に当接したところが第2の位置である。平面アンテナ10は、第1の位置において図2の特性を、第2の位置において図3の特性をそれぞれ有する。図4の場合、第1,第2の位置は、位置設定レバー28を引き出した状態と押し込んだ状態で実現される。
【0010】
また、この発明は、前記2本のλ/2アンテナ無給電素子が、前記地板の裏面に配置された位置設定機構によって、前記第1,第2の位置およびその中間の位置に固定可能にされており、この場合、前記位置設定機構は、前記地板の裏面に沿って移動可能に配置され、前記λ/2アンテナ給電素子の長手方向に直交する向きに前記地板に穿設された長穴を貫通する前記無給電素子用絶縁体スペーサによって前記2本のλ/2アンテナ無給電素子にそれぞれ結合され、前記2本のλ/2アンテナ無給電素子を前記地板の表面に対してそれぞれ平行移動可能に保持している第1,第2の移動プレートと、前記地板の裏面に配置され、一端が前記第1,第2の移動プレートの内側の端末にそれぞれ軸着された第1,第2の運動方向変換プレートと、前記第1,第2の移動プレートの移動方向に直角に往復動可能なように前記地板の裏面に配置され、一端が前記第1,第2の運動方向変換プレートの他端に軸着されている位置設定レバーとから構成されている。
【0011】
図4の平面アンテナ20においては、位置変更機構21が地板13の裏面側に配置されている。位置設定レバー28を往復動させると、第1,第2の運動方向変換プレート29a,29bがこの往復運動を左右方向の運動に変換し、第1,第2の移動プレート25a,25bを左右に移動させる。したがって、位置設定レバー28を最も引き出した場合が第1の位置に対応し、位置設定レバー28を押し込んで第1,第2の運動方向変換プレート29a,29bが一列になったときが第2の位置に対応する。
【0012】
また、この発明は、接地される導電性平面プレートである地板と、その地板の表面に対向して所定の距離だけ離れた前記表面と平行な仮想平面内に配置され、前記地板に給電素子用絶縁体スペーサによって固定された細長いλ/2アンテナ給電素子とを有する平面アンテナにおいて、無給電素子用絶縁体スペーサによって前記仮想平面内にあるように支持され、前記λ/2アンテナ給電素子の長手方向に平行を保って、かつ、前記λ/2アンテナ給電素子を中心に対称的な位置において前記λ/2アンテナ給電素子と並列するように固定された2対以上のλ/2アンテナ無給電素子と、前記各λ/2アンテナ無給電素子の各端末と前記地板との間にそれぞれ接続され、スイッチング指示により、前記各λ/2アンテナ無給電素子の端末と前記地板との間を接続または切断する無給電素子切替スイッチと、前記2対以上のλ/2アンテナ無給電素子のうちの指示された一対を選択し、選択した一対のλ/2アンテナ無給電素子と前記地板との間を切断し、その他の対のλ/2アンテナ無給電素子と前記地板との間を接続するように前記無給電素子切替スイッチに前記スイッチング指示を出力する切替制御回路とを有することを特徴とする。
【0013】
図5の平面アンテナ30においては、λ/2アンテナ給電素子31に地板33上で並列するように対称的に2対のλ/2アンテナ無給電素子35a,35b;35c,35dが固定配置されている。これらλ/2アンテナ無給電素子35a,35b;35c,35dの長手方向の両端末と地板33との間には、それぞれ図6に示される無給電素子切替スイッチ37が設けられ、これらの無給電素子切替スイッチ37を図7に示されるように接続した素子切替回路39を切替制御回路が制御して、第1の位置にあるλ/2アンテナ無給電素子35a,35bあるいは第2の位置にあるλ/2アンテナ無給電素子35c,35dの一方の対のみを有効にし、λ/2アンテナ無給電素子の位置を電気的に変更している。
【0014】
さらに、この発明において、前記無給電素子切替スイッチのそれぞれは、アノードが前記λ/2アンテナ無給電素子の端末に、カソードが前記地板にそれぞれ接続されたダイオードと、一端が前記ダイオードのアノードに、他端が前記切替制御回路にそれぞれ接続されたコイルと、一端が前記切替制御回路に、他端が前記地板にそれぞれ接続されたコンデンサとから構成されている。
【0015】
図6に示された無給電素子切替スイッチ37においては、アノードがλ/2アンテナ無給電素子35a,35b;35c,35dの端末に、カソードが地板33にそれぞれ接続されたダイオードD1と、一端がダイオードD1のアノードに、他端が切替制御回路にそれぞれ接続されたコイルL1と、一端が切替制御回路に、他端が地板33にそれぞれ接続されたコンデンサC1とから構成されている。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1:
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。図1(a)は、この発明に係わる平面アンテナの実施の形態1を示す平面図、図1(b)は、図1(a)の側面図、図1(c)は、図1(a)の正面図である。この平面アンテナ10においては、導体から形成され接地された長方形の平面プレートである地板13のほぼ中央に、地板13の表面に平行に、かつ、地板13から所定の間隔を保つように絶縁体スペーサ14(非金属のテフロンやジュラコンから作られている)によって支持されたλ/2アンテナ給電素子11が配置されている。この場合、λ/2アンテナ給電素子11の50Ωで整合のとれる位置にタップ給電点12が設けられている。
【0017】
上述のλ/2アンテナ給電素子11の左右には、λ/2アンテナ給電素子11と同形状の第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子15a,15bがλ/2アンテナ給電素子11を中心として左右対称となるように配置されている。これら第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子15a,15bは、地板13の表面に平行で、地板13に対してλ/2アンテナ給電素子11と同様な間隔を保つように絶縁体スペーサ14a,14bによってそれぞれ支持されている。すなわち、λ/2アンテナ給電素子11と第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子15a,15bとは、地板13の表面に平行な仮想平面内に平行に並列配置されている。
【0018】
第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子15a,15bを支持している絶縁体スペーサ14a,14bの下端は、地板13に穿設された移動用スロット16を貫通して地板13の裏面に配置された留め具(不図示:例えば、非金属のプラスチックねじ等を含む)や位置変更機構(後述)によって所定の距離範囲の適宜の位置で固定可能にされている。したがって、一旦固定された絶縁体スペーサ14a,14bは、留め具を緩めれば、移動用スロット16にガイドされて左右に平行移動することができ、所望の位置で留め具をしめれば、絶縁体スペーサ14a,14bをそこで固定することができる。
【0019】
上述のごとき構造で、周波数1.9GHzの信号を扱う平面アンテナの一具体例においては、地板13は、B5判サイズとされ、絶縁体スペーサ14,14a,14bは、λ/2アンテナ給電素子11および第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子15a,15bをそれぞれ地板13の表面から7ミリメータ(mm)のところに保持する寸法とされ、地板13にプラスチックねじ等で固定される。第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子15a,15bが移動用スロット16の一番内側、すなわち、λ/2アンテナ給電素子11に一番近いところに固定された場合(図1(a))、λ/2アンテナ給電素子11と第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子15a,15bとの間の距離はそれぞれ35mmである。
【0020】
また、第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子15a,15bが移動用スロット16の一番外側、すなわち、λ/2アンテナ給電素子11から一番遠いところに固定された場合、λ/2アンテナ給電素子11と第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子15a,15bとの間の距離はそれぞれ55mmである。もちろん、これらの寸法は、取り扱う信号の周波数によって適宜に変更すべきことは言うまでもない。
【0021】
上述の平面アンテナ10は、λ/2アンテナ給電素子11と第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子15a,15bとの間の距離が55mmに設定されている場合、図2(b)によって示されるXY平面において図2(a)に示されるようなXY平面垂直偏波成分の放射指向特性を有する。また、平面アンテナ10は、λ/2アンテナ給電素子11と第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子15a,15bとの間の距離が35mmに設定されている場合、図3(b)によって示されるXY平面において図3(a)に示されるようなXY平面垂直偏波成分の放射指向特性を有する。
【0022】
したがって、図2(a)においては、ビームは、正面方向を向いており、例えば、図10のような使用状況において、地点Aの相手との通信に適しており、図3(a)においては、ビームは、左右±50°の方向に別々に向いており、図10の地点Bの相手との通信に適している。このように平面アンテナ10は、平面アンテナ10自体の向きを変えることなく、λ/2アンテナ無給電素子15a,15bの位置を変更することにより、種々の方向の通信相手と良好に通信を行うことができる。
【0023】
実施の形態2:
次に、λ/2アンテナ無給電素子15a,15bの位置を容易に変更できる位置変更機構を配置した実施の形態2について、図4(a),(b)を参照して説明する。この平面アンテナ20において、地板13の表面側は、図1に示されたものと同様であるが、地板13の裏面側に位置変更機構21が配置されている。図4(a),(b)に示されるように、位置変更機構21は、第1,第2の移動プレート25a,25bと、第1,第2の運動方向変換プレート29a,29bと、位置設定レバー28とから構成されている。
【0024】
第1,第2の移動プレート25a,25bは、地板13の裏面側を左右に摺動しつつ平行移動するように配置されている。移動用スロット16の直下にある第1,第2の移動プレート25a,25bの長手方向の端末は、移動用スロット16を通じてそれぞれ絶縁体スペーサ14a,14bの下端に結合されており、第1,第2の移動プレート25a,25bが移動するとλ/2アンテナ無給電素子15a,15bもλ/2アンテナ給電素子11と平行を保ちながら移動する。
【0025】
第1,第2の運動方向変換プレート29a,29bは、一方の端末が第1,第2の移動プレート25a,25bの中央部分から地板13の中央に延びるタブ部分の端末に、連結軸26a,26bにより軸着(枢軸回転可能に連結)されている。位置設定レバー28は、地板13の中央部分のガイド軸27aによってガイドされ、第1,第2の移動プレート25a,25bの移動方向に直角に移動できるように配置されている。地板13の中央部分側にある位置設定レバー28の端末は、連結軸27bによって第1,第2の運動方向変換プレート29a,29bの他端に軸着されている。
【0026】
位置変更機構21は、上述のように構成されているので、位置設定レバー28が最も奧に押し込まれると、第1,第2の運動方向変換プレート29a,29bは連結軸26a,26bおよび連結軸27bの周りで回転し、第1,第2の移動プレート25a,25bのタブ部分と一列に整列し、λ/2アンテナ無給電素子15a,15bをλ/2アンテナ給電素子11から一番遠いところに設定する(図4(a))。この場合、平面アンテナ20のXY平面垂直偏波成分の放射指向特性は、図2(a)において示されたものと同様になる。
【0027】
位置設定レバー28が最後まで引き出されると、第1,第2の運動方向変換プレート29a,29bは連結軸26a,26bおよび連結軸27bの周りで回転し、第1,第2の移動プレート25a,25bのタブ部分を内側に引き込み、第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子15a,15bをλ/2アンテナ給電素子11に一番近いところに設定する(図4(b))。この場合、平面アンテナ20のXY平面垂直偏波成分の放射指向特性は、図3(a)において示されたものと同様になる。
【0028】
このように、位置設定レバー28を往復運動させることのみで、第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子15a,15bを所望の2つの位置に容易に設定できるが、必要であれば、位置設定レバー28をこれらの2つの位置の中間の位置に停止することにより、中間の適宜な位置に第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子15a,15bを設定し、その位置に対応する放射指向特性を得られることは言うまでもない。
【0029】
実施の形態3:
次に、図1および図4で示されたλ/2アンテナ無給電素子の配置の変更を無給電素子切替スイッチによって電気的に実行できる素子切替回路を備えた実施の形態3について、図5(a),(b),(c)を参照して説明する。この平面アンテナ30は、例として周波数1.9GHzの信号を扱うように構成されたものであって、接地される地板33は、B5判サイズとされている。絶縁体スペーサ34は、給電点32を有するλ/2アンテナ給電素子31を地板33の中央においてその表面から7mmの高さに保持する寸法とされている。
【0030】
また、絶縁体スペーサ34a,34bは、第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子35a,35bをそれぞれ地板33の表面から7mmの高さで、λ/2アンテナ給電素子31から35mm離れたところにλ/2アンテナ給電素子31と並列するように保持している。絶縁体スペーサ34c,34dは、第3,第4のλ/2アンテナ無給電素子35c,35dをそれぞれ地板33の表面から7mmの高さで、λ/2アンテナ給電素子31から55mm離れたところに第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子35a,35bと並列するように保持している。
【0031】
第1,第2,第3,第4のλ/2アンテナ無給電素子35a,35b,35c,35dのそれぞれの両端末には無給電素子短絡ピン36が設けられ、各無給電素子短絡ピン36は、図6で示される無給電素子切替スイッチ37の接続端子ANTに接続されている。図6の無給電素子切替スイッチ37は、アノードが接続端子ANTに、カソードがグランド(この例の場合、地板33)にそれぞれ接続されたダイオードD1と、一端が接続端子ANTに、他端が制御端子VCにそれぞれ接続されたコイルL1と、一端が制御端子VCに、他端がグランドにそれぞれ接続されたコンデンサC1とから構成されている。
【0032】
図7は、上述の無給電素子切替スイッチ37を含む素子切替回路39を示す図である。第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子35a,35bのそれぞれの両端末に設けられた無給電素子切替スイッチ37の制御端子VCは、第1の切替制御端子VC1に共通的に接続されている。第3,第4のλ/2アンテナ無給電素子35c,35dのそれぞれの両端末に設けられた無給電素子切替スイッチ37の制御端子VCは、第2の切替制御端子VC2に共通的に接続されている。
【0033】
したがって、切替制御回路(不図示)が第1の切替制御端子VC1に正の電圧を、第2の切替制御端子VC2に負の電圧をそれぞれ印加すると、第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子35a,35bのそれぞれの両端末は、ダイオードD1およびグランドを介して短絡されて無効にされ、第3,第4のλ/2アンテナ無給電素子35c,35dのそれぞれの両端末は、グランドから開放されて有効にされる。この場合、平面アンテナ30のXY平面垂直偏波成分の放射指向特性は、図2において示されたものと同様になる。
【0034】
上述の場合とは反対に、切替制御回路が第1の切替制御端子VC1に負の電圧を、第2の切替制御端子VC2に正の電圧をそれぞれ印加すると、第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子35a,35bのそれぞれの両端末は、グランドから開放されて有効にされ、第3,第4のλ/2アンテナ無給電素子35c,35dのそれぞれの両端末は、ダイオードD1およびグランドを介して短絡されて無効にされる。この場合、平面アンテナ30のXY平面垂直偏波成分の放射指向特性は、図3において示されたものと同様になる。
【0035】
上述の平面アンテナ30においては、λ/2アンテナ無給電素子をλ/2アンテナ給電素子から35mmまたは55mmのいずれかの位置に設定できるようにしたが、これらの中間にさらにλ/2アンテナ無給電素子を配置し、その中間のもののみを有効にすれば、前述の両位置の中間の特性が得られることは言うまでもない。また、必要があれば、全てのλ/2アンテナ無給電素子を無効にして図8で示されるように従来の平面アンテナを構成できることも明らかである。
【0036】
【発明の効果】
以上に詳述したように、この発明に係わる平面アンテナは、接地される導電性平面プレートである地板と、その地板の表面に対向して所定の距離だけ離れた前記表面と平行な仮想平面内に配置され、前記地板に給電素子用絶縁体スペーサによって固定された細長いλ/2アンテナ給電素子とを有する平面アンテナにおいて、無給電素子用絶縁体スペーサによって前記仮想平面内にあるように支持され、前記λ/2アンテナ給電素子の長手方向に平行を保って、かつ、前記λ/2アンテナ給電素子を中心に対称的な位置において前記λ/2アンテナ給電素子と並列するように配置することが可能なλ/2アンテナ無給電素子を有することによって、平面アンテナ自体の向きを変更しなくとも、λ/2アンテナ無給電素子の位置を適切に変更すれば、通信すべき相手の方向に対して放射指向特性が良好になるように設定することができ、使い勝手がよくなるという効果がある。
【0037】
また、この発明に係わる平面アンテナは、λ/2アンテナ無給電素子がλ/2アンテナ給電素子の左右に1本ずつ配置され、第1の位置と第2の位置との間に自由に設定できるので、放射指向特性を所望なように設定するのが容易である。
【0038】
また、この発明に係わる平面アンテナは、一対のλ/2アンテナ無給電素子の位置を変更するための位置設定機構を備えており、位置設定機構の位置設定レバーを往復運動させるだけで、λ/2アンテナ無給電素子の位置を変更できることにより、λ/2アンテナ無給電素子の位置変更をきわめて容易に正確に実行することができる。
【0039】
また、この発明は、λ/2アンテナ無給電素子を2対以上配置し、それらの両端と地板との間に無給電素子切替スイッチをそれぞれ配置し、切替制御回路によって適宜に無給電素子切替スイッチをオンまたはオフに設定し、λ/2アンテナ無給電素子のうちの所望の一対のみを有効にさせることにより、λ/2アンテナ無給電素子の位置を機械的に移動して変更しなくとも、電気的に変更することができる。
【0040】
さらに、この発明は、無給電素子切替スイッチがダイオードとコイルとコンデンサとで構成されているので、構成が簡単で、部品の入手も容易であり、廉価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明の実施の形態1に係る平面アンテナを示すを示す平面図、(b)は(a)の側面図、(c)は(a)の正面図である。
【図2】(a)は図1の平面アンテナにおいて、第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子がλ/2アンテナ給電素子から一番離れたところに設定された場合の図1の平面アンテナのXY平面垂直偏波成分の放射指向特性を示す図、(b)は図1の平面アンテナにおけるXYZ軸方向を示す図である。
【図3】(a)は図1の平面アンテナにおいて、第1,第2のλ/2アンテナ無給電素子がλ/2アンテナ給電素子に一番近いところに設定された場合の図1の平面アンテナのXY平面垂直偏波成分の放射指向特性を示す図、(b)は図1の平面アンテナにおけるXYZ軸方向を示す図である。
【図4】(a)はこの発明の実施の形態2に係る平面アンテナの、位置設定レバーが最も奧に押し込まれた状態を示す平面図、(b)は位置設定レバーが最後まで引き出された状態を示す平面図である。
【図5】(a)はこの発明の実施の形態3に係る平面アンテナを示す平面図、(b)は(a)の側面図、(c)は(a)の正面図である。
【図6】図5の平面アンテナにおける無給電素子切替スイッチを示す回路図である。
【図7】図5の平面アンテナにおける素子切替回路を示す回路図である。
【図8】(a)は従来の平面アンテナを示す平面図、(b)は(a)の側面図である。
【図9】(a)は図8の平面アンテナのXY平面垂直偏波成分の放射指向特性を示す図、(b)は、図8の平面アンテナにおけるXYZ軸方向を示す図である。
【図10】平面アンテナが使用される場所の状況を説明する図である。
【符号の説明】
10,20,30 平面アンテナ
11,31 λ/2アンテナ給電素子
12,32 給電点
13 地板
14,14a,14b 絶縁体スペーサ
15a 第1のλ/2アンテナ無給電素子
15b 第2のλ/2アンテナ無給電素子
16 移動用スロット
21 位置変更機構
25a 第1の移動プレート
25b 第2の移動プレート
26a,26b、27b 連結軸
27a ガイド軸
28 位置設定レバー
35a 第1のλ/2アンテナ無給電素子
35b 第2のλ/2アンテナ無給電素子
35c 第3のλ/2アンテナ無給電素子
35d 第4のλ/2アンテナ無給電素子
36 無給電素子短絡ピン
37 無給電素子切替スイッチ
39 素子切替回路
VC 制御端子
VC1 第1の切替制御端子
VC2 第2の切替制御端子
Claims (4)
- 接地される導電性平面プレートである地板と、その地板の表面に対向して所定の距離だけ離れた前記表面と平行な仮想平面内に配置され、前記地板に給電素子用絶縁体スペーサによって固定された細長いλ/2アンテナ給電素子とを有する平面アンテナにおいて、
無給電素子用絶縁体スペーサによって前記仮想平面内にあるように支持され、前記λ/2アンテナ給電素子の長手方向に平行を保って、かつ、前記λ/2アンテナ給電素子を中心に対称的な位置において前記λ/2アンテナ給電素子と並列するように配置することが可能なλ/2アンテナ無給電素子を有し、
前記λ/2アンテナ無給電素子は、前記λ/2アンテナ給電素子と実質的に同様な形状をもち、前記λ/2アンテナ給電素子の左右に1本ずつ、前記λ/2アンテナ給電素子に近い第1の位置と、前記λ/2アンテナ給電素子から遠い第2の位置と、その中間とに配置可能なように、前記無給電素子用絶縁体スペーサが固定解除可能に前記地板に固定されている平面アンテナ。 - 前記2本のλ/2アンテナ無給電素子は、前記地板の裏面に配置された位置設定機構によって、前記第1,第2の位置およびその中間の位置に固定可能にされており、この場合、前記位置設定機構は、前記地板の裏面に沿って移動可能に配置され、前記λ/2アンテナ給電素子の長手方向に直交する向きに前記地板に穿設された長穴を貫通する前記無給電素子用絶縁体スペーサによって前記2本のλ/2アンテナ無給電素子にそれぞれ結合され、前記2本のλ/2アンテナ無給電素子を前記地板の表面に対してそれぞれ平行移動可能に保持している第1,第2の移動プレートと、前記地板の裏面に配置され、一端が前記第1,第2の移動プレートの内側の端末にそれぞれ軸着された第1,第2の運動方向変換プレートと、前記第1,第2の移動プレートの移動方向に直角に往復動可能なように前記地板の裏面に配置され、一端が前記第1,第2の運動方向変換プレートの他端に軸着されている位置設定レバーとから構成されている請求項1記載の平面アンテナ。
- 接地される導電性平面プレートである地板と、その地板の表面に対向して所定の距離だけ離れた前記表面と平行な仮想平面内に配置され、前記地板に給電素子用絶縁体スペーサによって固定された細長いλ/2アンテナ給電素子とを有する平面アンテナにおいて、
無給電素子用絶縁体スペーサによって前記仮想平面内にあるように支持され、前記λ/2アンテナ給電素子の長手方向に平行を保って、かつ、前記λ/2アンテナ給電素子を中心に対称的な位置において前記λ/2アンテナ給電素子と並列するように固定された2対以上のλ/2アンテナ無給電素子と、
前記各λ/2アンテナ無給電素子の各端末と前記地板との間にそれぞれ接続され、スイッチング指示により、前記各λ/2アンテナ無給電素子の端末と前記地板との間を接続または切断する無給電素子切替スイッチと、
前記2対以上のλ/2アンテナ無給電素子のうちの指示された一対を選択し、選択した一対のλ/2アンテナ無給電素子と前記地板との間を切断し、その他の対のλ/2アンテナ無給電素子と前記地板との間を接続するように前記無給電素子切替スイッチに前記スイッチング指示を出力する切替制御回路とを有することを特徴とする平面アンテナ。 - 前記無給電素子切替スイッチのそれぞれは、アノードが前記λ/2アンテナ無給電素子の端末に、カソードが前記地板にそれぞれ接続されたダイオードと、一端が前記ダイオードのアノードに、他端が前記切替制御回路にそれぞれ接続されたコイルと、一端が前記切替制御回路に、他端が前記地板にそれぞれ接続されたコンデンサとから構成される請求項3記載の平面アンテナ。
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