JP3737506B2 - 携帯無線装置 - Google Patents

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本発明はアンテナを具備する携帯無線装置に関する。
従来、携帯無線装置、例えば電波を介して伝送される情報を受信する機能或いは無線による通信を行う機能等を有する携行可能な無線装置に具備されるアンテナには、通常ホイップアンテナが用いられている。しかし、このホイップアンテナは、無線装置本体から飛び出して設けられていることから、携行時或いは操作時に損傷を受けることがある。
このようなホイップアンテナの欠点を補うアンテナとして、モノポールアンテナの頂部に線状素子を付加し、アンテナの高さを低くしたものが知られている。
例えば、L形アンテナやこれに折り返し構造を付加した逆Fアンテナなどがある。しかしながら、この様なアンテナは狭帯域であることが知られている。
そこで、この問題点を解決するアンテナとして頂部の素子を板状化したものがあり、この一つとして板状逆Fアンテナがある。しかしながら、このようなアンテナにおいても小形化を進めると狭帯域になってくることが知られている。
さらに、これを改善する方法として、線状のT形アンテナを板状化したS形アンテナが提案されている。このアンテナの構造を見ると頂部の素子が給電点からみて逆FまたはL形アンテナを2つ組み合わせたような形状になっており、この構造がS形アンテナを広帯域特性としている要因の一つであると考えられる。
しかし、このようなT形アンテナを非常に低姿勢化して用いるには以下に示すような問題点が生じる。この問題点は本願発明者らによって今回初めて明らかにされたものである。
すなわち、このような、その頂部に容量的な負荷を取り付けたアンテナでは、一般に短縮化されたモノポールアンテナ部分の電流が放射に寄与する成分であると考えられる。従って、アンテナの低姿勢化によりモノポール上の電流の総和が減ることにより放射抵抗は減少し、これによってアンテナの共振時のQ値が高くなり、同時にアンテナの帯域特性は狭帯域になっていくと予想される。
また、さらに一般に携帯無線装置に用いられるようなアンテナでは、アンテナ上の電流だけではなく、無線装置筺体上の電流も放射に寄与している。すなわち、上記の線状アンテナでは普通、アンテナ素子と、筺体が一種のダイポールアンテナを形成して放射が行われていることが多い。このことはL形またはT形アンテナにおいても同様である。
ここでT形アンテナでは、頂部の素子は単なる容量素子としても考えられるが、低姿勢化することによって、2つのL形アンテナを組み合わせたアンテナであると考えられるようになる。従ってモノポールと線状素子の接合点がずれて接合点からみた線状素子の先端までの長さが各々異なると、当該アンテナは2つの異なった周波数で共振点を有するようになる。すなわち、このときには、各々の周波数でL形アンテナの放射特性を示すことになる。このような現象は2つの共振点における各々のQが高いときには少しのずれによって生じることになる。つまり低姿勢化すればするほど、上述した現象が生じることになる。
一方、アンテナ高が高い場合においては、容量素子としてのみ働いていた頂部の線状素子は、低姿勢化を進めると次第に一種の半波長の長さをもつ線路とみえるようになり、見掛上モノポールの部分はその線路に給電を行う給電線として働くようになる。
従って、線状素子はそれ自体で半波長の共振器として共振を行うようになる。
この様な半波長の共振モードでは、筺体上に流れる電流は、打ち消し合うものと考えられる。これによって筺体からの放射が減り、無線装置全体の放射抵抗は低下する。しかし、線状素子上や線状素子の下の筺体上に電流が流れるため導体損は比較的多くなってくる。
従って、この様な状態では、たとえ見掛上、給電線との整合が取れていても、実際には放射される電流成分よりも導体損などになる電流成分が多くなっている場合がある。ここでアンテナが非常に低姿勢で放射抵抗が低い場合や、この周波数で放射モードの共振が生じていないときには、この導体損が無視できなくなり、放射効率の低下が大きくなる。
従って、一般的にT形で低姿勢なアンテナでは、低姿勢によって生じる半波長共振器の共振周波数と前述のずれによって生じた2つの共振周波数が非常に近接することになる。よって線状素子と給電線のずれによって生じた2つの共振周波数が各々の素子の帯域幅に比較して比較的離れているときに2つの共振周波数の間において先程の線状素子上の半波長の共振の状態が優勢になり、このときアンテナの放射効率は低下する。
これらのことからT形アンテナでは、給電点から線状素子の先端までの距離をそれぞれ同じにしておくことがアンテナの性能の低下を防ぐことになる。
しかし実際においては、このように物理的な距離を調整してアンテナを携帯無線装置上に取り付けても、アンテナが取り付けられた位置に対する無線装置筺体の形状の非対称性および他の回路部品の配置の非対称性によって、線状素子の複数ある端部から、アンテナの給電点までの電気的な距離が同一とはならない。
一般的に、アンテナ端部における等価回路は容量性の素子として表される。この容量的な特性はアンテナの先端部分とアンテナの取り付けられている地板との間に生じるものである。今回、対象としている線状素子を取り付けて低姿勢化したようなアンテナで、しかもアンテナ先端部が複数あるようなアンテナにおいては、各々の先端部は地板全体との間で、一様に容量性の特性を生じさせるのではなく、その先端部付近の地板と強く結合して容量性の特性を生じさせているものと考えられる。
従って、その先端部付近との個々の先端は付近の地板の状態によって、その先端部との付近の地板との間に生じる容量の値が変わり、さらにこのように容量の値が各々の素子によって変化するとそれらの素子の電気長が変わってくることになる。これによって先に述べたような放射効率の低下現象が生じることになる。
また、今回、対象としている無線装置では筺体が地板のはたらきをし、さらにはこの筺体上の電流も放射に寄与している。またアンテナの特性に対して、筺体を保持する人体の手の影響を低減するためには、アンテナは無線装置の筺体の上の方に配置されることになり、アンテナと筺体は非対称的な形になる。これによって線状素子自体のパターンは給電点に対して対称型となっているにもかかわらず、上で示したような原因によってこの筺体上ではアンテナの放射効率の劣化が生じることになる。
さらに、上述したような状態においては、アンテナ上に非放射性の電流分布が生じ、アンテナの放射性能が劣化することが実験により明らかになった。図26は、発明者らが行った携帯無線装置を模擬した筺体上のアンテナの入力インピーダンスのスミスチャート上の軌跡と定在波比の実験結果である。この図26に示されるようにアンテナの中心にアンテナのパターンが対称型となるように給電点を位置させた場合では、図26(a)のスミスチャート上に示されているようにアンテナのインピーダンス軌跡にループが生じており、2重共振が生じている。
このとき図中、周波数f0 で見掛上給電線との整合が取れているように見えるが、このときの動作効率は、図4の携帯無線装置の放射効率を比較した図に示すように、整合が取れていない他の部分の周波数帯よりも最大で6dB程度劣化している。
また、持ち運びなどの便利さを考えたときに、携帯無線装置は小型であることが望ましい。しかしこのように小形化することにより、筐体を保持する使用者の手および頭部がより一層、アンテナに近接し、アンテナの放射界に対して影響を及ぼすことが知られている。
これに関しては、90年電子情報通信学会春季全国大会B−100において発表された、「FDTD法を用いた損失姓誘電体近傍にあるダイポールアンテナの解析」や、89年電子情報通信学会秋季全国大会B−153において発表された、「サーモグラフィによるUHF帯生体吸収電力分布の推定」や、同じく89年電子情報通信学会秋季全国大会B−59において発表された、「ショルダー形携帯無線装置における人体近接特性の解析法について」や、同じく89年電子情報通信学会秋季全国大会SB−2−6において発表された、「目の電波保護の問題について」または91年電子情報通信学会春季全国大会B−311において発表された、「FDTD法による眼球内SARの数値計算」などや、発明者らが90年電子情報通信学会秋季全国大会B−108において発表した、「損失性誘電体柱近傍におかれたアンテナの放射効率」などに詳しい。
この人体とアンテナとの間の相互作用を低減する方法の一つとして人体の方向に放射を行わないことが考えられる。このように人体方向に指向性を持たないようにするためには、アンテナは指向性を有するものでなくてはならない。このような特性を有するアンテナで簡単な構成のものとしてアンテナとその近傍に無給電素子を並べてアレー化したものがある。このアンテナと無給電素子の配置の設定のしかたによって任意の放射指向性を得ることができる。しかし人体頭部も高周波的には、ある程度導電性の性質を有することから、アンテナが通常の無線装置筐体のように天辺に配置されているような場合、人体頭部表面上にこのアンテナの電気的射像が生じ、上記のアンテナ素子間で配置を設定することによって得た放射界も、この頭部上の射像によって大きく変動を来し、所望の指向特性が得られなくなることがある。
また放射界を人体に向けなくても、筐体上の電流に対して筐体上に接する手と頭部が直接相互作用をおこしてしまうといった問題がある。特にアンナテが四分の一波長のモノポールアンテナや板状逆Fアンテナなどのアンテナでは、筐体上に流れる高周波電流が比較的大きく、この電流が無線装置全体から見た放射界に比較的大きく寄与することから、このような人体による影響は無視できない。これを解決する方法としては、アンテナが接合している筐体と、人体が直接触れる筐体とを高周波的に分けるといった方法が考えられるが、小型の無線装置では上記のように分割した筐体が近接してしまうために、高周波的にこれを切断することは比較的困難である。またこの高周波的な切断を行うためにかなり無線装置筐体が大きくなってしまうといった問題があった。
また従来から携帯無線装置に用いるアンテナとして図46に示すようなバラン付きスリーブモノポールアンテナが提案されている。このアンテナは、四分の一波長程度の長さの円筒型の導体(ここではこの円筒部分をバランとよんでいる。
)217aによって高周波電流に対するチョーク効果がある。従って、他のアンテナに比べると無線装置の筐体上に高周波電流をあまり流さないといった特徴があり、筐体近傍の人体による影響を低減するアンテナとして有望視されてきた。
しかしこのアンテナを、実際に用いる場合にはその構造を保つため、同軸給電線の外側に円筒型の誘電体217bをかぶせ、さらに四分の一波長程度の円筒型の導体、すなわちバラン217aとを被せた構造となり、複雑な構造となってしまう。これによってアンテナ素子自体に柔軟性を持たせることが出来にくくなることから、携行時等にアンテナが破損しやすい、また小形化がしにくいなどの問題点があった。
ここでスリーブアンテナの構造を簡単化する方法の一つとしてバランを外してしまうことが考えられる。このときの放射界の変化について図43を参照して説明する。
図43は、スリーブアンテナからバランを外した場合のアンテナの放射パターンである。ここでアンテナは筐体上に四分の一波長の給電線とその先に四分の一波長のアンテナ線を繋げただけであり、このアンテナが導体でできた筐体上に接合されているものである。長さ的には、給電線とアンテナ素子は半波長の長さのダイポールアンテナに相当する。しかし図44に示すダイポールアンテナの放射界と図43のパターンはかなり異なっていることがわかる。この原因は、給電線とアンテナ素子の接合点にある給電点から給電線の外導体の外側に流れ出た電流が給電線と筐体の接合点で止まらず、筐体上に流れ込んでおり、この筐体上の電流からの放射がアンテナの放射界に影響を与えていることによるものと考えられる。ここで筐体は長さがほぼ一波長であったため、アンテナと筐体からの放射は、図45に示した三分の二波長のダイポールアンテナに類似してしまっている。
以上のことから、バランをはずすことにより無線装置の放射界は、所望であった図44に示す半波長ダイポールアンテナの放射界から、かなり異なってしまったばかりでなく、筐体上に高周波電流が流れ込んでしまうと考えられることから、これに密着する人体頭部や手との間で相互に影響を与え合うことになる。
上述してきたように、頂部容量負荷付きアンテナでは、携帯無線装置など有限な大きさで、しかもアンテナの取り付け位置に対して、無線装置筺体の形状が非対称的な場合、アンテナ特性が劣化するといった問題点があった。
携帯無線装置には、これを保持する手や密着する頭部とアンテナの間に、相互作用が生じてしまうことにより通信性能が著しく劣化するといった問題点があった。また携帯無線装置のアンテナにはこの相互作用を低減するものとしてスリーブアンテナが提案されていたが比較的複雑な構造となるため、実際の適用が難しいとの問題点があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、アンテナに生じていた人体との相互作用を低減でき、これにより安定した通信を行うことのできる携帯無線装置を提供することを目的とする。
本発明の実施の形態に係る特徴は、携帯無線装置において、第1の筐体と、第1の筐体の一端に配置されたアンテナと、第1の筐体の一端とは別の一端近傍に配置されたマイクと、マイクとアンテナとの間に配置され、さらにその回転軸が第1の筐体の長手方向に直交するように配置された回転機構部と、回転機構部を介して一端が第1の筐体に接続された第2の筐体と、第2の筐体の回転機構部が接続された一端に対向する別の一端近傍に配置され、マイクが配置されている第1の筐体の面と対向する面に配置されたスピーカとを備え、回転機構部は、第1の筐体と第2の筐体とを回動可能に軸支し、第1の筐体に対して第2の筐体を、マイクが配置されている面に対してスピーカが対向する位置から、スピーカとマイクとの距離が使用する人の耳と口との距離に略等しくなる位置まで扇状に展開させることである。
また、本発明の実施の形態に係る特徴は、携帯無線装置において、第1の筐体と、第1の筐体の一端に配置されたアンテナと、第1の筐体の一端とは別の一端近傍に配置されたマイクと、マイクとアンテナとの間に配置され、さらにその回転軸が第1の筐体の長手方向に直交するように配置された回転機構部と、回転機構部を介して一端が第1の筐体に接続された第2の筐体と、第2の筐体の回転機構部が接続された一端に対向する別の一端近傍に配置され、アンテナが設けられた第1の筐体の端部に対向する面の裏面側の面に配置されたスピーカとを備え、回転機構部は、第1の筐体と第2の筐体とを回動可能に軸支し、第1の筐体に対して第2の筐体を、スピーカが配置されている面の裏面側が第1の筐体に対して対向する位置から扇状に展開させることである。
本発明の携帯無線装置は、アンテナに生じていた人体との相互作用を低減でき、これにより安定した通信を行うことができる等の効果を奏するものである。
以下、本発明に係る実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係る携帯無線装置の外観の要部構成を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施例の携帯無線装置1は導体で構成される無線機筺体3と、この無線機筺体3に平行に配置され一体に構成される第1の素子としての第1の帯状導体素子と第2の素子としての第2の帯状導体素子からなるアンテナ5を設けてなる。
また、このアンテナ5は、第1の帯状導体素子と第2の帯状導体素子の接合部若しくは境界部に給電点7が設けられ、この給電点7に接続され無線機筺体3から伸びる給電線7Aを介して給電が行われる。
さらに、筺体上の給電点7から第1の帯状導体素子と第2の帯状導体素子の各々の先端までの距離は使用する周波数の4分の1波長程度の長さであり、さらにアンテナ5の筺体3からの高さは、8分の1波長以下であり、また第1の帯状導体素子と第2の帯状導体素子の少くともいづれかの素子に、当該第1の帯状導体素子と第2の帯状導体素子との電気長を同一にするための手段が具備されている。
図1に示すのは、図2に示されるように給電点7をアンテナ5の中央からオフセットして位置させることによって2重共振を無くしたものであるが、図3に示されるように、2重共振していたときと比較して5dB程度放射効率が改善されている。すなわち、給電点7をアンテナ5の中央からオフセットして位置させることによってアンテナ5の給電点7を中心としたときの当該中心からアンテナ素子の2つの端a,bまでの電気長を補正し、2重共振を無くし、放射効率の低下を防いでいる。
図5は本携帯無線装置1の送受信部を示す模式図である。アンテナ5で受信された電波は共用器11で、受信回路13に送られ、復調の後、スピーカ,CRT等の出力装置15にその情報信号を送る。逆にマイクロホン,キーボード等の入力装置7から入力された信号は、送信回路19に送られ、変調,増幅の後共用器11を介してアンテナ5から送信される。なおこの携帯無線装置1はアンテナ5を送受兼用としたが、受信送信各々に個別にアンテナを設けても良く、そのとき共用器11は省略することができる。またもちろん送信系、受信系にアンテナを直接つけて、各々の系だけをそれぞれ筺体内に構成して携帯送信機または、携帯受信機としても良い。
次に、本発明に係る携帯無線装置の第2の実施例について図6を参照して説明する。この第2の実施例は、図1に示すアンテナ5の給電点7に地板との間に、図6に示すような短絡線27aを設けることにより折り返し構造にして、整合を簡単に行う方法である。この場合も前述した給電点7の場合と同様の現象が生じるが、同様に折り返し部の短絡線27aを給電点7と同じ方向に同じ量だけオフセットすることによって共振現象を避け、アンテナの性能の劣化を防ぐことができる。
以下、具体的に説明する。この図6に示す実施例は、アンテナ25の外に引出し式アンテナ25Aが付け加えられており、この引出し式アンテナ25Aを設けることによってアンテナ切り替えダイバシチが可能となる。また引出し式アンテナ25Aを引き出すことによって、自動的にアンテナの給電がアンテナ25から引出し式アンテナ25Aへと切り替わるようにしておけば、強電界領域では小型アンテナであるアンテナ25を、また弱電界域では引出し式アンテナ25Aを引き出して使用することによってアンテナ切り替えを行いながら安定した通信を行なうことができる。
またアンテナ25は誘電体基板29上に生成した銅箔膜をエッチングによって切り込みを入れて制作されている。この切り込みによってリボン状になっている帯状素子は、周囲長が一波長程度で電気長がほぼ半波長となっている。例えば、この場合誘電体基板は、0.8mm厚のテフロン(登録商標)基板などを用いるとよい。
またアンテナ25は、図6(b)に示されるように、中心線aより図中、右手方向に距離bだけずらして給電点27b及び短絡線27aの中心が位置するように設置されている。またさらに、切り込みの長さを給電点からみた2つの素子で異なるように構成している。これによって給電点から見た2つの端までの両素子の電気長を同じ長さに補正して、2重共振を無くしている。
また、アンテナの物理形状の中心点aに対して、給電点bをどれだけシフトしたときに最も本発明の効果を奏するかは、使用する電波の波長とアンテナの大きさとの相対関係により決定される。現在の実験では、例えば周波数800MHzで、アンテナの包絡形状を20mm×35mmとしたときに、アンテナの物理形状の中心からλ/50〜λ/100程度シフトさせたとき、最も放射効率を改善することができる。
また、帯幅を広げることは電気長を長くする方向であるため、例えば第1の素子、第2の素子の一方を幅の広い素子とすると、その幅の広い素子の方向に給電点をより大きくシフトさせると、改善効果を高められる。
本実施例は第1の素子、第2の素子に帯状導体を用いており、周囲長の和が1波長程度となっているが、第1の素子、第2の素子と筐体との間に誘電体を挿入することにより、第1の素子、第2の素子の物理長を短くして本発明と同様の効果を持たせることも可能である。
図7はアンテナ25の電気長を補正するための形状変更の一例を示す図である。アンテナ25は、筺体23から給電点27bで給電され、さらに短絡線27aによって筺体23に接続されている。また、アンテナ素子25は、切り込みをいれることによって周囲長が一波長程度になっている。図7では、図7(a)に示されるアンテナ25aの形状を原形とする。図7(b)に示すアンテナ25bでは図7(a)に示すb1を短くすることによって、また図7(c)に示すアンテナ25cでは図7(a)に示すa1を短くすることによって、また図7(d)に示すアンテナ25dでは図7(a)に示すc1を短くすることによって、それぞれアンテナ25の給電点27bを中心としたときの、当該中心からアンテナ素子の両端部までの電気長を補正し、2重共振を無くし、放射効率の低下を防いでいる。
図8は図6に示した携帯無線装置におけるアンテナ25の電気長を容量の変更によって補正する例を示す図である。
図8(a)に示すアンテナ25eの例では、アンテナ25eの一側の素子幅a1 が他方の側の素子幅a2 よりも幅が広いためa1 の方の素子の容量が増え、等価的に給電点からa1 の方の素子の電気長が長くなっているようになっており、これにより左右の素子の電気長を同じ長さに調整している。
また、図8(b)に示すアンテナ25fでは筺体23に導体による導体凸部29Aを設け、端部Aの方の容量を殖やし、電気長の補正を行っている。またこの場合、この導体凸部29Aは外部に導電体を有する他の回路部品であっても良い。また、図8(c)に示すアンテナ25gでは、アンテナ25gの一側の端部Aに折り曲げ部を設けることにより容量を増加するものであり、このとき端部Aの下端部分は筐体23に接触しないように距離Lだけ離間するように構成される。
さらに、図8(e)に示すアンテナ25hでは、アンテナ25hの一側の端部に可変容量29Bを設けることにより、2重共振をなくすことに対して柔軟に対応できる。
図9は本発明に係る第3の実施例を示す斜視図である。
この実施例では、アンテナ35の形状は、J字型を2つ組み合わせ、全体として「逆S字型」に構成されている。また、アンテナ35の一側の端部Aは導体凸部39Bとの間で容量的に結合され、一側端Aの電気的容量を増加させ給電点37bから端部Aまでのアンテナ素子35の電気長を増加させている。これに対し、アンテナ素子35の他側の端部Bの下には誘電体39Aが挿入され、これによって端部Bの電気的容量が増加し、給電点37bから端部Bまでのアンテナ素子35の電気長を延ばしている。これらによって両方のアンテナ素子35の電気長を一致させ、2重共振を防いでいる。
また、このとき端部Bと筐体との間をねじによって離間させ、このねじの締め付け具合により誘電体39Aの厚みを変更して、端部Bの電気容量を変えるようにしても良い。
本発明に係る第4の実施例を図10を参照して説明する。
第4の実施例は、プラスチック製の筐体43と、回路基板42上に給電線7A、短絡線27aを介して回路基板42との間に間隙を有して固定されるアンテナの線状素子45と、筐体43の裏面側(内側)面の線状素子45と対向する位置に設けられる無給電線状素子45aとを有し、また無給電素子45aは筐体43の裏側に例えばエポキシ系接着剤または接着テープなどの誘電体の固定材44で固定される。アンテナ線状素子45と無給電素子45aとは、それぞれの電気長を僅かに変えておくことにより、各々の素子の共振周波数がわずかに変化し、アンテナの動作帯域の広帯域化が望める。短絡線27aと給電線7Aの間隔および太さを変えることによってアンテナ線状素子45と給電線7Aとの整合を行うことができる。
本発明に係る第5の実施例を図11,12を参照して説明する。
プラスチック製の筐体43の裏面側(内側)面にアンテナの線状素子45が設けられる。回路基板42に給電回路7Aaが設けられ、給電点7を介して給電される。アンテナ線状素子45は、筐体43上に鍍金などによって形成される。
給電回路7Aaは、2つのくの字型の線状素子とこれらに挟まれた直線状の線状素子によって構成され、さらに給電点7を起点として回路基板上のグランドに終端されているようになっている。またこの給電回路7Aaは、ばね製の材料でつくられており、この回路の上の方から力が加わることにより、くの字型の部分が撓むようになっていることから、この給電回路7Aaがアンテナ線状素子45に押し付けられるだけで高周波的に安定した接点を持つことができ、アンテナの特性が不安定に変化することがなくなる。このように給電回路45とアンテナ線状素子5が組み合わされてアンテナが構成されている。アンテナと給電点との整合は、給電回路の2つの「くの字形」素子の間隔と「くの字形素子」の太さを変えることによって行う。
図13は第6の実施例である。プラスチック製の筐体43の表面側(外側)面に無給電線状素子45aが、裏面側(内側)面にアンテナの線状素子45がそれぞれ設けられる。回路基板42上に給電回路7Abが設けられ、給電点を介して給電される。アンテナ線状素子45および無給電線素子45aは、筐体43上に鍍金などによって形成される。
給電回路7Abは、2つの直線状の線状素子とこれらに挟まれた「くの字型」の線状素子によって構成され、さらに給電回路7Abの一側端の給電点を起点として回路基板上のグランドに終端されているようになっている。またこの給電回路7Abは、ばね性の材料でつくられており、くの字型の部分が撓むようになっていることから、この給電回路7Abがアンテナ線状素子45に押し付けられるだけで高周波的に安定した接点を持つことができ、アンテナの特性が不安定に変化することがなくなる。このように給電回路7Abとアンテナ線状素子45が組み合わされてアンテナが構成されている。またさらにここでは無給電素子45aがアンテナ素子45の筐体を挟んだ裏面に配置されている。アンテナ線状素子45と無給電素子45aはその電気長を僅かに変えておくことにより、各々の素子の共振周波数がわずかに変化し、アンテナの動作帯域の広帯域化が図れる。
図14,15,16は第7の実施例である。アンテナ線状素子45、給電点27b、短絡線27a、誘電体基板29、アンテナ用のグランド41、回路基板42、回路素子43、溝46、同軸線の給電線47及びアンテナ素子固定用の突起物49が設けられる。
アンテナ線状素子45およびグランド41上は給電点付近のリング状の穴(スルーホール)は誘電体基板29上にエッチングなどで形成する。またあらかじめ誘電体基板29には給電点27bに向って溝46が穿設されており、ここにも鍍金が施されている。この溝46には同軸線の給電線47が収納される。この同軸線46の心線は給電点27bに半田付けなどで固定される。給電点27bおよび短絡線27aは誘電体基板29中にスルーホールにより形成される。
図17,18は第8の実施例である。
給電点7、短絡線27a、給電線27b、誘電体基板29、アンテナ用のグランド41、回路基板42、アンテナ線状素子45、アンテナ素子固定用の突起物49、コプラナ形のマイクロストリップ線路51及び給電線接続用コネクタ53で構成される。
アンテナ線状素子45およびグランド41上のコプラナ形のマイクロストリップ線路51の給電線路は誘電体基板29上にエッチングなどで形成する。またあらかじめコプラナ形のマイクロストリップ線路51の端部に接続用コネクタ53が半田付けなどで接続されており、このコネクタ53を介して回路基板42上の給電線と給電線51は接続される。また回路基板42上で誘電体基板29が配置される場所で特に給電線51が通る場所の周囲を、エッチングなどで誘電体を剥きだしにしておくことにより、給電線はコプラナ形のマイクロストリップ線路として働くことができる。給電線27bおよび短絡線27aは誘電体基板29中にスルーホールにより形成される。
図19,20は第9の実施例である。筐体3、アンテナ線状素子5、円筒型の導体51、アンテナを筐体に固定するコネクタ52、伸縮可能な線状アンテナ素子53、電気的接点54、給電線55で構成される。
まず線状素子5が収納されているときには接点54aがコネクタ52と接続されアンテナ線状素子5への給電点となる。このとき接点54bは導体円筒51の凸部に接触することにより、高周波的に短絡される。ここでコネクタ52から導体円筒57内の凸部までの距離を約四分の一波長としておくことにより、コネクタ52から導体円筒57側を見たときの入力インピーダンスは、ほぼ開放状態となっていることになる。よって収納時には、導体円筒57は高周波的に無視される。ここで接点54aから線状素子5までの距離を十六分の一波長以上としておくことによって、アンテナは整合回路なしでも給電線との整合をとることができる。
また線状素子53が引き出されたときには接点54cがコネクタ52に接続され、ここがアンテナ線状素子5および線状素子53の給電点となる。ここで線状素子53の長さをコネクタ52から半波長としておくことによって、引き伸ばした状態においてもアンテナの入力インピーダンスは給電線との整合が取れている状態となる。このようにして、ポケット収納時や強電界域における場合には線状素子53を収納し、弱電界域では線状素子53を引き出して用いる。
図21は第10の実施例である。筐体3、アンテナ線状素子5、短絡線27a、給電線27b、キーボード63、スピーカ61、マイク65である。
アンテナ線状素子は筐体3の天辺に設けられた凹みに、短絡線27aと給電線27bによって固定される。またキーボード63、スピーカ61、マイク65はアンテナ線状素子5が配置されている場所から離れたところに配置されている。
このような構成をとることによって、人体方向への放射が低減される。
図22は第11の実施例である。筐体3、筐体アーム部3A、アンテナ線状素子5、キーボード63、ディスプレイ67、ピン69、スピーカ61、マイク65で構成される。
筐体アーム部3Aはその先端にアンテナ線状素子5とマイク65を有している。このように構成することで、人体頭部が密着するスピーカ61が配置された筐体3よりも人体からアンテナ部を離すことができ、人体によるアンテナ特性への影響を低減できる。またこの様な構成によって無線機を小形化でき、持ち運びに便利となる。
図23は第12の実施例である。アンテナ線状素子5、短絡線27a、給電線27b、回路基板42、回路部品43で構成される。アンテナ線状素子5は、他の回路の実装状態に合わせて図に示すように任意の形状にすることが可能である。
本発明のアンテナの特性劣化を防ぐ手段は、以上の実施例の、各々を適宜組み合わせて用いることが可能である。また本発明は、携帯無線装置に限ること無く、上記のようなアンテナが金属筺体と組み合わせて用いられる無線機、例えば、無線式カード、無線式パーソナルコンピュータ、各種マルチメディア機器、無線LANの端末、各種小型無線基地局、自動車などの移動体に用いられるアンテナなどならば適用可能である。
尚、上記の実施例では、筐体全体を導体で構成する場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されること無く、例えば筐体を構成する一面若しくはその一部のみを導体で構成する等の適宜の方式の携帯無線装置に適用することができる。例えば、車両に搭載される装置本体と、車両に取り付けられるアンテナによって構成される携帯無線装置が該当する。
また、さらに上記の実施例では、2素子でアンテナを構成する場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されること無く、2素子以上なら何素子でも良く、またその形状は線状、帯状或いは板状体で構成されるU字型、J字型、O字型、T字型、三角形型、扇型、ループ型、スパイラル型等の任意の形状のアンテナの構成に適用できることはいうまでもない。
図27,28は第4の発明に係る実施例である。筐体110、スピーカ111、マイク115、アンテナ117L及び無給電素子117Rで構成される。
このようにスピーカ111が配置されている前面と向き合った背面上にアンテナ117L及び無給電素子117Rを配置し、これらによってアレーアンテナを構成することで、アレーアンテナの指向性は人体頭部の方向ではなく、図28中に示すような方向に向く。またアンテナ117L及び無給電素子117Rは背面に対して法線方向に向いて配置されている。この様な場合、アンテナの給電点からわき出た高周波電流は、アンテナ117L上と筐体110上の背面上に比較的大きな電流分布を生じるが、前面には背面上に分布する電流分布に比べて小さなものしか生じない。前面に生じた電流は、密着する人体との相互作用を生じてしまう。しかし先に述べたようにこの電流は小さいため問題にはならない。これに対してアンテナ上の電流は、筐体の厚さ分だけ人体から離れており、さらに人体表面から離れていく方向に伸びている。このため、この電流によって誘起される人体表面上の射像は、アンテナ上の電流に比べて小さなものとなる。これは人体が良導体ではないことによる。また背面上の電流による人体表面上の射像は、この背面が人体から筐体の厚さだけ離れていることと、人体が良導体でないことから比較的小さな分布となる。以上のことから人体上の射像は、これによって所望の放射指向性を得ることが可能となり、アンテナから放射された電磁波と人体頭部とによる相互作用を低減できる。
図29,30は第4の発明に係る他の実施例である。
ここに示されるように、アンテナ117Dと無給電素子117Uをアレーとして配置することによりアレーアンテナの指向性は、図に示した両方向となる。この様な構成においても効果は図27に示した実施例に等しい。
なお本実施例ではアンテナ117Dは四分の一波長モノポールアンテナ、及びこれを短縮化した板状逆Fアンテナ、ノーマルモードのヘリカルアンテナおよびマイクロストリップアンテナなど一般に携帯無線機に用いられているアンテナなどを用いれば良く。さらに半波長モノポールアンテナやバラン付き半波長スリーブアンテナなどを用いることによって筐体上に流れ込む電流を減らすことができ、アンテナ特性に対する人体の影響を低減し、さらに筐体上に密着する人体と高周波電流との相互作用も低減できる。また無給電素子117Uは、アンテナ117Dと同種のアンテナを用い、さらに給電点に負荷を挿入し、この負荷の値を所望とすることによって放射指向性を可変できる。
図31は第5の発明に係るスピーカと筐体の距離を変更し得る構成の実施例である。筐体110aと筐体110bとの間に蛇腹110cが設けられ、さらにアンテナ117、スピーカ111、マイク115が設けられる。具体的に説明すると、筐体110aにはスピーカ111とマイク115が配置され、筐体110bにはアンテナ117が配置されている。また筐体110bは内部の部品をシールドするために導体に覆われている。筐体110aと筐体110bとは蛇腹110cの長さより長い信号線で結ばれており、蛇腹の伸縮に対して耐えうる構造とする。またここで筐体110b内に高周波回路部を集めておくことによって、筐体110aと筐体110bは低周波信号線で接続できる。
ここで低周波の信号線は高周波の信号線に比べて伸縮による信号線の変形によるインピーダンスの変動が小さいため、このように低周波の信号線で二つの筐体を接続するのは有利な方法である。図31に示されるように、通信時には蛇腹を延ばし(a)、待ち受け時には縮める(b)。このように構成することによって、収納するときに邪魔にならず、さらに通信時には人体に対する電磁波の放射量が低減されるようにできる。
図32は第5の発明に係るスピーカと筐体の距離を変更し得る構成の他の実施例である。筐体121は筐体110内に収納可能な構成となっている。筐体121は筐体110の内部より伸縮させることができるようになっている。またアンテナ117は筐体121に設けられる。スピーカ、マイクは筐体110に設けられる。目盛り123は筐体121の側面に設けられその引き出し量が容易に判別される。すなわち、この目盛り123は筐体121の位置と人体をパラメータとした最大指向性利得を示すもので、あらかじめ計算または実験によって確認したものを筐体121の側面に表示したものである。この目盛り123は、筐体110と合致する場所で読み取ることによって、その時の人体による放射界の変化量を簡易に確認することができる。
図33及び図34は第5の発明に係るスピーカと筐体の距離を変更し得る構成の他の実施例である。
所定の長さの筐体125Aに対し、略半分の長さの筐体125Bが筐体125Aの略半分の長さの位置で回転機構部127により揺動自在に軸支される。また、筐体125Aの一方の側の端部にアンテナ117が設けられ、他方の側の前面(内側面)にマイク115が設けられ、さらに筐体125Bの前面(内側面)にスピーカ111が設けられる。通話時にはこの回転機構部127を中心として図33(b)に示されるように、筐体125Aに対し筐体125Bを扇状に展開させ、固定する。この展開した状態で筐体125Bに配置されるスピーカ111と筐体125Aのマイク115との距離は図34にも示すように、人間の耳と口との距離に略等しくなるように形成されており、使用する人の顔の形状や好みにより、転回角度を変更することによりその距離を変更することができる。また、スピーカ111に耳が密着することから、アンテナ117の給電点は人体頭部から離して設定される。従って以上のように構成することによってアンテナと筐体上の高周波電流と人体との相互作用が低減される。また持ち運びの時には、図33(a)に示すように、筐体125Bを折り畳むことによって突出部が無くなり小形化できる。
図35は第5の発明に係るスピーカと筐体の距離を変更し得る構成の他の実施例である。この実施例は前述した図33に示す携帯無線装置と略同様の構成である。この図35に示す実施例では筐体125Aaの片側半分を他方の厚みの半分にして構成したものであり、この半分の厚みの部分に、同じく半分の厚みの筐体125Baが回転機構部127により揺動し、収容される。なお、可動筐体である筐体125Baにスピーカ111が設けられ、本体側筐体である筐体125Aaの一方の側の端部にアンテナ117が設けられ、他方の側の前面にマイク115が設けられる。
図36は他の実施例である。構成は図35に示した実施例とほぼ同様であり、この例では、通話時の展開の方法を後ろ側としたときの例である。効果は図35の場合と略同様である。
すなわち、筐体125Abと筐体125Bbは回転機構部127によって接続されている。通話時にはこの回転機構部127を中心として図36(b)に示されるように筐体125Abに対して後方に筐体125Bbが扇状に展開されて固定される。筐体125Abにはスピーカ111が配置され、ここに耳が密着することから、アンテナ117の給電点は人体頭部から離される。
以上のように構成することによってアンテナおよび筐体上の電流と人体との相互作用が低減される。また先の発明の実施例と同様に、持ち運びの時には、折り畳むことによって小形化できる。
すなわち、アンナテが設置されている高周波電流が流れる第2の筐体と人体に密着するスピーカが上端部に配置されている第1の筐体の2つの筐体を有している。さらに回転機構部により第1の筐体または前記第2の筐体を扇状に転回自在に軸支することから、通話時にはアンテナおよび筐体上の高周波電流およびアンテナから放射される電磁波から人体を離すことができ、さらにポケット収納時などには回転機構部により折り畳むことにより、使用者の都合に合わせてその転回角度を決定すると共に、無線装置全体の大きさを設定することができる。またさらにこの回転機構部などにあらかじめ計算または測定などによって得た、アンテナと人体間の距離をパラメータとした最大指向性利得特性などを表示することにより、使用時に自分がどの程度放射界に影響を与えているかを知ることが可能となる。
図37,38を参照して他の実施例について説明する。筐体110、アンテナ117b、給電線117aで構成される。
図37,38に示されるように、給電線117aは、まず筐体110上のある面から垂直に立ち上がり、続いてほぼ直角に曲がることによって先程の面と数十分の一波長程度の間隔d(図38(c)参照)を保ちつつ平行になり、図37,38中の点nから点mまで四分の一波長の長さにわたって筐体110と平行になっている。点mにおいて給電線117aは、またほぼ垂直に曲がり、無線機筐体110の長手方向の延長方向に伸びている。さらに四分の一波長伸びた点pで給電線117aは終り、その先に四分の一波長のアンテナ線状素子117bが付いている。
この様な構成では、アンテナ線状素子117bとこれに続く四分の一波長の給電線117aの外側部分は、その接合点pに給電線を持つ半波長ダイポールアンテナと同様に働く。これは、この部分に繋がっている給電線117aの点mから点nまでと筐体110が高周波電流をチョークする働きをするからである。この働きの説明を次に述べる。
給電線117aのうち点nから点mの部分は、点mから見て四分の一波長のところで筐体110に短絡している。従って給電線117Aと筐体110の表面によって形成されるコの字型の部分を点mから見たときのインピーダンスはかなり高いものとなる。これによりpからわき出て給電線117aの外導体の外側を流れる電流にとって、コの字型部分は点mでチョークを行う働きをすることになる。このチョークによって、先の電流は筐体110上に流れ込むことが出来なくなる。これによってこの筐体110に密着する人体頭部と筐体上およびアンテナ上の電流との相互作用は低減される。この構成によれば、外導体にスリーブが必要無くなる。よってアンテナの構造はスリーブアンテナよりも簡略化できるとともに同等の性能を実現できる。
かくして半波長の長さを有する給電線のうち筐体との接点から四分の一波長だけを筐体に平行に配置し、これによって高周波電流に対するチョーク部を形成することにより無線装置の筐体上に流れ込もうとする高周波電流を抑制する。さらに給電線の残りの部分の四分の一波長のアンテナ素子とによって等価的にダイポールアンテナを形成する。このことにより人体から高周波電流の最大振幅の位置を離すことができる。以上のことからバラン付きスリーブモノポールアンテナに比べて簡単な構造で同様の効果が得られる。
図39は上記の実施例の構成を持つ無線機の放射パターンを示す。図43に示したパターンと異なり、半波長のダイポールアンテナのパターンに近い。このことから筐体上に流れ込む電流がかなり低減されていることがわかる。また筐体と給電線によってチョークが行われている長さを五分の一波長としたときのパターンを図40に示す。このパターンにおいても、図43に示したパターンに比べて、放射界の改善が著しく行われており筐体上の電流が減少していることがわかる。
図41は別の実施例である。図41に示す携帯無線装置は筐体110の一側の面、例えば上面の一隅に四分の一波長ほどの長さの導体性の導体円筒129を埋め込み、この導体円筒129の中にアンテナ117bと給電線117aを配設したものである。この導体円筒129は底の部分nで給電線117aと電気的に短絡されている。
また、給電線117aは、筐体110と導体円筒129との接合点mから見て、四分の一波長ほど先のn点で導体円筒129と電気的に短絡している。従って、接合点mから点nの方をみたときのインピーダンスは、非常に大きくなり、給電線117aとアンテナ素子117bの接合点pからわき出た高周波電流は点mでチョークされる。ここでアンテナ素子117bはアンテナの高さを押えるために四分の一波長程度の線をコイル状に巻いたものである。
上記の構成にすることによって、先に示した発明と同様にこの筐体110に密着する人体とアンテナ上および筐体上の電流との相互作用は低下する。
図42は他の実施例である。図42に示す携帯無線装置は、筐体110の一部を切り欠いて、段部を形成し、この段部にアンテナ117bを設けたものである。
筐体110の上側面と同じ高さの位置である点mと段部の底部の点である点nとの間の長さは、四分の一波長ほどである。また、給電線117aは、この底部のn点で筐体110と電気的に短絡していることから、接合点mから点nの方をみたときのインピーダンスは非常に大きくなる。従って、給電線117aとアンテナ素子117bの接合点pからわき出た高周波電流は点mでチョークされる。
ここで点pと点mとの間の部分のアンテナ素子117bと給電線117aは、アンテナの高さを押えるためにコイル状に巻れている。
このような構成とすることによって、前述した各実施例と同様に、この筐体110に密着する人体とアンテナ上および筐体上の電流との相互作用は格段に低下する。
本発明に係る携帯無線装置の位置実施例の構成を示す斜視図である。 図1に示した携帯無線装置のアンテナ素子の給電点の位置関係を示す図である。 図1に示したアンテナを使用した携帯無線装置のインピーダンス特性を示す図である。 本発明と従来の携帯無線装置の放射効率を比較した図である。 図1に示した携帯無線装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明に係る携帯無線装置の第2の実施例を示す図である。 図6に示した携帯無線装置におけるアンテナ素子の電気長を補正するための形状変更の一例を示す図である。 図6に示した携帯無線装置におけるアンテナ素子の電気長を容量の変更によって補正する例を示す図である。 本発明に係る携帯無線装置の第3の実施例を示す図である。 本発明に係る携帯無線装置の第3の実施例を示す図である。 発明に係る携帯無線装置の第3の実施例を示す図である。 発明に係る携帯無線装置の第3の実施例を示す図である。 本発明に係る携帯無線装置の第3の実施例を示す図である。 本発明に係る携帯無線装置の第3の実施例を示す図である。 本発明に係る携帯無線装置の第3の実施例を示す図である。 本発明に係る携帯無線装置の第3の実施例を示す図である。 本発明に係る携帯無線装置の第3の実施例を示す図である。 本発明に係る携帯無線装置の第3の実施例を示す図である。 本発明に係る携帯無線装置の第3の実施例を示す図である。 本発明に係る携帯無線装置の第3の実施例を示す図である。 本発明に係る携帯無線装置の第3の実施例を示す図である。 本発明に係る携帯無線装置の第3の実施例を示す図である。 本発明に係る携帯無線装置の第3の実施例を示す図である。 従来の携帯無線装置の外観を示す斜視図である。 図24に示した携帯無線装置のアンテナ素子の給電点の位置関係を示す図である。 図24に示した従来の携帯無線装置のインピーダンス特性を示す図である。 本発明の第4の発明の携帯無線装置の一実施例を示す図である。 本発明の第4の発明の携帯無線装置の一実施例を示す図である。 本発明の第4の発明の携帯無線装置の一実施例を示す図である。 本発明の第4の発明の携帯無線装置の一実施例を示す図である。 本発明の第5の発明の携帯無線装置の一実施例を示す図である。 本発明の第5の発明の携帯無線装置の一実施例を示す図である。 本発明の第6の発明の携帯無線装置の一実施例を示す図である。 本発明の第6の発明の携帯無線装置の一実施例を示す図である。 本発明の第6の発明の携帯無線装置の一実施例を示す図である。 本発明の第6の発明の携帯無線装置の一実施例を示す図である。 本発明の第6の発明の携帯無線装置の一実施例を示す図である。 本発明の第6の発明の携帯無線装置の一実施例を示す図である。 本発明の第6の発明の携帯無線装置の一実施例を示す図である。 本発明の第6の発明の携帯無線装置の一実施例を示す図である。 本発明の第6の発明の携帯無線装置の一実施例を示す図である。 本発明の第6の発明の携帯無線装置の一実施例を示す図である。 スリーブアンテナからバランを外したときのアンテナの放射パターン図及び無線装置の外観を示す斜視図である。 ダイポールアンテナの放射界を示すパターン図である。 三分の二波長のダイポールアンテナの放射界を示すパターン図である。 従来のバラン付きスリーブモノポールアンテナを備えた携帯無線装置の外観を示す斜視図である。
符号の説明
1 携帯無線装置
3 無線装置筺体
5 アンテナ
7 給電点
7A 給電線
11 共用器
13 受信回路
15 出力装置
17 入力装置
19 送信回路
25A 引出式アンテナ
27a 短絡線
27b 給電点
29 誘導体基板
29A 導体凸部 29B 可変容量
39A 誘電体
39B 導体凸部
40 給電線
41 アンテナ用のグランド
42 回路基板
43 回路部品
44 アンテナ素子固定用の突起物
45 給電回路
46 給電線通過用の溝
50 給電線接続用コネクタ
51 円筒型の導体
52 アンテナを筐体に固定するコネクター
53 伸縮可能な線状アンテナ素子
54 電気的接点
63 キーボード
67 ディスプレイ
69 ピン
61 スピーカー
65 マイク
110 無線装置筐体
117 アンテナ素子
110C 蛇腹
111 スピーカー
115 マイク
123 目盛り
127 回転機構部
129 導体円筒

Claims (3)

  1. 第1の筐体と、
    前記第1の筐体の一端に配置されたアンテナと、
    前記第1の筐体の前記一端とは別の一端近傍に配置されたマイクと、
    前記マイクと前記アンテナとの間に配置され、さらにその回転軸が前記第1の筐体の長手方向に直交するように配置された回転機構部と、
    前記回転機構部を介して一端が第1の筐体に接続された第2の筐体と、
    前記第2の筐体の前記回転機構部が接続された一端に対向する別の一端近傍に配置され、前記マイクが配置されている前記第1の筐体の面と対向する面に配置されたスピーカとを備え、
    前記回転機構部は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを回動可能に軸支し、前記第1の筐体に対して前記第2の筐体を、前記マイクが配置されている面に対して前記スピーカが対向する位置から、前記スピーカと前記マイクとの距離が使用する人の耳と口との距離に略等しくなる位置まで扇状に展開させることを特徴とする携帯無線装置。
  2. 第1の筐体と、
    前記第1の筐体の一端に配置されたアンテナと、
    前記第1の筐体の前記一端とは別の一端近傍に配置されたマイクと、
    前記マイクと前記アンテナとの間に配置され、さらにその回転軸が前記第1の筐体の長手方向に直交するように配置された回転機構部と、
    前記回転機構部を介して一端が第1の筐体に接続された第2の筐体と、
    前記第2の筐体の前記回転機構部が接続された一端に対向する別の一端近傍に配置され、前記アンテナが設けられた前記第1の筐体の端部に対向する面の裏面側の面に配置されたスピーカとを備え、
    前記回転機構部は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを回動可能に軸支し、前記第1の筐体に対して前記第2の筐体を、前記スピーカが配置されている面の裏面側が前記第1の筐体に対して対向する位置から扇状に展開させることを特徴とする携帯無線装置。
  3. 前記回転機構部は、前記第1の筐体の略半分の長さの位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯無線装置。
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