JP3736884B2 - スナップファスナー取付け機とリベット体支持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベースに対して昇降駆動される昇降部材に、リベット体の突起を打撃するハンマーとスナップ嵌合体を保持する保持部材とを備えた打込み装置を設ける一方、前記ベースには、前記打込み装置の直下位置に、リベット体を載置する受け部材と、当該受け部材に対して上下方向摺動自在に外嵌する筒状ガイドと、当該筒状ガイドを上方へ摺動付勢するスプリングとを備えたリベット体支持装置を設け、前記保持部材にスナップ嵌合体を保持させ且つ前記受け部材にリベット体を載置すると共に、リベット体支持装置と打込み装置間に可撓性シートを介装した状態で、打込み装置を昇降駆動することにより、可撓性シートを通してスナップ嵌合体の中央貫通孔に挿入されたリベット体の突起を前記ハンマーで打撃し、突起先端部を拡径変形させてスナップ嵌合体の中央貫通孔にカシメ止めするようにしたスナップファスナー取付け機と、そのスナップファスナー取付け機に使用されるリベット体支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スナップファスナーにおける雄型又は雌型のスナップ嵌合体を衣服等の可撓性シートに止着するリベット体として、図11の(A)に示すように、突起aの元端に連設された円形板部bの周縁部cを立ち上げ、この立ち上がり周縁部cで合成樹脂等により構成された円盤状の化粧部材dをカシメ止めした化粧リベット体が既に知られており、これは、一般に、「金巻き」と称されている。
【0003】
また、図11の(B)に示すように、突起aとその元端の円形板部bとを合成樹脂の射出成形品とし、前記円形板部bの立ち上がり周縁部cで合成樹脂等により構成された円盤状の化粧部材dをカシメ止めした化粧リベット体も、既に知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の化粧リベット体は、何れも、衣服等に取り付けられる前の部品の段階で、既に、突起a付きの部材と化粧部材dとをカシメ止めにより一体化した製品となっているため、衣服の色やデザインに対応できるように、二部材の色をかえた何種類もの製品を準備しておく必要があり、少量多品種の商品であることが臨まれる衣服用スナップファスナーとしては、非常に不利である。
【0005】
上記の現状に鑑み、本発明は、スナップファスナー取付け機におけるリベット体支持装置の構造を工夫することにより、衣服等にスナップファスナーを取り付ける時点で、リベット体と、その頭部に嵌合するリング状化粧部材とを一体化して、衣服の色やデザインにマッチした化粧リベット体を構成できるようにし、以て、少量多品種の商品でも低コストで製造できるようにすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、リベット体支持装置に装備られている筒状ガイドの内周面に環状段部を形成し、リベット体の頭部に嵌合するリング状化粧部材を、この環状段部に載置した状態で、衣服等の可撓性シートに対する通常のスナップファスナー取付け動作を行うことにより、リベット体とリング状化粧部材とを一体化して、化粧リベット体を構成するようにしている。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、ベースに対して昇降駆動される昇降部材に、リベット体の突起を打撃するハンマーとスナップ嵌合体を保持する保持部材とを備えた打込み装置を設ける一方、前記ベースには、前記打込み装置の直下位置に、リベット体を載置する受け部材と、当該受け部材に対して上下方向摺動自在に外嵌する筒状ガイドと、当該筒状ガイドを上方へ摺動付勢するスプリングとを備えたリベット体支持装置を設け、前記保持部材にスナップ嵌合体を保持させ且つ前記受け部材にリベット体を載置すると共に、リベット体支持装置と打込み装置間に可撓性シートを介装した状態で、打込み装置を昇降駆動することにより、可撓性シートを通してスナップ嵌合体の中央貫通孔に挿入されたリベット体の突起を前記ハンマーで打撃し、突起先端部を拡径変形させてスナップ嵌合体の中央貫通孔にカシメ止めするようにしたスナップファスナー取付け機において、前記筒状ガイドの内周面に環状段部を形成し、当該環状段部に、前記リベット体の頭部と嵌合するリング状の化粧部材を載置し、この状態でリベット体の突起をスナップ嵌合体の中央貫通孔にカシメ止めすることにより、前記化粧部材とリベット体とを一体化させるように構成することによって、実施できる。
【0008】
また、本発明は、上面の開口した筒軸部とその上端に連設されたフランジ部とを有するケースの内部に、上端にリベット体の頭部を支持する支持面が形成された受け部材を、前記筒軸部の底板部に支持された状態に設け、且つ、前記受け部材に対して上下方向摺動自在に外嵌すると共に、受け部材の一部と係合して上方への抜け出しを阻止できるように下端が内側に折れ曲がった筒状ガイドと、当該筒状ガイドを上方へ摺動付勢するスプリングとを設けて成るリベット体支持装置において、前記筒状ガイドの内周面に前記リベット体の頭部と嵌合するリング状の化粧部材を載置するための環状段部を形成することによって実施できる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例を例示図に基づいて説明する。図1は、スナップファスナー取付け機を示し、図2は、その要部を示す。
【0010】
図1において、1はスタンドであり、その上部には、駆動ケースを兼ねたベース2が連設されている。ベース2の前部側は、前方と左右両側方に開放した作業スペースSを形成するように、上フレーム2aと下フレーム2bとに分かれている。
【0011】
上フレーム2aに設けた筒状ガイド3には、図外の駆動機構により昇降駆動される昇降部材4が上下方向摺動自在に保持されており、昇降部材4の下端部には、打込み装置Aが設けられている。ベース2の下フレーム2bには、前記打込み装置Aの直下位置にリベット体支持装置Bが設けられている。
【0012】
打込み装置Aは、図2に示すように、リベット体の突起を打撃するハンマー5と、そのハンマー5および前記昇降部材4に対して上下方向に摺動自在で且つスプリング6によって下方に付勢された筒状の取付け部材7と、当該取付け部材7の下端部に着脱自在に連結された筒状の保持部材8とを備えている。取付け部材7の両側面には、180度の位相を持たせて内外に開口するスリット10,10が形成されている。保持部材8の外周面には、前記スリット10,10と対向する位置に環状溝11が形成されている。そして、前記スリット10,10を通してスナップピン12を前記環状溝11に係合させることにより、保持部材8を取付け部材7に固定し、スナップピン12を抜き取ることにより、保持部材8を取り外して、サイズの異なる保持部材や雄型のスナップ嵌合体用の保持部材と交換できるようになっている。13は取付け部材7の摺動ストロークを規定する抜止め部材であり、ネジ14によって昇降部材4の下端面に取り付けられている。
【0013】
リベット体支持装置Bは、ベース2の下フレーム2bに穿設した孔に上方から、後述するフランジ部15bが孔縁部上面に当接するまで落とし込むことによって、着脱交換自在に装着されるものであり、その具体的な構造は、次の通りである。
【0014】
即ち、図2に示すように、上面の開口した筒軸部15aとその上端に連設されたフランジ部15bとを有する金属製ケース15の内部に、上端にリベット体30の頭部30aを支持するための凹入湾曲した支持面16aが形成された受け部材16を、前記筒軸部15aの底板部15cに圧縮バネ17を介して支持された状態に設けてある。16bは抜け止め用ストッパーである。18はバネ受けを兼ねるガイド筒であり、受け部材16の小径軸部に摺動自在に套嵌してある。また、金属製ケース15の内部には、前記受け部材16に対して上下方向摺動自在に外嵌する筒状ガイド19と、当該筒状ガイド19を上方へ摺動付勢する前記圧縮バネ17よりもバネ力の弱いスプリング20とを設けてある。
【0015】
前記筒状ガイド19は横断面形状が円形であって、その内周面には、環状段部19aが形成されている。また、筒状ガイド19の下端は、受け部材16の一部と係合して上方への抜け出しを阻止できるように、内側に折れ曲がっており、この折れ曲がり部分19bと前記ガイド筒18との間に前記スプリング20を介装してある。
【0016】
上記の構成によれば、次のようにして、スナップファスナー取付け動作が行われるのである。即ち、図3に示すように、スナップファスナー構成部材である雌型のスナップ嵌合体40を前記保持部材8に保持させる一方、他のスナップファスナー構成部材である合成樹脂製のリベット体30を前記リベット体支持装置Bの受け部材16に載置した後、リング状の化粧部材50を筒状ガイド19の環状段部19aに載置する。尚、受け部材16に対するリベット体30の載置は、筒状ガイド19の案内により容易に行える。
【0017】
リング状の化粧部材50は、ゴム、合成樹脂、金属等、任意の材料によって製作されるもので、図10に示すように、リベット体30の頭部30aに嵌合する浅い凹入部50aを有し、凹入部50aの中央には、スナップ嵌合体40の裏面形状に対応する貫通孔50bが形成されている。
【0018】
そして、スナップ嵌合体40とリベット体30および化粧部材50との間に、衣服の生地等の可撓性シート60を介装させた状態で、図1に示すペダル21を踏み込むと、図外の駆動機構により一回転クラッチを介して、昇降部材4が昇降駆動され、打込み装置Aが下降することにより、図4に示すように、リベット体30の突起30bが可撓性シート60を通してスナップ嵌合体40の中央貫通孔に挿入される。
【0019】
この状態からハンマー5だけがさらに下降して、図5に示すように、突起30bを打撃し、突起先端部を拡径変形させてスナップ嵌合体40の中央貫通孔にカシメ止めすることにより、前記化粧部材50とリベット体30とを一体化させ、図9に示すような雌型のスナップとなる。
【0020】
上記の通り、本発明よれば、スナップファスナーの取付け時点で、化粧部材50とリベット体30とを一体化させるので、色彩や材質の異なる化粧部材50と色彩の異なるリベット体30を、予め、複数種類ずつ用意しておけば、それらを任意に組み合わせて、従来の化粧リベット体と同じような装飾効果の高い頭部を持った何種類ものスナップファスナーを構成することができ、少量多品種の商品でも低コストで製造できるのである。
【0021】
尚、化粧部材50を使用しない場合は、図6〜図8に示すように、前記環状段部19bに何も載せず、通常の手順により、スナップファスナー取付け動作を行うことになる。
【0022】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、衣服等にスナップファスナーを取り付ける時点で、リベット体と、その頭部に外嵌するリング状化粧部材とを一体化して化粧リベット体を構成できるので、色彩や材質の異なる化粧部材と色彩の異なるリベット体を、予め、複数種類ずつ用意しておけば、それらを任意に組み合わせることによって、衣服の色やデザインにマッチした装飾効果の高い頭部を持った何種類ものスナップファスナーを構成することができ、少量多品種の商品でも低コストで製造できる効果がある。
【0023】
また、請求項2に記載の発明によれば、既存のスナップファスナー取付け機におけるリベット体支持装置を、本発明に係るリベット体支持装置と取り替えることによって、上記の効果が得られるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スナップファスナー取付け機の全体側面図である。
【図2】 要部の縦断側面図である。
【図3】 作用を説明する要部の縦断側面図である。
【図4】 作用を説明する要部の縦断側面図である。
【図5】 作用を説明する要部の縦断側面図である。
【図6】 作用を説明する要部の拡大縦断側面図である。
【図7】 作用を説明する要部の拡大縦断側面図である。
【図8】 作用を説明する要部の拡大縦断側面図である。
【図9】 可撓性シートに取り付けられた雌スナップの拡大縦断側面図である。
【図10】 リベット体とその化粧部材の構成を説明する斜視図である。
【図11】 従来例を説明する縦断側面図である。
【符号の説明】
A…打込み装置、B…リベット体支持装置、19…筒状ガイド、19a…環状段部、30…リベット体、40…スナップ嵌合体、50…化粧部材。
Claims (2)
- ベースに対して昇降駆動される昇降部材に、リベット体の突起を打撃するハンマーとスナップ嵌合体を保持する保持部材とを備えた打込み装置を設ける一方、前記ベースには、前記打込み装置の直下位置に、リベット体を載置する受け部材と、当該受け部材に対して上下方向摺動自在に外嵌する筒状ガイドと、当該筒状ガイドを上方へ摺動付勢するスプリングとを備えたリベット体支持装置を設け、前記保持部材にスナップ嵌合体を保持させ且つ前記受け部材にリベット体を載置すると共に、リベット体支持装置と打込み装置間に可撓性シートを介装した状態で、打込み装置を昇降駆動することにより、可撓性シートを通してスナップ嵌合体の中央貫通孔に挿入されたリベット体の突起を前記ハンマーで打撃し、突起先端部を拡径変形させてスナップ嵌合体の中央貫通孔にカシメ止めするようにしたスナップファスナー取付け機において、前記筒状ガイドの内周面に環状段部を形成し、当該環状段部に、前記リベット体の頭部と嵌合するリング状の化粧部材を載置し、この状態でリベット体の突起をスナップ嵌合体の中央貫通孔にカシメ止めすることにより、前記化粧部材とリベット体とを一体化させるように構成してあることを特徴とするスナップファスナー取付け機。
- 上面の開口した筒軸部とその上端に連設されたフランジ部とを有するケースの内部に、上端にリベット体の頭部を支持する支持面が形成された受け部材を、前記筒軸部の底板部に支持された状態に設け、且つ、前記受け部材に対して上下方向摺動自在に外嵌すると共に、受け部材の一部と係合して上方への抜け出しを阻止できるように下端が内側に折れ曲がった筒状ガイドと、当該筒状ガイドを上方へ摺動付勢するスプリングとを設けて成るリベット体支持装置であって、前記筒状ガイドの内周面に前記リベット体の頭部と嵌合するリング状の化粧部材を載置するための環状段部を形成したことを特徴とするリベット体支持装置。
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