JP3734565B2 - Artificial grass - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は人工芝生に係り、さらに詳しく言えば、芝面の摩擦係数を低減できるとともに、良好な外観性を長期間維持できる人工芝生に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば野球場,サッカーグラウンド等の競技場に多用される人工芝生は、合成樹脂製のパイルが多数植設された面状の基布を下地上に敷設した後、パイル間に目砂等の充填材をパイル先端が突出する高さまで充填することにより施工される。
このような人工芝生に採用されるパイルとしては、例えば直線状に形成されたモノフィラメントタイプのストレート糸や、テープ状のパイルに切り込み加工(スプリット加工)が施されたスプリットタイプのストレート糸等が広く知られている。
そして、人工芝生には、例えば競技者が芝面を意識することなく思い切ったスライディング等を行えるようにするために、天然芝生に近似し、観者に軟らかい印象を与えるような外観性が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、人工芝生は、パイルが合成樹脂製であるため、例えばスライディングする競技者の皮膚と激しく擦れ合うとパイルの表面温度が急激に上昇し、天然芝生に比較して競技者に火傷を負わせる可能性が高いという問題がある。
この問題を緩和するためには、芝面および被接触物間の摩擦係数を低減させればよく、例えば競技者の皮膚に対する真実接触面積を小さくするために、複数の最小構成糸を有するマルチフィラメントタイプのストレート糸を人工芝生のパイルとして用いることが試みられている。
【0004】
そして、近年では、例えばマルチフィラメントタイプのストレート糸のみを基布に植設した人工芝生(実開平2−116507号公報参照:従来例1)や、形態が異なる複数種類のマルチフィラメントタイプのストレート糸を基布に混植した人工芝生(実開昭55−12811号公報参照:従来例2)等が提案されている。
【0005】
しかしながら、マルチフィラメントタイプのストレート糸は、直径の小さな最小構成糸により構成されているため、基布に植設すると起立性が低く、自重あるいは外圧により倒れ易い(へたり易い)という特性を有している。
このため、前述した従来例1および従来例2では、芝面の摩擦係数を低減できるという効果と引き替えに、マルチフィラメントタイプのストレート糸が容易に倒れることにより施工当初に得られた良好な外観性を長期間維持できないという問題が生ずる。
【0006】
このような問題は、パイル間に目砂等の充填材を充填した砂入り人工芝生と呼ばれる人工芝生だけでなく、パイル間に充填材を充填しない人工芝生にも生じている。
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、その目的は、芝面の摩擦係数を低減できるとともに、良好な外観性を長期間維持できる人工芝生を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、スプリットタイプのストレート糸における形状的な特徴に本発明者等が着目して案出したものである。
すなわち、スプリットタイプのストレート糸は、例えばテープ形状のパイルに切り込み加工(スプリット加工)を無作為に施すと、長手方向端部まで切り込みが達し、長手方向端部が細かく枝分かれする。したがって、スプリットタイプのストレート糸は、マルチフィラメントタイプのストレート糸と組み合わせて基布に混植すれば、マルチフィラメントタイプのストレート糸を添木のように支持できるとともに、スライディングする競技者の皮膚に対する接触面積を小さくできることになる。
【0008】
そして、本発明者等は、マルチフィラメントタイプのストレート糸と、スプリットタイプのストレート糸とを適宜な比率で混植すれば、芝面の摩擦係数の低下および外観性の長期間維持が高次元で両立すると予測し、混植比率が異なる人工芝生を試験的に多数施工して逐一芝面の摩擦係数,肌触り,外観性および耐久性を測定,調査した結果、混植比率を1:9ないし8:2に設定すれば、所望の効果を奏する人工芝生が得られることを見出した。
したがって、前記目的を達成するために、本願の請求項1に記載した発明は、複数の最小構成糸を有するマルチフィラメントタイプの第1ストレート糸と、テープ状のパイルに切り込み加工が施されたスプリットタイプの第2ストレート糸とが、基布に1:9ないし8:2の比率で混植されていることを特徴としている。
【0009】
この場合、第1ストレート糸としては、各最小構成糸の高さ(長さ)および直径が均一でもよく、あるいは互いに異なっていてもよい。一方、第2ストレート糸としては、テープ形状のパイルに対して、多数の切り込みを無作為に施せばよい。
また、これらの第1ストレート糸および第2ストレート糸は、基布における同一のタフト孔に対して混植してもよく、あるいは一方のみを植設してもよい。
【0010】
そして、所定のタフト孔に第1ストレート糸および第2ストレート糸を混植する場合には、これらを束ねた状態で混植してもよく、あるいはこれらを互いに撚り合わせた状態で混植してもよい。
一方、所定のタフト孔に第1ストレート糸のみ、あるいは第2ストレート糸のみを植設する場合には、第1ストレート糸および第2ストレート糸が交互に並ぶように植設したり、ランダムに並ぶように植設してもよく、一定面積内に第1ストレート糸および第2ストレート糸が1:9ないし8:2の比率で混植されていればよい。
【0011】
また、請求項2に記載した発明においては、前記第1ストレート糸および前記第2ストレート糸間に充填材が充填されていることを特徴としているため、各糸の起立性が増し、一層天然芝生に近似した外観性が得られるとともに、充填材がクッション材として機能するため接地感が向上することになる。
特に、充填材として砂を用いた場合には、人工芝生の摩擦係数をさらに低下させることができる。
さらに、請求項3に記載した発明においては、前記最小構成糸が5デニールないし100デニールであるとともに、前記第1ストレート糸が8000デニール以下であることを特徴としているため低摩擦を達成でき、適度に細い最小構成糸による良好な肌触りが得られるとともに、適度に太い第1ストレート糸に起立性が得られることになる。
【0012】
また、請求項4に記載した発明は、前記第2ストレート糸に撚り加工が施されていることを特徴としている。
この場合、撚り加工とは、第2ストレート糸を捻る(ひねる)ことにより、略プロペラ状に形成する加工のことであり、この撚り加工中に第2ストレート糸を加熱,冷却することにより第2ストレート糸の形状が復元しないようにすればよい。
この請求項4に記載した発明においては、第2ストレート糸が略プロペラ状に加工されているため折れ曲がりにくくなり、第1ストレート糸に対する添木効果が向上することになる。さらに、第2ストレート糸は、撚り加工に伴って切り込みが開口するため、撚り加工を施さない場合に比較して外観性が一層向上することになる。
【0013】
そして、請求項5に記載した発明は、前記第1ストレート糸および前記第2ストレート糸が互いに撚り合わせられていることを特徴としている。
この場合、第1ストレート糸および第2ストレート糸としては、それぞれの本数,高さ(長さ)等を適宜選択し、撚り合わせた状態を加熱処理により保持させればよい。
この請求項5に記載した発明においては、第1ストレート糸および第2ストレート糸が撚り合わせられているため、第1ストレート糸の起立性を一層向上できることになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明に係る一実施例が示されている。図1(A)に示すように、本実施例の人工芝生10は、例えば野球場,サッカーグラウンド等の運動競技場を施工するために、基礎地面30上に打設されたコンクリート製の下地材31の上に敷設されている。
この人工芝生10は、第1ストレート糸11および第2ストレート糸12がポリプロピレン製の基布13に1:9ないし8:2の比率で混植されていて、下地材31の上に敷設された後、第1ストレート糸11および第2ストレート糸12間に目砂等の充填材14がデッキブラシにより充填されている。
【0015】
第1ストレート糸11は、複数の最小構成糸を有するマルチフィラメントタイプとされている。
この第1ストレート糸11は、最小構成糸が5デニールないし100デニールとされ、当該第1ストレート糸11の直径が8000デニール以下となるように形成されている。
なお、第1ストレート糸11の直径および最小構成糸の直径は、基布13に植設されたすべての第1ストレート糸11の平均値が前述した範囲内であればよく、あるいは無作為に抽出した複数本の第1ストレート糸11の平均値が前述した範囲内であってもよい。
【0016】
一方、第2ストレート糸12は、図1(B)に示すように、テープ形状のパイルに対して、多数の切り込み13が無作為に施されたスプリットタイプとされ、切り込み13が長手方向端部まで達することにより、長手方向端部が細かく枝分かれしている。
この第2ストレート糸12は、長手方向に沿った線を中心として捻る(ひねる)ことにより略プロペラ状に形成される撚り加工が施されているとともに、この撚り加工を行った状態で加熱,冷却される加熱処理が施されている。したがって、第2ストレート糸12は、略プロペラ状に形成された状態を維持し、形状が復元することはない。
このような第2ストレート糸12は、撚り加工に伴って起立性が向上するとともに、切り込み13が開口し、かつ、細かく枝分かれした長手方向端部が様々な方向を向き、これにより撚り加工を施さない場合に比較して一層天然芝生に近似した外観性が得られるようになっている。
【0017】
これらの第1ストレート糸11および第2ストレート糸12は、それぞれ先端が充填材14から3mm突出する高さ(長さ)を有し、基布13の同一タフト孔に複数本づつ束ねた状態で混植されている(図1(A)参照)。
なお、第1ストレート糸11および第2ストレート糸12を基布13に混植するにあたっては、特定のタフト孔に対して第1ストレート糸11あるいは第2ストレート糸12のみを複数本づつ植設してもよい。この場合、第1ストレート糸11および第2ストレート糸12が交互に並ぶように植設したり、ランダムに並ぶように植設してもよく、一定面積内に第1ストレート糸11および第2ストレート糸12が1:9ないし8:2の比率で混植されていればよい。
【0018】
以上のような本実施例の人工芝生10によれば、基布13に植設される第1ストレート糸11として、複数の最小構成糸を有するマルチフィラメントタイプが採用されているため、スライディングする競技者の皮膚に対する接触面積を小さくでき、これにより競技者が火傷を負う可能性を低減できるという従来と同様な効果が得られる。
【0019】
一方、本実施例の人工芝生10によれば、第1ストレート糸11とスプリットタイプの第2ストレート糸12とが基布13に1:9ないし8:2の比率で混植されているため、第2ストレート糸12が比較的起立性の低い第1ストレート糸11を添木のように支持し、第1ストレート糸11が自重あるいは外圧により容易に倒れる(へたる)ことにより、芝面の外観性が低下するという従来の問題を解消できる。
特に、第2ストレート糸12は、テープ形状のパイルに切り込み加工(スプリット加工)が無作為に施されているため、長手方向端部が細かく枝分かれし、例えばカールフィラメントタイプのストレート糸に比較して、スライディングする競技者の皮膚に対する接触面積を一層小さくできる。
【0020】
また、本実施例では、第1ストレート糸11および第2ストレート糸12間に充填材14が充填されているため、一層天然芝生に近似した外観性が得られるとともに、充填材14がクッション材として機能して接地感が向上する。
さらに、第1ストレート糸11は、最小構成糸が適度に細い5デニールないし100デニールであるため低摩擦が達成でき、良好な肌触りが得られるとともに、当該第1ストレート糸11が適度に太い8000デニール以下であるため十分な起立性が得られる。
そして、本実施例の人工芝生10では、第2ストレート糸12に撚り加工が施されているため、折れ曲がり等が生じにくくなり、第1ストレート糸11に対する添木効果が一層向上する。また、第2ストレート糸12は、撚り加工に伴って切り込み13が開口するため、撚り加工を施さない場合に比較して外観性が一層向上する。
【0021】
図2には、本発明に係る第2実施例が示されている。なお、以下に説明する実施例において、既に第1実施例において説明した部材については、図中に同一符号を付すことにより説明を簡略あるいは省略する。
図2(A)に示すように、本実施例における人工芝生20は、第1ストレート糸11および第2ストレート糸12が互いに撚り合わせられている。
【0022】
第1ストレート糸11および第2ストレート糸12は、図2(B)に示すように、複数本の第1ストレート糸11と一本の第2ストレート糸12とを束ねた状態で撚り加工が施されているとともに、この撚り加工を行った状態で加熱,冷却される加熱処理が施されている。
したがって、第1ストレート糸11および第2ストレート糸12は、互いに撚り合わせられた状態を維持し、互いに分離することはない。
これらの第1ストレート糸11および第2ストレート糸12は、基布13の同一タフト孔に1:9ないし8:2の比率で混植されている(図2(B)参照)。
【0023】
以上のような本実施例の人工芝生20によれば、第1ストレート糸11および第2ストレート糸12が基布13に1:9ないし8:2の比率で混植されているため、前述した第1実施例の人工芝生10と同様な効果が得られる。
一方、本実施例の人工芝生20によれば、第1ストレート糸11および第2ストレート糸12が互いに撚り合わせられているため、第1ストレート糸11の起立性が一層向上し、これにより芝面の外観性を長期間良好に維持できる。
【0024】
【実施例】
次に、第1ストレート糸11および第2ストレート糸12の混植比率,充填材14の有無,第1ストレート糸11および最小構成糸の直径,第2ストレート糸12の撚り加工の有無,第1ストレート糸11と第2ストレート糸12との撚り加工の有無を変えて実際に人工芝生10を施工し、芝面の摩擦量,肌触り,外観性および耐久性を測定,調査して評価したので、表1に基づいて比較例とともに説明する。
【0025】
【表1】
【0026】
なお、摩擦量としては、人工芝生10を施工した後に所定の締め固め機により芝面を10000回圧縮し、次いでスキットレジスタンス試験によりスキットレジスタンス値を測定した。したがって、摩擦量は、その値が小さいものほど良好であるとして評価した。
また、肌触りの評価としては、天然芝生上をスライディングしたときの感触に近似していることを基準として、複数の屋外競技者が人工芝生上をスライディングしたときの感触を◎‥極めて良好,○‥良好,△‥可,×‥不可とする4段階評価の平均とした。
【0027】
さらに、外観性の評価としては、芝面状況を複数の屋外競技者が観察し、天然芝生の外観性に近似していることを基準として、◎‥極めて良好,○‥良好,△‥可,×‥不可とする4段階評価の平均とした。
そして、耐久性の評価としては、締め固め機により芝面を10000回圧縮した後に、第1ストレート糸11および第2ストレート糸12の倒れ(へたり)を前述した複数の屋外競技者が観察し、◎‥極めて良好,○‥良好,△‥可,×‥不可とする4段階に評価の平均とした。
【0028】
そして、各実施例および各比較例において第1ストレート糸11および第2ストレート糸12を用いる場合には、基布13に対して5/32ゲージ,3ステッチでタフトし、各比較例において第1ストレート糸11のみ、あるいは第2ストレート糸12のみを用いる場合には、基布13に対して5/32ゲージ,3ステッチでタフトした。
【0029】
(実施例1)
太さ4デニールの最小構成糸により太さ3000デニールに形成された第1ストレート糸11と、スプリットタイプの第2ストレート糸12とを50:50の比率で基布13に混植した。この結果、摩擦量が6,肌触りおよび外観性が◎評価,耐久性が○評価となった。
(実施例2)
太さ25デニールの最小構成糸により太さ9000デニールに形成された第1ストレート糸11と、スプリットタイプの第2ストレート糸12とを50:50の比率で基布13に混植した。この結果、摩擦量が6,肌触りおよび外観性が○評価,耐久性が◎〜○評価となった。
【0030】
(実施例3)
太さ110デニールの最小構成糸により太さ3300デニールに形成された第1ストレート糸11と、スプリットタイプの第2ストレート糸12とを50:50の比率で基布13に混植した。この結果、摩擦量が10,肌触りが○評価,外観性および耐久性が◎評価となった。
(実施例4)
太さ25デニールの最小構成糸により太さ3000デニールに形成された第1ストレート糸11と、スプリットタイプの第2ストレート糸12とを11:89の比率で基布13に混植した。この結果、摩擦量が8,肌触りが○評価,外観性◎評価,耐久性が◎〜○評価となった。
【0031】
(実施例5)
太さ25デニールの最小構成糸により太さ3000デニールに形成された第1ストレート糸11と、スプリットタイプの第2ストレート糸12とを78:22の比率で基布13に混植した。この結果、摩擦量が3,肌触りおよび外観性が◎評価,耐久性が○〜△評価となった。
(実施例6)
太さ25デニールの最小構成糸により太さ3000デニールに形成された第1ストレート糸11と、スプリットタイプの第2ストレート糸12とを50:50の比率で基布13に混植した。これらの第1ストレート糸11および第2ストレート糸12間に充填材14を充填した結果、摩擦量が5,肌触りが○評価,外観性および耐久性が◎評価となった。
【0032】
(実施例7)
太さ25デニールの最小構成糸により太さ1250デニールに形成された第1ストレート糸11と、スプリットタイプの第2ストレート糸12とを50:50の比率で基布13に混植した。これらの第1ストレート糸11および第2ストレート糸12間に充填材14を充填した結果、摩擦量が4,肌触りが◎〜○評価,外観性および耐久性が◎評価となった。
(実施例8)
太さ25デニールの最小構成糸により太さ1250デニールに形成された第1ストレート糸11と、スプリットタイプで撚り加工・加熱処理を施した第2ストレート糸12とを50:50の比率で基布13に混植した。この結果、摩擦量が4,肌触りが◎評価,外観性および耐久性が◎〜○評価となった。
【0033】
(実施例9)
太さ25デニールの最小構成糸により太さ1250デニールに形成された第1ストレート糸11と、スプリットタイプで撚り加工・加熱処理を施した第2ストレート糸12とを50:50の比率で基布13に混植した。これらの第1ストレート糸11および第2ストレート糸12間に充填材14を充填した結果、摩擦量が3,肌触りが◎評価,外観性が◎〜○評価,耐久性が◎評価となった。
(実施例10)
太さ25デニールの最小構成糸により太さ1250デニールに形成された第1ストレート糸11と、スプリットタイプで第1ストレート糸11との撚り加工・加熱処理を施した第2ストレート糸12とを50:50の比率で基布13に混植した。この結果、摩擦量が4,肌触りおよび外観性が◎評価,耐久性が◎〜○評価となった。
【0034】
(実施例11)
太さ25デニールの最小構成糸により太さ1250デニールに形成された第1ストレート糸11と、スプリットタイプで第1ストレート糸11との撚り加工・加熱処理を施した第2ストレート糸12とを50:50の比率で基布13に混植した。これらの第1ストレート糸11および第2ストレート糸12間に充填材14を充填した結果、摩擦量が2,肌触り・外観性および耐久性が◎評価となった。
(実施例12)
太さ25デニールの最小構成糸により太さ3000デニールに形成された第1ストレート糸11と、スプリットタイプの第2ストレート糸12とを11:89の比率で基布13に混植した。これらの第1ストレート糸11および第2ストレート糸12間に充填材14を充填した結果、摩擦量が7,肌触りおよび外観性が○評価,耐久性が◎〜○評価となった。
【0035】
(比較例1)
太さ25デニールの最小構成糸により太さ1250デニールに形成された第1ストレート糸11のみを基布13に植設した。この第1ストレート糸11間に充填材14を充填した結果、摩擦量が6,肌触りが○評価,外観性が△評価,耐久性が×評価となった。
(比較例2)
スプリットタイプの第2ストレート糸12のみを基布13に植設した。この第2ストレート糸12間に充填材14を充填した結果、摩擦量が15,肌触りおよび外観性が×評価,耐久性が◎〜○評価となった。
【0036】
(比較例3)
太さ25デニールの最小構成糸により太さ1250デニールに形成された第1ストレート糸11と、スプリットタイプの第2ストレート糸12とを8:92の比率で基布13に混植した。これらの第1ストレート糸11および第2ストレート糸12間に充填材14を充填した結果、摩擦量が12,肌触りが○評価,外観性が△評価,耐久性が◎評価となった。
(比較例4)
太さ25デニールの最小構成糸により太さ1250デニールに形成された第1ストレート糸11と、スプリットタイプの第2ストレート糸12とを86:14の比率で基布13に混植した。これらの第1ストレート糸11および第2ストレート糸12間に充填材14を充填した結果、摩擦量が8,肌触りが◎〜○評価,外観性が△評価,耐久性が△〜×評価となった。
【0037】
以上の評価から、各実施例が各比較例に比較して、芝面の摩擦係数を低減できるとともに、良好な肌触り,外観性,耐久性を得られることが判る。
特に、実施例1ないし実施例11と比較例3および比較例4とを比較すると、実施例1ないし実施例11は、第1ストレート糸11および第2ストレート糸12が1:9ないし8:2の比率で混植されているため、摩擦量が著しく低下するとともに、良好な外観性を得られることが判る。
【0038】
また、実施例6は、第1ストレート糸11および第2ストレート糸12間に充填材14が充填されているため、実施例3と比較すると、良好な外観性および耐久性を維持したまま、摩擦量を低減できることが判る。
さらに、実施例7は、5デニールないし100デニールの最小構成糸により、第1ストレート糸11が8000デニール以下に形成されているため、実施例2と比較すると、すべての評価が向上していることが判る。
【0039】
そして、実施例8および実施例9は、第2ストレート糸12に撚り加工が施されているため、摩擦量が低減するとともに肌触りが向上することが判る。
一方、実施例10および実施例11は、第1ストレート糸11および第2ストレート糸12が互いに撚り合わせられているため、各比較例と比較すると、すべての評価が著しく良好な評価となることが判る。
【0040】
なお、本発明は前述した各実施例に限定されるものではなく、本発明を達成できる範囲での改良,変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、前述した第1実施例では、第1ストレート糸および第2ストレート糸を複数本づつ束ねるようにして同一タフト孔に植設していたが、第1ストレート糸および第2ストレート糸をそれそれ任意本数づつ個別のタフト孔に植設してもよく、要するに一定面積内に第1ストレート糸および第2ストレート糸が1:9ないし8:2の比率で混植されていれば、植設形態は任意である。
【0041】
一方、前述した第2実施例では、複数本の第1ストレート糸と一方の第2ストレート糸を束ねた状態で撚り加工が施されていたが、一対の第2ストレート糸により複数の第1ストレート糸を挟み込んだ状態で撚り加工を施してもよい。
また、本発明は、第1ストレート糸および第2ストレート糸間に充填材を充填しない人工芝生にも適用可能であり、野球場,サッカーグラウンド以外の各種競技場にも適用可能である。
その他、前記各実施例で示した第1ストレート糸,第2ストレート糸,基布の材質,形状,寸法,形態,数,配置個所,成形方法,加工方法等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0042】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載した発明によれば、第1ストレート糸および第2ストレート糸が1:9ないし8:2の比率で混植されているため、芝面の摩擦係数を低減できるとともに、良好な外観性を長期間維持できる。
また、請求項2に記載した発明によれば、第1ストレート糸および第2ストレート糸間に充填材が充填されているため、各糸の起立性が増し、一層天然芝生に近似した外観性が得られるとともに、充填材がクッション材として機能して接地感が向上する。
さらに、請求項3に記載した発明によれば、適度に細い5デニールないし100デニールの最小構成糸により、第1ストレート糸が8000デニール以下に形成されているため、良好な肌触りおよび起立性が得られる。
【0043】
また、請求項4に記載した発明によれば、第2ストレート糸が撚り加工により折れ曲がりにくくなって第1ストレート糸に対する添木効果が向上し、かつ、切り込みが開口することにより外観性が一層向上する。
一方、請求項5に記載した発明によれば、第1ストレート糸および第2ストレート糸が互いに撚り合わせられているため、第1ストレート糸の起立性を一層向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す模式断面図および模式斜視図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す模式断面図および模式斜視図である。
【符号の説明】
10,20 人工芝生
11 第1ストレート糸
12 第2ストレート糸
13 基布
14 充填材[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an artificial lawn. More specifically, the present invention relates to an artificial lawn that can reduce the coefficient of friction of the turf surface and maintain a good appearance for a long period of time.
[0002]
[Prior art]
In recent years, for example, artificial lawns frequently used in stadiums such as baseball fields and soccer grounds are constructed by placing a planar base fabric with a large number of synthetic resin piles on the ground, and then connecting the sand between the piles. It is constructed by filling the filler up to the height at which the pile tip protrudes.
Examples of piles used in such artificial lawns include monofilament type straight yarns that are linearly formed, and split type straight yarns that are cut (split) into tape-like piles. Are known.
Artificial turf is required to have an external appearance that approximates natural lawn and gives a soft impression to the viewers, for example, so that athletes can take a serious slide without being aware of the turf surface. ing.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, the artificial lawn is made of synthetic resin, so the surface temperature of the pile rises sharply when it rubs against the skin of the athlete who is sliding, for example, and the athlete can be burned compared to the natural lawn. There is a problem of high nature.
To alleviate this problem, the coefficient of friction between the turf surface and the object to be contacted may be reduced. For example, a multifilament having a plurality of minimum constituent yarns may be used to reduce the true contact area with the skin of the athlete. Attempts have been made to use type of straight yarn as an artificial lawn pile.
[0004]
In recent years, for example, an artificial lawn in which only a multifilament type straight yarn is planted on a base fabric (see Japanese Utility Model Publication No. 2-116507: Conventional Example 1), and a plurality of types of multifilament type straight yarns having different forms. Artificial lawn (see Japanese Utility Model Publication No. 55-12811: Conventional Example 2), etc., mixed with a base fabric has been proposed.
[0005]
However, since the multifilament type straight yarn is composed of the smallest component yarn having a small diameter, it has low standing characteristics when planted on a base fabric, and has a characteristic that it is easy to fall down due to its own weight or external pressure. ing.
For this reason, in the conventional example 1 and the conventional example 2 described above, the good appearance property obtained at the beginning of the construction due to the multifilament type straight yarn falling down easily in exchange for the effect that the friction coefficient of the turf surface can be reduced. The problem arises in that it cannot be maintained for a long time.
[0006]
Such a problem occurs not only in an artificial lawn called a sand-filled artificial lawn in which fillers such as mesh sand are filled between piles but also in an artificial lawn in which no fillers are filled between piles.
The present invention has been made to solve such a conventional problem, and an object of the present invention is to provide an artificial lawn that can reduce the friction coefficient of the turf surface and can maintain a good appearance for a long period of time. is there.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has been devised by the present inventors paying attention to the shape characteristics of split-type straight yarns.
That is, for example, when a split type straight yarn is randomly cut (split) into a tape-shaped pile, for example, the cut reaches the longitudinal end and the longitudinal end is finely branched. Therefore, if split type straight yarn is mixed with multifilament type straight yarn and mixed on the base fabric, it can support multifilament type straight yarn like splint and contact area of sliding athlete's skin Can be reduced.
[0008]
The inventors of the present invention have a high level of reduction in the coefficient of friction of the turf surface and long-term maintenance of the appearance by mixing a multifilament type straight yarn and a split type straight yarn in an appropriate ratio. As a result, we constructed a large number of artificial grasses with different mixed planting ratios on a trial basis, and measured and investigated the coefficient of friction, touch, appearance and durability of the turf surface one by one. As a result, the mixed planting ratio was 1: 9 to 8: 2. It has been found that if it is set, an artificial lawn having a desired effect can be obtained.
Therefore, in order to achieve the purpose, Wish The invention described in claim 1 is a multifilament type first straight yarn having a plurality of minimum constituent yarns, Tape-like pile The split type second straight thread that has been cut , It is characterized by being mixed with the base fabric in a ratio of 1: 9 to 8: 2.
[0009]
In this case, as the first straight yarn, the height (length) and diameter of each minimum constituent yarn may be uniform, or may be different from each other. On the other hand, as the second straight yarn , Te Loop shape In shape A large number of cuts may be made at random on the pile.
Moreover, these 1st straight yarn and 2nd straight yarn may be mixed with respect to the same tuft hole in a base fabric, or only one may be planted.
[0010]
When the first straight yarn and the second straight yarn are mixedly planted in a predetermined tuft hole, they may be mixed in a bundled state, or may be mixed in a state where they are twisted together.
On the other hand, when only the first straight yarn or only the second straight yarn is planted in a predetermined tuft hole, the first straight yarn and the second straight yarn are planted alternately or arranged randomly. The first straight yarn and the second straight yarn need only be mixed in a ratio of 1: 9 to 8: 2 within a certain area.
[0011]
Further, in the invention described in claim 2, since the filler is filled between the first straight yarn and the second straight yarn, the uprightness of each yarn is increased, and the natural lawn is further increased. As a result, a feeling of grounding is improved because the filler functions as a cushioning material.
In particular, when sand is used as the filler, the friction coefficient of the artificial lawn can be further reduced.
Furthermore, in the invention described in claim 3, since the minimum constituent yarn is 5 denier to 100 denier and the first straight yarn is 8000 denier or less, low friction can be achieved, In addition, it is possible to obtain a good touch with a very thin minimum constituent yarn, and to obtain an uprightness in a moderately thick first straight yarn.
[0012]
The invention described in claim 4 is characterized in that the second straight yarn is twisted.
In this case, the twisting process is a process of forming a substantially propeller shape by twisting (twisting) the second straight yarn, and the second straight yarn is heated and cooled during the twisting process. What is necessary is to prevent the shape of the straight yarn from being restored.
In the invention described in claim 4, since the second straight yarn is processed into a substantially propeller shape, it is difficult to bend and the splinting effect on the first straight yarn is improved. Furthermore, since the cut of the second straight yarn is opened along with the twisting process, the appearance is further improved as compared with the case where the twisting process is not performed.
[0013]
The invention described in claim 5 is characterized in that the first straight yarn and the second straight yarn are twisted together.
In this case, as the first straight yarn and the second straight yarn, the number, height (length), and the like of each are appropriately selected, and the twisted state may be held by heat treatment.
In the invention described in claim 5, since the first straight yarn and the second straight yarn are twisted together, the standing property of the first straight yarn can be further improved.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 shows an embodiment according to the present invention. As shown in FIG. 1A, an
In this
[0015]
The first
The first
The diameter of the first
[0016]
On the other hand, as shown in FIG. 1 (B), the second
The second
Such a second
[0017]
Each of the first
When the first
[0018]
According to the
[0019]
On the other hand, according to the
In particular, since the second
[0020]
Further, in this embodiment, since the
In addition 1 Straight yarn 1 1 Is a reasonably thin 5 denier to 100 denier, so that low friction can be achieved, a good feel can be obtained, and the first straight yarn 1 1 Is moderately thick 8000 denier or less, so that sufficient uprightness can be obtained.
And in the
[0021]
FIG. 2 shows a second embodiment according to the present invention. In the embodiments described below, the members already described in the first embodiment are denoted by the same reference numerals in the drawings, and the description thereof is simplified or omitted.
As shown in FIG. 2A, in the
[0022]
As shown in FIG. 2 (B), the first
Therefore, the 1st straight thread |
The first
[0023]
According to the
On the other hand, according to the
[0024]
【Example】
Next, the mixed planting ratio of the first
[0025]
[Table 1]
[0026]
In addition, as an amount of friction, after constructing the
In addition, for the evaluation of the touch, the feeling when multiple outdoor athletes slide on the artificial lawn is based on being approximate to the feel when sliding on the natural lawn. The average of the four grades of good, △ ... acceptable, × ... impossible.
[0027]
In addition, the evaluation of the appearance is based on the fact that multiple outdoor athletes observe the turf surface condition and approximate the appearance of natural grass. ◎ ... very good, ○ ... good, △ ... possible, X: An average of four grades that are not allowed.
As an evaluation of durability, after compressing the turf surface 10,000 times with a compacting machine, a plurality of outdoor athletes described above observed the fall of the first
[0028]
And when using the 1st straight thread |
[0029]
Example 1
A first
(Example 2)
A first
[0030]
Example 3
The first
(Example 4)
The first
[0031]
(Example 5)
A first
(Example 6)
The first
[0032]
(Example 7)
The first
(Example 8)
The first
[0033]
Example 9
The first
(Example 10)
50 first
[0034]
(Example 11)
50 first
(Example 12)
The first
[0035]
(Comparative Example 1)
Only the first
(Comparative Example 2)
Only the split type second
[0036]
(Comparative Example 3)
The first
(Comparative Example 4)
The first
[0037]
From the above evaluation, it can be seen that each example can reduce the coefficient of friction of the turf surface as compared with each comparative example, and can obtain good touch, appearance, and durability.
In particular, when Example 1 to Example 11 is compared with Comparative Example 3 and Comparative Example 4, Example 1 to Example 11 shows that the first
[0038]
Further, in Example 6, since the
Further, in Example 7, since the first
[0039]
And in Example 8 and Example 9, since the twist process was given to the 2nd straight thread |
On the other hand, in Example 10 and Example 11, since the first
[0040]
It should be noted that the present invention is not limited to the above-described embodiments, but includes improvements and modifications as long as the present invention can be achieved.
For example, in the first embodiment described above, the first straight yarn and the second straight yarn are planted in the same tuft hole so that a plurality of the first straight yarns and the second straight yarn are bundled one by one. Any number of tuft holes may be planted individually. In short, if the first straight yarn and the second straight yarn are mixed in a ratio of 1: 9 to 8: 2 within a certain area, the planting form is Is optional.
[0041]
On the other hand, in the second embodiment described above, twist processing is performed in a state where a plurality of first straight yarns and one second straight yarn are bundled, but a plurality of first straight yarns are formed by a pair of second straight yarns. You may twist in the state which pinched | interposed the thread | yarn.
The present invention can also be applied to an artificial lawn in which a filler is not filled between the first straight yarn and the second straight yarn, and can also be applied to various stadiums other than a baseball field and a soccer ground.
In addition, the first straight yarn, the second straight yarn, the material, shape, dimensions, form, number, placement location, forming method, processing method, etc. of the first straight yarn, the second straight yarn, and the like that can achieve the present invention. It is arbitrary and is not limited.
[0042]
【The invention's effect】
According to the invention described in claim 1 of the present invention, since the first straight yarn and the second straight yarn are mixed in a ratio of 1: 9 to 8: 2, the friction coefficient of the turf surface can be reduced, Good appearance can be maintained for a long time.
In addition, according to the invention described in claim 2, since the filler is filled between the first straight yarn and the second straight yarn, the uprightness of each yarn is increased, and the appearance close to that of natural lawn is achieved. As a result, the filler functions as a cushioning material to improve the feeling of grounding.
Further, according to the invention described in claim 3, since the first straight yarn is formed to be 8000 denier or less with a minimum constituent yarn of 5 denier to 100 denier that is reasonably thin, good touch and uprightness can be obtained. It is done.
[0043]
In addition, according to the invention described in claim 4, the second straight yarn is not easily bent by the twisting process, the splinting effect on the first straight yarn is improved, and the appearance is further improved by opening the cut. To do.
On the other hand, according to the invention described in claim 5, since the first straight yarn and the second straight yarn are twisted together, the standing property of the first straight yarn can be further improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view and a schematic perspective view showing a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic sectional view and a schematic perspective view showing a second embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
10,20 Artificial lawn
11 First straight yarn
12 Second straight yarn
13 Foundation
14 Filler
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