JP3733836B2 - 線形イオントラップ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はイオンを真空中に保持する機能をもつ線形イオントラップ装置に関する。線形イオントラップは、原子・分子分光分野、質量分析分野で用いられ、また、近年では周波数標準として用いる原子イオンのトラップ手段、量子計算機実現手段として有望視されている。
【0002】
【従来の技術】
以下に文献を列記する。
【0003】
文献1:M. G. Raizen et al.; Phys. Rev. A vol.45,p.6493,1992
文献2:E. Fischer; Zeitschrift fuer Physik vol.156,p.1,1959
文献3:H. Dehmelt; Adv. At. Mol. Phys. vol.3,p.53,1967
文献4:特開平8-273588
文献5:T. Baba and I. Waki; Jpn. J. Appl. Phys. Vol.35 p.L1134, 1996
文献6:J. E. P. Syka and W. J. Fies, Jr.; USP4,755,670
文献7:M. Welling et al.; International Journal of Mass Spectrometry and Ion Processes vol.172, p.95, 1998
文献8:D. J. Larson et al.; Phys. Rev. Lett. vol.57,p.70 1986
文献9:W. Neuhauser et al.; Appl. Phys. vol.17,p.123,1978
線形イオントラップの原理はたとえば文献1に記載されている。ここでは、本発明に関係する式を簡単に記述する。
【0004】
線形イオントラップはその断面形状が双曲線、もしくは近似的に双曲線となるように加工した4本の直線電極で構成される。電極の中心から電極表面までの距離(電極半径)をr0と記述する。この電極に高周波電圧と静電圧を印加して、電極内部に四重極高周波電場と四重極静電場を発生させる。この電場により電極中心軸を分布中心としてイオンが安定に捕捉される。電極に印加した高周波電圧の振幅と周波数をそれぞれV、Ω、静電圧をUと記述する。座標系は直交座標を用い、電極軸方向をzとし、電極うちの1つを向く方向をxとし、右手系でy軸を定義する。このとき、電極内部に生成されるポテンシャルφは以下の式で記述される。
【0005】
(数1) φ(x,y,z)=(U+Vcos(Ωt))(x2-y2)/2r0 2
捕捉するイオンの質量と電荷をそれぞれ、m、eと記述する。イオンにポテンシャル(数1)が作用したとき、その運動方程式は以下の式で記述される。
【0006】
(数2) d2x/dζ2 + (ax+2qxcos(2ζ))x = 0
(数3) d2y/dζ2 + (-ay-2qycos(2ζ))x = 0
(数4) d2z/dζ2 = 0
ここで、ζ、ax、ay、qx、qyは以下の式で与えられる。
【0007】
(数5)ζ = Ωt/2
(数6)ax = 4eU/mΩ2r0 2 ≡ a
(数7)qx = 2eV/mΩ2r0 2 ≡ q
(数8)ay = -a
(数9)qy = q
(数2)と(数3)で与えられる微分方程式はマシュー方程式である。イオンが安定に捕捉される条件はaとqを用いてマシュー方程式の安定領域で与えられる(文献2)。特にa=0近傍でq<0.5の時は、時間平均的にイオンは調和ポテンシャルに捕捉されているものと近似出来る(文献3)。この調和ポテンシャルは擬ポテンシャルと呼ばれ、以下の式で与えられる。
【0008】
(数10)Ψ(x,y,z) = qV(x2+y2)/8r0 2 + U(x2-y2)/r0 2
また、(数10)で与えられる調和ポテンシャルで捕捉されているイオンの調和振動は永年運動とよばれ、その周波数は永年運動周波数と呼ばれている。x方向とy方向の永年運動周波数は以下の式で与えられる。
【0009】
(数11) ωx=Ω√(a+q2/2)/2
(数12) ωy=Ω√(-a+q2/2)/2
一方、イオンはその存在位置における高周波電場の大きさに比例いて高周波周波数と同期した振動モードを持つ。この振動はマイクロモーションと呼ばれている(文献3)。
【0010】
線形高周波四重極イオントラップの特長は、3次元高周波イオントラップ(ポールトラップと呼ばれることが多い。文献2、文献3)と比較すると、明らかとなる。
【0011】
線形イオントラップをイオンを捕捉すると、3次元トラップを用いた場合に比べてイオン捕捉容量を容易に大きく取ることが出来る。3次元トラップでは、単純に電極を大きくするだけでは、イオン捕捉容量を大きくすることは出来ない。同じイオントラップ条件(a,qの値)でイオンを保持するには、印加すべき高周波振幅の値を電極の大きさの2乗に比例して大きくする必要があるためである。高周波振幅を大きくすることは高周波回路実現の困難さ、イオン検出器などへの高周波ノイズの増加など、必ずしもその実現は容易ではない。一方、線形イオントラップでは電極の長手方向(z軸方向)を長くすることによりイオン保持容量を任意に大きくすることが出来る。このとき、高周波振幅の大きさを変える必要はない。以上のイオン捕捉容量を大きく出来る特長は質量分析応用の場合はダイナミックレンジの拡大に貢献する。
【0012】
また、線形イオントラップを用いると3次元トラップを用いる場合に比べてマイクロモーションを小さくすることが出来る。3次元イオントラップでは、高周波振幅が0となるポテンシャルの底は1点しか存在しない。複数個のほぼ静止したイオンを保持した場合、イオンの存在位置がイオントラップ中心からずれる。このとき、イオンは高周波の影響を受けて、マイクロモーション運動をする。マイクロモーションの影響は、分光応用、周波数標準応用、量子計算機応用では、ドップラー効果による光共鳴周波数の変移として影響するので、無視することが出来ない。一方、線形イオントラップは、電極中心軸上で高周波振幅は0なので、複数のほぼ静止したイオンを蓄積してもイオンは電極中心軸上に配列する。つまり、マイクロモーションは発生しない。マイクロモーション運動成分によるドップラー効果が発生しないので、光共鳴周波数の変移が発生しない。分光応用、周波数標準応用、量子計算機応用で線形イオントラップが用いられる所以である。
【0013】
以下では、線形イオントラップの質量分析応用について記述する。質量分析方法は微量分析手段のみならず、イオン種の決定、特定イオンの除去などのイオンの操作手段としても用いることができる。このために、分光応用、周波数標準応用、量子計算機応用において、試料イオン、周波数標準イオン、量子ビットとして用いるイオンのイオン種同定や、不用イオン除去の手段として質量分析手法を適用することができる。
【0014】
線形イオントラップにおいて本発明に関連する質量分析する原理は試料イオンの永年運動振動数の測定である。dc四重極バイアスが印加されず(a=0)、x,y方向に同一振幅の四重極高周波が印加された場合には、(数11)と(数12)によると、ωxとωyは一致する。一致した周波数をωと記述する。この時、宿大した永年運動振動数ωはイオン質量:mと以下の関係となる。
【0015】
(数13) ω=(V/((√2)Ωr0)) x (e/m)
試料イオンの永年運動振動数に一致した周波数ωの振動電場を印加して、そのイオンを電気的に共振させると、試料イオンは周波数ωで共鳴振動する。この共鳴振動を検出することにより、(数13)より試料イオンの比電荷、つまり質量を測定することが出来る。
【0016】
レーザ冷却蛍光質量分析法(文献4、文献5)では、電気的に共鳴振動させた試料イオンをプローブイオンと衝突させ、プローブイオンが放射する蛍光強度が変化する様子を検出して、試料イオンの共鳴振動数、すなわち、永年運動振動数を測定する。
【0017】
共鳴放出質量分析法(文献6)では、試料イオンを電気的に共鳴振動させて電極外部に取り出し、これをイオン検出器で検出して、試料イオンの共鳴振動数、すなわち、永年運動振動数を検出している。
【0018】
フーリエ変換イオントラップ質量分析法(文献7)では、試料イオンを振動させ、このときイオントラップ電極に誘導された電流を検出する。この電流をフーリエ解析して現れた周波数が試料イオンの永年運動振動数に対応する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
(数13)の導出では理想的な四重極高周波電場の存在と、dc四重極電場が存在しないことを仮定した。しかし、イオントラップ電極の製作誤差、高周波印加回路の誤差、あるいは電極の汚れなどのため、(数1)でU=0となるような理想的な高周波四重極電場を作ることは出来ない。理想からずれると四重極高周波のxy方向での高周波振幅の違いが出来るため、また、不測なdc四重極場電場がイオントラップ内部に発生しているため、一般には、ωx=ωyとはならない。この影響は、レーザ冷却蛍光質量分析法や、フーリエ変換イオントラップ質量分析法では、1つの質量に起因するスペクトル線が分離して、2本のスペクトル線が観察されることになる。これは、スペクトル解釈を困難にする。また、共鳴放出質量分析法では、試料イオンをイオントラップ外部に取り出す効率が低下したり、最悪ではイオンを取り出すことが出来なくなる可能性がある。これは、分析感度の低下となる。
【0020】
本発明の課題は、線形イオントラップ装置において電極製作上の誤差、高周波印加回路の誤差、電極の汚れなどの原因によって発生した、不測のωxとωyの違いを実質的に補償する方法を提案することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、装置組み上げ後に発生したωxとωyの違いを補償して、ωx=ωyを実現する方法を2つの手段により実現する。
【0022】
1つは高周波四重極線形イオントラップを構成する4本の電極にそれぞれ可変コンデンサを並列に接続し、これらの容量を調整することにより、各4本の電極に印加されている高周波の振幅を同一にする方法である。高周波振幅(qに対応)のxy方向の値を同一にする操作に対応する。これにより、イオントラップ電極内部の電場を理想四重極高周波電場(数1)に近づける。以上の操作は、オシロスコープとオシロスコーププローブなどの高周波振幅をモニターする手段を用いて調整する方法が有効である。ただし、オシロスコーププローブを用いる場合には、オシロスコーププローブの静電容量が加算されることに注意し、4つの同一静電容量のオシロスコーププローブを電極にそれぞれ接続して実施する。
【0023】
もう1つは、高周波四重極線形イオントラップを構成する電極に四重極静電圧を印加して、質量スペクトルを観察しながらスペクトル線の分離をなくしていく調整を行う方法である。イオントラップ電極内部に不測に発生している四重極静電圧成分(a成分)を補償して実質的にa=0とする操作に対応する。レーザ冷却蛍光質量分析法ではプローブイオンを共鳴振動させた時の蛍光スペクトルを観察しながら、2本に分離したスペクトル線を1本のスペクトル線になるようにDC四重極バイアス値を調整する。フーリエ変換イオントラップ質量分析法では標準試料のスペクトル線の分離した2つのスペクトル線を1本のスペクトル線になるようにDC四重極バイアス値を調整する。共鳴放出質量分析法では標準試料などを同一イオン蓄積条件で捕捉し、これをイオン検出器で検出した時の信号強度を最大とするように調整する。
【0024】
以上、2つの方法の実施するには、まず、コンデンサ容量の調整による高周波振幅の同一化操作を行い、その後、四重極静電圧を印加してωx=ωyを実施することが現実的であり、有効である。
【0025】
以上で開示した ωx=ωy を実現する方法を、レーザ冷却蛍光質量分析法の例を用いて、具体的に説明する。
【0026】
【発明の実施の形態】
レーザ冷却蛍光質量分析法は、レーザ冷却法による原子イオンの高感度検出能力と、高周波四重極イオントラップの質量分析能力を合体させて、光学的な観察手段を用いて、非破壊(または、その場観察)かつ単一イオン感度に至る高感度な質量分析法である。その原理は文献4で提案され、また文献5で実施された。
【0027】
その原理を簡単に示す。レーザ冷却蛍光質量分析法では、以下の方法で試料イオンの永年運動振動数:(数13)を検出している。(1)試料イオンとレーザ冷却イオンを同時にイオントラップのなかに捕捉してレーザ冷却を適用し、イオン群全体を冷却する。試料イオンはレーザ冷却イオンとの衝突により冷却される。試料イオンが冷却される過程は間接冷却(もしくは協調冷却、sympathetic cooling)と呼ばれる現象である(文献8)。(2)試料イオンの永年運動を電気的に共振させて、試料イオンを加熱する。電気的な共振を発生させるために、周波数掃引しながら交流電場をイオン群に印加する。印加周波数と試料イオンの永年運動振動数が一致した時に、試料イオンは共振する。(3)試料イオンが共振している運動エネルギーは、レーザ冷却イオンとの衝突によりレーザ冷却イオンに渡される。このために、レーザ冷却イオンが加熱される。このレーザ冷却イオンの加熱はレーザ冷却イオンが発生しているレーザ励起蛍光の強度に変化を与える。(4)結局、レーザ冷却イオンが発生しているレーザ励起蛍光の強度を観察しながら印加交流電場の周波数を掃引すると、試料イオンが共鳴した周波数で蛍光強度が変化する。(5)蛍光強度が変化した周波数が試料イオンの永年運動振動数に等しいので、その周波数から(数13)を用いて試料イオンの質量数を換算する。
【0028】
本実施例で用いた装置を説明する(図1)。線形高周波四重極イオントラップ、レーザ冷却光源装置、レーザ励起蛍光観察装置からなる。プローブとなるレーザ冷却イオンとしてバリウムイオン、試料イオンとしてキセノンイオンを用いた。本発明はイオントラップ装置部分の電気回路に関し、イオントラップ電極の4本の各電極棒に可変コンデンサを並列に接続すること、また、各電極棒に独立に直流電圧を印加する仕組みを付け加えたことにより、実施できる。
【0029】
イオントラップ電極は電極半径r0を3mm、電極の長さを50mmに製作したものを用いた。イオントラップ電極の両端にイオントラップ電極と同じ断面形状をもつ端電極を並列に設置し、これに静電圧を印加することにより、z方向のイオンの漏れ出しを防いだ。 端電極のうちの1つをイオン源として用いている。イオン源電極において、バリウム原子線に電子線を照射することによりプローブとなるバリウムイオンを生成した。また、真空槽に微量に充満させたキセノンガスに電子線を照射することにより試料イオンとなるキセノンイオンを生成した。
【0030】
イオントラップを駆動する電源を図2に示した。イオントラップ電極の等価回路である静電容量とこれに接続したコイルのインダクタンス(T1)がつくるLC共振回路に共鳴する高周波電力を入力してイオントラップ電極に高周波電圧を印加する回路である。質量分析を行うために印加する分析交流電圧はトランスT2を介しえ電極に印加した。
【0031】
本発明に関する部分は、各イオントラップ電極に接続した可変コンデンサーC1−C4(それぞれ0−23pFの間で調整できる)による四重極電極の静電容量調整回路と、高抵抗R1-R4(それぞれ1MΩ)と直流電源V1-V4からなる静電圧重畳回路である。各電極に印加される高周波振幅をそろえるように可変コンデンサーの静電容量を調整する。また、高抵抗と直流電源からなる回路を用いて四重極静電場を電極内部に発生させ、x方向とy方向の永年運動振動数を一致させる。
【0032】
バリウムイオンをレーザ冷却する方法はいくつもの文献で報告されている(たとえば、文献9)ので詳細は記載しない。本実施例では色素レーザで発生させた光周波数:607,425GHzの青緑色レーザ光をレーザ冷却光として用い、また、色素レーザで発生させた光周波数:461,312GHzの赤色レーザ光をポンプバック光に用いた。
【0033】
プローブイオンが発生したレーザ励起蛍光は干渉フィルタで分離した青緑色光を光電子増倍管を用いて検出した。
【0034】
初めに、イオントラップ電極に印加されている高周波振幅の非等方性を解消する操作を行った。各電極棒にオシロスコープのプローブを接続して、印加されている高周波振幅を測定した。調整前にはx、y方向で約10%の振幅の差が観測された。可変コンデンサー容量の調整によりこの差を1%にまで減少させることが出来た。
【0035】
続いて、2つの値に分離した永年運動振動数を一致させる操作を行った。図3(a)は、バリウムイオンをレーザ冷却したプローブイオンを分析電圧を用いて共鳴振動させた場合の蛍光強度のスペクトルである。2つの蛍光強度の減少が観察された。それぞれは、x方向の永年運動振動数と、y方向の永年運動振動数が異なっているために2つの周波数において共鳴現象が発生していることを示している。つまり、1つの質量に対応して2つの共鳴が観察されているために、スペクトルの解釈が複雑となっている。図3(c)は、四重極静電圧を印加したときの2つの分離した永年運動振動数の変化を測定した結果である。0.13 Vにおいて両者はほとんど一致させることが出来た(図3(b))。
【0036】
この調整の後、キセノンイオンを試料としたレーザ冷却蛍光質量分析法を実施したところ、図4に示したようにキセノンイオンの同位体分析に成功した。
【0037】
【発明の効果】
本発明を実施することにより、線形イオントラップを用いた質量分析法において、レーザ冷却蛍光質量分析法とフーリエ変換質量分析法ではスペクトル解釈が簡略化され、また、共鳴放出質量分析法ではイオン取り出し効率が上がるなど、質量分析の操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】線形イオントラップを用いたレーザ冷却蛍光質量分析法の装置の概略図である。
【図2】線形イオントラップを駆動する電源を示した図である。
【図3】分離した永年運動振動数を一致させる操作を実施した様子を示した図である。
【図4】レーザ冷却蛍光質量分析法の実施した分析スペクトルの例である。
【符号の説明】
1―4:イオントラップ四重極電極、5−8:イオン源電極、9−12端電極、13:バリウム線源(原子オーブン)、14:バリウム原子線源電源、15:電子銃、16:電子銃電源、17:試料ガス導入パイプ、18:試料導入装置(可変リークバルブと試料アンプルなど)、19:真空槽、20:対物レンズ、21:光電子増倍管、22:パルス計数装置。
Claims (1)
- 複数の電極と、該電極それぞれに接続された可変コンデンサーと、該電極それぞれに接続され、それぞれの電極に静電圧を重畳する回路とを備え、
該可変コンデンサーは、静電容量の調節によりそれぞれの電極に印加される高周波振幅の値が等しくなるようにさせ、
該回路は、該可変コンデンサーによって該高周波振幅の値が等しくなるようにされた該電極に対し、該静電圧の調整により2つの永年運動自由度の振幅数の差を補償して実質的に1つの値に縮退させることを特徴とする線形イオントラップ装置。
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