JP3730721B2 - 記録用水性黒色インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録用水性黒色インク及び該記録用水性黒色インクを使用したインクジェット記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、水性黒色インクに関する発明は数多くあり、例えば特開昭50−15622号公報、特開昭52−12010号公報、特開昭53−61412号公報、特開昭55−43153号公報等に開示されている。これら従来の水性黒色インクより更に高濃度、高安全性の黒色インクの開発が要望されており、この要望を満たすため、色の異なる染料を配合して黒色調を出す試みがなされている。この例としては特開昭57−207660号公報がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの水性インクにも種々の問題がある。例えば黒色調を出すために単純にY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)を組合せても、各色の濃度が限られているため、全体の染料濃度を増加させない限り、記録濃度が低くなる。染料濃度を増加させれば、例えばインクジェット記録用に用いた場合に、目詰まりが生じ易くなる。またY、M、Cを組み合わせても黒色としての色調が良く、記録濃度の高い水性インクはなかなか得られなかった。
【0004】
また、単一の染料によって良い色調の黒色を得ることは非常に困難であることは周知の事実である。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、記録物の黒色としての色調が良く、すなわち記録物の明度L*が40以下で彩度C*abが5以下であり、記録濃度が高く、すなわちOD値(光学密度)が1以上となるような記録用水性黒色インク及びインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1記載の記録用水性黒色インクでは、0.005重量%以上0.05重量%以下の範囲内のいずれかの濃度となるように調整した純水希釈水溶液の透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、L*a*b*表色系でL*が4以下、C*abが25以下であり、純水希釈水溶液透過色を表すa*−b*平面上の点HAを有する第一着色剤と、前記測定条件における純水希釈水溶液透過色を表すa*−b*平面上の点HBを有し、a*−b*平面上で、原点とHAとを結んだ直線と、原点とHBとを結んだ直線とのなす閉角が90゜以上を満足する少なくとも1種の第二着色剤とを含み、且つ記録用水性黒色インクを200倍純水希釈した水溶液透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、C*abが5以下となるように、前記第一着色剤と前記第二着色剤とが配合されることによって、黒色としての色調がよいインク、即ちこの記録用水性黒色インクを用いた記録物の彩度C*abが5以下、OD値(光学密度)が1以上となり、該記録物の黒色としての色調が良くなり、黒色濃度が高くなるインクを得ることが出来る。
【0007】
ただし色相角H゜はa*−b*平面上での角度を表わし、以下のように定義する。
【0008】
a*≧0、b*≧0(第一象限)ではH゜=tan−1(b*/a*)
a*≦0、b*≧0(第二象限)ではH゜=180゜+tan−1(b*/a*)
a*≦0、b*≦0(第三象限)ではH゜=180゜+tan−1(b*/a*)
a*≧0、b*≦0(第四象限)ではH゜=360゜+tan−1(b*/a*)。
【0009】
また、請求項2に記載の記録用水性黒色インクでは、さらに、前記200倍純水希釈した水溶液透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、L*が1以下となるように前記第一着色剤と前記第二着色剤とを配合することにより、黒色としての色調がよいインク、即ちこの記録用水性黒色インクを用いた記録物の明度L*が40以下、OD値(光学密度)が1以上となり、該記録物の黒色としての色調が良くなり、黒色濃度が高くなるインクを得ることが出来る。
【0010】
また、請求項3記載の記録用水性黒色インクを使用して記録を行うインクジェット記録方法では、0.005重量%以上0.05重量%以下の範囲内のいずれかの濃度となるように調整した純水希釈水溶液の透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、L*a*b*表色系でL*が4以下、C*abが25以下であり、純水希釈水溶液透過色を表すa*−b*平面上の点HAを有する第一着色剤と、前記測定条件における純水希釈水溶液透過色を表すa*−b*平面上の点HBを有し、a*−b*平面上で、原点とHAとを結んだ直線と、原点とHBとを結んだ直線とのなす閉角が90゜以上を満足する少なくとも1種の第二着色剤とを前記記録用水性黒色インクが含み、且つ、該記録用水性黒色インクを200倍純水希釈した水溶液透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、C*abが5以下となるように前記第一着色剤と前記第二着色剤とが配合された記録用水性黒色インクを使用することによって、この記録用水性黒色インクを用いた記録物の彩度C*abが5以下、OD値(光学密度)が1以上となり、この記録用水性黒色インクを用いた記録物の黒色としての色調がより良くなり、黒色濃度が高くなるインクジェット記録方法を達成することができる。
【0011】
また、請求項4に記載の記録用水性黒色インクを使用して記録を行うインクジェット記録方法では、さらに、前記200倍純水希釈した水溶液透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、L*が1以下となるように前記第一着色剤と前記第二着色剤とが配合された記録用水性黒色インクを使用することにより、この記録用水性黒色インクを用いた記録物の明度L*が40以下、OD値(光学密度)が1以上となり、該記録物の黒色としての色調が良くなり、黒色濃度が高くなるインクジェット記録方法が達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
本発明において使用される着色剤としては、一般的な水溶性染料、例えば直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料から選ばれることが望ましい。このような水溶性染料は、従来のインク組成物中において一般的には約0.1〜20重量%を占める割合で利用されているが、本発明においては、0.1〜10重量%程度が望ましい。
【0014】
本発明の第一着色剤は、0.005重量%以上0.05重量%以下の範囲内のいずれかの濃度となるように調整した純水希釈水溶液の透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、L*a*b*表色系でL*が4以下、C*abが25以下である一般的に黒色と認められる染料から選択される。そして、前記第一着色剤の純水希釈水溶液透過色を表すa*−b*平面上の点をHAとする。
【0015】
本発明の第二着色剤の前記測定条件における純水希釈水溶液透過色を表すa*−b*平面上の点をHBとしたとき、第二着色剤は、a*−b*平面上で、原点とHAとを結んだ直線と、原点とHBとを結んだ直線とのなす閉角が90゜以上であることを満足する染料から選択される。また、該第二着色剤は必ずしも1種類である必要はなく、上記条件を満たす着色剤2種以上から構成されていてもよい。
【0016】
また、本発明の該第二着色剤は、さらに望ましくは、一般的にシアン色またはマゼンタ色またはイエロー色と認識される着色剤から選択される。
【0017】
本発明の記録用水性黒色インクに使用する溶媒は、水又は水と水溶性有機溶剤との混合溶媒であり、特に好適なものは水と水溶性有機溶剤との混合溶媒であって、水溶性有機溶剤としてインクの乾燥防止効果を有する多価アルコールを含有するものである。また水としては、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、脱イオン水を使用することが望ましい。
【0018】
水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の低級アルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン類又はケトアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール等のアルキレングリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、グリセリン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの中でもグリセリン、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類は特に好ましいものである。
【0019】
インク組成物中の上記水溶性有機溶剤の含有量は、一般的にはインクの全重量に対して重量%で0〜95重量%、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは10〜50重量%の範囲である。
【0020】
この時の水の含有量は、上記溶剤成分の種類、その組成、あるいは所望されるインクの特性に依存して広い範囲で決定されるが、インクの全重量に対して一般に10〜95重量%、好ましくは10〜70重量%、より好ましくは20〜70重量%の範囲である。
【0021】
本発明におけるインク組成物の基本組成は以上の通りであるが、その他従来公知の各種添加剤、すなわち分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、pH調整剤、防黴剤等を必要に応じて添加することができる。例えばポリビニルアルコール、セルロース類、水溶性樹脂等の粘度調整剤、カチオン、アニオン、ノニオン系の各種界面活性剤、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン類等のpH調整剤等である。また記録液を帯電するタイプのインクジェット記録方法に使用されるインク組成物を調合する場合には、塩化アンモニウム等の無機塩類等の比抵抗調整剤が添加される。
【0022】
次に本発明の実施例及び比較例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
尚、実施例、比較例においてで記録に使用した記録紙は特に断らない限りゼロックス社製「ゼロックス4024DP20lb」である。
【0024】
実施例1
本発明の第一着色剤として「プロ・ジェット・ファースト・ブラック2」(ゼネカ社製、染料濃度4%水溶液)、本発明の第二着色剤として「プロ・ジェット・ファースト・シアン2」(ゼネカ社製、染料濃度6%水溶液)を使用し、インクを調製し、記録評価を行った。
【0025】
これらの染料濃度がいずれも0.015重量%となるように調整した各々の染料水溶液の透過色を、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、プロ・ジェット・ファースト・ブラック2ではL*a*b*表色系でL*が0.9、C*abが7.6であり、色相角H゜が4.0゜であった。またプロ・ジェット・ファースト・シアン2の色相角H゜は241.0゜であった。従って、上記の閉角は123.0゜である。
【0026】
ただし色相角H゜はa*−b*平面上での角度を表わし、以下のように定義する。
【0027】
a*≧0、b*≧0(第一象限)ではH゜=tan−1(b*/a*)
a*≦0、b*≧0(第二象限)ではH゜=180゜+tan−1(b*/a*)
a*≦0、b*≦0(第三象限)ではH゜=180゜+tan−1(b*/a*)
a*≧0、b*≦0(第四象限)ではH゜=360゜+tan−1(b*/a*)。
【0028】
純水(9.7重量部)に染料液「プロ・ジェット・ファースト・ブラック2」(75重量部)、シアン染料液「プロ・ジェット・ファースト・シアン2」(0.3重量部)、グリセリン(10重量部)、ジエチレングリコール−n−モノブチルエーテル(5重量部)を添加し、30分間攪拌した後に孔径0.7μmのメンブランフィルターにて濾過し、インク組成物を得た。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.8、C*abが4.2であった。このインク組成物を、特開平2−150355号公報に開示されているせん断モード型のインクジェットヘッドに用いて記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は38.5、C*abは3.3、OD値は1.10であり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い記録物が得られた。
【0029】
実施例2
実施例1においてシアン染料液「プロ・ジェット・ファースト・シアン2」の代わりにシアン染料「デュアシン・アシッド・ブルーAE−SF」(ヘキスト社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が267.0゜)を添加してインクを同様に作製した。従って、上記閉角は97.0゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.7、C*abが3.9であった。このインク組成物を同様に記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は39.0、C*abは4.0、OD値は1.08となり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い記録物が得られた。
【0030】
実施例3
実施例1においてシアン染料液「プロ・ジェット・ファースト・シアン2」の代わりにシアン染料「ダイワ・IJ・ブルー319H」(ダイワ化成社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が250.0゜)を添加して、インクを同様にして作製した。従って、上記閉角は114.0゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.8、C*abが3.9であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は38.3、C*abは3.6、OD値は1.10となり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い高品位の記録物が得られた。
【0031】
実施例4
実施例1においてシアン染料液「プロ・ジェット・ファースト・シアン2」の代わりにシアン染料「プロ・ジェット・シアン1」(ゼネカ社製、染料濃度10%水溶液、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が247.2゜)を添加してインクを同様にして作製した。従って、上記閉角は116.8゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.8、C*abが3.9であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は38.2、C*abは2.4、OD値は1.13であり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い高品位の記録物が得られた。
【0032】
実施例5
実施例1においてシアン染料液「プロ・ジェット・ファースト・シアン2」の代わりにシアン染料液(染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が249.8゜)を添加してインクを同様にして作製した。従って、上記閉角は114.2゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.7、C*abが3.6であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は39.0、C*abは3.7、OD値は1.07となり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い高品位の記録物が得られた。
【0033】
実施例6
実施例1において黒色染料液「プロ・ジェット・ファースト・ブラック2」の代わりに「プロ・ジェット・ブラック1」(ゼネカ社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が359.6゜)を添加してインクを同様にして作製した。従って、上記閉角は118.6゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.8、C*abが3.8であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は37.6、C*abは3.9、OD値は1.09となり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い高品位の記録物が得られた。
【0034】
実施例7
実施例3において黒色染料液「プロ・ジェット・ファースト・ブラック2」の代わりに「カヤセット・ブラック008」(日本化薬社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が1.4゜)を添加してインクを同様にして作製した。従って、上記閉角は111.4゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.8、C*abが3.6であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は37.1、C*abは3.8、OD値は1.11となり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い高品位の記録物が得られた。
【0035】
実施例8
実施例4において黒色染料液「プロ・ジェット・ファースト・ブラック2」の代わりに「ダイワ・ブラックMSC」(ダイワ化成社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が1.0゜)を添加してインクを同様にして作製した。従って、上記閉角は113.8゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.7、C*abが3.7であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は38.2、C*abは3.6、OD値は1.09となり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い高品位の記録物が得られた。
【0036】
実施例9
実施例1においてシアン染料液「プロ・ジェット・ファースト・シアン2」の代わりにイエロー染料液「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」(ゼネカ社製、染料濃度4.3%水溶液、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が101.2゜)を添加してインクを同様に作製した。従って、上記閉角は97.2゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.9、C*abが4.2であった。このインク組成物を同様に記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は39.2、C*abは3.9、OD値は1.07となり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い記録物が得られた。
【0037】
実施例10
実施例1においてシアン染料液「プロ・ジェット・ファースト・シアン2」の代わりにイエロー染料「デュアシン・アシッド・イエローXX−SF」(ヘキスト社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が94.1゜)を添加してインクを同様に作製した。従って、上記閉角は90.1゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.9、C*abが4.0であった。このインク組成物を同様に記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は38.8、C*abは3.9、OD値は1.10であり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い記録物が得られた。
【0038】
実施例11
本発明の第一着色剤として、アゾ系の黒色アニオン染料(染料濃度10%水溶液、染料濃度が0.015重量%の染料水溶液の透過色を、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定した結果が、L*a*b*表色系でL*が5.6、C*abが8.3であり、色相角H゜が321.0゜)を選択し、本発明の第二着色剤として「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」(ゼネカ社製、染料濃度4.3%水溶液)を選択し、インクを調製し、記録評価を行った。そしてプロ・ジェット・ファースト・イエロー2に関して、染料濃度が0.015重量%の染料水溶液の透過色を、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、色相角H゜は101.2゜であった。従って、上記閉角は140.2゜である。
【0039】
純水(44.7重量部)に染料濃度10%である染料液(40重量部)、染料液「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」(0.3重量部)、グリセリン(10重量部)、ジエチレングリコール−n−モノブチルエーテル(5重量部)を添加し、30分間攪拌した後に孔径0.7μmのメンブランフィルターにて濾過し、インク組成物を得た。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.02%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.9、C*abが3.5であった。このインク組成物を、特開平2−150355号公報に開示されているせん断モード型のインクジェットヘッドに用いて記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は39.5、C*abは3.6、OD値は1.05であり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い記録物が得られた。
【0040】
実施例12
実施例11においてイエロー染料液「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」の代わりにイエロー染料「デュアシン・アシッド・イエローXX−SF」(ヘキスト社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が94.1゜)を添加してインクを同様に調製した。従って、上記閉角は133.1゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.02%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.8、C*abが3.7であった。このインク組成物を同様に記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は38.9、C*abは3.9、OD値は1.06となり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い記録物が得られた。
【0041】
実施例13
本発明の第一着色剤として「デュアシン・ダイレクト・ブラックHEF−SF」(ヘキスト社製、染料濃度10%水溶液)と、本発明の第二着色剤として「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」(ゼネカ社製、染料濃度4.3%水溶液)を選択し、インクを調製し、記録評価を行った。デュアシン・ダイレクト・ブラックHEF−SFの染料濃度が0.005重量%の染料水溶液の透過色を、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が1.5、C*abが6.9であり、色相角H゜が274.1゜であった。またプロ・ジェット・ファースト・イエロー2の染料濃度が0.015重量%の染料水溶液の透過色を同様に測定したところ、色相角H゜は101.2゜であった。従って、上記閉角は172.9゜である。
【0042】
純水(64.7重量部)に染料液「デュアシン・ダイレクト・ブラックHEF−SF」(20重量部)、染料液「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」(0.3重量部)、グリセリン(10重量部)、ジエチレングリコール−n−モノブチルエーテル(5重量部)を添加し、30分間攪拌した後に孔径0.7μmのメンブランフィルターにて濾過し、インク組成物を得た。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.01%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.7、C*abが2.5であった。このインク組成物を、特開平2−150355号公報に開示されているせん断モード型のインクジェットヘッドに用いて記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は33.1、C*abは2.7、OD値は1.15であり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い記録物が得られた。
【0043】
実施例14
実施例13においてイエロー染料液「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」の代わりにイエロー染料「デュアシン・アシッド・イエローXX−SF」(ヘキスト社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が94.1゜)を添加してインクを同様に調製した。従って、上記閉角は180.0゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.01%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.8、C*abが3.1であった。このインク組成物を同様に記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は35.7、C*abは3.5、OD値は1.13となり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い記録物が得られた。
【0044】
実施例15
実施例13においてイエロー染料液「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」の代わりにマゼンタ染料「プロ・ジェット・ファースト・マゼンタ2」(ゼネカ社製、染料濃度5%水溶液、染料濃度が0.015重量%の染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が27.4゜)を添加してインクを同様に調製した。従って、上記閉角は113.3゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.01%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.8、C*abが3.1であった。このインク組成物を、同様に記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は36.7、C*abは3.1、OD値は1.10であり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い記録物が得られた。
【0045】
実施例16
実施例13においてイエロー染料液「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」の代わりに、染料濃度8%である染料液(水溶液染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が13.6゜)を、添加してインクを同様に調製した。従って、上記閉角は99.5゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.01%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.8、C*abが3.8であった。このインク組成物を同様に記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は36.9、C*abは4.0、OD値は1.09となり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い記録物が得られた。
【0046】
実施例17
本発明の第一着色剤として第一染料「プロ・ジェット・ファースト・ブラック2」(ゼネカ社製、染料濃度4%水溶液)を、第二着色剤として第二染料「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」(ゼネカ社製、染料濃度4.3%水溶液)と、第三染料「プロ・ジェット・ファースト・シアン2」(ゼネカ社製、染料濃度6%水溶液)を選択した。これらの染料濃度がいずれも0.015重量%となるように調整した各々の染料水溶液の透過色を、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、プロ・ジェット・ファースト・ブラック2ではL*a*b*表色系でL*が0.9、C*abが7.6であり、色相角H゜が4.0゜であった。またプロ・ジェット・ファースト・イエロー2の色相角H゜は101.2゜であり、プロ・ジェット・ファースト・シアン2の色相角H゜は241.0゜であった。従って、第一、第二染料の閉角は97.2゜、第一、第三染料の閉角は123.0゜である。
【0047】
これらの染料を使用し、インクを作製し、記録評価を行った。純水(9.7重量部)に染料液「プロ・ジェット・ファースト・ブラック2」(75重量部)、イエロー染料液「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」(0.1重量部)、シアン染料液「プロ・ジェット・ファースト・シアン2」(0.2重量部)、グリセリン(10重量部)、ジエチレングリコール−n−モノブチルエーテル(5重量部)を添加し、30分間攪拌した後に孔径0.7μmのメンブランフィルターにて濾過し、インク組成物を得た。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.8、C*abが4.3であった。
【0048】
そして、このインク組成物を、特開平2−150355号公報に開示されているせん断モード型のインクジェットヘッドに用いて記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は38.0、C*abは3.1、OD値は1.11であり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い高品位の記録物が得られた。
【0049】
実施例18
実施例17においてシアン染料液「プロ・ジェット・ファースト・シアン2」の代わりにイエロー染料「デュアシン・アシッド・イエローXX−SF」(ヘキスト社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が94.1゜)を添加し、シアン染料「デュアシン・ダイレクト・ブルーFRLSFVP368」(ヘキスト社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が244.2゜)を添加してインクを同様にして作製した。従って、第一、第二染料の閉角は90.1゜、第一、第三染料の閉角は119.8゜である。
【0050】
このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.8、C*abが3.5であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は38.6、C*abは3.9、OD値は1.06となり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い高品位の記録物が得られた。
【0051】
実施例19
実施例17においてイエロー染料液「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」の代わりにイエロー染料「ダイワ・IJ・イエロー205H」(ダイワ化成社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が98.3゜)を添加し、シアン染料液「プロ・ジェット・ファースト・シアン2」の代わりにシアン染料「ダイワ・IJ・ブルー319H」(ダイワ化成社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が250.0゜)を添加してインクを同様にして作製した。従って、第一、第二染料の閉角は94.3゜、第一、第三染料の閉角は114.0゜である。
【0052】
このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.7、C*abが4.1であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は39.1、C*abは4.2、OD値は1.10となり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い高品位の記録物が得られた。
【0053】
実施例20
実施例17においてイエロー染料液「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」の代わりにイエロー染料液「プロ・ジェット・イエロー1G」(ゼネカ社製、染料濃度7.5%水溶液、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が99.2゜)を添加し、シアン染料液「プロ・ジェット・ファースト・シアン2」の代わりにシアン染料液「プロ・ジェット・シアン1」(ゼネカ社製、染料濃度10%水溶液、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が247.2゜)を添加してインクを同様にして作製した。従って、第一、第二染料の閉角は95.2゜、第一、第三染料の閉角は116.8゜である。
【0054】
このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.8、C*abが3.7であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は38.1、C*abは3.2、OD値は1.12であり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い高品位の記録物が得られた。
【0055】
実施例21
実施例17においてイエロー染料液「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」の代わりにイエロー染料「デュアシン・アシッド・イエローXX−SF」(ヘキスト社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が94.1゜)を添加し、シアン染料液「プロ・ジェット・ファースト・シアン2」の代わりにシアン染料「ダイワ・IJ・ブルー319H」(ダイワ化成社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が250.0゜)を添加してインクを同様にして作製した。従って、第一、第二染料の閉角は90.1゜、第一、第三染料の閉角は114.0゜である。
【0056】
このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.7、C*abが3.7であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は39.1、C*abは4.3、OD値は1.04となり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い高品位の記録物が得られた。
【0057】
実施例22
実施例17においてイエロー染料液「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」の代わりにイエロー染料「ダイワ・IJ・イエロー205H」(ダイワ化成社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が98.3゜)を用い、シアン染料液「プロ・ジェット・ファースト・シアン2」の代わりに染料液(染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が249.8゜)を添加してインクを同様にして作製した。従って、第一、第二染料の閉角は94.3゜、第一、第三染料の閉角は114.2゜である。
【0058】
このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.7、C*abが3.6であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は38.4、C*abは3.5、OD値は1.12となり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い高品位の記録物が得られた。
【0059】
実施例23
実施例17において黒色染料液「プロ・ジェット・ファースト・ブラック2」の代わりに「プロ・ジェット・ブラック1」(ゼネカ社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が359.6゜)を添加してインクを同様にして作製した。従って、第一、第二染料の閉角は101.6゜、第一、第三染料の閉角は118.6゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.8、C*abが3.6であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は37.6、C*abは3.7、OD値は1.11となり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い高品位の記録物を得た。
【0060】
実施例24
実施例19において黒色染料液「プロ・ジェット・ファースト・ブラック2」の代わりに「カヤセット・ブラック008」(日本化薬社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が1.4゜)を添加してインクを同様にして作製した。従って、第一、第二染料の閉角は96.9゜、第一、第三染料の閉角は111.4゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.7、C*abが3.5であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は37.8、C*abは3.6、OD値は1.13となり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い高品位の記録物が得られた。
【0061】
実施例25
実施例20において黒色染料液「プロ・ジェット・ファースト・ブラック2」の代わりに「ダイワ・ブラックMSC」(ダイワ化成社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が1.0゜)を添加してインクを同様にして作製した。従って、第一、第二染料の閉角は98.2゜、第一、第三染料の閉角は113.8゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.8、C*abが3.5であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は38.6、C*abは3.5、OD値は1.10となり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い高品位の記録物が得られた。
【0062】
実施例26
本発明の第一着色剤として第一染料「デュアシン・ダイレクト・ブラックHEF−SF」(ヘキスト社製、染料濃度10%水溶液)を、第二着色剤として第二染料「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」(ゼネカ社製、染料濃度4.3%水溶液)と、第三染料「プロ・ジェット・ファースト・マゼンタ2」(ゼネカ社製、染料濃度5%水溶液)を選択した。デュアシン・ダイレクト・ブラックHEF−SFの染料濃度が0.005重量%となるように調整した染料水溶液の透過色を、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*a*b*表色系でL*が1.5、C*abが6.9であり、色相角H゜が274.1゜であった。またプロ・ジェット・ファースト・イエロー2の染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の色相角H゜は101.2゜であり、プロ・ジェット・ファースト・マゼンタ2の染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の色相角は27.4゜であった。従って、第一、第二染料の閉角は172.9゜、第一、第三染料の閉角は113.3゜である。これらの染料を使用し、インクを作製し記録評価を行った。
【0063】
純水(64.8重量部)に染料液「デュアシン・ダイレクト・ブラックHEF−SF」(20重量部)、染料液「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」(0.1重量部)、染料液「プロ・ジェット・ファースト・マゼンタ2」(0.1重量部)、グリセリン(10重量部)、ジエチレングリコール−n−モノブチルエーテル(5重量部)を添加し、30分間攪拌した後に孔径0.7μmのメンブランフィルターにて濾過し、インク組成物を得た。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.01%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.7、C*abが2.1であった。このインク組成物を、特開平2−150355号公報に開示されているせん断モード型のインクジェットヘッドに用いて記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は32.0、C*abは2.2、OD値は1.16であり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い高品位の記録物が得られた。
【0064】
実施例27
実施例26において染料液「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」の代わりに染料「デュアシン・アシッド・イエローXX−SF」(ヘキスト社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が94.1゜)を添加してインクを同様にして作製した。従って、第一、第二染料の閉角は180.0゜、第一、第三染料の閉角は113.3゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.01%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.7、C*abが2.4であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は33.2、C*abは2.3、OD値は1.15となり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い高品位の記録物が得られた。
【0065】
実施例28
実施例26において染料液「プロ・ジェット・ファースト・マゼンタ2」の代わりに染料液(染料濃度8%水溶液、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が13.6゜)を添加して、インクを同様にして作製した。従って、第一、第二染料の閉角は172.9゜、第一、第三染料の閉角は99.5゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.01%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が0.6、C*abが2.2であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であり、得られた記録物のL*は31.5、C*abは2.4、OD値は1.15となり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い高品位の記録物が得られた。
【0066】
比較例1
実施例1においてシアン染料液「プロ・ジェット・ファースト・シアン2」を入れずに同様にインクを調製した。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が1.1、C*abが7.6であった。このインク組成物を同様に記録したところ、噴射は良好であったが、得られた記録物のL*は44.0、C*abは6.1、OD値は0.93となり、黒色としての色調は良くなく、記録濃度が低かった。
【0067】
比較例2
実施例1においてシアン染料液「プロ・ジェット・ファースト・シアン2」の代わりにマゼンタ染料液「プロ・ジェット・ファースト・マゼンタ2」(ゼネカ社製、染料濃度5%水溶液、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が27.4゜)を添加してインクを同様に調製した。従って、上記閉角は23.4゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が1.1、C*abが8.0であった。このインク組成物を同様に記録したところ、噴射は良好であったが、得られた記録物のL*は43.8、C*abは7.2、OD値は0.93となり、黒色としての色調が良くなく、記録濃度が低かった。
【0068】
比較例3
実施例11においてイエロー染料液「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」を入れずに同様にインクを調製した。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は0.02%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が1.1、C*abが9.8であった。このインク組成物を同様に記録したところ、噴射は良好であったが、得られた記録物のL*は46.5、C*abは11.3、OD値は0.95となり、黒色としての色調は良くなく、記録濃度が低かった。
【0069】
比較例4
実施例11においてイエロー染料液「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」の代わりにイエロー染料液「プロ・ジェット・ファースト・マゼンタ2」(ゼネカ社製、染料濃度5%水溶液、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が27.4゜)を添加してインクを同様に調製した。従って、上記閉角は66.4゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.02%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が1.0、C*abが14.0であった。このインク組成物を同様に記録したところ、噴射は良好であったが、得られた記録物のL*は46.5、C*abは13.7、OD値は0.96となり、黒色としての色調が良くなく、記録濃度が低かった。
【0070】
比較例5
実施例13においてイエロー染料液「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」を入れずに同様にインクを調製した。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は0.01%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が1.1、C*abが5.8であった。このインク組成物を同様に記録したところ、噴射は良好であったが、得られた記録物のL*は44.5、C*abは7.1、OD値は0.97となり、黒色としての色調は良くなく、記録濃度が低かった。
【0071】
比較例6
実施例13においてイエロー染料液「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」の代わりにシアン染料液「ダイワ・IJ・ブルー319H」(ダイワ化成社製、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が250.0゜)を添加してインクを同様に調製した。従って、上記閉角は24.1゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.01%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が1.1、C*abが11.0であった。このインク組成物を同様に記録したところ、噴射は良好であったが、得られた記録物のL*は43.2、C*abは12.5、OD値は0.97となり、黒色としての色調が良くなく、記録濃度が低かった。
【0072】
比較例7
実施例17においてシアン染料液「プロ・ジェット・ファースト・シアン2」の代わりにマゼンタ染料液「プロ・ジェット・ファースト・マゼンタ2」(ゼネカ社製、染料濃度5%水溶液、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が27.4゜)を添加してインクを同様にして作製した。従って、第一、第二染料の閉角は97.2゜、第一、第三染料の閉角は23.4゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が1.1、C*abが8.1であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であったが、得られた記録物のL*は42.3、C*abは5.5、OD値は0.97となり、黒色としての色調が良くなく、記録濃度が低かった。
【0073】
比較例8
実施例20においてシアン染料液「プロ・ジェット・シアン1」の代わりに染料液(染料濃度8%水溶液、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が13.6゜)を添加してインクを同様にして作製した。従って、第一、第二染料の閉角は95.2゜、第一、第三染料の閉角は9.6゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が1.0、C*abが8.4であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であったが、得られた記録物のL*は42.3、C*abは6.5、OD値は0.94となり、黒色としての色調が良くなく、記録濃度が低かった。
【0074】
比較例9
実施例26において染料液「プロ・ジェット・ファースト・イエロー2」の代わりに染料「ダイワ・IJ・ブルー319H」(ダイワ化成社製、染料濃度が0.01重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が250.0゜)を添加してインクを同様にして作製した。従って、第一、第二染料の閉角は24.1゜、第一、第三染料の閉角は113.3゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が1.0、C*abが8.2であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であったが、得られた記録物のL*は43.2、C*abは8.1、OD値は0.98となり、黒色としての色調が良くなく、記録濃度が低かった。
【0075】
比較例10
実施例26において染料液「プロ・ジェット・ファースト・マゼンタ2」の代わりに染料液「プロ・ジェット・ファースト・シアン2」(ゼネカ社製、染料濃度6%水溶液、染料濃度が0.015重量%となるように調整した染料水溶液の透過色は、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下で、色相角H゜が241.0゜)を添加してインクを同様にして作製した。従って、第一、第二染料の閉角は172.9゜、第一、第三染料の閉角は33.1゜である。このインク組成物を純水で200倍に希釈(染料濃度は約0.015%)し、透過色をD65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において測定したところ、L*が1.1、C*abが8.8であった。このインク組成物を用いて同様にして記録したところ、噴射は良好であったが、得られた記録物のL*は43.1、C*abは8.3、OD値は0.97となり、黒色としての色調が良くなく、記録濃度が低かった。
【0076】
上記の実施例及び比較例の各測定結果を図1及び図2に示す。これらの図から明らかなように、噴射が良好であり、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い記録物が得られた実施例1〜28のインク組成物では、0.005重量%以上0.05重量%以下の範囲内のいずれかの濃度となるように調整した純水希釈水溶液の透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、L*a*b*表色系でL*が4以下、C*abが25以下であり、純水希釈水溶液透過色を表すa*−b*平面上の点HAを有する第一着色剤と、前記測定条件における純水希釈水溶液透過色を表すa*−b*平面上の点HBを有し、a*−b*平面上で、原点とHAとを結んだ直線と、原点とHBとを結んだ直線とのなす閉角が90゜以上を満足する少なくとも1種の第二着色剤とを含有し、インク組成物を純水もしくはイオン交換水で200倍希釈した水溶液の透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、L*a*b*表色系でL*が1以下、C*abが5以下であった。
【0077】
ただし色相角H゜はa*−b*平面上での角度を表わし、以下のように定義する。
【0078】
a*≧0、b*≧0(第一象限)ではH゜=tan−1(b*/a*)
a*≦0、b*≧0(第二象限)ではH゜=180゜+tan−1(b*/a*)
a*≦0、b*≦0(第三象限)ではH゜=180゜+tan−1(b*/a*)
a*≧0、b*≦0(第四象限)ではH゜=360゜+tan−1(b*/a*)。
【0079】
これに対し、得られた記録物の黒色としての色調が良くなく、記録濃度が低かった比較例1〜10では、いずれも上記条件を満たしていなかった。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したことから明かなように、請求項1記載の記録用水性黒色インクによれば、0.005重量%以上0.05重量%以下の範囲内のいずれかの濃度となるように調整した純水希釈水溶液の透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、L*a*b*表色系でL*が4以下、C*abが25以下であり、純水希釈水溶液透過色を表すa*−b*平面上の点HAを有する第一着色剤と、前記測定条件における純水希釈水溶液透過色を表すa*−b*平面上の点HBを有し、a*−b*平面上で、原点とHAとを結んだ直線と、原点とHBとを結んだ直線とのなす閉角が90゜以上を満足する少なくとも1種の第二着色剤とを含み、且つ記録用水性黒色インクを200倍純水希釈した水溶液透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、C*abが5以下となるように前記第一着色剤と前記第二着色剤とが配合されているので、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い記録物を得ることが可能なインクを提供できる。
【0081】
また、請求項2に記載の記録用水性黒色インクによれば、前記200倍純水希釈した水溶液透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、L*が1以下となるように前記第一着色剤と前記第二着色剤とを配合したので、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い記録物を得ることが可能なインクを提供できる。
【0082】
また、請求項3記載のインクジェット記録方法によれば、0.005重量%以上0.05重量%以下の範囲内のいずれかの濃度となるように調整した純水希釈水溶液の透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、L*a*b*表色系でL*が4以下、C*abが25以下であり、純水希釈水溶液透過色を表すa*−b*平面上の点HAを有する第一着色剤と、前記測定条件における純水希釈水溶液透過色を表すa*−b*平面上の点HBを有し、a*−b*平面上で、原点とHAとを結んだ直線と、原点とHBとを結んだ直線とのなす閉角が90゜以上を満足する少なくとも1種の第二着色剤とを前記記録用水性黒色インクが含み、且つ、該記録用水性黒色インクを200倍純水希釈した水溶液透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、C*abが5以下となるように前記第一着色剤と前記第二着色剤とが配合された記録用水性黒色インクを使用したインクジェット記録方法であるので、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い記録物を得ることができる。
【0083】
また、請求項4記載のインクジェット記録方法では、前記200倍純水希釈した水溶液透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、L*が1以下となるように前記第一着色剤と前記第二着色剤とが配合された記録用水性黒色インクを使用したインクジェット記録方法であるので、黒色としての色調が良く、記録濃度が高い記録物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例および比較例の各測定結果を示す図である。
【図2】 本発明の実施例および比較例の各測定結果を示す図である。
Claims (4)
- 記録用水性黒色インクであって、
0.005重量%以上0.05重量%以下の範囲内のいずれかの濃度となるように調整した純水希釈水溶液の透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、L*a*b*表色系でL*が4以下、C*abが25以下であり、純水希釈水溶液透過色を表すa*−b*平面上の点HAを有する第一着色剤と、
前記測定条件における純水希釈水溶液透過色を表すa*−b*平面上の点HBを有し、a*−b*平面上で、原点とHAとを結んだ直線と、原点とHBとを結んだ直線とのなす閉角が90゜以上を満足する少なくとも1種の第二着色剤とを含み、
200倍純水希釈した水溶液透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、C*abが5以下となるように前記第一着色剤と前記第二着色剤とを配合したことを特徴とする記録用水性黒色インク。 - さらに、前記200倍純水希釈した水溶液透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、L*が1以下となるように前記第一着色剤と前記第二着色剤とを配合したことを特徴とする請求項1に記載の記録用水性黒色インク。
- 記録用水性黒色インクを使用して記録を行うインクジェット記録方法であって、
0.005重量%以上0.05重量%以下の範囲内のいずれかの濃度となるように調整した純水希釈水溶液の透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、L*a*b*表色系でL*が4以下、C*abが25以下であり、純水希釈水溶液透過色を表すa*−b*平面上の点HAを有する第一着色剤と、
前記測定条件における純水希釈水溶液透過色を表すa*−b*平面上の点HBを有し、a*−b*平面上で、原点とHAとを結んだ直線と、原点とHBとを結んだ直線とのなす閉角が90゜以上を満足する少なくとも1種の第二着色剤とを前記記録用水性黒色インクが含み、
該記録用水性黒色インクを200倍純水希釈した水溶液透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、C*abが5以下となるように前記第一着色剤及び前記第二着色剤が配合された記録用水性黒色インクを使用することを特徴とするインクジェット記録方法。 - さらに、前記記録用水性黒色インクを200倍純水希釈した水溶液透過色が、D65光源2゜視野、透過光路長10mmの測定条件下において、L*が1以下となるように前記第一着色剤及び前記第二着色剤が配合された記録用水性黒色インクを使用することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録方法。
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-
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- 1996-09-02 JP JP23178996A patent/JP3730721B2/ja not_active Expired - Lifetime
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