JP3729319B2 - プラズマディスプレイパネル、その駆動方法及びその駆動装置 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル、その駆動方法及びその駆動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフラットディスプレイパネルとして好適なプラズマディスプレイパネル、その駆動方法及びその駆動装置に関し、特に、輝度及び発光効率の向上を図ったプラズマディスプレイパネル、その駆動方法及びその駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電界により電子を加速してガス原子又はガス分子に衝突させ、この衝突により発生した紫外光を可視光に変換してカラー画像表示を行うプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)は、大画面・高精細表示が可能な自発光形のフラットディスプレイパネルであり、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイに対抗できる技術として知られている。図50は三電極面放電形でAC(交流)駆動の代表的なプラズマディスプレイパネルの構造を示す模式図である。
【0003】
この形式のプラズマディスプレイパネルにおいては、後面基板101上に縦方向に延びる複数本のデータ電極102が等間隔で配置され、そのデータ電極102を覆う様に第1の誘電体層103が設けられている。更に、第1の誘電体層103上の各データ電極102の間には、基板間の間隙を規制すると共に放電空間を区画するためのストライプ状の隔壁106が設けられている。また、蛍光体層108が隔壁106の側面及び第1の誘電体層103の表面上に設けられている。
【0004】
一方、前面ガラス基板109上には、横方向に延びる透明導電性のコモン電極110とスキャン電極104とからなる面放電電極対が設けられている。コモン電極110及びスキャン電極104の上には、夫々低抵抗材料からなる狭いバス電極111が設けられている。更に、コモン電極110、スキャン電極104及びバス電極111を覆う第2の誘電体層112が設けられている。第2の誘電体層112の上に保護層107が形成されている。それら両基板101及び109は隔壁106を間隙材として対向しており、その周囲を気密封止して、内部にヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)及びキセノン(Xe)等のガスが単一又は混合されて封入される。
【0005】
このように構成されたプラズマディスプレイパネルにおいては、画像を表示する場合、先ず、後面基板101上に形成されたデータ電極102と前面ガラス基板109上に形成されたスキャン電極104との間で対向放電を生じさせ壁電荷を形成する書込放電が行われる。
【0006】
この書込放電は、同じタイミングで信号パルスが印加されたデータ電極102と書込パルスが印加されたスキャン電極104との交点にあたる単位セルを選択状態にして、それに引き続く維持放電により発光表示を行わせるための重要な放電である。書込放電が起こると、そのセル内では、壁電荷が蓄積され、電子及びイオンのプライミング粒子(放電のトリガとなる粒子)が供給されるので、選択されていない他の単位セルよりも放電が起こりやすくなる。つまり、選択されたセルは、選択されていないセルよりも低い電圧で放電を起こすことが可能となる。
【0007】
その後、前面ガラス基板109側に設けられたスキャン電極104とコモン電極110との間で維持放電として面放電を生じさせる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来のプラズマディスプレイパネルには、以下のような問題点がある。
【0009】
先ず、データ電極102とスキャン電極104との間隔が広いため、書込電圧が高いという問題点がある。前述のように、書込放電は対向放電により行われるので、隔壁106の高さが高くなるほど、この傾向は顕著なものとなる。このため、データ電極102及びスキャン電極104に電圧パルスを印加するための駆動回路として安価な低耐圧回路を使用することができず、高価な高耐圧回路を使用する必要がある。この結果、製造コストが増加してしまう。
【0010】
書込電圧を低くするためには、パッシェンの法則に従って、電極間距離、即ち隔壁106の高さを低くすればよいが、隔壁106の高さを低くすると、維持放電のための空間体積が減少して、逆に維持電圧が上昇してしまう。パッシェンの法則とは、電界及び温度が一定の下で、火花放電を起こすために必要な最小電圧、即ち火花電圧が、ガス圧力pと電極間距離dとの積の関数として与えられるという法則である。
【0011】
上述のように隔壁106の高さを低くすると維持電圧が上昇するのは、スキャン電極104とコモン電極110との間で生じる電気力線が大きく湾曲しているため、隔壁106の高さを低くすると維持放電を起こすために有効な体積が減少し、電気力線の密度等が減少するからである。このように空間体積又は電極面積によって放電の起こりやすさが変化する減少は放電の体積効果又は面積効果とよばれている。一般に、空間体積及び電極面積が大きいほど、絶縁破壊が生じる経路が統計的に増加するため、放電が起こりやすくなる。従って、条件が同じであれば、面放電よりも対向放電の方が発生しやすい。
【0012】
また、隔壁106の高さを低くすることによる前述の放電空間の減少は、放電領域、即ちプラズマ体積の減少をもたらし、結果的に紫外光量の減少による輝度及び効率の低下を引き起こす。更に、維持放電の発生領域が蛍光体層108に接近するので、プラズマ中で発生したイオン及び電子の荷電粒子衝撃によって蛍光体層108が劣化しやすいという問題点もある。
【0013】
また、データ電極102とスキャン電極104との間隔が広いため、放電確率が低くなり、書込期間を短縮することが困難であるという問題点がある。
【0014】
一般に、書込期間は画素数が多くなるほど短くなる。また、大画面になるほど電極の長さが伸びるので、その直列抵抗成分による電圧降下によってパルス遅延(電圧パルス波形のなまり)が大きくなる。従って、高精細・大画面になるほど、書込にくくなる。この問題の対策として、隔壁106の高さを低くすることが考えられるが、前述のように、他の特性が著しく損なわれてしまう。このため、従来のプラズマディスプレイパネルでは、限られた時間内でパネル全面にわたり高い均一性で十分な書込放電を起こさせるために、書込電圧を高くする必要がある。
【0015】
更に、前述のように、書込放電を起こさせるためには、種々の障害が存在しているため、駆動マージンを改善することが困難であるという問題点がある。この問題点は、前述の2つの問題点と強く関係している。
【0016】
選択されたセルは、前述のように、選択されていないセルよりも低い電圧で放電を起こすことが可能となる。従って、同じ維持電圧が印加されているセルであっても、書込放電が起こっていなければ、維持放電は発生しない。このため、書込放電が不十分であると、その後の維持放電が起こりにくくなる。また、これを回避するために、維持電圧を上げたのでは、選択されていないセルにおいても放電が起こりやすくなり、誤点灯及び誤消灯が発生して、画質が低下する。このことは、駆動マージンが圧迫されることを意味している。
【0017】
また、一定のセルサイズの下で放電空間を広げようとする場合、隔壁106の高さを高くする必要があるが、前述のように、隔壁106の高さには制限があり、これを超えると種々の問題点が生じる。このように隔壁106の高さに制限があるため、放電空間と共に放電領域が制限され、輝度及び効率を向上させることが極めて困難である。高い輝度及び効率を得ることができれば、低い電力で明るい画像を表示することが可能となるので、輝度及び効率が高いプラズマディスプレイパネルほど、消費電力を抑制することが可能となる。従って、従来のものにおいては、低消費電力化が阻害されている。
【0018】
更に、保護層107の損傷が激しいという問題点もある。これは、スキャン電極104及びコモン電極110のエッジ部に電気力線が集中し、電界の歪が大きくなってそのエッジ部近傍の保護層107に高エネルギのイオンが集中しやすいためであり、イオンが保護層107に斜め方向から入射するためである。
【0019】
保護層107は、単にプラズマに曝される構成要素をイオン及び電子の荷電粒子衝撃から保護するだけでなく、二次電子の供給を促進して放電を起こりやすくすると共に、放電を持続しやすくする機能を担っている。このため、保護層107の損傷度及び劣化度に依存する寿命は、プラズマディスプレイパネルの動作寿命を決定する重要な要因となっている。
【0020】
面放電では、前述のように、スキャン電極104とコモン電極110との間に生じる電気力線が大きく湾曲し、電位差が生じる両電極のエッジ部には、電気力線が密に集中する。この両電極104及び110の間、特にそのエッジ部の間の電界が著しく歪む。この結果、両電極のエッジ部近傍の電界強度が増加する。電界強度が増加すると、保護層107へ入射するイオンの運動エネルギが増加し、イオンが保護層107に与える損傷の程度が大きくなる。また、イオンは電気力線に沿って保護層107へ入射するので、斜め方向から入射することになる。このようにイオンが斜め方向から入射すると、入射イオンから保護層107を構成する原子へのエネルギの伝達効率が高くなるので、保護層107の損傷がより深刻なものとなる。
【0021】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、書込電圧を低下し、書込期間を短縮し、広い駆動マージンを確保することができ、更に、輝度及び発光効率を向上させ、寿命を長期化することができるプラズマディスプレイパネル、その駆動方法及びその駆動装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るAC駆動プラズマディスプレイパネルは、二枚の基板間に放電ガスが封止され、この放電ガスが封止された空間は格子状の隔壁により複数の放電セルに区画され、前記基板の一方の基板上には前記放電セルを列毎に列方向に導通する複数のデータ電極と前記放電セルを行毎に行方向に導通する複数のスキャン電極とが絶縁層を介在して積層され、対向する他方の前記基板にはコモン電極が形成され、書込放電を前記データ電極と前記スキャン電極との間で面放電により行い、かつ維持放電を前記スキャン電極と前記コモン電極との間で対向放電により行うAC駆動プラズマディスプレイパネルであって、前記コモン電極は、平面視で前記スキャン電極より前記列方向の両外側にはみ出た領域を有することを特徴とする。
【0023】
本発明においては、データ電極とスキャン電極とが同一基板(第1の基板)側に設けられているので、書込放電が面放電として起こり、スキャン電極とコモン電極とが相互に対向する基板に設けられているので、維持放電が対向放電として起こる。従って、書込電圧を低下することが可能であり、駆動マージンが向上する。また、コモン電極は、平面視でスキャン電極より列方向の両外側にはみ出た領域を備えているので、高い輝度及び発光効率を得ることが可能である。
【0024】
本発明に係る他のAC駆動プラズマディスプレイパネルは、二枚の基板間に放電ガスが封止され、この放電ガスが封止された空間は格子状の隔壁により複数の放電セルに区画され、前記基板の一方の基板上には前記放電セルを列毎に列方向に導通する複数のデータ電極と前記放電セルを行毎に行方向に導通する複数のスキャン電極とが絶縁層を介在して積層され、対向する他方の前記基板にはコモン電極が形成され、書込放電を前記データ電極と前記スキャン電極との間で面放電により行い、かつ維持放電を前記スキャン電極と前記コモン電極との間で対向放電により行うAC駆動プラズマディスプレイパネルであって、各放電セル毎に維持放電の際の放電主軸を複数個設けたことを特徴とする。
【0025】
この場合、前記各放電セル毎に複数のコモン電極及び/又はスキャン電極を設けることにより前記複数の放電主軸を形成することができる。
【0026】
また、複数個の前記コモン電極のうち少なくとも2個は、平面視で前記スキャン電極を挟む位置に配置されていることが望ましい。また、平面視で前記データ電極を挟む位置に配置されていてもよい。
【0027】
更に、前記コモン電極は、前記列方向又は行方向に延びその方向に配列した複数個の前記放電セル間で共有されていてもよい。
【0028】
更にまた、前記コモン電極の前記隔壁と重なる部分の幅は、前記放電セル内の幅よりも狭いことが望ましく、前記コモン電極の前記放電セル内の幅は300μm以上であることが望ましく、前記コモン電極の前記隔壁と重なる部分の幅は500μm以下であることが望ましい。
【0029】
また、前記列方向若しくは行方向に延びる形状又は格子状の形状を具備し前記コモン電極に接続されたバス電極を有することができる。
【0030】
更に、前記コモン電極が前記放電セル毎に設けられ、前記列方向又は行方向に配列した複数個の前記放電セルに設けられた各コモン電極を共通接続するバス電極を有することが望ましい。この場合、前記第1及び第2の基板の厚さ方向における幅が50μm以下の隙間が平面視で前記隔壁に整合する領域に設けられていることが望ましい。
【0031】
更に、前記データ電極及びスキャン電極のうち一方の電極は、他方の電極と重ならない領域で前記他方の電極との間で放電が起こる範囲内に幅が前記他方の電極と重なる領域の幅よりも広い幅広部を有することができる。
【0032】
更にまた、前記スキャン電極及びデータ電極のうち一方の電極の他方の電極と重なる領域に開口部が設けられ、前記一方の電極と前記他方の電極との間に設けられ前記一方の電極と前記他方の電極との交点に整合する位置に前記他方の電極に接続された導電層が埋設された誘電体層と、前記開口部の内側で前記一方の電極と同一平面に設けられ前記導電層に接続された電極放電部と、を有することができる。
【0033】
本発明に係る他のAC駆動プラズマディスプレイパネルは、二枚の基板間に放電ガスが封止され、この放電ガスが封止された空間は格子状の隔壁により複数の放電セルに区画され、前記基板の一方の基板上には前記放電セルを列毎に列方向に導通する複数のデータ電極と前記放電セルを行毎に行方向に導通する複数のスキャン電極とが絶縁層を介在して積層され、対向する他方の前記基板にはコモン電極が形成され、書込放電を前記データ電極と前記スキャン電極との間で面放電により行い、かつ維持放電を前記スキャン電極と前記コモン電極との間で対向放電により行うAC駆動プラズマディスプレイパネルであって、前記データ電極及びスキャン電極のうち一方の電極は、他方の電極と重ならない領域で前記他方の電極との間で放電が起こる範囲内に幅が前記他方の電極と重なる領域の幅よりも広い幅広部を有することを特徴とする。
【0034】
本発明に係る更に他のAC駆動プラズマディスプレイパネルは、二枚の基板間に放電ガスが封止され、この放電ガスが封止された空間は格子状の隔壁により複数の放電セルに区画され、前記基板の一方の基板上には前記放電セルを列毎に列方向に導通する複数のデータ電極と前記放電セルを行毎に行方向に導通する複数のスキャン電極とが絶縁層を介在して積層され、対向する他方の前記基板にはコモン電極が形成され、書込放電を前記データ電極と前記スキャン電極との間で面放電により行い、かつ維持放電を前記スキャン電極と前記コモン電極との間で対向放電により行うAC駆動プラズマディスプレイパネルであって、前記スキャン電極及びデータ電極のうち一方の電極の他方の電極と重なる領域に開口部が設けられ、前記一方の電極と前記他方の電極との間に設けられ前記一方の電極と前記他方の電極との交点に整合する位置に前記他方の電極に接続された導電層が埋設された誘電体層と、前記開口部の内側で前記一方の電極と同一平面に設けられ前記導電層に接続された電極放電部と、を有することを特徴とする。
【0035】
なお、前記幅広部の長さは100μm以上であることが望ましい。
【0036】
また、前記コモン電極は、透明電極により構成されていてもよく、この場合、前記コモン電極に形成された複数個の開口部を有することが望ましい。更に、前記コモン電極は、単線の金属線又は相互に接続された複数本の金属線により構成されていてもよい。更にまた、前記各データ電極及び前記各スキャン電極は、夫々単線の金属線又は相互に接続された複数本の金属線により構成されていてもよい。更に、本発明に係る更に他のAC駆動プラズマディスプレイパネルは、二枚の基板間に放電ガスが封止され、この放電ガスが封止された空間は格子状の隔壁により複数の放電セルに区画され、前記基板の一方の基板上には前記放電セルを列毎に列方向に導通する複数のデータ電極と前記放電セルを行毎に行方向に導通する複数のスキャン電極とが絶縁層を介在して積層され、対向する他方の前記基板にはコモン電極が形成され、書込放電を前記データ電極と前記スキャン電極との間で面放電により行い、かつ維持放電を前記スキャン電極と前記コモン電極との間で対向放電により行うことを特徴とする。
【0037】
本発明に係るAC駆動プラズマディスプレイパネルの駆動方法は、二枚の基板間に放電ガスが封止され、この放電ガスが封止された空間は格子状の隔壁により複数の放電セルに区画され、前記基板の一方の基板上には前記放電セルを列毎に列方向に導通する複数のデータ電極と前記放電セルを行毎に行方向に導通する複数のスキャン電極とが絶縁層を介在して積層され、対向する他方の前記基板にはコモン電極が形成され、書込放電を前記データ電極と前記スキャン電極との間で面放電により行い、かつ維持放電を前記スキャン電極と前記コモン電極との間で対向放電により行うAC駆動プラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、前記各放電セル毎に維持放電の際の放電主軸が複数個形成されるように駆動することを特徴とする。
【0038】
また、前記AC駆動プラズマディスプレイパネルは、前記各放電セル毎に複数の前記コモン電極が設けられたものであり、本発明に係るAC駆動プラズマディスプレイパネルの駆動方法は、前記スキャン電極、第1の前記コモン電極、前記スキャン電極、第2の前記コモン電極の順、又は第1の前記コモン電極、前記スキャン電極、第2の前記コモン電極、前記スキャン電極の順に維持電圧パルスを印加する工程を繰り返す工程を有していてもよい。又は、前記AC駆動プラズマディスプレイパネルは、前記各放電セル毎に複数の前記スキャン電極が設けられたものであり、本発明に係るAC駆動プラズマディスプレイパネルの駆動方法は、前記コモン電極、第1の前記スキャン電極、前記コモン電極、第2の前記スキャン電極の順、又は第1の前記スキャン電極、前記コモン電極、第2の前記スキャン電極、前記コモン電極の順に維持電圧パルスを印加する工程を繰り返す工程を有していてもよい。
【0039】
本発明に係るAC駆動プラズマディスプレイパネルの駆動装置は、二枚の基板間に放電ガスが封止され、この放電ガスが封止された空間は格子状の隔壁により複数の放電セルに区画され、前記基板の一方の基板上には前記放電セルを列毎に列方向に導通する複数のデータ電極と前記放電セルを行毎に行方向に導通する複数のスキャン電極とが絶縁層を介在して積層され、対向する他方の前記基板にはコモン電極が形成され、書込放電を前記データ電極と前記スキャン電極との間で面放電により行い、かつ維持放電を前記スキャン電極と前記コモン電極との間で対向放電により行うAC駆動プラズマディスプレイパネルの駆動装置であって、前記各放電セル毎に維持放電の際の放電主軸が複数個形成されるように駆動することを特徴とする。
【0040】
また、前記AC駆動プラズマディスプレイパネルは、前記各放電セル毎に複数の前記コモン電極が設けられたものであり、本発明に係るAC駆動プラズマディスプレイパネルの駆動装置は、前記スキャン電極、第1の前記コモン電極、前記スキャン電極、第2の前記コモン電極の順、又は第1の前記コモン電極、前記スキャン電極、第2の前記コモン電極、スキャン電極の順に維持電圧パルスを印加する工程を繰り返す工程を有していてもよい。又は、前記AC駆動プラズマディスプレイパネルは、前記各放電セル毎に複数の前記スキャン電極が設けられたものであり、本発明に係るAC駆動プラズマディスプレイパネルの駆動装置は、前記コモン電極、第1の前記スキャン電極、前記コモン電極、第2の前記スキャン電極の順、又は第1の前記スキャン電極、前記コモン電極、第2の前記スキャン電極、前記コモン電極の順に維持電圧パルスを印加する工程を繰り返す工程を有していてもよい。
【0041】
2個のコモン電極又はスキャン電極に交互に維持放電パルスを供給することにより、即ち、2相駆動とすることにより、2カ所の維持電極対(スキャン電極−コモン電極対)間で維持放電が起こる。従って、維持放電を空間的に有効に広げることができるため、必要最小限の電極面積で必要十分な輝度を得ることができる。更に、2つの維持電極対の片方ずつで維持放電を起こすため、全体的な維持放電電流が半分程度まで低減可能である。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例に係るプラズマディスプレイパネルについて、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の第1の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図1(a)においては、全面に広がって設けられている部材はコモン電極を除き省略してある。
【0043】
第1の実施例においては、後面基板1上に縦方向に延びる複数本のデータ電極2が等間隔で配置され、そのデータ電極2を覆う様に第1の誘電体層3が設けられている。更に、第1の誘電体層3上には、横方向に延びる複数本のスキャン電極4が等間隔で配置されている。データ電極2とスキャン電極4とから面放電電極対が構成されている。更にまた、スキャン電極4を覆う様に第2の誘電体層5が設けられている。
【0044】
第2の誘電体層5上には、データ電極2とスキャン電極4との交点が1個の開口部に配分されるような格子状の隔壁6が設けられている。本実施例のプラズマディスプレイパネルは隔壁6により複数個のセルに区画され、赤色セルR、緑色セルG及び青色セルBが横方向に繰り返し配置されている。
【0045】
各セル内では、第2の誘電体層5上に保護層7aが設けられ、更に、データ電極2とスキャン電極4との交点上に開口部を有する蛍光体層8が隔壁6の側面及び保護層7aの表面上に設けられている。
【0046】
また、後面基板1との間で隔壁6を挟むように前面ガラス基板9が設けられている。前面ガラス基板9上に透明導電性のコモン電極10−1が設けられている。ここでは、前面ガラス基板9の後面基板1との対向面側を上側とする。コモン電極10−1上には、隔壁6と対向する格子状の低抵抗材料からなるバス電極11−1が設けられている。なお、本実施例では、バス電極11−1の幅が隔壁6のそれよりも若干狭く設定されているが、これに限定されるものではない。更に、バス電極11−1を覆う様に第3の誘電体層12が設けられている。更にまた、第3の誘電体層12上に保護層7bが形成されている。後面基板1及び前面ガラス基板9は、隔壁6を間隙材として対向しており、その周囲を気密封止して、その内部に、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)及びキセノン(Xe)等のガスが単一又は混合されて封入されている。
【0047】
なお、データ電極2、スキャン電極4及びバス電極11−1は、例えば金属製であり、誘電体層3、5及び12、隔壁6並びに保護層7a及び7bは、例えば金属酸化物製であり、コモン電極10−1は、例えば金属酸化物からなる透明導電性物質製であるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
次に、上述のように構成された第1の実施例のプラズマディスプレイの動作について説明する。図2(a)は第1の実施例に係るプラズマディスプレイの第1の駆動方法例を示すタイミングチャート、(b)は第2の駆動方法例を示すタイミングチャートである。
【0049】
第1の駆動方法例においては、先ず、図2(a)に示すように、発光表示を行わせたいセルのデータ電極2及びスキャン電極4に、夫々同じタイミングで逆極性の信号パルス18及び書込パルス19を印加することにより、書込放電を生じさせる。データ電極2及びスキャン電極4は、いずれも隔壁6より後面基板1側に配置されているので、面放電が生じる。書込放電が起こると、そのセル内で壁電荷が蓄積され、電子及びイオンのプライミング粒子(放電のトリガとなる粒子)が供給される。これにより、選択されていない他の単位セルよりもその後の放電が起こりやすくなる。
【0050】
次いで、後面基板1側に設けられたスキャン電極4及び前面ガラス基板9側に設けられたコモン電極10−1に、夫々相違するタイミングで同極性の維持パルス20a及び20bを交互に印加することにより、維持放電として対向放電を生じさせる。
【0051】
なお、信号パルス18は、書込期間(所定のセルを発光予備状態にする期間)中にデータ電極2に独立に印加される電圧パルスであって、その所定のセルを選択状態にするものである。書込パルス19は、書込期間中にスキャン電極4に線順次で印加され信号パルス18が印加されたセルを選択状態にする電圧パルスである。維持パルス20a及び20bは、維持期間(選択されたセルを発光状態に維持する期間)中に夫々スキャン電極4及びコモン電極10−1に交互に印加される電圧パルスであって、選択状態とされたセルを発光状態にしその状態に維持するものである。なお、スキャン電極4に印加される維持パルス20aの波高値とコモン電極10−1に印加される維持パルス20bのそれとは必ずしも一致している必要はない。
【0052】
一方、第2の駆動方法例においては、図2(b)に示すように、第1の駆動方法例と同様に書込期間中に書込放電として面放電が生じさせた後、維持期間中にスキャン電圧4には維持パルスを印加せず、コモン電極10−1に正・負の値を示す両極性の維持パルス20cを印加することにより、維持放電として対向放電を生じさせる。
【0053】
このように、本実施例によれば、書込放電が面放電で行われ、維持放電が対向放電で行われるので、書込放電のときに高い電圧は必要とされない。従って、維持放電電圧と書込放電電圧との比を大きくすることができる。このため、駆動マージンを改善することが可能である。従って、駆動回路を簡素化し、そのコストを削減することが可能となる。
【0054】
例えば、書込パルス(Vw)の大きさを│Vw│、信号パルス(Vd)の大きさを│Vd│、スキャン電極に印加される維持パルス(Vss)の大きさを│Vss│、コモン電極に印加される維持パルス(Vsc)の大きさを│Vsc│とすると、従来の面放電型のプラズマディスプレイパネルでは、誤放電の発生を防止するために、少なくとも│Vss│及び│Vsc│を(│Vw│+│Vd│)より小さくする必要がある。
【0055】
これに対し、第1の実施例の第1の駆動方法例では、書込放電が面放電で行われ、維持放電が対向放電で行われるので、特にコモン電極10−1に印加される維持パルス20bの大きさ│Vsc│を(│Vw│+│Vd│)より大きくすることができる。スキャン電極4に印加される維持パルス20aの大きさ│Vss│については、これをあまり大きくすると、維持期間中にスキャン電極4とデータ電極2との間で誤放電が発生する。従って、│Vss│を│Vsc│程大きくすることは難しいが、維持期間中にデータ電極にVssと同極性の電圧でバイアスすることにより、│Vss│を増大することができる。
【0056】
また、第2の駆動方法例では、維持パルス20cの正極性側波高値又は負極側波高値の絶対値のうち大きい方を│Vs│とすると、(│Vw│+│Vd│)<│Vs│とすることが可能である。更に、この駆動方法例では、維持期間中に、スキャン電極4及びデータ電極2の電圧を同一、又は両電極間で放電が発生しない程度の差のものとしているので、コモン電極10−1に維持パルス20cが印加されたときにそれらの間で意図しない放電が発生することが抑制される。この駆動方法例は、特に、データ電極2とスキャン電極4との間の面放電による書込放電に要する放電開始電圧が、スキャン電極4とコモン電極10−1との間の対向放電による維持放電に要する放電開始電圧よりも相当小さく設計されている場合に極めて有効なものである。更にまた、第2の駆動方法によれば、IC(集積回路)を必要としないコモン電極10−1だけでも維持放電動作を行うことができるので、第1の駆動方法例と比較すると、スキャン電極4の駆動回路を簡素化し、安価な低耐圧駆動ICを使用することが可能となる。なお、いずれの駆動方法例においても、基準電位は接地電位(0V)に限定されるものではなく、相対的な電位関係が保たれていれば、使用する回路素子等の都合により、例えば全て正極性となるように全体的にバイアスされた状態で使用されてもよい。
【0057】
また、放電(プラズマ13)は、陰極表面に沿って広がる性質があるため、第1の実施例においては、図1(b)及び(c)中で矢印で示すように、維持放電がコモン電極10−1に沿って前面ガラス基板9全体に広がる。このため、表示面側である前面ガラス基板9側から選択されたセルを見ると、維持放電がセル全体に広がったように見える。この際、スキャン電極4側では、陰極作用をする保護層7は蛍光体層8の開口部のみで露出しており、更に、帯状のスキャン電極4がセルの短軸方向を横断するように配置されているため、維持放電がスキャン電極4に沿って後面基板1全体に広がることはない。つまり、蛍光体層8を介して放電が発生することはない。このため、荷電粒子の衝撃による蛍光体層8の輝度の劣化が抑制される。従って、本実施例によれば、プラズマから放射される紫外光線量が増大し、蛍光体層8で変換される可視光線量もまた増大するので、輝度が向上する。
【0058】
更に、本実施例では、コモン電極10−1が前面ガラス基板9側で全面に形成されているので、発光に寄与しない隔壁6が形成される位置にバス電極11−1を設け、これをコモン電極10−1と電気的に接続させることができる。これにより、コモン電極10−1全体の低抵抗化を図ることができ、駆動電圧パルスの波形なまりを緩和することができる。本実施例では、バス電極11−1は格子状の形状を有しているが、隔壁6縦方向又は横方向に延びる部分に整合させて縦方向又は横方向のみに帯状に設けてもよい。また、セル中で縦方向又は横方向に延びていてもよく、セル中を斜断していてもよい。但し、図1(a)乃至(c)に示す本実施例のように、格子状の形状であれば、バス電極11−1による開口率の低下が生じないので、輝度を低下させずに済むと共に、コモン電極10−1の低抵抗化にも一層貢献できるので、好ましい。なお、バス電極11−1の表示面側を黒色又は低反射面とすることにより、外光の反射が抑制されるので、明所でのコントラストを改善することが可能となる。
【0059】
更にまた、本実施例では、コモン電極10−1が前面ガラス基板9側で全面に形成されているので、その製造工程においてコモン電極10−1のパターニングに必要な工程は不用となり、製造時間の短縮及び製造コストの低減が可能である。
【0060】
なお、コモン電極10−1としては、上述のような全面に広がる板状のものだけでなく、全面に金属細線が張り巡らされたものを使用することもできる。図3(a)乃至(c)はコモン電極10−1の変形例を示す模式図である。
【0061】
例えば、図3(a)に示すように、セルの縦方向に延びる無数の細線電極10−1aからコモン電極が構成されていてもよく、図3(b)に示すように、セルの横方向に延びる無数の細線電極10−1bからコモン電極が構成されていてもよい。また、図3(c)に示すように、細線電極10−1a及び10−1bを相互に交差させて網目状としてもよい。更に、細線電極が斜め方向に延びるものであってもよく、円形状又は多角形状の孔が無数に空いたような形状としてもよい。コモン電極をこのような構成とすることにより、コモン電極自身が低抵抗化されるので、バス電極を別途設ける必要がなくなる。
【0062】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。第2の実施例においては、コモン電極に複数個の菱形の開口部が形成されている。図4は本発明の第2の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図4(a)においては、コモン電極を除き全面に広がって設けられている部材は省略してある。また、図4(a)乃至(c)においては、バス電極は省略してある。更に、図4(a)乃至(c)に示す第2の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0063】
第2の実施例においては、コモン電極10−2は、第1の実施例と同様に、前面ガラス基板9側で全面に広がって形成されているが、規則的に◇形状の開口部10aが形成されている。
【0064】
このように構成された第2の実施例においても、第1の実施例と同様に、図2(a)又は(b)に示す駆動方法例等により、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こる。また、図4(b)及び(c)中で矢印で示すように、維持放電は分散して前面ガラス基板9上に広がるようになる。従って、見かけ上は、維持放電がセル全体に広がったようになるので、後面基板1側に形成された蛍光体層8には十分な紫外光線が照射され、第1の実施例と同様に、十分な輝度が確保される。
【0065】
また、コモン電極10−2の面積は、開口部10aの分だけ第1の実施例におけるコモン電極10−1のそれよりも小さいので、実質的な放電面積(コモン電極面積)が減少する。この結果、コモン電極10−2を介して流れる充・放電電流もまた減少し、結果的に効率が改善される。
【0066】
なお、第2の実施例においては、開口部10aは菱形であり、その設けられた位置は隔壁6又はデータ電極2と整合する位置であるが、その形状及びピッチは、これらに限定されるものではなく、三角形以上の多角形状又は曲線形状を有したものでもよいし、スリット状のものを無数に設けても、同様の効果が得られる。
【0067】
また、前述のように、図4(a)乃至(c)では、バス電極を省略しているが、その作用及び効果は第1の実施例と同様である。更に、スキャン電極4に開口部を設け、その形状を網目状又はスリット状としてもよい。この場合、余分な充・放電電力損失をより一層低減できる。
【0068】
更に、第1の実施例と同様にコモン電極10−2を金属細線電極から構成されるものとしてもよい。
【0069】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。第3の実施例においては、帯状のコモン電極が行をなす複数個のセルに共通に設けられている。図5は本発明の第3の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図5(a)においては、全面に広がって設けられている部材は省略してある。また、図5(a)乃至(c)に示す第3の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0070】
第3の実施例においては、横方向に延びる複数個のコモン電極10−3が設けられている。各コモン電極10−3は各スキャン電極4の上方に配置されている。コモン電極10−3の幅はスキャン電極4のそれよりも広いが、隔壁6の横方向に延びる部分には重ならない程度のものである。また、本実施例においては、隔壁6の縦方向に延びる部分と対向するように縦方向に延びる複数個のバス電極11−3が配置されている。
【0071】
このように構成された第3の実施例においても、第1の実施例と同様に、図2(a)又は(b)に示す駆動方法例等により、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こる。
【0072】
また、第3の実施例では、コモン電極10−3が縦方向で隣接するセル間で分離されているので、これらの隣接セル間でコモン電極を介して放電が広がることが抑制される。即ち、縦方向における隣接セル間でのプラズマの拡散による放電干渉(誤点灯及び誤消灯)が抑制される。
【0073】
更に、各コモン電極10−3は隔壁6の横方向に延びる部分から離間されているため、隔壁6での電荷再結合による電力損失が軽減される。
【0074】
更にまた、第3の実施例においては、セル内に1組のスキャン電極−コモン電極対からなる維持電極対が存在しているので、第1及び第2の実施例のようにパネル全面に全セル共通のコモン電極がある場合と異なり、コモン電極10−3をスキャン電極4と同様に1ライン毎に独立して取り出すことができる。即ち、端子接続部を個別に設けることができる。従って、個々のセルをより独立して制御することが容易になる。
【0075】
なお、本実施例においては、パネル横方向に延びるコモン電極10−3が設けられているので、図5(a)乃至(c)に示すように、バス電極11−3をパネル縦方向に延びるように配置することにより、互いを直交させて接続させることができる。
【0076】
また、コモン電極10−3に第2の実施例のような開口部を設けてもよい。このような形状とすることにより、より発光効率が向上する。第1の実施例と同様に、コモン電極10−3を金属細線電極から構成されるものとしてもよい。図6(a)乃至(c)はコモン電極10−3の変形例を示す模式図である。
【0077】
例えば、図6(a)に示すように、セルの縦方向に延びる複数本の細線電極10−3aからコモン電極が構成されていてもよく、図6(b)に示すように、セルの横方向に延びる複数本の細線電極10−3bからコモン電極が構成されていてもよい。また、図6(c)に示すように、細線電極10−3a及び10−3bを相互に交差させて網目状としてもよい。更に、細線電極が斜め方向に延びるものであってもよく、円形状又は多角形状の孔が無数に空いたような形状としてもよい。コモン電極をこのような構成とすることにより、コモン電極自身が低抵抗化されるので、バス電極を別途設ける必要がなくなる。
【0078】
次に、本発明の第4の実施例について説明する。第4の実施例においては、帯状のコモン電極が列をなす複数個のセルに共通に設けられている。図7は本発明の第4の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図7(a)においては、全面に広がって設けられている部材は省略してある。また、図7(a)乃至(c)に示す第4の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0079】
第4の実施例においては、縦方向に延びる複数個のコモン電極10−4が設けられている。各コモン電極10−4は各データ電極2の上方に配置されている。コモン電極10−4の幅はデータ電極2のそれよりも広いが、隔壁6の縦方向に延びる部分には重ならない程度のものである。また、本実施例においては、隔壁6の横方向に延びる部分と対向するように横方向に延びる複数個のバス電極11−4が配置されている。
【0080】
このように構成された第4の実施例においても、第1の実施例と同様に、図2(a)又は(b)に示す駆動方法例等により、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こる。
【0081】
また、第4の実施例では、コモン電極10−4が横方向で隣接するセル間で分離されているので、これらの隣接セル間でコモン電極を介して放電が広がることが抑制される。即ち、横方向における隣接セル間でのプラズマの拡散による放電干渉(誤点灯及び誤消灯)が抑制される。
【0082】
更に、各コモン電極10−4は隔壁6の縦方向に延びる部分から離間されているため、隔壁6での電荷再結合による電力損失が軽減される。
【0083】
更にまた、第4の実施例においては、セル内に1組のスキャン電極−コモン電極対からなる維持電極対が存在しているので、第1及び第2の実施例のようにパネル全面に全セル共通のコモン電極がある場合と異なり、コモン電極10−4をスキャン電極4と同様に1ライン毎に独立して取り出すことができる。即ち、端子接続部を個別に設けることができる。従って、個々のセルをより独立して制御することが容易になる。
【0084】
なお、本実施例においては、パネル縦方向に延びるコモン電極10−4が設けられているので、図7(a)乃至(c)に示すように、バス電極11−4をパネル横方向に延びるように配置することにより、互いを直交させて接続させることができる。
【0085】
また、コモン電極10−4に第2の実施例のような開口部を設けてもよい。このような形状とすることにより、より発光効率が向上する。第1の実施例と同様に、コモン電極10−4を金属細線電極から構成されるものとしてもよい。図8(a)乃至(c)はコモン電極10−4の変形例を示す模式図である。
【0086】
例えば、図8(a)に示すように、セルの縦方向に延びる複数本の細線電極10−4aからコモン電極が構成されていてもよく、図8(b)に示すように、セルの横方向に延びる複数本の細線電極10−4bからコモン電極が構成されていてもよい。また、図8(c)に示すように、細線電極10−4a及び10−4bを相互に交差させて網目状としてもよい。更に、細線電極が斜め方向に延びるものであってもよく、円形状又は多角形状の孔が無数に空いたような形状としてもよい。コモン電極をこのような構成とすることにより、コモン電極自身が低抵抗化されるので、バス電極を別途設ける必要がなくなる。
【0087】
なお、第3及び第4の実施例においては、前述のように、夫々縦方向及び横方向における隣接セル間の放電干渉が軽減されるため、隔壁6の夫々横方向及び縦方向に延びる部分に間隙(スリット)を設けることができる。スリットを隔壁6に設けることにより、製造工程中のパネル内不純物ガスの排気の際及び放電用ガスの封入の際に、気体流路が確保され、そのコンダクタンスが改善される。この結果、残留不純物量を容易に低減することができると共に、ガス排気・封入工程に要する時間を短縮することができる。
【0088】
図9は隔壁6にスリットが設けられた本発明の第5の実施例を示す部分断面図である。なお、図9に示す第5の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0089】
第5の実施例においては、孤立した島状のコモン電極10−5が設けられており、各コモン電極10−5の中央が細線のバス電極11−5により連結されている。第3の実施例で隔壁6の縦方向に延びる部分にスリットを設けた場合及び第4の実施例で隔壁6の横方向に延びる部分にスリットを設けた場合には、そのスリット及びコモン電極を介して隣接セル間の放電干渉が生じる虞があるが、第5の実施例では、コモン電極10−5の形状が島状となっているので、隔壁6の横方向に延びる部分に設けられたスリット14及び縦方向に延びる部分に設けられたスリット15が同時に存在していても、隣接セル間の放電干渉は極めて少ない。
【0090】
なお、このようにコモン電極10−5が島状のものであっても、スリット14及び15のいずれか一方だけが設けられていてもよいが、流路が多い方がガス排気・封入時のコンダクタンスを改善する効果が大きい。
【0091】
また、スリットは、隔壁6の縦方向に延びる部分及び横方向に延びる部分が交差する部分に斜め方向に延びるように設けられていてもよい。この場合、コモン電極が縦方向及び横方向のいずれの方向に延びるものであっても、隣接セル間の放電干渉が軽減される。
【0092】
このように、第1乃至第5の実施例によれば、書込放電が面放電で行われ、維持放電が対向放電で行われるので、駆動マージンを改善することが可能であるため、駆動回路を簡素化し、そのコストを削減することが可能となる。また、維持放電が前面ガラス基板9上に広がるようになるので、プラズマから放射される紫外光線量が増加する。この結果、蛍光体層8における可視光線への変換量が増大し、輝度が向上する。
【0093】
図10は横軸にコモン電極の幅(Wc)をとり、縦軸に維持放電周波数1kHz当たりの輝度をとって両者の関係を示すグラフ図である。図10中に示すように、テストセルの長手方向の長さは1050μm、短手方向の長さは350μmである。また、スキャン電極及びデータ電極の幅は、夫々100μm及び50μmである。そして、放電ガスとしてNe(95%)−Xe(5%)混合ガスを66.65kPaでセル内に充填し、コモン電極の幅(Wc)を変化させて輝度を測定した。なお、隔壁の高さは約200μmであり、後面基板側に形成した蛍光体層には開口部を設けていない。なお、隔壁の高さに関しては、150μm以上であった方が、輝度効率の改善には効果的であるが、アスペクト比(セル平面方向の長さとセル垂直方向の長さとの比)及び工程上の制限から、その高さを10mm以上にすることは極めて困難である。しかし、センターシート方式等を用いれば、10mm以下の隔壁を形成することは可能である。
【0094】
図10に示すように、コモン電極幅(Wc)の増加に伴い、輝度が向上している。発光輝度及び発光効率はガス種及び放電形態だけでなく、蛍光体の特性及び蛍光体層を形成する際の土台となる隔壁の形状によっても大きく左右される。第1乃至第5の実施例では、書込放電が面放電として起こるので、隔壁6を高くし、維持放電をセル垂直方向に長く伸長させることができる。このため、蛍光体層8の形成面積が増加すると共に、陽光柱領域からの紫外光線量も増加する。この結果、電極面積の増加以上に輝度を向上させることができる。
【0095】
一般に、画像表示装置としては、維持放電周波数1kHz当たり5cd/m2程度の輝度が得られるものが望ましいとされ、1kHz当たり8cd/m2以上の輝度が得られればより一層望ましいとされている。図6に示すように、コモン電極幅(Wc)が300μm以上であれば、1kHz当たり5cd/m2以上の輝度が得やすく、第1乃至第4の実施例によれば、それは可能である。但し、前述したように、輝度及び効率は隔壁形状及び蛍光体の特性等に左右されることに留意する必要がある。なお、最大幅は実質的にセルサイズによって制限されることになる。
【0096】
次に、本発明の第6の実施例について説明する。第6の実施例においては、コモン電極の形状が、第3の実施例におけるコモン電極10−3の隔壁6に重なる部分に開口部が形成された形状となっている。図11は本発明の第6の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図11(a)においては、全面に広がって設けられている部材は省略してある。また、図11(a)乃至(c)においては、バス電極は省略してある。更に、図11(a)乃至(c)に示す第6の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0097】
第6の実施例においては、横方向に延びる複数個のコモン電極10−6が設けられている。各コモン電極10−6は各スキャン電極4の上方に配置されている。コモン電極10−6の幅はスキャン電極4のそれよりも広いが、隔壁6の横方向に延びる部分には重ならない程度のものである。コモン電極10−6の隔壁6と重なる領域には、矩形の開口部10bが形成されている。これにより、コモン電極10−6と隔壁6とが重なり合う面積が、第3の実施例におけるコモン電極10−3のそれよりも著しく低減されている。
【0098】
このように構成された第6の実施例においても、第1の実施例と同様に、図2(a)又は(b)に示す駆動方法例等により、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こる。また、放電に寄与しない隔壁6とコモン電極10−6とが重なり合う面積が小さいので、隔壁6での余計な充電による電力損失が著しく低減される。また、一般に、隔壁6では電荷再結合による大きな電力損失が生じるが、本実施例では、隔壁6の近傍で放電が発生しにくくなるので、これによっても電力損失が低減される。従って、発光効率が向上するので、低電力化が可能となる。
【0099】
また、第6の実施例では、縦方向における隣接セル間でコモン電極10−6が分離されているだけでなく、コモン電極10−6の横方向における隣接セル間の連結部分が細いので、縦方向だけでなく横方向における隣接セル間での放電干渉による誤点灯及び誤消灯も起こりにくい。
【0100】
更に、コモン電極10−6のスキャン電極4との重なり容量が低減されるため、駆動負荷が軽減されるという利点もある。
【0101】
更にまた、第6の実施例においては、セル内に1組のスキャン電極−コモン電極対からなる維持電極対が存在しているので、第1及び第2の実施例のようにパネル全面に全セル共通のコモン電極がある場合と異なり、コモン電極10−6をスキャン電極4と同様に1ライン毎に独立して取り出すことができる。即ち、端子接続部を個別に設けることができる。従って、個々のセルをより独立して制御することが容易になる。
【0102】
なお、バス電極(図示せず)の配置位置及び作用・効果については、例えば第3の実施例と同様である。
【0103】
また、コモン電極10−6と同様に、スキャン電極4の隔壁6と重なる部分に開口部が形成されていてもよい。
【0104】
更に、本実施例では、第1乃至第5の実施例と比較すると、縦方向及び横方向へのプラズマの拡散が少ないので、放電干渉による誤点灯・誤消灯が起こりにくく、隔壁6の縦方向及び横方向のいずれの方向に延びる部分にも隙間(スリット)を設けることができる。この結果、前述のように、気体流路が確保され、ガス排気及びガス封入時のコンダクタンスが改善される。
【0105】
なお、コモン電極の形状は、特に限定されるものではなく、コモン電極10−6に第2の実施例のような◇形状等の開口部が形成されていてもよい。また、第1の実施例と同様に、コモン電極10−6を金属細線電極から構成されるものとしてもよい。図12(a)乃至(c)はコモン電極10−6の変形例を示す模式図である。
【0106】
例えば、図12(a)に示すように、セルの縦方向に延びる複数本の細線電極10−6aからコモン電極が構成されていてもよく、図12(b)に示すように、セルの横方向に延びる複数本の細線電極10−6bからコモン電極が構成されていてもよい。また、図12(c)に示すように、細線電極10−6a及び10−6bを相互に交差させて網目状としてもよい。更に、細線電極が斜め方向に延びるものであってもよく、円形状又は多角形状の孔が無数に空いたような形状としてもよい。コモン電極をこのような構成とすることにより、コモン電極自身が低抵抗化されるので、バス電極を別途設ける必要がなくなる。
【0107】
次に、本発明の第7の実施例について説明する。第7の実施例においては、コモン電極の形状が、第3の実施例におけるコモン電極10−3の隔壁6に重なる部分がくびれた形状となっている。図13は本発明の第7の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図13(a)においては、全面に広がって設けられている部材は省略してある。また、図13(a)乃至(c)においては、バス電極は省略してある。更に、図13(a)乃至(c)に示す第7の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0108】
第7の実施例においては、横方向に延びる複数個のコモン電極10−7が設けられている。各コモン電極10−7は各スキャン電極4の上方に配置されている。コモン電極10−7の幅はセル内でスキャン電極4のそれよりも広いが、隔壁6の横方向に延びる部分には重ならない程度のものである。また、セル間の隔壁6と重なる部分では、コモン電極10−7の幅はスキャン電極4のそれよりも細いものである。これにより、コモン電極10−7と隔壁6とが重なり合う面積が、第3の実施例におけるコモン電極10−3のそれよりも著しく低減されている。
【0109】
このように構成された第7の実施例においても、第1の実施例と同様に、図2(a)又は(b)に示す駆動方法例等により、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こる。また、隔壁6の縦方向に延びる部分と交差するコモン電極10−7の細幅部の幅が、第6の実施例のそれよりも狭くなるので、電力損失の低減による低電力化、誤点灯及び誤消灯の抑制並びに駆動負荷の軽減に関して、第6の実施例よりも高い効果を得ることができる。
【0110】
なお、バス電極(図示せず)の配置位置及び作用・効果については、例えば第3の実施例と同様である。
【0111】
また、コモン電極10−7と同様に、スキャン電極4の隔壁6と重なる部分がくびれていてもよい。
【0112】
更に、本実施例でも、第1乃至第5の実施例と比較すると、縦方向及び横方向へのプラズマの拡散が少ないので、放電干渉による誤点灯・誤消灯が起こりにくく、隔壁6の縦方向及び横方向のいずれの方向に延びる部分にも隙間(スリット)を設けることができる。この結果、前述のように、気体流路が確保され、ガス排気及びガス封入時のコンダクタンスが改善される。
【0113】
更にまた、第7の実施例においては、セル内に1組のスキャン電極−コモン電極対からなる維持電極対が存在しているので、第1及び第2の実施例のようにパネル全面に全セル共通のコモン電極がある場合と異なり、コモン電極10−7をスキャン電極4と同様に1ライン毎に独立して取り出すことができる。即ち、端子接続部を個別に設けることができる。従って、個々のセルをより独立して制御することが容易になる。
【0114】
なお、コモン電極の形状は、特に限定されるものではなく、コモン電極10−7に第2の実施例のような◇形状等の開口部が形成されていてもよい。また、第1の実施例と同様に、コモン電極10−7を金属細線電極から構成されるものとしてもよい。図14(a)乃至(c)はコモン電極10−7の変形例を示す模式図である。
【0115】
例えば、図14(a)に示すように、セルの縦方向に延びる複数本の細線電極10−7aからコモン電極が構成されていてもよく、図14(b)に示すように、セルの横方向に延びる複数本の細線電極10−7bからコモン電極が構成されていてもよい。また、図14(c)に示すように、細線電極10−7a及び10−7bを相互に交差させて網目状としてもよい。更に、細線電極が斜め方向に延びるものであってもよく、円形状又は多角形状の孔が無数に空いたような形状としてもよい。コモン電極をこのような構成とすることにより、コモン電極自身が低抵抗化されるので、バス電極を別途設ける必要がなくなる。
【0116】
次に、本発明の第8の実施例について説明する。第8の実施例においては、コモン電極の形状が、第4の実施例におけるコモン電極10−4の隔壁6に重なる部分に開口部が形成された形状となっている。図15は本発明の第8の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図15(a)においては、全面に広がって設けられている部材は省略してある。また、図15(a)乃至(c)においては、バス電極は省略してある。更に、図15(a)乃至(c)に示す第8の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0117】
第8の実施例においては、縦方向に延びる複数個のコモン電極10−8が設けられている。各コモン電極10−8は各データ電極2の上方に配置されている。コモン電極10−8の幅はデータ電極2のそれよりも広いが、隔壁6の縦方向に延びる部分には重ならない程度のものである。コモン電極10−8の隔壁6と重なる領域には、矩形の開口部10cが形成されている。これにより、コモン電極10−8と隔壁6とが重なり合う面積が、第4の実施例におけるコモン電極10−4のそれよりも著しく低減されている。
【0118】
このように構成された第8の実施例においても、第1の実施例と同様に、図2(a)又は(b)に示す駆動方法例等により、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こる。また、電力損失の低減による低電力化並びに誤点灯及び誤消灯の抑制に関して第6の実施例と同様の効果が得られる。更に、コモン電極10−8のデータ電極2との重なり容量が低減されるため、駆動負荷が軽減される。
【0119】
なお、バス電極(図示せず)の配置位置及び作用・効果については、例えば第4の実施例と同様である。
【0120】
また、コモン電極10−8と同様に、データ電極2の隔壁6と重なる部分に開口部が形成されていてもよい。
【0121】
更に、本実施例でも、第1乃至第5の実施例と比較すると、縦方向及び横方向へのプラズマの拡散が少ないので、放電干渉による誤点灯・誤消灯が起こりにくく、隔壁6の縦方向及び横方向のいずれの方向に延びる部分にも隙間(スリット)を設けることができる。この結果、前述のように、気体流路が確保され、ガス排気及びガス封入時のコンダクタンスが改善される。
【0122】
更にまた、第8の実施例においては、セル内に1組のスキャン電極−コモン電極対からなる維持電極対が存在しているので、第1及び第2の実施例のようにパネル全面に全セル共通のコモン電極がある場合と異なり、コモン電極10−8をスキャン電極4と同様に1ライン毎に独立して取り出すことができる。即ち、端子接続部を個別に設けることができる。従って、個々のセルをより独立して制御することが容易になる。
【0123】
なお、コモン電極の形状は、特に限定されるものではなく、コモン電極10−8に第2の実施例のような◇形状等の開口部が形成されていてもよい。また、第1の実施例と同様に、コモン電極10−8を金属細線電極から構成されるものとしてもよい。図16(a)乃至(c)はコモン電極10−8の変形例を示す模式図である。
【0124】
例えば、図16(a)に示すように、セルの縦方向に延びる複数本の細線電極10−8aからコモン電極が構成されていてもよく、図16(b)に示すように、セルの横方向に延びる複数本の細線電極10−8bからコモン電極が構成されていてもよい。また、図16(c)に示すように、細線電極10−8a及び10−8bを相互に交差させて網目状としてもよい。更に、細線電極が斜め方向に延びるものであってもよく、円形状又は多角形状の孔が無数に空いたような形状としてもよい。コモン電極をこのような構成とすることにより、コモン電極自身が低抵抗化されるので、バス電極を別途設ける必要がなくなる。
【0125】
次に、本発明の第9の実施例について説明する。第9の実施例においては、コモン電極の形状が、第4の実施例におけるコモン電極10−4の隔壁6に重なる部分がくびれた形状となっている。図17は本発明の第9の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図17(a)においては、全面に広がって設けられている部材は省略してある。また、図17(a)乃至(c)においては、バス電極は省略してある。更に、図17(a)乃至(c)に示す第9の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0126】
第9の実施例においては、縦方向に延びる複数個のコモン電極10−9が設けられている。各コモン電極10−9は各データ電極2の上方に配置されている。コモン電極10−9の幅はセル内でデータ電極2のそれよりも広いが、隔壁6の縦方向に延びる部分には重ならない程度のものである。また、セル間の隔壁6と重なる部分では、コモン電極10−9の幅はデータ電極2のそれと実質的に同等のものである。これにより、コモン電極10−9と隔壁6とが重なり合う面積が、第4の実施例におけるコモン電極10−4のそれよりも著しく低減されている。
【0127】
このように構成された第9の実施例においても、第1の実施例と同様に、図2(a)又は(b)に示す駆動方法例等により、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こる。また、隔壁6の横方向に延びる部分と交差するコモン電極10−9の細幅部の幅が、第8の実施例のそれよりも狭くなるので、電力損失の低減による低電力化、誤点灯及び誤消灯の抑制並びに駆動負荷の軽減に関して、第8の実施例よりも高い効果を得ることができる。
【0128】
なお、バス電極(図示せず)の配置位置及び作用・効果については、例えば第4の実施例と同様である。
【0129】
また、コモン電極10−9と同様に、データ電極2の隔壁6と重なる部分がくびれていてもよい。
【0130】
更に、本実施例でも、第1乃至第5の実施例と比較すると、縦方向及び横方向へのプラズマの拡散が少ないので、放電干渉による誤点灯・誤消灯が起こりにくく、隔壁6の縦方向及び横方向のいずれの方向に延びる部分にも隙間(スリット)を設けることができる。この結果、前述のように、気体流路が確保され、ガス排気及びガス封入時のコンダクタンスが改善される。
【0131】
更にまた、第9の実施例においては、セル内に1組のスキャン電極−コモン電極対からなる維持電極対が存在しているので、第1及び第2の実施例のようにパネル全面に全セル共通のコモン電極がある場合と異なり、コモン電極10−9をスキャン電極4と同様に1ライン毎に独立して取り出すことができる。即ち、端子接続部を個別に設けることができる。従って、個々のセルをより独立して制御することが容易になる。
【0132】
なお、コモン電極の形状は、特に限定されるものではなく、コモン電極10−9に第2の実施例のような◇形状等の開口部が形成されていてもよい。また、第1の実施例と同様に、コモン電極10−9を金属細線電極から構成されるものとしてもよい。図18(a)乃至(c)はコモン電極10−9の変形例を示す模式図である。
【0133】
例えば、図18(a)に示すように、セルの縦方向に延びる複数本の細線電極10−9aからコモン電極が構成されていてもよく、図18(b)に示すように、セルの横方向に延びる複数本の細線電極10−9bからコモン電極が構成されていてもよい。また、図18(c)に示すように、細線電極10−9a及び10−9bを相互に交差させて網目状としてもよい。更に、細線電極が斜め方向に延びるものであってもよく、円形状又は多角形状の孔が無数に空いたような形状としてもよい。コモン電極をこのような構成とすることにより、コモン電極自身が低抵抗化されるので、バス電極を別途設ける必要がなくなる。
【0134】
次に、第10の実施例について説明する。第10の実施例においては、セル毎に1個のコモン電極が設けられており、これらが縦方向でバス電極により共通接続されている。図19は本発明の第10の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図19(a)においては、全面に広がって設けられている部材は省略してある。また、図19(a)乃至(c)に示す第10の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0135】
第10の実施例においては、セル毎に略矩形のコモン電極10−10が設けられている。各コモン電極10−10の長手方向中央部には、図19(a)において左側に隔壁6上まで突出する突出部が設けられている。また、第3の実施例と同様に、隔壁6の縦方向に延びる部分と対向するように縦方向に延びる複数個のバス電極11−10が配置され、コモン電極10−10の突出部とバス電極11−10とが相互に接続されている。即ち、列をなす複数個のセルに設けられた各コモン電極10−10がバス電極11−10により共通接続されている。
【0136】
このように構成された第10の実施例においても、第1の実施例と同様に、図2(a)又は(b)に示す駆動方法例等により、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こる。また、維持放電が縦方向及び横方向のいずれの方向においても隣接セル間で分離されるため、いずれの方向においても放電干渉が極めて起こりにくい。従って、駆動マージンが大幅に改善される。
【0137】
また、コモン電極10−10とスキャン電極4との重なりが小さいので、駆動負荷が軽減される。
【0138】
更に、第6乃至第9の実施例と比して、コモン電極10−10が隔壁6と重なる領域が少ないため、より一層効率が改善される。
【0139】
更にまた、第10の実施例においては、セル内に1組のスキャン電極−コモン電極対からなる維持電極対が存在しているので、第1及び第2の実施例のようにパネル全面に全セル共通のコモン電極がある場合と異なり、コモン電極10−10をスキャン電極4と同様に1ライン毎に独立して取り出すことができる。即ち、端子接続部を個別に設けることができる。従って、個々のセルをより独立して制御することが容易になる。
【0140】
なお、バス電極11−10の配置位置及び作用・効果については、例えば第3の実施例と同様である。
【0141】
また、コモン電極の形状は、特に限定されるものではなく、コモン電極10−10に、例えば第2の実施例のような◇形状等の開口部を形成すれば、発光効率がより改善される。また、第1の実施例と同様に、コモン電極10−10を金属細線電極から構成されるものとしてもよい。図20(a)乃至(c)はコモン電極10−10の変形例を示す模式図である。
【0142】
例えば、図20(a)に示すように、セルの縦方向に延びる複数本の細線電極10−10aからコモン電極が構成されていてもよく、図20(b)に示すように、セルの横方向に延びる複数本の細線電極10−10bからコモン電極が構成されていてもよい。また、図20(c)に示すように、細線電極10−10a及び10−10bを相互に交差させて網目状としてもよい。更に、細線電極が斜め方向に延びるものであってもよく、円形状又は多角形状の孔が無数に空いたような形状としてもよい。コモン電極をこのような構成とすることにより、コモン電極自身が低抵抗化されるので、バス電極を別途設ける必要がなくなる。
【0143】
また、コモン電極10−10をスキャン電極4の上方にのみ設けることにより、維持放電を集束し、放電干渉をより一層抑制することが可能である。
【0144】
更に、本実施例では、縦方向及び横方向へのプラズマの拡散が抑制されるので、放電干渉による誤点灯・誤消灯が起こりにくく、隔壁6の縦方向及び横方向のいずれの方向に延びる部分にも隙間(スリット)を設けることができる。この結果、前述のように、気体流路が確保され、ガス排気及びガス封入時のコンダクタンスが改善される。
【0145】
次に、第11の実施例について説明する。第11の実施例においては、第10の実施例と同様に、セル毎に1個のコモン電極が設けられており、これらが横方向でバス電極により共通接続されている。図21は本発明の第11の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図21(a)においては、全面に広がって設けられている部材は省略してある。また、図21(a)乃至(c)に示す第11の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0146】
第11の実施例においては、セル毎に略矩形のコモン電極10−11が設けられている。各コモン電極10−11の短手方向中央部には、上側に隔壁6上まで突出する突出部が設けられている。また、第4の実施例と同様に、隔壁6の横方向に延びる部分と対向するように横方向に延びる複数個のバス電極11−11が配置され、コモン電極10−11の突出部とバス電極11−11とが相互に接続されている。即ち、列をなす複数個のセルに設けられた各コモン電極10−11がバス電極11−11により共通接続されている。
【0147】
このように構成された第11の実施例においても、第1の実施例と同様に、図2(a)又は(b)に示す駆動方法例等により、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こる。また、第10の実施例と同様の効果が得られるが、一般に、横方向に延びるバス電極の方が縦方向に延びるものよりも太く形成することが可能であるので、第11の実施例の方が、コモン電極とバス電極とを接続しやすい。
【0148】
更にまた、第11の実施例においては、セル内に1組のスキャン電極−コモン電極対からなる維持電極対が存在しているので、第1及び第2の実施例のようにパネル全面に全セル共通のコモン電極がある場合と異なり、コモン電極10−11をスキャン電極4と同様に1ライン毎に独立して取り出すことができる。即ち、端子接続部を個別に設けることができる。従って、個々のセルをより独立して制御することが容易になる。
【0149】
なお、バス電極11−11の配置位置及び作用・効果については、例えば第4の実施例と同様である。
【0150】
更に、コモン電極の形状は、特に限定されるものではなく、コモン電極10−11に、例えば第2の実施例のような◇形状等の開口部を形成すれば、発光効率がより改善される。また、第1の実施例と同様に、コモン電極10−11を金属細線電極から構成されるものとしてもよい。図22(a)乃至(c)はコモン電極10−11の変形例を示す模式図である。
【0151】
例えば、図22(a)に示すように、セルの縦方向に延びる複数本の細線電極10−11aからコモン電極が構成されていてもよく、図22(b)に示すように、セルの横方向に延びる複数本の細線電極10−11bからコモン電極が構成されていてもよい。また、図22(c)に示すように、細線電極10−11a及び10−11bを相互に交差させて網目状としてもよい。更に、細線電極が斜め方向に延びるものであってもよく、円形状又は多角形状の孔が無数に空いたような形状としてもよい。コモン電極をこのような構成とすることにより、コモン電極自身が低抵抗化されるので、バス電極を別途設ける必要がなくなる。
【0152】
また、コモン電極10−11をスキャン電極4の上方にのみ設けることにより、維持放電を集束し、放電干渉をより一層抑制することが可能である。
【0153】
更に、本実施例では、縦方向及び横方向へのプラズマの拡散が抑制されるので、放電干渉による誤点灯・誤消灯が起こりにくく、隔壁6の縦方向及び横方向のいずれの方向に延びる部分にも隙間(スリット)を設けることができる。この結果、前述のように、気体流路が確保され、ガス排気及びガス封入時のコンダクタンスが改善される。
【0154】
なお、第10及び11の実施例においては、前述のように、夫々縦方向及び横方向における隣接セル間の放電干渉が軽減されるため、隔壁6の夫々横方向及び縦方向に延びる部分に間隙(スリット)を設けることができるだけでなく、更に前面ガラス基板9と後面基板1との間に隙間(空間)を設けることも可能である。つまり、前面ガラス基板9を後面基板1から浮かせることが可能である。これにより、気体流路がより一層開放されるので、ガス排気・封入時におけるコンダクタンスが飛躍的に改善され、大幅な残留不純物量の低減及び工程時間の短縮が可能となる。
【0155】
図23(a)はガラス基板間に空間が設けられた本発明の第12の実施例を示す部分断面図であり、(b)は(a)中の二点鎖線で囲まれた領域を示す図である。なお、図23(a)及び(b)に示す第12の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0156】
第12の実施例においては、孤立した島状のコモン電極10−12が設けられており、各コモン電極10−12の中央が細線のバス電極11−12により連結されている。一般に、放電は陰極(コモン電極)の表面に沿って発生する性質があるため、縦方向又は横方向のセルにまたがって放電電極(コモン電極)が形成されている場合には、放電が陰極に沿って走ることを防止するために陰極に直交するように放電バリアを設ける必要がある。従来のプラズマディスプレイパネルでは、隔壁がこの役割を担っていたため、維持放電電極対と隔壁とを離間させることはできなかった。
【0157】
しかしながら、本実施例では、維持放電が対向放電であるため、縦方向及び横方向における隣接セル間でプラズマが拡散しにくい。また、コモン電極10−12の形状が孤立性の高い島状であるため、維持放電がより一層セル内に集約されやすい。このため、前面ガラス基板9が保護層7等を介して隔壁6と密着していなくても、いずれの方向においても隣接セル間での放電干渉が抑制される。この結果、前面ガラス基板9と後面基板1との間に隙間16が設けられていても、隣接セル間の放電干渉は極めて発生しにくい。
【0158】
また、この隙間16はパネル全面にわたって形成することが可能であるため、そのように形成することにより、パネル全域にわたって気体流路が確保されたことと等価となる。これに対し、従来のプラズマディスプレイパネルにおいては、前述のように、密封度が高いので、隔壁によって気体流路が制限され、そのコンダクタンスを改善することは極めて困難であった。
【0159】
更に、従来のプラズマディスプレイパネルでは、気体流路を形成するパネル内の構造物、例えば隔壁に沿って気体が流動する場合には、気体と構造物との間に生じる粘性抵抗が大きいため、気体流路を無数に確保しても、コンダクタンス低減の効果は十分ではなかった。しかし、本実施例のように、僅かでも前面ガラス基板9と後面基板1との間に隙間16を設けることができれば、パネル全域にわたって遮蔽物のない気体流路が確保される。この結果、コンダクタンスを飛躍的に改善することが可能となり、大幅な残留不純物量の低減及び工程時間の短縮が可能となる。
【0160】
なお、第5の実施例に設けられているスリット14及び15を第12の実施例にも適用すれば、より一層高い効果が得られる。
【0161】
これらの第6乃至第12の実施例によっても、書込放電が面放電で起こり、維持放電が対向放電で起こるので、駆動マージンを改善することが可能であるため、駆動回路を簡素化し、そのコストを削減することが可能となる。また、コモン電極の隔壁6と重なり合う部分の面積が小さいので、コモン電極の孤立性が高まり、縦方向においても横方向においても隣接セル間の放電干渉による誤点灯及び誤消灯がより抑制される。また、隔壁6における電荷再結合が生じにくくなるので、電力損失が低減され、発光効率が向上する。
【0162】
図24は横軸にコモン電極の狭窄幅(L)をとり、縦軸に誤点灯電圧をとって両者の関係を示すグラフ図である。誤点灯電圧とは、選択されたセル(書込動作を行ったセル)の最大維持放電電圧Vsmax(所定の維持放電が起こる最大電圧)と選択されていないセル(書込動作を行っていないセル)の最小維持放電電圧Vsmin(不慮の維持放電が起こる最小電圧)との差で定義され、|Vsmin−Vsmax|で与えられる物理量である。従って、誤点灯電圧が高いほど隣接セル間の放電干渉が起こりにくいことになる。なお、図24中に示すように、テストセルの長手方向の長さは1050μm、短手方向の長さは350μmである。また、スキャン電極及びデータ電極の幅は、夫々100μm及び50μmである。コモン電極に関しては、セル内の縦方向の長さが900μmで、横方向の長さが200μmである。
【0163】
図24に示すように、横方向における隣接セルにまたがるコモン電極幅(狭窄幅(L))を細くしていくと、誤点灯電圧が上昇している。つまり、コモン電極の孤立性が高いほど、放電干渉が起こりにくい。
【0164】
一般に、誤点灯電圧が高いほど、駆動マージンを広く設定することが可能であるため、画質を向上させることができる。特に、パネル全面にわたって5V以上の誤点灯電圧が得られれば、実用上の問題は生じないが、7V以上であれば好適である。図24に示すように、隣接セルにまたがる部分のコモン電極幅が500μm程度であれば5V程度の誤点灯電圧が得られ、300μm以下であれば7V以上の誤点灯電圧が得られるのでより望ましい。なお、この傾向はセル縦方向に延びるコモン電極が設けられている場合でも同様であり、これらは第5乃至第12の実施例によれば可能な狭窄幅である。
【0165】
また、実際に、このテストセルを使用して狭窄幅Lを100μmとした場合には、前面ガラス基板9と後面基板1との間に20〜30μm程度の隙間が空いていても、7〜10V程度の誤点灯電圧を維持できた。更に、30〜50μm程度の隙間でも5V程度の誤点灯電圧を得ることができたが、50μm以上の隙間では十分な誤点灯電圧を確保することはできなかった。
【0166】
次に、本発明の第13の実施例について説明する。第13の実施例においては、1個のセル内に平面視でスキャン電極を挟むように2個のコモン電極が配置されている。図25は本発明の第13の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図25(a)においては、全面に広がって設けられている部材は省略してある。また、図25(a)乃至(c)においては、バス電極は省略してある。更に、図25(a)乃至(c)に示す第13の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0167】
第13の実施例においては、横方向に延びる複数個のコモン電極10−13が1個のセルにつき2個設けられるように配置されている。各コモン電極10−13は、平面視でスキャン電極4と隔壁6の横方向に延びる部分との間に配置されている。コモン電極10−13の隔壁6と重なり合う部分の幅は、セル内の幅よりも狭く形成されている。
【0168】
次に、上述のように構成された第13の実施例のプラズマディスプレイの動作について説明する。本実施例でも、図2に示す駆動方法が可能であるが、次の図26に示す他の駆動方法も実施可能である。図26は第13の実施例に係るプラズマディスプレイの駆動方法例を示すタイミングチャートである。
【0169】
この駆動方法例では、図26に示すように、第1の実施例と同様にして書込放電として面放電を起こさせた後、スキャン電極4及びコモン電極10−13に交互に夫々維持パルス20d及び20eを印加するが、コモン電極10−13では、その1ライン毎に位相をずらして維持パルス20eを印加することにより、コモン電極10−13の片側1カ所ずつ維持放電を起こさせる(2相駆動)。
【0170】
なお、スキャン電極4に印加される維持パルス20dの波高値とコモン電極10−13に印加される維持パルス20eのそれとは必ずしも一致している必要はない。また、スキャン電極4に印加される維持パルス20dの大きさ│Vss│をあまり大きくすると、維持期間中にスキャン電極4とデータ電極2との間で誤放電が発生する虞があるため、│Vss│をコモン電極10−13に印加される維持パルス20eの大きさ│Vsc│程には大きくすることは困難であるが、維持期間中にデータ電極にVssと同極性の電圧でバイアスすることにより、│Vss│を増大するることは可能である。更に、基準電位は接地電位(0V)に限定されるものではなく、相対的な電位関係が保たれていれば、使用する回路素子等の都合により、例えば全て正極性となるように全体的にバイアスされた状態で使用されてもよい。
【0171】
このように、第13の実施例によれば、2カ所の維持電極対(スキャン電極−コモン電極対)間で維持放電を起こさせることができる。このため、コモン電極10−13をセル一杯に広がるように設けなくても、図25(b)及び(c)中で矢印で示すように、見かけ上維持放電がセル全面に広がる。従って、蛍光体層8に十分な量の紫外光線が到達するので、高い輝度を得ることができる。また、セル内のコモン電極10−13の面積を小さくしても、維持放電を空間的に有効に広げることができるため、必要最小限の電極面積で必要十分な輝度を得ることができる。従って、少ない電力で高い輝度が得られるため、効率を向上させることが可能である。言い換えれば、高い効率が得られるため、少ない電力でも高い輝度を得ることが可能となる。その上、図26に示すような駆動方法では、2つある維持電極対の片方ずつを維持放電を起こすため、全体的な維持放電電流を図2に示すような駆動方法の半分程度に減らすことができる。
【0172】
また、表示面側(前面ガラス基板9側)に形成された保護層7bの劣化は、維持放電1回毎に高速のイオンが保護層7に入射してスパッタ等の損耗により引き起こされるものであり、イオンの入射回数が少ないほどその劣化は小さくなるので、図26に示す駆動方法によれば、その劣化の度合いが軽減される。このため、保護層7の損耗に起因した輝度の低下及び電圧マージンの低下が抑制され、パネルとしての動作寿命が延びる。
【0173】
また、セル内の蛍光体層8を覆うコモン電極10−13の面積が小さくなるため、コモン電極10−13自身による可視光線の吸収量が減少し、結果的に輝度の低下が軽減される。
【0174】
更に、放電発生部が複数存在するので、統計的な放電確率が上昇し、維持放電が起こりやすくなる。この結果、放電ミスが少なくなるので、駆動マージンが改善される。
【0175】
更にまた、コモン電極10−13とスキャン電極4又はデータ電極2との重なり面積が低減されるので、より一層駆動負荷が軽減される。
【0176】
また、本実施例によれば、縦方向及び横方向へのプラズマの拡散が抑制されるので、放電干渉による誤点灯・誤消灯が起こりにくく、隔壁6の縦方向及び横方向のいずれの方向に延びる部分にも隙間(スリット)を設けることができる。この結果、前述のように、気体流路が確保され、ガス排気及びガス封入時のコンダクタンスが改善される。
【0177】
更に、第13の実施例においては、セル内に独立したスキャン電極−コモン電極対からなる維持電極対が存在しているので、第1及び第2の実施例のようにパネル全面に全セル共通のコモン電極がある場合と異なり、コモン電極10−13をスキャン電極4と同様に1ライン毎に独立して取り出すことができる。即ち、端子接続部を個別に設けることができる。従って、個々のセルをより独立して制御することが容易になる。
【0178】
なお、バス電極(図示せず)の配置位置及び作用・効果については、例えば第3の実施例と同様である。
【0179】
また、コモン電極10−13の数は1個のセル当たり2本以上であってもよい。更に、その形状は、特に凸状に限定されるものではないが、隔壁6上のコモン電極10−13の幅が狭い方が隔壁6での電荷再結合損失が減少するので、効率改善の観点で都合がよい。また、コモン電極10−13に、例えば第2の実施例のような◇形状等の開口部を形成すれば、発光効率がより改善される。第1の実施例と同様に、コモン電極10−13を金属細線電極から構成されるものとしてもよい。図27(a)乃至(c)はコモン電極10−13の変形例を示す模式図である。
【0180】
例えば、図27(a)に示すように、セルの縦方向に延びる複数本の細線電極10−13aからコモン電極が構成されていてもよく、図27(b)に示すように、セルの横方向に延びる複数本の細線電極10−13bからコモン電極が構成されていてもよい。また、図27(c)に示すように、細線電極10−13a及び10−13bを相互に交差させて網目状としてもよい。更に、細線電極が斜め方向に延びるものであってもよく、円形状又は多角形状の孔が無数に空いたような形状としてもよい。コモン電極をこのような構成とすることにより、コモン電極自身が低抵抗化されるので、バス電極を別途設ける必要がなくなる。
【0181】
なお、本実施例に対し90゜回転させたような構造として、セルの縦方向に延びるコモン電極を1個のセルにつき2個配設することもできるが、本実施例の方が効果が高く、製造上も有利である。
【0182】
次に、本発明の第14の実施例について説明する。第14の実施例においては、コモン電極に、隔壁の横方向に延びる部分と対向するように設けられた母線部と、この母線部からその上下に位置するセル内に突出した子線部とが設けられている。図28は本発明の第14の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図28(a)においては、全面に広がって設けられている部材は省略してある。また、図28(a)乃至(c)においては、バス電極は省略してある。更に、図28(a)乃至(c)に示す第14の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0183】
第14の実施例においては、隔壁6の横方向に延びる部分と対向するように設けられた母線部10−14aと、この母線部10−14aからその上下に位置するセル内に突出した子線部10−14bとからなるコモン電極10−14が設けられている。従って、第13の実施例と同様に、1個のセルにつき2個の子線部10−14bが配置されている。子線部10−14bの母線部10−14aとの接続部分の幅は、データ電極2のそれと同等であり、セル内の子線部10−14bの幅は、それよりも広い。
【0184】
このように構成された第14の実施例においても、例えば、第13の実施例と同様に、図2又は図26に示す駆動方法例等により、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こる。また、第13の実施例と同様の効果が得られると共に、コモン電極10−14の母線部10−14aが隔壁6の横方向に延びる部分の上方に配置されているため、第13の実施例よりも子線部10−14bに放電が集束しやすくなり、横方向で隣接するセル間の放電干渉が起こりにくくなる。また、効率低下も少なくなる。
【0185】
また、第14の実施例においては、セル内に独立したスキャン電極−コモン電極対からなる維持電極対が存在しているので、第1及び第2の実施例のようにパネル全面に全セル共通のコモン電極がある場合と異なり、コモン電極10−14をスキャン電極4と同様に1ライン毎に独立して取り出すことができる。即ち、端子接続部を個別に設けることができる。従って、個々のセルをより独立して制御することが容易になる。
【0186】
なお、バス電極(図示せず)の配置位置及び作用・効果については、例えば第3の実施例と同様である。
【0187】
また、コモン電極10−14の数は1個のセル当たり2本以上であってもよい。更に、その形状は、特に凸状に限定されるものではないが、隔壁6上のコモン電極10−14の幅が狭い方が隔壁6での電荷再結合損失が減少するので、効率改善の観点で都合がよい。また、コモン電極10−14に、例えば第2の実施例のような◇形状等の開口部を形成すれば、効率がより改善される。また、第1の実施例と同様に、コモン電極10−14を金属細線電極から構成されるものとしてもよい。図29(a)乃至(c)はコモン電極10−14の変形例を示す模式図である。
【0188】
例えば、図29(a)に示すように、セルの縦方向に延びる複数本の細線電極10−14cからコモン電極の子線部が構成されていてもよく、図29(b)に示すように、セルの横方向に延びる複数本の細線電極10−14dからコモン電極の子線部が構成されていてもよい。また、図29(c)に示すように、細線電極10−14c及び10−14dを相互に交差させて網目状としてもよい。更に、細線電極が斜め方向に延びるものであってもよく、円形状又は多角形状の孔が無数に空いたような形状としてもよい。コモン電極をこのような構成とすることにより、コモン電極自身が低抵抗化されるので、バス電極を別途設ける必要がなくなる。
【0189】
なお、本実施例に対し90゜回転させたような構造として、セルの縦方向に延びるコモン電極を1個のセルにつき2個配設することもできるが、本実施例の方が効果が高く、製造上も有利である。
【0190】
次に、本発明の第15の実施例について説明する。第15の実施例においては、1個のセル内に平面視でスキャン電極を挟むように略コの字形をした島状のコモン電極が2個配置されている。図30は本発明の第15の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図30(a)においては、全面に広がって設けられている部材は省略してある。また、図30(a)乃至(c)に示す第15の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0191】
第15の実施例においては、バス電極11−15が隔壁6の縦方向に延びる部分と対向するように配置されている。そして、1個のセルにつき、それを挟む2個のバス電極11−15に夫々接続された2個のコモン電極10−15が設けられている。コモン電極10−15は、略コの字型の形状を有しており、バス電極11−15に接続されていない側の端部が、スキャン電極4側を向くように屈曲されている。
【0192】
このように構成された第15の実施例においても、例えば、第13の実施例と同様に、図2又は図26に示す駆動方法例等により、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こる。また、維持放電では、スキャン電極4に近い方のコモン電極10−15で先に放電が発生し、スキャン電極4から遠い方のコモン電極10−15へと放電が延ばされる。このため、少ない放電電極面積でも有効に維持放電領域を広げることができる。この結果、高い輝度及び効率を得ることができる。また、一方のコモン電極10−15の放電部分が擬似的に2カ所となるため、放電時に瞬間的に流れる電流値が軽減されると共に、そのピークが2つとなる。この結果、電流波形がなだらかなものとなる。このように瞬間的に流れるピーク電流が減少すると、駆動IC(集積回路)の電流容量を大きくする必要がなくなるので、駆動回路に必要な製造コストを削減できるばかりでなく、回路の故障信頼性をも改善することができる。
【0193】
また、本実施例では、コモン電極10−15を細く蛇行させ、その電極長を長くしているので、コモン電極10−15自信を抵抗体として機能させた電圧降下作用が得られる。これにより、より一層ピーク電流を減少させることができる。
【0194】
更に、第13及び14の実施例と比して、コモン電極10−15のデータ電極との重なり容量をより低減することができるため、駆動付加をより一層軽減することも可能である。
【0195】
更にまた、コモン電極10−15のバス電極11−15に接続されていない側の端部をスキャン電極4側を向くように屈曲させているので、各コモン電極10−15の孤立性が増し、横方向における隣接セル間の放電干渉が緩和される。
【0196】
また、本実施例によれば、縦方向及び横方向へのプラズマの拡散が抑制されるので、放電干渉による誤点灯・誤消灯が起こりにくく、隔壁6の縦方向及び横方向のいずれの方向に延びる部分にも隙間(スリット)を設けることができる。この結果、前述のように、気体流路が確保され、ガス排気及びガス封入時のコンダクタンスが改善される。
【0197】
なお、バス電極11−15の配置位置及び作用・効果については、例えば第3の実施例と同様である。
【0198】
また、コモン電極10−15の数は1個のセル当たり2個以上であってもよい。更に、その形状は、特に略コの字型に限定されるものではない。また、その配置場所も特に制限されるものではない。更に、コモン電極10−15を金属材料から形成してもよい。コモン電極10−15を金属材料から形成することにより、透明電極を用いた製造工程を省略することができる。
【0199】
更にまた、コモン電極10−15をスキャン電極4と同様に1ライン毎に独立して取り出してもよい。これにより、個々のセルをより独立して制御しやすくなり、1セル内の2本のコモン電極を使用しての2相駆動が可能となる。
【0200】
次に、本発明の第16の実施例について説明する。第16の実施例は、第15の実施例に対しバス電極が延びる方向を横方向としたものである。図31は本発明の第16の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図31(a)においては、全面に広がって設けられている部材は省略してある。また、図31(a)乃至(c)に示す第16の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0201】
第16の実施例においては、バス電極11−16が隔壁6の横方向に延びる部分と対向するように配置されている。そして、1個のセルにつき、それを挟む2個のバス電極11−16に夫々接続された2個のコモン電極10−16が設けられている。コモン電極10−16は、略コの字型の形状を有している。
【0202】
このように構成された第16の実施例においても、例えば、第13の実施例と同様に、図2又は図26に示す駆動方法例等により、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こる。また、第15の実施例と同様の効果が得られると共に、太いバス電極11−16を設けることができるので、これとコモン電極10−16とを接続しやすいという利点がある。
【0203】
なお、バス電極11−16の配置位置及び作用・効果については、例えば第4の実施例と同様である。
【0204】
また、コモン電極10−16の数は2個以上であってもよい。更に、その形状は、特に略コの字型に限定されるものではない。また、その配置場所も特に制限されるものではない。更に、コモン電極10−16を金属材料から形成してもよい。コモン電極10−16を金属材料から形成することにより、透明電極を用いた製造工程を省略することができる。
【0205】
更にまた、コモン電極10−16をスキャン電極4と同様に1ライン毎に独立して取り出してもよい。これにより、個々のセルをより独立して制御しやすくなり、1セル内の2本のコモン電極を使用しての2相駆動が可能となる。
【0206】
次に、本発明の第17の実施例について説明する。第17の実施例においては、1個のセル内に2個のスキャン電極が設けられている。図32は本発明の第17の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図32(a)においては、全面に広がって設けられている部材は省略してある。また、図32(a)乃至(c)においては、バス電極は省略してある。更に、図32(a)乃至(c)に示す第17の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0207】
第17の実施例には、第3の実施例と同様に、横方向に延びるコモン電極10−17が設けられている。また、行をなす複数個のセル毎に2個のスキャン電極4a及び4bが設けられている。即ち、1個のセル内に2個のスキャン電極4a及び4bが存在する。
【0208】
次に、上述のように構成された第17の実施例のプラズマディスプレイパネルの動作について説明する。本実施例でも、図2に示す駆動方法が可能であるが、次の図33に示す他の駆動方法も実施可能である。図33は第17の実施例に係るプラズマディスプレイの駆動方法例を示すタイミングチャートである。
【0209】
この駆動方法例では、図33に示すように、第1の実施例と同様にして書込放電として面放電を起こさせた後、スキャン電極4a及び4b並びにコモン電極10−1に交互に夫々維持パルス20f及び20gを印加するが、スキャン電極4a及び4bでは、その1ライン毎に位相をずらして維持パルス20fを印加することにより、スキャン電極4a及び4bの片側1カ所ずつ維持放電を起こさせる(2相駆動)。
【0210】
なお、スキャン電極4a及び4bに印加される維持パルス20fの波高値とコモン電極10−17に印加される維持パルス20gのそれとは必ずしも一致している必要はない。また、スキャン電極4a及び4bに印加される維持パルス20fの大きさ│Vss│をあまり大きくすると、維持期間中にスキャン電極4とデータ電極2との間で誤放電が発生する虞があるため、│Vss│をコモン電極10−17に印加される維持パルス20gの大きさ│Vsc│程には大きくすることは困難であるが、維持期間中にデータ電極にVssと同極性の電圧でバイアスすることにより、│Vss│を増大するることは可能である。更に、基準電位は接地電位(0V)に限定されるものではなく、相対的な電位関係が保たれていれば、使用する回路素子等の都合により、例えば全て正極性となるように全体的にバイアスされた状態で使用されてもよい。
【0211】
このように構成された第17の実施例においては、2個のスキャン電極4a及び4bから維持放電が発生するので、第13の実施例と同様の効果が得られる。即ち、維持放電がセル全面に広がったようになるため、高い輝度が得られる。また、放電発生部が複数存在するので、統計的な放電確率が上がり、維持放電が起こりやすくなる。この結果、放電ミスが少なくなるので、駆動マージンが改善される。
【0212】
更に、1セル内に2本のスキャン電極4a及び4bがあるため、維持動作期間中にスキャン電極4a及び4bに印加される維持パルスを片側1本ずつに分配することにより、スキャン電極1本分の維持パルス数を削減することができる。
【0213】
一般に、スキャン電極側の保護層には、維持期間中の維持放電に加えデータ電極とスキャン電極との間で各サブフィールド毎に行う書込期間中の書込放電が重畳される。このため、スキャン電極側の保護層は、コモン電極側の保護層よりも劣化が早く進行する。保護層の劣化が進み、下層の誘電体層が露出するようになると、壁電荷量に影響が出たり、保護層からの二次電子供給量が減少したりして動作電圧が不安定となり、パネルとしての寿命を迎えることになる。従って、パネルの寿命は、保護層の劣化が早いスキャン電極側保護層の劣化に律速されることになる。
【0214】
しかし、本実施例においては、前述のように、スキャン電極4a及び4bに印加する維持パルスを分割することが可能であるため、片側のスキャン電極側の保護層7aが被るイオン衝撃ダメージが軽減される。この結果、全体で見るとスキャン電極4a及び4b側の保護層7aの寿命が延びたようになる。つまり、本実施例によれば、パネルの動作寿命を延ばすことができる。
【0215】
なお、バス電極(図示せず)の配置位置及び作用・効果については、例えば第3の実施例と同様である。
【0216】
また、スキャン電極の数は1個のセル当たり2本以上であってもよい。更に、その形状は、特に帯状に限定されるものではない。また、第4の実施例と同様に、コモン電極を縦方向に延びるものとしてもよい。更に、第3の実施例等と同様に、コモン電極10−17を金属細線電極から構成されるものとしてもよい。これにより、同様の効果が得られる。
【0217】
更にまた、コモン電極10−17並びにスキャン電極4a及び4bのいずれの電極も1ライン毎に独立して取り出してもよい。これにより、2本のスキャン電極4a及び4bを使用しての2相駆動が可能となる。
【0218】
次に、本発明の第18の実施例について説明する。第18の実施例においては、第17の実施例に対しスキャン電極毎にコモン電極が設けられている。図34は本発明の第18の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図34(a)においては、全面に広がって設けられている部材は省略してある。また、図34(a)乃至(c)においては、バス電極は省略してある。更に、図34(a)乃至(c)に示す第18の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0219】
第18の実施例においては、第17の実施例と同様に、行をなす複数個のセル毎に2個のスキャン電極4a及び4bが設けられている。即ち、1個のセル内に2個のスキャン電極4a及び4bが存在する。そして、夫々各スキャン電極4a及び4bに対向するように横方向に延びるコモン電極10−18a及び10−18bが設けられている。従って、1個のセル内に2個のコモン電極10−18a及び10−18bが存在する。
【0220】
このように構成された第18の実施例においても、例えば、第17の実施例と同様に、図2又は図33に示す駆動方法例等により、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こり、セル内の2カ所から維持放電が発生するので、高い輝度が得られる。また、維持放電の発生部が複数存在するので、統計的な放電確率が上がり、維持放電が起こりやすくなる。この結果、放電ミスが少なくなるので、駆動マージンが改善される。
【0221】
更に、1セル内に2組のスキャン電極−コモン電極対があるため、維持動作期間中にスキャン電極4a及び4bに印加される維持パルスを片側1本ずつに分配することにより、2組の維持放電電極対で交互に維持放電が発生する。従って、一方のコモン電極対10−18a及び10−18b上の保護層7bが受けるイオン衝撃ダメージが、第17の実施例におけるそれの半分となるので、パネルの動作寿命を延ばすことができる。
【0222】
なお、バス電極(図示せず)の配置位置及び作用・効果については、例えば第3の実施例と同様である。
【0223】
また、スキャン電極−コモン電極の対の数は1個のセル当たり2組以上であってもよい。更に、コモン電極10−18a及び10−18bの形状は、特に帯状に限定されるものではない。また、第4の実施例と同様に、スキャン電極及びコモン電極を縦方向に延びるものとしてもよい。更に、第3の実施例等と同様に、コモン電極10−18a及び10−18bを金属細線電極から構成されるものとしてもよい。これにより、同様の効果が得られる。
【0224】
更にまた、コモン電極10−18a及び10−18b並びにスキャン電極4a及び4bのいずれの電極も1ライン毎に独立して取り出してもよい。これにより、2本のスキャン電極4a及び4bを使用しての2相駆動が可能となる。
【0225】
このように、第13乃至第18の実施例によれば、セル内に維持放電の発生箇所が複数個存在しているので、必要十分な放電により高い効率で蛍光体層8から可視光線を発光させることができる。従って、輝度及び効率が向上する。
【0226】
図35は横軸にコモン電極間の隔(d)をとり、縦軸に維持放電周波数1kHz当たりの輝度をとって両者の関係を示すグラフ図である。図35中に示すように、テストセルの長手方向の長さは1050μm、短手方向の長さは350μmである。また、スキャン電極、データ電極及びコモン電極の幅は、夫々100μm、50μm及び100μmである。そして、コモン電極間の幅(d)を変化させて輝度を測定した。
【0227】
図35に示すように、コモン電極が1本の場合、つまり、コモン電極間の幅(d)が0μmで維持放電主軸が単数の場合と比して、コモン電極間の幅(d)が0μmより大きい方が輝度が向上する。特に150μm以上であれば、5cd/cm2以上の輝度が得られる。また、コモン電極が複数本設けられている場合の方が、輝度が高い。更に、その間隔(d)が広い方が、輝度が向上する傾向にある。これは、維持放電領域をセル内容積全体に広げなくても、蛍光体層8上を広く覆うように維持放電を生成すれば、少ない消費電力で高い輝度が得られることを示している。
【0228】
次に、本発明の第19の実施例について説明する。第19の実施例においては、スキャン電極の各データ電極と交差する領域に開口部が形成されている。図36は本発明の第19の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図36(a)においては、スキャン電極及びデータ電極のみを示している。また、図36(a)乃至(c)に示す第19の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0229】
第19の実施例においては、第1の実施例と同様に、後面基板1側にスキャン電極4−19及び複数個のデータ電極2が相互に交差するように配置されている。但し、スキャン電極4−19には、データ電極2と交差する位置に矩形の開口部4−19aが形成されている。
【0230】
このように構成された第19の実施例においても、第1の実施例と同様に、図2(a)又は(b)に示す駆動方法例等により、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こる。また、開口部4−19aの存在によりデータ電極2とスキャン電極4−19との間の重なり容量が減少するため、駆動負荷が軽減され、余分な誘電体層の充電による電力損失が軽減される。
【0231】
また、第1の実施例と比して、開口部4−19aの分だけデータ電極2とスキャン電極4−19との対面領域が増加し、放電領域が増加する。この結果、いわゆる放電の面積効果によって書込放電を起こす際に必要な電圧が低減される。また、書込時間を短縮することが可能となる。
【0232】
更に、壁電荷量が増加するので、維持放電を起こすために必要な電圧も低減される。これに伴い、書込放電から維持放電への遷移性が向上するため、駆動マージンを拡大することが可能となる。
【0233】
なお、反射率の高い材料でスキャン電極4−19を構成すれば、それを反射層として使用することも可能である。
【0234】
次に、本発明の第20の実施例について説明する。第20の実施例においては、スキャン電極の各データ電極と交差する領域にくびれ(狭窄部)が設けられている。図37は本発明の第20の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図37(a)においては、スキャン電極及びデータ電極のみを示している。また、図37(a)乃至(c)に示す第20の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0235】
第20の実施例においては、スキャン電極4−20のデータ電極2と交差する位置がくびれており、その部分の幅が他の部分の幅よりも狭く形成されている。
【0236】
このように構成された第20の実施例においても、第1の実施例と同様に、図2(a)又は(b)に示す駆動方法例等により、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こる。また、第19の実施例と同様の効果が得られると共に、データ電極2とスキャン電極4−20とが重なり合う部分がより低減されるため、それらの重なり容量が減少される。また、製造工程上、パターン化が容易であるという利点もある。
【0237】
なお、第19の実施例と同様に、反射率の高い材料でスキャン電極4−20を構成すれば、それを反射層として使用することも可能である。
【0238】
次に、本発明の第21の実施例について説明する。第21の実施例においては、第1の実施例と比してスキャン電極の幅が全体的に狭いものとなっているが、データ電極との交点近傍においてその幅が広くされている。図38は本発明の第21の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図38(a)においては、スキャン電極及びデータ電極のみを示している。また、図38(a)乃至(c)に示す第21の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0239】
第21の実施例においては、全体的な幅が第1の実施例と比して狭いスキャン電極4−21が設けられている。但し、スキャン電極4−21には、各データ電極2との交点の両側に上下方向に延びる突出部が設けられている。
【0240】
このように構成された第21の実施例においては、第1の実施例と同様に、図2(a)又は(b)に示す駆動方法例等により、データ電極2とスキャン電極4−21の突出部との間で書込放電が発生し、維持放電は対向放電として起こる。従って、第19及び20の実施例と同様の効果が得られると共に、隔壁6等での余分な充電容量が削減されるので、より一層駆動負荷が軽減され、消費電力が削減される。また、書込放電及び維持放電が集束しやすくなるため、隣接セル間の放電干渉も抑制される。
【0241】
次に、本発明の第22の実施例について説明する。第22の実施例においては、スキャン電極に、隔壁の横方向に延びる部分と対向するように設けられた母線部と、この母線部からその上方に位置するセル内に突出した子線部とが設けられている。図39は本発明の第22の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図39(a)においては、スキャン電極及びデータ電極のみを示している。また、図39(a)乃至(c)に示す第22の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0242】
第22の実施例においては、隔壁6の横方向に延びる部分と対向するように設けられた母線部4−22aと、この母線部4−22aからその上方に位置するセル内の中央部まで突出した子線部4−22bとからなるスキャン電極4−22が設けられている。子線部4−22bの母線部4−22aとの接続部分の幅は、セル内の子線部4−22bの幅よりも狭い。
【0243】
このように構成された第22の実施例においては、第1の実施例と同様に、図2(a)又は(b)に示す駆動方法例等により、セルの中央部でデータ電極2と子線部4−22bとの間で書込放電が発生し、維持放電は対向放電として起こる。この結果、第19乃至21の実施例と比して、放電ギャップ領域が増加し、より書込放電及び維持放電の電圧が低減され、書込から維持への遷移性が向上する。
【0244】
このように、第19乃至第22の実施例によれば、スキャン電極のデータ電極との交差部分を他の部分よりも細くするか、又はそのような交差をセル内に設けないようにしているので、重なり容量が低減される。その一方で、データ電極とスキャン電極との放電面積は維持するか、又は増加させているので、書込放電電圧が低下すると共に、書込放電による壁電荷の生成量が増加する。この結果、維持放電電圧が低下すると共に、書込放電から維持放電への遷移を容易に行うことが可能となる。
【0245】
図40は横軸に隔壁と重なる部分のスキャン電極の幅(Ws)をとり、縦軸に書込電圧比をとって両者の関係を示すグラフ図であり、図41は横軸に隔壁と重なる部分のスキャン電極の幅(Ws)をとり、縦軸に維持電圧比をとって両者の関係を示すグラフ図である。なお、図40及び図41中の縦軸は、スキャン電極幅(Ws)が50μmのときの値を1として規格化したもので、無次元数である。図40及び図41中に示すように、テストセルの長手方向の長さは1050μm、短手方向の長さは350μmである。また、データ電極の幅は50μmであり、スキャン電極のデータ電極と重なる部分の幅は50μm、その長さは100μmである。そして、隔壁と重なる部分のスキャン電極の幅(Ws)を変化させて書込電圧及び維持電圧を測定した。
【0246】
図40及び図41に示すように、スキャン電極の幅(Ws)、実質的にはデータ電極と対面し放電ギャップを形成する部分の長さが増加すると、書込放電及び維持放電を起こすために必要な電圧は、いずれも減少する。特に、100μm以上では、優位な差が見られる。これは、放電の面積効果によって、統計的な絶縁破壊箇所が増加するためである。このため、より一層書込電圧及び維持電圧が低減されるので、データ電極及びスキャン電極に接続される駆動ICの負担が軽減され、駆動回路に関わる信頼性が向上する。更に、低電圧駆動が可能になるなので、回路コストが削減される。更にまた、書込電圧の増加可能な余裕が増加するため、電圧を増加させて容易に書込時間を短縮することが可能となると共に、書込放電から維持放電への遷移性が向上する。この結果、駆動マージンの拡大が可能となる。
【0247】
次に、本発明の第23の実施例について説明する。第23の実施例においては、各データ電極のスキャン電極と交差する領域に開口部が形成されている。図42は本発明の第23の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図42(a)においては、スキャン電極及びデータ電極のみを示している。また、図42(a)乃至(c)に示す第23の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0248】
第23の実施例においては、第1の実施例と同様に、後面基板1側にスキャン電極4及び複数個のデータ電極2−23が相互に交差するように配置されている。但し、データ電極2−23には、スキャン電極4と交差する位置に矩形の開口部2−23aが形成されている。
【0249】
このように構成された第23の実施例においても、第1の実施例と同様に、図2(a)又は(b)に示す駆動方法例等により、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こる。また、開口部2−23aの存在によりデータ電極2−23とスキャン電極4との間の重なり容量が減少するため、駆動負荷が軽減され、余分な誘電体層の充電による電力損失が軽減される。
【0250】
また、第1の実施例と比して、開口部2−23aの分だけデータ電極2−23とスキャン電極4との対面領域が増加し、放電領域が増加する。この結果、いわゆる放電の面積効果によって書込放電を起こす際に必要な電圧が低減される。
【0251】
更に、壁電荷量が増加するので、維持放電を起こすために必要な電圧も低減される。これに伴い、書込放電から維持放電への遷移性が向上するため、書込時間を短縮することが可能となる。この結果、駆動マージンを拡大することが可能となる。
【0252】
なお、データ電極2−23はセルの長軸方向である縦方向に延びているため、反射率の高い材料でデータ電極2−23を構成すれば、それを反射層として有効に使用することができ、輝度が向上する。
【0253】
次に、本発明の第24の実施例について説明する。第24の実施例においては、各データ電極のスキャン電極と交差する領域にくびれ(狭窄部)が設けられている。図43は本発明の第24の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図43(a)においては、スキャン電極及びデータ電極のみを示している。また、図43(a)乃至(c)に示す第24の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0254】
第24の実施例においては、データ電極2−24のスキャン電極4と交差する位置がくびれており、その部分の幅が他の部分の幅よりも狭く形成されている。
【0255】
このように構成された第24の実施例においても、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こる。また、第23の実施例と同様の効果が得られると共に、データ電極2−24とスキャン電極4とが重なり合う部分がより低減されるため、それらの重なり容量が減少される。また、製造工程上、パターン化が容易であるという利点もある。
【0256】
なお、第23の実施例と同様に、反射率の高い材料でデータ電極2−24を構成すれば、それを反射層として使用することも可能である。
【0257】
次に、本発明の第25の実施例について説明する。第25の実施例においては、データ電極のスキャン電極との交点近傍においてその幅が広くされている。図44は本発明の第25の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図44(a)においては、スキャン電極及びデータ電極のみを示している。また、図44(a)乃至(c)に示す第25の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0258】
第25の実施例においては、データ電極2−25には、スキャン電極4との交点の両側に左右方向に延びる突出部が設けられている。
【0259】
このように構成された第25の実施例においては、第1の実施例と同様に、図2(a)又は(b)に示す駆動方法例等により、データ電極2−25の突出部とスキャン電極4の突出部との間で書込放電が発生し、維持放電は対向放電として起こる。従って、第23及び第24の実施例と同様の効果が得られると共に、隔壁6等での余分な充電容量が削減されるので、より一層駆動負荷が軽減され、消費電力が削減される。また、書込放電及び維持放電が集束しやすくなるため、隣接セル間の放電干渉も抑制される。
【0260】
次に、本発明の第26の実施例について説明する。第26の実施例においては、データ電極に、隔壁の縦方向に延びる部分と対向するように設けられた母線部と、この母線部からその左側に位置するセル内に突出した子線部とが設けられている。図45は本発明の第26の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図45(a)においては、スキャン電極及びデータ電極のみを示している。また、図45(a)乃至(c)に示す第26の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0261】
第26の実施例においては、隔壁6の縦方向に延びる部分と対向するように設けられた母線部2−26aと、この母線部2−26aから隔壁6の横方向に延びる部分と対向する領域を経由してその左側に位置するセル内の中央部まで突出した子線部2−26bとからなるデータ電極2−26が設けられている。
【0262】
このように構成された第26の実施例においては、第1の実施例と同様に、図2(a)又は(b)に示す駆動方法例等により、セルの中央部でスキャン電極4と子線部2−26bとの間で書込放電が発生し、維持放電は対向放電として起こる。この結果、第23乃至25の実施例と比して、放電ギャップ領域が増加し、より書込放電及び維持放電の電圧が低減され、書込から維持への遷移性が向上する。
【0263】
このように、第23乃至第26の実施例によれば、データ電極のスキャン電極との交差部分を他の部分よりも細くするか、又はそのような交差をセル内に設けないようにしているので、重なり容量が低減される。その一方で、データ電極とスキャン電極との放電面積は維持するか、又は増加させているので、書込放電電圧が低下すると共に、書込放電による壁電荷の生成量が増加する。この結果、維持放電電圧が低下すると共に、書込放電から維持放電への遷移を容易に行うことが可能となる。
【0264】
図46は横軸に隔壁と重なる部分のデータ電極の幅(Wd)をとり、縦軸に書込電圧比をとって両者の関係を示すグラフ図であり、図47は横軸に隔壁と重なる部分のデータ電極の幅(Wd)をとり、縦軸に維持電圧比をとって両者の関係を示すグラフ図である。なお、図46及び図47中の縦軸は、データ電極幅(Wd)が50μmのときの値を1として規格化したものであり、無次元数である。図46及び図47中に示すように、テストセルの長手方向の長さは1050μm、短手方向の長さは350μmである。また、スキャン電極の幅は100μmであり、データ電極のスキャン電極と重なる部分の幅は50μm、その長さは150μmである。そして、隔壁と重なる部分のデータ電極の幅(Wd)を変化させて書込電圧及び維持電圧を測定した。
【0265】
図46及び図47に示すように、データ電極の幅(Wd)、実質的にはスキャン電極と対面し放電ギャップを形成する部分の長さが増加すると、書込放電及び維持放電を起こすために必要な電圧は、いずれも減少する。特に、100μm以上であれば、優位な差が見られる。これは、放電の面積効果によって、統計的な絶縁破壊箇所が増加するためである。このため、より一層書込電圧及び維持電圧が低減されるので、データ電極及びスキャン電極に接続される駆動ICの負担が軽減され、駆動回路に関わる信頼性が向上する。更に、低電圧駆動が可能になるなので、回路コストが削減される。更にまた、書込電圧の増加可能な余裕が増加するため、電圧を増加させて容易に書込時間を短縮することが可能となると共に、書込放電から維持放電への遷移性が向上する。この結果、駆動マージンの拡大が可能となる。
【0266】
次に、本発明の第27の実施例について説明する。第27の実施例においては、スキャン電極のデータ電極との交点に開口部が形成され、その内側に第1の誘電体層を介してデータ電極に接続されたデータ電極放電部が設けられている。図48は本発明の第27の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図48(a)においては、スキャン電極及びデータ電極のみを示している。また、図48(a)乃至(c)に示す第27の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0267】
第27の実施例においては、各データ電極2との交点近傍に開口部4−27aが形成されたスキャン電極4−27が設けられている。第1の誘電体層3の開口部4−27aに整合する位置には、スルーホールが形成されており、このスルーホール内に導電層21が埋設されている。そして、開口部4−27aの内側でスキャン電極4と同一平面に設けられたデータ電極放電部22が導電層21に接続されている。
【0268】
このように構成された第27の実施例においても、第1の実施例と同様に、図2(a)又は(b)に示す駆動方法例等により、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こる。書込放電の際には、開口部4−27aの内縁に沿って放電ギャップが形成されるので、狭い面積でも長い放電ギャップ長が確保され、効果的に書込放電が発生する。
【0269】
また、データ電極放電部22とスキャン電極4−27とが同一平面に設けられているので、データ電極2とスキャン電極4−27とを直交させても、その重なり容量の増加が抑制される。
【0270】
更に、第1の実施例のようにデータ電極とスキャン電極との間の書込放電が異なる層間で起こる場合には、書込放電経路に第1及び第2の誘電体層が介在しているが、本実施例においては、同層間で書込放電が起こるので、書込放電経路に介在する誘電体層は第2の誘電体層5のみである。このため、同じ電圧でも蓄積電荷量が増加し、より低い電圧でも書込放電が起こせるようになる。
【0271】
なお、スルーホールを介したデータ電極とスキャン電極との組合わせは、上述のような組合せに限定されるものではない。
【0272】
次に、本発明の第28の実施例について説明する。第28の実施例においては、第1の誘電体層の下層にスキャン電極が設けられ、第1の誘電体層の上層にスキャン電極との交点に開口部が形成されたデータ電極が設けられ、その内側に第1の誘電体層を介してスキャン電極に接続されたスキャン電極放電部が設けられている。図49は本発明の第28の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。なお、図49(a)においては、スキャン電極及びデータ電極のみを示している。また、図49(a)乃至(c)に示す第28の実施例において、図1(a)乃至(c)に示す第1の実施例と同一の構成要素は同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0273】
第28の実施例においては、第1の誘電体層3の下層にスキャン電極4−28が設けられ、第1の誘電体層3の上層にデータ電極2−28が設けられている。データ電極2−28のスキャン電極4−28との交点には、開口部2−28aが形成されている。また、第1の誘電体層3の開口部4−28aに整合する位置には、スルーホールが形成されており、このスルーホール内に導電層23が埋設されている。そして、開口部4−28aの内側でデータ電極2−28と同一平面に設けられたスキャン電極放電部24が導電層23に接続されている。
【0274】
このように構成された第28の実施例においても、第1の実施例と同様に、図2(a)又は(b)に示す駆動方法例等により、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こる。書込放電の際には、開口部2−28aの内縁に沿って放電ギャップが形成されるので、狭い面積でも長い放電ギャップ長が確保され、効果的に書込放電が発生する。
【0275】
また、スキャン電極放電部24とデータ電極2−28とが同一平面に設けられているので、スキャン電極4−28とデータ電極2−28とを直交させても、その重なり容量の増加が抑制される。
【0276】
更に、第1の実施例のようにデータ電極とスキャン電極との間の書込放電が異なる層間で起こる場合には、書込放電経路に第1及び第2の誘電体層が介在しているが、本実施例においては、同層間で書込放電が起こるので、書込放電経路に介在する誘電体層は第2の誘電体層5のみである。このため、同じ電圧でも蓄積電荷量が増加し、より低い電圧でも書込放電が起こせるようになる。しかも、スキャン電極4−28は最下層に位置するため、データ電極と同一平面に設けられたスキャン電極放電部24の孤立性が高く、維持放電がより一層集束しやすくなる。この結果、放電干渉による隣接セル間の誤点灯・誤消灯が起こりにくくなる。
【0277】
なお、スルーホールを介したデータ電極とスキャン電極との組合わせは、上述のような組合せに限定されるものではない。
【0278】
また、これらの実施例を適宜組合わせてもよい。特に、第1乃至第18の実施例と第19乃至第28の実施例との組合せは容易であり、高い効果が得られるので好ましい。
【0279】
更に、コモン電極だけでなく、各データ電極及び各スキャン電極が前述のような金属細線電極により構成されていてもよい。
【0280】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、データ電極とスキャン電極とを第1の基板側に設け、コモン電極を第2の基板側に設けているので、書込放電が面放電として起こり、維持放電が対向放電として起こる。このため、書込電圧を低下させることができる。従って、書込用の駆動回路に安価な低耐圧回路を使用し製造コストを削減することができる。
【0281】
また、書込電圧の低下と共に、統計的な放電確率が向上するため、書込期間を短縮することができる。これにより、従来のものよりも大画面で高精細なものを得ることができる。
【0282】
更に、書込放電が容易に起こり、十分に発生する確率が高くなるため、その後の維持放電が発生する確率が高まるので、駆動マージンを広げることができる。これにより、高品位な画質を得ることができる。
【0283】
更にまた、書込電圧を低下させることが可能であるため、隔壁を高くすることができ、放電空間を広げることができる。このため、維持放電によるプラズマ領域が広がり、紫外線の放射光量が増加するので、輝度及び発光効率を向上させ、消費電力を低減することができる。そして、セル内の空間が全て有効な放電ギャップとして作用すると共に、スキャン電極とコモン電極との重なり面積が全て有効な放電面積として機能するため、放電の体積効果及び面積効果により、維持電圧の上昇も軽減することができる。従って、消費電力の増加も抑制しやすい。
【0284】
また、イオン衝撃回数が最も多くなる維持放電が対向放電として起こるので、局所的な電界の歪及びイオンが保護層へ斜め方向から入射することを抑制することができるので、保護層の照射損傷による劣化を抑制し、これに伴う電圧変動を抑制することができる。このため、パネルの寿命を伸ばすことができる。
【0285】
更に、表示面側となる第2の基板側に設けられる電極はコモン電極のみであるので、バス電極を非表示部に配してコモン電極と接続させる等して、電極抵抗を減少させることができると共に、セル開口率を増加させることができる。これにより、大画面で高精細なものを得ることができる。これは、全電極配線を金属線から構成したときにより顕著である。
【0286】
更にまた、コモン電極が平面視でスキャン電極より列方向の両外側にはみ出た領域を備えているので、高い輝度及び発光効率を得ることができる。
【0287】
その上、狭い電極面積でも効果的に放電を分散させる等して広げられる機構を有しているので、高い輝度及び発光効率を得ることができる。
【0288】
なお、コモン電極を複数個設け、列方向又は行方向に配列した複数個のセル間で共有させることにより、コモン電極が延びる方向に垂直な方向における隣接セル間の放電干渉による誤点灯及び誤消灯を抑制することができる。
【0289】
また、コモン電極及び/又はスキャン電極を1個のセル当たり複数個設けることにより、例えば2相駆動を行うことができる。
【0290】
更に、コモン電極の隔壁と重なる部分の幅をセル内の幅よりも狭くすることにより、隔壁における電荷再結合を抑制することができると共に、コモン電極が延びる方向における隣接セル間の放電干渉による誤点灯及び誤消灯を抑制することができる。
【0291】
更にまた、コモン電極をセル毎に設け、列方向又は行方向に配列した複数個のセルに設けられた各コモン電極を共通接続するバス電極を設けることにより、各コモン電極の孤立性を高め、列方向又は行方向のいずれにおいても隣接セル間の放電干渉による誤点灯及び誤消灯を抑制することができる。
【0292】
また、データ電極及びスキャン電極の一方に、他方と重ならない領域で他方との間で放電が起こる範囲内に幅が他方と重なる領域の幅よりも広い幅広部を設けることにより、書込放電用に長い放電ギャップを確保することができるので、壁電荷の生成量が増加し、書込電圧及び維持電圧をより低下させることができると共に、書込放電から維持放電への遷移を容易なものとすることができる。
【0293】
更に、データ電極及びスキャン電極間の誘電体層に埋設された導体層を介してデータ電極又はスキャン電極に印加されたパルスを他方と同一平面まで引き出すことにより、長い放電ギャップをより一層容易に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図2】(a)は第1の実施例に係るプラズマディスプレイの第1の駆動方法例を示すタイミングチャート、(b)は第2の駆動方法例を示すタイミングチャートである。
【図3】(a)乃至(c)はコモン電極10−1の変形例を示す模式図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図6】(a)乃至(c)はコモン電極10−3の変形例を示す模式図である。
【図7】本発明の第4の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図8】(a)乃至(c)はコモン電極10−4の変形例を示す模式図である。
【図9】隔壁6にスリットが設けられた本発明の第5の実施例を示す部分断面図である。
【図10】コモン電極の幅(Wc)と維持放電周波数1kHz当たりの輝度との関係を示すグラフ図である。
【図11】本発明の第6の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図12】(a)乃至(c)はコモン電極10−6の変形例を示す模式図である。
【図13】本発明の第7の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図14】(a)乃至(c)はコモン電極10−7の変形例を示す模式図である。
【図15】本発明の第8の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図16】図16(a)乃至(c)はコモン電極10−8の変形例を示す模式図である。
【図17】本発明の第9の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図18】(a)乃至(c)はコモン電極10−9の変形例を示す模式図である。
【図19】本発明の第10の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図20】(a)乃至(c)はコモン電極10−10の変形例を示す模式図である。
【図21】本発明の第11の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図22】(a)乃至(c)はコモン電極10−11の変形例を示す模式図である。
【図23】(a)はガラス基板間にスリットが設けられた本発明の第12の実施例を示す部分断面図であり、(b)は(a)中の二点鎖線で囲まれた領域を示す図である。
【図24】コモン電極の狭窄幅(L)と誤点灯電圧との関係を示すグラフ図である。
【図25】本発明の第13の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図26】第13の実施例に係るプラズマディスプレイの駆動方法例を示すタイミングチャートである。
【図27】(a)乃至(c)はコモン電極10−13の変形例を示す模式図である。
【図28】本発明の第14の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図29】(a)乃至(c)はコモン電極10−14の変形例を示す模式図である。
【図30】本発明の第15の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図31】本発明の第16の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図32】本発明の第17の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図33】第17の実施例に係るプラズマディスプレイの駆動方法例を示すタイミングチャートである。
【図34】本発明の第18の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図35】コモン電極間の隔(d)と維持放電周波数1kHz当たりの輝度との関係を示すグラフ図である。
【図36】本発明の第19の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図37】本発明の第20の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図38】本発明の第21の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図39】本発明の第22の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図40】隔壁と重なる部分のスキャン電極の幅(Ws)と書込電圧比との関係を示すグラフ図である。
【図41】隔壁と重なる部分のスキャン電極の幅(Ws)と維持電圧比との関係を示すグラフ図である。
【図42】本発明の第23の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図43】本発明の第24の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図44】本発明の第25の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図45】本発明の第26の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図46】隔壁と重なる部分のデータ電極の幅(Wd)と書込電圧比との関係を示すグラフ図である。
【図47】隔壁と重なる部分のデータ電極の幅(Wd)と維持電圧比との関係を示すグラフ図である。
【図48】本発明の第27の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図49】本発明の第28の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A線による断面図、(c)は(a)中のB−B線による断面図である。
【図50】三電極面放電形でAC駆動の代表的なプラズマディスプレイパネルの構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1;後面基板
2、2−23、2−24、2−25、2−26、2−28;データ電極
3、5、12;誘電体層
4、4−19、4−20、4−21、4−22、4−27、4−28;スキャン電極
6;隔壁
7a、7b;保護層
8;蛍光体層
9;前面ガラス基板
10−1、10−2、10−3、10−4、10−5、10−6、10−7、10−8、10−9、10−10、10−11、10−12、10−13、10−14、10−15、10−16、10−17、10−18a、10−18b;コモン電極
11−1、11−3、11−4、11−5、11−10、11−11、11−12、11−15、11−16;バス電極
13;プラズマ
14、15;スリット
16;隙間
18;信号パルス
19;書込パルス
20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g;維持パルス
21、23;導電層
22、24;放電部

Claims (35)

  1. 二枚の基板間に放電ガスが封止され、この放電ガスが封止された空間は格子状の隔壁により複数の放電セルに区画され、前記基板の一方の基板上には前記放電セルを列毎に列方向に導通する複数のデータ電極と前記放電セルを行毎に行方向に導通する複数のスキャン電極とが絶縁層を介在して積層され、対向する他方の前記基板にはコモン電極が形成され、書込放電を前記データ電極と前記スキャン電極との間で面放電により行い、かつ維持放電を前記スキャン電極と前記コモン電極との間で対向放電により行うAC駆動プラズマディスプレイパネルであって、前記コモン電極は、平面視で前記スキャン電極より前記列方向の両外側にはみ出た領域を有することを特徴とするAC駆動プラズマディスプレイパネル
  2. 二枚の基板間に放電ガスが封止され、この放電ガスが封止された空間は格子状の隔壁により複数の放電セルに区画され、前記基板の一方の基板上には前記放電セルを列毎に列方向に導通する複数のデータ電極と前記放電セルを行毎に行方向に導通する複数のスキャン電極とが絶縁層を介在して積層され、対向する他方の前記基板にはコモン電極が形成され、書込放電を前記データ電極と前記スキャン電極との間で面放電により行い、かつ維持放電を前記スキャン電極と前記コモン電極との間で対向放電により行うAC駆動プラズマディスプレイパネルであって、各放電セル毎に維持放電の際の放電主軸を複数個設けたことを特徴とするAC駆動プラズマディスプレイパネル
  3. 前記各放電セル毎に複数のコモン電極を設けることにより前記複数の放電主軸を形成したことを特徴とする請求項2に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  4. 前記各放電セル毎に複数のスキャン電極を設けることにより前記複数の放電主軸を形成したことを特徴とする請求項2又は3に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  5. 複数個の前記コモン電極のうち少なくとも2個は、平面視で前記スキャン電極を挟む位置に配置されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  6. 複数個の前記コモン電極のうち少なくとも2個は、平面視で前記データ電極を挟む位置に配置されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  7. 前記コモン電極は、前記列方向に延びその方向に配列した複数個の前記放電セル間で共有されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  8. 前記コモン電極は、前記行方向に延びその方向に配列した複数個の前記放電セル間で共有されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  9. 前記コモン電極の前記隔壁と重なる部分の幅は、前記放電セル内の幅よりも狭いことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  10. 前記コモン電極の前記放電セル内の幅は300μm以上であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  11. 前記コモン電極の前記隔壁と重なる部分の幅は500μm以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  12. 前記列方向若しくは行方向に延びる形状又は格子状の形状を具備し前記コモン電極に接続されたバス電極を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  13. 前記コモン電極は前記放電セル毎に設けられており、前記列方向に配列した複数個の前記放電セルに設けられた各コモン電極を共通接続するバス電極を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  14. 前記コモン電極は前記放電セル毎に設けられており、前記行方向に配列した複数個の前記放電セルに設けられた各コモン電極を共通接続するバス電極を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  15. 前記第1及び第2の基板の厚さ方向における幅が50μm以下の隙間が平面視で前記隔壁に整合する領域に設けられていることを特徴とする請求項13又は14に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  16. 前記データ電極及びスキャン電極のうち一方の電極は、他方の電極と重ならない領域で前記他方の電極との間で放電が起こる範囲内に幅が前記他方の電極と重なる領域の幅よりも広い幅広部を有することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  17. 前記スキャン電極及びデータ電極のうち一方の電極の他方の電極と重なる領域に開口部が設けられ、前記一方の電極と前記他方の電極との間に設けられ前記一方の電極と前記他方の電極との交点に整合する位置に前記他方の電極に接続された導電層が埋設された誘電体層と、前記開口部の内側で前記一方の電極と同一平面に設けられ前記導電層に接続された電極放電部と、を有することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  18. 二枚の基板間に放電ガスが封止され、この放電ガスが封止された空間は格子状の隔壁により複数の放電セルに区画され、前記基板の一方の基板上には前記放電セルを列毎に列方向に導通する複数のデータ電極と前記放電セルを行毎に行方向に導通する複数のスキャン電極とが絶縁層を介在して積層され、対向する他方の前記基板にはコモン電極が形成され、書込放電を前記データ電極と前記スキャン電極との間で面放電により行い、かつ維持放電を前記スキャン電極と前記コモン電極との間で対向放電により行うAC駆動プラズマディスプレイパネルであって、前記データ電極及びスキャン電極のうち一方の電極は、他方の電極と重ならない領域で前記他方の電極との間で放電が起こる範囲内に幅が前記他方の電極と重なる領域の幅よりも広い幅広部を有することを特徴とするAC駆動プラズマディスプレイパネル
  19. 二枚の基板間に放電ガスが封止され、この放電ガスが封止された空間は格子状の隔壁により複数の放電セルに区画され、前記基板の一方の基板上には前記放電セルを列毎に列方向に導通する複数のデータ電極と前記放電セルを行毎に行方向に導通する複数のスキャン電極とが絶縁層を介在して積層され、対向する他方の前記基板にはコモン電極が形成され、書込放電を前記データ電極と前記スキャン電極との間で面放電により行い、かつ維持放電を前記スキャン電極と前記コモン電極との間で対向放電により行うAC駆動プラズマディスプレイパネルであって、前記スキャン電極及びデータ電極のうち一方の電極の他方の電極と重なる領域に開口部が設けられ、前記一方の電極と前記他方の電極との間に設けられ前記一方の電極と前記他方の電極との交点に整合する位置に前記他方の電極に接続された導電層が埋設された誘電体層と、前記開口部の内側で前記一方の電極と同一平面に設けられ前記導電層に接続された電極放電部と、を有することを特徴とするAC駆動プラズマディスプレイパネル
  20. 前記幅広部の長さは100μm以上であることを特徴とする請求項16又は18に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  21. 前記コモン電極は、透明電極により構成されていることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  22. 前記コモン電極に形成された複数個の開口部を有することを特徴とする請求項21に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  23. 前記コモン電極は、単線の金属線又は相互に接続された複数本の金属線により構成されていることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  24. 前記各データ電極及び前記各スキャン電極は、夫々単線の金属線又は相互に接続された複数本の金属線により構成されていることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか1項に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  25. 二枚の基板間に放電ガスが封止され、この放電ガスが封止された空間は格子状の隔壁により複数の放電セルに区画され、前記基板の一方の基板上には前記放電セルを列毎に列方向に導通する複数のデータ電極と前記放電セルを行毎に行方向に導通する複数のスキャン電極とが絶縁層を介在して積層され、対向する他方の前記基板にはコモン電極が形成され、書込放電を前記データ電極と前記スキャン電極との間で面放電により行い、かつ維持放電を前記スキャン電極と前記コモン電極との間で対向放電により行うAC駆動プラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、前記各放電セル毎に維持放電の際の放電主軸が複数個形成されるように駆動することを特徴とするAC駆動プラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  26. 前記AC駆動プラズマディスプレイパネルは、前記各放電セル毎に複数の前記コモン電極が設けられたものであり、前記スキャン電極、第1の前記コモン電極、前記スキャン電極、第2の前記コモン電極の順、又は第1の前記コモン電極、前記スキャン電極、第2の前記コモン電極、前記スキャン電極の順に維持電圧パルスを印加する工程を繰り返す工程を有することを特徴とする請求項25に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  27. 前記AC駆動プラズマディスプレイパネルは、前記各放電セル毎に複数の前記スキャン電極が設けられたものであり、前記コモン電極、第1の前記スキャン電極、前記コモン電極、第2の前記スキャン電極の順、又は第1の前記スキャン電極、前記コモン電極、第2の前記スキャン電極、前記コモン電極の順に維持電圧パルスを印加する工程を繰り返す工程を有することを特徴とする請求項25に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  28. 二枚の基板間に放電ガスが封止され、この放電ガスが封止された空間は格子状の隔壁により複数の放電セルに区画され、前記基板の一方の基板上には前記放電セルを列毎に列方向に導通する複数のデータ電極と前記放電セルを行毎に行方向に導通する複数のスキャン電極とが絶縁層を介在して積層され、対向する他方の前記基板にはコモン電極が形成され、書込放電を前記データ電極と前記スキャン電極との間で面放電により行い、かつ維持放電を前記スキャン電極と前記コモン電極との間で対向放電により行うAC駆動プラズマディスプレイパネルの駆動装置であって、前記各放電セル毎に維持放電の際の放電主軸が複数個形成されるように駆動することを特徴とするAC駆動プラズマディスプレイパネルの駆動装置。
  29. 前記AC駆動プラズマディスプレイパネルは、前記各放電セル毎に複数の前記コモン電極が設けられたものであり、前記スキャン電極、第1の前記コモン電極、前記スキャン電極、第2の前記コモン電極の順、又は第1の前記コモン電極、前記スキャン電極、第2の前記コモン電極、スキャン電極の順に維持電圧パルスを印加する工程を繰り返す工程を有することを特徴とする請求項28に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネルの駆動装置。
  30. 前記AC駆動プラズマディスプレイパネルは、前記各放電セル毎に複数の前記スキャン電極が設けられたものであり、前記コモン電極、第1の前記スキャン電極、前記コモン電極、第2の前記スキャン電極の順、又は第1の前記スキャン電極、前記コモン電極、第2の前記スキャン電極、前記コモン電極の順に維持電圧パルスを印加する工程を繰り返す工程を有することを特徴とする請求項28に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネルの駆動装置。
  31. 二枚の基板間に放電ガスが封止され、この放電ガスが封止された空間は格子状の隔壁により複数の放電セルに区画され、前記基板の一方の基板上には前記放電セルを列毎に列方向に導通する複数のデータ電極と前記放電セルを行毎に行方向に導通する複数のスキャン電極とが絶縁層を介在して積層され、対向する他方の前記基板にはコモン電極が形成され、書込放電を前記データ電極と前記スキャン電極との間で面放電により行い、かつ維持放電を前記スキャン電極と前記コモン電極との間で対向放電により行うことを特徴とするAC駆動プラズマディスプレイパネル
  32. 前記コモン電極は前記他方の基板の全面に形成されることを特徴とする請求項31に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  33. 前記コモン電極は行方向又は列方向において互いに隣接する前記放電セル間で分離されていることを特徴とする請求項31に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  34. 前記コモン電極には規則的に開口部が形成されていることを特徴とする請求項31乃至33のいずれか1項に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
  35. 前記コモン電極は金属線を張り巡らせて形成されたものであることを特徴とする請求項31乃至33のいずれか1項に記載のAC駆動プラズマディスプレイパネル
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