JP3728653B2 - フラットスラブとコンクリート充填鋼管柱との接合構造及びフラットスラブの施工方法 - Google Patents

フラットスラブとコンクリート充填鋼管柱との接合構造及びフラットスラブの施工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート構造物の施工に際してフラットスラブを構築する施工方法に関し、特に地階フロアを構成する床版を逆打ちコンクリート工法によって施工する際に、フラットスラブと構真柱とを接合するのにキャピタル部を無くしたフラットスラブの施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄筋コンクリート構造物や鉄骨鉄筋コンクリート構造物において、地階フロアを構成するコンクリート床版の構築方法として、構造物を構築する範囲の地盤を基礎の深さまで掘り下げて根切りし、そこへ基礎を築いた後に柱及び梁の鉄筋を骨組みしてから、それらの梁間に至る床版用の配筋を行い、次いでコンクリート用の型枠を組んでコンクリートを打設し、コンクリートの硬化後に型枠を取り外して床版を構築するという方法が従来から実施されている。
【0003】
この方法では、地階部分であっても、地上に構造物を施工する方法と特別に変わることがないため、鉄筋の配筋作業や型枠組作業等を、吊り足場や架設作業床等を利用して行なったり、型枠を支保工によって支持しなければならず、施工性、工期、安全性の面などで問題があった。
【0004】
そこで、出願人は、構築すべきコンクリート床版下の地盤面を根切りしてそこへ捨てコンクリートを打設した後、捨てコンクリート上に分離層を施し、分離層上に床版用の配筋及びコンクリートの打設を行い、コンクリートの硬化後にコンクリートの下部を、捨てコンクリートを除去しながら根切りすることによって鉄筋コンクリートフラットスラブを施工する逆打ち工法を既に実用化している。この工法を採用することによって、捨てコンクリート上で配筋作業を行える他、捨てコンクリートを型枠として利用できることで、多大な労力を要する型枠組作業や支保工を設置する作業等を不用にし、施工性や安全性の向上、工期短縮などを図ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、鉄骨鉄筋コンクリート構造物の中でも、例えば大規模地下構造物では、逆打ち工法を採用して柱に構真柱を用いることが多い。その際、階高縮小や浮力対策等の点から、フラットスラブ構造とすることが考えられる。しかし、工期短縮等を図るために上述の逆打ちコンクリート工法を採用した場合、その工法上の利点を生かすためにはフラットスラブを支持する構真柱との新たな接合構造の検討が必要となる。
【0006】
図4に、従来から実施されてきたコンクリート充填鋼管柱に対するフラットスラブの接合構造例を示している。同図に示すように、コンクリート充填鋼管柱100に対するフラットスラブ200の接合部には、鉄筋コンクリート造のキャピタル300が設けられている。このキャピタル300は構真柱100とスラブ200との接合強度を確保するために設けられるものであるが、このキャピタル300を形成する必要があることから、上述の逆打ちコンクリート工法の採用においてその利点を十分に発揮できない問題がある。
【0007】
即ち、キャピタル300を設けるためには、上述したように構築すべきフラットスラブ下の地盤面を根切りしてそこへ捨てコンクリートを打設する際に、キャピタルを形成するために地盤面を型枠代わりに掘削する必要がある。しかしながら、キャピタルの傾斜を形成するために地盤に法面を形成し、これに捨てコンクリートを打設することは困難である。従って、通常の施工法に従ってキャピタル用に型枠を組んで施工することになるが、このような工法を採用していたのでは上記逆打ち工法のメリットが消滅してしまい、逆にコスト高を招来することになる。
このために、上記逆打ち工法のメリットを生かしながらフラットスラブを構築して行くためには、キャピタル300の存在は大きな障害になる。
【0008】
又、キャピタル300内には、主筋201の他に接合部用の各種補強筋202、203等を配筋し、多数のジベル204を構真柱100に溶接する必要があり、コンクリートの打設量もキャピタル300の容積に対応して必然的に多くなることから、コストダウン、施工性の向上、工期短縮等を図り難いという問題もある。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてその解決を図るために考案されたものであり、キャピタル部分を無くしたフラットスラブとコンクリート充填鋼管柱との接合構造を提供し、さらに、捨てコンクリートを型枠代わりに用いる逆打ちコンクリート工法を有効活用したフラットスラブの施工ができることで、コストダウン、施工性の向上及び工期短縮を効率的に図ることができるフラットスラブの施工方法を提供している。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明であるフラットスラブとコンクリート充填鋼管柱との接合構造は、フラットスラブの主筋に対応してコンクリート充填鋼管柱の外周面にリングプレートとリングプレート間に所定間隔で放射状に配置される複数の鋼製リブプレートとを配置し、リングプレートに一端を溶接してコンクリート充填鋼管柱の周囲に放射状に複数の柱定着筋を配筋し、さらにリブプレートに固定されコンクリート充填鋼管柱の周囲を囲む少なくとも1列のフープ筋でフラットスラブの主筋を補強すように構成されており、コンクリート充填鋼管柱にフラットスラブのキャピタル部分を無くしている。
【0011】
請求項2に記載の発明であるフラットスラブの施工法は、構築すべきフラットスラブ下の地盤面を根切りしてそこへ捨てコンクリートを打設した後、捨てコンクリート上に分離層を施し、分離層上にフラットスラブ用の配筋及びコンクリートの打設を行い、コンクリートの硬化後にフラットスラブの下部を、捨てコンクリートを除去しながら根切りする施工法であって、フラットスラブを支持するための構真柱を施工する工程と、構真柱に対し、構真柱の外周に沿って一周する複数の鋼製リングプレートを構真柱の上下に間隔をおいて設ける工程と、フラットスラブ用の配筋として、主筋の他に構真柱の周囲の床版内に配筋する複数の柱定着筋及びフープ筋を含み、各柱定着筋の一端をリングプレートに溶接して柱定着筋を構真柱に対して放射状に配筋する工程と、構真柱の外周面に複数の鋼製リブプレートを設け、そのリブプレートに対して構真柱の周囲を囲む各フープ筋を固定する工程とを有することを特徴としている。
【0012】
これによって、構真柱に対するフラットスラブの接合部においてキャピタル部分をなくし、捨てコンクリートを用いる逆打ちコンクリート工法を有効に活用できるようにしている。
【0013】
請求項3に記載の発明であるフラットスラブの施工法は、請求項2に記載のフラットスラブの施工法において、各柱定着筋及び各フープ筋の施工後に主筋を配筋することを特徴にしており、上記機能に加えて、柱定着筋及びフープ筋の上に主筋を載せて配筋したり、結束したりする作業を容易にしている。
【0014】
さらに、この発明に係るフラットスラブの施工法は、構真柱に対し、構真柱の外周に沿って一周する複数の鋼製リングプレートを構真柱の上下に間隔をおいて設け、各リングプレートに対して柱定着筋の一端を溶接する構成とすることを特徴にしており、上記機能に加えて、リングプレートに対して柱定着筋を溶接することで、構真柱へ直接溶接する場合に比べて構真柱の溶接欠損を防ぐことができると共に、リングプレートの存在によって溶接位置を容易に決定でき、施工精度の向上を図っている。
【0015】
請求項4に記載の発明であるフラットスラブの施工法は、請求項2又は3に記載のフラットスラブの施工法において、上下のリングプレート間に各リブプレートを設け、各リブプレートにフープ筋を位置決めするための切り欠き部又は孔を設けた構成とすることを特徴にしており、上記機能に加えて、フープ筋の位置決め及び溶接等による固定作業を容易にして作業性の向上を図っている。
【0016】
請求項5に記載の発明であるフラットスラブの施工法は、請求項2乃至4のいずれかに記載のフラットスラブの施工法において、構真柱の内周面の、各リングプレートに対応する位置に、鋼製の補強リングを設けた構成とすることを特徴にしており、上記機能に加えて、溶接部分の補強と共にスラブからの荷重を構真柱内の充填コンクリートへ支圧として効果的に伝えている。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明によるフラットスラブの施工法は、基本的に、構築すべきフラットスラブ下の地盤面を根切りして、そこへ捨てコンクリートを打設した後に、捨てコンクリート上に分離層を施し、分離層上にフラットスラブ用の配筋及びコンクリートの打設を行い、コンクリートの硬化後にフラットスラブの下部を捨てコンクリートを除去しながら根切りすることによってフラットスラブを施工する方法であり、フラットスラブを支持するための構真柱を施工する工程と、構真柱に対し、構真柱の外周に沿って一周する複数の鋼製リングプレートを構真柱の上下に間隔をおいて設ける工程と、フラットスラブ用の配筋として、主筋の他に構真柱の周囲の床版内に配筋する複数の柱定着筋及びフープ筋を含み、各柱定着筋の一端をリングプレートに溶接して柱定着筋を構真柱に対して放射状に配筋する工程と、構真柱の外周面に複数の鋼製リブプレートを設け、そのリブプレートに対して構真柱の周囲を囲む各フープ筋を固定する工程とから構成している。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0018】
図1乃至図3は、本発明によるフラットスラブとコンクリート充填鋼管柱との接合構造を示すと同時に、大規模地下構造物に適用した施工例として示しており、コンクリート充填鋼管柱もしくは構真柱1を施工して、コンクリート床版を鉄筋コンクリート造のフラットスラブ2として施工している。そして、構真柱1に対するフラットスラブ2の接合部にはキャピタル部分を設けていない。
【0019】
この大規模地下構造物の地階フロアを構成するフラットスラブ2を逆打ち工法で構築するには、以下の施工手順及び配筋構造を採用している。
まず、地盤Gをフラットスラブ2の底面2aが位置する深さより200mm程度下がった位置まで掘削(根切り)する。次いで、地盤Gの根切り表面G1をある程度平らに均した後、その根切り表面G1上に直接、捨てコンクリート3をほぼ200mmの厚さに打設し、その表面を木ごてなどにより一様に均す。この捨てコンクリート3の上面が、後に構築されるフラットスラブ2の底面2aが形成される位置となる。
【0020】
捨てコンクリート3が硬化したならば、捨てコンクリート3上に例えばポリエチレンシート5等の合成樹脂製シート(分離層)を一様に敷設する。このとき、ポリエチレンシート5は、なるべく伸長させた状態で、たとえばテープなどにより固定させておく。
【0021】
上記のように、捨てコンクリート3上にポリエチレンシート5を施したならば、次に、このポリエチレンシート5上にフラットスラブ2を構成するための各種鉄筋の配筋等を行うが、本発明では、キャピタル部分を設けなくても構真柱1に対する床版2の接合部の強度を充分に確保可能にするために、構真柱1を含めて次のような接合構造を採用する。
【0022】
本発明によるフラットスラブとコンクリート充填鋼管柱との接合構造は、フラットスラブの主筋に対応してコンクリート充填鋼管柱の外周面にリングプレートとリングプレート間に所定間隔で放射状に配置される複数の鋼製リブプレートとを配置し、リングプレートに一端を溶接してコンクリート充填鋼管柱の周囲に放射状に複数の柱定着筋を配筋し、さらにリブプレートに固定されコンクリート充填鋼管柱の周囲を囲む少なくとも1列のフープ筋でフラットスラブの主筋を補強すように構成されており、コンクリート充填鋼管柱にフラットスラブのキャピタル部分を無くしている。
【0023】
そして、本実施の形態におけるフラットスラブとコンクリート充填鋼管柱との接合構造は、図2の構真柱部分の配筋状態を示す斜視図と図3に示すフラットスラブの平面図に詳細に示しているように、構真柱1の外周部分に、スラブからの荷重を支圧として構真柱1に伝達するために、これを一周する一対のリングプレート11、11を上下に間隔をおいて設ける。この間隔は床版20の厚さよりも小さく設定する。構真柱1の内周部分にも、リングプレート11、11と対応する位置に補強リング12を設ける。リングプレート11、11間には、リブプレート13を構真柱1の周方向に間隔をおいて複数設ける。実施の形態では、図3に示すように12個設けている。リブプレート13には、第1フープ筋14を位置決めするための切り欠き13aを、リブプレート13の長さ方向に間隔をおいて複数設けておく。
これらの構成によって、スラブからの荷重をせん断力によって構真柱1に伝えることが可能であり、キャピタル部分をなくすことができる。
【0024】
上記した、リングプレート11、補強リング12、リブプレート13は何れも溶接止めしているが、リングプレート11、リブプレート13を構真柱1の施工前に予め設けておき、補強リング12は捨てコンクリート3を足場として現場施工することもできる。各第1フープ筋14は、各リブプレート13に溶接等により固定し、構真柱1の周囲を一周する形態となるように配筋する。ここでは第1フープ筋14は縦方向に間隔をおいて5リング分配筋している。構真柱1の周囲には、さらに、第1フープ筋14よりもさらに大きいリング径の第2フープ筋15、及び第3フープ筋16を配筋している。
【0025】
上下のリングプレート11、11には、図2に示すように、各柱定着筋17の一端を溶接し、構真柱1を中心にしてそれぞれ平面放射状に配筋されている。柱定着筋17については、ここでは図3に示すように36本配筋している。各柱定着筋17の長さは一様で、それらの他端が第2フープ筋15と第3フープ筋16との間に位置する程度の長さを有している。この柱定着筋17によってスラブ端部での応力をリングプレート11を通じて反対側の柱定着筋に伝達している。
【0026】
第1フープ筋14、第2フープ筋15、第3フープ筋16には、図1及び図3に示すように、コ字形に曲げた複数の連結鉄筋19、20をそれぞれ部分的にラップする形態で配筋している。又、一番外側の第3フープ筋16で囲まれる領域では、縦横に配筋したスラブ主筋18に加えてそれらの間に複数のスラブ主筋18をさらに縦横に配筋し、スラブ上側において応力に応じて構真柱1周囲の鉄筋を密に配筋する。
【0027】
以上のようにして各種配筋作業を終えたら、次に、ポリエチレンシート5の
上に直接、床版用のコンクリートCを打設する。このとき、ポリエチレンシート5を介した下部には、地盤G上に打設してある捨てコンクリート3が型枠として作用する。コンクリートCの打設終了後にその表面を均す。このコンクリートCの表面が目的とするフラットスラブ2の上面を形成する。
【0028】
コンクリートCが硬化し、所定の強度が発現したならば、その床版用コンクリートCの下部の地盤Gを掘削しつつ、ポリエチレンシート5の除去も同時に行う。これにより、目的とする構造のフラットスラブ2が施工される。ここで、ポリエチレンシート5は、捨てコンクリート3と床版用コンクリートCとの間に介在されていて、いわゆる分離層として作用するため、捨てコンクリート3の除去作業を容易に行うことができる。
【0029】
尚、このフラットスラブ2よりもさらに下階のフラットスラブを施工するには、上記と同様の施工手順を繰り返すことによって効率的に施工することができる。
【0030】
このように、本実施の形態では、構真柱1に対するフラットスラブ2の接合部におけるキャピタル部分をなくし、捨てコンクリート3を用いる逆打ちコンクリート工法を有効活用できるようにすることができる。また、接合部強度を確保するために、各柱定着筋17の一端を構真柱1のリングプレート11に溶接して放射状に配筋し、構真柱1の外周面に複数の鋼製リブプレート13を設け、そのリブプレート13に対して構真柱1の周囲を囲む各フープ筋14を固定することによって、コストダウン、施工性の向上、工期短縮を効率的に図ることができる。
【0031】
又、各柱定着筋17及び各フープ筋14の施工後にスラブ主筋18等を配筋することにより、柱定着筋17及びフープ筋14の上にスラブ主筋18を載せて配筋したり、結束したりする作業を容易にすることができる。また、構真柱1に対し、構真柱1の外周に沿って一周する複数の鋼製リングプレート11を構真柱1の上下に間隔をおいて設け、各リングプレート11に対して柱定着筋17の一端を溶接する構成とすることで、構真柱1へ直接溶接する場合に比べて構真柱1の溶接欠損を防ぐことができ、しかもリングプレート11の存在によって溶接位置を容易に決定でき、施工精度の向上を図ることができる。
【0032】
さらに、上下のリングプレート11、11間に各リブプレート13を設け、各リブプレート13に第1フープ筋14を位置決めするための切り欠き部13aを設けた構成とすることで、第1フープ筋14の位置決め及び溶接等による固定作業を容易にして作業性の向上を図ることができる。
【0033】
以上のように、本発明によるフラットスラブの施工法は、構真柱に対するフラットスラブの接合部におけるキャピタル部分をなくすることで、捨てコンクリートを用いる逆打ちコンクリート工法を有効に活用しており、さらに、各柱定着筋の一端を構真柱に溶接して放射状に配筋したり、構真柱の外周面に複数の鋼製リブプレートを設けて構真柱の周囲を囲む各フープ筋を固定して接合部強度を確保しているので、コストダウン、施工性の向上、工期短縮を効率的に図ることができる。
【0034】
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
【0035】
【発明の効果】
本発明によるフラットスラブとコンクリート充填鋼管柱との接合構造は、フラットスラブの主筋に対応してコンクリート充填鋼管柱の外周面にリングプレートとリングプレート間に所定間隔で放射状に配置される複数の鋼製リブプレートを配置し、リングプレートに柱定着筋の一端を溶接してコンクリート充填鋼管柱の周囲に放射状に複数の柱定着筋を配筋し、さらにリブプレートに固定されコンクリート充填鋼管柱の周囲を囲む少なくとも1列のフープ筋でフラットスラブの主筋を補強すように構成することで、コンクリート充填鋼管柱にフラットスラブのキャピタル部分を無くする効果を発揮している。
【0036】
又、本発明によるフラットスラブの施工法は、基本的に、構築すべきフラットスラブ下の地盤面を根切りしてそこへ捨てコンクリートを打設した後、捨てコンクリート上に分離層を施し、分離層上にフラットスラブ用の配筋及びコンクリートの打設を行い、コンクリートの硬化後にフラットスラブの下部を捨てコンクリートを除去しながら根切りすることによって、フラットスラブを施工する方法であって、フラットスラブを支持するための構真柱を施工する工程と、構真柱に対し、構真柱の外周に沿って一周する複数の鋼製リングプレートを構真柱の上下に間隔をおいて設ける工程と、フラットスラブ用の配筋として、主筋の他に構真柱の周囲の床版内に配筋する複数の柱定着筋及びフープ筋を含み、各柱定着筋の一端をリングプレートに溶接して柱定着筋を構真柱に対して放射状に配筋する工程と、構真柱の外周面に複数の鋼製リブプレートを設け、そのリブプレートに対して構真柱の周囲を囲む各フープ筋を固定する工程とを有することを特徴としているので、以下の効果を発揮している。
(1) 構真柱に対するフラットスラブの接合部においてキャピタル部分をなくし
ているので、捨てコンクリートを用いる逆打ちコンクリート工法を有効に
活用している。
【0037】
さらに、請求項3に記載の発明であるフラットスラブの施工法は、請求項2に記載のフラットスラブの施工法において、各柱定着筋及び各フープ筋の施工後に主筋を配筋することを特徴にしているので、上記効果に加えて、柱定着筋及びフープ筋の上に主筋を載せて配筋したり、結束したりする作業が容易にする効果を発揮している。
【0038】
さらに、この発明によるフラットスラブの施工法によれば、構真柱に対し、構真柱の外周に沿って一周する複数の鋼製リングプレートを構真柱の上下に間隔をおいて設け、各リングプレートに対して柱定着筋の一端を溶接することを特徴にしているので、上記効果に加えて、構真柱の溶接欠損を防ぐと共に、リングプレートによって溶接位置を容易に決定して施工精度を向上させる効果を発揮している。
【0039】
請求項4に記載の発明であるフラットスラブの施工法は、請求項2又は3に記載のフラットスラブの施工法において、上下のリングプレート間に各リブプレートを設け、各リブプレートにフープ筋を位置決めするための切り欠き部又は孔を設けたことを特徴にしているので、上記効果に加えて、フープ筋の位置決め及び溶接等による固定作業を容易にして作業性を向上させる効果を発揮している。
【0040】
請求項5に記載の発明であるフラットスラブの施工法は、請求項2乃至4のいずれかに記載のフラットスラブの施工法において、構真柱の内周面の各リングプレートに対応する位置に鋼製の補強リングを設けることを特徴にしているので、上記効果に加えて、スラブからの荷重を支圧として構真柱に伝達すると共に、リブプレートの溶接部分を効果的に補強する効果を発揮している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフラットスラブとコンクリート充填鋼管柱との接合構造とフラットスラブの施工方法を示す断面図
【図2】本発明のフラットスラブの施工方法で施工する構真柱との接合部における構真柱周囲の配筋を示す斜視図
【図3】本発明のフラットスラブの施工方法で施工する構真柱周囲の配筋を示す平面図
【図4】従来のコンクリート充填鋼管柱で支持するフラットスラブの配筋構造を示す断面図
【符号の説明】
1 構真柱、 2 フラットスラブ、 3 捨てコンクリート、
5 ポリエチレンシート(分離層)、 11 リングプレート、
12 補強リング、 13 リブプレート、 14 第1フープ筋
15 第2フープ筋、 16 第3フープ筋、 17 柱定着筋、
18 スラブ主筋、 19、20 連結鉄筋、
C 床版用コンクリート、 G 地盤、
100 コンクリート充填鋼管柱、 200 フラットスラブ、
201 主筋、 202、203 補強筋、 204 ジベル、
300 キャピタル、

Claims (5)

  1. フラットスラブとコンクリート充填鋼管柱を一体化するための接合構造であって、フラットスラブの主筋に対応してコンクリート充填鋼管柱の外周面に配置されるリングプレートとリングプレート間に所定間隔で放射状に配置される複数の鋼製リブプレート、該リングプレートに一端を溶接してコンクリート充填鋼管柱の周囲に放射状に配筋される複数の柱定着筋及び該リブプレートに固定されコンクリート充填鋼管柱の周囲を囲む少なくとも1列のフープ筋でフラットスラブの主筋を補強して構成されるフラットスラブとコンクリート充填鋼管柱との接合構造。
  2. 構築すべきフラットスラブ下の地盤面を根切りしてそこへ捨てコンクリートを打設した後、捨てコンクリート上に分離層を施し、分離層上にフラットスラブ用の配筋及びコンクリートの打設を行い、コンクリートの硬化後にフラットスラブの下部を、捨てコンクリートを除去しながら根切りすることによってフラットスラブを施工する方法であって、
    フラットスラブを支持するための構真柱を施工する工程と、
    構真柱に対し、構真柱の外周に沿って一周する複数の鋼製リングプレートを構真柱の上下に間隔をおいて設ける工程と、
    フラットスラブ用の配筋として、主筋の他に構真柱の周囲の床版内に配筋する複数の柱定着筋及びフープ筋を含み、柱定着筋の一端をリングプレートに溶接して柱定着筋を構真柱に対して放射状に配筋する工程と、
    構真柱の外周面に複数の鋼製リブプレートを設け、該リブプレートに対して構真柱の周囲を囲む各フープ筋を固定する工程とから構成されることを特徴とするフラットスラブの施工方法。
  3. 各柱定着筋及び各フープ筋の施工後に主筋を配筋することを特徴とする請求項2に記載のフラットスラブの施工方法。
  4. 上下のリングプレート間に各リブプレートを設け、各リブプレートにフープ筋を位置決めするための切り欠き部又は孔を設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載のフラットスラブの施工方法。
  5. 構真柱の内周面の、各リングプレートに対応する位置に、鋼製の補強リングを設けたことを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載のフラットスラブの施工方法。
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