JP3728628B2 - Permeable tufted pile fabric - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、通気性と透水性に優れ、特に透水性人工芝生に適したタフテッドパイル布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
タフテッドパイル布帛によって構成され、屋外に施工して雨天時に水溜りの出来ない透水性人工芝生を得るために、本発明者は、パイル糸をタフテイングする一次基布に経糸間隔や経糸間隔が粗くネット状に織成した織物を使用し、タフテイング後に一次基布の布目として残る経糸間の隙間を塞じることなく裏打用接着剤を裏打塗布する方法を発明し、特公昭63−14121・特開昭58−200706に開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
経糸間隔や経糸間隔を粗くして大きい布目隙間を形成したネット状織物では目ズレが起き易く、その目ズレ止めのために織物を高温加熱してプレスセット経糸と緯糸の交絡している接結点を付形セットするか又は樹脂加工をして接結点において交絡する経糸と緯糸の間を接着固定する必要があった。
【0004】
しかし経糸と緯糸との接結点を固定セットすると、タフテイング時に目ズレが起き難く、タフテイング時に一次基布から受ける抗力によってニードルが押し曲げられ変形する危険がある。何故なら、タフテイング過程において一次基布は常に一定の速度で長さ方向に搬送されており、一次基布に垂直に差し込まれたニードルは一次基布の移動方向に押圧されるからである。
【0005】
従って、ニードルが移動する一次基布から受ける抗力を緩和するには、一次基布の移動方向に目ズレが起きる方が寧ろ望まれる訳である。
【0006】
そして又、接結点を固定セットした一次基布では、パイル糸が布目隙間よりも十分に太い場合は別として、そうでない場合、特に比較的細手のパイル糸ではタフテイングされたパイルが布目隙間に遊嵌し、パイルが前後左右の経糸間や緯糸間で確りと挟持されないことになるので、裏打用接着剤によって一次基布に接着固定されるまでの間、パイルは抜け易い不安定な状態におかれることになる。
【0007】
【発明の目的】
そこで本発明は、一次基布の搬送方向にタフテイング時に一次基布に目ズレが起き易くし、そうすることによって搬送方向にニードルが一次基布から受ける抗力を緩和し、且つ、タフテイング後は目ズレによって生じた布目の弾性的復元力によってパイルが経糸間や緯糸間で確りと挟持されるようにし、而も、一次基布が透水孔となる大きい布目を有し、透水性人工芝生に適したタフテイングパイル布帛が得られるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るタフテッドパイル布帛16は、幅Wと厚みTとの比率W/Tで示される扁平率が6以上であり、一次基布を構成してタフティング時のパイル糸挿通時に目ズレを起こし、その後該パイル糸を弾性復元力で把持することが出来る程度の厚みを有し、プラスチックフイルムを細長くテープ状に裁断した形状のテープヤーンをパイル糸の形成するバックステッチが連続するステッチ方向に直交するニードルゲージ方向に続くテープヤーンを緯糸11とし、パイル糸の形成するバックステッチが連続するステッチ方向における緯糸打込間隔Kとテープヤーンの幅Wとの比率K/Wを1〜1.3とし、ステッチ方向に直交するニードルゲージ方向における経糸配列間隔Hと経糸太さDとの比率H/Dを2以上とし、経糸間の隙間(H−D)を0.3mm以上に設定して織成された一次基布12に、ステッチゲージSと緯糸打込間隔Kとの比率S/Kを1以上とし、ニードルゲージGと経糸配列間隔Hとの比率G/Hを1.2以上とし、パイル糸13の見掛け太さMとテープヤーン11の幅Wとの比率M/Wが1以上となるパイル糸13がタフテイングされており、タフテイング後の一次基布12の少なくとも一部のパイル糸の挿通されていない布目14を塞ぐことなく裏打用接着剤を裏打塗布してパイル17を一次基布12に固定したことを特徴とするものである。
【0009】
慣用されるプラスチックフイルムを細長くテープ状に裁断した形状のテープヤーンに成る一次基布に関して検討するに、テープヤーン11を用い隙間なく緻密に織成された織物12が、仮令経糸配列間隔Hとなる経糸太さDとの比率がH/Dが2以上で経糸間に配列間隔Hと太さDとの差(H−D)に経糸太さDの数倍nに及ぶ大きい隙間(nD=H−D)をもって経糸15が配列されていても、テープヤーンに成る緯糸間に隙間なく、前後する緯糸11A・11Bが密着する程度に緯糸打込間隔Kを緻密に織成されている場合には、畳表や御座がそうであるように搬送過程等において織物12に目ズレは起き難い。
又、表裏を軽く挟んで把持したテープヤーン11をその幅方向に押圧すると、テープヤーン11は幅方向に折り畳まれるように幅Wを縮めて加撚された紡績糸や合撚糸の如き非扁平断面の糸条へと変形し易い。一方、そのテープヤーン11を幅方向への押圧から解くと、一次基布を構成してタフティング時のパイル糸挿通時に目ズレを起こし、その後該パイル糸を弾性復元力で把持することが出来る程度の厚みを有し、プラスチックフイルムを細長くテープ状に裁断した形状のテープヤーン11の有する弾性回復力によって幅方向に伸びて元の扁平断面のテープヤーン11へと復元し易い。
【0010】
本発明は、かかるテープヤーン11の性質を利用して完成されたものであり、かかるテープヤーン11の性質を考慮するとき、緯糸打込間隔Kとテープヤーンの幅Wとの比率K/Wを1〜1.2とし、加撚された糸条を経糸15に使用し、経糸配列間隔Hと経糸太さDとの比率H/Dを3以上とし、経糸間の隙間(H−D)を1.0mm以上に設定して一次基布12を織成し、ステッチゲージSと緯糸打込間隔Kとの比率S/Kを2以上とし、ニードルゲージGと経糸配列間隔Hとの比率G/Hを2以上とし、パイル糸13の見掛け太さMが、経糸間の隙間(H−D)とニードルゲージGと経糸配列間隔Hとの比率G/Hとの関係において、(H−D)≦M≦(H−D)×{(G/H)−1}となり、パイル糸13の見掛け太さMとテープヤーン11の幅Wとの比率M/Wが1以上となるパイル糸13をタフテイングして、ニードルゲージ方向において隣り合うバックステッチ18とバックステッチ18との間に少なくとも2本の経糸15A・15Bが介在するようにすることが望まれる。
【0011】
即ち、テープヤーン11を緯糸とし、その幅Wと打込間隔Kとの比率K/Wを1〜1.3とした織物12では、前後して打ち込まれるテープヤーン11A・11Bの間は略密着していている。このため織物全体は一見して隙間がなく緻密に織成されたかの如き観を呈し、それを一次基布12とした場合には透水性タフテッドパイル布帛は得難く思われる。
しかし、経糸配列間隔Hと経糸太さDとの比率H/Dを2以上とし、経糸間の隙間(H−D)を0.3mm以上に設定して一次基布12を織成し、それにステッチゲージSと緯糸打込間隔Kとの比率S/Kを1以上とし、ニードルゲージGと経糸配列間隔Hとの比率G/Hを1.2以上とし、パイル糸13の見掛け太さMとテープヤーン11の幅Wとの比率M/Wが1以上となるパイル糸13をタフテイングとすると、ニードル19が貫通してパイル17が植設された箇所では、1個のパイル17を構成する2個(一対)のパイル片はバックステッチ18の続くステッチ方向に縦に重なって並び、そのパイル17の植設された箇所で前後する2本のテープヤーン11C・11Dの間(14)は、縦に重なった2個のパイル片によってテープヤーン11C・11Dがその扁平断面の幅方向に折り畳まれるように圧縮されて押し広げられ、その間に2個のパイル片の太さ分の長さN(2M)の隙間が出来ることになる。
【0012】
例えば、ニードルゲージGと経糸配列間隔Hとの比率G/Hが1.2(G/H=1.2)の場合は、5ニードルゲージ(5G)即ちニードルゲージ方向(一次基布の幅方向)にバックステッチ5列につき1回の割合で隣り合うバックステッチ18・18の間に2本の経糸15A・15Bが介在することになり、その2本の経糸15A・15Bの間にはパイル片(17)が介在しないことになるから、そこに前後の緯糸11C・11Dと左右の経糸15A・15Bに囲まれたパイルの植設されない布目14、即ち、パイル糸の挿通されていない布目14が残ることになる。
そのパイル糸の挿通されていない布目14は、前後する2本の緯糸11Cと11Dの間が左右に2個縦に並んだパイル片に押し広げられてパイル糸13の見掛け太さMの2倍分の長さN(N=2M)の細長いスリット孔(14)になり、そのように細長いパイル糸の挿通されていない布目14では、塗布される裏打用接着剤の塗膜が左右の経糸15A・15Bに沿って亀裂し易く、そのようにステッチ方向に続く何れかの細長い布目14における裏打用接着剤の塗膜の亀裂によって仕上がったタフテッドパイル布帛に透水孔(14)が出来、それによって透水性人工芝生(16)を得ることが出来る。
【0013】
このようにして一次基布に細長いスリット孔として出来る透水孔14の長さNは、一次基布にタフテイングされた状態でのパイル糸13の見掛け太さMによって設定されることになる。
従って本発明における「パイル糸の見掛け太さ」とは、パイル糸を無緊張状態に放置した状態での見掛け太さではなく、一次基布に差し込まれて貫通する一次基布の貫通孔内の周囲の繊維に囲まれた状態におけるパイル糸の見掛け太さを意味する。
【0014】
このようにして出来る透水孔14の幅は、経糸配列間隔Hと経糸太さDとの比率H/Dと経糸間の隙間(H−D)を大きくすることによって広くすることが出来、その透水孔14の長さNは、パイル糸13の見掛け太さMおよびパイル糸13の見掛け太さMとテープヤーン11の幅Wとの比率M/Wを大きくすることによって長くすることが出来る。又、その透水孔14の数(タフテッドパイル布帛における分布密度)は、ニードルゲージGと経糸配列間隔Hとの比率G/Hを大きくして増やすことが出来、例えば、その比率G/Hを2以上にすると各バックステッチ列とバックステッチ列の間に透水孔14を形成することが出来る。
従って、経糸配列間隔Hと経糸太さDとの比率H/Dは3以上になるようにし、経糸間の隙間(H−D)を1.0mm以上に設定し、ニードルゲージGと経糸配列間隔Hとの比率G/Hを2以上とし、パイル糸の見掛け太さMとテープヤーン11の幅Wとの比率M/Wが2以上になるようにすることが望まれ、又、経糸15には断面が非扁平の加撚された糸条を用い、更に好ましくは、ニードルゲージGと経糸配列間隔Hとの比率G/Hを2以上とする場合、パイル糸13の見掛け太さMは、経糸間の隙間(H−D)とニードルゲージGと経糸配列間隔Hとの比率G/Hとの関係において、(H−D)≦M≦(H−D)×{(G/H)−1}となり、パイル糸13の見掛け太さMとテープヤーン11の幅Wとの比率M/Wが1以上となるようにすると効果的である。
【0015】
具体的に説明すると、タフテッドカーペットの一次基布として慣用されているテープヤーン織基布のテープヤーンの如く、幅Wが2mmのポリプロピレンテープヤーンを緯糸11とし、緯糸打込間隔Kを2.2mmとし、1500デニールで加撚された見掛け太さDが0.3mmのポリエステル長繊維フイラメント糸を経糸15とし、経糸配列間隔Hを2mmとして織成された一次基布12では、緯糸打込間隔Kとテープヤーンの幅Wとの比率K/Wは1.1となり、経糸配列間隔Hと経糸太さDとの比率H/Dは約7となり、経糸間の隙間(H−D)は1.7mmとなる。
この一次基布12に、見掛け太さMが2mmの6000デニールの塩化ビニリデンテープヤーンをパイル糸13として、ステッチゲージSと緯糸打込間隔K(2.2mm)の比率S/Kをnとし、ニードルゲージGと経糸配列間隔H(2mm)の比率G/Hをmとしてタフテイングすると、ステッチ方向に続くパイルとパイルの間にはn本のテープヤーン11が介在し、又、ニードルゲージ方向のバックステッチとバックステッチの間隔はm×(H−D)となり、バックステッチとバックステッチの間にパイル糸の見掛け太さを差し引いたm×(H−D)−Mだけの経糸間の隙間が残ることになる。
ここでニードルゲージGが5/16吋(約8mm)のタフテッド機においてステッチゲージSを7mmとしてタフテイングすると、ステッチゲージSと緯糸打込間隔Kの比率S/K(n)は約3となり、緯糸テープヤーン3本につき1回の割合で布目の緯糸テープヤーンの間がパイル糸の見掛けの太さMの2倍(N=2M)になり、ニードルゲージGと経糸配列間隔Hの比率G/H(m)は4となり、バックステッチとバックステッチの間にはm×(H−D)−M=4×(2−0.3)−2=4×1.7−2=4.8mmに相当する経糸間の隙間(H−D=1.7mm)が残ることになる。
【0016】
ところで、ニードルゲージGと経糸配列間隔Hの比率G/H(m)が4と言うことは、経糸4本につき1個の割合でパイルがタフテイングされると言うこと、つまり、ニードルゲージ方向の一次基布の布目4個につき1個の割合でパイルがタフテイングされ残りの3個のパイル糸の挿通されていない布目はパイルがタフテイングされずに残ることを意味し、バックステッチとバックステッチの間に4.8mmに相当する経糸間の隙間(H−D=1.7mm)が残ると言うことは、パイルがタフテイングされずに経糸間の隙間が元の1.7mmとなっているパイル糸の挿通されていない布目が4.8÷1.7=2.8個即ち少なくとも2個は残ると言うことを意味する。
そしてタフテイング箇所の横の布目の長さNはパイル糸の見掛けの太さMの2倍の4mmになるから、そのタフテイングされずに経糸間の隙間が元の1.7mmとなって残る2個のパイル糸の挿通されていない布目は、それぞれ長さNが4mmで幅(H−D)が1.7mmの透水孔14を構成することになる。
【0017】
このようにして出来る細長いパイル糸の挿通されていない布目14を塞ぐことなく裏打用接着剤を裏打塗布してタフテッドパイル布帛を仕上げるには、裏打用接着剤の裏打塗布面に高圧気流を当ててパイル糸の挿通されていない布目14に出来る裏打用接着剤の塗膜を打ち破ってから加熱ゾーンに通して裏打用接着剤を固化するとよい。
その場合、裏打塗布する裏打用接着剤に塞がれないようにし、又、裏打用接着剤が塗着して塞がれても塗膜が亀裂してパイル糸の挿通されていない布目14が透水孔として残るようにするためにも、経糸間の隙間(H−D)は少なくとも0.3mmになるようにし、好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは1mm以上に設定するとよい。
特に、ニードルゲージGと経糸配列間隔Hの比率G/H(m)を大きく設定した場合に、隣り合って出来る数個のパイル糸の挿通されていない布目14が纏まった大きい透水孔を形成するようにするため、その隣り合う布目の間を仕切る経糸は加撚によって見掛け太さDを経糸間の隙間(H−D)よりも細くなるようにするとよい。
そのためにもタフテイングされずに経糸間の隙間(H−D)が元のままに残るパイル糸の挿通されていない布目の数が2個以上、好ましくは3個以上になるようにニードルゲージGと経糸配列間隔Hの比率G/H(m)を4以上にし、又、経糸の見掛け太さDと経糸間の隙間(H−D)との比率D/(H−D)は、0.5以下に、好ましくは0.3以下で概して0.5〜0.1になるようにするとよく、そうすることによって裏打用接着剤が経糸に塗着し難くなり、仮令裏打用接着剤が隣り合う数個の纏まったパイル糸の挿通されていない布目を塞ぐように塗着しても、その裏打用接着剤の塗膜は隣り合うパイル糸の挿通されていない布目の間を仕切る細い経糸の長さ方向に沿って亀裂し易くなり、裏打用接着剤の塗膜が亀裂して纏まった数個のパイル糸の挿通されていない布目による透水孔14が出来易くなる。
【0018】
緯糸に使用するテープヤーン11は、プラスチックフイルムを細長くテープ状に裁断しただけのものでもよいし、稍々幅広くテープ状に裁断したものを幅方向に折り畳んで数重に重ねたものであってもよく、又、プラスチックフイルムの長さ方向にスリットを入れたスリットヤーンやスプリットヤーンであってもテープ状をなすものであればよい。一方、経糸15は、紡績糸でもマルチフイラメント糸でもよいし、又、加撚された紡績糸やマルチフイラメント糸の如く断面が丸みを帯びたものであればスリットヤーンやスプリットヤーンでもよく、経糸の見掛け太さDと経糸間の隙間(H−D)との比率D/(H−D)を0.5以下とし、経糸間の隙間(H−D)を0.3mm以上とする限り、テープヤーンを経糸15に使用することも出来る。
本発明に係る基布は、経糸と緯糸が直交している織物であり、経糸は基布の長さ方向に連続しており、基布は経糸の連続する長さ方向にタフテッド機に向けて供給され、その基布にパイル糸が連続してタフテイングされる。このため、各パイル糸が連続して形成するパイルとバックステッチは、基布を構成している経糸の長さ方向に平行して連続することになる。従って、本発明の基布を構成している経糸とは、各1本のパイル糸がそれぞれ形成するバックステッチの連続する方向に長く続く糸条を意味し、基布を構成している緯糸とは、そのバックステッチの連続する方向に交叉する方向に長く続く糸条を意味し、基布を構成している経糸と緯糸の違いはバックステッチの連続の仕方によって識別される。
【0019】
【発明の効果】
本発明によると、前記の通りテープヤーン11を緯糸とし、テープヤーン11A・11Bの間に隙間なく緻密に織成した織物12では、仮令経糸配列間隔Hとなる経糸太さDとの比率がH/Dが2以上で経糸間に配列間隔Hと太さDとの差(H−D)に経糸太さDの数倍nに及ぶ大きい隙間(nD=H−D)をもって経糸15が配列されていても搬送過程等の通常の状態では目ズレが起き難い一方、幅方向に押圧するとテープヤーン11は幅Wを縮めて非扁平断面の糸条へと変形し易く、その幅方向への押圧を解くと押圧によって蓄積された弾性回復力によって幅方向に伸びて元の扁平断面のテープヤーン11へと復元し易いので、タフテイング時に一次基布12に差し込まれるニードル19によってテープヤーン11がステッチ方向に目ズレを起こし、その目ズレによってニードル19のステッチ方向への撓みが緩和され、又、ニードル19が抜き取られた場合には目ズレによって蓄えられたテープヤーン11の弾性回復力によってパイル17が強く把持される。
【0020】
そして、緯糸打込間隔Kとテープヤーンの幅Wとの比率K/Wを1〜1.3とした一次基布12では、畳表や御座がそうであるように通常の状態では目ズレは容易には起きないので、一次基布12の布目の目ズレによってタフテイング密度が不規則になるようなことも起こらず、かくして、布目隙間が多く目粗なネット状一次基布にタフテイングした場合と全く同様に透水性タフテッドパイル布帛16が得られる。
一方、目粗なネット状一次基布を用いる場合と異なり、本発明では一次基布12の目ズレを防ぐための熱セット加工や樹脂による布目のセット加工が不要になるので経済的であるだけではなく、ニードル19の一次基布12から受ける抵抗が少なくなるので、タフテイング効率が向上する。
そして前記の通り、タフテイング直後のパイル17が緯糸間11C・11Dで確りと挟持されるので裏打加工も簡略化される。
【0021】
かくして本発明によると、透水性人工芝生に適したタフテッドパイル布帛16が効率的且つ経済的に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一次基布とタフテッドパイル布帛のタフテイング箇所での拡大斜視図である。
【符号の説明】
11 緯糸(テープヤーン)
12 一次基布(織物)
13 パイル糸
14 布目・スリット孔(透水孔)
15 経糸
16 タフテッドパイル布帛(人工芝生)
17 パイル
18 バックステッチ
19 ニードル[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a tufted pile fabric which is excellent in air permeability and water permeability and particularly suitable for water permeable artificial grass.
[0002]
[Prior art]
In order to obtain a water-permeable artificial lawn that is constructed of tufted pile fabric and cannot be accumulated in rainy weather, the present inventor has a rough warp interval and warp interval on a primary base fabric that tufts pile yarn. Invented a method of using a woven fabric in a net shape and applying a backing adhesive without closing the gap between warp yarns remaining as the primary base fabric after toughing. Japanese Patent Publication No. 63-14121 This is disclosed in Japanese Patent Publication No. 58-200706.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
Net-shaped fabrics with large warp intervals and coarse warp intervals that form large fabric gaps are prone to misalignment. To prevent misalignment, the fabric is heated at a high temperature and the press set warp and wefts are entangled. It was necessary to shape-set the points or perform resin processing to bond and fix between the warp and weft entangled at the connection point.
[0004]
However, if the connection point between the warp and the weft is fixedly set, misalignment is unlikely to occur during toughing, and there is a risk that the needle will be bent and deformed by the drag received from the primary base fabric during toughing. This is because the primary base fabric is always conveyed in the length direction at a constant speed in the tufting process, and the needle inserted perpendicularly to the primary base fabric is pressed in the moving direction of the primary base fabric.
[0005]
Therefore, in order to alleviate the drag received from the primary base fabric on which the needle moves, it is desirable that the misalignment occurs in the moving direction of the primary base fabric.
[0006]
In addition, in the primary base fabric with fixed connection points, the pile yarn is not thick enough than the gap between the piles, otherwise the tufted pile is relatively tight in the case of relatively thin pile yarns. Since the pile is not loosely clamped between the front, back, left and right warps or wefts, the pile is easy to come off until it is adhered and fixed to the primary fabric with the backing adhesive. It will be placed in.
[0007]
OBJECT OF THE INVENTION
Therefore, the present invention makes it easy for the primary base fabric to be misaligned when tufting in the transport direction of the primary base fabric, thereby reducing the drag that the needle receives from the primary base fabric in the transport direction, and after the tufting, The pile is firmly clamped between warps and wefts by the elastic restoring force of the fabric caused by the displacement, and the primary fabric has a large fabric with water-permeable holes, making it suitable for permeable artificial grass An object is to obtain a tough piling pile fabric.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The tufted
[0009]
In order to examine a primary base fabric which is a tape yarn having a shape obtained by cutting a conventionally used plastic film into an elongated tape shape, a
When the tape yarn 11 held lightly between the front and back is pressed in the width direction, the tape yarn 11 is reduced in width W so as to be folded in the width direction, and a non-flat cross section such as a spun yarn or a twisted yarn twisted. It is easy to deform into a yarn. On the other hand, when the tape yarn 11 is released from the pressing in the width direction, the primary base fabric can be constituted to cause misalignment when the pile yarn is inserted during tufting, and then the pile yarn can be gripped with an elastic restoring force. The tape yarn 11 having a certain thickness and elongated in the width direction by the elastic recovery force of the tape yarn 11 having a shape obtained by cutting the plastic film into a tape shape is easy to restore to the tape yarn 11 having the original flat cross section.
[0010]
The present invention has been completed by utilizing the properties of the tape yarn 11, and when considering the properties of the tape yarn 11, the ratio K / W between the weft driving interval K and the width W of the tape yarn is set as follows. 1 to 1.2, twisted yarn is used for the warp 15, the ratio H / D between the warp arrangement interval H and the warp thickness D is 3 or more, and the gap (H−D) between the warps The
[0011]
That is, in the
However, the
[0012]
For example, when the ratio G / H between the needle gauge G and the warp arrangement interval H is 1.2 (G / H = 1.2), 5 needle gauges (5G), that is, the needle gauge direction (the width direction of the primary base fabric) ), There are two
The
[0013]
The length N of the water
Therefore, the “apparent thickness of the pile yarn” in the present invention is not an apparent thickness in a state where the pile yarn is left in a non-tensioned state, but in a through hole of the primary base fabric that is inserted into and penetrates the primary base fabric. It means the apparent thickness of the pile yarn in a state surrounded by surrounding fibers.
[0014]
The width of the water-
Therefore, the ratio H / D between the warp arrangement interval H and the warp thickness D is set to 3 or more, the gap (H-D) between the warps is set to 1.0 mm or more, and the needle gauge G and the warp arrangement interval are set. It is desired that the ratio G / H to H is 2 or more, and the ratio M / W between the apparent thickness M of the pile yarn and the width W of the tape yarn 11 is 2 or more. Is a twisted yarn having a non-flat cross section, and more preferably, when the ratio G / H between the needle gauge G and the warp arrangement interval H is 2 or more, the apparent thickness M of the
[0015]
More specifically, the weft 11 is a polypropylene tape yarn having a width W of 2 mm, like a tape yarn of a tape yarn woven base fabric commonly used as a primary base fabric of tufted carpet. In the
In this
When tufting with a stitch gauge S of 7 mm in a tufted machine with a needle gauge G of 5/16 mm (about 8 mm), the ratio S / K (n) between the stitch gauge S and the weft driving distance K is about 3, and the weft The ratio between the needle gauge G and the warp arrangement interval H is G / H between the weft tape yarns of the fabric at a rate of once for every three tape yarns and twice the apparent thickness M of the pile yarn (N = 2M). (M) is 4, and between the back stitch and the back stitch, m × (HD) −M = 4 × (2-0.3) −2 = 4 × 1.7−2 = 4.8 mm A corresponding gap (H−D = 1.7 mm) between the warps remains.
[0016]
By the way, when the ratio G / H (m) of the needle gauge G to the warp arrangement interval H is 4, it means that the pile is tufted at a rate of 1 per 4 warps, that is, the primary direction in the needle gauge direction. The pile is tufted at a rate of 1 out of 4 of the fabrics of the base fabric and the remaining 3 pile yarns do not pass through the pile , meaning that the pile remains untoughed, between the back and back stitches. The gap between the warp yarns corresponding to 4.8 mm (HD = 1.7 mm) is left, which means that the pile yarn is not tufted and the pile yarn thread has the original 1.7 mm gap. This means that there are 4.8 ÷ 1.7 = 2.8 unfinished fabrics, ie at least two.
And since the length N of the fabric next to the tufting portion is 4 mm, which is twice the apparent thickness M of the pile yarn, the remaining two pieces without the tufting remain with the original 1.7 mm gap. Each of the fabrics through which no pile yarn is inserted constitutes the water-
[0017]
In order to finish the tufted pile fabric by applying the backing adhesive without closing the
In that case, the backing adhesive to be applied to the backing is not blocked, and even if the backing adhesive is applied and blocked, the
In particular, when the ratio G / H (m) between the needle gauge G and the warp arrangement interval H is set to be large, a large water-permeable hole is formed in which a plurality of
For this purpose, the needle gauge G and the needle gauge G are used so that the number of fabrics not inserted into the pile yarn that remains without being tufted and the gap (H-D) between the warp yarns remains unchanged is 2 or more, preferably 3 or more. The ratio G / H (m) of the warp arrangement interval H is 4 or more, and the ratio D / (HD) between the apparent thickness D of the warp and the gap (H-D) between the warps is 0.5. Below, preferably 0.3 or less and generally 0.5 to 0.1, which makes it difficult for the backing adhesive to be applied to the warp, and the temporary backing adhesive is adjacent. Even if a few pile yarns are applied so that they are not inserted , the adhesive coating for the backing is the length of a thin warp that separates the adjacent pile yarns that are not inserted The number of cracks that are easily cracked along the thickness
[0018]
The tape yarn 11 used for the weft may be one obtained by simply cutting a plastic film into a long and thin tape shape, or by frequently folding a wide range of tape shapes into a plurality of layers by folding them in the width direction. Also, a slit yarn or a split yarn having slits in the length direction of the plastic film may be used as long as it has a tape shape. On the other hand, the warp yarn 15 may be a spun yarn or a multifilament yarn, or may be a slit yarn or a split yarn if the cross section is round like a twisted spun yarn or a multifilament yarn. As long as the ratio D / (HD) between the apparent thickness D and the gap between warps (HD) is 0.5 or less and the gap between warps (HD) is 0.3 mm or more, the tape Yarn can also be used for the warp 15.
The base fabric according to the present invention is a woven fabric in which warp and weft are orthogonal, the warp is continuous in the length direction of the base fabric, and the base fabric is directed to the tufted machine in the length direction of the warp. The pile yarn is continuously tufted on the base fabric. For this reason, the pile and back stitch which each pile yarn forms continuously will continue in parallel with the length direction of the warp which constitutes the base fabric. Therefore, the warp constituting the base fabric of the present invention means a yarn that lasts long in the continuous direction of the back stitch formed by each one pile yarn, and the weft constituting the base fabric. Means a yarn that lasts long in the direction crossing the back stitch continuous direction, and the difference between the warp and the weft constituting the base fabric is identified by the back stitch continuous manner.
[0019]
【The invention's effect】
According to the present invention, as described above, in the woven
[0020]
In the
On the other hand, unlike the case where a coarse net-like primary base fabric is used, the present invention eliminates the need for heat setting processing for preventing misalignment of the
As described above, since the
[0021]
Thus, according to the present invention, the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an enlarged perspective view of a primary base fabric and a tufted pile fabric according to the present invention at a tufting location.
[Explanation of symbols]
11 Weft (tape yarn)
12 Primary fabric (woven fabric)
13
15
17
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