JP3727714B2 - 太陽電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は太陽光を電気に変換する太陽電池に係り、特に太陽光からの受光効率を高めた太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、太陽電池は、太陽光にその受光面を向けて配置されるとともに、その受光面を保護するため、前面に強化ガラスなどのガラスが配置されている。また、受光面の設置角度は、太陽光の降り注ぐ方向に対して垂直な面が望ましいとされている。
【0003】
図10は従来の太陽電池を示し、太陽電池の構成とその太陽光の受光の配置態様を示している。図10に示すように、太陽電池1は太陽電池モジュールを構成する太陽電池セル2を有し、この太陽電池セル2にはその表面を保護するため、太陽電池セル2を覆うように強化ガラス板3が設けられている。そして、太陽電池1は、基礎4に固定された架台5上に所定の角度を有して設置されている。
【0004】
また、太陽電池1は、東京地区に設置される場合、その緯度程度の角度θm=36°で地面に対して傾斜させて配置される。これは、春分または秋分時期の最適角度であり、夏至には角度θs=13°程度に修正し、冬至には角度θw=60°程度に修正する場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の太陽電池1では、表面の強化ガラス板3の入射面および出射面の表面反射や、太陽光の入射方向と強化ガラス板3表面とのなす角の臨界角による全反射で太陽光の太陽電池セル2への到達時の損失を生じていた。
【0006】
また、太陽電池1は、その受光面を上方に向けて配置した場合、上空からの落下物や鳥の糞などの付着により受光面が汚れることとなり、太陽光の透過率が低下し、これにより太陽光の電気への変換効率が低下する。そのため、受光面の強化ガラス板3を定期的に清掃する必要が生じていた。
【0007】
さらに、従来の太陽電池1では、雹などが落下することにより、保護用の強化ガラス板3が割れて、破損することさえもあった。また、季節によっては太陽光の角度の差により、その角度が強化ガラス3板の臨界角を超え、全反射して一切受光できない場合も生じていた。
【0008】
これは、夏至の太陽光の角度に対して太陽電池1を最適に配置した状態であって、冬至の太陽光を受けた場合に多く生ずる。因みに、これは東京地区において、太陽電池1を地面に対して23°傾斜させて配置し、太陽光が概略20°の角度未満に存在するときに生じる。太陽電池1を地面に水平に配置した場合には、太陽光の角度が概略42°以下の場合に生じる。
【0009】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、太陽電池セル表面のガラスによる太陽光の反射を防止するとともに、ガラスの汚れや破損を防止し、太陽光から電気への変換を効率よく行うことのできる太陽電池を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の請求項1は、太陽光を電気に変換する太陽電池モジュールを太陽光の照射方向と同一方向に配置し、この太陽電池モジュールが設置される設置面を太陽光の反射面に形成するとともに、前記太陽電池モジュールの下向き側の面を受光部とし、この受光部の背面側を太陽光の反射部とした太陽電池モジュールが所定間隔をおいて複数配置されていることを特徴とする。
【0014】
請求項2は、請求項1記載の太陽電池において、受光部の背面側を太陽光の反射部とした太陽電池モジュールが所定間隔をおいて複数配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項3は、請求項2記載の太陽電池において、太陽電池モジュールが設置される設置面を反射面に形成し、この反射面を、前記太陽電池モジュールの長さを半径とし、かつその太陽電池モジュールの太陽に向いた先端を中心とする円弧に形成したことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明に係る太陽電池の第1実施形態を示す断面図である。図1に示すように、太陽電池10は、平板状の太陽電池モジュールの一部分を構成し、かつ太陽光を電気に変換する太陽電池セル11を有している。この太陽電池セル11における太陽電池基板の上には、太陽電池セル11の表面を保護する強化ガラス板12が配置されている。この強化ガラス板12の外表面および内表面には、太陽電池10の波長領域に対して広範囲な無反射コーティング層13が被着形成されている。
【0018】
ここで、強化ガラス板12としては、一般のソーダ石灰フロートガラス板が使用され、このガラス板の太陽光に対する特性を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
表1によれば、ソーダ石灰フロートガラス板は、太陽光の透過率が85%程度しかなく、この損失のうち、8%程度がガラス板表面での反射である。そのため、本実施形態では、このガラス板表面をフッ素酸系薬剤により表面を選択エッチングし、無反射コーティング層13としてポーラスシリカ層を形成することにより、太陽光の透過率を91%にまで高めた反射防止ガラス板を用いており、その光学特性を図2に示す。
【0021】
そして、無反射コーティング層13は、広範囲な波長特性を有し、具体的には400〜800nm、600〜1200nmのいずれかの波長領域のものが選択的に使用される。
【0022】
次に、本実施形態の作用を、図3に示す一般の強化ガラス板と比較しつつ、図4に基づいて説明する。
【0023】
図3は一般の強化ガラス板14による表面反射、裏面の界面での界面反射の状態とガラスの臨界角による表面での全反射の状態を示す。可視光領域でのガラスの透過率は90%程度であり、図3に示した入射角θtのもので10%程度が表面反射、界面反射により失われている。入射光に対する臨界角は、ガラスの屈折率により決定され、図中θcがその角度に相当し、屈折率nが1.5の時に臨界角は41.5°である。この角度よりも大きな入射角で入射した光は、強化ガラス板14表面上で全反射される。
【0024】
図4は本実施形態の強化ガラス板12の外表面および内表面に広範囲な波長領域を有する無反射コーティング層13を形成したものを示す。図4に示すように、垂直入射に近い入射角θtものは98%以上透過することができ、臨界角を越えた角度θrで入射したものでさえ80%以上透過することができる。したがって、無反射コーティング層13を形成した強化ガラス板12では、臨界角もかなり大きくすることができる。
【0025】
このように本実施形態によれば、強化ガラス板12の外表面および内表面に広範囲な波長領域を有する無反射コーティング層13を形成したことにより、強化ガラス板12表面上での反射を防ぐとともに、強化ガラス板12表面と入射光のなす臨界角による反射を防止することができる。その結果、太陽光からの電気への変換を効率よく行うことができる。
【0026】
なお、本実施形態では、強化ガラス板12に選択エッチングにより無反射コーティング層13を被着形成したが、これ以外にシリカコロイドアルコール法により、ポーラスシリカ層をガラス板上またはプラスチック板上に形成して無反射コーティングとする方法、低屈折率のFEP(フッ化エチレン・プロピレン共重合体)をコーティングする方法などが挙げられる。
【0027】
また、金属と金属酸化物、例えばTiO2 /Ag/TiO2 の薄膜をスパッタリングにより蒸着することにより、蒸着膜による反射防止膜を強化ガラス板12上に形成することもできる。
【0028】
図5は本発明に係る太陽電池の第2実施形態を示す構成図である。なお、前記第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明する。
【0029】
この第2実施形態は、平板状の太陽電池モジュールの一部分を構成する太陽電池セル11上に、直角の頂点を外側に向けて直角プリズム15を複数敷設したものであり、この直角プリズム15は4角錐形状に形成されたものか、または長手方向に三角柱形状に形成されたもののうち、いずれかのものが使用される。
【0030】
この直角プリズム15の作用を図6を用いて説明する。
【0031】
一方の直角プリズム15aを用いて入射光ic′について説明する。この入射光ic′は、太陽電池セル11表面に強化ガラス板が設置された場合、その強化ガラス板に対して臨界角をなす入射光である。
【0032】
しかし、ここでは直角プリズム15aが太陽電池セル11上に設置されて、そのガラス面が45゜傾斜されているため、入射光ic′はほぼ三角プリズムのガラス上に垂直入射となる。その結果、この入射光ic′は直角プリズム15aのガラス面を透過して太陽電池セル11表面に到達することができる。この直角プリズム15aの斜面に臨界角θrの範囲を示した。これにより、図中左方向からの入射光はかなり広い範囲で直角プリズム15aのガラス面を透過できることがわかる。
【0033】
次に、太陽電池セル11に垂直に近い角度で入射する光について説明する。他方の直角プリズム15bにおいて、入射光i1は斜面のガラスに臨界角θr内で入射する。そのため、この入射光i1は直角プリズム15bのガラス面を透過することができ、太陽電池セル11表面に到達できる。
【0034】
この臨界角θrを超えて上方から入射する場合を説明する。入射光i2は臨界角θrを超えて直角プリズム15bの斜面のガラス面に入射する。そのため、このガラス面では効率よく全反射される。この全反射された光は次に一方の直角プリズム15aの斜面に入射する。このときの入射角θは簡単な機何学の計算により求められ、θ=90°−θiである。この計算結果よりθi>θrなので、明らかにθ<θrとなり、必ず臨界角θrより小さくなり、この直角プリズム15aの斜面のガラス面を透過することができる。
【0035】
このように本実施形態によれば、太陽電池セル11上に直角の頂点を外側に向けた直角プリズム15を複数敷設したことにより、ほとんどあらゆる方向から入射する太陽光を直角プリズム15のガラス面を透過させて太陽電池セル11表面へ到達させることができる。
【0036】
なお、直角プリズム15は、頂角が概略直角であればよく、直角でない場合でもほぼ同様に機能を果たす。なお、大幅に角度がずれた場合には、二次反射時の臨界角との関係がずれて再度反射されてしまう場合が生じる。
【0037】
図7は本発明に係る太陽電池の第3実施形態を示す構成図である。この第3実施形態の太陽電池16は、平板状の太陽電池モジュール17の端部が太陽光の照射してくる方向へ向けて配置され、つまり太陽電池モジュールが太陽光の照射方向と同一方向に配置され、太陽電池モジュール17の設置面が反射面18として鏡面状に形成されている。そして、太陽電池モジュール17は、その下向き側の面が受光部19となり、反射面18に対して所定角度を有して配置されている。また、太陽電池モジュール17の受光部19側には、図示しない強化ガラス板が設けられている。
【0038】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0039】
上記のように構成した太陽電池16には、図7に示すように太陽光の入射光i3が反射面18に対して入射角θ3で入射する。太陽電池モジュール17は、この入射光と平行で、かつ設置面に対して角度(90°−θ3)で配置されている。
【0040】
このように太陽電池モジュール17を配置することで、太陽光は太陽電池モジュール17を構成する太陽電池セル表面に直接照射されない。また、太陽電池モジュール17が太陽光と平行に設置されているため、太陽電池モジュール17からは最小限の陰しか生じない。
【0041】
このとき、入射光i3は反射面18に対して入射角θ3で入射し、反射される。これを簡単な機何学を用いて計算することにより、太陽電池セルへの入射角θ4を計算することができる。すなわち、θ4=90°−2θ3,θ4=θr=41.5°、したがって、θ3=24.25°となる。
【0042】
つまり、太陽電池セル上のガラス表面の臨界角が41.5°として、これを超える入射角θ3を求めると24.25゜になる。これより大きな入射角θ3では、ガラス板上での反射は生じない。東京地区において、このような入射角を太陽がとるのは夏至の正時付近のみであり、仙台以北ではこのような角度をとることはない。
【0043】
このように本実施形態によれば、太陽電池モジュール17を太陽光の照射してくる方向と同一方向に配置したことにより、太陽電池の陰の発生を最小限として配置することができ、太陽電池の配置を最適化することにより、設置面積の有効利用を図ることができる。
【0044】
また、本実施形態によれば、受光部19を地表面側に向けたことにより、上空から落下してくる塵埃の積もるのを防止し、鳥の糞も直接付着することがなくなる。そして、雹の落下時にも太陽電池モジュール17の受光部19側には直接当たることがなく、強化ガラス板の破損を防止することができる。
【0045】
図8は本発明に係る太陽電池の第3実施形態の変形例を示す構成図である。この変形例では、図7に示す第3実施形態の太陽電池モジュール17の受光部19の背面側が反射部20として鏡面状に形成され、複数の太陽電池モジュール17がそれぞれ設置面に対して45°の角度をなすように所定間隔をおいて配置されている。反射部20には、アルミニウム材,ステンレス鋼材などの簡便な材料を用いることができ、また必要に応じてガラス製の鏡を用いることができる。
【0046】
次に、本変形例の作用を説明する。
【0047】
図7に示す第3実施形態では、太陽電池16の頂点が必ず太陽の方向を向いていないと陰が生じてしまい、太陽光が反射面18で反射されて太陽電池モジュール17表面に入射するという条件が成立しない。
【0048】
本変形例のように太陽電池モジュール17を45°の角度に配置した場合には、条件によっては陰が生じてしまう。
【0049】
そこで、入射光が45°の条件からずれた太陽光の場合を説明する。まず、太陽の位置が高く、設置面への入射角が45°より小さい場合には、入射光i5が設置面に対して入射角θ5で入射することとした。この入射光i5は太陽電池モジュール17の背面側の反射部20で反射される。その反射光は図8に示すように設置面の反射面18で再度反射され、他の太陽電池モジュール17の受光部19に到達する。このときの受光部19への入射角をθ5を用いて表せばθ7=45°−θ5となる。このθ7が臨界角を超えない条件はθ5>3.5°であり、日本国内における全ての条件で全反射は生じない。
【0050】
次に、太陽の位置が低く、配置面への入射角が45°より大きい場合には、入射光i6が設置面に対して入射角θ6で入射することとした。この入射光i6は太陽電池モジュール17の受光部19に直接当たる一方、設置面である反射面18にも当たる。この反射面18に照射された太陽光は、反射されて入射角θ8で受光部19に入射する。このときの受光部19への入射角θ8=θ6−45゜であり、この角度が臨界角を越えないのはθ6<86.5゜であり、この条件も日本国内では全ての条件を満たす。
【0051】
また、太陽の位置が高く、配置面への入射角が45゜より小さい場合であって、直接設置面の反射面18で反射されて受光部19に入射する場合には、計算上は前述と同様に表され、入射角θ8=θ6−45゜でよい。しかし、臨界角の方向が変化しマイナスとして計算して条件を満たすものはθ6>3.5゜となり、これも日本国内の全ての条件を満たす。
【0052】
さらに、太陽光が直接受光部19に入射するような場合には、このときの条件から受光部19への入射角は入射角θ9=135゜−θ6となり、これを臨界角を満たす範囲を求めると、θ6>93.5゜となり、日本国内では存在しない条件となり、直接入射する太陽光はガラス面で反射されてしまうことになる。但し、全体に対する割合はわずかなものとなる。また、この反射も前記実施形態の無反射コーティング層13あるいは直角プリズム15を強化ガラス面に設けることにより防止することができる。
【0053】
このように変形例によれば、反射部20にアルミニウム材,ステンレス鋼材などを用いたことにより、簡単な構造に製造することができ、降り積もる汚損物質を簡単に清掃することができ、反射部20の反射率を常時高く維持することができる。
【0054】
また、変形例によれば、太陽光は地表面側の反射面18により反射される一方、太陽電池モジュール17背面の反射部20からも反射され、これらの反射光が地表面側を向いた太陽電池モジュール17の受光部19に合理的に照射される。その結果、太陽光から電気への変換を効率よく行うことができる。
【0055】
図9は本発明に係る太陽電池の第4実施形態を示す構成図である。なお、前記第3実施形態と同一または対応する部分には同一の符号を付して説明する。
【0056】
この実施形態では、太陽光を反射させる反射面21が円弧面形状に形成されるとともに、この反射面21に円弧の半径に相当する長さの太陽電池モジュール17が設置水平面に対して60°の角度を有して設置されている。そして、反射面21の円弧は、太陽電池モジュール17の太陽に向いた先端を中心として形成されている。
【0057】
また、反射面21である円弧面の長さは、その円弧角が60°となるように設定されている。太陽電池モジュール17は下向き側が受光部19となり、その背面側が反射部20として形成されている。これらの構成を一単位とした太陽電池が図9に示すように水平方向に連続的に配置されている。そして、反射面21である円弧面の底部には、雨水排水用の孔22が穿設されており、反射面21に水などが溜まらない構造となっている。
【0058】
なお、本実施形態の反射面21は、円筒を切断して円弧面を形成したが、球を切断して円弧面を形成して同じ配置態様としてもよい。
【0059】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0060】
図9に太陽光が入射した場合をそれぞれ示し、太陽光が設置面に対して60゜以下で入射した場合、その入射光i7は円弧面状の反射面21に入射し、太陽電池モジュール17の受光部19に向かって反射される。このときには、この反射光の方向は入射角度と反射位置の関数となり、前述のような簡単な数式には表せないものの、機何学的な図面上での検討により全て太陽電池モジュール17の受光部19に入射することがわかる。
【0061】
同様に、入射光i7が直接太陽電池モジュール17の受光部19に入射する場合は、図8で検討した場合と同様に入射角度がガラス面の臨界角を超えてしまうが、この場合も前述同様に無反射コーティング層13あるいは直角プリズム15を強化ガラス面に設けることにより防止することができる。
【0062】
太陽光が設置面に対して60°を超える角度で入射した場合も、その入射光i8は円弧面状の反射面21に入射し、太陽電池モジュール17の受光部19に向かって反射される。このときにもこの反射光の方向は入射角度と反射位置の関数となり、前述のような簡単な数式には表せないものの、反射面21の円弧の中心が太陽電池モジュール17の頂点に位置することから、機何学的な図面上での検討により全て太陽電池モジュール17の受光部19に入射することがわかる。
【0063】
次に、太陽光が太陽電池モジュール17の背面側の反射部20に入射した場合、この反射光は全て円弧上の反射面21に入射する。そこからは前述と同様な作用により、円弧状の反射面21からの反射光は全て太陽電池モジュール17の受光部19に入射する。
【0064】
このように本実施形態によれば、太陽光は地表面側の反射面21により反射される一方、太陽電池モジュール17背面の反射部20からも反射され、これらの反射光が地表面側を向いた太陽電池モジュール17の受光部19に合理的に照射される。その結果、太陽光から電気への変換を効率よく行うことができる。
【0065】
また、反射面21である円弧面の底部に、雨水排水用の孔22を穿設したことにより、この孔22を通して雨水が外部に排出されることとなり、降雨時に反射面21に雨水が溜まることがない。これにより、降雨後にも反射面21は良好な反射能力を保持することができる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、太陽光を電気に変換する太陽電池モジュールを太陽光の照射方向と同一方向に配置し、この太陽電池モジュールが設置される設置面を太陽光の反射面に形成するとともに、前記太陽電池モジュールの下向き側の面を受光部とし、この受光部の背面側を太陽光の反射部とした太陽電池モジュールが所定間隔をおいて複数配置されていることにより、太陽電池の陰の発生を最小限として配置することができ、太陽電池の配置を最適化することにより、設置面積の有効利用を図ることができる。
【0069】
また、受光部を地表面側に向けたことにより、上空から落下してくる塵埃の積もるのを防止し、鳥の糞も直接付着することがなくなる。そして、雹の落下時にも太陽電池モジュールの受光部に直接当たることがなく、ガラスの破損を防止することができる。
【0070】
また、受光部の背面側を太陽光の反射部とした太陽電池モジュールが所定間隔をおいて複数配置されていることにより、太陽光は地表面側の反射面により反射される一方、太陽電池モジュール背面の反射部からも反射され、これらの反射光が地表面側を向いた太陽電池モジュールの受光部に合理的に照射される。その結果、太陽光から電気への変換を効率よく行うことができる。
【0071】
請求項2によれば、請求項1記載の太陽電池において、太陽電池モジュールが設置される設置面を反射面に形成し、この反射面を、太陽電池モジュールの長さを半径とし、かつその太陽電池モジュールの太陽に向いた先端を中心とする円弧に形成したことにより、請求項1と同様の効果が得られる。
【0072】
請求項3によれば、請求項2記載の太陽電池において、反射面の底部に雨水排水用の孔を穿設したことにより、この孔を通して雨水が外部に速やかに排出されることとなり、降雨時に反射面に雨水が溜まることがない。これにより、降雨後にも反射面は良好な反射能力を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る太陽電池の第1実施形態を示す断面図。
【図2】反射防止ガラス板の光学特性を示す図。
【図3】一般の強化ガラス板による反射状態を示す説明図。
【図4】第1実施形態の強化ガラス板による反射状態を示す説明図。
【図5】本発明に係る太陽電池の第2実施形態を示す構成図。
【図6】第2実施形態における直角プリズムの作用を示す説明図。
【図7】本発明に係る太陽電池の第3実施形態を示す構成図。
【図8】本発明に係る太陽電池の第3実施形態の変形例を示す構成図。
【図9】本発明に係る太陽電池の第4実施形態を示す構成図。
【図10】従来の太陽電池を示す構成図。
【符号の説明】
10 太陽電池
11 太陽電池セル
12 強化ガラス板
13 無反射コーテイング層
14 一般のガラス
15 直角プリズム
16 太陽電池
17 太陽電池モジュール
18 反射面
19 受光部
20 反射部
21 反射面
22 孔
Claims (3)
- 太陽光を電気に変換する太陽電池モジュールを太陽光の照射方向と同一方向に配置し、この太陽電池モジュールが設置される設置面を太陽光の反射面に形成するとともに、前記太陽電池モジュールの下向き側の面を受光部とし、この受光部の背面側を太陽光の反射部とした太陽電池モジュールが所定間隔をおいて複数配置されていることを特徴とする太陽電池。
- 請求項1記載の太陽電池において、太陽電池モジュールが設置される設置面を反射面に形成し、この反射面を、前記太陽電池モジュールの長さを半径とし、かつその太陽電池モジュールの太陽に向いた先端を中心とする円弧に形成したことを特徴とする太陽電池。
- 請求項2記載の太陽電池において、反射面の底部に雨水排水用の孔を穿設したことを特徴とする太陽電池。
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