JP3726213B2 - チューブ状フィルムの成形装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チューブ状フィルムの成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、チューブ状フィルムの成形装置は、押出機から押出された溶融樹脂を筒状金型の円筒状ギャップを通過せしめた後に円形ダイを通過せしめることによりチューブ状フィルムを成形する構成とされている。
【0003】
従来の成形装置の1例を図面に基づいて説明すると、図2に示すように、押出機(図示省略)と円形ダイ1の間には円筒状ギャップを形成する筒状金型3が介装されている。図例の場合、2層膜から成るチューブ状フィルムを成形するため、円筒状ギャップは、同心状に配置された小径の円筒状ギャップ4と大径の円筒状ギャップ5により構成されている。そこで、円筒状金型3は、円形ダイ1に向けて延びるコア6の外周に第1金型7を同心状に配置し、第1金型7の外周に第2金型8を同心状に配置し、更に、第2金型8の外周に第3金型9を同心状に配置し、第1金型7と第2金型8の間に小径の円筒状ギャップ4を形成すると共に、第2金型8と第3金型9の間に大径の円筒状ギャップ5を形成している。従って、押出機から押出された溶融樹脂は、それぞれの円筒状ギャップ4、5に流入され軸方向に通過した後、積層状態で円形ダイ1から押出され、チューブ状フィルムを成形する。尚、図例の場合、チューブ状フィルムは、コア6の先端に開口せしめられた空気路10から噴出される空気により膨張及び冷却される構成を例示しているが、これに限られない。
【0004】
このような金型は、図例のような2層膜の他、3層以上の膜から成るチューブ状フィルムを成形するために3周以上の円筒状ギャップを形成したり、或いは、単一層の膜から成るチューブ状フィルムを成形するために単一の円筒状ギャップを形成することが任意であるから、以下便宜上、小径の円筒状ギャップ4を「円筒状ギャップ4」、第1金型7を「内側金型7」、第2金型8を「外側金型8」として説明する。従って、以下に説明する円筒状ギャップ4並びに内側金型7及び外側金型8に関する技術的構成は、前述した大径の円筒状ギャップ5並びに第2金型8及び第3金型9についても同様であることを理解されたい。
【0005】
円筒状ギャップ4は、内側金型7の外周面と外側金型8の内周面の間に形成されている。図4(A)に例示した構成の場合、内側金型7の外周面には、上流側の外径D1が大径となり下流側の外径D2が小径となるテーパ外周面11が形成されている。これに対して、外側金型8の内周面には、円筒状ギャップ4の厚さ寸法tを上流側から下流側に向けて次第に増すように形成するギャップ漸増用内周面12が形成されている。
【0006】
内側金型7は、円筒状ギャップ4の上流端S1から下流側の所定の個所に位置する下流端S2までの所定範囲をマニホルド領域Mとして構成し、該マニホルド領域Mにおいて、内側金型5のテーパ外周面11に、上流端S1から下流端S2に至り次第に幅と深さを減じながらスパイラル状に延びる案内溝13を形成している。図3に展開図を示すように、案内溝13は、内側金型7の周方向に等間隔(図例の場合、45度の等間隔)をあけて配置され、これにより多数の案内溝から成るスパイラルマニホルドを構成し、2本1組の案内溝13、13を円筒状ギャップ4の上流端S1よりも更に上流側にて結合する連通路14を設け、該連通路14に溶融樹脂を流入せしめる流入口15を連通せしめている。
【0007】
そこで、押出機から押出された溶融樹脂は、流入口15からそれぞれ2本1組とされた案内溝13に流入せしめられ、案内溝13に沿ってスパイラル方向に流動すると共に、案内溝13から溢れ出すことにより円筒状ギャップ4に浸入しつつ軸方向に流動する。従って、図3に矢印で示すように、それぞれの案内溝13から円筒状ギャップ4に浸入する溶融樹脂は、周方向及び軸方向にオーバラップせしめられ、相互に結合されながら軸方向に流動する。従って、これにより、溶融樹脂を円筒状ギャップの全体に行きわたらせることを目的としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、本発明者が知見したところによると、従来技術の円筒状金型3によれば、図4(C)に示すように、成形されたチューブ状フィルム16の肉厚に関して厚肉部16aと薄肉部16bが含まれ、肉厚にムラが生じている。このような肉厚のムラは、図示のような周方向に現われる。
【0009】
肉厚のムラは、チューブ状フィルムの品質に大きく関わるため、改善を要することは勿論であるが、押出機による溶融樹脂の押出圧力を調整しても、前述のような肉厚のムラに関する問題を解決できないことが判明した。
【0010】
ところで、本発明者が行った調査と実験によれば、従来技術における肉厚のムラに関する問題は、上述のように、円筒状ギャップ4の厚さ寸法tが上流側から下流側に向けて次第に増すように形成されていることに起因している。この点に関して、従来技術においては、案内溝13が上流端S1から下流端S2に至り次第に幅と深さを減じることから、溶融樹脂の流動量を案内溝13の全長にわたり均一ならしめるためには、案内溝13の幅と深さが大きい上流側では円筒状ギャップ4の厚さ寸法tを薄く形成し、案内溝13の幅と深さが小さい下流側では円筒状ギャップ4の厚さ寸法tを厚く形成することが必要であると考えられたものであるが、実際の稼働時に見られる現象としては、案内溝13に流入した溶融樹脂は、上流側から下流側に向けて流動する間に案内溝13から溢れ出しながら円筒状ギャップ4に浸入するため、下流側に至るに従い次第に痩せ細り、案内溝13の全長に行きわたらない。
【0011】
この点を図面に基づいて説明すると、図3にA−A線で示すような任意の軸線上において軸方向にオーバラップする案内溝13、13・・・の軸線上の個所をそれぞれa1、b2、b3で示すと、1本の案内溝13においてこれらに対応する個所はa1、a2、a3で表される。そこで、図4(B)に示すように、1本の案内溝13における個所a1、a2、a3に関して、溶融樹脂が流入口15から案内溝13に沿ってそれぞれの個所a1、a2、a3まで流動する際に案内溝13の内部で生じる抵抗をX1、X2、X3とし、それぞれの個所a1、a2、a3において案内溝13から溢れ出すことにより円筒状ギャップ4に浸入し、軸方向に向けてマニホルド領域Mの下流端S2まで流動する際に円筒状ギャップ4の内部で生じる抵抗をY1、Y2、Y3としたとき、仮にもしも、何らかの方法で当初から案内溝13の全長に溶融樹脂を充満させた状態を生成し、この状態から流入口15に溶融樹脂を所定の圧力で流入せしめれば、前述の抵抗は、案内溝13の幅と深さの変化によりX1<X2<X3となり、円筒状ギャップ4の厚さ寸法tの変化によりY1>Y2>Y3となるから、理論的には、X1+Y1=X2+Y2=X3+Y3の条件設定が可能であり、その結果、下流端S2に向けて流出する溶融樹脂の量をQ1=Q2=Q3となるようにすることができるとの仮説をたてることが可能であり、これが従来技術のような構成とされている根拠であると考えられる。
【0012】
然しながら、実際に装置を稼働する際には、当初から案内溝13に溶融樹脂が充満されているのではなく、当初は空の状態とされた案内溝13に流入口15から溶融樹脂が送り込まれるため、このような観点から考察しなければならないが、従来技術においては、そもそも案内溝13の全長に溶融樹脂を行きわたらせることができず、前述のような仮説は成り立たない。即ち、流入口15から流入した溶融樹脂Qは、案内溝13に進入する溶融樹脂量q1として最初の第1の個所a1に流動する。この際、第1の個所a1において、案内溝13から溢れ出して円筒状ギャップ4に浸入し下流端S2に向かう溶融樹脂量Q1を生じるから、次の第2の個所a2に向けて流動する溶融樹脂量q2は、q2=q1−Q1となり、溶融樹脂量を減じる。この際、円筒状ギャップ4の厚さ寸法tは、下流側に向けて増すように形成され、第1の個所a1から下流端S2に向かう溶融樹脂の抵抗Y1と、第2の個所a2から下流端S2に向かう溶融樹脂の抵抗Y2は、Y2<Y1とされているので、前述のように減少せしめられた溶融樹脂が案内溝13の第2の個所a2から円筒状ギャップ4に向けて極めて容易に溢れ出され、下流端S2に向けて流動する溶融樹脂量Q2を生じる。従って、次の第3の個所a3に向けて流動する溶融樹脂量q3は、q3=q2−Q2となり、溶融樹脂量を激減するばかりか、案内溝13に沿って更に流動する以前に、厚さ寸法tを増加せしめられた円筒状ギャップ4に浸入してしまい、これにより第3の個所a3に到達すべき溶融樹脂を欠乏することになる。
【0013】
その結果、図3に示す展開図において、案内溝13の第3の個所a3には、ほとんど溶融樹脂が行きわたらず、これが円筒状ギャップ4に充満される溶融樹脂膜の周方向に関する薄肉部として現われ、周方向に関する偏肉の原因となる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述のような偏肉に関する課題を解決したチューブ状フィルムの成形装置を提供するものである。
【0015】
そこで、本発明が課題を解決するために手段として構成したところは、前述のような案内溝13の任意複数の個所a1、a2、a3に関して、溶融樹脂が流入口15から案内溝13に沿ってそれぞれの個所a1、a2、a3まで流動する際に案内溝13の内部で生じる抵抗をX1、X2、X3とし、それぞれの個所a1、a2、a3において案内溝13から流出し円筒状ギャップ4の軸方向に向けてマニホルド領域Mの下流端S2まで流動する際に円筒状ギャップ4の内部で生じる抵抗をY1、Y2、Y3としたとき、X1+Y1と、X2+Y2と、X3+Y3が相互にほぼ等しくなるように案内溝13の前記個所a1、a2、a3における断面積を決定し、該断面積に基づく溝幅と溝深さを備えた先細り形状の案内溝13を形成して成る点にある。
【0016】
本発明によれば、案内溝13における任意の個所a1、a2、a3の全てにおいて円筒状ギャップ4の厚さ寸法Tが等しく形成されている。従って、従来技術のように下流側に向けて次第に厚さ寸法tを増すように形成した構成とは異なって、それぞれの個所a1、a2、a3において厚さ寸法Tを等しく形成せしめているので、流入口15からそれぞれの個所までの間において生じる抵抗X1、X2、X3に応じた量の溶融樹脂が円筒状ギャップ4に浸入せしめられ、従って、案内溝13の末端に向けて溶融樹脂を好適に流動せしめることができる。
【0017】
そして、流入口15から案内溝13におけるそれぞれの個所a1、a2、a3を経て円筒状ギャップ4の下流端S2に至るまでのそれぞれの流路の抵抗X1+Y1、X2+Y2、X3+Y3を、X1+Y1=X2+Y2=X3+Y3となるように構成しているため、それぞれの流路を経て下流端S2に至る溶融樹脂の樹脂量Q1、Q2、Q3は、Q1=Q2=Q3とされるので、これによりチューブ状フィルムに偏肉が生じることを防止する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0019】
本発明の実施形態に係るチューブ状フィルムの成形装置は、筒状金型3における内側金型7の外周面11と外側金型8の内周面17との間に形成される円筒状ギャップ4の厚さ寸法Tを上流端S1から下流端S2に至り均一に形成せしめている。従って、溶融樹脂が案内溝13の任意の個所a1、a2、a3から流出し円筒状ギャップ4の軸方向に向けてマニホルド領域Mの下流端S2まで流動する際に円筒状ギャップ4の内部で生じる抵抗Y1、Y2、Y3は、後述するような計算式により極めて容易に決定される。そこで、溶融樹脂が案内溝13に沿ってそれぞれの個所a1、a2、a3まで流動する際に案内溝の内部で生じる抵抗X1、X2、X3を前記抵抗Y1、Y2、Y3と相関せしめるように、先細り状とされる案内溝13の溝幅及び溝深さの変化を決定することにより、X1+Y1=X2+Y2=X3+Y3となるように構成している。尚、その他の構成は、概ね上述した従来技術と同様であるから、上述の説明を援用する。
【0020】
図示実施例の場合、図1(A)に示すように、内側金型7の外周面11は、上流側の外径D1を大径に形成すると共に下流側の外径D2を小径に形成したテーパ面を構成しており、このテーパ面とほぼ平行なテーパ面を外側金型8の内周面17に形成することにより、外周面11と内周面17の間に形成される円筒状ギャップ4の厚さ寸法Tを上流端S1から下流端S2に至り均一になるように形成している。然しながら、図例のような構成の他、内側金型7の外周面11を上流側の外径D1と下流側の外径D2を同径としたストレート面となるように形成すると共に、このストレート面とほぼ平行なストレート面を外側金型8の内周面17に形成することにより、円筒状ギャップ4の厚さ寸法Tが上流側S1から下流端S2に至り均一になるように構成しても良い。尚、円筒状ギャップ4の厚さ寸法Tは、金型7、8の周方向に対しても均一に形成されている。
【0021】
そこで、上述した図3に示すような1本の案内溝13における任意の個所、即ち、第1の個所a1、第2の個所a2、第3の個所a3に関して、図1(B)に示すように、溶融樹脂が流入口15から案内溝13に沿ってそれぞれの個所a1、a2、a3まで流動する際に案内溝13の内部で生じる抵抗をX1、X2、X3とし、それぞれの個所a1、a2、a3において案内溝13から溢れ出すことにより円筒状ギャップ4の軸方向に向けてマニホルド領域Mの下流端S2まで流動する際に円筒状ギャップ4の内部で生じる抵抗をY1、Y2、Y3としたとき、X1+Y1と、X2+Y2と、X3+Y3が相互にほぼ等しい、即ち、X1+Y1=X2+Y2=X3+Y3となるように構成されている。
【0022】
このようなX1+Y1=X2+Y2=X3+Y3の構成は、前述のように円筒状ギャップ4の厚さ寸法Tを上流端S1から下流端S2に至り均一に形成せしめることにより、容易に実現可能となったものである。
【0023】
即ち、溶融樹脂が案内溝13の任意の個所a(個所a1、a2、a3)から下流端S2まで流動する際に円筒状ギャップ4の内部で生じる抵抗PY(抵抗Y1、Y2、Y3)は、次の数式1により求めることができる。
【0024】
【数1】
12:定数
Q’:溶融樹脂の1mm幅あたりの流量
VV:溶融樹脂の剪断速度より求められる値
L:距離
w’:1mm幅
h:円筒状ギャップの厚さ寸法
【0025】
この際、前記数式1における溶融樹脂の剪断速度VVは、次の数式2に基づいて求められる。
【0026】
【数2】
6:定数
Q:溶融樹脂の流量
w:金型の全幅(周長)
h:円筒状ギャップの厚さ寸法
【0027】
この点に関して、実際の金型を製作する場合において、前述のような個所a1、a2、a3から下流端S2までの抵抗Y1、Y2、Y3を計算により求めるに際して、従来技術においては、前記数式1及び数式2におけるh(円筒状ギャップの厚さ寸法)が上流側から下流側に向けて次第に増すように変化しており、しかも、Y1、Y2、Y3の全ての個所において値が異なるため、計算が極めて複雑であると共に、定量的な計算値を得ることができないのに対して、本発明によれば、hの値(円筒状ギャップの厚さ寸法T)が全ての個所において常に一定であるため、計算が極めて容易であり、定量的な計算値を得ることができるという利点がある。
【0028】
そこで、本発明においても、それぞれの個所a1、a2、a3に関する抵抗が、Y1>Y2>Y3、X1<X2<X3の関係にあることは、従来技術と同様であるが、前述の値PYにより求められる抵抗Y1、Y2、Y3は、Lの値(個所aから下流端S2までの距離)に比例して変化せしめられる単純な関係となるので、案内溝13における抵抗X1、X2、X3が、X1+Y1=X2+Y2=X3+Y3となるように、先細り状となる案内溝13の断面積の変化が決定されている。
【0029】
即ち、流入口15から任意の個所a(個所a1、a2、a3)まで流動する際に案内溝13の内部で生じる抵抗PX(抵抗X1、X2、X3)は、次の数式3により求めることができるので、これにより案内溝13のそれぞれの個所a1、a2、a3における断面積を決定し、このような複数個所において決定された断面積に基づいて、先細り状に変化する案内溝13の全体形状、即ち、前記断面積に基づく溝幅と溝深さを備えた先細り状の案内溝13が形成されている。
【0030】
【数3】
8:定数
Q:個所aにおける溶融樹脂の流量
VV:案内溝内における溶融樹脂の剪断速度より求められる値
L:案内溝における流入口から個所aまでの距離
R:案内溝の断面積より求められる値
【0031】
この際、前記数式3における溶融樹脂の剪断速度VVは、次の数式4に基づいて求められる。
【0032】
【数4】
4:定数
Q:溶融樹脂の流量
R:案内溝の断面積より求められる値
【0033】
このように、本発明によれば、案内溝13における任意の個所a1、a2、a3の全てにおいて円筒状ギャップ4の厚さ寸法Tが等しく形成されている。従って、流入口15から案内溝13に沿って流動する溶融樹脂は、それぞれの個所a1、a2、a3において、抵抗X1、X2、X3に応じた適量の溶融樹脂を円筒状ギャップ4に浸入せしめられる。従って、従来のように溶融樹脂が下流側に至る中途において多量に溢れ出すことにより案内溝13の先端近傍の個所a3にまで行きわたらず欠乏するようなことはなく、溶融樹脂を案内溝13の先端近傍まで好適に流動せしめることができる。
【0034】
そして、流入口15から案内溝13におけるそれぞれの個所a1、a2、a3を経て円筒状ギャップ4の下流端S2に至るまでのそれぞれの流路の抵抗X1+Y1、X2+Y2、X3+Y3を、X1+Y1=X2+Y2=X3+Y3となるように構成しているので、それぞれの流路を経て下流端S2に至る溶融樹脂の樹脂量Q1、Q2、Q3がQ1=Q2=Q3とされ、従って、従来のようにチューブ状フィルムに偏肉を生じることはなく、周方向及び軸方向に均等な肉厚とされた高品質のチューブ状フィルムを成形することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、案内溝13の任意複数の個所a1、a2、a3に関して、溶融樹脂が流入口15から案内溝13に沿ってそれぞれの個所a1、a2、a3まで流動する際に案内溝13の内部で生じる抵抗をX1、X2、X3とし、それぞれの個所a1、a2、a3において案内溝13から流出し円筒状ギャップ4の軸方向に向けてマニホルド領域Mの下流端S2まで流動する際に円筒状ギャップ4の内部で生じる抵抗をY1、Y2、Y3としたとき、X1+Y1と、X2+Y2と、X3+Y3が相互にほぼ等しくなるように案内溝13の前記個所a1、a2、a3における断面積を決定し、該断面積に基づく溝幅と溝深さを備えた先細り形状の案内溝13を形成している。従って、流入口15から案内溝13の全長にわたり溶融樹脂を好適に充填させることができ、しかも、案内溝13の任意の個所a1、a2、a3から円筒状ギャップ4に浸入して下流端S2に至る溶融樹脂の樹脂量Q1、Q2、Q3を相互にQ1=Q2=Q3のように等しく流出せしめることができるので、図1(C)に示すような周方向及び軸方向の何れにおいても偏肉を有しない均質肉厚とした高品質のチューブ状フィルム18を成形することが可能になるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態に係るチューブ状フィルムの成形装置における要部を示しており、(A)は拡大断面図、(B)はマニホルド領域を展開することにより1本の案内溝を示す説明図、(C)は本発明により成形したチューブ状フィルムの1例を示す断面図である。
【図2】チューブ状フィルムの成形装置に関する従来例を示す断面図である。
【図3】マニホルド領域を展開して示す平面図である。
【図4】従来技術の要部を示しており、(A)は拡大断面図、(B)はマニホルド領域を展開することにより1本の案内溝を示す説明図、(C)は従来技術により成形したチューブ状フィルムの1例を示す断面図である。
【符号の説明】
3 筒状金型
4 円筒状ギャップ
7 内側金型
8 外側金型
11 外周面
13 案内溝
15 流入口
17 内周面
18 チューブ状フィルム
T 円筒状ギャップの厚さ寸法
Claims (1)
- 押出機から押出された溶融樹脂を筒状金型の円筒状ギャップを通過せしめた後に円形ダイを通過せしめることによりチューブ状フィルムを成形する装置であり、前記筒状金型(3)は、相互に外周面と内周面の間に円筒状ギャップ(4)を形成する内側金型(7)と外側金型(8)により構成され、円筒状ギャップ(4)の上流端から下流側に向けて所定の範囲で形成されるマニホルド領域Mにおいて内側金型(7)の外周面に上流端S1の流入口(15)から下流側の先端部に至り次第に幅と深さを減じながらスパイラル状に延びる案内溝(13)を周方向に間隔をあけて配設したスパイラルマニホルドを形成した構成において、
円筒状ギャップ (4) の厚さ寸法tを上流端S1から下流端S2に至りほぼ均一に形成しており、
前記案内溝(13)の任意複数の個所a1、a2、a3に関して、溶融樹脂が流入口(15)から案内溝(13)に沿ってそれぞれの個所a1、a2、a3まで流動する際に案内溝(13)の内部で生じる抵抗をX1、X2、X3とし、それぞれの個所a1、a2、a3において案内溝(13)から流出し円筒状ギャップ(4)の軸方向に向けてマニホルド領域Mの下流端S2まで流動する際に円筒状ギャップ(4)の内部で生じる抵抗をY1、Y2、Y3としたとき、X1+Y1と、X2+Y2と、X3+Y3が相互にほぼ等しくなるように案内溝 (13) の前記個所a1、a2、a3における断面積を決定し、該断面積に基づく溝幅と溝深さを備えた先細り形状の案内溝 (13) を形成して成ることを特徴とするチューブ状フィルムの成形装置。
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