JP3725254B2 - 太陽光発電システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換して使用する太陽光発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、太陽光エネルギーを太陽電池を使って直流電力へ変換し、これを利用する太陽光発電システムの実用化が進められている。特に住宅の屋根に太陽電池を設置し、個人住宅で消費する電力を太陽光発電によって発生する電力で賄う個人住宅用太陽光発電システムの進歩がめざましい。新築住宅の屋根に太陽電池を設置する場合は、太陽電池を屋根材の一部として利用する屋根建材一体型モジュールなどが商品化されている。また、系統連系の際、その設置が義務づけられている系統連系保護装置は、インバータの構成要素の一つとしてインバータに内蔵されるなど、小型、軽量化、そして低コスト化等、個人住宅用太陽光発電システムは、一般家庭用電気製品並になってきている。
【0003】
図6に、個人住宅用太陽光発電システムの一構成例を示す。太陽光エネルギーは太陽電池アレイ1によって直流電力へ変換され、接続箱2を介してインバータ3に入力される。接続箱2は、逆流防止ダイオード及び直流開閉器を内蔵している。太陽電池アレイ1で発生した直流電力はインバータ3により交流電力へ変換され、系統連系保護装置9を介して家庭用分電盤4に送られる。そして、その家庭用分電盤4から家庭内負荷5へ供給される。また、家庭用分電盤4は屋外開閉器6および電力量計7を介して配電系統8へも接続されている。
【0004】
配電系統8と連系運転を行う場合は、系統連系保護装置9を設置することが義務づけられている。これは、連系する電力配電系統やそれに繋がる他の需要象に対して、安全上や電力品質上の悪影響を及ぼさないようにするためである。この系統運系保護装置9は、住宅用太陽光発電システムの場合は、上述のようにインバータ3の構成要素の一つとしてインバータ3に内蔵するのが一般的である。
【0005】
次に、太陽電池アレイ1の構成について述べる。太陽電池アレイ1は、図5に示すように太陽電池モジュール12を複数枚組み合わせて構成されている。図5(a)は3個の太陽電池モジュール12を並列接続したものであり、図5(b)は4個の太陽電池モジュール12を直列接続したものである。すなわち、太陽電池モジュール12は、基材上に半導体でできた太陽電池素子を必要な個数だけ並べて配線し、プラスチックフィルム、保護層、強化ガラス、アルミフレーム、端子ボックス11を設けて構成されている。そして、各々の太陽電池モジュールを配線10により電気的に接続して、太陽電池アレイ1を構成している。
【0006】
図5に示されるように、太陽電池アレイ1は、太陽電池モジュール12の電極端子(端子ボックス11)の構成上、たいてい四辺で囲まれた長方形の形に形成されて住宅用屋根の設置される。住宅用屋根には、切妻、方形、寄棟、入母屋などといった様々な形態があるので、その屋根の形態に合わせて太陽電池モジュール12の直並列の組み合わせを変え、屋根の設置可能スペースに合った四辺形の太陽電池アレイ1を形成し、屋根に設置するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、太陽電池アレイ1は一般に四辺形で形成されるので、ある一定の面積にしか太陽電池アレイ1を設置することができない。これは、図5に示すように、太陽電池モジュール12の端子ボックス11の位置が両側面方向に離れて一対の電力端子として設けられているからである。このように、正負一対の電極端子が太陽電池モジュール12の両側面方向に離れて設置されているので、複数枚の太陽電池モジュールを組み合わせて構成する太陽電池アレイ1の全体の形状は、一般に四辺形となる。このことから、無理に屋根いっぱいに太陽電池モジュール12を敷き詰めようとすると、電極端子間を結ぶ配線が複雑になる。
【0008】
そこで、本発明は、屋根の設置スペースを有効に活用できるように太陽電池アレイの形状を多辺形とすることができる太陽光発電システムを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、複数個の太陽電池素子を結線し直流電力を得るための太陽電池モジュールを構成し、複数個の前記太陽電池モジュールを組み合わせて太陽電池アレイを形成し、前記太陽電池アレイからの直流電力を交流電力に変換して電力負荷に交流電力を供給するようにした太陽光発電システムにおいて、前記太陽電池モジュールは、それぞれ、四辺形に構成され、前記太陽電池素子で得られた直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記四辺形の辺に設けられ前記インバータにより変換された交流電力を取り出すための正負一対の電極端子と、を具備し、前記太陽電池モジュールの正負一対の電極端子は、正極と負極とのうち一方を凸状に他方を凹状として構成され、複数の前記太陽電池モジュールは、それぞれの前記四辺形の辺に設けられた正負一対の電極端子同士を互いに嵌合して接続され、さらに、前記太陽電池アレイを構成する複数の前記太陽電池モジュールは、外部の配電系統に接続可能に設けられ系統連系保護装置を内蔵する1個の親太陽電池モジュールと、連系保護装置を内蔵しない複数個の子太陽電池モジュールとからなり、前記親太陽電池モジュールから前記子太陽電池モジュールへ前記配電系統側の交流電力の同期信号を送信することを特徴とする。
【0010】
この構成により、太陽光発電システムを構成する各太陽電池モジュールは、太陽電池素子で得られた直流電力をインバータで交流電力に変換し、他の太陽電池モジュールからの交流電力と互いに同期を取りながら出力し、太陽電池アレイの出力としては親太陽電池モジュールでの連系保護装置で電力配電系統と連系を取って交流電力を出力する。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の太陽光発電システムにおいて、前記太陽電池モジュールは、複数個の太陽電池素子を並列または直列または並列と直列の組み合わせで結線し、その各辺の正負一対の電極端子のいずれかから電力を取り出すようにしたことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の太陽光発電システムにおいて、前記太陽電池モジュールは、その形状を正方形としたことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態の説明図である。太陽電池モジュール12の各辺には、一対の正負電極端子13a、13bがそれぞれに具備されている。図1に示すように、ある一定の数の太陽電池素子14を並列に結線し、その両端の直流電力を各辺それぞれに具備された正負一対の電極端子13a、13bから取り出すことができるような構成となっている。つまり、太陽電池モジュール12の各辺における一対の正負電極端子13のどの辺の電極端子13からでも直流電力が取り出せるようになっている。
【0024】
また、複数枚の太陽電池モジュール12の結線は、図1に示すように、一方の太陽電池モジュール12に対し、他方の太陽電池モジュール12を180度回転させて、相対する辺の正負一対の電極端子13a、13bを接続する。すなわち、一方の太陽電池モジュール12の正電極端子13aは、他方の太陽電池モジュール12の負電力端子3bと接触するように電気的に接続する。
【0025】
一対の正負電極端子13a、13bの形状は、正極と負極とが嵌合する形状としている。例えば、図1に示すような凹形状あるいは凸形状のソケット形をしており、お互いを嵌め込むようにして太陽電池モジュール12を組み込んでいく。したがって、各電極端子13間の接続は、ソケット形状で結線していくので、太陽電池モジュール12を接続していく際に必要となる特別な配線技術および配線ケーブルは不要となる。住宅用屋根に太陽電池モジュール12を一枚ずつはめ込んでいくだけで簡単に太陽電池アレイ1を形成することができる。
【0026】
ここで、太陽電池モジュール12の形状を四辺とも長さの等しい正方形にすれば、どの辺同士を隣接させても結線できる。したがって、正方形の太陽電池モジュール12で太陽電池アレイ1を形成する場合、どの辺を隣接させても太陽電池モジュール12を結線できるので、多様な住宅用屋根にも柔軟に対応できる太陽電池アレイ1を形成できる。
【0027】
また、太陽電池モジュール12を構成する太陽電池素子14の電気的接続は、前述した並列接続にかぎることなく、直列でも並列と直列を組み合わせたものであってもよい。また、電極端子13の形状は隣接する電極端子間を接触できる形状であれば、凹凸のソケット形状でなくてもよい。
【0028】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図2は本発明の第2の実施の形態の説明図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、太陽電池素子14で得られた直流電力を交流電力に変換するためのインバータ3を、各々の太陽電池モジュール12に設けたものである。そして、他の太陽電池モジュール12からの交流電力と互いに同期を取りながら直流電力を交流電力に変換する。その他の構成は、図1に示した第1の実施の形態と同一であるので、同一要素には同一符号を付しその説明は省略する。
【0029】
図2において、太陽電池モジュール12の構成要素として、インバータ3を太陽電池モジュール12の中に組み込む構成とする。したがって、各辺の一対の正負電極端子13から太陽電池素子14で発生した直流電力をインバータ3で変換した交流電力として取り出すことができる。この場合、太陽電池モジュール12を複数枚接続して交流電力を取り出すことになるので、それぞれの交流電力を同期させて取り出す。すなわち、電力配電系統の交流電力の同期信号を各々の太陽電池モジュール12へ送り、それぞれの太陽電池モジュール12から電力配電系統と同期した交流電力を取り出す。
【0030】
この第2の実施の形態では、太陽電池モジュール12から交流電力が取り出せるので、別途インバータ3を設ける必要がなくなり、太陽光発電システムのコンパクト化が図れる。
【0031】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図3および図4は本発明の第3の実施の形態の説明図である。この第3の実施の形態は、太陽電池アレイ1を構成する複数個の太陽電池モジュール12のうちの1個の親太陽電池モジュール12Aの中に系統連係保護装置9を組み込んだものである。
【0032】
図3において、各々の太陽電池モジュール12はインバータ3を内蔵しており、これら太陽電池モジュール12を電力配電系統8と連系させている。そして、電力配電系統8と接続する最初の親太陽電池モジュール12Aに系統連系保護装置9を組み込む。この親太陽電池モジュール12Aにインバータ3を内蔵した子太陽電池モジュール12Bを接続していく。親太陽電池モジュール12Aで配電系統8側の交流電力の同期信号を子太陽電池モジュール12Bに送り、それぞれの子太陽電池モジュール12Bから配電系統8側の交流電力に同期した交流電力を各辺の端子より取り出す。
【0033】
ここで、親太陽電池モジュール12Aおよび子太陽電池モジュール12Bの接続形態は、図3に示すように一列に太陽電池モジュール12を並べていってもよいが、図4に示すような多辺形に並べた形状とすることもできる。また、ここで述べた実施の形態では、太陽電池モジュール12を互いに並列に接続することとして説明したが、同様の考え方によって直列接続を行う太陽電池モジュール12を準備することにより直列並列いずれの接続も可能となる。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、太陽電池モジュールを嵌め込んでいくだけで太陽電池アレイを形成できるので、特別な太陽電池の配線技術のない建築業者でも簡単に太陽電池アレイを屋根に設置することができる。また、太陽電池アレイ全体の形状を四辺形に限定せず、多辺形の太陽電池アレイを形成できるため、多様な住宅屋根の設置スペースを有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態における太陽電池モジュールの構成図。
【図2】図2は、本発明の第2の実施の形態における太陽電池モジュールの構成図。
【図3】図3は、本発明の第3の実施の形態の説明図であり、太陽電池モジュールを一列に配置し系統に連系した場合の構成図。
【図4】図4は、本発明の第3の実施の形態の説明図であり、太陽電池モジュールを多辺形に配置し系統に連系した場合の構成図。
【図5】図5は、従来の太陽電池モジュールの結線図。
【図6】図6は、従来の個人住宅用の太陽光発電システムを示す構成図。
【符号の説明】
1 太陽電池アレイ
2 接続箱
3 インバータ
4 家庭用分電盤
5 家庭内負荷
6 屋外開閉器
7 電力量計
8 配電系統
9 系統連系保護装置
10 配線
11 端子ボックス
12 太陽電池モジュール
13 電極端子
14 太陽電池素子
Claims (3)
- 複数個の太陽電池素子を結線し直流電力を得るための太陽電池モジュールを構成し、複数個の前記太陽電池モジュールを組み合わせて太陽電池アレイを形成し、前記太陽電池アレイからの直流電力を交流電力に変換して電力負荷に交流電力を供給するようにした太陽光発電システムにおいて、
前記太陽電池モジュールは、それぞれ、四辺形に構成され、前記太陽電池素子で得られた直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記四辺形の辺に設けられ前記インバータにより変換された交流電力を取り出すための正負一対の電極端子と、を具備し、
前記太陽電池モジュールの正負一対の電極端子は、正極と負極とのうち一方を凸状に他方を凹状として構成され、
複数の前記太陽電池モジュールは、それぞれの前記四辺形の辺に設けられた正負一対の電極端子同士を互いに嵌合して接続され、
さらに、前記太陽電池アレイを構成する複数の前記太陽電池モジュールは、外部の配電系統に接続可能に設けられ系統連系保護装置を内蔵する1個の親太陽電池モジュールと、連系保護装置を内蔵しない複数個の子太陽電池モジュールとからなり、前記親太陽電池モジュールから前記子太陽電池モジュールへ前記配電系統側の交流電力の同期信号を送信することを特徴とする太陽光発電システム。 - 前記太陽電池モジュールは、複数個の太陽電池素子を並列または直列または並列と直列の組み合わせで結線し、その各辺の正負一対の電極端子のいずれかから電力を取り出すようにしたことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電システム。
- 前記太陽電池モジュールは、その形状を正方形としたことを特徴とする請求項1または2に記載の太陽光発電システム。
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