JP3725217B2 - 同報通信における配送制御方法および装置 - Google Patents

同報通信における配送制御方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蓄積型通信処理装置における同報通信において、同報通信の各宛先に送信するために必要な回線数を予約し、該予約回線数を監視することにより、同報通信によってシステム内で発生するバースト的なトラヒックの負荷にも耐えうる配送制御方法および装置、つまり、配送待ちの呼数がしきい値以上になると発信規制を行う蓄積型通信処理装置において、多数の宛先の同報呼が発信されたことによる規制が生じた場合に一対一通信呼の受ける被害を小さくするために、同報呼と一対一通信呼の使用可能回線数を分割して管理使用しようとする同報通信における配送制御方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の蓄積型通信処理装置における配送制御方式では、同報通信と一対一通信を区別せず全ての配送を一元的に管理し、配送待ちにある呼の総数が規定値に達すると発信規制を行う。また同報通信は装置内で宛先単位へ展開してから配送処理を行うが、同報通信における配送待ち状態以外で装置内に滞留している状況による発信規制は実施していない。
【0003】
図を用いて、より詳細に従来技術に係わる配送制御方式を説明すれば、以下のとおりである。図6は、この種の蓄積型通信処理装置の従来例を示すブロック図である。
【0004】
情報入出力端末211より一対一通信呼、又は同報呼が発信されると、交換機22を介して蓄積型通信処理装置20で受信される。同報呼展開制御装置25は、受信された同報呼に対応する宛先番号N1,N2,〜,Nnに呼を展開する。受信された一対一通信呼の宛先番号N0に伝達すべき通信情報、又は、各宛先番号N1,N2,〜,Nnに伝達すべき通信情報は、通信情報記憶装置27にそれぞれ記憶される。次に、配送制御処理装置26は、各宛先番号N0,N1,N2,〜,Nnに送信すべき通信情報を通信情報記憶装置27から読み出し、回線接続制御装置28へ交換機23を経由して当該宛先番号の着信側の情報入出力端末212,213,〜,21nへの接続を要求し、その通信情報を配送する。
【0005】
この時、システム管理制御装置29は、配送制御処理装置26にて配送待ち状態にある呼数を監視し、その呼数が規定値を越えた場合に発信規制を発動し、一対一通信、同報通信を問わず、情報入出力端末からの発信を拒否する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の蓄積型通信処理装置では、配送処理において配送制御処理装置内では一対一通信呼も同報呼の展開された宛先も同じ配送待ち状態に管理されているため、通信規制発動前に同報呼が多数発信されるとバースト的に配送待ちがあふれ配送遅延が生じる。同時に、配送までの時間が定められている場合は不達となりうる。また、多数の宛先の同報呼が発信されると発信規制のため、しばらくの間、一対一通信呼の疎通を阻害することとなる。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためのものであり、その目的は、同報呼によるバースト的なトラフィック発生で発信規制がなされた場合に、一対一通信呼の受ける配送遅延や不達の被害を回避する同報通信における配送制御方法及び装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は、同報呼を受信して通信情報を一旦蓄積するとともに、一定時間内に同報呼の各宛先へ配送するために必要な回線数の算出を当該同報呼の各宛先への展開前に行って回線を同報用に捕捉して、同報呼と一対一通信呼とで使用可能回線数を分割するステップと、前記算出された必要な回線数と予め算出されている配送待ち同報呼の必要な回線数とから配送に必要な回線数の総数を算出するステップと、前記算出された総数を使用可能回線数のうちの規定値と比較するステップと、前記算出された総数が前記規定値を越えている場合に同報通信についての発信規制を行うステップと、前記同報呼の各宛先への展開および前記算出された総数が前記規制値を越えていない場合に受信した新たな同報呼の各宛先への展開を行うステップと、を有することを特徴とする同報通信における配送制御方法を手段とする。
【0009】
あるいは、上記の同報通信における配送制御方法において、同報呼の宛先への展開を行うステップは、空き回線数と1同報呼の1回の最大展開数とから決定された宛先数だけ展開を行うステップと、各同報呼に対して展開後の残り展開待ち宛先数と配送すべき一定時間内の残り時間とから再度必要な回線数の総数を算出して同報用として回線を捕捉/開放するステップと、前記算出された総数を使用可能回線数のうちの規定値と比較し、前記算出された総数が前記規定値を越えている場合に同報通信についての発信規制を行うステップと、を有することを特徴とする同報通信における配送制御方法を手段とする。
【0010】
また、以上の同報通信における配送制御方法においては、同報呼を受信した場合に比較する規定値として、使用可能回線数のうちの一部を同報呼用に他部を一対一通信呼用に確保して定めておいた前記同報呼用の規定値とするのが、同報呼によりバースト的にトラフィックが増大しても、一対一通信呼用の疎通を阻害しないようにする上で好適である。
【0011】
さらに、以上の同報通信における配送制御方法においては、同報呼の受信からの経過時間を計測し、計測された時間が所定値を越えた場合に当該同報呼の宛先への展開が未展開の場合には当該同報呼の発信元に不達通知を返送するのが、不達へのユーザの対応を容易にする上で好適である。
【0012】
また、上記の目的を達成するために本発明は、複数の情報入出力端末間の情報の交換を処理する蓄積型通信処理装置における同報通信の配送制御装置であって、同報呼を受信して通信情報を一旦蓄積するとともに、一定時間内に同報呼の各宛先へ配送するために必要な回線数の算出を当該同報呼の各宛先への展開前に行って回線を同報用に捕捉して、同報呼と一対一通信呼とで使用可能回線数を分割する手段と、前記算出された必要な回線数と予め算出されている配送待ち同報呼の必要な回線数とから配送に必要な回線数の総数を算出する手段と、前記算出された総数を使用可能回線数のうちの規定値と比較する手段と、前記算出された総数が前記規定値を越えている場合に同報通信についての発信規制を行う手段と、前記同報呼の各宛先への展開および前記算出された総数が前記規制値を越えていない場合に受信した新たな同報呼の各宛先への展開を行う手段と、を具備することを特徴とする同報通信における配送制御装置を手段とする。
【0013】
本発明では、同報呼を受け付けた時点で配送に必要な回線数を予約し、同報呼と一対一通信呼で使用可能回線数分割することにより、同報呼で使用できる回線数の規定値を越えた場合、予め同報発信を規制すること、及び配送待ち状態を監視しながら宛先への展開を行うことで、一対一通信呼における配送遅延や不達を回避する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施の形態例を示すブロック図、図2〜図4は本実施の形態例の動作を示すフローチャート、図5は同報の必要回線数の算出処理におけるデータ構造の一例を示す図である。
【0016】
まず、本実施の形態例の構成について、図1を参照して説明する。
【0017】
情報入出力端末111より同報呼が発信されると、交換機12を介して蓄積型通信処理装置10で受信される。受信された同報呼に対し、蓄積型通信処理装置10の同報呼回線予約装置14が一定時間内の配送に必要な回線数を算出し、回線接続制御装置18に回線を予約するとともに、同報呼展開制御処理装置15へ通知する。
【0018】
同報呼展開制御処理装置15は、待ち状態等を監視しながら受信された同報呼に対応する宛先番号N1,N2,〜,Nnに呼を展開する。一対一通信呼の宛先番号N0に伝達すべき通信情報、または同報呼の各宛先番号N1,N2,〜,Nnに伝達すべき通信情報は、通信情報記憶装置17にそれぞれ記憶される。
【0019】
配送制御処理装置16は、展開された各宛先番号N1,N2,〜,Nnに送信すべき通信情報を通信情報記憶装置17から読み出し、交換機13を経由して着信側の情報入出力端末112,113〜,11nへの接続を回線接続制御装置18へ要求し、その通信情報を配送する。
【0020】
上記同報呼展開制御装置15では、配送制御処理装置16内の配送待ち呼数、及び回線接続制御装置18の空き回線数を監視し、配送待ち呼数・空き回線数に応じた宛先数だけ同報展開を行う。また、一定時間経過しても展開できなかった宛先については不達処理を行う。不達処理では、宛先への展開を中止するとともに、当該同報呼の発信元へ不達の宛先情報を返送する。
【0021】
システム管理制御装置19は、配送制御処理装置16にて配送待ち状態にある呼数を監視し、発信規制を発動し、情報入出力端末からの発信を拒否する。また、回線接続制御装置18内の予約回線数を監視し、規定値を越えた場合、同報発信規制を発動し、情報入出力端末からの同報発信を拒否する。
【0022】
以下に、本実施の形態例の動作について、図2、図3、図4を参照して説明する。
【0023】
まず、同報展開前に行う回線予約と同報発信規制の動作を説明する。図2はその動作を示すフローチャートである。
【0024】
情報入出力端末111より同報呼が発信され、蓄積型通信処理装置10が受信すると、蓄積型通信処理装置10の同報呼回線予約装置14は、同報発信規制中か否かを確認し(ステップ1)、規制中であればその同報呼を拒否し(ステップ2)、そうでなければその同報呼の配送に必要な回線数を後記する図5に示す算出式にて算出し(ステップ3)、同報呼回線予約装置14は回線接続制御装置18に回線数の予約を行う(ステップ4)。回線接続制御装置18は、蓄積型通信処理装置10内にある全ての同報呼の予約回線数を加算し、後記する図5に示すテーブルにて予約回線数の管理を行う(ステップ5)。
【0025】
ここで、図5について説明する。図5は、上記の必要回線数の算出処理におけるデータ構造の一例を示す図である。回線接続制御装置18は、予約受付テーブルと予約回線数の管理テーブルを有する。予約受付テーブルでは、予約受付順に呼識別番号iを付して、宛先数A、配送すべき一定時間内の残り時間(展開残り時間)tr、同報配送に必要な送信時間tsを記憶し、配送が行われれば該当部分を消去する。不達処理は、展開残り時間が0になった場合に行う。不達処理がなされた場合にも、該当部分を消去する。一方、予約回線数の管理テーブルでは、全回線数、全回線数のうち同報呼用に割り当てられた規制値、現時点の必要回線数を加算した予約回線数の総数Σaiを記憶する。ここで、予約中の各同報呼の必要回線数aiは、次式で算出される。
【0026】
i=A*ts/(tr+ts
続いて、システム管理制御装置19は、回線接続装置18内の予約回線数の総数が規制値を超えていないか比較し(ステップ6)、超えた場合、同報発信規制を発動する(ステップ7)。具体的には、情報入出力端末より発信された同報呼の着信を規制する。
【0027】
次に、同報展開の制御動作について、説明する。図3は、その動作を示すフローチャートである。
【0028】
同報呼展開制御装置15は、配送制御処理装置16内の配送待ちの状態にある呼数を確認し(ステップ11)、配送待ちの状態にある呼数が一定以上になっていない場合、さらに回線接続制御装置18内の空き回線数を確認する(ステップ12)。同報展開制御装置15は配送待ち状態の呼数及び空き回線数から展開可能な宛先数を算出し(ステップ13)、同報宛先の展開を行い、展開した宛先毎の通信情報を通信情報記憶装置17に蓄積する(ステップ14)。そして、展開した宛先に対する配送を配送制御装置16に指示する(ステップ15)。
【0029】
次に、配送の制御処理動作について、説明する。図4は、その動作を示すフローチャートである。
【0030】
配送制御処理装置16は、回線接続制御装置18の空き回線を監視し(ステップ21)、空き回線がある場合、空き回線数だけの配送待ちの呼を待ち行列より取り出すとともに、当該呼の通信情報を通信情報記憶装置17から読み出し(ステップ22)、回線接続装置18へ交換機13を介して情報入出力端末への接続を要求し(ステップ23)、接続された情報入出力端末へ通信情報記憶装置17から読み出した通信情報を配送する(ステップ24)。
【0031】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、同報呼を受け付けた時点で同報呼の各宛先への配送に必要な回線数を算出するとともに、その回線数を予約し、同報呼と一対一通信呼で使用可能回線数を分割するようにしたので、バースト的に配送待ち呼が増大しても一対一通信呼の疎通を阻害せず、また、同報呼で使用できる規定値を越えた場合、予め同報発信規制をするようにしたので、一対一通信呼における配送遅延やある一定時間に配送すべき場合の不達を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例を示すブロック図である。
【図2】上記実施の形態例における同報呼に対する回線予約と同報発信規制の動作を示すフローチャートである。
【図3】上記実施の形態例における同報展開の制御動作を示すフローチャートである。
【図4】上記実施の形態例における配送の制御処理動作を示すフローチャートである。
【図5】上記実施の形態例での同報の必要回線数の算出処理におけるデータ構造の一例を示す図である。
【図6】従来例を示す蓄積型通信処理装置のブロック図である。
【符号の説明】
10…蓄積型通信処理装置
111,112,〜,11n…情報入出力端末
12,13…交換機
14…同報呼回線予約装置
15…同報呼展開制御装置
16…配送制御処理装置
17…通信情報記憶装置
18…回線接続制御装置
19…システム管理制御装置

Claims (5)

  1. 同報呼を受信して通信情報を一旦蓄積するとともに、一定時間内に同報呼の各宛先へ配送するために必要な回線数の算出を当該同報呼の各宛先への展開前に行って回線を同報用に捕捉して、同報呼と一対一通信呼とで使用可能回線数を分割するステップと、
    前記算出された必要な回線数と予め算出されている配送待ち同報呼の必要な回線数とから配送に必要な回線数の総数を算出するステップと、
    前記算出された総数を使用可能回線数のうちの規定値と比較するステップと、
    前記算出された総数が前記規定値を越えている場合に同報通信についての発信規制を行うステップと、
    前記同報呼の各宛先への展開および前記算出された総数が前記規制値を越えていない場合に受信した新たな同報呼の各宛先への展開を行うステップと、
    を有することを特徴とする同報通信における配送制御方法。
  2. 同報呼の宛先への展開を行うステップは、
    空き回線数と1同報呼の1回の最大展開数とから決定された宛先数だけ展開を行うステップと、
    各同報呼に対して展開後の残り展開待ち宛先数と配送すべき一定時間内の残り時間とから再度必要な回線数の総数を算出して同報用として回線を捕捉/開放するステップと、
    前記算出された総数を使用可能回線数のうちの規定値と比較し、前記算出された総数が前記規定値を越えている場合に同報通信についての発信規制を行うステップと、
    を有することを特徴とする請求項1記載の同報通信における配送制御方法。
  3. 同報呼を受信した場合に比較する規定値は、
    使用可能回線数のうちの一部を同報呼用に他部を一対一通信呼用に確保して定めておいた前記同報呼用の規定値である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の同報通信における配送制御方法。
  4. 同報呼の受信からの経過時間を計測し、計測された時間が所定値を越えた場合に当該同報呼の宛先への展開が未展開の場合には当該同報呼の発信元に不達通知を返送する
    ことを特徴とする、請求項1又は2又は3記載の同報通信における配送制御方法。
  5. 複数の情報入出力端末間の情報の交換を処理する蓄積型通信処理装置における同報通信の配送制御装置であって、
    同報呼を受信して通信情報を一旦蓄積するとともに、一定時間内に同報呼の各宛先へ配送するために必要な回線数の算出を当該同報呼の各宛先への展開前に行って回線を同報用に捕捉して、同報呼と一対一通信呼とで使用可能回線数を分割する手段と、
    前記算出された必要な回線数と予め算出されている配送待ち同報呼の必要な回線数とから配送に必要な回線数の総数を算出する手段と、
    前記算出された総数を使用可能回線数のうちの規定値と比較する手段と、
    前記算出された総数が前記規定値を越えている場合に同報通信についての発信規制を行う手段と、
    前記同報呼の各宛先への展開および前記算出された総数が前記規制値を越えていない場合に受信した新たな同報呼の各宛先への展開を行う手段と、
    を具備することを特徴とする同報通信における配送制御装置。
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