JP3724037B2 - デュアルゲート型cmosのゲート電極の製造方法 - Google Patents

デュアルゲート型cmosのゲート電極の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はMOSトランジスタを含む半導体装置に関する。特にデュアルゲート型のCMOS装置の電極の製造技術に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
半導体素子の微細化に伴い、短チャネル効果が深刻な問題となり、P型トランジスタとして従来の埋め込みチャネル型から、表面チャネル型への変更が検討されている。N型と同様にP型トランジスタも表面チャネル型とすれば、パンチスルーに強いこと等により、埋め込み型より短いゲート長で使用できるという利点がある。
この場合、ゲート電極は埋め込み型のN型に対しP型を用いる。よって、CMOSを構成する場合、N型トランジスタにN型電極、P型トランジスタにP型電極となり、2つの極性の電極を用いることになる。
これをデュアルゲートと称する。(これに対し、従来のN型電極のみをシングルゲートと称する。)
【0003】
デュアルゲート型のCMOS装置の電極の製造は、ポリシリコンをドープ加工ののち、エッチング加工するプロセスが一般的である。このような従来のデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法として、N型ポリシリコン部位形成プロセスを図8に示す。またP型ポリシリコン部位形成プロセスを図9に示す。さらに、従来のデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造工程におけるイオン注入完了時のポリシリコン部位の状態を図10に示す。
【0004】
図8で、ゲート電極用ポリシリコン膜51上の、N型電極に加工されるポリシリコン領域をN型でドーピング加工する。領域を限定するため、必要とするN型ポリシリコン部位52に対応する位置に窓が開けられた第1マスク53で覆い、燐イオン注入で N型ポリシリコン部位52を形成させる。
N型ポリシリコン部位52は、N型ゲート電極予定領域54およびソース・ドレイン予定領域55を含めるよう設定される。
【0005】
このようにしてN型にドープされたN型ポリシリコン部位52が形成されると、つぎに図9に示すように、P型ポリシリコン部位57のみを開いた第2マスク56で覆い、P型ポリシリコン部位57のみをP型にドーピング加工する。P型ポリシリコン部位57には、P型ゲート電極予定領域58とソース・ドレイン予定領域59が含まれている。このドーピング加工は、P型のイオンをイオン注入するか、あるいはプレデポジション等で行う。
【0006】
以上のドーピング加工の結果、図10に示すように、N型ポリシリコン部位52とP型ポリシリコン部位57が形成される。
イオン注入でドープ加工する場合、マスクは通常LOCOSのデータを利用して作成するため、イオンが注入される部分はソース・ドレイン部程度の面積となる。よって、CMOSで回路を構築する場合、N型とP型でドープされたポリシリコンの面積はほぼ等しくチップに占める面積は小さく、残りの大部分の面積を占める部分はノンドープのポリシリコン部位60となる。
【0007】
ところで、通常電極材料としてはポリシリコンを用いるが、ドーパントによりRIE時のエッチレートが異なる。図11に示すように、ノンドープのポリシリコンに対し、N型ではリンの濃度を高くするほどエッチレートRが大きくなる。一方、P型ではボロンの濃度が高くなるのに従って逆にノンドープのポリシリコンよりもエッチレートが小さくなる。また、通常エッチングの対象となるのはノンドープの部分の面積が一番大きいので、エッチング時の終点検出はノンドープのポリシリコンのエッチングで決まる。
【0008】
この結果、図12に示すように、ノンドープポリシリコン60よりもエッチングが速く進むN型ポリシリコン52の下のゲート酸化膜61が過剰にエッチングされるという問題が発生する。スケーリング則に従ってゲート酸化膜は薄膜化されているため(例えば0.25μm世代では8nm程度以下、0.18μm世代では6nm程度以下)オーバーエッチングによって酸化膜がなくなるばかりか、場合によってはソース・ドレインとなるべきSi基板63が削られて損傷62を受けるという問題があった。この場合、ソース・ドレイン拡散層にダメージを受けた部分が生じてしまい、リーク電流が多い等、正常な動作が期待できなくなるという不都合 不具合いが生じていた。こうした事情は、P型のポリシリコンで終点検出が決まる場合も同様である。
【0009】
本発明は従来技術の前記のような課題や欠点を解決するためなされたもので、その目的は酸化膜やソース・ドレイン予定領域(すなわちS/D層となるべきSi基板上の領域)への過剰エッチングの防止が可能なデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明に係るデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法は、NMOSトランジスタのゲート電極としてN型電極、PMOSトランジスタのゲート電極としてP型電極を用いるデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造において、NMOSトランジスタのゲート電極としてN型電極、PMOSトランジスタのゲート電極としてP型電極を用いるデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造において、ゲート酸化膜上にポリシリコン層を形成する工程と、前記ポリシリコン層のP型ゲート電極予定領域と前記PMOSトランジスタのソース・ドレイン予定領域上の前記ポリシリコン層とを含むP型ポリシリコン部位をP型にドーピング加工する工程と、前記ポリシリコン層のN型ゲート電極予定領域と前記NMOSトランジスタのソース・ドレイン予定領域上の前記ポリシリコン層とを含むN型ポリシリコン部位を含み、前記P型のポリシリコン層を除く全ての前記ポリシリコン層をN型にドーピング加工する工程と、前記P型ゲート電極予定領域及び前記N型ゲート電極予定領域をマスクで覆う工程と、N型のドーパント濃度が高くなるほどエッチング速度が大きくなり、P型のドーパント濃度が高くなるほどエッチング速度が小さくなるエッチング加工により、前記ポリシリコン層をエッチング加工し、最もエッチング速度の速いN型にドーピングした部位について終点検出して、N型電極およびP型電極を形成する工程と、前記エッチング加工に引き続き、ゲート酸化膜の損傷を防止して、P型にドーピングした部位におけるエッチング残渣を除去する工程とを有することを特徴とする。
【0011】
あるいは前記N型電極としてN型ポリシリコンおよびそのシリサイドを用い、さらに前記P型電極としてP型ポリシリコンおよびそのシリサイドを用いることを特徴とする。
【0012】
上記の本発明に係るデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法は、好ましくは、前記エッチング加工を反応性イオンエッチング(RIE)で実施することを特徴とする。
【0013】
上記の本発明に係るデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法は、好ましくは、前記P型にドーピングした部位におけるエッチング残渣を除去加工を施す工程において、前記ポリシリコンが前記ゲート酸化膜よりも選択比が高いポリシリコン除去加工を施すことを特徴とする。
【0014】
上記の本発明に係るデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法は、好ましくは、前記P型にドーピングした部位におけるエッチング残渣を除去加工を施す工程において、エッチングの終了したN型ポリシリコンの部位をマスクし、前記マスクされない部位の除去加工を施すことを特徴とする。
【0016】
本発明に係るデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法によれば、ゲート電極を形成するポリシリコン層のエッチングの終点判断が、最もエッチング速度の速い部位に基づいて判断されるから、過剰側に振れることがない。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、RIE時最もエッチング速度の速い部位に関して終点検出を行って、過剰にエッチングが進むのを防止することを骨子とする。添付図面のうち、図1は、本発明に係るデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法の一実施形態で、P型ポリシリコン部位形成プロセスの説明図である。また図2は、N型ポリシリコン部位形成プロセスの説明図である。さらに図3は、イオン注入完了時のポリシリコン部位の状態の説明図である。そして図4は、ゲート電極の製造工程におけるデバイス構造図である。
【0018】
さらに図5は、本発明に係るデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法のエッチング工程の説明図である。図6は、続きのエッチング工程の説明図である。そして図7は、完成したN型およびP型ゲート電極の模式図である。
【0019】
上記の各図に基づいて、本発明に係るデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法のプロセスを説明する。図1および図4に示すように、基板14表面に添加されたゲート電極用ポリシリコン膜1上の、P型電極に加工されるポリシリコン領域をP型でドーピング加工する。領域を限定するため、必要とするP型ポリシリコン部位2に対応する位置に窓が開けられた第1マスクで覆い、BF2イオン注入で Bドーパントを導入し、P型ポリシリコン部位2を形成させる。P型ポリシリコン部位2は、P型ゲート電極予定領域3およびソース・ドレイン予定領域4を含めるよう設定される。
【0020】
このようにしてP型にドープされたP型ポリシリコン部位2が形成されると、つぎに図2に示すように、P型ポリシリコン部位2のみを第2マスク6で覆い、それ以外のポリシリコン部位をN型にドーピング加工する。このドーピング加工は、N型のイオンをイオン注入するか、あるいはPOC13を利用したプレデポジション等で行う。
このようにして、図3に示すように、N型ポリシリコン部位9が形成される。N型ポリシリコン部位9には、N型ゲート電極予定領域7とソース・ドレイン予定領域8が含まれている。
【0021】
ドーピング加工では、イオン注入として通常N型にはリンを、またP型にはBF2でボロンBを導入するが、これに限定するものではなく、N型としてAs(ヒ素)やSb(アンチモン)等を、P型のイオン種として、BF2 ではなく、B等を用いても良い。また、プロセスの都合上複数のイオンが含まれることはあり得る。
なお、ドーピング法としてはこのほかにin−situ doped PolyやPOC13を利用したプレデポジション、あるいはBSG等の固相拡散源からの拡散を用いることもできる。または、イオン注入とこれらのうち複数を組み合わせてもよい。
【0022】
イオン注入の場合、マスクは通常LOCOSのデータを利用して作成するため、イオンが注入される部分はS/D部程度の面積となる。よって、本発明では、P型でドープされたポリシリコンの面積のチップに占める面積は小さく、残りの大部分の面積を占める部分はN型ポリシリコンとなる。
したがって前記のドーピング加工の結果、ゲート電極用ポリシリコン膜1は、小面積のP型ポリシリコン部位2と、大面積を占めるN型ポリシリコン部位9に色分けされた。
【0023】
このように、本発明では、P型でドープされるべき部分以外のポリシリコンは、すべてまたは大部分がN型でドーピングされる。こののち、RIEによるエッチング加工によってN型電極およびP型電極を形成するが、本発明ではエッチング制御にあたり、最もエッチング速度の速い部位について終点検出する。
前記のように、N型ポリシリコンのエッチング速度が速い(エッチレートが大きい)から、RIE加工の終点検出は大部分の面積を占めるN型ポリシリコンで行われる。
この結果、エッチレートの大きいN型ポリシリコンのエッチング終点の検出時にエッチングを終了させることにより、オーバーエッチングによるN型のポリシリコンの下の酸化膜や基板の損傷を防ぐことができる。
【0024】
つぎに、本発明による方法では、図5に示すように、P型ポリシリコン部位2(あるいはノンドープのポリシリコン部位)においては、逆にアンダーエッチングによる残渣分2Aを生ずる場合があるが、本発明では、N型ポリシリコン部位9のエッチングの終了時点(あるいは終了前後)にポリシリコンと酸化膜の選択比が高いエッチング条件でオーバーエッチングを行う。
【0025】
または、図6に示すように、レジスト15等でエッチングの終了したN型ポリシリコン部位9を保護し、P型ポリシリコン2の残渣分2AのエッチングをRIEなどで続行してもよい。
【0026】
以上のプロセスにより、図7に示されるように正常なN型ゲート電極20とP型ゲート電極21が製造される。しかも、過剰なエッチングによるソース・ドレインとなるべき酸化膜や基板の損傷を防止できるから、正常なソース・ドレイン接合が形成できる。
【0027】
なお、N型電極としてN型ポリシリコン以外にも、そのシリサイドを用いることができる。さらに前記P型電極としてP型ポリシリコン以外に、そのシリサイドを用いることができる
【0028】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明に係るデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法は、ゲート電極を形成するポリシリコン層のエッチング進行を、最もエッチング速度の速い部位に基づいて終点判断するものであるから、過剰なエッチングを防止でき、これによってゲート酸化膜の損傷をはじめ、ソース・ドレインとなるべきシリコン基板の損傷を避けることができる。この結果、CMOS装置の歩留まりならびに信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法の一実施形態で、P型ポリシリコン部位形成プロセスの説明図である。
【図2】 本発明に係るデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法の一実施形態で、N型ポリシリコン部位形成プロセスの説明図である。
【図3】 本発明に係るデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造工程におけるイオン注入完了時のポリシリコン部位の状態の説明図である。
【図4】 本発明に係るデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造工程におけるデバイス構造図である。
【図5】 本発明に係るデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法のエッチング工程の説明図である。
【図6】 本発明に係るデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法のエッチング工程の説明図である。
【図7】 完成したN型およびP型ゲート電極の模式図である。
【図8】 従来のデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法で、N型ポリシリコン部位形成プロセスの説明図である。
【図9】 従来のデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法で、P型ポリシリコン部位形成プロセスの説明図である。
【図10】 従来のデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造工程におけるイオン注入完了時のポリシリコン部位の状態の説明図である。
【図11】 ドーパントとエッチング速度の関係の説明図である。
【図12】 従来のデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造工程におけるエッチング完了時の状態の説明図である。
【符号の説明】
1……ポリシリコン膜、2……P型ポリシリコン部位、2A……残渣分、3……P型ゲート電極予定領域、4……ソース・ドレイン予定領域、5……第1マスク、6……第2マスク、7……N型ゲート電極予定領域、8……ソース・ドレイン予定領域、9……N型ポリシリコン部位、11……フィールド酸化膜、12……ゲート酸化膜、13……ウエル、14……基板、15……レジスト、20……N型ゲート電極、21……P型ゲート電極。

Claims (5)

  1. NMOSトランジスタのゲート電極としてN型電極、PMOSトランジスタのゲート電極としてP型電極を用いるデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造において、
    ゲート酸化膜上にポリシリコン層を形成する工程と、
    前記ポリシリコン層のP型ゲート電極予定領域と前記PMOSトランジスタのソース・ドレイン予定領域上の前記ポリシリコン層とを含むP型ポリシリコン部位をP型にドーピング加工する工程と、
    前記ポリシリコン層のN型ゲート電極予定領域と前記NMOSトランジスタのソース・ドレイン予定領域上の前記ポリシリコン層とを含むN型ポリシリコン部位を含み、前記P型のポリシリコン層を除く全ての前記ポリシリコン層をN型にドーピング加工する工程と、
    前記P型ゲート電極予定領域及び前記N型ゲート電極予定領域をマスクで覆う工程と、
    N型のドーパント濃度が高くなるほどエッチング速度が大きくなり、P型のドーパント濃度が高くなるほどエッチング速度が小さくなるエッチング加工により、前記ポリシリコン層をエッチング加工し、最もエッチング速度の速いN型にドーピングした部位について終点検出して、N型電極およびP型電極を形成する工程と、
    前記エッチング加工に引き続き、ゲート酸化膜の損傷を防止して、P型にドーピングした部位におけるエッチング残渣を除去する工程と
    を有することを特徴とするデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法。
  2. 前記N型電極としてN型ポリシリコンおよびそのシリサイドを用い、さらに前記P型電極としてP型ポリシリコンおよびそのシリサイドを用いることを特徴とする請求項1記載のデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法。
  3. 前記エッチング加工を反応性イオンエッチング(RIE)で実施することを特徴とする請求項1または2記載のデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法。
  4. 前記P型にドーピングした部位におけるエッチング残渣を除去する工程において、前記ポリシリコンが前記ゲート酸化膜よりも選択比が高いポリシリコン除去加工を施すことを特徴とする
    請求項1、2または3記載のデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法。
  5. 前記P型にドーピングした部位におけるエッチング残渣を除去する工程において、エッチングの終了したN型ポリシリコンの部位をマスクし、前記マスクされない部位の除去加工を施すことを特徴とする
    請求項1、2または3記載のデュアルゲート型CMOSのゲート電極の製造方法。
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