JP3723484B2 - 採血用器具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、採血用器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の採血(採血針から血液バッグ(採血バッグ)に採取された血液を導入する操作)においては、皮膚の穿刺部位に対しアルコール消毒等を行うが、それでも、皮膚上や皮下に存在する細菌が、血液とともに血液バッグの中に混入することがある。
【0003】
細菌の種類にもよるが、混入した細菌は、採取された血液が収納された血液バッグを冷蔵する間にも増殖し、そのことに気づかずにこの血液が輸血に供されると、輸血された患者に、感染症、敗血症が発症することがある。
【0004】
現在使用されている赤血球保存液(S.A.G.M.液、OPTISOL 液、M.A.P.液等)では、従来の血液保存液(ACD-A 液、CPD 液等の抗凝固剤)と異なりpHが比較的中性に近くなっている等のために、冷蔵時における細菌の増殖傾向が強い。
【0005】
これらの細菌は皮膚表面のみならず、皮下に棲む場合も多いことから、採血の直前に、念入りに採血穿刺部位を消毒するだけでは、採取された血液への細菌の侵入を避けることは困難である。
【0006】
ここで経験的に、細菌は、採取された血液の初流(以下「採血初流」と言う)に(多くは皮膚のかけらとともに)侵入することがわかっている。
【0007】
そこで、この採血初流を除去することができる採血用器具が開示されている(特開2001−17539号)。
【0008】
この採血用器具では、採血針と採血バッグとを接続するチューブの途中に分岐コネクタを介して分岐チューブが接続され、この分岐チューブの途中に採血初流を一時的に収納する収納バッグが設けられており、クレンメ等を用いて流路を切り替えることにより、ドナー(供血者)からの血液の初流は、分岐チューブ側に流れ、収納バッグに導入されるよう構成されている。
【0009】
この場合、収納バッグには、過不足なく血液を収納する必要があるとともに、血液の凝固を防止するために、収納バッグへ血液を導入する速度(流量、流速)は、ある程度速くなくてはならないという要求がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、操作が簡単であり、採取された血液の細菌汚染を防止し、安全性を向上することができるとともに、検査用の血液を良好な状態で採取し得る採血用器具を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、血液の初流を採取するに際し、血液を過不足なく採取するとともに、血液の凝固を防止することができる採血用器具を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(18)の本発明により達成される。
【0013】
(1) ドナーより血液を採取する採血針と、
採取された血液を収納する採血バッグと、
一端が前記採血バッグに他端が前記採血針にそれぞれ連通し、前記採取された血液を前記採血バッグへ導入する第1の流路と、
分岐部を介して前記第1の流路から分岐し、血液の取り出し口を有する第2の流路とを有する採血用器具であって、
前記第2の流路に設けられ、採取された血液を一時的に収納する収納部と、
前記収納部の形状を規制することによりその容量を規制する容量規制手段とを設け、
前記容量規制手段は、それによる前記収納部の容量規制を解除または緩和した状態とすることができることを特徴とする採血用器具。
【0014】
(2) 前記収納部は、可撓性を有する樹脂製シート材で構成された袋体であり、
前記容量規制手段は、前記袋体の形状を規制することによりその容量を規制するものである上記(1)に記載の採血用器具。
【0015】
(3) 前記容量規制手段は、前記袋体に設置または装着される帯体で構成される上記(2)に記載の採血用器具。
【0016】
(4) 前記容量規制手段は、前記帯体の長さを調節することにより前記袋体の容量規制の程度を調節し得るよう構成されている上記(3)に記載の採血用器具。
【0017】
(5) 前記容量規制手段は、前記袋体の一方の側部に設けられた第1のベルトと、前記袋体の他方の側部に設けられた第2のベルトと、前記第1のベルトと前記第2のベルトとを係合する係合手段とを有する上記(2)に記載の採血用器具。
【0018】
(6) 前記係合手段は、前記第1のベルトに形成された狭幅部と、前記第2のベルトに形成され、前記狭幅部が挿入可能な少なくとも1つのスリットとで構成されている上記(5)に記載の採血用器具。
【0019】
(7) 前記第1のベルトおよび前記第2のベルトは、ぞれぞれ、前記袋体と一体的に形成されている上記(5)または(6)に記載の採血用器具。
【0020】
(8) 前記第1の流路の前記分岐部と前記採血バッグとの間を遮断し得る第1の流路用封止手段を有する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の採血用器具。
【0021】
(9) 前記容量規制手段により容量の規制がなされていないときの前記収納部の容量をS、前記容量規制手段により容量の規制がなされているときの前記収納部の容量をSとしたとき、S/Sが0.2〜0.95である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の採血用器具。
【0022】
(10) 前記容量規制手段は、前記収納部の容量の規制の程度を調節し得るよう構成されている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の採血用器具。
【0024】
(11) 前記収納部は、前記取り出し口の近傍に設けられている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の採血用器具。
【0026】
(12) 前記第1の流路用封止手段は、破断すると前記第1の流路が開通する破断可能な封止部材または前記第1の流路を遮断、開放し得るクランプ部材である上記(8)に記載の採血用器具。
【0027】
(13) 前記第2の流路の前記分岐部と前記収納部との間を遮断し得る第2の流路用封止手段を有する上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の採血用器具。
【0028】
(14) 前記第2の流路用封止手段は、破断すると前記第2の流路が開通する破断可能な封止部材または前記第2の流路を遮断、開放し得るクランプ部材である上記(13)に記載の採血用器具。
【0029】
(15) 前記第2の流路の端部に、前記取り出し口を有する上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の採血用器具。
【0030】
(16) 前記取り出し口は、針管が穿刺可能な構造または針管を装着可能な構造とされている上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の採血用器具。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の採血用器具を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0032】
図1は、本発明の採血用器具の第1実施例を示す平面図である。
同図に示すように、採血用器具1は、採取された血液を収納する採血バッグ10を有している。
【0033】
採血バッグ10は、例えば後述するポリ塩化ビニルのような軟質樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁のシール部12において、融着(熱融着、高周波融着等)または接着し、袋状としたバッグ本体11を有している。
【0034】
このバッグ本体11のシール部12で囲まれる内側の部分に、採取された血液が収納される血液収納部13が形成されている。
【0035】
この採血バッグ10の血液収納部13には、予め抗凝固剤が入れられていることが好ましい。この抗凝固剤は、通常液体であり、例えば、ACD−A液、CPD液、CPDA−1液、ヘパリンナトリウム液等が挙げられる。これらの抗凝固剤の量は、予定採血量に応じた適正な量とされる。
【0036】
なお、採血バッグ10は、赤血球を保存する赤血球バッグとして兼用されることもあり、その場合には、血液収納部13には、最終的に濃厚赤血球が収納、保存される。
【0037】
バッグ本体11の上部には、ピールタブにより開封可能に封止された2つの開口部14、14が形成され、また、一方の開口部14の側部には、排出口18が形成されている。この排出口18には、封止部材(連結部材)17を介してチューブ61の一端が接続されている。封止部材17としては、後述する封止部材19、93と同様の構成のものを用いることができる。
【0038】
図示されていないが、前記チューブ61の他端側には、例えば、血漿バッグ、バフィーコートバッグ、血小板バッグ、赤血球保存液バッグ等の1または2以上のバッグが設けられていてもよい。すなわち、採血用器具がバッグ連結体を構成するようになっていてもよい。
【0039】
また、本発明では、前述した封止部材17、排出口18、チューブ61が省略されていてもよい。
【0040】
さらに、バッグ本体11の上部には、血液収納部13に連通するよう可撓性を有するチューブ15の一端が接続され、このチューブ15の他端には、ハブ151を介して採血針152が装着されている。また、ハブ151には採血針152を被包するキャップ153が装着される。なお、チューブ15の内腔により第1の流路の主要部が構成される。
【0041】
チューブ15の途中には、二股に分岐する分岐コネクタ(分岐部)92が設けられ、該分岐コネクタ92には、可撓性を有するチューブ(分岐チューブ)91の一端が接続されている。
【0042】
ここで、図示の分岐コネクタ92は、ト字管であるが、本発明における分岐コネクタ92は、これに限らず、例えば、Y字管、T字管や、ト字管、Y字管の向きを逆にしたもの等であってもよい。また、分岐コネクタに限らず、例えば、3方活栓のような多方活栓で構成されていてもよい。
【0043】
また、チューブ15の分岐コネクタ92と採血バッグ10との間には、第1の流路用封止手段である封止部材19が設けられている。この封止部材19は、破断することにより流路を開通することが可能な部材であり、好ましくは分岐コネクタ92の近傍に配置される。
【0044】
採血用器具1は、採取された血液を一時的に収納(貯留)する収納部であるバッグ(袋体)20を有している。
【0045】
バッグ20は、例えば後述するポリ塩化ビニルのような軟質樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁のシール部22において、融着(熱融着、高周波融着等)または接着し、袋状としたバッグ本体21を有している。
【0046】
このバッグ本体21のシール部22で囲まれる内側の部分に、収納部(貯留部)23が形成されている。この収納部23に、血液、特に採血初流が収納される。収納部23に収納された血液は、病原体の抗体検査、血液型検査などに用いることができる。
【0047】
バッグ本体21の一方の端部(図1中左側の端部)には、収納部23に連通するよう前記チューブ91の他端が接続されている。
【0048】
バッグ20の容量は、特に限定されず、検査に供する血液量、採血量や、回路を形成するチューブの内腔の空間容積(容積)等の諸条件を考慮して決定されるが、通常、後述する容量規制手段2により容量が規制されていないとき(非規制時)のバッグ20の容量Sは、20〜150ml程度が好ましく、25〜80ml程度がより好ましい。
【0049】
バッグ20の容量が前記範囲未満であると、回路を形成するチューブの内腔の空間容積が比較的大きい場合等には、所定量の採取された血液を収納しきれないことがあり、前記範囲を超えると、採血用器具1が大型化し操作しにくくなる。
【0050】
また、チューブ91の分岐コネクタ92とバッグ20との間には、第2の流路用封止手段であるクレンメ(クランプ部材)95が設けられている。このクレンメ95は、好ましくはバッグ20の近傍に配置される。
【0051】
バッグ本体21の他方の端部(図1中右側の端部)には、収納部23に連通するよう可撓性を有するチューブ96の一端が接続され、このチューブ96の他端(端部)には、サンプリングポート(コネクタ)71が接続されている。サンプリングポート71の構成は、後に詳述する。なお、チューブ96および91の内腔により第2の流路の主要部が構成される。
【0052】
チューブ96の途中には、封止部材(第2の流路用封止手段)93が設けられている。封止部材93の構成は、後に詳述する。
【0053】
この採血用器具1では、チューブ96は、バッグ20のチューブ91と反対側に接続されているが、本発明では、チューブ96のバッグ20への接続部と、チューブ91のバッグ20への接続部の位置関係はこれに限らず、例えば、チューブ96が、バッグ20のチューブ91と同じ側(図1中左側)に接続されていてもよい。
【0054】
また、本発明では、サンプリングポート71が、バッグ20の例えば、図1中左側の端部または右側の端部に直接接続されていてもよい。
【0055】
また、チューブ96の長さは、チューブ91のそれより短く設定されているのが好ましく、特に、チューブ96内の空気の影響が実質的に無い程度に設定されているのが好ましい。すなわち、バッグ20は、サンプリングポート(血液の取り出し口)71の近傍に設置されているのが好ましい。
【0056】
本発明の採血用器具1は、バッグ20の容量を規制する容量規制手段を有している。本実施形態では、容量規制手段2は、バッグ20に設置されており、バッグ20の形状を規制し得る帯体で構成されている。以下、この容量規制手段2の構成および作用について、図2〜図4に基づき説明する。
【0057】
図2および図3に示すように、容量規制手段2は、バッグ20の図2中右側部に設けられた帯状の第1のベルト3と、バッグ20の図2中左側部に設けられた帯状の第2のベルト7とを有し、さらに、第1のベルト3と第2のベルト7とを係合する係合手段を有している。
【0058】
第1のベルト3および第2のベルト7は、それぞれ、バッグ20のシール部22と一体的に形成されている。すなわち、第1のベルト3および第2のベルト7は、バッグ20を構成するシート材を裁断する際に、第1のベルト3および第2のベルト7を含む形状に裁断することにより、一体的に形成することができる。これにより、製造工程の増大を伴わず、容易に製造することができるとともに、部品点数の増大も抑制できるという効果がある。
【0059】
第1のベルト3の先端部4は、略三角形をなしており、その基端側には、先端部4の最大幅より狭い幅の部分を有する狭幅部5が形成されている。この狭幅部5は、第1のベルト3の両側部に各々切り欠きを設けることにより形成されている。
【0060】
また、第2のベルト7の先端部には、第2のベルト7の幅方向に延びる一文字状のスリット8が形成されている。このスリット8は、前記狭幅部5が挿入可能な程度の長さとされる。第1のベルト3に形成された狭幅部5と、第2のベルト7に形成されたスリット8とで、前記係合手段が構成される。
【0061】
このような容量規制手段2の作用は、次の通りである。図2は、容量規制手段2によりバッグ20の容量が規制されていない状態(規制が解除された状態)、図3は、容量規制手段2によりバッグ20の容量が規制された状態(係合手段が係合した状態)を示している。
【0062】
図2に示す状態から、バッグ20をその両側部が接近するように丸めるとともに、第1のベルト3の先端部4を第2のベルト7のスリット8に挿入し通過させる。この際、先端部4の両側部を図2中の一点鎖線にてそれぞれ内側に向くように折り曲げると、先端部4を容易にスリット8に通過させることができる。
【0063】
このように、先端部4がスリット8を通過すると、図3に示すように、容量規制手段2によりバッグ20の容量が所定の容量に規制される。すなわち、第1のベルト3および第2のベルト7に張力が作用した場合に、先端部4に形成された底辺6がスリット8の両側部に係合し、先端部4はスリット8から抜けることができないため、第1のベルト3と第2のベルト7とで構成される帯体の最大長さが規定され、これにより、バッグ20は、その形状が丸まった状態に規制される(図3参照)。
【0064】
先端部4をスリット8から抜き取れば、バッグ20は、図2に示す容量の規制が解除された状態に戻る。
【0065】
以下、このような容量規制手段2を設けることの利点について説明する。
後述するように、バッグ20へは、チューブ15および91を介して採血初流を導入するが、ドナーに対する合計採血量が例えば400mlと定められていることから、それに応じバッグ20へ血液導入量も例えば30〜40mlと、好適な量がある。一方、採血初流を導入する際には、血液凝固によるチューブ等の詰まりを防止するために、その流量(流速)はできるだけ大きい方が好ましく、例えば流量が15ml/分以下とならないようにすることが好ましい。前述した特開2001−17539号の採血用器具を用いる場合、採血初流を導入する際の流量を大きくするには、バッグ20の容量を目的とする血液導入量に比べて大きなものとすればよいが、この場合には、血液の流量がほぼ一定の状態で採血初流の導入を停止する(クレンメ95でチューブ91を閉塞する)こととなり、その停止のタイミングによって、バッグ20への血液導入量にバラツキが生じ易くなるという欠点がある。導入停止のタイミングが遅れて、過剰な量の血液を採ってしまうことがある。この血液導入量のバラツキを少なくするためには、逆にバッグ20の容量を小さくすれば(目的とする血液導入量に近付ければ)よいが、この場合には、採血初流導入の後半、特に導入終了近くになるとバッグ20内の圧力が高まるため、導入する血液の流量(流速)が急速に低下し、チューブ内等で血液凝固が生じるおそれがあるという欠点がある。また、導入する血液の流量(流速)が低下すると、分岐コネクタ92付近において血液が停滞し、封止部材19を開放したときに微量ながら細菌が混入する可能性も生じる。
【0066】
一方、封止部材19をクレンメに代えた場合には、採血バッグ10内の抗凝固剤によりチューブ内等での血液凝固を防止することができるが、この場合には、操作上のミスから採血初流が採血バッグ10内に入るおそれがあるので、分岐コネクタ92の下流側には封止部材19を設けることが好ましい。
【0067】
以上のことから、本発明では、バッグ20としてその容量がある程度大きなものを用い、採血初流を導入する際には、容量規制手段2によりバッグ20の容量を規制することにより、上記欠点を同時に解消することができる。すなわち、本発明の採血用器具1では、採血初流を導入する際、血液の流量低下の防止と、血液導入量の均一化とを両立することができるという効果がある。
【0068】
本実施形態のように、容量規制手段2は、それによるバッグ20の容量規制を解除(または緩和)した状態(図2参照)とすることができるものであるのが好ましい。その理由は、まず第一に、容量規制手段2により規制されたバッグ20の容量を超えて血液を導入する必要が生じた場合に、それを可能とする余地を残すためである。
【0069】
第二に、採血用器具1の製造時(特に滅菌時)には、バッグ20の容量規制を解除(または緩和)しておいた方が良いことがあるためである。すなわち、図3に示す容量規制状態で採血用器具1にオートクレーブ滅菌(高圧蒸気滅菌)を施した場合、バッグ20が変形しているために、バッグ20の内面が部分的にブロッキング(結着)を起こすおそれがあり、よって、少なくとも滅菌時には、バッグ20の容量規制を解除(または緩和)した状態とするのが好ましい。そして、採血を開始する際に、容量規制手段2によりバッグ20の容量規制を行なえばよい。
【0070】
容量規制手段2によるバッグ20の容量規制の程度は、バッグ20の大きさ、採血量、検査に供する血液量等を考慮して、適宜決定されるが、容量規制手段2により容量の規制がなされているとき(規制時)のバッグ20の容量をSとしたとき、前述した非規制時のバッグ20の容量Sとの関係で、S/Sは、0.2〜0.95程度であるのが好ましく、0.5〜0.8程度であるのがより好ましい。この比率が大きすぎると、バッグ20の容量を規制する効果が少なくなり、また、この比率が小さすぎると、必要な採血初流の導入量を確保するために、容量Sが大きくなり、バッグ20の大型化を招くおそれがある。
【0071】
図4は、容量規制手段の他の構成を示す図である。同図に示す容量規制手段2は、バッグ20の容量の規制の程度を調節し得るよう構成されている。バッグ20の容量の規制の程度は、帯体の長さ、すなわち、第1のベルト3および第2のベルト7の連結時の長さを調節することにより行われる。以下、その構成について詳述する。
【0072】
図4に示す容量規制手段2は、バッグ20の図4中右側部に設けられた帯状の第1のベルト3と、バッグ20の図4中左側部に設けられた帯状の第2のベルト7とを有し、さらに、第1のベルト3と第2のベルト7とを係合する係合手段を有している。
【0073】
第1のベルト3は、前記図2に示すものと同様である。
第2のベルト7も、その全体形状は前記図2に示すものと同様であるが、その先端部の構造が異なっている。すなわち、第2のベルト7の先端部には、第2のベルト7の幅方向に延びる3本の一文字状のスリット8a、8bおよび8cが形成されている。これらのスリット8a、8bおよび8cは、それぞれ、第1のベルト3の狭幅部5が挿入可能な程度の長さとされる。第1のベルト3に形成された狭幅部5と、第2のベルト7に形成されたスリット8a、8bおよび8cとで、前記係合手段が構成される。
【0074】
図2に示す状態から、バッグ20をその両側部が接近するように丸めるとともに、第1のベルト3の先端部4を第2のベルト7のスリット8a、8bまたは8cのいずれかに挿入し通過させる。この際、先端部4の両側部を図2中の一点鎖線にてそれぞれ内側に向くように折り曲げると、先端部4を容易にスリットに通過させることができる。
【0075】
第1のベルト3の先端部4を挿入するスリット8a、8b、8cの選択により、帯体の長さ(第1のベルト3および第2のベルト7の連結時の長さ)を3段階に設定することができ、よって、これにより容量規制手段2によるバッグ20の容量の規制の程度を調整することができる。
【0076】
このように、容量規制手段2がバッグ20の容量の規制の程度を調節し得るよう構成されている場合には、症例、採血量、検査に供する血液量等の種々の条件に応じて採血初流の導入量や導入速度を最適な値に調整できるという利点がある。
【0077】
なお、図4に示す構成では、帯体の長さを段階的に調整するものであるが、帯体の長さを無段階に調整し得る構成のものでもよい。
【0078】
また、第1のベルト3と第2のベルト7とを係合する係合手段は、図示の構成のものに限らず、例えば、互いに係合するフック部材、スナップ、ボタンや、粘着シート、マジックテープ(登録商標)のような結合力を得られる手段であってもよい。さらには、帯体を挟持して固定するクリップ機構を備えたものであってもよい。
【0079】
また、図示の容量規制手段2は、バッグ20に一体化された構成のものであるが、本発明では、これに限らず、バッグ20に固定されたもの、あるいはバッグ2に装着して使用するものでもよい。
【0080】
例えば、容量規制手段として、バッグ20とは別体の帯体を用意し、これをバッグ20に巻き付けることにより、バッグ20の容量を規制する構成のものでもよい。この場合、帯体は、その長さが一定のものでも、段階的または無段階に調整可能なものでもよい。前者の場合、筒状のもの(無端ベルト)が挙げられ、その内側にバッグ20を挿入してバッグ20の容量を規制する。また、帯体は、例えばゴムのような弾性体で構成され、伸縮可能なものでもよい。
【0081】
また、本発明において、容量規制手段は、帯体で構成されたものに限らず、バッグ(収納部)20の容量を規制(調整)し得るものであれば、いかなる構成のものでもよいことは、言うまでもない。
【0082】
次に、採血バッグ10およびバッグ20を構成するシート材、各チューブ15、61、91および96の構成材料等について説明する。
【0083】
[1]採血バッグ10について
採血バッグ10のバッグ本体11を構成するシート材の組成、特性等は、特に限定されない。
【0084】
この場合、採血バッグ10のシート材の構成材料としては、軟質ポリ塩化ビニルまたは軟質ポリ塩化ビニルを主とする材料(例えば、少量の他の高分子材料との共重合体、ポリマーブレンド、ポリマーアロイ等)が好ましい。
【0085】
この軟質ポリ塩化ビニルにおける可塑剤としては、例えば、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DEHP)、フタル酸ジノルマルデシル(DnDP)等が好ましい。
【0086】
可塑剤のシート材中の含有量は、25〜50wt%程度が好ましく、30〜40wt%程度がより好ましい。
【0087】
以上のようなシート材は、例えば次のような方法で製造することができる。
混練機を用いて所定の材料を十分に混練し、該混練物をTダイあるいはサーキュラーダイを介して押し出し、得られた平坦なシート状物等に対し、サーモフォーミング、ブロー、延伸、裁断、端部のシール(融着)等の工程を順次行って、所望の形状・形態に加工する。
【0088】
また、シート間のブロッキングを防ぐためにシート(基材)表面を粗面化(エンボス加工)したり、ブロッキング防止剤、スリップ剤等を添加または付与することもできる。
【0089】
[2]バッグ20について
バッグ20のバッグ本体21を構成するシート材の組成、特性等は、特に限定されず、例えば、前記採血バッグ10におけるシート材と同様のものを用いることができる。前記採血バッグ10におけるシート材と同様のものを用いた場合には、用意するシート材の種類が少なくなり、製造上有利である。
【0090】
なお、バッグ20のシート材を製造する際には、第1のベルト3、第2のベルト7、スリット8も同時に一体形成するのが好ましい。
【0091】
[3]チューブ15、61、91、96について
チューブ15、61、91、96の構成材料としては、例えば、軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体等の熱可塑性エラストマー等、あるいはこれらを主とする材料が挙げられるが、そのなかでも特に、軟質ポリ塩化ビニルまたはこれを主とする材料が好ましい。
【0092】
各チューブが軟質ポリ塩化ビニル製であれば、十分な可撓性、柔軟性が得られるので取り扱いがし易く、また、クレンメ等による閉塞に適する。さらに、軟質ポリ塩化ビニル製チューブは、主材料を同じくするバッグのシート材との相溶性に優れるので、融着や接着によりこれらを接合する場合に、その接合強度が高く、かつ気密性に優れ、遠心分離操作に対する耐久性や無菌性の維持にとって好ましい。なお、各チューブに用いられる可塑剤の種類やその含有量は特に限定されない。
【0093】
次に、封止部材17、19および93の構成について、図5を参照しつつ説明する。なお、各封止部材17、19および93の構成は、ほぼ同様であるので、代表的に封止部材93について説明する。
【0094】
図5は、封止部材93の構成例を示す縦断面図である。同図に示すように、封止部材93は、例えば軟質ポリ塩化ビニルのような可撓性を有する樹脂により構成された短チューブ930と、この短チューブ930内に液密に嵌入され、中実柱状部932によりその一端が閉塞された筒体931とで構成されている。
【0095】
短チューブ930の図5中上端部には、図5中上側のチューブ96の一端が液密に接続され、短チューブ930の図5中下端部には、図5中下側のチューブ96の一端が液密に接続されている。
【0096】
筒体931の外周には、薄肉で脆弱な破断部933が形成されている。手指等により短チューブ930の外部から短チューブ930ごと中実柱状部932を折り曲げて破断部933を破断し、中実柱状部932を分離することにより、流路が開通する。
【0097】
筒体931の構成材料としては、例えば、硬質ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエステル等の硬質材料が挙げられる。
【0098】
また、中実柱状部932の図中上方は、くさび形状をなし、その上端部(頂部)934は、幅方向の寸法が筒体931の外径より小さく、チューブ96の内径より大きい寸法とされ、中実柱状部932の破断分離後に中実柱状部932がチューブ96を閉塞しないような構成とするのが好ましい。さらに、図示のごとく、中実柱状部932の上端部934には、血液の流通を促進する溝935を設けてもよい。
【0099】
次に、サンプリングポート71の構成について、図6を参照しつつ説明する。図6は、サンプリングポート71の構成例を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図36の右側を「先端」、左側を「基端」と言う。
【0100】
図6に示すように、サンプリングポート71は、コネクタ本体73と、栓77と、キャップ76とで構成されている。
【0101】
コネクタ本体73の基端部732は、チューブ96の端部に液密に接続されている。
【0102】
このコネクタ本体73の形状は、ほぼ円筒状であり、その外周面には、リブ74が立設されている。
【0103】
また、コネクタ本体73の先端部731には、針管が穿刺可能な栓(栓体)77が嵌入されている。前記針管としては、例えば、減圧採血管用採血器具の穿刺針(両頭針)、注射針等が挙げられる。
【0104】
そして、コネクタ本体73の先端側には、栓77を被包するキャップ76が装着される。なお、コネクタ本体73の先端側の栓77付近に、血液の取り出し口が形成される。
【0105】
コネクタ本体73およびリブ74の構成材料としては、それぞれ、例えば、硬質ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエステル等の硬質材料が挙げられる。
【0106】
また、栓77の構成材料としては、比較的容易に針管を穿刺し得る材料を用いるのが好ましく、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の各種ゴム材料が挙げられる。
【0107】
また、キャップ76の構成材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の各種ゴム材料が挙げられる。
【0108】
図7に示すように、このサンプリングポート71には、例えば、減圧採血管(容器)85のホルダー(減圧採血管用採血器具)82が接続され、このホルダー82と減圧採血管85とにより、採血初流が減圧採血管85に回収される。
【0109】
ここで、減圧採血管85は、採血管本体86と、この採血管本体86に嵌入されているゴム栓87とで構成されている。減圧採血管85内は、真空または減圧状態になっている。
【0110】
ホルダー82は、有底筒状のホルダー本体83と、このホルダー本体83と同心的に設置されている両頭針84とで構成されている。
【0111】
この場合、両頭針84には、雄ねじが形成された部材(ルアーアダプター841)が固着され、ホルダー本体83の底部(図4中左側端部)中央には、前記雄ねじと螺合する雌ねじが形成され、これらを螺合することにより、両頭針84が、ホルダー本体83に対し着脱自在に装着、固定される。
【0112】
なお、両頭針84の図7中左側の長さおよび図7中右側の長さは、それぞれ、栓77およびゴム栓87を十分に刺通できる長さに設定される。
【0113】
また、図示されていないが、両頭針84の、ルアーアダプター841を境とした少なくとも一方側に、それを被包する伸縮自在な(弾性材料の)被包部材が設置されていてもよい。これにより、両頭針84からの血液の漏れを防止することができる。
【0114】
なお、サンプリングポート71の構成は、図示のものに限定されないことは言うまでもない。
【0115】
また、図示の構成では、サンプリングポート71に対しホルダー82が着脱自在に設置されているが、これに限らず、サンプリングポート71に対しホルダー82が固着または連結され、あるいは一体的に形成されていてもよい。この場合には、両頭針84に代わり、ホルダー本体83の内側に突出する針管が用いられることとなる。この針管は、サンプリングポートに対し、固着されているものでも、着脱自在に装着されるものでもよい。
【0116】
次に、図1〜図5および図7に基づき、採血用器具1の作用(採血用器具を用いた血液処理方法)について説明する。
【0117】
図7に示すように、サンプリングポート71のコネクタ本体73からキャップ76を取り外して、サンプリングポート71の栓77にホルダー82の両頭針84を穿刺し、貫通させることにより、ホルダー82をサンプリングポート71に装着する。
【0118】
また、予め、容量規制手段2によりバッグ20の容量を規制しておく。すなわち、バッグ20をその両側部が接近するように丸めるとともに、第1のベルト3の先端部4を第2のベルト7のスリット8に挿入し通過させる。図4に示すバッグ20を用いる場合には、第2のベルト7のスリット8a、8bまたは8cのいずれかを選択し、選択されたスリットに第1のベルト3の先端部4を挿入し通過させる。
【0119】
そして、この採血用器具1の採血バッグ10およびバッグ20を、それぞれ、採血針152を穿刺する部位より低い位置に設置する。
【0120】
次いで、図1に示すように、チューブ91をクレンメ95で圧閉し、その流路を閉塞させる(遮断する)。
【0121】
次いで、ハブ151からキャップ153を取り外し、ドナー(供血者)の静脈(血管)に採血針152を穿刺し、採血針152が静脈を確保していることが確認されたら、ハブ151をテープ等で固定し、クレンメ95を開き、チューブ91のバッグ20への流路を開通(開放)させる。
【0122】
これにより、採血初流(血液)は、採血針152、チューブ15の一部(採血針152から分岐コネクタ92までの部分)、分岐コネクタ92を経て、チューブ91へ流入し、このチューブ91を流れ、容量規制手段2による容量規制状態のバッグ20の収納部23に導入される。この場合、チューブ15の流路は、封止状態の封止部材93により遮断されているので、採血初流は、採血バッグ10側へは流れず、チューブ15から分岐コネクタ92を経てチューブ91に流れ込む。
【0123】
このとき、容量Sがある程度大きいバッグ20を用い、容量規制手段2によりバッグ20の容量を規制した状態で採血初流を導入することにより、バッグ20へ導入される血液の流量(流速)の低下を防止し、血液凝固を防止することができる。また、バッグ20への血液導入量のバラツキを抑制し、流量の安定化を図ることが出きるので、バッグ20への血液の採取量を均一化することができる。
【0124】
また、この採血初流の導入の際は、その前に、チューブ15、91および分岐コネクタ92内の空気が、チューブ91の他端から排出され、バッグ20に回収される。
【0125】
これにより、チューブ15および91内の圧力や、チューブ15および91の内腔の容積は、ほぼ一定に保持され、血液細胞に対し過度の負荷がかかるのを防止することができ、よって、血液に溶血等が生じるのを防止することができる。
【0126】
また、血液が、分岐コネクタ92において、封止部材19側に入り込んで残ってしまうこともない。
【0127】
このようにして、バッグ20に所定量の採血初流を導入(採取)したら、チューブ91をクレンメ95で圧閉し、その流路を閉塞する(遮断する)。
【0128】
次いで、採血バッグ10への採血を開始する。
まず、封止部材19の破断部933を破断して中実柱状部932を分離し、封止部材19内の流路を開通(開放)させる。これにより、採血針152を介して採血された血液は、チューブ15を流れ、採血バッグ10の血液収納部13に導入される。
【0129】
また、この採血バッグ10への採血と並行して、バッグ20内に収納されている血液を減圧採血管85内に回収(サンプリング)する。
【0130】
まず、封止部材93の破断部933を破断して中実柱状部932を分離し、封止部材93内の流路を開通(開放)させる。
【0131】
また、減圧採血管85をホルダー82に挿入して、ホルダー82の最奥部まで押し込み、ホルダー82の両頭針84をゴム栓87に穿刺し、貫通させる。これにより、バッグ20内に収納されている採血初流は、チューブ96を流れ、減圧採血管85内に吸引され、回収される。この減圧採血管85への血液のサンプリング終了後、減圧採血管85をホルダー82から引き抜く。
【0132】
複数本の減圧採血管85へ血液のサンプリングを行う場合には、前述した操作を繰り返す。
【0133】
前記減圧採血管85への血液のサンプリング終了後、サンプリングポート71からホルダー82を取り外し、サンプリングポート71のコネクタ本体73にキャップ76を装着する。
【0134】
なお、サンプリングポート71のコネクタ本体73には栓77が嵌入されているので、この栓77により、血液の漏れ出しを防止することができる。
【0135】
このようなバッグ20から減圧採血管85への血液のサンプリングの際には、バッグ20は、容量規制手段2により容量が規制された状態、規制されていない状態のいずれでもよいが、前者が好ましい。その理由は、バッグ20が容量規制状態であると、バッグ20の内圧が高く維持され、減圧採血管85への血液のサンプリングをより迅速に行なうことができるからである。
【0136】
なお、図4に示す容量規制手段2を備えたバッグ20を用いる場合、バッグ20へ採血初流を導入する際と、バッグ20から減圧採血管85へ血液を移送する際とで、バッグ20の容量の規制の度合いを変えてもよい。特に、バッグ20から減圧採血管85へ血液を移送する際のバッグ20の容量の規制の度合いをより大きいものとすることにより、前記効果がより顕著に得られる。
【0137】
前記採血バッグ10への採血において、血液を採血バッグ10に所定量採血した後、ドナーの血管から採血針152を抜き取り、ハブ151にキャップ153を装着し、必要に応じて、チューブシーラー等により、チューブ91や15を融着により封止し、封止部を切断し、サンプリングポート71側のチューブ91、15を分離、除去する。
【0138】
これにより、採血初流の除去された採血血液が収納された採血バッグ10が得られる。
【0139】
前述したバッグ連結体の場合、この採血バッグ10に収納された採取された血液に遠心分離操作を行って、例えば、赤血球、バフィーコート、血漿のような複数の血液成分に分離し、分離された血液成分を、常法に従って、採血バッグ10に連結された所定の血液成分バッグへ移送する。
【0140】
一方、減圧採血管85内に回収された採血初流は、廃棄されるか、または、例えば、血清の生化学検査、感染症ウィルス(例えば、エイズ、肝炎等)の抗体検査等の各種検査に供することができる。
【0141】
以上説明したように、採血用器具1によれば、採血の際、容易かつ確実に、細菌感染の確率の高い採血初流を除去することができ、これにより、採取された血液やその採取された血液から分離された各血液成分への細菌の混入が防止され、安全性が向上する。
【0142】
なお、バッグ20を有していない場合には、減圧採血管85へ採血初流をサンプリングする際、採血初流が、分岐コネクタ92において、クレンメ16側に入り込んで残ってしまうことがあり、このサンプリングの後に採血バッグ10への採血を行う際、このクレンメ16側に残った採血初流が採血バッグ10内に混入するおそれがある。
【0143】
このようなクレンメ16側への血液の入り込みが生じる主な原因は、次の通りである。前記バッグ20を有していない場合には、採血初流をチューブ91に導入し、減圧採血管85へサンプリングする際、チューブ15、91内の空気の逃げ場がなく、その空気を外部へ排出することができないので、採血針152からサンプリングポート71までのチューブ15および91内を血液で満たすことができず、気液の界面がチューブ15または91の途中で停止する。この状態で、減圧採血管85を装着すると、減圧採血管85とサンプリングポート71とが連通した瞬間に、チューブ15および91内の空気が減圧採血管85内に吸引され、チューブ15および91の流路が急激に減圧状態になる。この回路内の減圧状態を常圧状態に回復するために、血液が回路中に満たされる。その際、クレンメ16側にも血液が入り込むと考えられる。
【0144】
しかし、この採血用器具1では、分岐コネクタ92とサンプリングポート71との間(第2の流路)にバッグ20、特に容量規制手段2により容量が規制されたバッグ20を有しているので、前述したように、チューブ15および91内の空気をバッグ20内に逃がすことができ、このため、血液が、分岐コネクタ92において、クレンメ16側に入り込んで残ってしまうことがなく、よって、確実に、採血初流を除去することができる。
【0145】
また、バッグ20を有していない場合には、減圧採血管85へサンプリングされた血液に溶血が生じることがあり、この溶血により、血清中のナトリウムやカリウムの測定における測定精度が低下するおそれがある。
【0146】
この溶血を生じる主な原因は、次の通りである。前述したように、前記バッグ20を有していない場合には、血液をチューブ91に導入し、減圧採血管85へサンプリングする際、採血針152からサンプリングポート71までのチューブ15および91内を血液で満たすことができない。この状態で、減圧採血管85を装着すると、減圧採血管85とサンプリングポート71とが連通した瞬間に、チューブ15および91内の空気が減圧採血管85内に吸引され、チューブ15および91の流路が急激に減圧状態となる。この際、採血針152の位置や血管の柔らかさ等の要因の複合により、チューブ15および91が潰れ、その流路の断面積が縮小されることと、引圧が比較的大きい(吸引による血液の移動速度が比較的大きい)こととが組み合わさり、サンプリングされた血液中の細胞、特に赤血球に損傷が生じると考えられる。
【0147】
しかし、この採血用器具1では、分岐コネクタ92とサンプリングポート71との間にバッグ20、特に容量規制手段2により容量が規制されたバッグ20を有しているので、前述したように、血液に溶血が生じるのを防止することができる。
【0148】
また、複数の減圧採血管85をホルダー82に付け替えて血液のサンプリングを行うのが通常であるが、バッグ20を有していない場合には、1本目の減圧採血管85では、その減圧採血管85のサンプリング可能量(減圧による吸引でサンプリング可能な最大量)に対して、実際にサンプリングした血液の量(サンプル量)が少なくなってしまう。サンプル量の不足は、検査項目数、検査精度、検査作業性等に悪影響を与えることになる。
【0149】
この主な原因は、前述したように、前記バッグ20を有していない場合には、血液をチューブ91に導入し、減圧採血管85へサンプリングする際、チューブ15、91内の空気の逃げ場がなく、その空気を外部へ排出することができないので、採血針152からサンプリングポート71までのチューブ15および91内を血液で満たすことができず、この状態で、減圧採血管85を装着すると、前記チューブ15、91内の空気が、減圧採血管85内に吸引され、回収されるためである。
【0150】
しかし、この採血用器具1では、前述したように、第2の流路のサンプリングポート71の近傍に血液を一時的に収納するバッグ20を有しており、このバッグ20内に収納されている血液を減圧採血管85へサンプリングするので、1本目の減圧採血管85内にチューブ96内の空気が吸引されたとしてもその量は少なく、このため、1本目の減圧採血管85へサンプリングし得る血液の量(サンプル量)をその減圧採血管85のサンプリング可能量に近づけることができる。
【0151】
また、バッグ20を第2の流路以外の部位に有する場合、例えば、バッグ20を第2の流路から分岐した第3の流路に有する場合には、採血初流をチューブ91に導入し、減圧採血管85へサンプリングする際、流路を切り替えるための操作(流路切替操作)を必要とするが、この採血用器具1では、前述したように、バッグ20が第2の流路に設置されているので、前記流路切替操作が不要であり、このため、前述した採血用器具1を用いた血液処理における操作が容易である。
【0152】
また、採血用器具1では、チューブ91にクレンメ95が装着されているので、採血初流がチューブ91に流れ始める時期を自由に選択することができる。
【0153】
以上、本発明の採血用器具を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限らず、各部の構成は、同様の機能を有する任意のものと置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
【0154】
例えば、封止部材19、クレンメ95、封止部材93は、それぞれ、クレンメ、封止部材、クレンメと置換してもよい。
【0155】
また、チューブ15、91、96の途中または端部に、逆止弁等の各種弁が設置されていてもよい。
【0156】
【実施例】
次に、本発明の採血用器具の具体的実施例について説明する。
【0157】
(実施例1)
図1〜図3、図5〜図7に示す採血用器具1を用意した。バッグ20の容量Sは、50mlとした。この採血用器具を用いて、ドナーに対し採血を行なった。
【0158】
容量規制手段によりバッグ20の容量Sを35mlに規制(S/S=0.70)しつつ、前述した方法により、採血初流を一旦バッグ20内に導入・収納し、この後、血液を採血バッグ10に400ml採取した。その後、容量規制状態のまま、バッグ20内に収納されている採血初流を減圧採血管85に回収(サンプリング)した。なお、サンプリング可能量が10mlの減圧採血管を使用した。
【0159】
(実施例2)
図4に示す容量規制手段を備えた以外は実施例1と同様の採血用器具1を用意した。バッグ20の容量Sは、50mlとした。この採血用器具を用いて、前述した方法により、バッグ20の容量Sを25mlに規制(S/S=0.5)しつつ、採血初流を一旦バッグ20内に収納し、この後、血液を採血バッグ10に400ml採取するとともに、容量規制状態のまま、バッグ20内に収納されている採血初流を減圧採血管85に回収(サンプリング)した。なお、サンプリング可能量が10mlの減圧採血管を使用した。
【0160】
(実施例3)
図4に示す容量規制手段を備えた以外は実施例1と同様の採血用器具1を用意した。バッグ20の容量Sは、50mlとした。この採血用器具を用いて、前述した方法により、バッグ20の容量Sを30mlに規制(S/S=0.6)しつつ、採血初流を一旦バッグ20内に収納し、この後、血液を採血バッグ10に400ml採取するとともに、容量規制状態のまま、バッグ20内に収納されている採血初流を減圧採血管85に回収(サンプリング)した。なお、サンプリング可能量が10mlの減圧採血管を使用した。
【0161】
(実施例4)
図4に示す容量規制手段を備えた以外は実施例1と同様の採血用器具1を用意した。バッグ20の容量Sは、50mlとした。この採血用器具を用いて、前述した方法により、バッグ20の容量Sを40mlに規制(S/S=0.8)しつつ、採血初流を一旦バッグ20内に収納し、この後、血液を採血バッグ10に400ml採取するとともに、バッグ20の容量規制を解除し、その状態でバッグ20内に収納されている採血初流を減圧採血管85に回収(サンプリング)した。なお、サンプリング可能量が10mlの減圧採血管を使用した。
【0162】
(比較例1)
容量規制手段を有していないバッグ20を用いた以外は、実施例1と同様の採血用器具1を用意した。バッグ20の容量Sは、40ml(一定)とした。この採血用器具を用いて、前述した方法により、採血初流を一旦非規制状態のバッグ20内に収納し、この後、血液を採血バッグ10に400ml採取するとともに、バッグ20内に収納されている採血初流を減圧採血管85に回収(サンプリング)した。なお、サンプリング可能量が10mlの減圧採血管を使用した。
【0163】
(比較例2)
バッグ20およびクレンメ95が省略されている以外は、実施例1とほぼ同様の構造の採血用器具を用意した。この採血用器具を用いて、直接、採血初流を減圧採血管85に回収(サンプリング)し、この後、血液を採血バッグ10に400ml採取した。なお、サンプリング可能量が10mlの減圧採血管を使用した。
【0164】
前記実施例1〜4および比較例1、2のいずれの場合も、ドナーに対して、採血1週間前より1回/日、穿刺予定部位に、Yersinia enterocolitica の菌液(リン酸緩衝液懸濁液:濃度100cfu/ml)を綿棒で塗布した。また、採血まで当該穿刺予定部位を洗わなかった。
【0165】
次に、前記実施例1〜4および比較例1において、クレンメ95を開放後、バッグ20に40mlの血液(採血初流)が収納されるまでの時間を測定するとともに、バッグ20に収納された血液(採血初流)に対し、下記の方法で、血液凝固の有無、すなわち血液中のクロット(血液凝固塊)の発生状況を調べた。
【0166】
[1]血液凝固の有無
検査数(ドナー数)50に対し、バッグ20に収納された血液の全量を、フィルター(テルモ社製のアグリガード)に通過させ、このフィルター上に濾別されたクロットの量を顕微鏡を用いてカウントした。そのカウント値の平均値を求め、その大小から血液凝固の程度を次の4段階で評価した。
【0167】
◎:血液凝固なし
○:血液凝固ほとんどなし
△:血液凝固あり
×:血液凝固顕著
【0168】
また、前記実施例1〜4および比較例1、2において、採血バッグに収納、回収された採血血液に対し、下記の細菌培養試験を行った。
【0169】
[2]細菌培養試験
採血バッグ中の血液400mlを混和後に、採血バッグ10の開口部14に操作アダプターを刺し、シリンジおよびそれに装着された針とを用いて、操作アダプターのゴム部から血液を無菌的に約50mlサンプリングし、その血液を培地が収納されているガラス製容器に注入し、培養に供した。
【0170】
検査数(ドナー数)50に対し、培養後、細菌を検出したものの数(細菌検出数)を調べた。なお、培地や、培養の諸条件は、下記の通りである。
【0171】
培地:Brain Heart Infusion w/PAB and CO2,Under Vacuum (Difco 社製)
培地量:50ml
培養温度:25〜30℃
観察期間(培養期間):10日
【0172】
また、前記実施例1〜4および比較例1、2において、減圧採血管85にサンプリングされた血液サンプルの量(平均値)および血液サンプルの溶血の度合い(溶血検出数)を調べた。血液サンプルの溶血の度合いの検査は、次のように行った。
【0173】
[3]溶血の度合いの検査
血液サンプル(ドナー数:50)を血液凝固させた後、3000rpm、10分間の遠心処理にて血清を分離し、その血清の色調を目視観察した。そして、赤色の色調により、下記溶血なし(レベル0)、微溶血(レベル1)および溶血(レベル2)の3ランクで判断した。
【0174】
溶血なし(レベル0):赤色の色調が認められない。
微溶血(レベル1) :わずかに赤色の色調が認められる。
溶血(レベル2) :赤色の色調が認められる。
【0175】
上記微溶血(レベル1)および溶血(レベル2)をそれぞれ「溶血あり」とし、この溶血ありの検出数(溶血検出数)を求めた。
以上の各結果を下記表1に示す。
【0176】
【表1】
Figure 0003723484
【0177】
<結果の考察>
表1に示すように、実施例1〜4では、採血血液から採血初流がほぼ完全に除去され、よって、細菌検出数は0であった。また、回収された採血初流における血液凝固や溶血も極めて少なく、よって、採血初流を検査に供した場合、より正確な検査結果が得られる。
【0178】
これに対し、比較例1では、回収された採血初流において、血液凝固が生じていた。これは、採血初流をバッグ20へ導入する際、その後半、特に終了間際になって、導入される血液の流量(流速)が極端に低下したためであると推定される。また、この流量低下が原因で、分岐コネクタ92付近において血液の停滞が生じ、この停滞した血液とともに僅かな細菌が混入したため、細菌検出数を0とすることはできなかったものと推定される。
【0179】
また、比較例2では、細菌検出数を0とすることはできなかった。これは、次のことが原因であると推定される。減圧採血管へ採血初流をサンプリングする際、チューブ内の空気を外部へ排出することができないので、採血針からサンプリングポートまでのチューブ内を血液で満たすことができない。このため、減圧採血管を装着した直後、減圧状態を常圧状態に回復するために、血液が回路中に満たされる。その際、封止部材19側にも血液が入り込んで残ってしまう場合があり、それが採取された血液中に混入したものと思われ、その結果、細菌検出数を0とすることはできなかった。
【0180】
また、比較例2では、溶血が認められた。すなわち、微溶血(レベル1)が10件あった。これは、比較例2では、採血針からサンプリングポートまでのチューブ内を血液で満たすことができないので、減圧採血管を装着した瞬間に、チューブ内の空気が減圧採血管内に吸引され、チューブ内が減圧状態となり、チューブが潰れ、血液がこのチューブを流れる際、赤血球等に損傷が生じたものと推定される。
【0181】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の採血用器具によれば、第2の流路に血液を一時的に収納する収納部を有しているので、容易かつ確実に、採取された血液から採血初流を除去することができる。これにより、採取された血液やその採取された血液から分離された各血液成分中への細菌の混入が防止され、その安全性が向上する。
【0182】
特に、収納部の容量を規制する容量規制手段を設けたことにより、血液の初流を採取するに際し、血液の導入量を均一化しつつ、血液の流量低下を防止し、血液凝固を防止することができる。その結果、前記細菌の混入防止効果がより一層顕著に発揮される。
【0183】
また、血液をサンプリングする際(検査用の血液を採取する際)、血液に対し過度の負荷がかかるのを防止(例えば、溶血に代表される血中細胞へのダメージを防止)することができ、これにより、血液を良好な状態でサンプリングすることができる。
【0184】
また、血液をサンプリングする際、採取量の減少を抑制することができる。
【0185】
また、収納部が第2の流路に設けられているので、収納部が第2の流路以外の部位に設けられている場合(例えば、収納部が第2の流路から分岐した第3の流路に設けられている場合)に比べ、血液をサンプリングする際(検査用の血液を採取する際)の操作が容易である。
【0186】
このように、サンプリング血液(採血初流)において、血液の凝固や血中細胞へのダメージが少ないので、検査に供された場合に、より正確な検査結果が得られる。
【0187】
また、容量規制手段を袋体に一体的に形成した場合には、部品点数の増加または大幅な増加を伴わず、採血用器具を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の採血用器具の第1実施例を示す平面図である。
【図2】本発明における容量規制手段の構成(容量非規制時)を示す平面図である。
【図3】本発明における容量規制手段の構成(容量規制時)を示す平面図である。
【図4】本発明における他の容量規制手段の構成(容量非規制時)を示す平面図である。
【図5】本発明における封止部材の構成例を示す縦断面図である。
【図6】本発明におけるサンプリングポートの構成例を示す縦断面図である。
【図7】図6に示すサンプリングポートの先端部、減圧採血管およびそのホルダーを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 採血用器具
2 容量規制手段
3 第1のベルト
4 先端部
5 狭幅部
6 底辺
7 第2のベルト
8 スリット
8a、8b、8c スリット
10 採血バッグ
11 バッグ本体
12 シール部
13 血液収納部
14 開口部
15 チューブ
151 ハブ
152 採血針
153 キャップ
16 クレンメ
17 封止部材
18 排出口
19 封止部材
20 バッグ
21 バッグ本体
22 シール部
23 収納部
31 チューブ
32 分岐コネクタ
33 クレンメ
41 フィルター
42 管状体
43 フィルター本体
51 フィルター
52 ベントアダプター
521 突起部
53 アダプターキャップ
531 孔
54 ベントフィルター
55 ベントキャップ
551 突起
61 チューブ
71 サンプリングポート
73 コネクタ本体
731 先端部
732 基端部
74 リブ
76 キャップ
77 栓
82 ホルダー
83 ホルダー本体
84 両頭針
841 ルアーアダプター
85 減圧採血管
86 採血管本体
87 ゴム栓
91 チューブ
92 分岐コネクタ
93 封止部材
930 短チューブ
931 筒体
932 中実柱状部
933 破断部
934 上端部
935 溝
95 クレンメ
96 チューブ

Claims (8)

  1. ドナーより血液を採取する採血針と、
    採取された血液を収納する採血バッグと、
    一端が前記採血バッグに他端が前記採血針にそれぞれ連通し、前記採取された血液を前記採血バッグへ導入する第1の流路と、
    分岐部を介して前記第1の流路から分岐し、血液の取り出し口を有する第2の流路とを有する採血用器具であって、
    前記第2の流路に設けられ、採取された血液を一時的に収納する収納部と、
    前記収納部の形状を規制することによりその容量を規制する容量規制手段とを設け、
    前記容量規制手段は、それによる前記収納部の容量規制を解除または緩和した状態とすることができることを特徴とする採血用器具。
  2. 前記収納部は、可撓性を有する樹脂製シート材で構成された袋体であり、
    前記容量規制手段は、前記袋体の形状を規制することによりその容量を規制するものである請求項1に記載の採血用器具。
  3. 前記容量規制手段は、前記袋体に設置または装着される帯体で構成される請求項2に記載の採血用器具。
  4. 前記容量規制手段は、前記帯体の長さを調節することにより前記袋体の容量規制の程度を調節し得るよう構成されている請求項3に記載の採血用器具。
  5. 前記容量規制手段は、前記袋体の一方の側部に設けられた第1のベルトと、前記袋体の他方の側部に設けられた第2のベルトと、前記第1のベルトと前記第2のベルトとを係合する係合手段とを有する請求項2に記載の採血用器具。
  6. 前記係合手段は、前記第1のベルトに形成された狭幅部と、前記第2のベルトに形成され、前記狭幅部が挿入可能な少なくとも1つのスリットとで構成されている請求項5に記載の採血用器具。
  7. 前記第1のベルトおよび前記第2のベルトは、ぞれぞれ、前記袋体と一体的に形成されている請求項5または6に記載の採血用器具。
  8. 前記第1の流路の前記分岐部と前記採血バッグとの間を遮断し得る第1の流路用封止手段を有する請求項1ないし7のいずれかに記載の採血用器具。
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