JP3722662B2 - 電解生成清浄化水 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体や皮膚を洗浄または殺菌するために使用する電解生成清浄化水に関する。
【0002】
【従来の技術】
電解生成水は、酸性水(電解生成酸性水)や中性水にあっては高い殺菌作用を有することから優れた殺菌水として、また、アルカリ性水(電解生成アルカリ性水)にあっては高い洗浄作用を有することから優れた洗浄水として広い分野で使用されている。例えば、特開平7−118158号公報には、電解生成酸性水を家畜の皮膚疾患治療水として採用することが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、当該電解生成水においては、電解生成酸性水の高い殺菌作用を利用して生体や皮膚の表面、皮膚の損傷患部を殺菌することが考えられ、また、これらの殺菌に先だって、電解生成アルカリ性水の洗浄作用を利用して生体や皮膚の表面、皮膚の損傷患部を洗浄することが考えられる。しかしながら、電解生成酸性水は、一般に動物の赤血球を破壊する溶血性を有することから、皮膚に損傷がある場合には、損傷患部の血液に触れてこの血液を溶解することになり、また、皮膚等の細胞に対してダメージを与える(細胞毒性を有する)おそれがあり、この点からすれば、電解生成酸性水は生体や皮膚を殺菌するための殺菌水としては必ずしも適しているとはいえない。また、電解生成アルカリ性水は電解生成酸性水と同様に、細胞に対してダメージを与えるおそれがあり、この点からすれば、電解生成アルカリ性水は生体や皮膚を洗浄するための洗浄水としては必ずしも適しているとはいえない。
【0004】
従って、本発明の目的は、生体や皮膚を殺菌や洗浄して清浄化するための清浄化水として適した電解生成水(電解生成酸性水、電解生成アルカリ性水)を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、生体、皮膚を洗浄または殺菌するために使用する電解生成清浄化水であって、当該電解生成清浄化水は希薄塩水を被電解水として電解生成されたもので、塩分濃度が0.60重量%〜0.90重量%の範囲の所定の濃度であることを特徴とするものである。
【0006】
本発明に係る電解生成清浄化水は、塩分濃度が0.60重量%〜0.90重量%の範囲にある被電解水を電解して生成されたものであって、塩分濃度が0.60重量%〜0.90重量%の範囲の所定の濃度であるもの、または、塩分濃度が0重量%〜0.60重量%の範囲にある被電解水を電解して生成された電解生成水の塩分濃度を0.60重量%〜0.90重量%の範囲の所定の濃度に調整したものである。
【0007】
また、本発明に係る電解生成清浄化水は、有隔膜電解にて陽極室で生成された酸性水であって殺菌作用を有するもの、または、有隔膜電解にて陰極室で生成されたアルカリ性水であって洗浄作用を有するものである。
【0008】
なお、本発明に係る電解生成清浄化水を生成するための被電解水としては、食塩水を採用することが好ましい。
【0009】
【発明の作用・効果】
希薄塩水を被電解水とする電解生成水は、電解生成酸性水にあっては優れた殺菌作用を有し、かつ、その塩分濃度を適切な範囲の所定の濃度に規定することにより、溶血性が無くまたは極めて低いものとなるとともに、細胞に対するダメージが少なくて、生体や皮膚を殺菌するのに適した清浄化水となる。また、電解生成アルカリ性水にあっては、優れた洗浄作用を有し、かつ、その塩分濃度を適切な範囲に規定することにより、細胞に対するダメージが少なくて、生体や皮膚を洗浄するのに適した清浄化水となる。
【0010】
これらの清浄化水の適切な塩分濃度は、0.60重量%〜0.90重量%の範囲であり、このような塩分濃度の電解生成水(電解生成酸性水、電解生成アルカリ性水)は、塩分濃度が0.60重量%〜0.90重量%の希薄塩水を被電解水として有隔膜電解して、塩分濃度が0.60重量%〜0.90重量%の所定の濃度とすることにより、また、塩分濃度が0重量%〜0.60重量%の範囲にある被電解水を有隔膜電解にて生成された電解生成酸性水、電解生成アルカル性水の塩分濃度を0.60重量%〜0.90重量%の範囲の所定の濃度に調整することにより生成される。
【0011】
【実施例】
(実験1)
本実験では、本発明に係る電解生成清浄化水の一例である電解生成酸性水の人血液に対する溶血性実験を行うもので、溶血性実験の試験液、使用血液、および陽性対照を下記のごとく調製して、下記の試験操作に基づいて行った。
(試験液)
本溶血性実験の試験液としては、塩分濃度が異なる各種の希薄食塩水を被電解水とする各種の塩分濃度の電解生成酸性水、および、蒸留水に食塩を溶解して塩濃度を調整した塩分濃度の異なる各種の食塩水を採用した。
【0012】
なお、電解生成酸性水は有隔膜電解槽の陽極室にて電解生成されたものであって、殺菌作用を有するものである。
(使用血液)
健康な人の血液を採取して脱線維血を調製し、下記の事項を確認して溶血性実験に提供した。すなわち、調製した血液0.2mlを生理食塩水10mlに添加し、70×gで5分間遠沈して上清を採取して、上清の576nmにおける吸光度を測定する。これにより、血液が溶血を起こしていないこと(吸光度0.01以下)を確認した。なお、溶血性実験における溶血率の算出には、陽性対照(完全溶血液)が必要であり、蒸留水10mlに脱線維血を0.2ml添加して完全溶血を起こした液を陽性対照とした。
(試験操作)
試験管中の試験液10に対して脱線維血0.2の割合で添加した後、試験管を栓で密閉して1回だけ転倒して混和し、37℃で1時間、2時間および4時間インキュベーションした後、750×gで5分間遠沈して上清を分取した。分取した上清における酸素化ヘモグロビンの極大吸収540nmまたは576nmでの吸光度を測定した。これとは別に、空試験液および陽性対照の吸光度を測定して、下記の数1に基づいて溶血率を算出した。算出した溶血率の値と塩分濃度の関係を下記の表1に示す。
【0013】
【数1】
【0014】
【表1】
【0015】
(考察)
表1を参照すると明らかなように、各試験液のうちでは塩分濃度が高いほど溶血性が低く、塩分濃度が低くなるにともない溶血性が漸次高くなることが判る。溶血性の点からすれば、塩分濃度が高い試験液ほど洗浄水として適しているが、過剰な塩分濃度の水は刺激性を伴うことから清浄化水としては不適当である。このことから、塩分濃度の上限は0.90重量%であり、下限は0.60重量%である。
【0016】
従って、殺菌作用を有して優れた殺菌水として機能する清浄水は、塩分濃度が0.60重量%〜0.90重量%の範囲にある電解生成酸性水であって、当該電解生成酸性水が生体や皮膚を殺菌する清浄化水として適している。
(実験2)
本実験では、本発明に係る電解生成清浄化水の一例である電解生成酸性水と、電解生成アルカル性水の細胞に対するダメージの程度を知るための実験を行うもので、このダメージ実験に供した試験液は、蒸留水にて調製した濃度0.9重量%の食塩水、水道水、蒸留水、pH2.5で食塩の塩濃度が0.1重量%〜0.9重量%の電解生成酸性水、および、pH11.5で食塩の塩濃度が0.1重量%〜0.9重量%の電解生成アルカリ性水である。
【0017】
また、試験に供した細胞は線維芽細胞であって、一定量の線維芽細胞を採取したシャーレに試験液5mlを注入して37℃で5分間インキュベイトし、これをハンクス5mlで洗浄してハンクスを除去した後、さらに、これに試験液5mlを注入して37℃で5分間インキュベイトし、これをハンクス5mlで洗浄してハンクスを除去したものについて、細胞の生存率を測定した。得られた結果を下記の表2および表3に示す。
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
(考察)
表2および表3を参照すると明らかなように、食塩水、水道水および蒸留水を試験液とする比較実験群では、塩分濃度が高いほど細胞の生存率が高く、同様に、電解生成酸性水および電解生成アルカリ性水についても塩分濃度が高いほど細胞の生存率が高い。細胞の生存率の点からすれば、塩分濃度が高い試験液ほど清浄化水として適しているが、過剰な塩分濃度の水は刺激性を伴うことから清浄化水としては不適当である。このことから、塩分濃度の上限は0.90重量%であり、下限は0.60重量%である。
【0021】
従って、殺菌作用を有して優れた殺菌水として機能する電解生成酸性水、および、洗浄作用を有して優れた洗浄水として機能する電解生成アルカリ性水は、塩分濃度が0.60重量%〜0.90重量%の範囲にある場合には細胞に与えるダメージが少なくて、生体や皮膚を殺菌または洗浄するための清浄化水として適している。
Claims (5)
- 生体、皮膚を洗浄または殺菌するために使用する電解生成清浄化水であって、当該電解生成清浄化水は希薄塩水を被電解水として電解生成されたもので、塩分濃度が0.60重量%〜0.90重量%の範囲の所定の濃度であることを特徴とする電解生成清浄化水。
- 請求項1に記載の電解生成清浄化水は、塩分濃度が0.60重量%〜0.90重量%の範囲にある被電解水を電解して生成されたもので、塩分濃度が0.60重量%〜0.90重量%の範囲の所定の濃度であることを特徴とする電解生成清浄化水。
- 請求項1に記載の電解生成清浄化水は、塩分濃度が0重量%〜0.60重量%の範囲にある被電解水を電解して生成された電解生成水の塩分濃度を0.60重量%〜0.90重量%の範囲の所定の濃度に調整したものであることを特徴とする電解生成清浄化水。
- 請求項1,2または3に記載の電解生成清浄化水は、有隔膜電解にて陽極室で生成された酸性水であって、殺菌作用を有するものであることを特徴とする電解生成清浄化水。
- 請求項1,2または3に記載の電解生成清浄化水は、有隔膜電解にて陰極室で生成されたアルカリ性水であって、洗浄作用を有するものであることを特徴とする電解生成清浄化水。
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