JP3721107B2 - 車椅子における肘掛け装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、患者、要介護老人が歩行に替えて使用する車椅子、取り分けその肘掛け部における工夫に関する。
【０００２】
【従来の技術】
これまでの車椅子にも肘掛けを備えたものがあるが、肘掛け枠（ポール）の上側にレザーでカバーした細目の肘掛け板を固定してある態様のものであり、肘の安定感は殆どなく、ちょっとした弾みで肘を落として脱臼をすることが間々あった。
そのため、運転中、停止時における昇降の際、患者自身はもとより介護者は細心の注意を払う心労が伴った。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、車椅子利用の患者が、肘掛けが安定状態で行え、脱臼等の事故をなくすとともに、介護者に引起こされて座部より立上がる際に患者の自然の動作を利用して肘掛け板を跳ね上げて立上がりに邪魔にならないような車椅子における肘掛け装置を提供するものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、車椅子１の肘掛け枠２に、水平支持部材３を装着する。
そして、その水平支持部材３にヒンジ４を介して反転自在に取り付けた肘掛け板５は、その形状が人体の脇腹回りに倣って内側を斬開曲線状６に膨出形成させて成る、車椅子における肘掛け装置である。
なお図面においては、本発明装置が車椅子の片側の肘掛け枠２に施されている態様が示されているが、真価を発揮するためには、両側の肘掛け枠２に設けることが必要であることは言うまでもない。
【０００５】
【実施例】
図５と図６に本発明を構成する組立要素が示されている。
即ち図５において、３が断面逆さＬ形の板状水平支持部材で、車椅子の肘掛け枠２にその垂直部３ａを外側から当て込んでボルト・ナット７を介して肘掛け枠２に固定してある。
そして５が前記水平支持部材３の水平部３ｂに対しヒンジ４を介して反転自在に取り付けた肘掛け板で、その形状は人体の脇腹回りに倣って内側を斬開曲線状６に膨出形成させて成る。
なお、８は水平支持部材３の上面に張付けるカバーである。
【０００６】
図６においては、基本的構成は図５と同であり、３の水平支持部材が、板状でなく、車椅子の肘掛け枠２に両側から挟着する水平部３ｃを有する抱持金具から成る態様が示されている。
【０００７】
【発明の作用並びに効果】
本発明は以上のように、車椅子１の肘掛け枠２に、水平支持部材３を装着してその水平支持部材３にヒンジ４を介して反転自在に取り付けた肘掛け板５は、その形状が人体の脇腹回りに倣って内側を斬開曲線状６に膨出形成させて成るから（図１、図２、図５、図６）、患者は座している状態で（運転中も停止中も）肘を安定状態に支えられ、弾みをくらって肘を落とすこともなく、脱臼のおそれも解消して安心して身の振りができる（図３）。
【０００８】
そしてその状態から介護者に助けられて、あるいは独力で患者が身を起こそうとすると、脇腹回りに倣った肘掛け板５が、起上がる脇腹から腰骨に掛けて自動的に跳ね挙げられるから、特に肘掛け板５を反転させる動作を不要とし、患者にとっても介護者にとっても手がかからず、労力の節減となる。
なお、再び座ったときには、手動で肘掛け板５を戻す必要のあることはいうまでもない（図２）。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明装置を実施した車椅子の斜視図
【図２】患者が座って肘掛け板５が反転状態にある（これから手動で内側へ戻す状態にある）斜視図
【図３】肘掛け板５に肘を載せた状態の斜視図
【図４】患者が立上がる（引起こされる）状態の斜視図
【図５】本発明を構成する組立要素の分解斜視図
【図６】本発明を構成する別の実施態様の組立要素の分解斜視図
【符号の説明】
１ 車椅子
２ 肘掛け枠
３ 水平支持部材
３ａ 垂直部
３ｂ 水平部
３ｃ 水平部
４ ヒンジ
５ 肘掛け板
６ 斬開曲線状
７ ボルト・ナット
８ カバー

Claims (1)

1. 車椅子（１）の肘掛け枠（２）に、上部に水平部を有する水平支持部材（３）を装着し、
   該水平支持部材（３）の水平部の外側部位に肘掛け板（５）をヒンジ（４）を介して該水平部に載った水平状態から外側に垂れ下がった略垂直状態までの範囲で反転自在となるように取り付けるとともに、
   該肘掛け板（５）の内側を、中間部は人体の脇腹回りに倣う形状とし、前方部は腹部に対して斬開する曲線状（６）とし、先端部は前腹に被らない程度まで膨出した形状とし、
   着座した使用者の立ち上がり動作で水平状態の肘掛け板（５）を自動的に外側へ反転できるようにしたことを特徴とする車椅子における肘掛け装置。

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