JP3719862B2 - インサイジング加工された木材および木材のインサイジング加工方法 - Google Patents

インサイジング加工された木材および木材のインサイジング加工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木材に防腐処理を施す際に、予め該木材の表面に多数の微小孔を形成してなるインサイジング加工された木材および木材のインサイジング加工方法に関するものである。
【0002】
【背景の技術】
従来より、シロアリ、ヒラタキクイムシ等による木材の生物被害を防止するために、防腐防蟻加工が行われている。この防腐防蟻加工の一例として、予め木材の表面に、例えばのみ刃によって適当な間隔でのみ目を切り込んでおき、該のみ目から薬剤を木材内部に浸透させる方法があり、木材の表面に前記のみ目等の微小孔を切り込む加工がインサイジング加工と称されている。例えば、特開昭56−69103号公報には、木材にインサイジング加工を施すための、インサイジング装置について記載されており、該インサイジング装置では、周方向に所定間隔で多数の刃が形成されてなるインサイジング刃物を回転させつつ、前記刃によって木材の表面を切り込み、これによって、木材の表面に前記微小孔を多数形成するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、木材の表面に多数の微小孔を形成する場合、該微小孔から木材内部に薬剤を効果的にしかも深く浸透させるためには、前記微小孔の開口面積、深さ、微小孔の個数(所定面積あたりの個数)等が重要な技術的事項となる。
そこで、本発明は、木材の表面に形成する微小孔の開口面積、深さ、微小孔の個数(所定面積あたりの個数)等の技術的事項の範囲を決定することで、微小孔から木材内部に薬剤を効果的にしかも深く浸透させることができるインサイジング加工された木材および木材のインサイジング加工方法を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のインサイジング加工された木材は、例えば図1に示すように、円板状の胴体部の外周縁部に、押込刃が周方向に一定間隔で形成されてなるインサイジング刃物によって木材の表面に複数の微小孔1を形成したインサイジング加工された木材であって、
前記押込刃は、平行離間する一対の側面を有するとともに所定の幅寸法を有する側面矩形状の矩形状部を備え、この矩形状部の前記一対の側面と直交する側端面が平行であり、この矩形状部の基端部に側面視において前記矩形状部より幅広の部分が形成されており、前記胴体部を回転させながら前記押込刃を木材の表面に前記押込刃の先端から前記矩形状部の途中まで押し込むことによって、木材の表面の一部が押し潰されるように圧縮されて、平行離間する側壁とこの側壁の底部間に形成された底壁とを備えた微小孔1が形成されており、
前記微小孔1は、開口面積が2.0〜20mm2でかつ深さが2〜20mmであり、前記木材の表面の面積900mm2あたり1〜10個形成されていることを特徴としている。
【0006】
前記微小孔1の開口面積を2.0〜20mm2に設定したのは、2.0mm2より小さいと薬剤の木材への浸透量が不十分であり、一方、20mm2を超えると、薬剤の浸透量が必要以上に多くなってしまい、薬剤過多となるからである。
また、前記微小孔1の深さを2〜20mmに設定したのは、2mmより小さいと薬剤の木材への浸透深さが不十分であり、一方、20mmを超えると木材強度を低下させるためである。
さらに、微小孔1を、前記木材の表面の面積900mm2あたり1〜10個形成したのは、1個より少ないと(例えば900mm2あたり0.5個であると)、薬剤の木材Mへの浸透量が不十分であり、一方、10個を超えると、木材強度を低下させたり、薬剤の浸透量が必要以上に多くなってしまい、薬剤過多となり、さらには、微小孔1が多すぎてこれら微小孔を形成するのに手間がかかりすぎるからである。
【0007】
請求項1のインサイジング加工された木材においては、木材Mの表面に、開口面積が2.0〜20mm2でかつ深さが2〜20mmの微小孔1…を、前記木材Mの表面2の面積900mm2あたり1〜10個形成したので、該微小孔1…から木材内部に薬剤が効果的にしかも深く浸透する。
また、微小孔1…の個数(密度)を限定するにあたり、木材Mの表面2の面積900mm2あたり1〜10個としたので、例えば、木材の表面に30mm×30mmの正方形を描くことで、該正方形内の微小孔1…の個数を数えることで、微小孔1…の個数(密度)が適切であるか否かを容易に確認することができる。
【0008】
請求項2のインサイジング加工された木材は、請求項1において、前記微小孔1…を、平面視においてほぼ直線状の孔とし、該直線状の微小孔1…を、その向きを等しくして縦横に所定ピッチP1,P2で配置したものである。
【0009】
請求項2のインサイジング加工された木材においては、微小孔1…を、その向きを等しくして縦横に所定ピッチP1,P2で配置したので、木材Mの表面2に微小孔1…を均一に配置することができ、薬剤が木材Mの内部に均一に浸透するという利点がある。
【0010】
請求項3のインサイジング加工された木材は、請求項2において、前記微小孔1の長さ方向を縦方向、該微小孔の幅方向を横方向とすると、木材Mの表面2に、微小孔1…を縦方向に一定の縦ピッチP1で配置するとともに、横方向に一定の横ピッチP2で配置し、互いに横方向に隣合う微小孔1,1どうしを、縦方向に所定ピッチP3だけずらして配置したものである。
【0011】
請求項3のインサイジング加工された木材においては、前記縦方向に、微小孔1…を一定の縦ピッチP1で配置したので、木材Mの表面2において縦方向には微小孔1…が均一に配置され、また、前記横方向に、微小孔1…を一定の横ピッチP2で配置したので、木材Mの表面2において横方向には微小孔1…が均一に配置され、さらに、互いに横方向に隣合う微小孔1,1どうしを、縦方向に所定ピッチP3だけずらして配置したので、横方向においては、隣合う微小孔1,1が完全に重なることなく異なる位置に配置される。したがって、木材Mの表面2に微小孔1…をより均一に配置することができ、薬剤が木材の内部により均一に浸透するという利点がある。
【0012】
請求項4のインサイジング加工された木材は、請求項2または3において、
前記直線状の微小孔1の長さを5mm〜20mmに設定したものである。
微小孔1の長さをこのように設定したのは、微小孔1の長さが5mmより小さいと、木材内部における薬剤の浸透範囲が小さくなって、薬剤効果が低下するからであり、一方、微小孔の長さが20mmを超えると、木材強度を低下させたり、微小孔1の開口面積が2.0〜20mm2であるので、該微小孔1の幅が1mmより小さくなって、薬剤を微小孔1に注入し難くなるからである。
【0013】
請求項4のインサイジング加工された木材においては、前記直線状の微小孔1の長さを5mm〜20mmに設定したので、薬剤効果を十分に期待できるとともに、微小孔1に薬剤を注入し易くなるという利点がある。
【0014】
請求項5のインサイジング加工された木材は、請求項2〜4のいずれかにおいて、前記直線状の微小孔1を、木材の繊維方向に沿って配置したものである。
【0015】
請求項5のインサイジング加工された木材においては、直線状の微小孔1を、木材の繊維方向に沿って配置したので、押込刃を木材の表面に押込んで直線状の微小孔1を形成する際に、木材の繊維を横に切断することなく、微小孔1を形成することができ、よって、微小孔1の形成に起因する木材強度の低下を抑えることができる。
【0016】
請求項6の木材のインサイジング加工方法は、木材の表面にインサイジング加工を施すことによって、請求項2〜5のいずれかに記載のインサイジング加工された木材を得る木材のインサイジング加工方法であって、例えば、図5および図6に示すように、円板状の胴体部5の外周縁部に、押込刃10が周方向に一定間隔で形成されてなり、前記押込刃10が、平行離間する一対の側面を有するとともに所定の幅寸法L1を有する側面矩形状の矩形状部を備え、この矩形状部の前記一対の側面と直交する側端面が平行であり、この矩形状部の基端部に側面視において前記矩形状部より幅広の部分が形成されたインサイジング刃物を用意し、前記胴体部5を回転させながら前記押込刃を木材の表面に前記押込刃の先端から前記矩形状部の途中まで押し込むことで前記微小孔を形成することを特徴としている。
【0017】
前記押込刃10の所定の幅寸法L1とは、該押込刃10の側面視における短辺の寸法、言い換えれば、押込刃10の厚さ寸法を示している。また、前記押込刃10の先端面が平面とされているとは、該先端面が一つの平面で形成されていることを意味する。したがって、押込刃10の先端面は押込方向に対して直角に形成してもよいし、押込方向に対して所定角度だけ傾斜させて形成してもよい。
【0018】
請求項6の木材のインサイジング加工方法においては、前記押込刃10をその先端面から木材Mの表面に押し込むことで、木材Mの表面の一部が押し潰されるように圧縮されて、該木材Mの表面に前記微小孔1が形成される。このようにして形成された微小孔1は、その長辺側の側壁1a,1aが復元しようと互いに近接する方向に傾斜しても、図7に示すように、側壁1a,1a間に底壁1bによって隙間1cが形成されていることによって側壁1a,1aの復元による微小孔1の閉鎖が防止される。
【0019】
請求項7の木材のインサイジング加工方法は、木材の表面にインサイジング加工を施すことによって、請求項2〜5のいずれかに記載のインサイジング加工された木材を得る木材のインサイジング加工方法であって、例えば図10および図11に示すように、円板状の胴体部5の外周縁部に、押込刃14が周方向に一定間隔で形成されてなり、前記押込刃14が、平行離間する一対の側面を有するとともに所定の幅寸法L1を有する側面矩形状の矩形状部15と該矩形状部15の端面に形成されるとともに先端が尖形状に形成された加圧用尖形部16とを備え、前記矩形状部15の前記一対の側面と直交する側端面が平行であり、この矩形状部の基端部に側面視において前記矩形状部より幅広の部分が形成されたインサイジング刃物を用意し、前記胴体部5を回転させながら前記押込刃14を木材の表面に前記加圧用尖形部16の先端から前記矩形状部15の途中まで押し込むことで前記微小孔1を形成することを特徴としている。
【0020】
前記矩形状部の所定の幅寸法L1とは、矩形状部15の側面視における短辺の寸法、すなわち矩形状部15の厚さ寸法を示している。また、加圧用尖形部16の先端を尖形状に形成する場合、該加圧用尖形部16の先端形状を例えば、正面視において略V字状、略逆V字状、鋸歯形状とすればよく、その先端は鋭角、直角、鈍角のいずれの形状であってもよい。
【0021】
請求項7の木材のインサイジング加工方法においては、前記押込刃14をその加圧用尖形部16から木材Mの表面に押し込むことで、木材Mの表面の一部が押し潰されるように圧縮されて、該木材Mの表面に前記微小孔1が形成される。加圧用尖形部16を木材Mの表面に押し込む際に、該加圧用尖形部Mの先端に力が集中するので、木材Mを圧縮した状態に保持できる程度の圧力を木材Mに容易に加えることができる。したがって、押込後に押込刃14を木材から抜いた際において、図12に示すように、微小孔1の下端1bが復元しようと上方に持ち上がって微小孔1を閉鎖することがない。
しかも、矩形状部15が所定の幅寸法L1を有しているため、上記のようにして形成された微小孔1は、その長辺側の側壁1a,1aが復元しようと互いに近接する方向に傾斜しても、側壁1a,1a間に隙間1cが形成されていることによって側壁1a,1aの復元による微小孔1の閉鎖が防止される。
【0022】
請求項8の木材のインサイジング加工方法は、例えば図13および図14に示すように、請求項7において、前記加圧用尖形部20を、正面形状を略逆V字状に形成するとともに、側面形状を略矩形状に形成したものである。
前記加圧用尖形部20の正面形状を略逆V字状に形成するとは、該加圧用尖形部20を木材Mの表面に押し込むために、その先端側を下方に向けた場合において、略逆V字状になるように形成するという意味である。
【0023】
請求項8の木材のインサイジング加工方法においては、加圧用尖形部20の正面形状を略逆V字状に形成したので、該加圧用尖形部20には、2つの鋭角状の先端20a,20aが形成される。そして、この2つの先端20a,20aで木材Mの表面を押し込むので、1箇所のみに圧力を加える場合に比べて、同じ面積の微小孔を形成する際に、各先端20a,20aで押し潰される木材の面積を小さくできるため、微小孔1の下端の復元をより一層確実に抑えることができる。
さらに、矩形状部19のみならず、加圧用尖形部20の側面形状が略矩形状であるので、押込刃18による押し込みの深さ方向全体に亙って、長辺側の側壁1a,1a間に所定の隙間1cを形成することができ、側壁1a,1aの復元による微小孔1の閉鎖をより一層確実に抑えることができる。
【0024】
請求項9の木材のインサイジング加工方法は、例えば図17および図18に示すように、請求項7において、前記加圧用尖形部24を、正面形状を鋸歯形状に形成するとともに、側面形状を略矩形状に形成したものである。
【0025】
請求項9の木材のインサイジング加工方法においては、加圧用尖形部24の正面形状を鋸歯形状に形成したので、該加圧用尖形部24には、複数の山形状の先端24a,24b,24bが形成される。そして、これら複数の先端24a,24b,24bで木材Mの表面を押し込むので、1箇所のみに圧力を加える場合に比べて、同じ面積の微小孔を形成する際に、各先端24a,24b,24bで押し潰される木材の面積を小さくできるため、微小孔1の下端1bの復元をより一層確実に抑えることができる。
【0026】
請求項10の木材のインサイジング加工方法は、例えば図20および図21に示すように、請求項7において、前記加圧用尖形部28を、正面形状を略台形状または略矩形状に形成するとともに、側面形状を略V字状に形成したものである。
【0027】
請求項10の木材のインサイジング加工方法においては、前記加圧尖形部28の側面形状を略V字状に形成したので、加圧用尖形部28を木材Mの表面に押し込む際に、該加圧用尖形部28の先端に力が集中するので、木材Mを圧縮した状態に保持できる程度の圧力を木材に容易に加えることができる。したがって、押込後に押込刃26を木材Mから抜いた際において、図22に示すように、微小孔1の下端1bが復元しようと上方に持ち上がって微小孔1を閉鎖することがない。
さらに、加圧用尖形部28の正面形状を略台形状に形成すれば、略矩形状に形成した場合に比べて、加圧領域を小さくできて力を集中できるため、この点からも微小孔1の下端1bの復元をより一層確実に抑えることができる。
【0028】
請求項11のインサイジング加工方法は、例えば図23および図24に示すように、請求項7において、前記加圧用尖形部33を、正面形状を略台形状または略矩形状に形成するとともに、側面形状を略逆V字状に形成したものである。
前記加圧用尖形部33の側面形状を略逆V字状に形成するとは、該加圧用尖形部33を木材Mの表面に押し込むために、その先端側を下方に向けた場合において、略逆V字状になるように形成するという意味である。
【0029】
請求項11のインサイジング加工方法においては、加圧用尖形部33の側面形状を略逆V字状に形成したので、該加圧用尖形部33には、2つの鋭角状の先端33a,33aが形成される。そして、この2つの先端33a,33aで木材Mの表面を押し込むので、1箇所のみに圧力を加える場合に比べて、同じ面積の微小孔を形成する際に、各先端で押し潰される木材の面積を小さくできるため、微小孔1の下端1bの復元をより一層確実に抑えることができる。
さらに、加圧用尖形部33の正面形状を略台形状に形成すれば、略矩形状に形成した場合に比べて、加圧領域を小さくできて力を集中できるため、この点からも微小孔1の下端1bの復元をより一層確実に抑えることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係るインサイジングされた木材の表面の一部を示す平面図であり、図1において符号1…は、木材の表面2に形成された微小孔を示す。
前記微小孔1は、後述するインサイジング刃物によって、木材の表面2を押し潰すように圧縮して形成されたものである。微小孔1は平面視において直線状をなしており、その長さは約12mmに設定され、幅は約1mmに設定されている。したがって、該微小孔1の開口面積は、12mm×1mm=12mm2に設定されている。なお、前記微小孔1の大きさは、上記のような値に限定されるものではなく、微小孔1はその長さが5〜20mm、開口面積が2.0〜20mm2の範囲内であれば、どのような値でもよく、微小孔1の幅は、該微小孔1の長さと開口面積によって適宜決定されるものである。
【0031】
また、前記微小孔1…の深さは約15mm程度に設定されているが、該微小孔1…の深さは、これに限ることなく、2〜20mmの範囲であればどのような深さでもよい。
さらに、前記微小孔1…は、図1において破線で正方形形状に囲んでなる、木材の表面2の面積900mm2あたり6個形成されているが、該微小孔1…の数は、これに限ることなく、木材の表面の面積900mm2あたり1〜10個の範囲で形成されていればよい。
【0032】
前記微小孔1…は、その長さ方向を図1において左右に向けて縦横に所定ピッチで配置されている。
すなわち、微小孔1の長さ方向を縦方向、幅方向を横方向とすると、木材の表面2には、微小孔1…が縦方向に一定の縦ピッチP1で配置されるとともに、横方向に一定の横ピッチP2で配置されている。
また、互いに横方向に隣合う微小孔1,1どうしは、縦方向に所定ピッチP3だけずらされて配置されている。さらに、前記木材の繊維方向は前記縦方向と同一であり、したがって、前記微小孔1…は全て木材の繊維方向に沿って形成されている。
なお、本例においては、前記縦ピッチP1は約55mm、横ピッチP2は約5mm、所定ピッチP3は約18mm程度に設定されている。
【0033】
上記のようなインサイジング加工された木材によれば、木材の表面に、開口面積が12mm2でかつ深さが15mmの微小孔を、前記木材の表面の面積900mm2あたり6個形成したので、該微小孔1…から木材内部に薬剤を効果的にしかも深く浸透させることができる。
また、前記縦方向に、微小孔1…を一定の縦ピッチP1で配置したので、木材の表面2において縦方向には微小孔1…が均一に配置され、また、前記横方向に、微小孔1…を一定の横ピッチP2で配置したので、木材の表面2において横方向には微小孔1…が均一に配置され、さらに、互いに横方向に隣合う微小孔1,1どうしを、縦方向に所定ピッチP3だけずらして配置したので、横方向においては、隣合う微小孔1,1が重なることなく異なる位置に配置される。したがって、木材Mの表面2に微小孔1…を均一に配置することができ、よって、薬剤を木材Mの内部により均一に浸透させることができる。
【0034】
さらに、微小孔1の長さが12mm、幅が1mmであるので、該微小孔1に薬剤を注入するのが容易であるとともに、一つの微小孔1からの薬剤の浸透範囲が十分であるので、この点においても、薬剤効果を十分なものとすることができる。
また、直線状の微小孔1…を、木材の繊維方向に沿って形成したので、刃を木材の表面に押込んで直線状の微小孔1…を形成する際に、木材の繊維を横に切断することなく、微小孔1…を形成することができ、よって、微小孔1…の形成に起因する木材強度の低下を抑えることができる。
【0035】
なお、本例では、微小孔1…の木材表面における配置パターンを図1に示すようなものとしたが、これに限ることなく、微小孔1…の配置パターンは図2および図3にそれぞれ示すようなものとしてもよく、これら以外の配置パターンとしてもよい。要は、木材の表面に、開口面積が2.0〜20mm2でかつ深さが2〜20mmの微小孔を、前記木材の表面の面積900mm2あたり1〜10個形成するようにして配置すればよい。
【0036】
次に、上記構成の微小孔1…を木材Mの表面2にインサイジング加工する方法について説明する。
図4は、木材Mの上下の表面に、微小孔1…をインサイジング加工するインサイジング加工装置を示す概略斜視図である。
このインサイジング加工装置は、図示しない駆動機構によって軸回りに回転駆動される上下一対の回転軸R,Rと、各回転軸Rに軸方向に等間隔で取付け固定された円盤状をなすインサイジング刃物3とを備えて構成されており、前記インサイジング刃物3…を回転軸R,Rによって回転させつつ、木材Mを水平方向に移動させることで、木材Mの表面に微小孔1…を形成するものである。
【0037】
前記インサイジング刃物3は、図5に示すように、前記回転軸Rに取付けられる円板状の胴体部5と、この胴体部5の外周縁部に、周方向に一定間隔で形成された押込刃10とを備えて構成されている。
前記押込刃10は、図6に示すように、所定の幅寸法L1を有する側面矩形状のものであり、その先端面は長方形状の平面とされている。
【0038】
そして、上記構成のインサイジング刃物3によって、木材Mの表面に微小孔1…を形成するには、インサイジング刃物3を回転させつつ、その押込刃10…を木材Mの表面に順次押込むことで行う。
このように、押込刃10をその先端面から木材の表面に押し込むことで、木材の表面の一部が押し潰されるように圧縮されて、該木材の表面には、図7(a)、(b)に示すように、微小孔1が形成される。
このようにして形成された微小孔1は、その長辺側の側壁1a,1aが復元しようと互いに近接する方向に傾斜しても、側壁1a,1a間に底壁1bによって隙間1cが形成されているので、側壁1a,1aの復元による微小孔の閉鎖を防止することができる。したがって、該微小孔1…から木材内部に薬剤を効果的にしかも深く浸透させることができる。
【0039】
図8は、前記インサイジング刃物3の変形例を示す正面図である。この図に示すインサイジング刃物3では、押込刃10の上面両端部にそれぞれ面取部10aが形成されており、その他の構成は図5および図6に示すインサイジング刃物3と同様である。
前記面取部10aは、押込刃10の先端面と、両側面との稜線部を断面円弧状に形成してなるものであり、このように面取部10a,10aを形成することによって、押込刃10の前記稜線部におけるカケ等を防止することができるので、インサイジング刃物3の寿命がながくなるという利点がある。
【0040】
図9は、前記インサイジング刃物3の他の変形例を示す正面図である。この図に示すインサイジング刃物3では、押込刃10の先端面が傾斜しており、その他の構成は図5および図6に示すインサイジング刃物3と同様である。
前記押込刃10の先端面である傾斜面10bは、押込刃10の正面視において、一方の縁部から他方の縁部に向かうに従って漸次下方に傾斜している。したがって、押込刃10の先端には鋭角な角部が形成されるので、比較的小さい力で微小孔1を形成することができるという利点がある。
【0041】
上述したように、前記微小孔1…は、インサイジング刃物3によって形成するが、次に示すような、他の各インサイジング刃物によって形成してもよい。
以下、各インサイジング刃物およびそれによって形成された微小孔について説明する。
図10は、インサイジング刃物13を示す正面図である。このインサイジング刃物13は、前記回転軸Rに取付けられる円板状の胴体部5と、この胴体部5の外周縁部に、周方向に一定間隔で形成された押込刃14…とを備えて構成されている。
【0042】
前記押込刃14は、図10および図11に示すように、所定の幅寸法L1を有する側面矩形状の矩形状部15と、該矩形状部15の端面に一体的に形成された加圧用尖形部16とから構成されており、前記加圧用尖形部16は、先端が正面視において山形に尖る尖形状に形成されている。
また、押込刃14の矩形状部15の幅寸法L1と、前記加圧用尖形部16の幅寸法L2とは同一寸法に設定されている。
【0043】
そして、上記構成のインサイジング刃物13によって、木材Mの表面に微小孔1…を形成するには、インサイジング刃物13を回転させつつ、その押込刃14…を木材Mの表面に順次押込むことで行う。
このように、押込刃14をその先端面から木材の表面に押し込むことで、木材の表面の一部が押し潰されるように圧縮されて、該木材の表面には、図12(a)、(b)に示すように、微小孔1が形成される。
このようにして形成された微小孔1は、その長辺側の側壁1a,1aが復元しようと互いに近接する方向に傾斜しても、側壁1a,1a間に底壁1bによって隙間1cが形成されているので、側壁1a,1aの復元による微小孔の閉鎖を防止することができる。
また、加圧用尖形部16を木材Mの表面に押し込む際に、該加圧用尖形部16の先端に力が集中するので、木材Mを圧縮した状態に保持できる程度の圧力を木材に容易に加えることができ、よって、押込後に押込刃14を木材Mから抜いた際において、微小孔1の下端が復元しようと上方に持ち上がって微小孔を閉鎖するのを防止することができる。
さらに、矩形状部15のみならず、加圧用尖形部16の側面形状が略矩形状であるので、押込刃14による押し込みの深さ方向全体に亙って、長辺側の側壁1a,1a間に所定の隙間を形成することができ、側壁1a,1aの復元による微小孔1の閉鎖をより一層確実に抑えることができる。
このように、木材Mの復元力による微小孔1の閉鎖を防止することができるので、該微小孔1…から木材内部に薬剤を効果的にしかも深く浸透させることができる。
【0044】
図13は、インサイジング刃物17を示す正面図である。このインサイジング刃物17は、前記回転軸Rに取付けられる円板状の胴体部5と、この胴体部5の外周縁部に、周方向に一定間隔で形成された押込刃18…とを備えて構成されている。
【0045】
前記押込刃18は、図13および図14に示すように、所定の幅寸法L1を有する側面矩形状の矩形状部19と、該矩形状部19の端面に一体的に形成された加圧用尖形部20とから構成されている。この加圧用尖形部20の正面形状は略逆V字状に形成されており、これによって、該加圧用尖形部20には、2つの鋭角状の先端20a,20aが形成されている。
また、押込刃18の矩形状部19の幅寸法L1と、前記加圧用尖形部20の幅寸法L2とは同一寸法に設定されている。
【0046】
そして、上記構成のインサイジング刃物17を回転させつつ、押込刃18…を木材Mの表面に順次押込むことで木材の表面の一部が押し潰されるように圧縮されて、該木材の表面には、図15(a)、(b)に示すように、微小孔1が形成される。
このようにして形成された微小孔1は、その長辺側の側壁1a,1aが復元しようと互いに近接する方向に傾斜しても、側壁1a,1a間に底壁1bによって隙間1cが形成されているので、側壁1a,1aの復元による微小孔の閉鎖を防止することができる。
また、加圧用尖形部20を木材Mの表面に押し込む際に、該加圧用尖形部20の先端に力が集中するので、木材Mを圧縮した状態に保持できる程度の圧力を木材に容易に加えることができ、よって、押込後に押込刃18を木材Mから抜いた際において、微小孔1の下端が復元しようと上方に持ち上がって微小孔を閉鎖するのを防止することができる。
【0047】
特に、前記加圧用尖形部20には、2つの鋭角状の先端20a,20aが形成されており、この2つの先端20a,20aで木材の表面を押し込むので、1箇所のみに圧力を加える場合に比べて、同じ面積の微小孔を形成する際に、各先端で押し潰される木材の面積を小さくできるため、微小孔の下端の復元をより一層確実に抑えることができる。
さらに、矩形状部19のみならず、加圧用尖形部20の側面形状が略矩形状であるので、押込刃18による押し込みの深さ方向全体に亙って、長辺側の側壁1a,1a間に所定の隙間を形成することができ、側壁1a,1aの復元による微小孔1の閉鎖をより一層確実に抑えることができる。
このように、木材Mの復元力による微小孔1の閉鎖を防止することができるので、該微小孔1…から木材内部に薬剤を効果的にしかも深く浸透させることができる。
【0048】
図16は、前記インサイジング刃物17の変形例を示す正面図である。この図に示すインサイジング刃物17では、押込刃18の先端面、すなわち加圧用尖形部20の先端面が正面視において、円弧状に形成されており、その他の構成は図13に示すインサイジング刃物17と同様である。
前記加圧用尖形部20には、2つの鋭角状の先端20a,20aが形成されている。したがって、このような加圧用尖形部20を備えたインサイジング刃物17においても、前記図13に示すインサイジング刃物17と同様の作用効果を得ることができる。
【0049】
図17は、インサイジング刃物21を示す正面図である。このインサイジング刃物21は、前記回転軸Rに取付けられる円板状の胴体部5と、この胴体部5の外周縁部に、周方向に一定間隔で形成された押込刃22…とを備えて構成されている。
【0050】
前記押込刃22は、図17および図18に示すように、所定の幅寸法L1を有する側面矩形状の矩形状部23と、該矩形状部23の端面に一体的に形成された側面矩形状の加圧用尖形部24とから構成されている。この加圧用尖形部24はその正面形状が鋸歯状に形成されており、これによって、該加圧用尖形部24には、一つの直角上の先端24aと、該先端24aの両脇に形成された二つの鋭角状の先端24bとが形成されている。
また、押込刃22の矩形状部23の幅寸法L1と、前記加圧用尖形部40の幅寸法L2とは同一寸法に設定されている。
【0051】
そして、上記構成のインサイジング刃物21を回転させつつ、押込刃22…を木材Mの表面に順次押込むことで木材の表面の一部が押し潰されるように圧縮されて、該木材の表面には、図19(a)、(b)に示すように、微小孔1が形成される。
したがって、前記インサイジング刃物21では、図13および図14に示したインサイジング刃物17と同様の作用効果を得ることができるとともに、加圧用尖形部24の3つの先端24a,24b,24bで木材の表面を押し込むので、1箇所のみに圧力を加える場合に比べて、同じ面積の微小孔を形成する際に、各先端で押し潰される木材の面積を小さくできるため、微小孔1の下端の復元をより一層確実に抑えることができ、該微小孔1から木材内部に薬剤をより効果的にしかもより深く浸透させることができる。
【0052】
図20は、インサイジング刃物25を示す正面図である。このインサイジング刃物25は、前記回転軸Rに取付けられる円板状の胴体部5と、この胴体部5の外周縁部に、周方向に一定間隔で形成された押込刃26…とを備えて構成されている。
【0053】
前記押込刃26は、図20および図21に示すように、所定の幅寸法L1を有する側面矩形状の矩形状部27と、該矩形状部27の端面に一体的に形成された正面矩形状の加圧用尖形部28とから構成されている。この加圧用尖形部28はその側面形状が略V字状に形成されている。
また、前記加圧用尖形部28の先端の角度は、該加圧用尖形部28の長さをL4とすると、L4/L1=1.2〜1.8程度になるように設定されている。
【0054】
そして、上記構成のインサイジング刃物25を回転させつつ、押込刃26…を木材Mの表面に順次押込むことで木材の表面の一部が押し潰されるように圧縮されて、該木材の表面には、図22(a)、(b)に示すように、微小孔1が形成される。
このようにして形成された微小孔1は、その長辺側の側壁1a,1aが復元しようと互いに近接する方向に傾斜しても、側壁1a,1a間に略V字状をなす底壁1bによって隙間1cが形成されているので、側壁1a,1aの復元による微小孔の閉鎖を防止することができる。
また、前記加圧用尖形部28を木材の表面に押し込む際に、該加圧用尖形部28の先端に力が集中するので、木材Mを圧縮した状態に保持できる程度の圧力を木材に容易に加えることができる。したがって、押込後に押込刃26を木材Mから抜いた際において、微小孔1の下端が復元しようと上方に持ち上がって微小孔を閉鎖するのを防止することができる。
このように、木材Mの復元力による微小孔1の閉鎖を防止することができるので、該微小孔1…から木材内部に薬剤を効果的にしかも深く浸透させることができる。
【0055】
なお、前記インサイジング刃物25では、加圧用尖形部28の正面形状を矩形状にしたが、これに代えて、正面形状を略台形状に形成すれば、略矩形状に形成した場合に比べて、加圧領域を小さくできて力を集中できるため、この点からも微小孔1の下端の復元をより一層確実に抑えることができる。
【0056】
図23は、インサイジング刃物30を示す正面図である。このインサイジング刃物30は、前記回転軸Rに取付けられる円板状の胴体部5と、この胴体部5の外周縁部に、周方向に一定間隔で形成された押込刃31…とを備えて構成されている。
【0057】
前記押込刃31は、図23および図24に示すように、所定の幅寸法L1を有する側面矩形状の矩形状部32と、該矩形状部32の端面に一体的に形成された正面矩形状の加圧用尖形部33とから構成されている。この加圧用尖形部33はその側面形状が略逆V字状に形成されており、これによって、該加圧用尖形部33には、2つの鋭角状の先端33a,33aが形成されている。
また、押込刃31の矩形状部32の幅寸法L1と、前記加圧用尖形部33の幅寸法L2とは同一寸法に設定されている。
【0058】
そして、上記構成のインサイジング刃物30を回転させつつ、押込刃31…を木材Mの表面に順次押込むことで木材の表面の一部が押し潰されるように圧縮されて、該木材の表面には、図25(a)、(b)に示すように、微小孔1が形成される。
このようにして形成された微小孔1は、その長辺側の側壁1a,1aが復元しようと互いに近接する方向に傾斜しても、側壁1a,1a間に略逆V字状をなす底壁1bによって隙間1cが形成されているので、側壁1a,1aの復元による微小孔の閉鎖を防止することができる。
また、前記加圧用尖形部33の2つの先端33a,33aで木材の表面を押し込むので、1箇所のみに圧力を加える場合に比べて、同じ面積の微小孔を形成する際に、各先端で押し潰される木材の面積を小さくできるため、微小孔の下端の復元をより一層確実に抑えることができる。
このように、木材Mの復元力による微小孔1の閉鎖を防止することができるので、該微小孔1…から木材内部に薬剤を効果的にしかも深く浸透させることができる。
【0059】
なお、前記インサイジング刃物30では、加圧用尖形部33の正面形状を矩形状にしたが、これに代えて、正面形状を略台形状に形成すれば、略矩形状に形成した場合に比べて、加圧領域を小さくできて力を集中できるため、この点からも微小孔1の下端の復元をより一層確実に抑えることができる。
【0060】
なお、上記インサイジング刃物3,13,17,21,25,30では、円板状の胴体部5の外周縁部に、それぞれ押込刃10,14,18,22,26,31を周方向に一定間隔で形成したが、インサイジング刃物はこれに限ることなく、例えば直方体状の胴体部の下面に押込刃を所定間隔で形成または取付け、該インサイジング刃物と木材とを相対的に上下動させることで、木材の表面に微小孔を形成するようにしてもよく、さらには押込刃単体で木材の表面に微小孔を形成するようにしてもよい。
また、本発明のインサイジング加工方法に使用する押込刃の形状は、前記押込刃10,14,18,22,26,31の形状に限ることなく、木材の復元力による微小孔の閉鎖を防ぐことができ、これによって、木材内部に十分に薬剤を浸透させることができるような形状であればよい。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1のインサイジング加工された木材によれば、木材の表面に、開口面積が2.0〜20mm2でかつ深さが2〜20mmの微小孔を、前記木材の表面の面積900mm2あたり1〜10個形成したので、該微小孔から木材内部に薬剤を効果的にしかも深く浸透させることができる。
【0062】
請求項2のインサイジング加工された木材によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記微小孔を、平面視においてほぼ直線状の孔とし、該直線状の微小孔を、その向きを等しくして縦横に所定ピッチで配置したので、木材の表面に微小孔を均一に配置することができ、薬剤を木材の内部に均一に浸透させることができる。
【0063】
請求項3のインサイジング加工された木材によれば、請求項2と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記微小孔の長さ方向を縦方向、該微小孔の幅方向を横方向とすると、木材の表面に、微小孔を縦方向に一定の縦ピッチで配置するとともに、横方向に一定の横ピッチで配置し、互いに横方向に隣合う微小孔どうしを、縦方向に所定ピッチだけずらして配置したので、木材の表面において縦方向および横方向には微小孔がそれぞれ均一に配置され、しかも横方向においては、隣合う微小孔が完全に重なることなく異なる位置に配置される。したがって、木材の表面に微小孔をより均一に配置することができ、よって、薬剤を木材の内部により均一に浸透させることができる。
【0064】
請求項4のインサイジング加工された木材によれば、請求項2または3と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、直線状の微小孔の長さを5mm〜20mmに設定したので、各微小孔からの薬剤の浸透範囲が十分なものとなり、薬剤効果を十分に期待できるとともに、微小孔に薬剤を容易かつ確実に注入することができる。
【0065】
請求項5のインサイジング加工された木材によれば、請求項2〜4のいずれかと同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記直線状の微小孔を、木材の繊維方向に沿って配置したので、木材の繊維を横に切断することなく、微小孔を形成することができ、よって、微小孔の形成に起因する木材強度の低下を抑えることができる。
【0066】
請求項6の木材のインサイジング加工方法によれば、所定の幅寸法を有する側面矩形状で、かつ先端面が平面とされた押込刃を用意し、該押込刃を木材の表面に押し込むことによって、木材の表面の一部が押し潰されるように圧縮されて、該木材の表面に前記微小孔が形成される。このようにして形成された微小孔は、その長辺側の側壁が復元しようと互いに近接する方向に傾斜しても、側壁間に隙間が形成されているので、側壁の復元による微小孔の閉鎖を防止することができ、これによって、微小孔から木材内部に薬剤を効果的にしかも深く浸透させることができる。
【0067】
請求項7の木材のインサイジング加工方法によれば、所定の幅寸法を有する側面矩形状の矩形状部と、該矩形状部の端面に形成されるとともに先端が尖形状に形成された加圧用尖形部とを備えた押込刃を用意し、該押込刃を木材の表面に押し込むことによって、木材の表面の一部が押し潰されるように圧縮されて、該木材の表面に前記微小孔が形成される。そして、加圧用尖形部を木材の表面に押し込む際に、該加圧用尖形部の先端に力が集中するので、木材を圧縮した状態に保持できる程度の圧力を木材に容易に加えることができ、よって、押込後に押込刃を木材から抜いた際において、微小孔の下端が復元しようと上方に持ち上がって微小孔を閉鎖するのを防止することができる。
しかも、矩形上部が所定の幅寸法を有しているため、上記のようにして形成された微小孔は、その長辺側の側壁が復元しようと互いに近接する方向に傾斜しても、側壁間に隙間が形成されていることによって側壁の復元による微小孔の閉鎖を防止することができる。
したがって、該微小孔から木材内部に薬剤を効果的にしかも深く浸透させることができる。
【0068】
請求項8の木材のインサイジング加工方法によれば、請求項7と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記加圧用尖形部を、正面形状を略逆V字状に形成するとともに、側面形状を略矩形状に形成したので、該加圧用尖形部には、2つの鋭角状の先端が形成され、この2つの先端で木材の表面を押し込むことにより、1箇所のみに圧力を加える場合に比べて、同じ面積の微小孔を形成する際に、各先端で押し潰される木材の面積を小さくできるため、微小孔の下端の復元をより一層確実に抑えることができる。
さらに、矩形状部のみならず、加圧用尖形部の側面形状が略矩形状であるので、押込刃による押し込みの深さ方向全体に亙って、長辺側の側壁間に所定の隙間を形成することができ、側壁の復元による微小孔の閉鎖をより一層確実に抑えることができる。
【0069】
請求項9の木材のインサイジング加工方法によれば、請求項7と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記加圧用尖形部を、正面形状を鋸歯形状に形成するとともに、側面形状を略矩形状に形成したので、該加圧用尖形部には、複数の山形状の先端が形成され、該複数の先端で木材の表面を押し込むので、1箇所のみに圧力を加える場合に比べて、同じ面積の微小孔を形成する際に、各先端で押し潰される木材の面積を小さくできるため、微小孔の下端の復元をより一層確実に抑えることができる。
【0070】
請求項10の木材のインサイジング加工方法によれば、請求項7と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記加圧用尖形部を、正面形状を略台形状または略矩形状に形成するとともに、側面形状を略V字状に形成したので、加圧用尖形部を木材の表面に押し込む際に、該加圧用尖形部の先端に力が集中するので、木材を圧縮した状態に保持できる程度の圧力を木材に容易に加えることができる。したがって、押込後に押込刃を木材から抜いた際において、微小孔の下端が復元しようと上方に持ち上がって微小孔を閉鎖するのを防止することができ、よって、微小孔から木材内部に薬剤を効果的にしかも深く浸透させることができる。
【0071】
請求項11のインサイジング加工方法によれば、請求項7と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記加圧用尖形部を、正面形状を略台形状または略矩形状に形成するとともに、側面形状を略逆V字状に形成したので、該加圧用尖形部には、2つの鋭角状の先端が形成され、この2つの先端で木材の表面を押し込むので、1箇所のみに圧力を加える場合に比べて、同じ面積の微小孔を形成する際に、各先端で押し潰される木材の面積を小さくできるため、微小孔の下端の復元をより一層確実に抑えることができ、よって、微小孔から木材内部に薬剤を効果的にしかも深く浸透させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインサイジングされた木材の一例を示すもので、該木材の表面の一部を示す平面図である。
【図2】本発明のインサイジングされた木材の表面における微小孔の配置パターンの他の例を示す平面図である。
【図3】本発明のインサイジングされた木材の表面における微小孔の配置パターンの他の例を示す平面図である。
【図4】本発明の木材のインサイジング加工方法を説明するためのもので、木材の表面にインサイジング加工するインサイジング加工装置を示す概略斜視図である。
【図5】同、インサイジング刃物の第1例を示す正面図である。
【図6】同、図5に示すインサイジング刃物の押込刃を示す側面図である。
【図7】同、図6に示す押込刃によって形成された微小孔を示すもので、(a)は微小孔の長手方向に沿う縦断面図、(b)は微小孔の幅方向に沿う縦断面図である。
【図8】同、図5に示すインサイジング刃物の変形例を示す正面図である。
【図9】同、図5に示すインサイジング刃物の他の変形例を示す正面図である。
【図10】同、インサイジング刃物の第2例を示す正面図である。
【図11】同、図10に示すインサイジング刃物の押込刃を示す側面図である。
【図12】同、図11に示す押込刃によって形成された微小孔を示すもので、(a)は微小孔の長手方向に沿う縦断面図、(b)は微小孔の幅方向に沿う縦断面図である。
【図13】同、インサイジング刃物の第3例を示す正面図である。
【図14】同、図13に示すインサイジング刃物の押込刃を示す側面図である。
【図15】同、図14に示す押込刃によって形成された微小孔を示すもので、(a)は微小孔の長手方向に沿う縦断面図、(b)は微小孔の幅方向に沿う縦断面図である。
【図16】同、図13に示すインサイジング刃物の他の変形例を示す正面図である。
【図17】同、インサイジング刃物の第4例を示す正面図である。
【図18】同、図17に示すインサイジング刃物の押込刃を示す側面図である。
【図19】同、図18に示す押込刃によって形成された微小孔を示すもので、(a)は微小孔の長手方向に沿う縦断面図、(b)は微小孔の幅方向に沿う縦断面図である。
【図20】同、インサイジング刃物の第5例を示す正面図である。
【図21】同、図20に示すインサイジング刃物の押込刃を示す側面図である。
【図22】同、図21に示す押込刃によって形成された微小孔を示すもので、(a)は微小孔の長手方向に沿う縦断面図、(b)は微小孔の幅方向に沿う縦断面図である。
【図23】同、インサイジング刃物の第6例を示す正面図である。
【図24】同、図23に示すインサイジング刃物の押込刃を示す側面図である。
【図25】同、図24に示す押込刃によって形成された微小孔を示すもので、(a)は微小孔の長手方向に沿う縦断面図、(b)は微小孔の幅方向に沿う縦断面図である。
【符号の説明】
M 木材
1 微小孔
2 木材の表面
3,13,17,21,25,30 インサイジング刃物
10,14,18,22,26,31 押込刃
15,19,23,27,32 矩形状部
16,20,24,28,33 加圧用尖形部

Claims (11)

  1. 円板状の胴体部の外周縁部に、押込刃が周方向に一定間隔で形成されてなるインサイジング刃物によって木材の表面に複数の微小孔を形成したインサイジング加工された木材であって、
    前記押込刃は、平行離間する一対の側面を有するとともに所定の幅寸法を有する側面矩形状の矩形状部を備え、この矩形状部は、前記一対の側面と直交する側端面が平行であり、この矩形状部の基端部に側面視において前記矩形状部より幅広の部分が形成されており、
    前記胴体部を回転させながら前記押込刃を木材の表面に前記押込刃の先端から前記矩形状部の途中まで押し込むことによって、木材の表面の一部が押し潰されるように圧縮されて、平行離間する側壁とこの側壁の底部間に形成された底壁とを備えた微小孔が形成されており、
    前記微小孔は、開口面積が2.0〜20mm2でかつ深さが2〜20mmであり、前記木材の表面の面積900mm2あたり1〜10個形成されていることを特徴とするインサイジング加工された木材。
  2. 請求項1記載のインサイジング加工された木材において、
    前記微小孔が、平面視において、ほぼ直線状の孔であり、該直線状の微小孔がその向きを等しくして縦横に所定ピッチで配置されていることを特徴とするインサイジング加工された木材。
  3. 請求項2記載のインサイジング加工された木材において、
    前記微小孔の長さ方向を縦方向、該微小孔の幅方向を横方向とすると、木材の表面には、微小孔が縦方向に一定の縦ピッチで配置されるとともに、横方向に一定の横ピッチで配置され、互いに横方向に隣合う微小孔どうしは、縦方向に所定ピッチだけずらされて配置されていることを特徴とするインサイジング加工された木材。
  4. 請求項2または3記載のインサイジング加工された木材において、
    前記直線状の微小孔の長さが5mm〜20mmに設定されていることを特徴とするインサイジング加工された木材。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載のインサイジング加工された木材において、
    前記直線状の微小孔が、木材の繊維方向に沿って配置されていることを特徴とするインサイジング加工された木材。
  6. 木材の表面にインサイジング加工を施すことによって、請求項2〜5のいずれかに記載のインサイジング加工された木材を得る木材のインサイジング加工方法であって、
    円板状の胴体部の外周縁部に、押込刃が周方向に一定間隔で形成されてなり、前記押込刃が、平行離間する一対の側面を有するとともに所定の幅寸法を有する側面矩形状の矩形状部を備え、この矩形状部の前記一対の側面と直交する側端面が平行であり、この矩形状部の基端部に側面視において前記矩形状部より幅広の部分が形成されたインサイジング刃物を用意し、
    前記胴体部を回転させながら前記押込刃を木材の表面に前記押込刃の先端から前記矩形状部の途中まで押し込むことで前記微小孔を形成することを特徴とする木材のインサイジング加工方法。
  7. 木材の表面にインサイジング加工を施すことによって、請求項2〜5のいずれかに記載のインサイジング加工された木材を得る木材のインサイジング加工方法であって、
    円板状の胴体部の外周縁部に、押込刃が周方向に一定間隔で形成されてなり、前記押込刃が、平行離間する一対の側面を有するとともに所定の幅寸法を有する側面矩形状の矩形状部と該矩形状部の端面に形成されるとともに先端が尖形状に形成された加圧用尖形部とを備え、前記矩形状部の前記一対の側面と直交する側端面が平行であり、この矩形状部の基端部に側面視において前記矩形状部より幅広の部分が形成されたインサイジング刃物を用意し、
    前記胴体部を回転させながら前記押込刃を木材の表面に前記加圧用尖形部の先端から前記矩形状部の途中まで押し込むことで前記微小孔を形成することを特徴とする木材のインサイジング加工方法。
  8. 請求項7記載の木材のインサイジング加工方法において、
    前記加圧用尖形部は、正面形状が略逆V字状に形成されているとともに、側面形状が略矩形状に形成されていることを特徴とする木材のインサイジング加工方法。
  9. 請求項7記載の木材のインサイジング加工方法において、
    前記加圧用尖形部は、正面形状が鋸歯形状に形成されているとともに、側面形状が略矩形状に形成されていることを特徴とする木材のインサイジング加工方法。
  10. 請求項7記載の木材のインサイジング加工方法において、
    前記加圧用尖形部は、正面形状が略台形状または略矩形状に形成されているとともに、側面形状が略V字状に形成されていることを特徴とする木材のインサイジング加工方法。
  11. 請求項7記載の木材のインサイジング加工方法において、
    前記加圧用尖形部は、正面形状が略台形状または略矩形状に形成されているとともに、側面形状が略逆V字状に形成されていることを特徴とする木材のインサイジング加工方法。
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