JP3718105B2 - 帳票読取装置および帳票読取方法並びに記憶媒体 - Google Patents

帳票読取装置および帳票読取方法並びに記憶媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォーマットの印刷された帳票上に追加記入される文字や図などを読み取るために、イメージスキャナあるいはファクシミリなどの帳票画像データ取得装置によって得た帳票画像データに対して処理する帳票読取装置および帳票読取方法並びに記憶媒体に関する。
【0002】
文字認識装置(OCR)による自動受注システム(FAX−OCRシステム)は、一般に昼夜を問わず運用され、無人化されているのが普通だが、例えば注文者が注文票を誤って二回ファクシミリ送信を行ってしまった場合など、受信側としてそれをチェックする手段も人間もいない場合は、その受信に従って本来必要のない商品発送が行われてしまう可能性がある。
【0003】
このように、誤操作などにより同一帳票を二度送信するなどして発生するデータの二重受信に対しては、何らかの防御手段が必要である。
【0004】
【従来の技術】
従来例においては、この二重受信を防ぐ手段あるいは検出する手段として、例えば特開平7−85322号に示すように、帳票中に帳票を一意に識別する識別ID(番号など)を印刷し、その識別IDの認識結果により二重受信を判断するものである。
【0005】
この従来例においては、図19に示すように、端末機からのデータ受信時に、番号データ記憶手段が売上げ媒体を発行した媒体発行開始番号と媒体発行終了番号との媒体発行時の番号データを受信して端末機別に記憶しておき、次に端末機からの売上げデータを受信したとき、データ記憶手段に記憶させておいた前回の番号データと、今回の番号データとを比較手段が比較照合し、この比較結果が更新された番号データのときに集計データ制御手段が集計データを更新する。
【0006】
このため、仮に端末機が応答データ未確認のために未返信と誤判定して同一データを再送信しても、上位機種はそのデータ番号を照合確認するため、同一の売上げデータを二重計上しなくなり、信頼性の高い売上げデータの集計管理ができる。
【0007】
また、他の従来例として、特に識別番号を持たなくとも帳票中の文字認識結果が全て一致した場合に二重受信と判断してデータを無効とするもの(特公平7−254961号)などが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来例にあっては、二重受信チェックのとき、識別番号を持たない帳票様式では用いることができない、あるいは、識別番号を持たない帳票で、帳票中の記載内容が同一があり得るケース(例えば同一者が同一内容の注文を再び行った場合)では、従来例による検出では、本来受け付けるべきデータを二重受信と判断して破棄してしまう可能性があるという問題があった。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、例えば記入内容が同じであっても、別な帳票であれば記入された手書きの文字や図は図形的に異なるであろうという点、逆に言えば手書きの文字や図が、図形的に一致するならば紛れもなく同じ帳票であると言える点に着目し、過去に受信した帳票画像データと、新たに受信した帳票画像データの図形的な一致性を判断し、一致と判断された場合は当該受信データは二重受信であるとして破棄することで信頼性の高いデータの二重受信防止を実現することができる帳票読取装置および帳票読取方法並びに記憶媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明は、次のように構成する(図1、参照)。
【0011】
本発明は、帳票画像データ取得装置によって取得された帳票画像データを読取処理する際に、帳票データ登録管理手段14は、受付け処理した既存帳票画像を記録した帳票画像データベースに対してデータを登録またはデータを取得し、比較照合手段15は、画像中の特徴的な図形によりデータを比較照合し相違度を数値化する。判定手段18は、相違度が所定の値と一致するか否かを判定し、二重受信制御手段19は、判定により一致したときは受付帳票画像を破棄する。
【0012】
さらに、比較照合手段15では、画像中の特徴的な図形により位置合わせを行い、一方の帳票画像上の位置をもう一方の画像上の対応する位置に変換する位置変換テーブルを生成し、一方の画像には存在するがもう一方の当該位置には存在しない図形の量を数値化して評価値とする。
【0013】
また、本発明は、帳票画像データに帳票画像を登録するとき、比較照合手段で必要となるデータを予め登録しておき、比較照合手段は、一方の帳票画像上の任意の位置を、もう一方の帳票画像の位置に変換する位置変換テーブルを位置合わせ処理で生成した後に逆方向への位置変換テーブルを位置合わせ処理することなく生成して相違度を求める。
【0014】
また、本発明は、予め帳票レイアウトの雛型となる基準帳票画像および基準帳票画像上の文字あるいは図の追加記入される位置に関する読取位置情報を登録しておき、該読取位置情報と前記比較照合手段15によって得られる既存帳票画像上の読取位置を参照して相違度計算の範囲を読取対象領域内とする。
【0015】
また、本発明は、帳票画像データ取得装置によって取得された帳票画像データを読取処理する帳票読取方法であって、受付け処理した既存帳票画像を記録した帳票画像データベースに対してデータを登録またはデータを取得し、画像中の特徴的な図形によりデータを比較照合し相違度を数値化し、相違度が所定の値と一致するか否かを判定する判定し、判定により一致したときは受付帳票画像を破棄する。
【0016】
さらに、本発明は、帳票画像データ取得装置によって取得された帳票画像データを読取処理する帳票読取装置に用いられるプログラム記憶媒体であって、受付け処理した既存帳票画像を記録した帳票画像データベース4に対してデータを登録またはデータを取得する帳票データ登録管理手段14と、画像中の特徴的な図形によりデータを比較照合し相違度を数値化する比較照合手段15と、相違度が所定の値と一致するか否かを判定する判定手段18と、判定により一致したときは受付帳票画像を破棄する二重受信制御手段19と、を備えたプログラムを格納した記憶媒体よりなる。
【0017】
このような構成を備えた本発明によれば、受付け処理した既存帳票画像を記録した帳票画像データベース4に対してデータを登録またはデータを取得し、画像中の特徴的な図形によりデータを比較照合し相違度を数値化し、相違度が所定の値と一致するか否かを判定し、判定により一致したときは受付帳票画像を破棄するため、記入文字が同じであっても、字形が図形的に異なれば別帳票であると判断するので、偶然同じ記入内容の帳票を連続して送っても二重受信と誤判断しないが、同じ帳票を二度送信した場合は、字形が図形的にも一致するはずなので、二重受信と正しく判断される。
【0018】
また、帳票画像データに帳票画像を登録するとき、比較照合手段で必要となるデータを予め登録しておき、比較照合手段15は、一方の帳票画像上の任意の位置を、もう一方の帳票画像の位置に変換する位置変換テーブルを位置合わせ処理で生成した後に逆方向への位置変換テーブルを位置合わせ処理することなく生成して相違度を求めるため、比較処理時に既存帳票画像の辞書作成を行う必要はなくなるので、処理速度を向上させることができる。
【0019】
さらに、予め帳票レイアウトの雛型となる基準帳票画像および基準帳票画像上の文字あるいは図の追加記入される位置に関する読取位置情報を登録しておき、読取位置情報と比較照合手段によって得られる既存帳票画像上の読取位置を参照して相違度計算の範囲を読取対象領域内とするため、他の部分のノイズや誤差の影響を受けず、また処理量も低減できるので精度および性能をより向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図2は本発明の第1の実施形態を示すハード構成図である。
【0021】
図2において、1は帳票読取装置としての文字認識装置であり、文字認識装置1は、帳票に追加記入された文字または図を読み込み処理する。2は帳票画像データ取得装置であり、帳票画像データ取得装置2は、帳票を画像データ化するイメージスキャナあるいは帳票画像データを受信するファクシミリ受信装置などよりなる。3は補助記憶装置であり、補助記憶装置3には過去に受付処理した既存帳票画像データ、帳票画像データを読取処理するためのプログラムなどが格納される。すなわち、補助記憶装置3内には帳票画像データベース4、プログラム記憶媒体5などが格納される。6は主記憶装置であり、主記憶装置6には読取処理の実行に必要なデータが記憶される。7はプロセッサであり、プロセッサ7は読取処理の実行を行う。既存帳票画像データや読取処理を行うためのプログラムが補助記憶装置3内に記憶されない場合には、外部記憶媒体読取装置8を用いて、外部記憶媒体内に格納される帳票画像データベース9の画像データ10、プログラム記憶媒体11内に格納された読取処理を行うためのプログラム12を読み出す。
【0022】
図3は本発明の第1の実施形態の要部構成図である。
【0023】
図3において、2はイメージスキャナまたはファクシミリ受信装置などの光電変換装置よりなる帳票画像データ取得装置であり、帳票画像データ取得装置2は、帳票13上に追加記入された手書きの文字や図などを読み取る。
【0024】
4,9は補助記憶装置3または外部記憶媒体内に格納される帳票画像データベースであり、帳票画像データベース4,9には過去に受付け処理した既存帳票画像データが格納される。14は帳票データ登録管理手段としての帳票データ登録管理部であり、帳票データ登録管理部14は、帳票画像データベース4,9に対して画像データを登録し、または帳票画像データベース4,9より画像データを取得する。
【0025】
15は比較照合手段としての比較照合部であり、比較照合部15は新たに取得した受付帳票画像に対して、帳票画像データベース4,9の全てまたは一部の既存帳票画像との画像内容の図形的な相違度を評価するために、画像中の特徴的な図形により位置合わせを行い、一方の帳票画像上の位置をもう一方の画像上の対応する位置に変換する位置変換テーブルを生成し、一方の画像には存在するがもう一方の当該位置には存在しない図形の量を数値化して評価値とする。
【0026】
図4に示すように、位置変換テーブル16は、所定サイズのブロックに仕切られている。ブロック内には位置情報(x,y)が格納される。また、比較照合部15は、後述するように、比較照合を行う2つの帳票画像それぞれについて照合辞書17を作成している。
【0027】
18は判定手段としての判定部であり、判定部18は、比較照合部15による評価値を予め用意した値により一致したか否かを判定する。19は二重受信制御手段としての二重受信制御部であり、二重受信制御部19は、判定部18により既存帳票画像と一致しないと判定された場合は、受付帳票画像を新たに帳票画像データベース4,9に登録し文字読取処理を行うが、判定部18により一致しないと判定された場合には受付帳票画像を破棄する。
【0028】
20は文字認識処理部であり、文字認識処理部20は、受付帳票画像を破棄しない場合に、その受付帳票画像を帳票画像データベース4,9に登録するため、文字認識処理を行う。
【0029】
図5は本発明の第1の実施形態の処理手順を示すフローチャートである。
【0030】
図5において、まず、ステップS1でまずイメージスキャナあるいはファクシミリ受信装置などの帳票画像データ取得装置21によって新たにシステム外より帳票画像データ(以後、受付帳票画像と呼ぶ)を取得する。
【0031】
次にステップS2で既に受信した帳票画像データの帳票画像データベース4,9より、後述の比較照合処理を未だ行っていない帳票1枚分の帳票画像データ(以後、既存帳票画像と呼ぶ)を選択してデータを得る。次にステップ3ではステップS2で得た既存帳票画像と、ステップS1で得た受付帳票画像とを、比較照合処理し、図形的な不一致性を数値化し、当該既存帳票画像と受付帳票画像との相違度として記録する。
【0032】
次にステップS4で既存の帳票画像データベース4,9の全てについて相違度を求めたか否かを判定し、求めているならステップS5を行い、未処理のデータがあればステップS2へ戻る。
【0033】
この段階で、全ての既存帳票画像と受付帳票画像との相違度は算出済みである。ここで、予め定めた相違度のボーダー値と、各既存帳票画像と受付帳票画像データとの相違度を比較し、ボーダー値より小さい相違度を持つ既存帳票画像の数をカウントする。なおボーダー値は運用前のテストによって最適な値を予め設定しておくものとする。
【0034】
次に、ステップS6ではステップS5で求めたカウント値が0か否かを判定し、0なら受付帳票画像は新規に受け付けるべきものとしてステップS7を行う。カウント値が1以上なら受付票画像は既に受け付けているものとしてステップS10を行う。
【0035】
次に、ステップS7で受付帳票画像およびその管理に必要な諸情報(帳票レイアウトのIDなど)を既存の帳票画像データベース4,9に登録する。
【0036】
次に、ステップS8で受付帳票画像を、文字認識処理部20に渡し文字認識処理を行う。
【0037】
次に、ステップS9で次の帳票画像データの取得を待つ。
【0038】
次に、ステップS10で受付帳票画像の帳票情報は二重受信であるとして、受付帳票画像を破棄する。
【0039】
ここで、ステップS3では、データを図形的に比較照合し、その図形的な相違度を数値化し記録するが、図6に示すように、帳票読取装置向けに設計されている帳票については、ステップS3の処理を簡単に実現することができる。
【0040】
すなわち、帳票読取装置向けに設計された帳票には図6に示すような位置合わせ用のマーク21が3点以上付けられていることがある。このような帳票を読み取る場合は、比較する2つの帳票画像について、それぞれ3点以上のマーク21の位置を帳票画像上から求め、その位置関係からアフィン変換により位置変換テーブルを求め、位置変換テーブルに従って一方の帳票画像に存在するが、もう一方の帳票画像の当該位置には存在しない黒画素の数をカウントして相違度とする。
【0041】
こうして、比較照合を簡単に行うことができる。
【0042】
次に、図6のようなマーク21の存在しない帳票を読み取る場合、あるいは局所的なひずみなどのある帳票画像を処理する場合を説明する。
【0043】
図7は、本発明の処理手順のうち図5で説明したステップS3で行う2つの画像データ(受付帳票画像と既存帳票画像)の比較照合処理に関する手順を示す。
【0044】
ここでは、2つの画像データについて一方を帳票画像A、もう一方を帳票画像Bと呼ぶことにする。
【0045】
一般にプレ印刷レイアウトは同じであっても、別々な機会に得た画像情報はそのプレ印刷の画像上の位置は様々な要因(単純の位置変化、伸縮、傾き、ノイズなど)により異なる。したがって2枚の画像の内容を図形的に比較するためには、これらの変化を吸収し且つ実際の絵柄の違いは検出しなければならない。
【0046】
図7において、ステップS11で帳票画像Aをプレ印刷情報と見なして、既発明の照合技術により位置合わせおよびプレ印刷除去の処理のための辞書データを作成する。記入内容は同じだが別帳票である帳票画像を図8に示す。図8の上段(A)を帳票画像Aとし、図8の下段(B)を帳票画像Bとする。上段および下段は記入内容が同じ帳票画像である。しかし、記入位置が上段と下段ではずれている。
【0047】
次に、ステップS12では、ステップS11で作成した辞書データを用い、帳票画像Bに対して既発明の照合技術により、位置合わせを行い、帳票画像A上の任意の位置を帳票画像B上の位置に変換する位置変換テーブルが生成され、その位置変換テーブルを参照して、帳票画像A上にある図形を帳票画像B上から除去する。これにより帳票画像Bに存在するが帳票画像Aの当該箇所に存在しない図形が画像として得られる。
【0048】
こうして得られた差分画像(B−A)は、図9(A)に示される。
【0049】
次に、ステップS13ではステップS12で得た差分B−A画像の黒画素数をカウントして記録する。
【0050】
次に、ステップS14で帳票画像Bを辞書側データとしてステップS11と同様にプレ印刷除去のための辞書データを作成する。
【0051】
次に、ステップS15ではステップS14で得た辞書データを用いて、ステップS12と同様に帳票画像Aに対してプレ印刷除去処理を行い、帳票画像Aには存在するが帳票画像Bの当該箇所には存在しない図形の画像を得る。
【0052】
こうして得られた差分画像(A−B)は図9(B)に示される。
【0053】
次に、ステップS16ではステップS15で得た差分A−B画像の黒画素数をカウントして記録する。
【0054】
次に、ステップS17では、ステップS13およびステップS16でそれぞれ得た差分黒画素数の和を求め、帳票画像Aと帳票画像Bの平均画像面積で割った値を相違度として記録する。
【0055】
例えば、差分A−B画像の黒画素数をd(A−B)、差分B−A画像の黒画素数をd(B−A)、帳票画像Aのサイズを(水平Ax×垂直Ay)、帳票画像Bのサイズを(水平B×垂直By)とすれば、帳票画像Aと帳票画像Bの平均画像面積
AREA=(Ax×Ay+Bx×By)/2で求め、相違度diff=(d(A−B)+d(B−A))/AREAとする。
【0056】
このように、本実施形態においては、記入文字が同じであっても、字形が図形的に異なれば別帳票であると判断するため、偶然同じ記入内容の帳票を連続して送っても二重受信と誤判断しないが、同じ帳票を二度送信した場合は、字形が図形的にも一致するはずなので、二重受信と正しく判断される。
【0057】
また図など、文字認識の対象でない図柄もチェックの対象として二重受信検出可能である。
【0058】
図10は本発明の第2の実施形態を示す要部構成図である。
【0059】
図10において、図3の比較照合部15の代りに、第2の比較照合部15Aを設けている。
【0060】
本発明の第1の実施形態においては、図7のステップS11およびステップS14で比較照合を行う2つの帳票画像それぞれについて照合辞書17を作成しているが、例えば帳票画像Aを既存帳票画像、帳票画像Bを取得帳票画像と定めれば、予め既存帳票画像に関しては、図5のステップS7で既存の帳票画像データベース4,9に登録する際に図7のステップS11の照合辞書作成を行いその辞書データも共に登録する。このようにすれば比較処理時に既存帳票画像の辞書作成を行う必要はなくなるため処理速度が向上する。
【0061】
第2の比較照合部15Aは、帳票画像データベース4,9に帳票画像を登録する際、図3の比較照合手段で必要となるデータを予め求め、そのデータも帳票画像データベース4,9に登録し、2つの帳票画像の相違度を求める際、一方の帳票画像上の任意の位置を、もう一方の帳票画像の位置に変換する位置変換テーブルを位置合わせ処理を行うことで生成した後、当該位置変換テーブルを参照することにより、逆方向への位置変換テーブルを位置合わせ処理を行うことなく生成して得た2つの位置変換テーブルを参照して差分画像生成することで相違度を求める。
【0062】
したがって、第2の比較照合部15Aでは照合辞書17も帳票画像Bについて一方のみ作成すれば良いことになる。
【0063】
図11は本発明の第2の実施形態の処理手順を示すフローチャートである。第1の実施形態と異なるステップS3AおよびステップS7Aのみを説明し、他のステップの説明を省略する。
【0064】
ステップS3Aでは、今回のデータと既存データを図形的に比較照合し、その図形的な相違度を数値化し記録するが、ここでは既存帳票画像の位置作成を行う必要がなくなる。さらに、逆方向への位置変換テーブルを位置合わせ処理することなく生成して、相違度を求める。
【0065】
ステップS7Aでは、今回受信データを新規として画像データベース4,9に登録するが、既存帳票画像については、ここで照合辞書を作成し、その辞書データも登録しておく。
【0066】
図12は帳票画像Aを基準として帳票画像Bとの差分を取るための第2の比較照合処理手段15Aを更に詳細に解説した図である。
【0067】
まず、ステップS21で帳票画像Aと帳票画像Bとの位置合わせの基準となる位置を、予め辞書作成時に自動的に求めた特徴的な図柄の箇所を探索することを行う。これにより帳票画像A上の幾つかの特徴的な位置についてのみ帳票画像B上の位置に変換する粗い精度の位置変換テーブルが生成される。
【0068】
次に、ステップS22ではステップS21で求めた位置合わせの基準点から、詳細に位置合わせを帳票画像全面に渡って行う。これにより帳票画像A上の任意の位置を帳票画像B上の位置に変換する位置変換テーブルが生成される。
【0069】
次に、ステップS23ではステップS22で生成された位置変換テーブルを用いて、帳票画像A上の黒画素の位置に対応する帳票画像B上の位置を白にすることで、帳票画像Bには存在するが帳票画像Aには存在しない黒画素の差分画像を得る。
【0070】
ステップS22の結果生成される位置変換テーブルは図13に示すように帳票画像Aを固定サイズのブロックで区切り、各ブロック内の基準箇所(例えば左上角点)が、帳票画像B上のどの位置と対応するかの情報を保持している。以後この方向の位置変換テーブル(A→B)と呼び、逆方向の位置変換テーブル(B→A)は以下の手順で作成できることを示す。
【0071】
帳票画像Bも同サイズのブロックで区切り、帳票画像Aのブロック同様に左上角点を基準位置とする。この帳票画像Bのブロックを図14に示す。
【0072】
図15(A)は帳票画像Aのブロックの拡大図、図15(B)は帳票画像Bのブロックの拡大図である。
【0073】
図15(A)は、帳票画像Aのブロックの一部を注目したもので、Paは注目ブロックの基準位置で座標を(Pax,Pay)とする。
【0074】
図15(B)は、帳票画像Bを同サイズのブロックで、図13の帳票画像Aのブロックに対応する付近であり、PbはPaに対応する位置である(座標を(Pbx,Pby)とする)。また、Pbを含むブロックの基準位置Qbは座標を(Qbx,Qby)とする。
【0075】
位置変換テーブル(A→B)を使えば適当な2点の対応関係から伸縮率を求めることができる。このようにして求めた水平方向伸縮率をx#scale,垂直方向伸縮率をy#scaleとする。
【0076】
帳票画像Bの各ブロックの基準位置Qbに対応する帳票画像Aの位置Qaは、以下の計算式により推定位置を求めることができる。
【0077】
Qax=Pax+x#scale(Qbx−Pbx)
Qay=Pay+y#scale(Qby−Pby)
これにより、逆方向の位置変換テーブル(B→A)は、帳票画像Aを基準として位置合わせを行うことなく、変換テーブルを作成することができる。
【0078】
このように、本発明の第2の実施形態では、前記第1の実施形態に加えて、比較照合処理の処理量を大幅に削減することができる。
【0079】
図16は本発明の第3の実施形態を示す要部構成図である。
【0080】
図16において、予め帳票レイアウトの雛型となる基準帳票画像を帳票画像データベース4,9に予め登録しておき、また基準帳票画像上の文字あるいは図の追加記入される位置に関する読取位置情報も帳票が画像データベース4,9に登録しておく。
【0081】
図3の比較照合部15に代えて第3の比較照合部15Bが設けられ、第3の比較照合部15Bでは、読取位置情報と得られる既存帳票画像上の読取位置を参照して、受付帳票画像と既存帳票画像の相違度算出対象を、読取周辺内におさめることにより高精度に比較照合を行うようにしている。
【0082】
すなわち、図17に示すような帳票レイアウトの雛型を基準帳票画像として登録し、A,B,Cで示すような位置情報も登録する。
【0083】
図18は本発明の第3の実施形態の処理手順を示すフローチャートである。
【0084】
図18において、ステップS0では、予めシステムが処理すべき帳票レイアウトの雛型を基準帳票画像として登録しておく(図17、参照)。
【0085】
ステップS3Bでは今回のデータと既存データを図形的に比較照合し、その図形的な相違度を数値化し記録するが、ここではまた受付帳票画像上の読取対象位置を知ることができ、受付帳票画像と既存帳票画像の相違度算出対象を読取位置周辺内におさめることができる。
【0086】
ステップS7Bでは、帳票画像データベース4,9に登録する際は、基準帳票画像と登録すべき帳票画像について比較照合処理を行い、登録すべき帳票画像上の文字読取位置を得て、この位置情報も帳票画像データベース4,9に登録する。
【0087】
なお一般に文字認識システムでは、与えられた画像上の文字を読むべき場所を探索する処理を持っているので、ステップS7Bで比較照合処理を行わずに、文字認識処理の途中あるいは終了後に位置情報をもらうようにしてもよい。これにより帳票画像データベース4,9の各既存帳票画像上での読取対象領域が特定可能になる。
【0088】
次に、受付帳票画像の二重受信チェックを行う際に、ステップS3Bにおいて既存帳票画像と受付帳票画像の位置の対応付けが行われるのであるから、受付帳票画像上の読取対象位置も知ることができる。
【0089】
したがって、本実施形態では、これらの読取対象領域の位置情報を参照して、相違度計算の範囲を読取対象領域内に限定するので、他の部分のノイズや誤差の影響を受けず、また処理量も低減できるので、精度および性能をより向上させることができる。
【0090】
なお、その他のステップについては、前記と同様であり説明を省略する。
【0091】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、受付け処理した既存帳票画像を記録した帳票画像データベースに対してデータを登録またはデータを取得し、画像中の特徴的な図形によりデータを比較照合し相違度を数値化し、相違度が所定の値と一致するか否かを判定し、判定により一致したときは受付帳票画像を破棄するため、記入文字が同じであっても、字形が図形的に異なれば別帳票であると判断するので、偶然同じ記入内容の帳票を連続して送っても二重受信と誤判断しないが、同じ帳票を二度送信した場合は、字形が図形的にも一致するはずなので、二重受信と正しく判断される。
【0092】
また、帳票画像データに帳票画像を登録するとき、比較照合手段で必要となるデータを予め登録しておき、比較照合手段は、一方の帳票画像上の任意の位置を、もう一方の帳票画像の位置に変換する位置変換テーブルを位置合わせ処理で生成した後に逆方向への位置変換テーブルを位置合わせ処理することなく生成して相違度を求めるため、比較処理時に既存帳票画像の辞書作成を行う必要はなくなるため処理速度を向上させることができる。
【0093】
さらに、予め帳票レイアウトの雛型となる基準帳票画像および基準帳票画像上の文字あるいは図の追加記入される位置に関する読取位置情報を登録しておき、読取位置情報と比較照合手段によって得られる既存帳票画像上の読取位置を参照して相違度計算の範囲を読取対象領域内とするため、他の部分のノイズや誤差の影響を受けず、また処理量も低減できるので精度および性能をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図
【図2】本発明の第1の実施形態を示すハード構成図
【図3】本発明の第1の実施形態を示す要部構成図
【図4】位置変換テーブルの例を示す図
【図5】本発明の第1の実施形態の処理手順を示すフローチャート
【図6】マーク付帳票の例を示す図
【図7】比較照合処理を示すフローチャート
【図8】記入内容が同じ帳票画像を示す図
【図9】差分画像を示す図
【図10】本発明の第2の実施形態を示す要部構成図
【図11】本発明の第2の実施形態の処理手順を示すフローチャート
【図12】位置合わせ処理を示すフローチャート
【図13】帳票画像Aのブロックを示す図
【図14】帳票画像Bのブロックを示す図
【図15】帳票画像ブロックの拡大図
【図16】本発明の第3の実施形態を示す要部構成図
【図17】雛型となる帳票を示す図
【図18】本発明の第3の実施形態の処理手順を示すフローチャート
【図19】従来例を示す図
【符号の説明】
1:文字認識装置(帳票読取装置)
2:帳票画像データ取得装置
3:補助記憶装置
4,9:帳票画像データベース
5,11:プログラム記憶媒体
6:主記憶装置
7:プロセッサ
8:外部記憶媒体読取装置
10:画像データ
12:プログラム
13:帳票
14:帳票データ登録管理手段(帳票データ登録管理部)
15:比較照合手段(比較照合部)
15A:第2の比較照合部
15B:第3の比較照合部
16:位置変換テーブル
17:照合辞書
18:判定手段(判定部)
19:二重受信制御手段(二重受信制御部)
20:文字認識処理部
21:マーク

Claims (5)

  1. 帳票画像データを記録する帳票画像データベースと、
    帳票画像データを受け付け前記帳票画像データベースに記録した帳票画像データと、
    該帳票画像データ内の特徴的な図形により位置合わせを行い、一方の帳票画像データ上の位置を他方の帳票画像データ上の対応する位置に変換する位置変換テーブルを生成する位置変換テーブル生成手段と、
    前記位置変換テーブル生成手段で生成した位置変換テーブルを用いて一方には存在するが他方には存在しない帳票画像データの図形の量を数値化する比較照合手段と、
    前記比較照合手段で数値化した値が所定の値と一致するか判定する判定手段と、
    前記判定手段で一致すると判定したときは受け付けた帳票画像データを破棄する二重受信制御手段と、
    を備えたことを特徴とする帳票読取装置。
  2. 前記判定手段で一致しないと判定したときは受け付けた帳票画像データを前記帳票像データベースに登録する登録手段
    を更に備えることを特徴とする請求項1記載の帳票読取装置。
  3. 前記比較照合手段は、前記位置変換テーブル生成手段で生成した位置変換テーブルを用い、予め登録された基準帳票画像および読取対象位置情報に基づき、該読取対象位置において、一方には存在するが他方には存在しない帳票画像データの図形の量を数値化することを特徴とする請求項1記載の帳票読取装置。
  4. 帳票読み取り装置が、
    帳票画像データを受け付け、帳票画像データを記録する帳票画像データベースに記録された帳票画像データと、該帳票画像データ内の特徴的な図形により位置合わせを行い、一方の帳票画像データ上の位置を他方の帳票画像データ上の対応する位置に変換する位置変換テーブルを生成する位置変換テーブル生成ステップと、
    前記位置変換テーブル生成ステップで生成した位置変換テーブルを用いて一方には存在するが他方には存在しない帳票画像データの図形の量を数値化する比較照合ステップと、
    前記比較照合ステップで数値化した値が所定の値と一致するか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップで一致すると判定したときは受け付けた帳票画像データを破棄する二重受信制御ステップと、
    を実行することを特徴とする帳票読取方法。
  5. 帳票読み取り装置に、
    帳票画像データを受け付け、帳票画像データを記録する帳票画像データベースに記録された帳票画像データと、該帳票画像データ内の特徴的な図形により位置合わせを行い、一方の帳票画像データ上の位置を他方の帳票画像データ上の対応する位置に変換する位置変換テーブルを生成する位置変換テーブル生成ステップと、
    前記位置変換テーブル生成ステップで生成した位置変換テーブルを用いて、一方には存在するが他方には存在しない帳票画像データの量を数値化する比較照合ステップと、
    前記比較照合ステップで数直化した値が所定の値と一致するか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップで一致すると判定したときは受け付けた帳票データを破棄する二重受信制御ステップと、
    を実行させることを特徴とする帳票読取プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
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