JP3717749B2 - Light oil composition - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は硫黄分含有量の少ない軽油組成物に関するものであり、より詳しくはディーゼル排出ガス中のパティキュレート量をエンジンの全負荷範囲で大幅に低減させることが可能な軽油組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル排出ガスに含まる成分としては、主に窒素酸化物(以降NOxと表示)と粒子状物質(以降PMと表示)が問題視されている。
NOxは主に空気中の窒素がエンジン内で酸素と反応し生成する物質であり、これにはNOやNO2等が含まれる。PMは排出ガス中の微粒子であり、燃焼によるすす(煤)や燃料または潤滑油に含まれる高沸点、高分子の未燃焼成分が排出されたものである。これらの物質は大気汚染や酸性雨の原因となっており、早急な低減対策が求められている。また最近ではホルムアルデヒド、アセトアルデヒドを含むアルデヒドも人体の健康への悪影響や臭気面から注目されている。
【0003】
平成9年10月以降、ディーゼルエンジンの燃料として使用されている軽油は、自動車へのSOF触媒(有機溶剤可溶分酸化触媒)およびNOx還元触媒等の後処理装置搭載を前提として、その硫黄分含有量が500質量ppm以下に下げられている。しかし、これらの後処理装置は、その効率が低いことや耐久性等の問題があり、実用化されているものは非常に少ないのが現状である。
現在、市場には最新の排出ガス低減対策を施した車両が投入されつつあるが、既販車との置き換わりにも多くの時間を必要としているため、その根本的な解決には至っていない。
また、2003年以降は更に厳しい排出ガス規制が導入される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、2003年以降の厳しい排出ガス規制が実施されることから、また市場に最新の排出ガス低減技術を施した車両が普及するまでには多大な時間を要することからも、排出ガスの低減には、燃料の品質を向上させることが即効性が高く、非常に有効であると考えられる。そして燃料としては、既存のディーゼル車に有効なだけでなく、DPF装着などの排出ガス対策が進んだ車両に対しても有効な燃料が求められている。
排出ガス低減のための燃料の改良方法としては幾つか考えられるが、含酸素化合物を配合した燃料はエンジン部材等への悪影響も懸念され、本格的な使用には多くの問題を解決しなければならない。
従って、本発明の目的は、ディーゼル排出ガスに含まれるパティキュレートの排出をエンジンの全負荷範囲で大幅に低減させることが可能な軽油組成物を提供することにある。特にDPF装着車に対しても排出ガスの低減(中でもPM濃度低減)に有効な軽油組成物を提供することでもある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、セタン指数が45以上、初留点が135〜180℃、10容量%留出温度が155〜210℃、30容量%留出温度が175〜250℃、70容量%留出温度が220〜300℃、90容量%留出温度が325℃以下、蒸留終点が355℃以下、飽和分含有量が60〜95容量%、オレフィン分含有量が0〜5容量%、硫黄分含有量が300質量ppm以下、そして30℃における動粘度が1.7mm2/s以上であり、そして二環以上の芳香族化合物の含有量が3容量%以下、三環以上の芳香族化合物の含有量が1容量%以下である軽油組成物にある。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の軽油組成物のセタン指数は45以上である。セタン指数が45に満たない場合には、排出ガス中のNOx、PM、アルデヒドの各濃度が高くなる恐れがある。本発明では、そのセタン指数は、47以上であることが好ましく、48以上であることがより好ましく、50以上であることが最も好ましい。
【0007】
ここで、セタン指数とは、JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」の「8.4変数方程式を用いたセタン指数の算出方法」によって算出した値を意味する。なお、上記JIS規格におけるセタン指数は、セタン価向上剤を添加したものに対しては適用されないが、本発明ではセタン価向上剤を添加したもののセタン指数も、上記「8.4変数方程式を用いたセタン指数の算出方法」によって算出した値を意味する。
【0008】
本発明の軽油組成物においては、そのセタン価に関して特に制限はないが、その値は45以上に調整されていることが好ましく、48以上であることがより好ましく、50以上であることが最も好ましい。上記のセタン価とすることで、排出ガス中のNOx、PM、アルデヒドの各濃度をより低減させることができる。ここでセタン価とは、JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」の「7.セタン価試験方法」に準拠して測定されるセタン価を意味する。
【0009】
本発明の軽油組成物は、90容量%留出温度(T90)は325℃以下である。T90325℃を超える場合には、排出ガス中のPM濃度が高くなる恐れがある。本発明では、そのT90320℃以下であることが好ましく、315℃以下であることがより好ましい。90の下限値については特に制限はないが、燃費をより向上させ、エンジンの出力をより高めるために、T90は280℃以上であることが好ましく、285℃以上であることがより好ましい。
【0010】
本発明の軽油組成物は、T90以外の蒸留性状について特に制限はないが、下記の性状を満たしていることが望ましい。
初留点 :135〜180℃
10容量%留出温度(T10):155〜210℃
30容量%留出温度(T30):175〜250℃
50容量%留出温度(T50):190〜270℃
70容量%留出温度(T70):220〜300℃
95容量%留出温度(T95):290〜360℃
蒸留終点 :320〜355℃
【0011】
本発明の軽油組成物の蒸留性状について更に詳述する。
軽油組成物の初留点が低すぎる場合には、一部の軽質留分が気化して噴霧範囲が広がりすぎ、未燃分として排出ガスに同伴される炭化水素量が増加する恐れがあることから、初留点は135℃以上であることが好ましく、更に好ましくは140℃以上、特に好ましくは145℃以上である。一方、初留点が高すぎる場合は、低温始動性および低温運転性に不具合を生じる可能性があるため、初留点の上限は180℃であることが好ましく、更に好ましくは170℃である。
【0012】
軽油組成物のT10が低すぎる場合は、初留点が低すぎる場合と同様な理由から、排出ガスに同伴される炭化水素量の増大が懸念されるため、T10は155℃以上であることが好ましく、更に好ましくは160℃以上、特に好ましくは165℃以上である。一方、これが高すぎると、低温始動性および低温運転性に不具合を生じる心配があるため、T10は210℃以下であることが好ましく、更に好ましくは205℃以下、特に好ましくは200℃以下である。
【0013】
軽油組成物のT30が低すぎる場合は、上に述べたと同じ理由から、排出ガスに同伴される炭化水素量の増大が懸念される。従って、T30は175℃以上であることが好ましく、更に好ましくは180℃以上、特に好ましくは185℃以上である。一方、これが高すぎる場合は、低温始動性および低温運転性に不具合を生じる可能性があることから、T30は250℃以下であることが好ましく、更に好ましくは230℃以下、特に好ましくは210℃以下である。
【0014】
軽油組成物のT50は、燃費およびエンジン出力の面から、190℃以上であることが好ましく、更に好ましくは195℃以上、特に好ましくは200℃以上である。そして、排出ガス中のPM濃度を低減させる上で、T50は270℃以下であることが好ましく、更に260℃以下、250℃以下、240℃以下の順に好ましく、特に好ましくは230℃以下であり、最も好ましくは225℃以下である。
【0015】
軽油組成物のT70もT50と同様、燃費とエンジン出力を左右する。燃費をより向上させ、エンジンの出力をより高めるために、T70は220℃以上であることが好ましく、更に好ましくは225℃以上、特に好ましくは230℃以上である。そして、排出ガス中のPM濃度をより低減させる上で、T70は300℃以下であることが好ましく、更に290℃以下、280℃以下、そして270℃以下の順に好ましく、特に好ましくは265℃以下であり、最も好ましくは260℃以下である。
【0016】
軽油組成物のT95は290℃以上であることが望ましいが、排出ガス中のPM濃度をより低減させるためには、T95は360℃以下であることが好ましく、更に355℃以下、350℃以下、そして345℃以下の順で好ましく、特に好ましくは342℃以下であり、最も好ましくは340℃以下である。
【0017】
軽油組成物の蒸留終点は320℃以上が望ましい。しかし、排出ガス中のPM濃度をより低減させるためには、蒸留終点は355℃以下であることが好ましく、更に好ましくは350℃以下である
本発明でいう蒸留性状(初留点、T10、T30、T50、T70、T90、T95、蒸留終点)は、全てJIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定される値である。
【0018】
本発明の軽油組成物の硫黄分含有量は300質量%以下である。この量が300質量ppmを超える場合は、排出ガスの後処理装置の耐久性を悪化させたり、エンジン内部の腐食を招く恐れがある。硫黄分含有量は200質量ppm以下であることが好ましく、更に好ましくは150質量ppm以下、特に好ましくは100質量ppm以下であり、最も好ましくは50質量ppm以下である。
ここで硫黄分含有量とは、JIS K 2541「硫黄分試験方法」により測定される軽油組成物全量基準の硫黄分含有量を意味する。
【0019】
本発明の軽油組成物の30℃における動粘度は1.7mm2/s以上である。該動粘度が1.7mm2/sに満たない場合は、燃料噴射時期の制御が困難になる心配があり、またエンジンに付設された分配型燃料噴射ポンプの潤滑性が損なわれる。この動粘度は1.72mm2/s以上であることが好ましく、更に1.73mm2/s以上、1.75mm2/s以上の順に好ましく、特に好ましくは1.78mm2/s以上であり、1.80mm2/s以上であることが最も好ましい。
【0020】
本発明の軽油組成物の30℃における動粘度の上限値については特に制限は無いが、排出ガス中のPM濃度をより一層低減させることができることから、3.5mm2/s以下であることが好ましく、3.0mm2/s以下であることが更に好ましく、2.5mm2/s以下であることがさらにより好ましく、2.4mm2/s以下であることが特に好ましく、2.2mm2/s以下であることが最も好ましい。ここで動粘度とはJIS K 2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」により測定される動粘度を意味する。
【0021】
本発明の軽油組成物の15℃における密度については特に制限はない。しかし、燃料消費率および加速性をより向上させることができることから、その値は802kg/m3以上であることが好ましい。一方、15℃における密度の上限値は、排出ガス中のPM濃度をより低下させることができるから、840kg/m3以下であることが好ましく、835kg/m3以下であることが更に好ましく、830kg/m3以下であることがさらにより好ましく、820kg/m3以下であることが特に好ましく、815kg/m3以下であることが最も好ましい。
ここで密度とは、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度を意味する。
【0022】
本発明の軽油組成物において、飽和分、オレフィン分および芳香族分の各含有量は特に制限はないが、下記の組成であることが望ましい。
飽和分含有量 :60〜95容量%
オレフィン分含有量: 0〜 5容量%
芳香族分含有量 : 5〜40容量%
但し、上記芳香族分含有量のうち、二環以上の芳香族分含有量は、3容量%以下である。
【0023】
軽油組成物の飽和分含有量は、排出ガス中のNOxおよびPMの各濃度を低下させるうえで、60容量%以上であることが好ましく、更に好ましくは65容量%以上、特に好ましくは70容量%以上、最も好ましくは75容量%以上である。一方、低温始動性および低温運転性を良好に維持するうえで、飽和分含有量は、95容量%以下であることが好ましく、更に好ましくは90容量%以下、特に好ましくは85容量%以下である。
軽油組成物のオレフィン分含有量は、当該組成物の安定性の観点から、0〜5容量%の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0〜1容量%の範囲にある。
【0024】
軽油組成物の芳香族分含有量は、燃料消費率およびエンジン出力に関係するので、5容量%以上であることが好ましく、更に好ましくは8容量%以上、更により好ましくは10容量%以上、特に好ましくは12容量%以上、最も好ましくは15容量%以上である。一方、この芳香族分含有量は、排出ガスに含まれるNOxおよびPMの各濃度に関係することから、この含有量は40容量%以下であることが好ましく、更に好ましくは35容量%以下、特に好ましくは30容量%以下、最も好ましくは25%以下である。
本発明でいう飽和分含有量、オレフィン分含有量および芳香族分含有量は、JIS K 2536に規定する「石油製品−成分試験方法」の蛍光指示薬吸着法に準拠して測定される飽和分、オレフィン分および芳香族分の容量百分率(容量%)を意味する。
【0025】
本発明の軽油組成物において、排出ガスに含まれる炭化水素(HC)、NOxおよびPMの各濃度をより低減させるために、上記芳香族分含有量のうち、二環以上の芳香族分含有量は3容量%以下である。この含有量は2容量%以下であることが好ましく、更に好ましくは1容量%以下、特に好ましくは0.5容量%以下である。また同様の理由から三環以上の芳香族分含有量は1容量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.5容量%以下、特に好ましくは0.3容量%以下である。ここで二環以上の芳香族分含有量は、石油学会規格 JIS 5S 49−97に規定する「石油製品−炭化水素タイプ試験方法―高速液体クロマトグラフ法」により測定される二環以上の芳香族分の容量%を意味する。
【0026】
本発明の軽油組成物は、その流動点について特に限定条件はない。しかし、低温始動性ないしは低温運転性の観点から、組成物の流動点は−5℃以下であることが好ましく、−10℃以下であることがより好ましく、−20℃以下であることが特に好ましく、−30℃以下であることが最も好ましい。ここで流動点とは、JIS K 2269「原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」により測定される流動点を意味する。
【0027】
本発明の軽油組成物は、その目詰まり点については特に限定条件はない。しかし、組成物の目詰まり点は−1℃以下であることが好ましく、−5℃以下であることが更に好ましく、−12℃以下であることが特に好ましく、−19℃以下であることが最も好ましい。ここで目詰まり点とは、JIS K 2288「軽油−目詰まり点試験方法」により測定される目詰まり点を意味する。
【0028】
本発明の軽油組成物には、セタン価向上剤、潤滑性向上剤および/または清浄剤を配合することが好ましい。
セタン価向上剤としては、当業界でセタン価向上剤として知られる各種の化合物を任意に使用することができる。例えば、硝酸エステルや有機過酸化物等を挙げることができる。本発明ではセタン価向上剤として、硝酸エステルを用いることが好ましい。硝酸エステルには、例えば、2−クロロエチルナイトレート、2−エトキシエチルナイトレート、イソプロピルナイトレート、ブチルナイトレート、第一アミルナイトレート、第二アミルナイトレート、イソアミルナイトレート、第一ヘキシルナイトレート、第二ヘキシルナイトレート、n−ヘプチルナイトレート、n−オクチルナイトレート、2−エチルヘキシルナイトレート、シクロヘキシルナイトレート、及びエチレングリコールジナイトレートなどの種々のナイトレート等が包含される。これらの中でも、炭素数6〜8のアルキルナイトレートが好ましい。セタン価向上剤としては1種類の化合物を単独で用いても良く、2種以上の化合物を組み合わせて用いても良い。
【0029】
セタン価向上剤の含有量は、ディーゼルエンジン排出ガスのNOx濃度、PM濃度、アルデヒド濃度等を満足できる程度に低下させるために、組成物全量基準で500質量ppm以上であることが好ましい。セタン価向上剤の含有量は600質量ppm以上、700質量ppm以上であることが順に好ましく、特に好ましくは800質量ppm以上であり、900質量ppm以上であることが最も好ましい。セタン価向上剤の含有量の上限値は特には限定されないが、セタン価向上剤の含有量は軽油組成物全量基準で1400質量ppm以下であることが好ましく、1250質量ppm以下であることがより好ましく、1100質量ppm以下であることが特に好ましく、1000質量ppm以下であることが最も好ましい。
【0030】
なお、セタン価向上剤と称して市販されている商品は、セタン価向上に寄与する有効成分、つまり、セタン価向上剤を適当な溶剤で希釈した状態で入手されるのが通例である。こうした市販品を使用して本発明の軽油組成物を調製する場合には、軽油組成物中の前記有効成分の含有量が、組成物全量基準で500質量ppm以上となるように添加することが好ましい。
【0031】
潤滑性向上剤としては、例えば、カルボン酸系、エステル系、アルコール系およびフェノール系の各潤滑性向上剤の1種又は2種以上が任意に使用可能である。この中でも、カルボン酸系、エステル系の潤滑性向上剤が好ましい。
カルボン酸系の潤滑性向上剤としては、例えば、リノール酸、オレイン酸、サリチル酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ヘキサデセン酸及び上記カルボン酸の2種以上の混合物を挙げることができる。
エステル系の潤滑性向上剤としては、例えば、グリセリンのカルボン酸エステルが挙げられる。カルボン酸エステルを構成するカルボン酸は、1種であっても2種以上であってもよく、その具体例としては、リノール酸、オレイン酸、サリチル酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、及びヘキサデセン酸等を挙げることができる。
【0032】
潤滑性向上剤の配合量には特別な制限はない。しかし、配合した潤滑性向上剤の効能を引き出すためには、具体的には、分配型噴射ポンプを搭載したディーゼルエンジンにおいて、運転中のポンプの駆動トルク増を抑制し、ポンプの摩耗を低減させるためには、潤滑性向上剤の配合量は、組成物全量基準で35質量ppm以上であることが好ましく、50質量ppm以上であることがより好ましい。そして、配合量の上限値はそれ以上加えても添加量に見合う効果が得られないことから、140質量ppm以下であることが好ましく、105質量ppm以下であることがより好ましい。
【0033】
清浄剤としては、例えば、イミド系化合物;ポリブテニルコハク酸無水物とポリアミン類とから合成されるポリブテニルコハク酸イミドなどのアルケニルコハク酸誘導体;ペンタエリスリトールなどの多価アルコールとポリブテニルコハク酸無水物から合成されるポリブテニルコハク酸エステルなどのコハク酸エステル;ジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ビニルピロリドンなどとアルキルメタクリレートとのコポリマーなどの共重合系ポリマー、カルボン酸とアミンの反応生成物(塩など)などを挙げることができる。これらの無灰清浄剤は、任意に選ばれる1種または2種以上が使用可能であって、これらの中でも、アルケニルコハク酸誘導体及び/又はカルボン酸のアミン塩を使用することが好ましい。
【0034】
アルケニルコハク酸誘導体は、下記の一般式(1)〜(4)で表される化合物であることが好ましい。
【0035】
【化1】

Figure 0003717749
【0036】
(式中、Aは、n−ブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を表し、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立に水素原子、メチル基またはエチル基を表し、但し、R1〜R4の合計炭素数は2であり、R5は、炭素数1〜36のアルキレン基を表し、そしてmは、1〜100の整数を表す。)
【0037】
【化2】
Figure 0003717749
【0038】
(式中、Aは、n−ブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を表し、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立に水素原子、メチル基またはエチル基を表し、但し、R1〜R4の合計炭素数は2であり、R5は、炭素数1〜36のアルキレン基を表し、そしてmは、1〜100の整数を表し、nは、1〜10の整数を表す。)
【0039】
【化3】
Figure 0003717749
【0040】
(式中、Aは、n−ブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を表し、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立に水素原子、メチル基またはエチル基を表し、但し、R1〜R4の合計炭素数は2であり、R5は、炭素数1〜36のアルキレン基を表し、mは、1〜100の整数を表し、そしてnは、1〜10の整数を表す。)
【0041】
【化4】
Figure 0003717749
【0042】
(式中、Aは、n−ブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を表し、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立に水素原子、メチル基またはエチル基を表し、但し、R1〜R4の合計炭素数は2であり、R5は、炭素数1〜36のアルキレン基を表し、mは、1〜100の整数を表し、そしてnは、1〜10整数を表す。)
【0043】
上記一般式(1)〜(4)で表されるアルケニルコハク酸誘導体について詳述する。
Aは、n−ブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を示す。より優れた清浄性が得られることから、tert−ブチル基であることが好ましい。
1〜R4は、それぞれ水素原子、メチル基またはエチル基を示す。そして、このR1〜R4の合計炭素数は2である。
本発明においては、より優れた清浄性が得られることから、R1およびR3が共に水素原子であり、かつR2およびR4が共にメチル基である場合、またはR1およびR3が共にメチル基であり、かつR2およびR4が共に水素原子である場合が好ましい。
【0044】
5は、炭素数1〜36のアルキレン基を表す。R5は、好ましくは炭素数1〜18のアルキレン基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキレン基、特に好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基を表す。炭素数1〜4のアルキレン基としては、具体的には例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)、トリメチレン基、ブチレン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基)、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレン基、テトラメチレン基などが挙げられる。これらの中でも、R5は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)またはトリメチレン基である場合が最も好ましい。
【0045】
一般式(1)〜(4)におけるmは1〜100の整数を示す。mは軽油組成物への分散性保持、清浄性保持の点から、5以上が好ましく、10以上がより好ましい。また、粘度上昇によるバルブスティックや熱分解性悪化による燃焼室デポジットへの影響の点から、50以下が好ましく、40以下がより好ましい。
nは、1〜10の整数を表す。nは、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3の整数である。
【0046】
なお、下記式(5)で表される基は、下記式(6)で表される基を構成単位とする、一般式(1)〜(4)で表されるアルケニルコハク酸誘導体の重合骨格を示すものである。
【0047】
【化5】
Figure 0003717749
【0048】
(上記式(5)および(6)におけるR1、R2、R3、R4およびmは、一般式(1)〜(4)におけるR1、R2、R3、R4およびmと同一の基、整数を示す。)
【0049】
上記式(1)〜(4)および(5)において、上記式(6)で表されるm個の基は同一分子中で同じでも異なっていてもよい。つまり、上記式(1)〜(4)で表される化合物および上記式(5)で表される基は、単独重合体であっても、共重合体であっても良い。共重合体は、ランダム共重合体、交互重合体、あるいはブロック共重合体のいずれであっても良い。
【0050】
また、アルケニルコハク酸誘導体の数平均分子量については何ら制限はないが、軽油組成物中への分散性保持、清浄性保持の点から、その数平均分子量は500以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましく、1500以上であることがさらにより好ましく、2000以上であることが最も好ましい。また、粘度上昇によるバルブスティックや熱分解性悪化による燃焼室デポジットへの影響の点から、その数平均分子量は6000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。
【0051】
アルケニルコハク酸誘導体としては、一般式(1)〜(4)で表される化合物から選ばれる1種のみの化合物を単独で用いてもよく、2種以上の化合物を混合して用いてもよい。
2種以上を用いる場合には、一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物の混合物であることが好ましい。その際の混合比(質量比)は、(2):(3)=1:99〜99:1であることが好ましく、10:90〜90:10であることがより好ましく、20:80〜80:20であることがさらにより好ましく、30:70〜70:30であることが最も好ましい。
【0052】
アルケニルコハク酸誘導体の好ましい具体例を以下に挙げる。
【0053】
【化6】
下記式で表される化合物1(数平均分子量:2000〜3000)
Figure 0003717749
(A:tert−ブチル基、R1、R3:水素原子、R2、R4:メチル基、R5:トリメチレン基)
【0054】
【化7】
下記式で表される化合物2(数平均分子量:2000〜3000)
Figure 0003717749
(A:tert−ブチル基、R1、R3:水素原子、R2、R4:メチル基、R5:エチレン基、n:1〜3)
【0055】
【化8】
下記式で表される化合物3(数平均分子量:4000〜6000)
Figure 0003717749
(A:tert−ブチル基、R1、R3:水素原子、R2、R4:メチル基、R5:エチレン基、n:1〜3)
【0056】
【化9】
下記式で表される化合物4(数平均分子量:2000〜3000)
Figure 0003717749
(A:tert−ブチル基、R1、R3:水素原子、R2、R4:メチル基、R5:エチレン基、n:1〜3)
【0057】
次に、カルボン酸のアミン塩について詳述する。
カルボン酸は、炭素数が5〜50のものであることが好ましく、更に好ましくは炭素数7〜30のもの、特に好ましくは炭素数9〜20のものである。カルボン酸は、モノカルボン酸、あるいは多価カルボン酸のいずれであっても良いが、モノカルボン酸であることが好ましい。またカルボン酸は、脂肪酸、脂環族カルボン酸、芳香族カルボン酸のいずれであっても良いが、脂肪酸であることが好ましい。脂肪酸としては、直鎖のものでも分岐鎖のものでも良く、飽和でも不飽和でも良い。
【0058】
炭素数9〜20の脂肪酸としては、具体的には例えば、以下のものを挙げることができる。直鎖または分岐鎖のノナン酸、直鎖または分岐鎖のデカン酸、直鎖または分岐鎖のウンデカン酸、直鎖または分岐鎖のドデカン酸、直鎖または分岐鎖のトリデカン酸、直鎖または分岐鎖のテトラデカン酸、直鎖または分岐鎖のペンタデカン酸、直鎖または分岐鎖のヘキサデカン酸、直鎖または分岐鎖のヘプタデカン酸、直鎖または分岐鎖のオクタデカン酸、直鎖または分岐鎖のノナデカン酸、直鎖または分岐鎖のイコサン酸、直鎖または分岐鎖のノネン酸、直鎖または分岐鎖のデセン酸、直鎖または分岐鎖のウンデセン酸、直鎖または分岐鎖のドデセン酸、直鎖または分岐鎖のトリデセン酸、直鎖または分岐鎖のテトラデセン酸、直鎖または分岐鎖のペンタデセン酸、直鎖または分岐鎖のヘキサデセン酸、直鎖または分岐鎖のヘプタデセン酸、直鎖または分岐鎖のオクタデセン酸(オレイン酸を含む)、直鎖または分岐鎖のノナデセン酸、直鎖または分岐鎖のイコセン酸等。また、リノール酸等の水酸基を含有する脂肪酸も含まれる。上記のカルボン酸は、1種のカルボン酸を単独で用いても良く、2種以上のカルボン酸を組み合わせて用いても良い。
【0059】
アミンは炭素数1〜30のものであることが好ましい。更に好ましくは炭素数5〜20ものであり、特に好ましくは炭素数8〜18のものである。アミンとしては、例えば、モノアミン、ポリアミン、アルカノールアミン等が挙げられるが、モノアミンであることが好ましい。
モノアミンとしては、一つの炭化水素基を有するモノ置換アミン、二つの炭化水素基を有するジ置換アミン、三つの炭化水素基を有するトリ置換アミン等が挙げられるが、モノ置換アミンであることが好ましい。
【0060】
モノ置換アミンとしては、例えば、アルキルアミン、アルケニルアミン、芳香族置換アルキルアミン、シクロアルキルアミン、及びアルキルシクロアルキルアミン等が挙げれられる。アルキルアミン及びアルケニルアミンであることが好ましい。
炭素数8〜18のアルキルアミンとしては、例えば、直鎖または分岐鎖のオクチルアミン、直鎖または分岐鎖のノニルアミン、直鎖または分岐鎖のデシルアミン、直鎖または分岐鎖のウンデシルアミン、直鎖または分岐鎖のドデシルアミン、直鎖または分岐鎖のトリデシルアミン、直鎖または分岐鎖のテトラデシルアミン、直鎖または分岐鎖のペンタデシルアミン、直鎖または分岐鎖のヘキサデシルアミン、直鎖または分岐鎖のヘプタデシルアミン、直鎖または分岐鎖のオクタデシルアミン等が挙げられる。
【0061】
炭素数8〜18のアルケニルアミンとしては、例えば、直鎖または分岐鎖のオクテニルアミン、直鎖または分岐鎖のノネニルアミン、直鎖または分岐鎖のデセニルアミン、直鎖または分岐鎖のウンデセニルアミン、直鎖または分岐鎖のドデセニルアミン、直鎖または分岐鎖のトリデセニルアミン、直鎖または分岐鎖のテトラデセニルアミン、直鎖または分岐鎖のペンタデセニルアミン、直鎖または分岐鎖のヘキサデセニルアミン、直鎖または分岐鎖のヘプタデセニルアミン、直鎖または分岐鎖のオクタデセニルアミン(オレイルアミンを含む)等が挙げられる。
上記アミンは、1種のアミンを単独で用いても良く、2種以上のアミンの混合物を用いても良い。
【0062】
カルボン酸のアミン塩の好ましい具体例としては、オレイン酸を主成分とする炭素数13〜20の混合脂肪酸と炭素数8〜16のアルキル基を有するモノ置換アミン及び炭素数8〜16のアルケニル基を有するモノ置換アミンの混合物との塩を挙げることができる。
【0063】
清浄剤の配合量にも特別な制限はない。しかし、清浄剤を配合した効果、具体的には、燃料噴射ノズルの閉塞抑制効果を引き出すためには、清浄剤の配合量を軽油組成物全量基準で20質量ppm以上とすることが好ましく、60質量ppm以上とすることがより好ましく、80質量ppm以上とすることが特に好ましい。20質量ppmに満たない量を添加しても効果が現れない可能性がある。一方、配合量が多すぎても、それに見合う効果が期待できず、逆にディーゼルエンジン排出ガス中のNOx、PM、アルデヒド等の各濃度を増加させる恐れがあることから、清浄剤の配合量は300質量ppm以下であることが好ましく、更に好ましくは250質量ppm以下であり、特に好ましくは200質量ppm以下であり、最も好ましくは、180質量ppm以下である。
【0064】
なお、先のセタン価向上剤の場合と同様、潤滑性向上剤または清浄剤と称して市販されている商品は、それぞれ潤滑性向上または清浄に寄与する有効成分が適当な溶剤で希釈された状態で入手されるのが通例である。こうした市販品を本発明の軽油組成物に配合した場合にあっては、潤滑性向上剤および清浄剤に関して上述した配合量は、有効成分としての配合量を意味する。
【0065】
本発明の軽油組成物には、その性能をさらに高める目的でその他の公知の燃料油添加剤を単独でまたは数種類組み合わせて添加することもできる。これらの添加剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アルケニルコハク酸アミドなどの低温流動性向上剤;フェノール系、アミン系などの酸化防止剤;サリチリデン誘導体などの金属不活性化剤;ポリグリコールエーテルなどの氷結防止剤;脂肪族アミン、アルケニルコハク酸エステルなどの腐食防止剤;アニオン系、カチオン系、両性系界面活性剤などの帯電防止剤;アゾ染料などの着色剤;シリコン系などの消泡剤などを挙げることができる。
これらの添加剤の添加量は任意に決めることができるが、添加剤個々の添加量は、軽油組成物全量基準で通常0.5質量%以下であり、好ましくは0.2質量%以下である。
【0066】
本発明の軽油組成物は公知の方法を利用して製造することができる。典型的には、ベース軽油に、必要に応じてセタン価向上剤、潤滑油向上剤、清浄剤、その他の添加剤を所定量配合して製造される。
ベース軽油としては、例えば、原油の常圧蒸留装置から得られる直留軽油;常圧蒸留装置から得られる直留重質油や残査油を減圧蒸留装置にかけて得られる減圧軽油;減圧蒸留装置から得られる減圧軽油を水素化精製して得られる水素化精製軽油;直留軽油を通常の水素化精製より苛酷な条件で一段階または多段階で水素化脱硫して得られる水素化脱硫軽油;脱硫または未脱硫の減圧軽油、減圧重質軽油あるいは脱硫重油を接触分解して得られる接触分解軽油;原油の常圧蒸留により得られる直留灯油;直留灯油を水素化精製して得られる水素化精製灯油;原油の常圧蒸留によって得られる軽油留分を分解して得られる分解灯油などの1種もしくは2種以上が使用可能である。
ベース軽油の硫黄分含有量が300質量ppmを越えている場合には、セタン価向上剤などの配合に先立って、水素化精製などの適当な手段で硫黄分含有量を所定の値以下に低減させる脱硫処理がベース軽油には施される。
【0067】
【実施例】
以下に実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
【0068】
実施例、比較例で使用した軽油組成物の組成・性状を表1に示す。また、実施例2〜5の軽油組成物は、実施例1の軽油組成物に二環芳香族化合物及び三環芳香族化合物を添加して調製した。なお、添加剤は以下のものを使用した。
Figure 0003717749
【0069】
表1に示す各軽油組成物を用いて、(1)エンジン試験1、(2)エンジン試験2、(3)潤滑性試験及び(4)ノズル清浄性試験を行った。試験結果を表1に示す。
(1)エンジン試験1
下記エンジンを用いて、実走行を模擬した3つの条件により排出ガス中のPM、炭化水素(HC)及びNOxを測定した。PMは、堀場製作所製のミニダイリュウショントンネルを用いて、フィルター上に捕集し、PMの重量を測定した。HC、NOxは排気管より直接サンプリングして測定した。
(エンジン諸元)
エンジン種類:自然吸気式直列6気筒ディーゼル
排気量 :7.1L
内径×行程 :110mm×125mm
圧縮比 :17.5
最高出力 :260ps/2700rpm
最高トルク :77kgf(754.6N)/2700rpm
(条件)
条件1:TRIAS 24−5−1993
条件2:低速走行を模擬したモード
条件3:高速走行を模擬したモード
【0070】
(2)エンジン試験2
下記エンジンの排気管をDPF装置に導き、DPF装置から排出される排出ガス中のPM、炭化水素(HC)及びNOxを、TRIAS 24−5−1993の条件により測定した。PMは、堀場製作所製のミニダイリュウショントンネルを用いて、フィルター上に捕集し、PMの重量を測定した。HC及びNOxはDPFの排気管より直接サンプリングして測定した。
(エンジン諸元)
エンジン種類:自然吸気式直列4気筒ディーゼル
排気量 :4.985L
内径×行程 :115mm×125mm
圧縮比 :19.5
最高出力 :150ps/3100rpm
最高トルク :37kgf(362.6N)/1600rpm
【0071】
(3)潤滑性試験
以下の条件でHFRR試験を行い、試験後の試験球についた円状の傷の振動方向の直径と振動方向に垂直な方向の直径を測定し、その平均値を摩耗痕直径(WSD)とした。
試験球
材質 :ANSI 52100
硬度 :645HV30
表面粗さ:0.1μmRa以下
直径 :6.25nm、
試験板
材質 :ANSI 52100
硬度 :180HV30
表面粗さ:0.1μmRa以下
荷重 :2N
試験温度 :60℃
ストローク:1.0mm
振動数 :50Hz
時間 :75分
【0072】
(4)ノズル清浄性試験
排気量2Lの4気筒エンジンを使用し、回転1840rpm、トルク36.4Nmの条件において48時間連続運転を行い、試験後のノズルの残存流量割合を測定した。ノズルの残存流量割合とは試験前の新品ノズルの流量に対して試験後のノズル流量の割合を示したものである。
なお、ノズル流量は針弁リフト0.1mm時で測定した。本試験において、ノズル残存流量割合の値が大きい程、清浄性に優れていることを表す。
【0073】
【表1】
Figure 0003717749
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a gas oil composition having a low sulfur content, and more particularly to a gas oil composition capable of greatly reducing the amount of particulates in diesel exhaust gas over the entire engine load range. .
[0002]
[Prior art]
As components contained in diesel exhaust gas, nitrogen oxides (hereinafter referred to as NOx) and particulate matter (hereinafter referred to as PM) are regarded as problems.
NOx is a substance that is produced mainly by the reaction of nitrogen in the air with oxygen in the engine.2Etc. are included. PM is fine particles in exhaust gas, and is obtained by discharging soot (soot) by combustion and high-boiling high-molecular unburned components contained in fuel or lubricating oil. These substances cause air pollution and acid rain, and urgent reduction measures are required. Recently, aldehydes including formaldehyde and acetaldehyde are also attracting attention because of their adverse effects on human health and odor.
[0003]
Since October 1997, diesel oil used as fuel for diesel engines has its sulfur content on the premise that after-treatment devices such as SOF catalysts (organic solvent soluble oxidation catalysts) and NOx reduction catalysts are installed in automobiles. The content is lowered to 500 mass ppm or less. However, these post-processing devices have problems such as low efficiency and durability, and there are very few devices in practical use.
Currently, vehicles with the latest emission reduction measures are being introduced to the market, but since it takes a lot of time to replace existing vehicles, the fundamental solution has not been achieved.
In addition, more stringent exhaust gas regulations will be introduced after 2003.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In this way, strict emission regulations from 2003 onwards will be implemented, and it will take a lot of time for vehicles with the latest emission reduction technology to become popular in the market. For the reduction, it is considered that improving the quality of the fuel has a high immediate effect and is very effective. As fuel, there is a demand for fuel that is effective not only for existing diesel vehicles but also for vehicles for which exhaust gas countermeasures such as DPF are advanced.
There are several possible ways to improve the fuel to reduce exhaust emissions. However, fuels containing oxygenated compounds may have adverse effects on engine parts, etc., and many problems must be solved for full-scale use. Don't be.
Accordingly, an object of the present invention is to provide a light oil composition capable of significantly reducing particulate emissions contained in diesel exhaust gas over the entire load range of the engine. In particular, it is also to provide a light oil composition effective for reducing exhaust gas (particularly, reducing PM concentration) even for a DPF-equipped vehicle.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
  The present invention has a cetane index of 45 or more,The initial boiling point is 135 to 180 ° C, the 10% by volume distillation temperature is 155 to 210 ° C,30 vol% distillation temperature is 175-250 ° C, 70 vol% distillation temperature is 220-300 ° C, 90 vol% distillation temperature is 325 ° C or less, distillation end point is 355 ° C or less, and saturated content is 60-95. Volume%, olefin content 0-5 volume%, sulfur content 300 mass ppm or less, and kinematic viscosity at 30 ° C. 1.7 mm2In the light oil composition, the content of the aromatic compound having 2 or more rings is 3% by volume or less and the content of the aromatic compound having 3 or more rings is 1% by volume or less.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The cetane index of the light oil composition of the present invention is 45 or more. If the cetane index is less than 45, the concentrations of NOx, PM, and aldehyde in the exhaust gas may be increased. In the present invention, the cetane index is preferably 47 or more, more preferably 48 or more, and most preferably 50 or more.
[0007]
Here, the cetane index is a value calculated by “Calculation method of cetane index using 8.4 variable equations” in JIS K 2280 “Petroleum products—Fuel oil—Octane number and cetane number test method and cetane index calculation method”. Means. The cetane index in the JIS standard is not applied to the cetane number improver added, but the cetane index of the cetane index added with the cetane number improver also uses the above “8.4 variable equation”. It means the value calculated by “Calculating method of cetane index”.
[0008]
In the light oil composition of the present invention, the cetane number is not particularly limited, but the value is preferably adjusted to 45 or more, more preferably 48 or more, and most preferably 50 or more. . By setting it as said cetane number, each density | concentration of NOx, PM, and aldehyde in exhaust gas can be reduced more. Here, the cetane number means a cetane number measured in accordance with “7. Cetane number test method” in JIS K 2280 “Petroleum products—Fuel oil—Octane number and cetane number test method and cetane index calculation method”. .
[0009]
  The gas oil composition of the present invention has a 90% by volume distillation temperature (T90)325 ° CIt is as follows. T90But325 ° CIn the case of exceeding, there is a possibility that the PM concentration in the exhaust gas becomes high. In the present invention, the T90Is320 ° CIt is preferable that315 ° CMore preferred to beYes.T90There is no particular limitation on the lower limit value of T, but in order to further improve fuel efficiency and engine output,90Is preferably 280 ° C. or higher, more preferably 285 ° C. or higher.
[0010]
  The light oil composition of the present invention has T90Although there is no restriction | limiting in particular about distillation properties other than, It is desirable to satisfy | fill the following properties.
      Initial boiling point: 135-180 ° C
      10 vol% distillation temperature (T10): 155-210 ° C
      30% by volume distillation temperature (T30): 175-250 ° C
      50 vol% distillation temperature (T50): 190-270 ° C
      70 vol% distillation temperature (T70): 220-300 ° C
      95% by volume distillation temperature (T95): 290-360 ° C
      Distillation end point: 320-355 ° C
[0011]
The distillation property of the light oil composition of the present invention will be further described in detail.
If the initial boiling point of the light oil composition is too low, some of the light fractions may vaporize and the spray range may be too wide, increasing the amount of hydrocarbons entrained in the exhaust gas as unburned components Therefore, the initial boiling point is preferably 135 ° C. or higher, more preferably 140 ° C. or higher, and particularly preferably 145 ° C. or higher. On the other hand, when the initial boiling point is too high, there is a possibility of causing problems in low temperature startability and low temperature drivability, so the upper limit of the initial boiling point is preferably 180 ° C, more preferably 170 ° C.
[0012]
T of light oil compositionTenIs too low, for the same reason as when the initial boiling point is too low, there is a concern about an increase in the amount of hydrocarbons accompanying the exhaust gas.TenIs preferably 155 ° C. or higher, more preferably 160 ° C. or higher, particularly preferably 165 ° C. or higher. On the other hand, if this is too high, there is a concern that the low temperature startability and the low temperature drivability may cause problems.TenIs preferably 210 ° C. or lower, more preferably 205 ° C. or lower, and particularly preferably 200 ° C. or lower.
[0013]
T of light oil composition30If it is too low, there is a concern about an increase in the amount of hydrocarbons accompanying the exhaust gas for the same reason as described above. Therefore, T30Is preferably 175 ° C. or higher, more preferably 180 ° C. or higher, and particularly preferably 185 ° C. or higher. On the other hand, if this is too high, there is a possibility of causing problems in low temperature startability and low temperature drivability.30Is preferably 250 ° C. or lower, more preferably 230 ° C. or lower, and particularly preferably 210 ° C. or lower.
[0014]
T of light oil composition50Is preferably 190 ° C. or higher, more preferably 195 ° C. or higher, particularly preferably 200 ° C. or higher, from the viewpoint of fuel economy and engine output. And in reducing PM concentration in exhaust gas, T50Is preferably 270 ° C. or less, more preferably 260 ° C. or less, 250 ° C. or less, and 240 ° C. or less, particularly preferably 230 ° C. or less, and most preferably 225 ° C. or less.
[0015]
T of light oil composition70Also T50Like, it affects fuel consumption and engine output. To improve fuel efficiency and increase engine output, T70Is preferably 220 ° C. or higher, more preferably 225 ° C. or higher, particularly preferably 230 ° C. or higher. In order to further reduce the PM concentration in the exhaust gas, T70Is preferably 300 ° C. or lower, more preferably 290 ° C. or lower, 280 ° C. or lower, and 270 ° C. or lower, particularly preferably 265 ° C. or lower, and most preferably 260 ° C. or lower.
[0016]
T of light oil composition95Is preferably 290 ° C. or higher, but in order to further reduce the PM concentration in the exhaust gas, T95Is preferably 360 ° C. or lower, more preferably 355 ° C. or lower, 350 ° C. or lower, and 345 ° C. or lower, particularly preferably 342 ° C. or lower, and most preferably 340 ° C. or lower.
[0017]
  The distillation end point of the light oil composition is desirably 320 ° C. or higher. However, in order to further reduce the PM concentration in the exhaust gas, the distillation end point is355 ° COr less, more preferably350 ° C or less.
  Distillation properties referred to in the present invention (initial boiling point, T10, T30, T50, T70, T90, T95, Distillation end point) are all values measured by JIS K 2254 "Petroleum products-Distillation test method".
[0018]
The sulfur content of the light oil composition of the present invention is 300% by mass or less. If this amount exceeds 300 ppm by mass, the durability of the exhaust gas aftertreatment device may be deteriorated, or corrosion inside the engine may be caused. The sulfur content is preferably 200 mass ppm or less, more preferably 150 mass ppm or less, particularly preferably 100 mass ppm or less, and most preferably 50 mass ppm or less.
Here, the sulfur content means the sulfur content based on the total amount of the light oil composition measured by JIS K 2541 “Sulfur Content Test Method”.
[0019]
The kinematic viscosity at 30 ° C. of the light oil composition of the present invention is 1.7 mm.2/ S or more. The kinematic viscosity is 1.7 mm2If it is less than / s, it may be difficult to control the fuel injection timing, and the lubricity of the distributed fuel injection pump attached to the engine is impaired. This kinematic viscosity is 1.72 mm.2/ S or more, preferably 1.73 mm2/ S or more 1.75mm2/ S or higher in order, particularly preferably 1.78 mm2/ S or more, 1.80 mm2/ S or more is most preferable.
[0020]
Although there is no restriction | limiting in particular about the upper limit of kinematic viscosity in 30 degreeC of the light oil composition of this invention, Since PM density | concentration in exhaust gas can be reduced further, 3.5 mm2/ S or less, preferably 3.0 mm2/ S or less is more preferable, 2.5 mm2/ S or less is more preferable, and 2.4 mm2/ S or less is particularly preferable, 2.2 mm2/ S or less is most preferable. Here, the kinematic viscosity means the kinematic viscosity measured by JIS K 2283 “Crude oil and petroleum products—Kinematic viscosity test method and viscosity index calculation method”.
[0021]
There is no restriction | limiting in particular about the density in 15 degreeC of the light oil composition of this invention. However, since the fuel consumption rate and acceleration can be further improved, the value is 802 kg / m.ThreeThe above is preferable. On the other hand, since the upper limit value of the density at 15 ° C. can further reduce the PM concentration in the exhaust gas, it is 840 kg / m 2.ThreeOr less, preferably 835 kg / mThreeMore preferably, it is 830 kg / mThreeEven more preferably, it is 820 kg / mThreeParticularly preferably, it is 815 kg / m.ThreeMost preferably:
Here, the density means a density measured by JIS K 2249 “Determination method of density of crude oil and petroleum products and density / mass / capacity conversion table”.
[0022]
In the light oil composition of the present invention, the content of each of the saturated component, the olefin component and the aromatic component is not particularly limited, but the following composition is desirable.
Saturated content: 60 to 95% by volume
Olefin content: 0 to 5% by volume
Aromatic content: 5-40% by volume
However, among the aromatic content, the aromatic content of two or more rings is 3% by volume or less.
[0023]
The saturated content of the light oil composition is preferably 60% by volume or more, more preferably 65% by volume or more, and particularly preferably 70% by volume in order to reduce the concentrations of NOx and PM in the exhaust gas. Above, most preferably 75 volume% or more. On the other hand, in order to maintain good low temperature startability and low temperature drivability, the saturated content is preferably 95% by volume or less, more preferably 90% by volume or less, and particularly preferably 85% by volume or less. .
The olefin content of the light oil composition is preferably in the range of 0 to 5% by volume, more preferably in the range of 0 to 1% by volume, from the viewpoint of the stability of the composition.
[0024]
Since the aromatic content of the light oil composition is related to the fuel consumption rate and the engine output, it is preferably 5% by volume or more, more preferably 8% by volume or more, still more preferably 10% by volume or more, particularly Preferably it is 12 volume% or more, Most preferably, it is 15 volume% or more. On the other hand, since this aromatic content is related to each concentration of NOx and PM contained in the exhaust gas, this content is preferably 40% by volume or less, more preferably 35% by volume or less, particularly Preferably it is 30 volume% or less, Most preferably, it is 25% or less.
The saturated content, the olefin content and the aromatic content in the present invention are the saturated content measured in accordance with the fluorescent indicator adsorption method of “petroleum product-component test method” defined in JIS K2536, It means the volume percentage (volume%) of the olefin content and aromatic content.
[0025]
In the light oil composition of the present invention, in order to further reduce the concentrations of hydrocarbon (HC), NOx and PM contained in the exhaust gas, among the aromatic content, the aromatic content of two or more rings Is less than 3% by volume. This content is preferably 2% by volume or less, more preferably 1% by volume or less, and particularly preferably 0.5% by volume or less. For the same reason, the content of aromatic components in the three or more rings is preferably 1% by volume or less, more preferably 0.5% by volume or less, and particularly preferably 0.3% by volume or less. Here, the aromatic content of two or more rings is an aromatic of two or more rings measured by “petroleum product-hydrocarbon type test method—high performance liquid chromatograph method” specified in JIS 5S 49-97, Petroleum Institute Standard. Means volume% of minutes.
[0026]
The light oil composition of the present invention is not particularly limited with respect to its pour point. However, from the viewpoint of low temperature startability or low temperature drivability, the pour point of the composition is preferably −5 ° C. or less, more preferably −10 ° C. or less, and particularly preferably −20 ° C. or less. Most preferably, it is −30 ° C. or lower. Here, the pour point means a pour point measured by JIS K 2269 “Pour point of crude oil and petroleum products and cloud point test method of petroleum products”.
[0027]
The light oil composition of the present invention is not particularly limited with respect to the clogging point. However, the clogging point of the composition is preferably -1 ° C or lower, more preferably -5 ° C or lower, particularly preferably -12 ° C or lower, most preferably -19 ° C or lower. preferable. Here, the clogging point means a clogging point measured according to JIS K 2288 “Light oil—clogging point test method”.
[0028]
The light oil composition of the present invention preferably contains a cetane number improver, a lubricity improver and / or a detergent.
As the cetane number improver, various compounds known as cetane number improvers in the industry can be arbitrarily used. For example, nitrate esters and organic peroxides can be used. In the present invention, a nitrate ester is preferably used as the cetane number improver. Examples of the nitrate ester include 2-chloroethyl nitrate, 2-ethoxyethyl nitrate, isopropyl nitrate, butyl nitrate, first amyl nitrate, second amyl nitrate, isoamyl nitrate, and first hexyl nitrate. And various nitrates such as secondary hexyl nitrate, n-heptyl nitrate, n-octyl nitrate, 2-ethylhexyl nitrate, cyclohexyl nitrate, and ethylene glycol dinitrate. Among these, an alkyl nitrate having 6 to 8 carbon atoms is preferable. As the cetane number improver, one type of compound may be used alone, or two or more types of compounds may be used in combination.
[0029]
The content of the cetane improver is preferably 500 ppm by mass or more based on the total amount of the composition in order to reduce the NOx concentration, PM concentration, aldehyde concentration, etc. of the diesel engine exhaust gas to a satisfactory level. The content of the cetane number improver is preferably 600 ppm by mass or more and 700 ppm by mass or more in order, particularly preferably 800 ppm by mass or more, and most preferably 900 ppm by mass or more. The upper limit of the content of the cetane number improver is not particularly limited, but the content of the cetane number improver is preferably 1400 mass ppm or less, more preferably 1250 mass ppm or less based on the total amount of the light oil composition. It is particularly preferably 1100 ppm by mass or less, and most preferably 1000 ppm by mass or less.
[0030]
In addition, as for the commercial item marketed as a cetane number improver, it is common to obtain the active ingredient which contributes to cetane number improvement, ie, the state which diluted the cetane number improver with the suitable solvent. When preparing the light oil composition of the present invention using such a commercial product, it may be added so that the content of the active ingredient in the light oil composition is 500 ppm by mass or more based on the total amount of the composition. preferable.
[0031]
As the lubricity improver, for example, one or more of carboxylic acid-based, ester-based, alcohol-based, and phenol-based lubricity improvers can be arbitrarily used. Among these, carboxylic acid-based and ester-based lubricity improvers are preferable.
Examples of the carboxylic acid-based lubricity improver include linoleic acid, oleic acid, salicylic acid, palmitic acid, myristic acid, hexadecenoic acid, and a mixture of two or more of the above carboxylic acids.
Examples of the ester-based lubricity improver include glycerin carboxylic acid ester. The carboxylic acid constituting the carboxylic acid ester may be one type or two or more types. Specific examples thereof include linoleic acid, oleic acid, salicylic acid, palmitic acid, myristic acid, hexadecenoic acid, and the like. Can be mentioned.
[0032]
There are no particular restrictions on the amount of the lubricity improver compounded. However, in order to extract the effectiveness of the blended lubricity improver, specifically, in a diesel engine equipped with a distributed injection pump, the increase in the driving torque of the pump during operation is suppressed and the wear of the pump is reduced. Therefore, the blending amount of the lubricity improver is preferably 35 mass ppm or more, more preferably 50 mass ppm or more based on the total amount of the composition. And since the effect commensurate with addition amount is not acquired even if the upper limit of a compounding quantity is added more, it is preferable that it is 140 mass ppm or less, and it is more preferable that it is 105 mass ppm or less.
[0033]
Examples of the detergent include imide compounds; alkenyl succinic acid derivatives such as polybutenyl succinimide synthesized from polybutenyl succinic anhydride and polyamines; polyhydric alcohols such as pentaerythritol and polybutenyl Succinic acid esters such as polybutenyl succinic acid esters synthesized from succinic anhydrides; copolymers of dialkylaminoethyl methacrylate, polyethylene glycol methacrylate, vinyl pyrrolidone, etc. and copolymers of alkyl methacrylates, carboxylic acids and amines Examples include reaction products (salts and the like). These ashless detergents can be used alone or in combination of two or more. Among them, it is preferable to use an alkenyl succinic acid derivative and / or an amine salt of a carboxylic acid.
[0034]
The alkenyl succinic acid derivative is preferably a compound represented by the following general formulas (1) to (4).
[0035]
[Chemical 1]
Figure 0003717749
[0036]
(In the formula, A represents an n-butyl group, a sec-butyl group or a tert-butyl group;1, R2, RThreeAnd RFourEach independently represents a hydrogen atom, a methyl group or an ethyl group, provided that R represents1~ RFourHas a total carbon number of 2 and RFiveRepresents an alkylene group having 1 to 36 carbon atoms, and m represents an integer of 1 to 100. )
[0037]
[Chemical 2]
Figure 0003717749
[0038]
(In the formula, A represents an n-butyl group, a sec-butyl group or a tert-butyl group;1, R2, RThreeAnd RFourEach independently represents a hydrogen atom, a methyl group or an ethyl group, provided that R represents1~ RFourHas a total carbon number of 2 and RFiveRepresents an alkylene group having 1 to 36 carbon atoms, and m represents an integer of 1 to 100, and n represents an integer of 1 to 10. )
[0039]
[Chemical 3]
Figure 0003717749
[0040]
(In the formula, A represents an n-butyl group, a sec-butyl group or a tert-butyl group;1, R2, RThreeAnd RFourEach independently represents a hydrogen atom, a methyl group or an ethyl group, provided that R represents1~ RFourHas a total carbon number of 2 and RFiveRepresents an alkylene group having 1 to 36 carbon atoms, m represents an integer of 1 to 100, and n represents an integer of 1 to 10. )
[0041]
[Formula 4]
Figure 0003717749
[0042]
(In the formula, A represents an n-butyl group, a sec-butyl group or a tert-butyl group;1, R2, RThreeAnd RFourEach independently represents a hydrogen atom, a methyl group or an ethyl group, provided that R represents1~ RFourHas a total carbon number of 2 and RFiveRepresents an alkylene group having 1 to 36 carbon atoms, m represents an integer of 1 to 100, and n represents an integer of 1 to 10; )
[0043]
The alkenyl succinic acid derivatives represented by the general formulas (1) to (4) will be described in detail.
A represents an n-butyl group, a sec-butyl group or a tert-butyl group. A tert-butyl group is preferred because better cleaning properties can be obtained.
R1~ RFourEach represents a hydrogen atom, a methyl group or an ethyl group. And this R1~ RFourThe total carbon number of is 2.
In the present invention, since more excellent cleanliness can be obtained, R1And RThreeAre both hydrogen atoms and R2And RFourAre both methyl groups, or R1And RThreeAre both methyl groups and R2And RFourAre preferably hydrogen atoms.
[0044]
RFiveRepresents an alkylene group having 1 to 36 carbon atoms. RFiveRepresents an alkylene group having 1 to 18 carbon atoms, more preferably an alkylene group having 1 to 6 carbon atoms, and particularly preferably an alkylene group having 1 to 4 carbon atoms. Specific examples of the alkylene group having 1 to 4 carbon atoms include methylene group, ethylene group, propylene group (1-methylethylene group, 2-methylethylene group), trimethylene group, butylene group (1-ethylethylene group). 2-ethylethylene group), 1,2-dimethylethylene group, 2,2-dimethylethylene group, 1-methyltrimethylene group, 2-methyltrimethylene group, 3-methyltrimethylene group, tetramethylene group, etc. Can be mentioned. Among these, RFiveIs most preferably a methylene group, an ethylene group, a propylene group (1-methylethylene group, 2-methylethylene group) or a trimethylene group.
[0045]
M in the general formulas (1) to (4) represents an integer of 1 to 100. m is preferably 5 or more, more preferably 10 or more, from the viewpoint of maintaining dispersibility in the light oil composition and maintaining cleanliness. Moreover, 50 or less are preferable and 40 or less are more preferable from the point of the influence on the combustion chamber deposit by the valve stick by a viscosity rise, or a thermal decomposition deterioration.
n represents an integer of 1 to 10. n is preferably an integer of 1 to 5, more preferably 1 to 3.
[0046]
In addition, the group represented by the following formula (5) is a polymerization skeleton of an alkenyl succinic acid derivative represented by the general formulas (1) to (4) having a group represented by the following formula (6) as a structural unit. Is shown.
[0047]
[Chemical formula 5]
Figure 0003717749
[0048]
(R in the above formulas (5) and (6)1, R2, RThree, RFourAnd m are R in the general formulas (1) to (4).1, R2, RThree, RFourAnd the same group and integer as m. )
[0049]
In the above formulas (1) to (4) and (5), the m groups represented by the above formula (6) may be the same or different in the same molecule. That is, the compound represented by the above formulas (1) to (4) and the group represented by the above formula (5) may be a homopolymer or a copolymer. The copolymer may be a random copolymer, an alternating polymer, or a block copolymer.
[0050]
Further, the number average molecular weight of the alkenyl succinic acid derivative is not limited at all, but the number average molecular weight is preferably 500 or more from the viewpoint of maintaining dispersibility and cleanliness in the light oil composition, and 1000 or more. Is more preferably 1500 or more, and most preferably 2000 or more. In addition, the number average molecular weight is preferably 6000 or less, and more preferably 5000 or less, from the viewpoint of the influence on the valve stick due to the increase in viscosity and the combustion chamber deposit due to deterioration of thermal decomposition.
[0051]
As the alkenyl succinic acid derivative, only one kind of compound selected from the compounds represented by the general formulas (1) to (4) may be used alone, or two or more kinds of compounds may be mixed and used. .
When using 2 or more types, it is preferable that it is a mixture of the compound represented by General formula (2), and the compound represented by General formula (3). The mixing ratio (mass ratio) at that time is preferably (2) :( 3) = 1: 99 to 99: 1, more preferably 10:90 to 90:10, and 20:80 to 80:20 is even more preferable, and 30:70 to 70:30 is most preferable.
[0052]
Preferred specific examples of the alkenyl succinic acid derivative are listed below.
[0053]
[Chemical 6]
Compound 1 represented by the following formula (number average molecular weight: 2000 to 3000)
Figure 0003717749
(A: tert-butyl group, R1, RThree: Hydrogen atom, R2, RFour: Methyl group, RFive: Trimethylene group)
[0054]
[Chemical 7]
Compound 2 represented by the following formula (number average molecular weight: 2000 to 3000)
Figure 0003717749
(A: tert-butyl group, R1, RThree: Hydrogen atom, R2, RFour: Methyl group, RFive: Ethylene group, n: 1-3)
[0055]
[Chemical 8]
Compound 3 represented by the following formula (number average molecular weight: 4000 to 6000)
Figure 0003717749
(A: tert-butyl group, R1, RThree: Hydrogen atom, R2, RFour: Methyl group, RFive: Ethylene group, n: 1-3)
[0056]
[Chemical 9]
Compound 4 represented by the following formula (number average molecular weight: 2000 to 3000)
Figure 0003717749
(A: tert-butyl group, R1, RThree: Hydrogen atom, R2, RFour: Methyl group, RFive: Ethylene group, n: 1-3)
[0057]
Next, the amine salt of carboxylic acid will be described in detail.
The carboxylic acid preferably has 5 to 50 carbon atoms, more preferably 7 to 30 carbon atoms, and particularly preferably 9 to 20 carbon atoms. The carboxylic acid may be either a monocarboxylic acid or a polyvalent carboxylic acid, but is preferably a monocarboxylic acid. The carboxylic acid may be any of a fatty acid, an alicyclic carboxylic acid, and an aromatic carboxylic acid, but is preferably a fatty acid. The fatty acid may be linear or branched and may be saturated or unsaturated.
[0058]
Specific examples of the fatty acid having 9 to 20 carbon atoms include the following. Linear or branched nonanoic acid, linear or branched decanoic acid, linear or branched undecanoic acid, linear or branched dodecanoic acid, linear or branched tridecanoic acid, linear or branched Tetradecanoic acid, linear or branched pentadecanoic acid, linear or branched hexadecanoic acid, linear or branched heptadecanoic acid, linear or branched octadecanoic acid, linear or branched nonadecanoic acid, straight Linear or branched icosanoic acid, linear or branched nonenoic acid, linear or branched decenoic acid, linear or branched undecenoic acid, linear or branched dodecenoic acid, linear or branched Tridecenoic acid, linear or branched tetradecenoic acid, linear or branched pentadecenoic acid, linear or branched hexadecenoic acid, linear or branched heptadecenoic acid Octadecenoic acid chain or branched chain (including oleic acid), nonadecenoic acid straight or branched chain, such as icosenoic acid straight or branched chain. Also included are fatty acids containing hydroxyl groups such as linoleic acid. As the carboxylic acid, one kind of carboxylic acid may be used alone, or two or more kinds of carboxylic acids may be used in combination.
[0059]
The amine is preferably one having 1 to 30 carbon atoms. More preferably, it is a C5-C20 thing, Most preferably, it is a C8-C18 thing. Examples of amines include monoamines, polyamines, and alkanolamines, and monoamines are preferred.
Examples of the monoamine include a mono-substituted amine having one hydrocarbon group, a di-substituted amine having two hydrocarbon groups, a tri-substituted amine having three hydrocarbon groups, and the like is preferably a mono-substituted amine. .
[0060]
Examples of the mono-substituted amine include alkyl amines, alkenyl amines, aromatic substituted alkyl amines, cycloalkyl amines, and alkyl cycloalkyl amines. Alkylamines and alkenylamines are preferred.
Examples of the alkylamine having 8 to 18 carbon atoms include linear or branched octylamine, linear or branched nonylamine, linear or branched decylamine, linear or branched undecylamine, and linear Or branched dodecylamine, linear or branched tridecylamine, linear or branched tetradecylamine, linear or branched pentadecylamine, linear or branched hexadecylamine, linear or Examples include branched-chain heptadecylamine and linear or branched octadecylamine.
[0061]
Examples of the alkenylamine having 8 to 18 carbon atoms include linear or branched octenylamine, linear or branched nonenylamine, linear or branched decenylamine, linear or branched undecenylamine, linear or Branched dodecenylamine, linear or branched tridecenylamine, linear or branched tetradecenylamine, linear or branched pentadecenylamine, linear or branched hexadecenylamine, linear Alternatively, branched-chain heptadecenylamine, linear or branched octadecenylamine (including oleylamine), and the like can be given.
As the amine, one kind of amine may be used alone, or a mixture of two or more kinds of amines may be used.
[0062]
Preferable specific examples of amine salts of carboxylic acids include monosubstituted amines having a mixed fatty acid having 13 to 20 carbon atoms and an alkyl group having 8 to 16 carbon atoms and alkenyl groups having 8 to 16 carbon atoms, mainly composed of oleic acid. Mention may be made of salts with mixtures of monosubstituted amines having
[0063]
There is no special restriction on the amount of detergent. However, in order to bring out the effect of blending the detergent, specifically, the effect of suppressing the clogging of the fuel injection nozzle, the blending amount of the detergent is preferably 20 mass ppm or more based on the total amount of the light oil composition. It is more preferable to set it as mass ppm or more, and it is especially preferable to set it as 80 mass ppm or more. Even if an amount less than 20 ppm by mass is added, the effect may not appear. On the other hand, even if the amount is too large, an effect commensurate with it cannot be expected, and conversely, there is a risk of increasing each concentration of NOx, PM, aldehyde, etc. in diesel engine exhaust gas. It is preferably 300 ppm by mass or less, more preferably 250 ppm by mass or less, particularly preferably 200 ppm by mass or less, and most preferably 180 ppm by mass or less.
[0064]
As in the case of the cetane number improver described above, products that are marketed as lubricity improvers or detergents are in a state where the active ingredients that contribute to improving lubricity or cleaning are diluted with an appropriate solvent, respectively. It is usually obtained at When such a commercial product is blended in the light oil composition of the present invention, the blending amounts described above with respect to the lubricity improver and the detergent mean blending amounts as active ingredients.
[0065]
To the light oil composition of the present invention, other known fuel oil additives may be added alone or in combination of several kinds for the purpose of further improving the performance. Examples of these additives include low-temperature fluidity improvers such as ethylene-vinyl acetate copolymer and alkenyl succinic acid amide; antioxidants such as phenols and amines; metal deactivators such as salicylidene derivatives; Anti-icing agents such as polyglycol ethers; corrosion inhibitors such as aliphatic amines and alkenyl succinic acid esters; antistatic agents such as anionic, cationic and amphoteric surfactants; colorants such as azo dyes; An antifoaming agent can be mentioned.
The addition amount of these additives can be arbitrarily determined, but the addition amount of each additive is usually 0.5% by mass or less, preferably 0.2% by mass or less, based on the total amount of the light oil composition. .
[0066]
The light oil composition of the present invention can be produced using a known method. Typically, it is produced by blending a predetermined amount of a cetane improver, a lubricant improver, a detergent, and other additives as necessary with the base light oil.
Examples of base light oil include straight-run light oil obtained from a crude oil atmospheric distillation apparatus; reduced-pressure light oil obtained by applying straight-run heavy oil and residual oil obtained from an atmospheric distillation apparatus to a vacuum distillation apparatus; Hydrorefined diesel oil obtained by hydrorefining the vacuum gas oil obtained; hydrodesulfurized diesel oil obtained by hydrodesulfurization of straight-run diesel oil in one or more stages under severer conditions than ordinary hydrorefining; desulfurization Or catalytic cracking gas oil obtained by catalytic cracking of undesulfurized vacuum gas oil, vacuum heavy gas oil or desulfurized heavy oil; straight-run kerosene obtained by atmospheric distillation of crude oil; hydrogenation obtained by hydrorefining straight-run kerosene Refined kerosene: One or more kinds of cracked kerosene obtained by decomposing a light oil fraction obtained by atmospheric distillation of crude oil can be used.
If the sulfur content of the base gas oil exceeds 300 mass ppm, reduce the sulfur content below the specified value by appropriate means such as hydrorefining prior to blending with a cetane number improver. The base gas oil is subjected to desulfurization treatment.
[0067]
【Example】
The present invention will be described in more detail below with reference to examples and comparative examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0068]
Table 1 shows the composition and properties of the light oil compositions used in Examples and Comparative Examples. Moreover, the light oil composition of Examples 2-5 was prepared by adding a bicyclic aromatic compound and a tricyclic aromatic compound to the light oil composition of Example 1. The following additives were used.
Figure 0003717749
[0069]
Using each light oil composition shown in Table 1, (1) Engine Test 1, (2) Engine Test 2, (3) Lubricity Test, and (4) Nozzle Cleanliness Test were conducted. The test results are shown in Table 1.
(1) Engine test 1
Using the following engine, PM, hydrocarbon (HC) and NOx in exhaust gas were measured under three conditions simulating actual driving. PM was collected on a filter using a mini dilution tunnel manufactured by Horiba, Ltd., and the weight of PM was measured. HC and NOx were measured by sampling directly from the exhaust pipe.
(Engine specifications)
Engine type: naturally aspirated in-line 6-cylinder diesel
Displacement: 7.1L
Inner diameter x stroke: 110 mm x 125 mm
Compression ratio: 17.5
Maximum output: 260ps / 2700rpm
Maximum torque: 77kgf (754.6N) / 2700rpm
(conditions)
Condition 1: TRIAS 24-5-1993
Condition 2: Mode simulating low-speed driving
Condition 3: Mode simulating high-speed driving
[0070]
(2) Engine test 2
The exhaust pipe of the following engine was led to the DPF device, and PM, hydrocarbon (HC) and NOx in the exhaust gas discharged from the DPF device were measured under the conditions of TRIAS 24-5-1993. PM was collected on a filter using a mini dilution tunnel manufactured by Horiba, Ltd., and the weight of PM was measured. HC and NOx were measured by sampling directly from the exhaust pipe of the DPF.
(Engine specifications)
Engine type: naturally aspirated inline 4-cylinder diesel
Displacement: 4.985L
Inner diameter x stroke: 115 mm x 125 mm
Compression ratio: 19.5
Maximum output: 150ps / 3100rpm
Maximum torque: 37kgf (362.6N) / 1600rpm
[0071]
(3) Lubricity test
The HFRR test was performed under the following conditions, and the diameter in the vibration direction and the diameter perpendicular to the vibration direction of the circular scratches on the test ball after the test were measured, and the average value was defined as the wear scar diameter (WSD). .
Test ball
Material: ANSI 52100
Hardness: 645HV30
Surface roughness: 0.1 μmRa or less
Diameter: 6.25 nm
Test plate
Material: ANSI 52100
Hardness: 180HV30
Surface roughness: 0.1 μmRa or less
Load: 2N
Test temperature: 60 ° C
Stroke: 1.0mm
Frequency: 50Hz
Time: 75 minutes
[0072]
(4) Nozzle cleanliness test
A 4-cylinder engine with a displacement of 2 L was used, continuous operation was performed for 48 hours under the conditions of rotation 1840 rpm and torque 36.4 Nm, and the remaining flow rate ratio of the nozzle after the test was measured. The remaining flow rate ratio of the nozzle indicates the ratio of the nozzle flow rate after the test to the flow rate of the new nozzle before the test.
The nozzle flow rate was measured when the needle valve lift was 0.1 mm. In this test, the larger the value of the remaining nozzle flow rate, the better the cleanliness.
[0073]
[Table 1]
Figure 0003717749

Claims (3)

セタン指数が45以上、初留点が135〜180℃、10容量%留出温度が155〜210℃、30容量%留出温度が175〜250℃、70容量%留出温度が220〜300℃、90容量%留出温度が325℃以下、蒸留終点が355℃以下、飽和分含有量が60〜95容量%、オレフィン分含有量が0〜5容量%、硫黄分含有量が300質量ppm以下、そして30℃における動粘度が1.7mm2/s以上であり、そして二環以上の芳香族化合物の含有量が3容量%以下、三環以上の芳香族化合物の含有量が1容量%以下である軽油組成物。 Cetane index is 45 or more, initial boiling point is 135 to 180 ° C, 10% by volume distillation temperature is 155 to 210 ° C, 30% by volume distillation temperature is 175 to 250 ° C, 70% by volume distillation temperature is 220 to 300 ° C. 90% by volume distillation temperature is 325 ° C. or less, distillation end point is 355 ° C. or less, saturated content is 60 to 95% by volume, olefin content is 0 to 5% by volume, and sulfur content is 300 mass ppm or less. And the kinematic viscosity at 30 ° C. is 1.7 mm 2 / s or more, the content of aromatic compounds having two or more rings is 3% by volume or less, and the content of aromatic compounds having three or more rings is 1% by volume or less. A diesel oil composition. 清浄剤を軽油組成物全量基準で20〜300質量ppm配合することを特徴とする請求項1に記載の軽油組成物。The light oil composition according to claim 1, wherein the detergent is blended in an amount of 20 to 300 ppm by mass based on the total amount of the light oil composition. セタン価向上剤を軽油組成物全量基準で500〜1400質量ppm配合することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軽油組成物。The gas oil composition according to claim 1 or 2, wherein the cetane number improver is blended in an amount of 500 to 1400 ppm by mass based on the total amount of the gas oil composition.
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