JP3715458B2 - タービンの動翼の振動管理方法 - Google Patents

タービンの動翼の振動管理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タービンに全周一群綴り構造となるように取り付けられる複数の動翼の振動管理方法に係り、とりわけ、蒸気タービンやガスタービンのロータホイール外周部の周方向に、全周一群綴り構造となるように取り付けられる複数の動翼の固有振動数管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
タービン動翼は、翼回転時に発生する遠心応力と振動応力に耐えうるように設計されている。遠心応力は、計算および解析により比較的容易に高い精度で推定できる。しかし、振動数および振動応力は、現在も正確な推定は困難である。
【0003】
このため、比較的翼長が短く、翼に発生する遠心応力が低い翼は、仮に運転時に共振して高い振動応力が発生しても強度的に耐えうるように、余裕を持って設計がなされている。
【0004】
これに対し、比較的翼長の長い翼は、遠心応力に関して厳しい条件で運転されることになるため、設計上の安全率が十分大きくない場合、長時間共振状態で運転すると強度的に厳しく危険な場合がある。
【0005】
このため、比較的翼長の長い翼を開発する際は、通常、全数の翼の単翼状態固有振動数を計測して振動状態を把握した上で、翼の運転状態を模擬した回転試験を実施し、定格回転時および適用プラントの許容回転数範囲において共振が起きないことおよび共振回転数と振動応力レベルを確認している。
【0006】
図9は、適用プラントの定格回転時および許容回転数範囲において、振動応力レベル確認試験で計測される一般的な群綴り翼のキャンベル線図(図9(a))と翼振動応力図(図9(b))の代表例である。図9に示す例では、低次の固有振動数を有する接線方向1次モードAの共振点1で最大共振応力2が計測される。
【0007】
従来の長翼開発時の振動管理方法について、フローチャートを図10に示す。図10に示すように、従来の方法においては、翼長の長い翼を開発し(STEP90)、試験翼を試作し、全数の翼の単翼の状態で固有振動数を計測し(STEP91)、試験用ロータに全数の翼を植設後回転試験を実施し、キャンベル線図計測を行う(STEP92)。
【0008】
単翼についての開発終了後、必要数の同じ翼を製造し(STEP93)、製造後に全数の翼の単翼の状態の固有振動数を計測し、開発翼の固有振動数との間に有意差がないことを確認する(STEP94)。
【0009】
製造した翼の単翼の状態の固有振動数が、翼開発時に設定した基準振動範囲からはずれる場合は、キャンベル線図から得られる定格回転時の固有振動数とその共振振動数とを加味して、基準振動範囲を見直す(STEP95)。基準振動数範囲は、開発翼および実績翼の計測中間値もしくは平均値を基準にして範囲を決めるのが通常である。この基準振動数範囲の設定方法は異なる方法がいくつか存在すると思われるが、ここではおおむね中間値の±3%を基本として前記キャンベル線図から得られる定格回転時の固有振動数とその共振振動数を加味して決定している。
【0010】
製作した翼全数の固有振動数を頻度分布図で表すと、通常図11に示すように、振動数中間値3をピークとした正規分布に近いグラフとなる。しかしながら、加工工具の摩耗等に起因する機械加工精度の低下や、素材の材料特性のばらつき等により、同じ種類の翼を再度製作した場合、必ずしも同一の頻度分布図になるとは限らない。例えば、図12に示すように、比較的裾野の広い分布となったり、図13に示すように、振動数中間値3が基準振動数範囲の決定に適当でない分布となることもある。しかしながら、従来は、振動数中間値3を基準にして±3%程度を基準振動数範囲4と定めることが多い。
【0011】
基準振動数範囲4が見直された後、製造した全数の翼の固有振動数の各々が基準振動数範囲4内にあるか否かが確認され(STEP96)、はずれている翼は、廃却されるか、もしくは、機械加工や研削等により基準振動数範囲4内に収めるように固有振動数の調整を行なう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
基準振動数範囲4にない翼を廃却した場合、同数の翼を再度作る必要が生じ、素材手配や加工および検査等製品のコスト上昇要因となり後工程に影響する。固有振動数を基準振動数範囲4内に収めるように調整を行なう場合も、調整に要するコストが発生し、後工程に影響するので製品全体のコスト上昇要因となる。
【0013】
また、比較的翼長の長い翼を設計・開発する際は、構造的に振動減衰が高くなるように工夫されている。図14は、全ての動翼間の連結構造が同一形状で切れ目のない、いわゆる全周一群綴り構造翼の回転試験で得られるキャンベル線図(図14(a))と翼振動応力図(図14(b))の代表例を示した図である。全周一群綴り構造では、一般的な群綴翼で最も高い振動応力を発生する接線方向一次振動モードが理論的に消滅する。従って、全体の振動応力レベルが低くなるため、近年良く使用される綴り構造である。
【0014】
前記の全周一群綴り構造は、全周の翼が一つの群としてあたかも円盤のように振動するため、回転中の各翼の振動数がほぼ同一であることが実験的に確認されている。
【0015】
しかしながら、全周一群綴りで使用する翼についても製造後の単翼の固有振動数値が基準振動数範囲にない場合は、翼の廃却もしくは機械加工や研削等により固有振動数の調整を行ない基準振動数範囲内に収めて使用しているため、コストの上昇および製造工程に影響している。
【0016】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、全周一群綴り構造に限定した翼の振動管理方法を設定し、従来の翼の振動管理方法と比べてコスト上昇要因をなくしたタービン翼の振動管理方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、タービンに全周一群綴り構造となるように取り付けられる複数の動翼の振動管理方法であって、全ての動翼についての各々の固有振動数を測定する工程と、全ての動翼の固有振動数から固有振動数の平均値または中間値を求める工程と、求められた固有振動数の平均値または中間値を基準にして±10%の基準振動数範囲を設定する工程と、全ての動翼の固有振動数が基準振動数範囲に収まっているか否かを判定し、収まっていない動翼を不良と判定する工程と、を備えたことを特徴とするタービンの動翼の振動管理方法である。
【0018】
本発明によれば、基準振動数範囲を、固有振動数の平均値または中間値を基準にして±10%に設定していることにより、全周一群綴り構造の全体の固有振動数を適切に管理することができると共に、従来の管理方法と比べて不良と判定する翼の数が減少し、不良翼の廃却や調整等に係るコストを抑制することができる。
【0019】
また本発明は、タービンに全周一群綴り構造となるように取り付けられる複数の動翼の振動管理方法であって、固有振動数目標値を設定し、固有振動数目標値を基準にして±10%の基準振動数範囲を設定する工程と、全ての動翼についての各々の固有振動数を測定する工程と、全ての動翼の固有振動数が基準振動数範囲に収まっているか否かを判定し、収まっていない動翼を不良と判定する工程と、を備えたことを特徴とするタービンの動翼の振動管理方法である。
【0020】
本発明によれば、基準振動数範囲を、固有振動数目標値を基準にして±10%に設定していることにより、全周一群綴り構造の全体の固有振動数を適切に管理することができると共に、従来の管理方法と比べて不良と判定する翼の数が減少し、不良翼の廃却や調整等に係るコストを抑制することができる。
【0021】
また本発明は、タービンに全周一群綴り構造となるように取り付けられる複数の動翼の振動管理方法であって、固有振動数目標値を設定し、固有振動数目標値を基準にして±10%の基準振動数範囲を設定する工程と、全ての動翼についての各々の固有振動数を測定する工程と、全ての動翼の固有振動数から固有振動数の平均値または中間値を求める工程と、求められた固有振動数の平均値または中間値が基準振動数範囲に収まっているか否かを判定し、収まっていれば全ての動翼を合格と判定する工程と、を備えたことを特徴とするタービンの動翼の振動管理方法である。
【0022】
本発明によれば、基準振動数範囲を、固有振動数の平均値を基準にして±10%に設定し、各翼の固有振動数ではなく固有振動数の平均値のみを基準振動数範囲と比較するため、振動管理が極めて容易である。
【0023】
また本発明は、タービンに全周一群綴り構造となるように取り付けられる複数の動翼の振動管理方法であって、全ての動翼の中から、一定数の動翼を抽出する工程と、抽出された動翼についての各々の固有振動数を測定する工程と、測定された動翼の固有振動数から固有振動数の平均値または中間値を求める工程と、求められた固有振動数の平均値または中間値を基準にして±10%の基準振動数範囲を設定する工程と、測定された動翼の固有振動数が基準振動数範囲に収まっているか否かを判定し、収まっていない動翼を不良と判定する工程と、を備えたことを特徴とするタービンの動翼の振動管理方法である。
【0024】
本発明によれば、基準振動数範囲を、固有振動数の平均値または中間値を基準にして±10%に設定していることにより、全周一群綴り構造の全体の固有振動数を適切に管理することができると共に、従来の管理方法と比べて不良と判定する翼の数が減少し、不良翼の廃却等のコストを抑制することができる。また本発明によれば、全ての動翼の中から一定数の動翼を抽出し、抽出された動翼についての各々の固有振動数を測定し、測定された動翼の固有振動数のみを管理するため、固有振動数の測定等のコストを抑制することができる。
【0025】
また本発明は、タービンに全周一群綴り構造となるように取り付けられる複数の動翼の振動管理方法であって、固有振動数目標値を設定し、固有振動数目標値を基準にして±10%の基準振動数範囲を設定する工程と、全ての動翼の中から、一定数の動翼を抽出する工程と、抽出された動翼についての各々の固有振動数を測定する工程と、測定された動翼の固有振動数が基準振動数範囲に収まっているか否かを判定し、収まっていない動翼を不良と判定する工程と、を備えたことを特徴とするタービンの動翼の振動管理方法である。
【0026】
本発明によれば、基準振動数範囲を、固有振動数目標値を基準にして±10%に設定していることにより、全周一群綴り構造の全体の固有振動数を適切に管理することができると共に、従来の管理方法と比べて不良と判定する翼の数が減少し、不良翼の廃却等のコストを抑制することができる。また本発明によれば、全ての動翼の中から一定数の動翼を抽出し、抽出された動翼についての各々の固有振動数を測定し、測定された動翼の固有振動数のみを管理するため、固有振動数の測定等のコストを抑制することができる。
【0027】
また本発明は、タービンに全周一群綴り構造となるように取り付けられる複数の動翼の振動管理方法であって、固有振動数目標値を設定し、固有振動数目標値を基準にして±10%の基準振動数範囲を設定する工程と、全ての動翼の中から、一定数の動翼を抽出する工程と、抽出された動翼についての各々の固有振動数を測定する工程と、測定された動翼の固有振動数から固有振動数の平均値または中間値を求める工程と、求められた固有振動数の平均値または中間値が基準振動数範囲に収まっているか否かを判定し、収まっていれば全ての動翼を合格と判定する工程と、を備えたことを特徴とするタービンの動翼の振動管理方法である。
【0028】
本発明によれば、基準振動数範囲を、固有振動数の平均値を基準にして±10%に設定し、各翼の固有振動数ではなく固有振動数の平均値のみを基準振動数範囲と比較するため、振動管理が極めて容易である。また本発明によれば、全ての動翼の中から一定数の動翼を抽出し、抽出された動翼についての各々の固有振動数を測定し、測定された動翼の固有振動数のみを管理するため、固有振動数の測定等のコストを抑制することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0030】
図1は、本発明の第1の実施の形態のタービンの動翼の振動管理方法を示すフローチャートである。図1に示すように、本実施の形態の方法においては、まず全周一群綴り構造の新翼を設計・開発する(STEP01)。
【0031】
次に、設計・開発された新翼について試験翼を試作し、全数の単翼の状態の振動数を計測する(STEP02)。
【0032】
次に、試作された試験翼を組み立て、実機における運転状態を模擬した回転試験を実施し、キャンベル線図を作成するとともに試験翼の運転時の共振回転数とその時の共振応力および定格回転時の各振動モードとの振動離調を確認する(STEP03)。
【0033】
さらに作成したキャンベル線図から、定格回転時の振動数の変動可能範囲を確認し、単翼時の仮基準固有振動数範囲を決定する(STEP04)。
【0034】
次に、同じ翼が製作される(STEP10)。そして、製作した全数の翼の単翼の状態の固有振動数が計測され(STEP11)、それらの平均値が演算される(STEP12)。その後、その平均値が前記基準固有振動数範囲にあることが確認される(STEP13)。
【0035】
次に、演算された平均値を、基準固有振動数として設定する(STEP14)。そして、計測された各翼の単翼の状態の固有振動数が、基準固有振動数の±10%以内(基準固有振動数範囲内)にあるか否かが確認される(STEP15)。
【0036】
単翼の状態の固有振動数が基準固有振動数の10%以内にない翼は、構造的な調整によって固有振動数を調整することが可能か否か判断され(STEP16)、調整が不可能な場合は廃却されて(STEP17)、新たな翼が製造される(STEP18)。調整が可能な場合は、構造的な調整によって固有振動数を調整されて(STEP19)、合格品となる。
【0037】
従来の方法では、全数の翼の固有振動数の中間値の±3%を超える固有振動数を有する翼が不良とされて調整または廃却の対象となっているが、本実施の形態によれば、平均値の±10%を超える固有振動数を有する翼のみが不良となって調整または廃却の対象となるため、翼の調整または廃却に係るコストを抑制することができる。
【0038】
一方、本実施の形態の方法は、十分に高精度な振動管理方法であることが確認された。具体的には、全周で100本程度の翼によって構成される全周一群綴り構造のタービン翼において、全数の翼の固有振動数の平均値から10%異なる固有振動数を有する翼が1本含まれている場合でも、本件発明者による有限要素法を用いた振動解析により、全周一群綴り状態での振動数は約0.1%程度しか変化しないことが確認された。このことは、単翼の状態での固有振動数が異なっている翼同士が、全周一群綴り状態にされた場合、その定格回転時の固有振動数は、ほぼ一致するということを示している。
【0039】
すなわち、全周一群綴り構造状態における固有振動数は、個々の翼の単翼の状態の振動数のばらつきにさほど依存せず、翼の固有振動数の平均値等にのみ依存すると考えても、十分高精度に振動管理が行える可能性が知見されたのである。
【0040】
現実問題として、現在の数値制御加工機械で固有振動数の差が10%も出ることは考えづらいため、本実施の形態によれば、翼の廃却や調整が必要となるケースはほとんどないと考える。よって、翼製品のコストアップを効果的に抑制することができる。
【0041】
次に、本発明の第2の実施の形態のタービンの動翼の振動管理方法について図2を用いて説明する。図2は、第2の実施の形態のタービンの動翼の振動管理方法のフローチャートである。
【0042】
図2に示すように、本実施の形態の振動管理方法においては、計測された全数の翼の単翼の状態の固有振動数の平均値を演算する代わりに、計測された全数の翼の単翼の状態の固有振動数の中間値を抽出する(STEP21)。その後、その中間値が基準固有振動数範囲にあることを確認し(STEP22)、さらに、抽出された中間値を、基準固有振動数として設定する(STEP23)。
【0043】
その他の工程は、図1に示す第1の実施の形態と略同様である。第2の実施の形態において、図1に示す第1の実施の形態と同一の工程については、詳細な説明は省略する。
【0044】
タービン翼の固有振動数分布は、必ずしも正規分布に近い分布とはならないため(図11乃至図13参照)、中間値と平均値とは一般に異なる値となる。しかしながら、中間値と平均値の差は、通常それほど大きくはならないため、本実施の形態のように平均値の代わりに中間値を用いて基準固有振動数範囲を設定することも有効である。
【0045】
次に、本発明の第3の実施の形態のタービンの動翼の振動管理方法について図3を用いて説明する。図3は、第3の実施の形態のタービンの動翼の振動管理方法のフローチャートである。
【0046】
図3に示すように、本実施の形態の振動管理方法においては、製作した全数の翼の単翼の状態の固有振動数が計測される代わりに、全ての動翼の中から一定数の動翼を抽出される(STEP31)。その後、抽出された動翼のみについての各々の固有振動数が測定され(STEP32)、測定された動翼の固有振動数から固有振動数の平均値が演算され(STEP33)、この平均値が仮基準固有振動数範囲にあることが確認される(STEP34)。一方、この平均値が基準固有振動数として設定され(STEP35)、計測された各翼の単翼の状態の固有振動数が、基準固有振動数の±10%以内にあるか否かが確認される(STEP36)。
【0047】
その他の工程は、図1に示す第1の実施の形態と略同様である。第2の実施の形態において、図1に示す第1の実施の形態と同一の工程については、詳細な説明は省略する。
【0048】
本実施の形態は、いわゆる抜取り計測によって、一定数、例えば規定した本数もしくは規定した割合の本数のみについて単翼の状態の振動数を計測するものであるが、例えば使用実績のある翼等に対して、十分に高精度な振動管理が可能である。
【0049】
特に、振動計測に先立って、全数の翼に対して翼重量計測もしくはモーメント計測等を実施し、例えば軽い翼、重たい翼及びそれらの中間の翼等に分類して、各分類結果から略均等に抽出を行うこと等により、より高い精度での振動管理を行うことができる。
【0050】
次に、本発明の第4の実施の形態のタービンの動翼の振動管理方法について図4を用いて説明する。図4は、第4の実施の形態のタービンの動翼の振動管理方法のフローチャートである。
【0051】
図4に示すように、本実施の形態の振動管理方法においては、計測された翼の単翼の状態の固有振動数の平均値を演算する代わりに、計測された翼の単翼の状態の固有振動数の中間値が抽出される(STEP41)。その後、その中間値が仮基準固有振動数範囲にあることが確認され(STEP42)、この中間値が基準固有振動数として設定される(STEP43)。
【0052】
その他の工程は、図3に示す第3の実施の形態と略同様である。第4の実施の形態において、図3に示す第3の実施の形態と同一の工程については、詳細な説明は省略する。
【0053】
本実施の形態のように、いわゆる抜取り計測を利用する場合においても、平均値の代わりに中間値を用いて基準固有振動数範囲を設定することが可能である。
【0054】
次に、本発明の第5の実施の形態のタービンの動翼の振動管理方法について図5を用いて説明する。図5は、第5の実施の形態のタービンの動翼の振動管理方法のフローチャートである。
【0055】
図5に示すように、本実施の形態の振動管理方法においては、計測された翼の単翼の状態の固有振動数の平均値を演算することなく、仮基準固有振動数をそのまま基準固有振動数とし(STEP51)、計測された全ての各翼の単翼の状態の固有振動数が、基準固有振動数の±10%以内にあるか否かが確認される(STEP52)。
【0056】
その他の工程は、図1に示す第1の実施の形態と略同様である。第5の実施の形態において、図1に示す第1の実施の形態と同一の工程については、詳細な説明は省略する。
【0057】
本実施の形態のように、固有振動数目標値として仮基準固有振動数を用いても、十分に高精度な振動管理を行うことができる。
【0058】
次に、本発明の第6の実施の形態のタービンの動翼の振動管理方法について図6を用いて説明する。図6は、第6の実施の形態のタービンの動翼の振動管理方法のフローチャートである。
【0059】
図6に示すように、本実施の形態の振動管理方法においては、抽出され計測された翼の単翼の状態の固有振動数の平均値を演算することなく、仮基準固有振動数をそのまま基準固有振動数とし(STEP61)、抽出され計測された各翼の単翼の状態の固有振動数が、基準固有振動数の±10%以内にあるか否かが確認される(STEP62)。
【0060】
その他の工程は、図3に示す第3の実施の形態と同様である。第6の実施の形態において、図3に示す第3の実施の形態と同一の工程については、詳細な説明は省略する。
【0061】
本実施の形態のように、いわゆる抜取り計測を利用する場合において、固有振動数目標値として仮基準固有振動数を用いても、十分に高精度な振動管理を行うことができる。
【0062】
次に、本発明の第7の実施の形態のタービンの動翼の振動管理方法について図7を用いて説明する。図7は、第7の実施の形態のタービンの動翼の振動管理方法のフローチャートである。
【0063】
図7に示すように、本実施の形態の振動管理方法においては、同じ翼が製作され(STEP10)た後、製作した全数の翼の単翼の状態の固有振動数が計測され(STEP11)、それらの平均値が演算される(STEP12)。そして、その平均値が仮基準固有振動数範囲にあることが確認され(STEP13)た時点で、全ての動翼を合格と判定する。
【0064】
その他の工程は、図1に示す第1の実施の形態と同様である。第7の実施の形態において、図1に示す第1の実施の形態と同一の工程については、詳細な説明は省略する。
【0065】
いわゆる全周一群綴り構造においては、個々の動翼の固有振動数のばらつきに拘るよりも、全周の動翼の固有振動数平均値で管理するだけで十分に高精度な振動管理が可能な場合がある。本実施の形態は、そのような場合を想定したものである。なお、本実施の形態において、平均値の代わりに中間値を利用してもよい。
【0066】
次に、本発明の第8の実施の形態のタービンの動翼の振動管理方法について図8を用いて説明する。図8は、第8の実施の形態のタービンの動翼の振動管理方法のフローチャートである。
【0067】
図8に示すように、本実施の形態の振動管理方法においては、同じ翼が製作され(STEP10)、一定数の動翼が抽出され(STEP31)た後、抽出された動翼の単翼の状態の固有振動数が計測され(STEP32)、それらの平均値が演算される(STEP33)。そして、その平均値が仮基準固有振動数範囲にあることが確認され(STEP83)た時点で、全ての動翼を合格と判定する。
【0068】
その他の工程は、図3に示す第3の実施の形態と同様である。第8の実施の形態において、図3に示す第3の実施の形態と同一の工程については、詳細な説明は省略する。
【0069】
本実施の形態のように、全周の動翼の固有振動数平均値で管理する場合においても、いわゆる抜き取り計測を採用することが可能である。
【0070】
この場合、振動計側に先立ち、製造した全数の翼に対して、寸法計測、非破壊検査、翼重量検査及びモーメント計測等を実施し、バランス良く翼を抽出することが好ましい。
【0071】
なお、本実施の形態において、平均値の代わりに中間値を利用してもよい。
【0072】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、全周一群綴り構造のタービン動翼の単翼時固有振動数ばらつきをタービン運転に支障のない範囲で許容し、かつ、タービン運転時の動翼振動数を目的の振動数範囲に抑えられるので、製品のコストアップを効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるタービンの動翼の振動管理方法の第1の実施の形態を示すフローチャート。
【図2】本発明によるタービンの動翼の振動管理方法の第2の実施の形態を示すフローチャート。
【図3】本発明によるタービンの動翼の振動管理方法の第3の実施の形態を示すフローチャート。
【図4】本発明によるタービンの動翼の振動管理方法の第4の実施の形態を示すフローチャート。
【図5】本発明によるタービンの動翼の振動管理方法の第5の実施の形態を示すフローチャート。
【図6】本発明によるタービンの動翼の振動管理方法の第6の実施の形態を示すフローチャート。
【図7】本発明によるタービンの動翼の振動管理方法の第7の実施の形態を示すフローチャート。
【図8】本発明によるタービンの動翼の振動管理方法の第8の実施の形態を示すフローチャート。
【図9】群綴り翼のキャンベル線図と翼振動応力図の代表例を示す図。
【図10】従来の振動管理方法を示すフローチャート。
【図11】製造した翼の固有振動数頻度分布図の一例を示す図。
【図12】製造した翼の固有振動数頻度分布図の他の例を示す図。
【図13】製造した翼の固有振動数頻度分布図のさらに他の例を示す図。
【図14】全周一群綴り翼のキャンベル線図と翼振動応力図の代表例を示す図。
【符号の説明】
1 接線方向1次振動モードの共振点
2 最大共振応力
3 振動数中間値
4 基準振動数範囲
5 共振点
A 接線方向1次振動モード

Claims (6)

  1. タービンに全周一群綴り構造となるように取り付けられる複数の動翼の振動管理方法であって、
    全ての動翼についての各々の固有振動数を測定する工程と、
    全ての動翼の固有振動数から固有振動数の平均値または中間値を求める工程と、
    求められた固有振動数の平均値または中間値を基準にして±10%の基準振動数範囲を設定する工程と、
    全ての動翼の固有振動数が基準振動数範囲に収まっているか否かを判定し、収まっていない動翼を不良と判定する工程と、
    を備えたことを特徴とするタービンの動翼の振動管理方法。
  2. タービンに全周一群綴り構造となるように取り付けられる複数の動翼の振動管理方法であって、
    固有振動数目標値を設定し、
    固有振動数目標値を基準にして±10%の基準振動数範囲を設定する工程と、
    全ての動翼についての各々の固有振動数を測定する工程と、
    全ての動翼の固有振動数が基準振動数範囲に収まっているか否かを判定し、収まっていない動翼を不良と判定する工程と、
    を備えたことを特徴とするタービンの動翼の振動管理方法。
  3. タービンに全周一群綴り構造となるように取り付けられる複数の動翼の振動管理方法であって、
    固有振動数目標値を設定し、
    固有振動数目標値を基準にして±10%の基準振動数範囲を設定する工程と、
    全ての動翼についての各々の固有振動数を測定する工程と、
    全ての動翼の固有振動数から固有振動数の平均値または中間値を求める工程と、
    求められた固有振動数の平均値または中間値が基準振動数範囲に収まっているか否かを判定し、収まっていれば全ての動翼を合格と判定する工程と、
    を備えたことを特徴とするタービンの動翼の振動管理方法。
  4. タービンに全周一群綴り構造となるように取り付けられる複数の動翼の振動管理方法であって、
    全ての動翼の中から、一定数の動翼を抽出する工程と、
    抽出された動翼についての各々の固有振動数を測定する工程と、
    測定された動翼の固有振動数から固有振動数の平均値または中間値を求める工程と、
    求められた固有振動数の平均値または中間値を基準にして±10%の基準振動数範囲を設定する工程と、
    測定された動翼の固有振動数が基準振動数範囲に収まっているか否かを判定し、収まっていない動翼を不良と判定する工程と、
    を備えたことを特徴とするタービンの動翼の振動管理方法。
  5. タービンに全周一群綴り構造となるように取り付けられる複数の動翼の振動管理方法であって、
    固有振動数目標値を設定し、
    固有振動数目標値を基準にして±10%の基準振動数範囲を設定する工程と、
    全ての動翼の中から、一定数の動翼を抽出する工程と、
    抽出された動翼についての各々の固有振動数を測定する工程と、
    測定された動翼の固有振動数が基準振動数範囲に収まっているか否かを判定し、収まっていない動翼を不良と判定する工程と、
    を備えたことを特徴とするタービンの動翼の振動管理方法。
  6. タービンに全周一群綴り構造となるように取り付けられる複数の動翼の振動管理方法であって、
    固有振動数目標値を設定し、
    固有振動数目標値を基準にして±10%の基準振動数範囲を設定する工程と、
    全ての動翼の中から、一定数の動翼を抽出する工程と、
    抽出された動翼についての各々の固有振動数を測定する工程と、
    測定された動翼の固有振動数から固有振動数の平均値または中間値を求める工程と、
    求められた固有振動数の平均値または中間値が基準振動数範囲に収まっているか否かを判定し、収まっていれば全ての動翼を合格と判定する工程と、
    を備えたことを特徴とするタービンの動翼の振動管理方法。
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