JP3714637B2 - Upper rolling structure of tracked vehicle - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧ショベルおよびブルドーザ等の建設機械における装軌式車両の上転輪構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の油圧ショベルを例にして装軌式車両における従来の上転輪構造について説明する。
先ず、油圧ショベル20について図4により説明する。
下部走行体21のセンタフレーム2は左右のクローラフレーム3に締結され、このクローラフレーム3に装着された走行モータ25により、下部走行体21は前後に走行自在となっている。この下部走行体21の上部にはスイングサークル22を介して、上部旋回体23が装着され図示しない旋回モータにより旋回可能となっている。この上部旋回体23には作業機30、マシンキャブ26、オペレータキャビン27およびカウンタウエイト28を取着している。
作業機30はブーム31、アーム33、バケット35、複数の油圧シリンダ32、34、36から構成され、土砂の掘削作業を行うようになっている。
【0003】
次に油圧ショベル20の足まわり装置について図5により説明する。
クローラフレーム3の前後に遊動輪5と駆動輪4が配設され、この遊動輪5と駆動輪4の間には履帯7が巻装され、この履帯7はクローラフレーム3に固定された複数の下転輪8と上転輪10で支持されている。図示しない走行モータにより駆動輪4が駆動され、この駆動輪4に固設して回転するスプロケット6と履帯7が噛み合って油圧ショベル20の下部走行体21を前後走行自在としている。
【0004】
次に従来の上転輪10の構造について図6により説明する。
ローラ13はステー11の上部に突設された固定軸12に回転可能に嵌装され、固定軸12の外側端部にボルト15でスラストワッシャ14を固設し、ローラ13の外側端部にボルト17でカバー16を固設してスラストワッシャ14に対設するとともに、ローラ13の内側にシール19とシールサポート9を配設して、固定軸12はローラ13よりのラジアル荷重を受け持ち、ローラ13よりのスラスト荷重は、固定軸12の外側端部に固設され上転輪13とカバー16を間に配設されているスラストワッシャ14で受け持つようになっている。
【0005】
上記従来の上転輪10の構造では、履帯7からローラ13に作用する大きなラジアル荷重の作用線の位置と、そのラジアル荷重を支えるステー11の位置が大きくオフセットしているため、軸12やステー11に大きな剪断力、曲げモーメントが掛かり、軸12の曲がり、切損およびステー11の曲がり等のトラブルが生じ易く、このトラブルを防止するために軸12の径を大きくしたり、高強度材を使用したり、またステー11を頑丈な構造にする必要が生じてコスト高になるという問題がある。
【0006】
そのため上記従来の上転輪10の構造の問題に対して改善をはかったものに、例えば実公平2−10065号公報がある。同公報によれば上転輪40は図7に示す如く、ステー41の上端部に軸受45を介して回転軸42を嵌挿し、この回転軸42の両端部に一対のローラ43を固設して、ステー41の上端部の両側に対設すると共にステー41の上端部の両側とローラ43の間にシール49を配設し、ステー41および回転軸42に作用するオフセット荷重を減らし剪断力、曲げモーメントを軽減するようにした技術が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の実公平2−10065号公報においては、ローラ43に作用するラジアル荷重は常に下向きのため、回転軸42とステー41との間に配設された軸受45は下側の一部分のみで荷重を受け持つことになり、この部分の、摺動面が著しく摩耗し寿命が短いという問題がある。
【0008】
本発明は上記従来の問題点に着目し、ローラを回転自在に支持する軸をステーに固着し、ローラの回転に伴い軸受の円周が満遍なく荷重を受ける構造として、軸受寿命を大幅に向上させる上転輪構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る装軌式車両の上転輪構造は、装軌式車両の下部走行体のクローラフレーム上にステーを介して立設する装軌式車両の上転輪構造であって、前記ステーの上部に固定した軸と、この軸の両端部に軸受を介して回転自在に取着した一対のローラと、前記ステーと前記一対のローラとの間に介在するフローティングシールとを備え、更に、前記ステーと前記軸受が摺動可能に当接する構成としたものである。
また、前記ステーに対する軸の固定は、圧入手段による構成としたものである。
さらに、前記ステーに対する軸の固定は、ステー側に設けたスリットを縮小する手段による構成としたものである。
【0010】
【作用】
上記構成によれば、ステーに固設された軸の両端部に、回転自在に配設されたローラに軸受を内装しているため、ローラの回転に伴い軸受の円周が満遍なく荷重を受けるので、摺動による摩耗が一か所に偏らず軸受寿命が大幅に向上する。
また、圧入により軸がステーに固定されているため、構造が簡単でコンパクトである。
また、ステー側に設けられたスリットを縮小することにより軸がステーに固定されているため、軸の外周固定部およびステーの軸穴を精密な加工をする必要がなく、組立も簡単となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る装軌式車両の上転輪構造の具体例を図面を参照して説明する。なお図4、5と共通の部品については同一符号を付して説明する。
【0012】
本発明の第1実施例を図1、2により説明する。
図1は第1実施例の上転輪50の縦断面図である。図2は図1のM−M断面図である。
先ず、図1に示す軸52は中央部52aをステー51の上部の軸穴51aに圧入により固設されている。ローラ53の穴部53aには、鍔付き軸受55が圧入により固設されている。この軸受55の内面55aを介してローラ53は軸52に回転可能に嵌挿され、軸52と軸受55の内面55aとの間には潤滑油が入れてあり摺動するようになっている。
軸受55の鍔の外側面55bとステー51の上部の側面51bは、摺動可能に当接されていて、この当接面でローラ53に作用する内側に向かうスラスト荷重を受けるようになっている。
【0013】
ローラ53の穴部53bには、スラスト軸受54の外周が圧入で固設され、軸52の外側端部にはスラストワッシャ56がボルト57で固設されている。
スラスト軸受54の外側面54aとスラストワッシャ56の内側面56aは、摺動可能に当接されている。この当接面でローラ53に作用する外側に向かうスラスト荷重を受けるようになっている。
ローラ53の外側面にはカバー58がシール59を介してボルト60で固定されていて、カバー58はローラ53の穴部61と共に潤滑油の油溜62を形成している。
ステー51の上部の側面とローラ53の内側面の間に、Oリング63とシールリング64で構成されるフローテイングシール65を介在させ、潤滑油を外部に漏洩しないように回転シールしている。なおステー51はボルト67によりクローラフレーム3に固定されている。
【0014】
次に、図2に示すステー51の上部51cにはプラグ66が設けられ、軸52の穴52b、52c、およびスラストワッシャ56の穴56bを通じて、油溜62に潤滑油を供給できるようになっている。
【0015】
このような第1実施例によれば、ステー51に圧入された軸52の両端に、回転自在に配設されたローラ53に、軸受55を内装しているため、ローラ53の回転に伴い軸受55の円周が満遍なく荷重を受けるので、摺動による摩耗が一か所に偏らず軸受寿命が大幅に向上する。また軸52がステー51に圧入されているため、構造が簡単でコンパクトである。
【0016】
次に本発明の第2実施例を図3により説明する。
尚、上転輪は第1実施例の図1と同様の構造となっており、ここでは説明を省略する。図3は、軸52Aとステー51Aの固定部を示し、前記の第1実施例の図2に相当する。ステー51Aの上部51dに、軸穴51eから外へ向かってスリット51fを設け、更にこのスリット51fの上下にフランジ51g、51hが設けられている。このフランジ51g,51hをボルト64で締めることにより軸52Aをステー51Aに固定している。
【0017】
このような第2実施例によれば、軸52Aがボルト64によりステー51Aに固定されるため、軸52Aの外周固定部およびステー51Aの軸穴51eを精密な加工をする必要がなく、組立も簡単となる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の装軌式車両の上転輪構造によれば、ステーに固定された軸の両端部に、回転自在に配設されたローラに軸受を内装しているため、ローラの回転に伴い軸受の円周が満遍なく荷重を受けるので、摺動による摩耗が一か所に偏らず軸受の寿命がのびて耐久性が向上する。
【0019】
また、ステーに固定された軸をボルト締めによりステーに固定することにより、軸、ステーの軸穴を精密な加工をする必要がなく、組立も簡単となりコストが安価となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装軌式車両の上転輪構造の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1のM−M断面図である。
【図3】本発明の装軌式車両の上転輪構造の第2実施例の軸とステーとの固定部を示す図である。
【図4】従来の油圧ショベルの側面図である。
【図5】従来の油圧ショベルの足まわり装置の側面図である。
【図6】従来の油圧ショベルの上転輪構造の第1例を示す図である。
【図7】従来の油圧ショベルの上転輪構造の第2例を示す図である。
【符号の説明】
2…センタフレーム、3…クローラフレーム、4…駆動輪、5…遊動輪、6…スプロケット、7…履帯、8…下転輪、20…油圧ショベル、21…下部走行体、23…上部旋回体、30…作業機、50…上転輪、51,51A…ステー、51f…スリット、52,52A…軸、53…ローラ、55…軸受、54…スラスト軸受、56…スラストワッシャ、65…シール。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an overturning structure of a tracked vehicle in a construction machine such as a hydraulic excavator and a bulldozer.
[0002]
[Prior art]
A conventional upper wheel structure in a tracked vehicle will be described by taking a conventional hydraulic excavator as an example.
First, the
The
The
[0003]
Next, the suspension device of the
An idler wheel 5 and a drive wheel 4 are disposed before and after the
[0004]
Next, the structure of the conventional
The roller 13 is rotatably fitted to a
[0005]
Above the structure of the
[0006]
For this reason, for example, Japanese Utility Model Publication No. 2-10065 is disclosed as an improvement on the conventional structure of the
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above Japanese Utility Model Publication No. 2-10065, since the radial load acting on the
[0008]
The present invention pays attention to the above-mentioned conventional problems, and a shaft that rotatably supports the roller is fixed to the stay, and the bearing circumference is uniformly loaded with the rotation of the roller, so that the bearing life is greatly improved. An object is to provide an upper roller structure.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above-mentioned object, an upper rolling structure of a tracked vehicle according to the present invention is an overturning of a tracked vehicle that is erected via a stay on a crawler frame of a lower traveling body of the tracked vehicle. It is a ring structure, and is interposed between the shaft fixed to the upper portion of the stay, a pair of rollers rotatably attached to both ends of the shaft via bearings, and the stay and the pair of rollers. A floating seal is provided, and the stay and the bearing are slidably contacted .
The shaft is fixed to the stay by a press-fitting means.
Further, the shaft is fixed to the stay by means of means for reducing a slit provided on the stay side.
[0010]
[Action]
According to the above configuration, since the bearings are housed in the rotatably disposed rollers at both ends of the shaft fixed to the stay, the circumference of the bearing is uniformly loaded with the rotation of the rollers. The wear due to sliding is not concentrated in one place, and the bearing life is greatly improved.
In addition, since the shaft is fixed to the stay by press-fitting, the structure is simple and compact.
Further, since the shaft is fixed to the stay by reducing the slit provided on the stay side, it is not necessary to precisely process the outer peripheral fixing portion of the shaft and the shaft hole of the stay, and the assembly is also simplified.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a specific example of the upper roller structure of a tracked vehicle according to the present invention will be described with reference to the drawings. Parts common to FIGS. 4 and 5 will be described with the same reference numerals.
[0012]
A first embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS.
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of an
First, the
The
[0013]
The outer periphery of the thrust bearing 54 is fixed by press-fitting in the
The outer side surface 54a of the thrust bearing 54 and the inner side surface 56a of the
A
A floating
[0014]
Next, a
[0015]
According to the first embodiment, since the
[0016]
Next, a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIG.
The upper roller has the same structure as that of FIG. 1 of the first embodiment, and the description thereof is omitted here. FIG. 3 shows a fixing portion between the
[0017]
According to the second embodiment, since the
[0018]
【The invention's effect】
As described above, according to the upper rolling structure of the tracked vehicle of the present invention, the bearings are housed in the rollers disposed rotatably at both ends of the shaft fixed to the stay. As the roller rotates, the circumference of the bearing receives a load evenly, so wear due to sliding is not biased in one place, and the life of the bearing is extended and durability is improved.
[0019]
Further, by fixing the shaft fixed to the stay to the stay by bolting, it is not necessary to precisely process the shaft and the shaft hole of the stay, and assembling is simplified and the cost is reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view showing a first embodiment of an upper roller structure of a tracked vehicle according to the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along the line MM in FIG.
FIG. 3 is a view showing a fixing portion between a shaft and a stay in a second embodiment of the upper rolling structure of the tracked vehicle of the present invention.
FIG. 4 is a side view of a conventional hydraulic excavator.
FIG. 5 is a side view of a conventional suspension device for a hydraulic excavator.
FIG. 6 is a view showing a first example of a conventional overturning structure of a hydraulic excavator.
FIG. 7 is a diagram showing a second example of a conventional overturning structure of a hydraulic excavator.
[Explanation of symbols]
2 ... center frame, 3 ... crawler frame, 4 ... driving wheel, 5 ... idle wheel, 6 ... sprocket, 7 ... crawler belt, 8 ... downwheel, 20 ... hydraulic excavator, 21 ... lower traveling body, 23 ... upper turning body , 30 ... working machine, 50 ... upper wheel, 51, 51A ... stay, 51f ... slit, 52 , 52A ... shaft , 53 ... roller, 55 ... bearing, 54 ... thrust bearing, 56 ... thrust washer, 65 ... seal.
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