JP3713025B2 - ポリフルオレン及びその固定化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フルオレンによって形成された主鎖構造を有するポリフルオレンであって、環状構造又は双子型環状構造のいずれかの構造を有するポリフルオレン及びその固定化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フルオレンによって形成された主鎖構造を有する有機フルオレン高分子化合物は、一般にポリフルオレンと呼ばれ、機能性高分子材料として注目を集めており、高分子半導体、高分子導電体、エレクトロクロミック材料、電界発光材料、非線形光学材料など、応用を指向した研究例が多く報告されている。上記特性を有するポリフルオレンを得るためには、9位に置換基を有する2,7−ジブロモフルオレンを触媒を用いて脱臭素化して重合させる方法が一般的である。
【0003】
ところが、ポリフルオレンの末端部にブロモ基が残存すると熱的、化学的な安定性を欠き、また、末端ブロモ基の存在は発光量子効率を著しく下げることにつながり電界発光材料としての特性が著しく低下するなどといった不都合を生じる。そこで、これらの不都合を解決するために、末端部にブロモ基を持たないポリフルオレンが報告されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−155131号公報(公開日:平成14年5月28日)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のポリフルオレンは、末端部にブロモ基を持たない構造ではあるものの、フルオレンを末端基とした剛直棒状の構造を有している。末端基は化学試薬、熱又は光等に弱いために、化学試薬、熱又は光が分解開始の引き金となり、ポリフルオレンが分解してしまう可能性がある。すなわち、上記従来のポリフルオレンは、ブロモ基に由来する熱的、化学的な不安定性を回避したものの、依然として末端基に由来する化学試薬、熱又は光等による不安定性を有するという問題点が有る。
【0006】
また、一般に、高分子化合物の諸物性は、主鎖構造やコンホメーションに依存することが知られている。そのため、ポリフルオレンの主鎖構造や分岐構造、コンホメーション等を制御すれば、例えば、従来見出されていた発光効率よりも高高率な発光性を示すポリフルオレンを得ることができる可能性が期待される。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、従来のポリフルオレンの主鎖のコンホメーション構造を制御することによって、末端基のない環状構造又は双子型環状構造のいずれかの構造を有するポリフルオレン及びその固定化方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、分子量と剛直性とを制御した環状構造又は双子型環状構造のいずれかの構造を有するポリフルオレンを合成するとともに、該ポリフルオレンを被固定化物に固定化させる方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明のポリフルオレンは、上記課題を解決するために、一般式(1)
【0010】
【化2】
【0011】
(式中、R1及びR2は、少なくとも1つの炭素及び少なくとも1つの水素を有していればよい炭化水素基であり、nは10以上の整数である)にて表される構造を有するポリフルオレンであって、環状構造又は双子型環状構造のいずれかの構造を有することを特徴としている。また、上記ポリフルオレンは、剛直性又は半剛直性の螺旋構造を有していることが好ましい。さらに、上記各環状構造の直径は、200nm以上500nm以下であることが好ましい。
【0012】
ここで、環状構造とはポリフルオレンの主鎖が完全な円形又は不完全な円形に結び合わさっている円環状構造、若しくは半円形に結び合わさっている半円環状構造のことである。また、双子型環状構造とは上記環状構造のポリフルオレンの主鎖に1回ひねりを加えた、いわゆる8の字形の二重円環状(半円環状)構造のことである。
【0013】
また、半剛直性(半屈曲性ともいう)とは、高分子の希薄溶液を調製し、高分子濃度をゼロに外挿した極限粘度と分子量とを両対数プロットしたマーク・ホーウインク・サクラダプロットにおける、傾き(粘度指数)の値が0.8〜1.0程度(THF中、30℃)のものを指し、剛直性(屈曲性ともいう)とは、上記傾き(粘度指数)の値が1.0〜1.7程度(THF中、30℃)のものを指す。すなわち、剛直性又は半剛直性の螺旋構造とは、上記粘度指数を有するポリフルオレンの螺旋構造の中心軸が環状又は双子型環状をなしており、この中心軸の周囲を、上記一般式にて表されるフルオレン連鎖からなる主鎖が螺旋状に取り囲むコンホメーションをいう。すなわち、本発明のポリフルオレンの構造は、例えば、フラットなリボンが螺旋状によじれ、端と端とが結び合わさったようなメビウス輪構造と考えることもできる。
【0014】
上記の構成によれば、ポリフルオレンは、環状構造又は双子型環状構造を有しているため、末端基を持たない。したがって、末端基は化学試薬、熱又は光に弱いため、末端基を有するポリフルオレンは、化学試薬、熱又は光によってポリフルオレンが分解してしまう可能性があるのに対して、本発明のポリフルオレンは、分解してしまうことを抑制することが可能となる。また、従来の螺旋構造からなる末端基を有する剛直棒状のポリフルオレンは、円偏光を吸収し、円偏光を発している。本発明のポリフルオレンについても剛直性又は半剛直性の螺旋構造を有しているため、円偏光を吸収し、円偏光を発することが可能であると考えられる。これにより、例えば、高効率、長寿命の電界発光材料に応用できる可能性がある。また、各環状構造の直径を200nm以上500nm以下とすることにより、ナノサークル構造を有するポリフルオレンとすることができる。
【0015】
また、本発明のポリフルオレンの固定化方法は、上記課題を解決するために、上記いずれかに記載のポリフルオレンを被固定化物に固定するポリフルオレンの固定化方法であって、上記ポリフルオレンを有機溶媒に溶解させて、ポリフルオレン溶液を調製する調製工程と、上記ポリフルオレン溶液を被固定化物上に塗布する塗布工程と、上記ポリフルオレン溶液の塗布された被固定化物上にガスを噴射する噴射工程とを含むことを特徴としている。ここで、上記ガスの噴射は、単位面積あたりの流量が0.1L/min以上5L/min以下の範囲で行われることが好ましく、上記被固定化物は、表面が劈開又は研磨されることによって修飾されていることが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、上記いずれかに記載のポリフルオレンを有機溶媒に溶解させ、該ポリフルオレン溶液を被固定化物上に塗布した後に、該被固定化物上にガスを噴射することにより、ポリフルオレンを被固定化物に固定することができる。すなわち、ポリフルオレン溶液が塗布された被固定化物上にガスを噴射することにより、ポリフルオレンを分散させるとともに、有機溶媒を気化させることができるため、ポリフルオレンを乾燥させることができ、その結果、ポリフルオレンを被固定化物上に物理吸着により固定することができる。ここで、噴射するガスの単位面積あたりの流量が0.1L/minより小さい場合には、ポリフルオレンを分散させることができない、又は有機溶媒を気化させることができない可能性がある。一方、噴射するガスの単位面積あたりの流量が5L/minより大きい場合には、被固定化物上に塗布したポリフルオレン溶液に含まれるポリフルオレンそのものが被固定化物上に残らない可能性がある。したがって、ガスの噴射を、単位面積あたりの流量が0.1L/min以上5L/min以下の範囲となるように行うことによって、ポリフルオレンを被固定化物に固定することができる。さらに、上記被固定化物として、表面が劈開又は研磨されることによって修飾されている被固定化物を用いた場合には、ポリフルオレンと被固定化物との物理吸着をより安定して行うことができる。すなわち、非常に簡便な方法で、ナノサークル構造を有するポリフルオレンを被固定化物上に固定することが可能となる。
【0017】
また、上記いずれかに記載の方法によって、被固定化物上にポリフルオレンが固定化されてなるポリフルオレン固定物は、例えば、高効率、長寿命の電界発光材料として応用することができる等の可能性がある。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。
【0019】
A.本発明にかかるポリフルオレン
本発明にポリフルオレンは、一般式(1)
【0020】
【化3】
【0021】
(式中、R1及びR2は、少なくとも1つの炭素及び少なくとも1つの水素を有していればよい炭化水素基であり、nは10以上の整数である)にて表される構造を有するポリフルオレンであって、環状構造又は双子型環状構造のいずれかの構造を有している。
【0022】
すなわち、本発明のポリフルオレンは、主鎖がフルオレンで形成されており、各フルオレンの2位及び7位が結合したフルオレン連鎖となっている。また、繰り返し単位を構成する各フルオレンの9位には側鎖R1及びR2を有しており、側鎖R1及びR2としては、少なくとも1つの炭素及び少なくとも1つの水素を含む炭化水素基である。
【0023】
また、上記R1及びR2は、同一の炭化水素基であってもよく、異なる炭化水素基であってもよい。上記のR1及びR2の炭化水素基は、少なくとも1つの炭素及び少なくとも1つの水素を有していればよく、該水素の一部が水素以外の他の元素や官能基にて置換されていてもよいものとする。このような炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、イソペンチル基、イソヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドコシル基、ヘキシル基、ビニル基、アリル基等の鎖状炭化水素基;シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基等の環式飽和炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基、β−フェニルエチル基、γ−フェニルプロピル基、δ−フェニルブチル基等の芳香族炭化水素基等を挙げることができる。
【0024】
また、上記R1及びR2は、例えば、炭化水素基に含まれる少なくとも1つの水素がフッ素で置換されたフッ化炭化水素基であってもよく、上記フッ化炭化水素基は、炭化水素基のすべての水素がフッ素で置換されているものや、炭化水素基の水素がフッ素以外の元素や官能基にて置換されているものも含むものとする。このようなフッ化炭化水素基としては、具体的には、ペンタフルオロフェニルプロピル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等の直鎖状フッ化炭化水素基;アラルキル基等を挙げることができる。
【0025】
さらに、上記一般式(1)にて表される構造を有するポリフルオレンにおける繰り返し数であるnは、10以上の整数であれば特に限定されないが、10以上1,000,000以下であることが好ましい。nが10未満であると、ポリフルオレンが環状構造又は双子型環状構造のいずれかの構造にならず好ましくない。また、nが1,000,000を超えると、ポリフルオレンの溶解性が低下するため好ましくない。
【0026】
上記の構造式にて表されるポリフルオレンの立体構造は、環状構造又は双子型環状構造のいずれかの構造であると考えられる。ここで、環状構造とはポリフルオレンの主鎖が完全な円形又は不完全な円形に結び合わさっている円環状構造、若しくは半円形に結び合わさっている半円環状構造のことである。また、双子型環状構造とは上記環状構造のポリフルオレンの主鎖に1回ひねりを加えた、いわゆる8の字形の二重円環状(半円環状)構造のことである。すなわち、上記いずれの構造においても、ポリフルオレンは、末端基を持たない構造を有しており、これにより、本発明のポリフルオレンは、化学試薬、熱又は光に対する耐性を有するものと考えられる。
【0027】
また、上記ポリフルオレンは、剛直性又は半剛直性の螺旋構造を有している構造とすればより好ましい。本実施の形態における半剛直性(半屈曲性ともいう)とは、高分子の希薄溶液を調製し、高分子濃度をゼロに外挿した極限粘度と分子量とを両対数プロットしたマーク・ホーウインク・サクラダプロットにおける、傾き(粘度指数)の値が0.8〜1.0程度(THF中、30℃)のものを指し、剛直性(屈曲性ともいう)とは、上記傾き(粘度指数)の値が1.0〜1.7程度(THF中、30℃)のものを指す。すなわち、剛直性又は半剛直性の螺旋構造とは、上記粘度指数を有するポリフルオレンの螺旋構造の中心軸が環状又は双子型環状をなしており、この中心軸の周囲を、上記一般式(1)にて表されるフルオレン連鎖からなる主鎖が螺旋状に取り囲むコンホメーションをいう。したがって、上記ポリフルオレンの立体構造は、ポリフルオレンのフルオレン連鎖からなる主鎖が、環状又は双子型環状の軸を中心として、該軸の周囲を螺旋状に取り囲む立体構造である。
【0028】
また、上記ポリフルオレンの各環状構造の直径は、200nm以上500nm以下であることが好ましい。すなわち、この場合、ナノサークル構造を有するポリフルオレンとすることができる。なお、以下においては、直径が上記範囲内であるか範囲外であるかを問わず、本発明のポリフルオレンの上記環状構造又は双子型環状構造を「ナノサークル構造」と称することとする。
【0029】
また、ポリフルオレン固定物は、上記ナノサークル構造を有するポリフルオレンが被固定化物に固定されているものであり、上記固定は、ポリフルオレンの全部又は一部と被固定化物表面とが物理吸着することによってなされている。なお、上記被固定化物としては、石英、雲母、金、白金、インジウム錫酸化物、チタン、銀、マグネシウム、アルミニウム、シリコン等の導電性基板(電極)又は半導体基板を用いることができる。また、上記被固定化物として、その表面が修飾されているものを用いることによって、ポリフルオレンと被固定化物との吸着をより安定に行うことができる。なお、上記被固定化物の表面の修飾とは、劈開又は研磨することにより、被固定化物の表面を新鮮にすることである。
【0030】
B.本発明にかかるポリフルオレンの合成方法及び被固定化物への固定化方法次に、本発明にかかるポリフルオレンの合成方法及び被固定化物への固定化方法について説明する。
【0031】
まず、本発明の上記一般式(1)にて表される構造を有するポリフルオレンであって、ナノサークル構造を有するポリフルオレンを合成するためには、該ポリフルオレンの側鎖R1及びR2を有するフルオレン化合物をモノマーとして用いる。そして、このフルオレン化合物を、有機溶媒中にて触媒存在下で脱臭素化して縮合することによって上記ポリフルオレンを得ることができる。ここで、反応温度は、−20℃以上200℃以下の温度範囲であることが好ましい。反応温度が−20℃未満であると有機溶媒が固化してしまい、200℃を超えると触媒が分解してしまうため好ましくない。
【0032】
上記ポリフルオレンの合成の反応式は、下記一般式(2)によって表される。
【0033】
【化4】
【0034】
(式中、R1及びR2は、少なくとも1つの炭素及び少なくとも1つの水素を有していればよい炭化水素、nは10以上の整数、Xはハロゲンを示す。)
上記一般式(2)中のモノマー(フルオレン化合物)に含まれるXのハロゲンとしては、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)を挙げることができるが、このうち臭素が好ましい。例えば、側鎖R1及びR2が共に(S)−(+)−2−メチルブチルである場合には、上記モノマーは、2,7−ジブロモ−9,9−ビス((S)−(+)−2−メチルブチル)フルオレンとなる。また、触媒としては、Ni(COD)2/2,2−ビピリジルを用いることができる。さらに、有機溶媒としては、沸点が60℃よりも高い溶媒であれば特に限定されない。具体的には、トルエン等を用いることが好ましい。なお、上記の合成反応の合成反応液中におけるモノマー(フルオレン化合物)濃度は、有機溶媒中にて0.01mol/L以上、好ましくは0.02mol/Lとなるように添加することが好ましい。
【0035】
これにより、上記一般式(1)の構造を有するポリフルオレンであって、ナノサークル構造を有するポリフルオレンを得ることができる。
【0036】
次に、上記ポリフルオレンを基板(被固定化物)上に固定化する方法について説明する。
【0037】
本発明のポリフルオレンの固定化方法は、分子量を厳密に調整することにより、分子量と剛直性とを制御したポリフルオレンと、基板とを用いて行われ、ポリフルオレン溶液を溶媒キャストし、常温常圧大気下で、高圧ガスを吹きつけるという非常に簡便な方法である。
【0038】
上記ポリフルオレンの分子量、溶解性及び剛直性は、置換基種類等に影響されやすいため、分子量を厳密に調整するとともに、剛直性を制御することによって、ナノサークル構造を有するポリフルオレンを形成することができる。また、上記基板はその表面を劈開又は研磨することにより修飾されたものであることが好ましく、表面が修飾された基板を用いることにより、ポリフルオレンと基板とを安定して結合させることができる。上記基板としては、例えば、石英、雲母、金、白金、インジウム錫酸化物、チタン、銀、マグネシウム、アルミニウム、シリコン等の導電性基板(電極)又は半導体基板を用いることができる。また、溶媒キャストとは、基板上に滴下したポリフルオレン溶液に対して、常温常圧大気下で、高圧ガスを吹きつけることにより、乾燥させることである。このように、非常に簡便な方法であり、かつ常温常圧大気下で行うことができるため、大型の設備を必要とせず、低コストにてナノサークル構造を有するポリフルオレンを基板に固定することができる。
【0039】
まず、本実施の形態におけるポリフルオレン溶液を調製する調製工程を行う。ポリフルオレン溶液の調製は、ポリフルオレンを有機溶媒に溶解することにより行う。上記有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン、アニソール、ピリジン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の複素環式化合物、ジメチルホルムアミド等のアミド系化合物、クロロホルム、ジクロロメチレン、ジクロロエタン等の塩素系化合物を用いることができる。調製するポリフルオレン溶液の濃度は、0.01〜10重量%程度であることが好ましい。
【0040】
次に、上記ポリフルオレン溶液を基板上に滴下して塗布する塗布工程を行う。上記基板としては、上述のように、表面が修飾された基板を用いることが好ましく、表面の修飾は、劈開又は研磨により行うことができる。その後、噴射工程を行う。噴射工程は、ポリフルオレン溶液が塗布された基板上にガスを噴射することにより行われ、これにより、ポリフルオレン溶液に含まれるポリフルオレンが分散し、ポリフルオレン溶液中の有機溶媒が気化する。すなわち、ポリフルオレンを乾燥させることができる。
【0041】
上記ガスの噴射は、単位面積あたりの流量が0.1L/min以上5L/min以下の範囲となるように行うことが好ましく、0.5L/min以上1L/min以下の範囲で行うことがより好ましい。噴射するガスの単位面積あたりの流量が0.1L/minより小さい場合には、ポリフルオレンを分散させることができない、又は有機溶媒を気化させることができない可能性がり、噴射するガスの単位面積あたりの流量が5L/minより大きい場合には、基板上に塗布したポリフルオレン溶液中のポリフルオレンそのものが基板上に残らない可能性があるからである。また、上記ガスを基板に噴射する角度は、基板に対して0度〜90度の範囲であれば任意の角度でよく、特に限定されるものではない。さらに、上記ガスとしては、基板及びポリフルオレン溶液に対して不活性なガスであればよく、例えば、窒素ガス、アルゴンガス又はヘリウムガス等を用いることができる。
【0042】
上記ガスの噴射を行うことにより、ポリフルオレンは乾燥され、ポリフルオレンの全部又は一部と基板表面とが物理吸着により固定化される。すなわち、ナノサークル構造を有するポリフルオレンを基板に固定することができる。なお、上記ポリフルオレンを基板上に固定化する際の温度は、ポリフルオレンを溶解するために使用する有機溶媒によって変えることができる。すなわち、使用する有機溶媒の常圧における融点以上、沸点以下であればよい。有機溶媒の融点を下回る温度にて反応を行った場合には、有機溶媒が固化してしまい反応が進行せず、沸点を上回る温度にて反応を行った場合には、有機溶媒が飛散してしまうからである。
【0043】
また、上記ポリフルオレンを基板上に固定化する際の反応時間は、1分間〜1,000時間であることが好ましい。1分間より短い場合には、反応が十分に進行せず、1,000時間より長い場合には、反応は十分進行するものの、得られるポリフルオレンの分子量が低下してしまうからである。
【0044】
以上により、ナノサークル構造を有するポリフルオレンと基板とを物理吸着により固定化させることができ、ポリフルオレン固定物を得ることができる。
【0045】
C.本発明にかかるポリフルオレン及びポリフルオレン固定物の用途
次に、本発明にかかる、ナノサークル構造を有するポリフルオレン及び基板上にナノサークル構造を有するポリフルオレンが固定されたポリフルオレン固定物の用途について説明する。
【0046】
本発明のポリフルオレンは、上記構造を有するため、直鎖状構造と異なり末端基を持たない一方で、共役電子雲を有している。したがって、ポリフルオレンに外部磁場を印加すると、ベンゼン環の場合と同様に、ポリフルオレンの環内又は双子型環内(ナノサークル内)に巨大な環電流が流れるものと考えられる。この性質を利用することにより、上記ポリフルオレン及びポリフルオレン固定物は、微小な磁石として応用することができる可能性がある。
【0047】
また、上記ポリフルオレンは、上記したように、主鎖のフルオレン連鎖が螺旋構造を有しており、フラットなリボンが螺旋状によじれ、端と端とが結び合わさったようないわゆるメビウス輪構造を有している。螺旋構造のフルオレン連鎖を有する直鎖状のポリフルオレンは、円偏光を吸収するとともに円偏光を発するため、本発明のポリフルオレンにおいても、同様に円偏光を吸収するとともに円偏光を発するものと考えられる。また、上記ポリフルオレンは、末端基を持たないため、化学試薬、熱又は光に対する耐性を有している。したがって、ポリフルオレンを円偏光発光光源として用いることにより、ポリフルオレン固定物を高効率、長寿命の電界発光材料として応用することができる可能性がある。
【0048】
また、ポリフルオレンのサークル構造が変形することに伴い、発光強度が減少又は消滅する、若しくは発光波長が変化すると考えられるため、この性質を利用すれば、情報の記録を行うことが可能になるものと考えられる。したがって、ナノサークル構造を有するポリフルオレンを基板上に規則的に配列させることにより、ポリフルオレン固定物を情報の記録を行うことができる光記録材料として応用することができる可能性がある。
【0049】
さらに、例えば、ポリフルオレンの主鎖部分に、異なる種類のモノマーを部分的に導入すれば、ナノサークル構造を有するヘテロ結合型ポリフルオレンを生成することができるため、ナノサークル内の電気的特性又は光学特性を自在に制御することが可能となる。
【0050】
また、ナノサークル構造を有するポリフルオレンの複数を互いに近接して基板上に形成すれば、各ポリフルオレンの近接効果により、量子力学的なトンネル効果が生じると考えられる。したがって、この性質を利用することによって、ポリフルオレン固定物を多数の情報を短時間に処理することができる量子素子の素材へ応用することができる可能性がある。
【0051】
また、上記ナノサークル構造を有するポリフルオレン及びポリフルオレン固定物は、未知の光学活性物質のキラリティー、光学純度又は不斉中心位置を正確に認識することができる可能性がある。
【0052】
以上により、本発明にかかるポリフルオレン及びポリフルオレン固定物は、フラーレン、ナノチューブと同様に、高付加価値ナノ材料として利用することができるものと考えられる。
【0053】
【実施例】
以下、本発明のポリフルオレンとして、2,7−(9,9−ビス((S)−(+)−2−メチルブチル))ポリフルオレンを例に挙げて具体的に説明する。
【0054】
〔2,7−(9,9−ビス((S)−(+)−2−メチルブチル))ポリフルオレンの合成〕
まず、上記2,7−(9,9−ビス((S)−(+)−2−メチルブチル))ポリフルオレンを得るためのモノマーとして、2,7−ジブロモ−9,9−ビス((S)−(+)−2−メチルブチル)フルオレンを以下の手順で合成した。
【0055】
乾燥した200mLの三口フラスコに2,7−ジブロモフルオレン8.83g(0.027mol)を入れ、該三口フラスコ内を窒素で置換した。次いで、この三口フラスコに、トルエン53mLと、(S)−(+)−1−ブロモ−2−メチルブタン32.7g(0.218mol)とを加え、60℃に加熱しながら攪拌することによって溶媒に溶解させた。続いて、あらかじめ調製しておいた水酸化ナトリウム50wt%水溶液88mLにテトラブチルアンモニウムブロマイド0.86g(2.66×10-3mol)を溶解させ、この溶液を上記三口フラスコに加えた。これにより、三口フラスコ内の溶液はオレンジ色になった。そして、60℃にて1日間攪拌させた。反応終了後の溶液に変化はなかった。この反応終了後の溶液にトルエン約100mLを加え、約500mLの水で洗浄した。有機層は洗浄するにつれて徐々に緑色から黄色へと変化した。有機層を回収し、トルエンを留去した後に、未反応の(S)−(+)−1−ブロモ−2−メチルブタンを減圧蒸留によって留去した。そして、得られた反応生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、さらに約150mLのエタノールにて再結晶を行うことによりモノマーを得た。収率は14.4%であった。
【0056】
次に、上記にて得られたモノマーを用いて、2,7−(9,9−ビス((S)−(+)−2−メチルブチル))ポリフルオレンを以下の手順により合成した。
【0057】
乾燥した50mLの梨型フラスコ内を窒素で置換した後に、該梨型フラスコと、Ni(COD)2と、2,2’−ビピリジルとを簡易グローブボックスに入れ、簡易グローブボックス内を窒素で置換した。次いで、簡易グローブボックス内で、Ni(COD)20.43g(1.56mmol)と、2,2’−ビピリジル0.25g(1.56mmol)とを梨型フラスコに入れた後に、該梨型フラスコを簡易グローブボックスから取り出した。そして、窒素雰囲気下で梨型フラスコに、1.5−シクロオクタジエン0.15mLと、DMF2mLと、トルエン4mLとを入れ、梨型フラスコ内の溶液は濃青色に変化した。そして、この溶液を80℃に加熱しながら30分間攪拌させた。その後、上記にて得られたモノマーである2,7−ジブロモ−9,9−ビス((S)−(+)−2−メチルブチル)フルオレンをトルエン3mLに溶解させたモノマー溶液を梨型フラスコに加え、80℃で3日間攪拌した。徐々に粘度の上昇が確認され、ナノサークル構造を有する2,7−(9,9−ビス((S)−(+)−2−メチルブチル))ポリフルオレンを得た。収率は21.8%であった。
【0058】
〔2,7−(9,9−ビス((S)−(+)−2−メチルブチル))ポリフルオレンと基板との固定化〕
次に、2,7−(9,9−ビス((S)−(+)−2−メチルブチル))ポリフルオレンと基板とを以下の手順で固定化した。
【0059】
上記にて得られたナノサークル構造を有する2,7−(9,9−ビス((S)−(+)−2−メチルブチル))ポリフルオレンをクロロホルムに溶解し、10-3mol/Lの2,7−(9,9−ビス((S)−(+)−2−メチルブチル))ポリフルオレン溶液を調製した。そして、基板として劈開することにより表面が修飾された雲母を用い、この雲母上に、2,7−(9,9−ビス((S)−(+)−2−メチルブチル))ポリフルオレン溶液0.1mLを滴下した。その後、直ちに雲母上に単位面積あたりの流量が0.1L/minである窒素ガスを吹きつけた。これにより、雲母上に滴下された2,7−(9,9−ビス((S)−(+)−2−メチルブチル))ポリフルオレン溶液のクロロホルムが気化し、ナノサークル構造を有する2,7−(9,9−ビス((S)−(+)−2−メチルブチル))ポリフルオレンと雲母とが物理吸着により固定化されたポリフルオレン固定物を得た。
【0060】
【発明の効果】
本発明のポリフルオレンは、以上のように、上記一般式(1)にて表される構造を有するポリフルオレンであって、環状構造又は双子型環状構造のいずれかの構造を有する構成である。また、上記ポリフルオレンは、剛直性又は半剛直性の螺旋構造を有している構成としてもよい。さらに、上記各環状構造の直径は、200nm以上500nm以下である構成としてもよい。
【0061】
上記の構成によれば、ポリフルオレンは、環状構造又は双子型環状構造を有しているため、末端基を持たない。このため、ポリフルオレンが分解してしまうことを抑制することが可能となるという効果を奏する。また、上記構成によれば、本発明のポリフルオレンは、剛直性又は半剛直性の螺旋構造を有しているため、円偏光を吸収し、円偏光を発することが可能であると考えられる。また、各環状構造の直径を200nm以上500nm以下とすることにより、ナノサークル構造を有するポリフルオレンとすることができるという効果を併せて奏する。
【0062】
また、本発明のポリフルオレンの固定化方法は、以上のように、上記いずれかに記載のポリフルオレンを被固定化物に固定するポリフルオレンの固定化方法であって、上記ポリフルオレンを有機溶媒に溶解させて、ポリフルオレン溶液を調製する調製工程と、上記ポリフルオレン溶液を被固定化物上に塗布する塗布工程と、上記ポリフルオレン溶液の塗布された被固定化物上にガスを噴射する噴射工程とを含む構成である。ここで、上記ガスの噴射は、単位面積あたりの流量が0.1L/min以上5L/min以下の範囲で行われる構成としてもよく、上記被固定化物は、表面が劈開又は研磨されることによって修飾されている構成としてもよい。
【0063】
上記構成によれば、ポリフルオレン溶液が塗布された被固定化物上にガスを噴射することにより、ポリフルオレンを被固定化物上に物理吸着により固定することができるという効果を奏する。ここで、ガスの噴射を、単位面積あたりの流量が0.1L/min以上5L/min以下の範囲となるように行うことによって、ポリフルオレンを被固定化物に固定することが可能となる。さらに、上記被固定化物として、表面が劈開又は研磨されることによって修飾されている被固定化物を用いた場合には、ポリフルオレンと被固定化物との物理吸着をより安定して行うことができる。すなわち、非常に簡便な方法で、ナノサークル構造を有するポリフルオレンを被固定化物上に固定することが可能となるという効果を併せて奏する。
【0064】
また、上記いずれかに記載の方法によって、被固定化物上にポリフルオレンが固定化されてなるポリフルオレン固定物は、例えば、高効率、長寿命の電界発光材料として応用することができる等の可能性があるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリフルオレンの走査プローブ顕微鏡画像である。
【図2】本発明のポリフルオレンの走査プローブ顕微鏡画像である。
【図3】本発明のポリフルオレンの走査プローブ顕微鏡画像である。
Claims (7)
- 剛直性又は半剛直性の螺旋構造を有していることを特徴とする請求項1に記載のポリフルオレン。
- 上記各環状構造の直径は、200nm以上500nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリフルオレン。
- 上記請求項1ないし3のいずれか1項に記載のポリフルオレンを被固定化物に固定するポリフルオレンの固定化方法であって、
上記ポリフルオレンを有機溶媒に溶解させて、ポリフルオレン溶液を調製する調製工程と、
上記ポリフルオレン溶液を被固定化物上に塗布する塗布工程と、
上記ポリフルオレン溶液の塗布された被固定化物上にガスを噴射する噴射工程とを含むことを特徴とするポリフルオレンの固定化方法。 - 上記ガスの噴射は、単位面積あたりの流量が0.1L/min以上5L/min以下の範囲で行われることを特徴とする請求項4に記載のポリフルオレンの固定化方法。
- 上記被固定化物は、表面が劈開又は研磨されることによって修飾されていることを特徴とする請求項4に記載のポリフルオレンの固定化方法。
- 上記請求項4ないし6のいずれか1項に記載の方法によって、被固定化物上にポリフルオレンが固定化されてなることを特徴とするポリフルオレン固定物。
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