【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、極めて高い通気性を有し、かつ透けないスラックスおよびスーツに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、夏用のスーツ類の生地としては、麻や綿、ウール、ポリエステル等を混繊、混紡いた糸使いの織物が使用され、また織目も秋冬物スーツに比べて粗く、薄い織物となっている。また、裏地についても、通気性がよく、目の粗い織物や、メッシュ、トリコットなどが使用されている。
【０００３】
夏涼しく着用できる衣料として、清涼ジャケット（実開平１−１４９４８６号公報）や、夏用背広（特開平３−８２８０２号公報）、通気性を持たせたスラックスとその通気具（特開昭５７−１７６２０２号公報）などが開示されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、間接的には夏のエネルギー消費を減らし、またそれに伴う化石燃料の使用による炭酸ガス、ＮＯx 、ＳＯx などの低減を狙いとし、地球に優しいいわゆる公害防止に結びつく清涼性の優れた夏用衣服を目的とする。
【０００５】
他方、衣服を着て生活を豊かにするという文化はあまねく普及しており、我々の生活に密着している。しかしながら、冬暖かくする衣服は多数市場に見かけるにもかかわらず、夏涼しく着るフォーマル型の衣服は極めてまれである。そのために、夏の昼に最大の電力消費量を示すという現象が現れ、例えばクーラーの使用電力が一つの原因である。すなわち、間接的には地球環境を損なう大きな原因となっている。
【０００６】
本発明の直接的な目的は、すなわち夏用衣服の清涼性を改良するものである。衣服の清涼性の向上には生地の高通気性が求められ、そのためにはおのずと粗い織目の生地が必須となるが、粗い織目の生地を適用すると透けて見苦しくなる宿命的な問題があった。さらに、上着については多少の透けは気にならないが、スラックスにおいての透けは特に問題であった。また、多少の透けが気にならないことからも、上着における清涼性向上のための工夫は数多く考案され、また実施されているが、スラックスについては、透けない事を前提としなければいけないうえ、保形成も必要なので清涼性向上は難しく、ほとんど考案されていないのが現状である。
【０００７】
本発明はかかる相反する多くの課題を同時に解決したもので、着用時の清涼性が高く、かつ透けの少ない夏に快適に着用できるスラックスおよびスーツを提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
かかる目的に対し、本発明者は、鋭意検討した結果、遂に本発明に到達した。その骨子は次の通りである。
【０００９】
【作用】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
【００１０】
本発明におけるスラックスは、ＪＩＳ・Ｌ１０９６（フラジール法）において、膝部分の通気量が５０cm3／cm2・sec 以上かつ６００cm3／cm2・sec 未満、ポケット部を含む腰部分の通気量が３５cm3／cm2・sec 以上かつ３００cm3／cm2・sec 以下の範囲であり、表生地に、実質的に紗又は絽であり、紗又は絽のたて糸の本数が３０本／インチ以上かつ１２０本／インチ未満であり、よこ糸の本数が１０本／インチ以上かつ７０本／インチ未満であり、生地単独の開孔率が１５％以上かつ６０％未満である生地を用い、裏生地に、生地単独の開孔率が５％以上かつ５０％未満であり、目付が２５ g ／ m 2 以上１１５ g ／ m 2 未満である生地を用いることを基本構成要件とする。上記範囲内であることが、透けを防止しつつ、快適な着用感を得るために必要であると考えるからである。
【００１１】
図１は、本発明におけるスラックスの１例をモデル的に示した斜視図であり、ａがポケット部を含む腰部分、ｂが膝部分、ｃが膝よりしたかつ裾より上または裾部分、ｄがポケット部分、ｅが腰の芯地部分である。
【００１２】
スラックスはファッション性や流行と言う問題ではなく、透けないことが大前提であるため、清涼性に関する快適性を重視することは難しい。そのため、透け防止や保型性向上のため、表生地や裏生地、さらには芯地を厚くすることは止むを得ないと考えられて来た。厚くて透けない生地は当然のことながら通気性が悪い。さらには裏地や芯地を厚くすればスラックス全体の重量は大きくなる。重く通気性の悪い衣服を着用することは、体に負担がかかり快適であるとは言い難い。
【００１３】
本発明におけるスラックスの１例である図１のｂに示す膝部分とは、実質的に表生地と裏生地の２枚から構成されていることが一般的であり、透けを防止しつつ快適な着用感を得るには、通気量が５０cm3 ／cm2 ・sec 以上かつ６００cm3 ／cm2 ・sec 未満であることが必要である。さらに好ましくは１００cm3 ／cm2 ・sec 以上かつ２５０cm3 ／cm2 ・sec 以下である。
【００１４】
本発明におけるスラックスの１例である図１のａに示す、ポケット部を含む腰部分とは、図に示すとおり表生地、裏生地以外にポケット、さらには、芯地など、通気性を妨げるものがあり、腰部分の通気性は表生地、裏生地のみによるものでは無い。本発明におけるポケット部を含む腰部分の通気量とは表生地、裏生地以外にポケット、芯地などを全て含めた縫製品における通気量の事をいい、３５cm3 ／cm2 ・sec 以上かつ３００cm3 ／cm2 ・sec 以下の範囲であることが必要であり、好ましくは５０cm3 ／cm2 ・sec 以上かつ２００cm3 ／cm2 ・sec 以下の範囲である。
【００１５】
本発明における紗と絽は、和装業界ではよく知られている生地素材である。本発明はこれを洋服地に、しかも広幅に織って使うもので、業界ではそれは非常識だと非難する向きもあるだろうが、本発明の有効性を何ら妨げるものではない。ここで、紗と絽の意味については、上記のごとく業界周知の織物構造であるので説明は省略する。特に、本目的に適用する紗又は絽の繊維としては、ポリエステルの俗にいう三角断面、Ｔ型断面などマルチローバルの断面繊維使いの紗または絽が好ましく、さらにかかる織物に減量加工が施されているものが好ましい。さらに、マルチローバル断面の先端に楔型のくびれがあるものが好ましい。その理由は、目ずれがしにくく、風合いが夏向きのサラリとした感触を与え、さらにはワキシー感がなく、高級感のある艶や光沢を発現できる。また、この服地のように目の開いた軽量なものでは寸法安定性が重要であるが、紗又は絽はそれを満足しやすい。また、透けを防止しつつ、好ましい通気性を得るには、紗又は絽のたて糸及びよこ糸の太さが３０デニールから２００デニールの糸使いの範囲において、たて糸密度が３０本／インチ以上１２０本／インチ未満、かつよこ糸密度が１０本／インチ以上７０本／インチ未満であることであり、さらには、たて糸密度が４５本／インチ以上１００本／インチ未満、かつよこ糸密度が２５本／インチ以上５５本／インチ未満であることが好ましい。
【００１６】
また、たて糸およびよこ糸の撚りは、単糸の場合は５００ T／m 以上かつ３５００ T／m 未満、双糸以上の場合は下撚りが５００ T／m 以上かつ３５００ T／m 未満、上撚りが３００ T／m 以上かつ２０００ T／m 未満であることが、目ずれがしにくく、風合いを夏向けのサラリとした感触にするために好ましい。さらには単糸の場合は８００ T／m 以上かつ３０００ T／m 未満、双糸以上の場合は下撚りが８００ T／m 以上かつ３０００ T／m 未満、上撚りが５００ T／m 以上かつ１５００ T／m 未満がより好ましい。
【００１７】
さらに、透けを防止することと好ましい通気性を得ると言う相反する性能を満たすためには、前述の紗又は絽の生地単独の開孔率が１５％以上６０％未満の範囲内であることが必要であり、２０％以上５５未満の範囲がより好ましい。かかる開孔率は、生地を拡大装置（例えばソニー株式会社製ビデオマイクロスコープ）で拡大写真を５か所以上撮影し、開孔部分の面積（繊維の存在しない部分）／生地面積の値を測定し、その平均値により求められる。
【００１８】
本発明におけるスラックスに用いる裏生地は、透けを防止することと好ましい通気性を得ると言う相反する性能を満たすためには、前述の測定方法における生地単独の開孔率が５％以上かつ５０％未満であることが必要であるが、７％以上かつ２５％未満であればより効果的で好ましい。また、裏生地の目付は２５ g／ m2 以上かつ１１５ g／ m2 未満であることが必要であるが、４０ g／ m2 以上かつ１００ g／ m2 未満がより好ましい。
【００１９】
本発明におけるスラックスの裏生地は、仮撚り加工を施し、さらに１０００回／ｍ以上３１００回／ｍ未満の強撚加工を施した糸からなることが必要であるが、さらには、仮撚り加工を施し、１５００回／ｍ以上２８００回／ｍ未満の逆撚りを施したものがより効果的で好ましい。
【００２０】
仮撚り加工とは、一般的に原糸に強い撚りをかけた状態で撚止めの処理を施し、これに逆撚りをかける加工のことをいう。また仮撚り加工を施し、さらに強撚加工を施した糸からなる生地は、ソフトな表面感覚を持ちながらハリ・腰感があり、かつ独特の爽やかなシャリ感があり肌触りがひんやりと清涼感がある。
【００２１】
また、本発明におけるスラックス膝部分とは図１ｂにとおりで、また、膝部分よりしたかつ裾より上または裾とはｃに示すとおりである。本発明におけるスラックスの裏生地は、膝部分より下かつ、裾より上または裾まで及んでいることにより、実質的にスラックスにおいて表生地１枚になる部分は存在しない。そのことにより、透けが防止でき、スラックスとして見苦しくなく着用しやすい。
【００２２】
本発明における腰の芯地とは、図１−ｄに表す部分のことをいい、一般的に腰裏と呼ばれている厚手の裏地、ベルト芯などを含む腰部分に用いられている保型性向上、着用感向上を目的とするものを総称する。
【００２３】
また、上述の腰の芯地には、開孔率が１５％以上であるレース編みが用いられていることが好ましい。これにより、通気性を高く保ち、重量を軽くし、形態を安定にし、下着に密着せず、サラリとした感触を発現できる。かかるレース編みの開孔率は、前述の開孔率測定と同様の方法で測定し、その平均値により求められ、本発明の効果をより有効ならしめるためには開孔率が１５％以上が好ましいが、２０％以上がより好ましい。また、かかるレース編みはラッセルレースが好ましく適用できる。さらに、該ラッセルレースは亀甲紗または変わり亀甲紗が特に好ましく本発明に適用でき、効果を高めることができる。
【００２４】
本発明は、極度に軽量の紳士服を実現できることにも大きな特徴があり、平均的サイズであるＡＢ−４（身長１６５〜１６７cm、腰まわり９４cm、胴まわり８４cm) において、スラックスのみの重量が７５０ g未満であることが好ましく、６００ g未満であることがより好ましく、特に好ましいのは５００ g未満である。
【００２５】
また、本発明におけるスラックスと、表生地に実質的に紗又は絽であり紗又は絽のたて糸の本数が３０本／インチ以上かつ１２０本／インチ未満であり、よこ糸の本数が１０本／インチ以上かつ７０本／インチ未満であり、生地単独の開孔率が１５％以上かつ６０％未満である生地を用いた上着を組み合わせてスーツとして着用することが、本発明による効果をより発揮しスラックスのみを着用するよりも、より好ましい。さらには、極度に軽量の紳士服を実現できるという特徴を持つ本発明におけるスーツは、平均的サイズであるＡＢ−４（身長１６５〜１６７cm、腰まわり９４cm、胴まわり８４cm) において、合計総重量が１０００ g未満であることが好ましく、９００ g未満であることが特に好ましい。
【００２６】
上記構成を有する本発明のスラックス及びスーツは、フォーマルスーツとして、さらには、カジュアルスーツ、ブレザーなどに好ましく適用できる。
【００２７】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明する。
【００２８】
実施例１
下記の材料を用いて本発明のスラックスを縫製した。
【００２９】
・表生地…組 織：紗織
繊 維：タテ糸及びヨコ糸ともポリエステル１００％、三角断面繊維の強撚糸（撚数：下撚り1500T/m 、上撚り 900T/m ）
タテ糸密度：８１本／inch
ヨコ糸密度：３８本／inch
開孔率：４２．３％
目 付：１０５ g／ m2
・裏 地…組 織：薄地平織り
繊 維：タテ糸及びヨコ糸ともポリエステル１００％、加工糸７５D/３６F （36フィラメント75デニール）
タテ糸密度：９０本／inch
ヨコ糸密度：９３本／inch
開孔率：８．６％
目 付：７０ g／ m2
後加工：吸汗、速乾、防汚加工
・芯 地…変わり亀甲紗編み
繊 維：ナイロン１００％
開孔率：２３．２％
目 付：１９６ g／ m2
実施例１と、表地にウール６０％ポリエステル４０％を用いた従来から市販されている夏用スラックス（比較例）とを屋外で着用し清涼性を調べた。
着用を行った日は、陽射しが強く非常に暑い日であり、比較例を着用したところ、夏用であるにもかかわらず透けを防ぐために緻密な裏地が全面に用いられているため、透けは認められないものの、表生地そのものは薄いものの緻密な裏地を用いているため通気性が悪く衣服内に熱がこもり、汗で裏地が素肌に密着し、大変不快な思いをした。本発明の実施例スーツを着用してみたところ、ほとんど透けず、通気性が良くなるため熱がこもらず涼しく快適に着用できた。また極めて軽量なため体にかかる負担が少なく長時間着用しても疲れを感じることはなかった。
【００３０】
実施例２
下記の材料を用いて本発明のスーツを縫製した。
【００３１】
・表生地…組 織：紗織
繊 維：タテ糸及びヨコ糸ともポリエステル１００％、三角断面繊維 の強撚糸（撚数：下撚り1500T/m、上撚り900T/m）
タテ糸密度：６８本／inch
ヨコ糸密度：３７本／inch
開孔率：４９．２％
目 付：８５g／m2
・裏 地…組 織：薄地平織り
繊 維：タテ糸及びヨコ糸ともポリエステル１００％、
加工糸７５D/３６F（36フィラメント75デニール）
タテ糸密度：９０本／inch
ヨコ糸密度：９３本／inch
開孔率：８．６％目 付：７０g／m2
後加工：吸汗、速乾、防汚加工
・芯 地…変わり亀甲紗編み
繊 維：ナイロン１００％
開孔率：２３．２％
目 付：１９６g／m2
実施例２と、表地にウール７０％ポリエステル３０％を用いた現在最とも涼しいとされている夏用スーツ（比較例）の腰部分の通気量、膝部分の光透過率、及びスラックスの重量、上着の重量を測定し比較を行った。通気量はＪＩＳ−Ｌ１０９６（フラジール法）に基づき測定し、光透過率はＳＭカラーコンピュータ法にて測定した。通気量を測定した部位は図１−ｅに、光透過率を測定した部位は図１−ｆに示す部分である。また測定結果を表１及び図２・３に示す。
【００３２】
表１および図２に示すように、本発明におけるスラックス及びスーツは、比較品として測定を行った現在最も涼しいとされている市販品と比較すると、比較品よりも本発明におけるスラックス及びスーツのほうが通気性は高く、光透過率は低い。また、衣服重量は表１および図３に示すように、本発明におけるスラックスおよびスーツは比較品よりもスラックスのみで約２０％、上着のみで約２６％、スーツにした場合では約２４％も軽いという結果が得られた。通気性が高く、重量が軽いということは身体から発生する熱が衣服内に溜まることなくまた、身体にかかる負担も少ないので、涼しく快適に着用できるということである。さらには、光透過率が低い、すなわち透けが少ないということと通気性が高いという機能は相反するものなのでそれらの機能を両立することはほとんど不可能とされていたが、表およびグラフに示すとおり、本発明におけるスラックスおよびスーツは、双方の機能を両立できていることが認められた。
【００３３】
【表１】
【００３４】
【発明の効果】
本発明のスラックスおよびスーツは下記の機能を同時に有するために、極めて涼しく、快適に着用できる。
【００３５】
１）極めて通気性が高く、例えば従来最も清涼であるとされている夏服と比較すると、部位によっては５倍以上の通気性を有する。
【００３６】
２）極めて軽量で、例えば従来軽量であるとされている夏服と比較すると、スーツにおいても２割以上軽量である。
【００３７】
３）透けが少なく外観上見苦しくないので、保守的なスラックスおよびスーツの分野においても抵抗が少なく受け入れられやすい。
【００３８】
４）型崩れしにくい。
【００３９】
５）サラリとした肌触りで、体にまとわりつきにい。
【００４０】
６）従来暑くなりがちな正装においても、本発明のスラックスおよびスーツを用いることにより清涼性を向上することができるので、冷房を軽減し、かかるエネルギーを節約でき、地球環境や経済的見地からも世界、人類に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明におけるスラックスの１例をモデル的に示した斜視図である。
【図２】実施例２の通気量と光透過率の関係を表すグラフ。
【図３】実施例２の重量を表すグラフ。
【符号の説明】
ａ：スラックスのポケット部を含む腰部分
ｂ：スラックスの膝部分
ｃ：スラックスの膝よりしたかつ裾より上または裾部分
ｄ：腰の芯地部分
ｅ：実施例２において通気量を測定した部分
ｆ：実施例２において光透過率を測定した部分[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to slacks and suits that have very high breathability and are not transparent.
[0002]
[Prior art]
Traditionally, fabrics used in summer suits are made of yarn using cotton and wool blended with hemp, cotton, wool, polyester, etc., and the texture is coarser and thinner than autumn / winter suits. ing. Further, the lining is also well-ventilated, and a coarse woven fabric, mesh, tricot or the like is used.
[0003]
As clothing that can be worn in the summer, a cool jacket (Japanese Utility Model Laid-Open No. 1-149486), a summer suit (Japanese Patent Laid-Open No. 3-82802), a breathable slack and its ventilator (Japanese Patent Laid-Open No. 57-57) No. 176202).
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The object of the present invention is to indirectly reduce summer energy consumption and to reduce carbon dioxide, NO x , SO x and the like by using fossil fuels associated with it. Aimed at excellent summer clothing.
[0005]
On the other hand, the culture of enriching lives by wearing clothes is widespread and is closely related to our lives. However, despite the large number of clothing that warms up in the winter, formal clothing that is worn cool in the summer is extremely rare. Therefore, the phenomenon of showing the maximum power consumption appears in summer noon, for example, the power consumption of the cooler is one cause. In other words, it is a major cause of indirect damage to the global environment.
[0006]
A direct object of the present invention is to improve the coolness of summer clothing. In order to improve the coolness of clothing, high breathability of the fabric is required, and for that purpose, a coarse textured fabric is essential, but there is a fatal problem that it becomes difficult to see through when applying a coarse textured fabric. It was. In addition, the sheerness of the jacket is particularly problematic, although some sheerness is not a concern for the jacket. In addition, a lot of ideas for improving the coolness of the jacket have been devised and implemented because some sheerness is not worrisome, but slacks must be premised on being transparent, It is difficult to improve the coolness because it needs to be preserved, and it is almost never devised.
[0007]
An object of the present invention is to solve such many conflicting problems at the same time, and to provide a slack and a suit that can be worn comfortably in summer with high coolness when worn and little sheer.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The inventor finally reached the present invention as a result of diligent study for such purpose. The main points are as follows.
[0009]
[Action]
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
[0010]
The slack according to the present invention has a ventilation rate of 50 cm 3 / cm 2 · sec or more and less than 600 cm 3 / cm 2 · sec in the JIS · L1096 (fragile method), and a ventilation rate of 35 cm in the waist including the pocket part. 3 / cm 2 · sec or more and 300 cm 3 / cm 2 · sec or less, the surface fabric is substantially wrinkles or wrinkles, and the number of wrinkles or warp warps is 30 / inch or more and 120 / less than inches, is less than 10 / inch or more and 70 yarns / inch number of the weft, with a fabric cloth single opening ratio is less than 15% or more and 60%, the back fabric, the fabric alone porosity of less than 5% or more and 50%, basis weight is the basic constituent of Rukoto using the dough is less than 25 g / m 2 or more 115 g / m 2. It is because it thinks that it is required in order to obtain a comfortable wearing feeling, preventing transparency and being in the said range.
[0011]
FIG. 1 is a perspective view schematically showing an example of slacks according to the present invention, in which a is a waist part including a pocket part, b is a knee part, c is a knee and above or at the hem part, d Is a pocket portion, and e is a waist interlining portion.
[0012]
Slacks are not a matter of fashion and fashion, but it is a major premise that it is not transparent, so it is difficult to emphasize comfort related to coolness. For this reason, it has been considered unavoidable to increase the thickness of the front and back fabrics and the interlining to prevent see-through and improve the shape retention. Naturally, the thick and opaque fabric is poorly breathable. Furthermore, if the lining and interlining are thickened, the overall weight of the slacks will increase. Wearing heavy and poorly breathable clothing is hard to say and is not comfortable.
[0013]
The knee portion shown in FIG. 1b, which is an example of slacks in the present invention, is generally composed of substantially two pieces of a front fabric and a back fabric, and is comfortable while preventing see-through. In order to obtain a feeling of wearing, it is necessary that the air flow rate is 50 cm 3 / cm 2 · sec or more and less than 600 cm 3 / cm 2 · sec. More preferably, it is 100 cm 3 / cm 2 · sec or more and 250 cm 3 / cm 2 · sec or less.
[0014]
The waist part including the pocket part shown in FIG. 1a, which is an example of slacks in the present invention, as shown in the figure, is a thing that obstructs air permeability, such as a pocket in addition to a front cloth and a back cloth, and an interlining. And the breathability of the waist is not due to the front and back fabrics alone. In the present invention, the air flow rate at the waist including the pocket portion means the air flow rate in the sewing product including all the pockets, interlining, etc. in addition to the front and back fabrics, 35 cm 3 / cm 2 · sec or more and 300 cm It is necessary to be in the range of 3 / cm 2 · sec or less, preferably in the range of 50 cm 3 / cm 2 · sec or more and 200 cm 3 / cm 2 · sec or less.
[0015]
The cocoons and cocoons in the present invention are fabric materials well known in the Japanese clothing industry. The present invention uses this in a garment and a wide woven fabric, and although there may be a direction in the industry that it is insane, it does not impede the effectiveness of the present invention. Here, the meaning of wrinkles and wrinkles is a well-known woven structure in the industry as described above, and a description thereof will be omitted. In particular, the cocoon or cocoon fiber used for this purpose is preferably a cocoon or cocoon using a multi-lobe cross-section fiber such as a triangular cross-section of polyester, a T-shaped cross-section, and the woven fabric is subjected to weight reduction processing. Is preferred. Furthermore, the thing with a wedge-shaped constriction in the front-end | tip of a multi-global cross section is preferable. The reason for this is that misalignment is difficult, the texture gives a smooth texture suitable for summer, and there is no waxy feeling, and a gloss and gloss with a high-class feeling can be expressed. In addition, dimensional stability is important for a lightweight object such as this garment, but a heel or heel tends to satisfy it. In addition, in order to obtain a favorable air permeability while preventing see-through, the warp density is 30 yarns / inch or more and 120 yarns / inch in the range of 30 to 200 denier thickness of the warp or cocoon warp and weft yarns. less than inch, and is by weft density of 70 yarns / inch less than 10 or more / inch, more, warp density of 45 / inch or 100 / less than inch, and weft density of 25 / inch or more it is good preferable less than 55 / inch.
[0016]
The twist of warp and weft is 500 T / m or more and less than 3500 T / m in the case of single yarn, and the lower twist is 500 T / m or more and less than 3500 T / m in the case of twin yarn or more. It is preferably 300 T / m or more and less than 2000 T / m in order to prevent misalignment and to give the texture a smooth texture for summer. Furthermore, in the case of single yarn, 800 T / m or more and less than 3000 T / m, and in the case of twin yarn or more, the lower twist is 800 T / m or more and less than 3000 T / m, the upper twist is 500 T / m or more and 1500 Less than T / m is more preferable.
[0017]
Furthermore, in order to satisfy the contradictory performance of preventing see-through and obtaining favorable air permeability, the above-mentioned persimmon or persimmon dough has a porosity of 15% or more and less than 60%. It is necessary, and the range of 20% or more and less than 55 is more preferable. To determine the hole area ratio, take 5 or more magnified photographs of the fabric with an enlargement device (for example, a video microscope manufactured by Sony Corporation), and measure the area of the aperture (the area where no fibers are present) / the area of the fabric. The average value is obtained.
[0018]
In order to satisfy the contradicting performance that the backing fabric used in the slacks of the present invention prevents see-through and obtains favorable air permeability, the open area ratio of the fabric alone in the measurement method described above is 5% or more and 50%. However, it is more effective and preferable if it is 7% or more and less than 25%. Further, the basis weight of the backing fabric needs to be 25 g / m 2 or more and less than 115 g / m 2 , but more preferably 40 g / m 2 or more and less than 100 g / m 2 .
[0019]
The back fabric of slacks in the present invention is required to be made of a yarn subjected to false twisting and further subjected to strong twisting at 1000 times / m or more and less than 3100 times / m. It is more effective and preferable to apply the reverse twist of 1500 times / m or more and less than 2800 times / m.
[0020]
The false twisting process generally refers to a process in which a twisting process is performed in a state where a strong twist is applied to an original yarn, and a reverse twist is applied thereto. In addition, the fabric made of false twisted and twisted yarn has a soft surface feeling and has a firmness and waist, and has a unique refreshing feeling and a cool and cool feeling. is there.
[0021]
Further, the slack knee portion in the present invention is as shown in FIG. 1b, and the knee portion and above or below the hem is as shown in c. The back fabric of the slacks in the present invention extends below the knee portion and above or at the bottom of the hem, so that there is substantially no portion that becomes one front fabric in the slack. As a result, sheer can be prevented and it is not unsightly as slacks and is easy to wear.
[0022]
The waist interlining in the present invention refers to a portion shown in FIG. 1-d, and is a shape retaining material used for a waist portion including a thick lining generally called a waist lining, a belt core, and the like. This is a general term for improving the performance and wearing feeling.
[0023]
Moreover, it is preferable that the above-mentioned waist interlining uses a lace knitting having an open area ratio of 15% or more. Thereby, air permeability can be kept high, the weight can be reduced, the form can be stabilized, and the touch can be expressed without touching the underwear. The hole area ratio of such lace knitting is measured by the same method as the above-mentioned hole area ratio measurement, and is determined by the average value. In order to make the effect of the present invention more effective, the hole area ratio is 15% or more. Although it is preferable, 20% or more is more preferable. Further, a raschel lace can be preferably applied to the lace knitting. Further, the Russell race is particularly preferably a turtle shell or a modified turtle shell, which can be applied to the present invention and can enhance the effect.
[0024]
The present invention also has a great feature that an extremely lightweight men's clothing can be realized. In an average size AB-4 (height 165 to 167 cm, waist 94 cm, waist 84 cm), the weight of only slacks is 750 g. Is preferably less than 600 g, more preferably less than 600 g, and particularly preferably less than 500 g.
[0025]
Further, the slack according to the present invention and the surface fabric are substantially wrinkles or wrinkles, the number of reeds or reed warps is 30 or more and less than 120 / inch, and the number of wefts is 10 or more. Moreover, it is less than 70 pieces / inch, and it is possible to wear the suit as a suit by combining the outerwear using the cloth whose perforation rate of the cloth alone is 15% or more and less than 60%. More preferable than wearing only. Furthermore, the suit according to the present invention, which is characterized by being able to realize extremely lightweight men's clothing, has an average size of AB-4 (height 165 to 167 cm, waist 94 cm, waist 84 cm) and a total total weight of 1000. It is preferably less than g, particularly preferably less than 900 g.
[0026]
The slacks and suits of the present invention having the above-described configuration can be preferably applied to formal suits and further to casual suits, blazers and the like.
[0027]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples.
[0028]
Example 1
The slacks of the present invention were sewn using the following materials.
[0029]
-Front fabric: Woven fabric: Woven fabric Fiber: 100% polyester for both warp and weft yarns, strong twisted yarn with triangular cross-section fiber (twist: 1500T / m for the lower twist, 900T / m for the upper twist)
Warp yarn density: 81 / inch
Weft density: 38 / inch
Opening ratio: 42.3%
Weight: 105 g / m 2
・ Lining: Weave: Thin plain weave Textile: 100% polyester for both warp and weft threads, processed thread 75D / 36F (36 filaments 75 denier)
Warp yarn density: 90 / inch
Weft density: 93 / inch
Opening ratio: 8.6%
Weight: 70 g / m 2
Post-processing: sweat absorption, quick-drying, antifouling processing, core: change turtle shell knitted fabric: 100% nylon
Opening ratio: 23.2%
Weight: 196 g / m 2
The coolness of Example 1 and summer slacks (comparative example), which were conventionally marketed using 60% wool and 40% polyester, were worn outdoors and examined for coolness.
The day when I wore it was a very hot day with a lot of sunlight, and when I wore a comparative example, it was used for summer, but a dense lining was used on the entire surface to prevent see-through. Although it is not recognized, the outer fabric itself is thin but uses a fine lining, so the breathability is poor and heat is trapped in the clothes, and the lining adheres to the bare skin with sweat, making me very uncomfortable. When trying to wear the suit of the embodiment of the present invention, it was hardly transparent and the air permeability was improved, so that it could be worn coolly and comfortably without heat accumulation. In addition, because it is extremely light, it does not feel tired even when worn for a long time with little burden on the body.
[0030]
Example 2
The suit of the present invention was sewn using the following materials.
[0031]
-Front fabric: Woven fabric: Woven fabric Fiber: 100% polyester for both warp and weft yarns, strong twisted yarn of triangular cross-section fiber (twisted number: lower twist 1500T / m, upper twist 900T / m)
Warp yarn density: 68 / inch
Weft density: 37 / inch
Opening ratio: 49.2%
Weight: 85g / m 2
・ Lining: Weaving: Thin plain weave Textile: 100% polyester for both warp and weft
Processed yarn 75D / 36F (36 filaments 75 denier)
Warp yarn density: 90 / inch
Weft density: 93 / inch
Opening ratio: 8.6% basis weight: 70 g / m 2
Post-processing: sweat absorption, quick-drying, antifouling processing, core: change turtle shell knitted fabric: 100% nylon
Opening ratio: 23.2%
Weight: 196g / m 2
Example 2 and the summer suit (comparative example), which is considered to be the coolest at present using 30% wool 70% polyester for the outer material, the ventilation of the waist, the light transmittance of the knee, and the weight of the slacks, The weight of the jacket was measured and compared. The air flow rate was measured based on JIS-L1096 (Fragile method), and the light transmittance was measured by the SM color computer method. The part where the air flow rate was measured is shown in FIG. 1-e, and the part where the light transmittance was measured is the part shown in FIG. 1-f. The measurement results are shown in Table 1 and FIGS.
[0032]
As shown in Table 1 and FIG. 2, the slacks and suits according to the present invention are more comfortable than the comparative products compared with the commercially available products that are currently considered to be the coolest. Air permeability is high and light transmittance is low. In addition, as shown in Table 1 and FIG. 3, the weight of clothes in the present invention is about 20% for slacks only, about 26% for jackets alone, and about 24% for suits. The result was light. High air permeability and light weight means that heat generated from the body does not accumulate in the clothes, and the burden on the body is small, so that it is cool and comfortable to wear. Furthermore, since the functions of low light transmittance, that is, low transparency and high air permeability are contradictory, it was almost impossible to achieve both functions, but as shown in the tables and graphs. It was confirmed that the slacks and the suit in the present invention can satisfy both functions.
[0033]
[Table 1]
[0034]
【The invention's effect】
Since the slacks and suits of the present invention have the following functions at the same time, they are extremely cool and comfortable to wear.
[0035]
1) The breathability is extremely high. For example, it has a breathability of 5 times or more depending on the part in comparison with the summer clothes which are conventionally considered to be the coolest.
[0036]
2) It is extremely light, for example, it is 20% or more lighter in the suit as compared with the summer clothes that are conventionally considered light.
[0037]
3) Since there is little see-through and it is not unsightly in appearance, there is little resistance even in the field of conservative slacks and suits and it is easy to accept.
[0038]
4) Hard to lose shape.
[0039]
5) With a smooth touch, you can get close to the body.
[0040]
6) Even in formal clothes that tend to be hot in the past, the coolness can be improved by using the slacks and suits of the present invention, so that cooling can be reduced, such energy can be saved, and also from the viewpoint of the global environment and economics. Contribute greatly to the world and humanity.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view schematically showing an example of slacks according to the present invention.
FIG. 2 is a graph showing the relationship between the air flow rate and light transmittance in Example 2;
3 is a graph showing the weight of Example 2. FIG.
[Explanation of symbols]
a: waist part including slack pocket part b: knee part of slack c: above knee part of slacks and above hem part or hem part d: interlining part of waist part e: part of which ventilation rate is measured in Example 2 f : Portion where the light transmittance was measured in Example 2
