JP3712196B2 - パケット転送制御システムと方法およびそのプログラムと記録媒体ならびに通信装置 - Google Patents

パケット転送制御システムと方法およびそのプログラムと記録媒体ならびに通信装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パケットの転送制御技術に係わり、特に、ネットワークの輻輳制御を、トラフィック特性の動的変動に対応して効率的に行うのに好適な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インターネット等、パケット転送を行うネットワークの輻輳制御およびパケット転送制御技術に関する従来の技術としては、例えば、「S.Floyd, V.Jacobson : Random early detection gateways for congestion avoidance. IEEE/ACM Transaction on Networking vol.1, no.4, Aug-93」に記載のRED(Random Early Detection)がある。以下、このREDを用いた輻輳制御技術およびパケット転送制御技術について説明する。
【0003】
図14は、従来のREDを用いた輻輳制御およびパケット転送制御を行うシステムの構成例を示すブロック図であり、図15は、図14のシステムで参照する平均キュー長とパケット廃棄率との関係例を示す説明図、図16は、図14のシステムにおけるREDキューマネージャーの動作概要を示す説明図である。
【0004】
図14において、ゲートウェイ(Gateway)の出力ポートに送信元(Forwarder)からのパケットが到着すると(Packet Incoming)、REDキューマネージャー(RED-Queue Manager)は、送信バッファ(FIFO-Queue)のキュー長Qから加重平均キュー長qを計算し、その平均キュー長qと予め決められた「平均キュー長の最小闘値minth」および「平均キュー長の最大闘値maxth」との比較によって以下のケース毎に動作を行う。
【0005】
まず、「q<minth」の場合、到着したパケットを送信バッファ(FIFO-Queue)のキューに収容し、「minth≦q≦maxth」の場合、パケットの廃棄確率Paを計算し、この廃棄確率Paで、到着したパケットを廃棄し、そして、「maxth<q」の場合、全ての到着したパケットを廃棄する。
【0006】
すなわち、図16に示すように、REDキューマネージャーは、パケット到着毎に、まず、▲1▼平均キュー長qを計算する。例えば、キューが空きでないとき、「q=(1−ω)q+ωQ」(ω:q推定用ローパスフィルタの重み係数)の式に基づき、また、キューが空のとき、「q=(1−ωq」(m:キューが最後に空になってから現在までの経過時間)の式に基づき、平均キュー長qを計算する。
【0007】
この計算の結果、▲2▼「minth≦q≦maxth」の場合、まず、「Pb=Pmax(q−minth)/(maxth−minth)」(Pmax:Pbの最大値)の「Pb」を求め、次に、この「Pb」を用いて「Pa=Pb/(1−count×Pb)」(count:最後に廃棄を行ってからキューに収容されたパケット数)の式に基づき、パケット廃棄率Paを求め、このパケット廃棄率Paで到着パケットを廃棄する。尚、上述の式から「Pmax」(Pbの最大値)はPaの最大値でもある。
【0008】
また、▲3▼「maxth<q」の場合、全ての到着パケットを廃棄する。尚、▲2▼において計算して求められるパケット廃棄率Paと平均キュー長qとは、図15で示されるような関係となる。
【0009】
このパケット転送制御動作により、送信バッファ(FIFO-Queue)の平均キュー長qを一定範囲内に保ち、バッファ輻輳を事前に回避することができる。
【0010】
しかし、このように、REDを用いてキュー制御を効率的に運用するためには、制御パラメータを適切な値に設定する必要があるが、そのチューン・アップ技術が理論的に確立されておらず困難である。
【0011】
また、たとえチューン・アップが成功して平均キュー長qがほぼ一定のままである平衡状態にあっても、同一リンク上でアクティブ・フロー数が増大したりあるいは減少して急激にトラフィック特性が変動すると、この平均キュー長qを一定範囲のパケット・ランダム廃棄区間(minth〜maxth)内に維持できず、望ましいスループットや接続遅延を得られなくなる。
【0012】
このような問題に対処するための従来技術として、例えば、「S.Floyd, G.Gummadi, and S.Shenker. Adaptive RED : An Algorithm for Increasing the Robustness of RED. Technical Report, to appear, 2001」に記載のように、最大パケット廃棄率Pmaxを一定のままにせず、qの急激な増減量に応じて、最大パケット廃棄率Pmaxを可変にする(操作する)技術が提案されている。
【0013】
この最大パケット廃棄率Pmaxの操作ポリシーは,「q<minthの場合、Pmaxを減少させる(=キュー長を増加させ、パケットの転送量を増加させる)」、「minth≦q≦maxthの場合、Pmaxを一定とする」、「maxth<qの場合、Pmaxを増加させる(=キュー長を減少させ、パケットの転送量を減少させる)」となる。
【0014】
尚、最大パケット廃棄率Pmaxを減少させると、上述の式からも明らかなように、図15に示すグラフの傾きが小さくなり、最大パケット廃棄率Pmaxを増加させると、図15に示すグラフの傾きが大きくなり、それぞれの平均キュー長qに対するパケット廃棄確率Paが変化する。
【0015】
しかし、この技術では、様々なトラフィック状況において平均キュー長qの変化量に対する最大パケット廃棄率Pmaxの操作量ΔPmaxを如何に決定するかという問題が解決されていない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、従来の技術では、トラフィック特性の変動に対応して、最大パケット廃棄率Pmaxを適切に調整することができない点である。
【0017】
本発明の目的は、これら従来技術の課題を解決し、トラフィック特性の急激な変動が発生しても適切な輻輳制御を可能とし、ネットワークの信頼性を向上させることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、例えば、インターネット上のゲートウェイにおいて、トラフィック特性の変動に係わらず、送信バッファのFIFOキューの平均キュー長qを一定範囲内に保つためにパケット廃棄を制御して、送信バッファの輻輳を制御するものであり、特に、送信バッファFIFOキューの平均キュー長qを監視し、この平均キュー長qの監視結果に基づき、予め記憶したトラフィック特性適応可否判定条件を参照して、送信バッファに対する制御動作が現状のトラフィック特性に適応しているか否かを判定し、非適応と判定した場合には、最大パケット廃棄率Pmaxを調整してバッファ内のパケットを廃棄する割合を増加、あるいは減少させ、平均キュー長qの急激な増加、あるいは急激な減少を抑制する。この抑制のために、最大パケット廃棄率Pmaxの制御ルールをファジィ(Fuzzy)関係として記述し、ファジィ推論により操作量ΔPmaxを算出する。また、この操作量ΔPmaxをニューラルネットワーク(Neural Network)の学習機能によって修正していく。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面により詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明に係わるパケット転送制御システムの構成例を示すブロック図であり、図2は、図1におけるトラフィック制御装置の構成例を示すブロック図、図3は、図1における制御パラメータ補正装置の構成例を示すブロック図、図4は、図2における適合制御条件記憶部に記憶される制御適合判定条件例を示す説明図、図5は、図1におけるトラフィック制御装置で用いられるファジィ制御ルールの第1の構成例を示す説明図、図6は、図1におけるトラフィック制御装置で用いられるファジィ制御ルールの第2の構成例を示す説明図、図7は、図3における制御パラメータ補正条件記憶部に記憶される収束条件例を示す説明図、図8は、図3における制御パラメータ補正条件記憶部に記憶される制御ルール生成条件例を示す説明図、図9は、図1における制御パラメータ補正装置のニューラルネットワークの構成・動作例を示す説明図、図10は、図9におけるニューラルネットワークの具体的な動作例を示す説明図、図11は、図1における制御パラメータ補正装置の処理動作例を示す説明図、図12は、図3における最大推定誤差領域選択部の処理動作例を示す説明図、図13は、図3における制御ルール生成部の処理動作例を示す説明図である。
【0021】
図1においては、本例のパケット転送制御システムは、インターネット等でのパケット転送を行う通信装置としてのゲートウェイ(図中「Gateway」と記載)1に設けられており、このゲートウェイ1は、CPU(Central Processing Unit)や主メモリ、表示装置、入力装置、外部記憶装置等からなるコンピュータ構成を有し、光ディスク駆動装置等を介してCD−ROM等の記憶媒体に記録されたプログラムやデータを外部記憶装置内にインストールした後、この外部記憶装置から主メモリに読み込みCPUで処理することにより、本発明に係わる各処理部の機能を実行する。
【0022】
すなわち、ゲートウェイ1内には、転送するパケットを蓄積する送信バッファ(図中「FIFO-QUEUE」と記載)2と、この送信バッファ2における平均キュー長を求め、この平均キュー長に対応して予め設定されたパケット廃棄率Paに従って、送信元(Forwarder)から受信したパケット(Packet Incoming)の破棄制御を行うREDキューマネージャ(図中「RED-Queue Manager」と記載)3が設けられ、パケットの転送量を制御する。
【0023】
さらに、本例のゲートウェイ1には、このREDキューマネージャ3によるパケット破棄制御をコントロールして、送信バッファ2における平均キュー長を制御することにより、送信バッファ2における輻輳を防止するための適応調整型トラフィック輻輳システム4が設けられている。
【0024】
さらに、この適応調整型トラフィック輻輳システム4には、ファジィ推論部(図中「Fuzzy Controller」と記載)41aを具備したトラフィック制御装置41と、ニューラルネットワーク(図中「Neural Network」と記載)42aを具備した制御パラメータ補正装置42が設けられている。
【0025】
この適応調整型トラフィック輻輳システム4とREDキューマネージャ3とで、本発明に係わるパケット転送制御システムが構成され、ネットワーク上のトラフィック特性の変動に係わらず、送信バッファ2のFIFOキューの平均キュー長qを一定範囲内に保つためにパケット廃棄を制御して、送信バッファ3の輻輳を制御する。
【0026】
すなわち、REDキューマネージャ3において、送信バッファ2のFIFOキューの平均キュー長qを監視し、この平均キュー長qの監視結果に基づき、適応調整型トラフィック輻輳システム4において、予め記憶したトラフィック特性適応可否判定条件を参照して、送信バッファ3に対する制御動作が現状のトラフィック特性に適応しているか否かを判定し、非適応と判定した場合には、パケット廃棄率(ここでは最大パケット廃棄率Pmax)を調整して送信バッファ3内のパケットを廃棄する割合を増加、あるいは減少させ、平均キュー長qの急激な増加、あるいは急激な減少を抑制する。
【0027】
この抑制を行うために、トラフィック制御装置41において、最大パケット廃棄率Pmaxの制御ルールをファジィ(Fuzzy)関係として記述し、ファジィ推論部41aにより操作量ΔPmaxを算出する。さらに、この操作量ΔPmaxを、制御パラメータ補正装置42のニューラルネットワーク42aにおいて、その学習機能によって修正していく。
【0028】
具体的には、REDキューマネージャ3は、求めた平均キュー長qと予め設定された目標範囲の下限値αおよび上限値βと比較し、平均キュー長qが下限値αより小さければパケット廃棄率(最大パケット廃棄率Pmax)を減少させ、平均キュー長が上限値βより大きければパケット廃棄率(最大パケット廃棄率Pmax)を増加させるが、このREDキューマネージャ3によるパケット廃棄率(最大パケット廃棄率Pmax)の増減量ΔPmaxを、トラフィック制御装置41のファジィ推論部41aにおいてファジィ推論により算出する。
【0029】
さらに、このトラフィック制御装置41のファジィ推論部41aにおけるファジィ推論で用いるルールの制御パラメータを、制御パラメータ補正装置42のニューラルネットワーク42aにおいて、そのニューラルネットワークの重みとして学習機能により算出する。
【0030】
ファジィ推論部41aを具備したトラフィック制御装置41、および、ニューラルネットワーク42aを具備した制御パラメータ補正装置42は、それぞれ、図2および図3に示すような構成となっており、以下、図2,図3を用いて、トラフィック制御装置41および制御パラメータ補正装置42の詳細を説明する。
【0031】
図2のトラフィック制御装置41において、411は適合制御条件入出力部、412は適合制御条件記憶部、413は制御パラメータ入出力部、414は監視データ受信部、415は制御適合判定部、416は入力値算出部、417は制御解析部、418は出力値算出部、419は制御値送信部である。
【0032】
このような構成により、トラフィック制御装置41は、送信バッファ2のFIFOキューの平均キュー長qを監視し、平均キュー長qが予め定めた閾値maxthを超過した場合、トラフィック特性が変動して平均トラフィック量が増加したことによって、制御動作が現状のトラフィック特性に非適合であると判定し、最大パケット廃棄率Pmaxを操作量(ΔPmax)だけ高くして廃棄パケット数を増やす。
【0033】
また、反対に平均キュー長qが闘値minthを下回った場合、トラフィック特性が変動して平均トラフィック量が減少したことによって、制御動作が現状のトラフィック特性に非適合であると判定し、最大パケット廃棄率Pmaxを操作量(ΔPmax)だけ小さくして廃棄パケット数を減らす。但し、平均キュー長qが2つの閥値minth〜maxth間に留まっている場合は、制御動作が現状のトラフィック特性に適合であると判定し、最大パケット廃棄率Pmaxは一定のままにする。
【0034】
図3の制御パラメータ補正装置42において、421は制御パラメータ入力部、422は制御パラメータ補正条件入出力部、423は制御パラメータ補正条件記憶部、424は学習データ入出力部、425は学習データ記憶部、426は出力推定値算出部、427は収束条件判定部、428は制御ルール生成条件判定部、429は制御パラメータ更新処理部、4210は最大推定誤差領域選択部、4211は制御ルール生成部、4212は制御パラメータ出力部である。
【0035】
このような構成により、制御パラメータ補正装置42は、予め定めた平均キュー長の目標値r(minth≦r≦maxth)と実際の平均キュー長qとの誤差e(=r−q)と誤差の変化分Δe(=e−et−1)を入力とし、また、最大パケット廃棄率Pmaxの操作量ΔPmaxを出力とするニューラルネットワーク42aを用いて、トラフィック制御装置41のファジィ推論部41aで操作量(ΔPmax)の算出時に用いるルールの制御パラメータを補正する。
【0036】
すなわち、学習データとして任意の入出力データが与えられた時に、入力データから推定された出力と実際の出力との誤差をフィードバックして、ニューラルネットワーク42a上の結合加重パラメータ値を更新していく。
【0037】
このニューラルネットワーク42a上の結合加重パラメータ値の更新処理は、学習データごとに逐次実施し、出力誤差が、ある一定の闘値(δ)以下になるまで続行する。これにより、送信バッファ2における平均キュー長qの変化量に応じた適切な操作量(最大パケット廃棄率Pmaxに対する増減量ΔPmax)を決定していく。
【0038】
以下、このようなトラフィック制御装置41と制御パラメータ補正装置42の各処理部による動作について説明する。
【0039】
まず、図2,3と共に、図4から図8を用いて、図2におけるシステム端末43からの設定指示操作に基づき、各種条件情報等の設定・登録処理(1)〜(5)について説明する。
【0040】
(1)制御適合判定条件の設定(図2における符号(a)、(b)を参照)について説明する。
【0041】
図2におけるシステム端末43からの設定指示操作により、「制御適合判定条件」が、トラフィック制御装置41に入力され(a)、適応制御条件入出力部411を介して適合制御条件記憶部412に記憶され、設定される(b)。
【0042】
この「制御適合判定条件」とは、制御適合判定部415において、REDシーケンスマネージャ3の制御動作が現状のトラフィック特性に適合して送信バッファ2のFIFOキューの平均キュー長を平衡状態に保つことができているかどうかを判定するための条件を示すもので、その内容は図4に示す。
【0043】
図4に示す例の「制御適合判定条件41」では、送信バッファ2のFIFOキューの平均キュー長qが、予め設定されたターゲット区間α〜β(minth≦α≦β≦maxth)内であれば(α≦q≦β)、REDシーケンスマネージャ3の制御動作が現状のトラフィック特性に「適合」していると判定し、予め設定されたターゲット区間α〜β外であれば(q<α or β<q)、REDシーケンスマネージャ3の制御動作が現状のトラフィック特性に「非適合」であると判定するように設定されている。
【0044】
(2)次に、送信バッファ2のFIFOキューの平均キュー長qの目標値rの設定(図2における符号(c)〜(e)を参照)について説明する。
【0045】
システム端末43からの設定指示操作に基づき、目標値rがトラフィック制御装置41に入力され(c)、適応制御条件入出力部411を介して適合制御条件記憶部412に記憶され、設定される(d)。また同時に、制御パラメータ入出力部413および制御パラメータ入力部421を介して、制御パラメータ補正装置42の出力推論値算出部426にも目標値rが設定される(e)。
【0046】
ここで、「目標値r」とは、送信バッファのFIFOキューの平均キュー長qを一定長に保つ様に制御する時の指標であり、入力算出部416において、制御解析部417への入力値を計算する時の基準値を示す。
【0047】
(3)次に、制御ルールの設定(図2における符号(f)〜(h)を参照)について説明する。
【0048】
システム端末43からの設定指示操作に基づき、制御ルールが、シトラフィック制御装置41に入力され(f)、適応制御条件入出力部411を介して適応制御条件記憶部412に記憶され、設定される(g)。また、ニューラルネットワーク42aの学習機能によるパラメータ調整の対象となる制御パラメータの初期値が、制御パラメータ入出力部413および制御パラメータ入力部421を介して、制御パラメータ補正装置42の出力推論値算出部426に設定される(h)。
【0049】
ここで、「制御ルール」とは、制御解析部417において制御適合判定結果が非適合となった場合に、トラフィック制御装置41のファジィ推論部41aにおいて、トラフィック特性の変動に応じて最大パケット廃棄率を決定するための制御ルールを示す。
【0050】
以下、この制御ルールをファジィ(Fuzzy)制御ルールとして表すために、平均キュー長qと目標値rとの誤差e(=r−q)、誤差の変化分Δe(=e−et−1(t:時間変数))を入力(x、x)とし、最大パケット廃棄率Pmaxの操作量ΔPmaxを出力(y)とする。
【0051】
また、各入力に対する前件部のメンバーシップ関数(Aj1、Ak2)は初期値として3種類(j=1〜3、k=1〜3))、後件部は簡略化ファジィ推論を用いるために定数とする。これらにより記述することができるファジィ(Fuzzy)制御ルールの内容を図5と図6に例示する。
【0052】
すなわち、図5に示すファジィ(Fuzzy)制御ルール51は、「if 〜 then」形式でなり、入力を「x1(=e)、x2(=Δe)」、出力を「y(=ΔPmax)」とすると、i番目のファジィ制御ルール(R)は、「if x1 is Aj1, x2 is Ak2 」の前件部と「then y=ωbi」の後件部(i=1…9, j=1…3, k=1…3)からなる。
【0053】
前件部におけるメンバーシップ関数(Aj1、Ak2)はシグモイド(sigmoid)関数fを内部関数として持ち、初期値として各々3種類ずつを有し、また、ファジィ制御ルール51の後件部は、通常、「y=c11+c+ωb」(c1、c、ωb:定数)と表せるが、本例では、簡略化ファジィ推論を用いるので、「c1=c=0」として「y=ωb」を用いる。尚、この後件部におけるωbおよびメンバーシップ関数における傾きωと中心ωがファジィ制御ルール51の制御パラメータとなる。
【0054】
図6に具体的に示すように、本例のファジィ制御ルール51,61では、それぞれの入力「x1(=e)、x2(=Δe)」の組み合わせに対応して、▲1▼〜▲9▼の出力(ルール)が得られる。
【0055】
例えば、入力「x1」が「A 1」で「q>r」、入力「x2」が「A12」で「Δe>0」であれば、ルール▲3▼(y=操作量ΔPmax)を大きく増加させる」が出力され、入力「x1」が「A 1」で「q>r」、入力「x2」が「A32」で「Δe<0」であれば、ルール▲1▼(y=操作量ΔPmax)を小さく増加させる」が出力され、また、入力「x1」が「A 1」で「q<r」、入力「x2」が「A12」で「Δe>0」であれば、ルール▲9▼(y=操作量ΔPmax)を大きく減少させる」が出力される内容となっている。
【0056】
(4)次に、収束条件の設定(図3における符号(i)、(j)を参照)について説明する。
【0057】
システム端末43からの設定指示操作に基づき、ニューラルネットワーク42aにおける収束条件が、制御パラメータ補正装置42に入力され(i)、制御パラメータ補正条件入出力部422を介して制御パラメータ補正条件記憶部423に記憶され、設定される(j)。
【0058】
ここで、「収束条件」とは、学習データに基づくニューラルネットワーク42aによる制御パラメータの更新処理ルーチングを終了させるための条件を示すもので、図7に例示するものである。
【0059】
図7に示す収束条件71では、入力データ「x1」と「x2」から推定された出力y*と実際の出力yとの誤差Eを「(y−y*)/2」とし、この出力誤差Eが予め設定された閾値(δ)以下になった場合(「E=(y−y*)/2≦δ」)に、この学習による制御パラメータの更新処理を終了させる内容となっている。
【0060】
(5)次に、制御ルール生成条件の設定(図3における符号(k)、(l)を参照)について説明する。
【0061】
システム端末43からの設定指示操作に基づき、制御ルール生成条件が、図3の制御パラメータ補正装置42に入力され(k)、制御パラメータ補正条件入出力部422を介して制御パラメータ補正条件記憶部423に記憶され、設定される(l)。
【0062】
ここで、「制御ルール生成条件」とは、学習データに基づくニューラルネットワーク42aによる制御パラメータの調整を行っても推定誤差が減少しなくなった場合に制御ルールを自動的に生成するトリガ条件を示すものであり、その制御ルール生成条件の内容を図8に例示する。
【0063】
図8に示す制御ルール生成条件81では、ニューラルネットワーク42aでの学習により制御パラメータの調整を行っても、推定誤差Eが減少しなくなった場合、すなわち、推定誤差Eの変化量ΔE(=E−Ep−1…p:学習回数)が予め設定された閾値(δ)以下になった場合に(「ΔE=E−Ep−1≦δ」))、新たな制御ルールを自動生成させる内容となっている。
【0064】
以上の(1)〜(5)における各条件の設定・登録と同様に、システム端末43からの設定指示操作に基づき、ニューラルネットワーク42aで用いる学習データが、制御パラメータ補正装置42に入力され(図3における(m))、学習データ入出力部424を介して学習データ記憶部425に記憶され、設定される(図3における(n))。
【0065】
このように設定された学習データによる制御パラメータの補正動作について、以下、説明する(図3の符号(o)〜(x)を参照)。
【0066】
図3における制御パラメータ補正装置42の出力推定値算出部426は、学習データ記憶部425に記憶されている学習データを1セット毎に読み出すと共に(o)、そのデータのx(=e)、x(=Δe)を入力として、出力推定値y*(=ΔPmax)を算出する(p)。
【0067】
この最大パケット廃棄率Pmaxの操作量ΔPmaxの推定値の算出は、図9および図10に示すアルゴリズムに基づき行われる。すなわち、図9(a)に示すニューラルネットワーク構成の前件部(A)〜(D)と後件部(E),(F)において、図9(b)に示す内容の計算アルゴリズムに基づき、出力(操作量y=ΔPmaxの推論値に関する処理を行う。
【0068】
例えば、まず、前件部(A)において、x(=e)、x(=Δe)を入力し、前件部(B)において、x(=e)、x(=Δe)と、一定値「1」を出力するバイヤスユニットからの出力に対して付加される重み付け(ωc11〜ωcj2)とに基づき、シグモイド関数f(x)の入力値Oを計算する(O=ω(x+ω)、または、O=−ω(x+ω))。
【0069】
図10で示す例、すなわち、「Rule2:if xis A21, xis A22 then y=ωb2」の場合、「i=ωg21(x+ωc21)」、「-i=ωg21(x+ωc21)」を計算する。
【0070】
次に、前件部(C)において、シグモイド関数f(x)の出力値Oを計算し(O=1÷(1+exp[−ω(x+ω)])、または、O=1÷(1+exp[ω(x+ω)]))、さらに、前件部(D)において、メンバーシップ関数A(x)の出力値Oを計算する(O=f(x)、または、O=f(x)−f(−x))。
【0071】
図10で示す例では、「f(i)…(x≦ω)」と、「f(i)−f(−i)…(ω<x)」を計算する。
【0072】
そして、後件部(E)において、ファジィ制御ルールの前件部の適合度(各メンバーシップ関数のグレード積)μを計算し(μ=Ai1(x)Aj2(x))、(E)層の全ユニットで得られる前件部適合度の総和で規格化した値Mを出力し(M=μ÷Σμ)、後件部(F)において、前件部適合度の規格値(M)と後件部定数(結合加重)ωの積を計算し、全ユニットの総和を出力推論値y*とする(y*=ΣM・ω)。
【0073】
図10で示す例では、後件部(E)において、「μ=A21(x)×A22(x)」を計算し、(E)層の全ユニットで得られる前件部適合度の総和で規格化した値「M=μ÷Σμ」Mを出力し、後件部(F)において、前件部適合度の規格値(M)と後件部定数(結合加重)ωの積を計算し「y=M・ω」、全ユニットの総和「出力推論値y*=y+y+…+y」が得られる。
【0074】
出力推定値算出部426は、このようにして計算した推定値y*を収束条件判定部427に通知する(q)。収束条件判定部427では、学習を開始する前に制御パラメータ補正条件記憶部423から読み取っておいた収束条件に基づいて(r)、通知された推定値y*と学習データの出力yとの誤差Eが一定の闘値δ以下かどうかをチエックする(s)。
【0075】
この判定の結果、収束条件をクリアしていない場合、収束条件判定部427は、その推定誤差Eを制御ルール生成条件判定部428に通知する(t)。制御ルール生成条件判定部428では、学習処理を開始する前に制御パラメータ補正条件記憶部423から読み取った制御ルール生成条件に基づいて(u)、通知された推定誤差E(p:学習回数)と前回の推定誤Ep−1の差分ΔEが一定の闘値δ以下になったかどうかをチェックする(v)。尚、p=1の場合、推定誤差を記憶するだけで判定処理は実施しない。
【0076】
この判定の結果、ΔE>δの場合、制御ルール生成条件判定部428は、現状の制御ルールのままで学習による制御パラメータの補正処理が必要であると判断して、推定誤差Eを制御パラメータ更新処理部429に通知する(w)。
【0077】
制御パラメータ更新処理部429では、学習アルゴリズムとして誤差逆伝播(「BackPropagation」)法を用いて、通知された推定誤差Eを制御パラメータである前件部のメンバシップ関数の内部関数であるsigmoid関数の傾きωと中心ω、および後件部の定数ωにフィードバックしてパラメータ値を更新していく(x)。このような制御パラメータを補正する処理動作は図11に示すようにして行われる。
【0078】
すなわち、図11(a)および図11(b)に示すように、誤差逆伝播(「BackPropagation」)法により、入出力データd=(x1p、x2p、y)(P=1…N:データ個数)が与えられてときに(ステップ1101)、入力データ、x1p、x2pから推定された出力yと(ステップ1102)、実際の出力yとの誤差をフィードバックして、ファジィ制御器モデルのパラメータωと中心ω、および後件部の定数ωの値を更新していく(ステップ1103〜1105)。
【0079】
そして、データ毎に逐次更新を行い、出力誤差Eが予め設定された閾値(δ)以下になった場合(ステップ1103)、この学習手続を終了させる。
【0080】
制御パラメータ更新処理部429は、このようにして補正したパラメータ更新値を制御パラメータ補正条件記憶部423に記憶する(y)。
【0081】
そして、出力推定値算出部426は、制御パラメータ補正条件記憶部423から更新された制御パラメータを設定した後、学習データ記憶部425から次の学習データを読み出して新たな出力推定値を算出する。
【0082】
以上、推定誤差が収束条件(δ)を満たすまで、学習による制御パラメータの補正処理を繰り返す。
【0083】
しかし、このような学習によりパラメータ調整を行っても推定誤差Eが減少しなくなった場合、すなわち、図11(b)に示すフローにおけるステップ1104の処理で、推定誤差Eの変化量ΔE=E―Ep−1が一定の闘値δ以下になった場合に、図3の制御ルール生成条件判定部428において、現状の制御ルールのままで学習による制御パラメータの補正処理では不十分であると判断して、新たな制御ルールを自動生成させる。
【0084】
以下、このような場合に、新たな制御ルールを自動生成する処理動作を説明する(図3における符号(z)〜(h)を参照)。
【0085】
制御ルール生成条件判定部428は、新たな制御ルールを自動生成させるために、最大推定誤差選択部4210に対して制御ルール生成領域を選択するように指示する(z)。
【0086】
この指示を受けた最大推定誤差選択部4210による、制御ルール生成領域の選択動作は以下のようになる。
【0087】
最大推定誤差選択部4210では、ファジィ制御ルールの前件部のメンバーシップ関数によってx−x平面が分割される全ての領域の中から、他の領域と比べて稚定誤差の最も大きい領域を新たな制御ルールを生成する領域として選択する(b)。この動作を、図12の例を用いて具体的に説明する。
【0088】
図12において、入力変数(x、x)毎に見て隣り合う2つのメンバーシップ関数の中心ωによって分割される領域をSとする。例えば入力xのA11の中心ωc11とA21の中心ωc21によって分割される領域Sは、図6で示したファジィ制御ルール▲1▼、▲3▼、▲6▼、▲4▼、すなわち図11中の1、3、6、4で囲まれた長方形である。
【0089】
この他に、x、xのメンバーシップ関数によって分割される領域はS=(4,6,9,7)、S(1,2,8,7)、S=(2,3,9,8)の3つである。
【0090】
次に、各領域S毎に、そこに含まれる全ての学習データの平均推定誤差Dsjを計算し、平均推定誤差Dsjの中で最大値を有する領域Smaxについて、制御の精度を高めるために新たに制御ルールを設定すべき領域として選択する。
【0091】
このようにして選択した領域を構成する2つのメンバーシップ関数の中心ωを、最大推定誤差領域選択部4210から、制御ルール生成部4211に通知する(c)。通知を受けた制御ルール生成部4211は、次のようにして、新規制御ルールの生成を行う。
【0092】
すなわち、制御ルール生成部4211では、最大推定誤差領域選択部4210で選択された領域を構成する2つのメンバーシップ関数の中心間の中点を新たな中心とするメンバーシップ関数を新たに生成する(d)。
【0093】
図12の領域Sが選択された場合のメンバーシップ関数の生成例を図13に示し、図13(a)における3つの「黒丸点(12,11,10)」が、新たに生成されるルールを示す。すなわち、領域Sに新規のメンバシップ関数A41(x)を生成すると、新規ルール10,11,12が生成される。
【0094】
図13(b)に示すように、前件部の新規メンバシップ関数A41(x)の生成において(図3における符号(e))、中心ωc41は、メンバシップ関数A11(x)の中心ωc11とメンバシップ関数A21(x)の中心ωc21の中点(ωc41=(ωc11+ωc21)/2)、傾きωg41は、メンバシップ関数A11(x)とメンバシップ関数A21(x)との各交差点が0.5となるよう設定する。
【0095】
また、後件部の実数の生成は(図3における符号(f,g))、生成前後で推定誤差の増減が無いように新規メンバシップ関数の中心に対する生成前ルールによる推進出力を新しい後件部の実数値とする(ωb1k=yold(ωc41+ωck2)…(k=0,1,2))。
【0096】
このように、新たに生成されたルールの後件部の定数は、ルールの生成前後で推定誤差を増加させないために、新規ルールの前件部のメンバーシップ関数の中心の値に対する更新前のルールによるファジィ推論による出力とし、新規ルールR1kは、「R1k:if x is A41, x is Ak2 then y=ωb1k」として生成される。
【0097】
制御ルール生成部4211は、この様に生成した新規ルール(「R1k:if x is A41, x is Ak2 then y=ωb1k」)を制御パラメータ補正条件記憶部423に記憶する(h)。
【0098】
以下、図3における符号(i),(j)に示されるようにして、学習による制御パラメータの調整完了処理を行う。
【0099】
すなわち、収束条件判定部427は、出力推定値算出部426が計算した推定値y*と学習データの出力との推定誤差が一定の闘値δ以下になった時、収束条件が満たされたものと判断して、学習による制御パラメータの補正処理を終了し、出力推論値算出部426に更新終了を通知する(i)。
【0100】
通知を受けた出力推論値算出部426は、終了時点の制御ルールを、制御パラメータ出力部4212および制御パラメータ入出力部413を介して、トラフィック制御装置41の適応制御条件記憶部412に記憶する(j)。
【0101】
次に、図2に示す構成のトラフィック制御装置41による平均キュー長の監視動作と制御適合判定動作(図2における符号(k)〜(m)を参照)、および、適合制御動作(図2における符号(n)〜(w)を参照)を説明する。
【0102】
トラフィック制御装置41は、パケットが到着する度にREDキューマネージヤー3で算出される送信バッファ2のFIFOキューの平均キュー長qを監視データ受信部414を介して受信し、制御適合判定部415により監視し(l)、現状のREDによるアクティブ・キュー制御動作がトラフィック特性に適応しているかどうかを適合制御条件記憶部412から読み出した(k)制御適合判定条件に基づいて判定する(m)。
【0103】
この判定の結果で、「非適合」と判定した場合、適合判定部415は、非適合発生イベントを入力値算出部416に通知する(o)と共に、平均キュー長を、入力値を算出するために合わせて受け渡す。
【0104】
通知を受けた入力値算出部416は、受け取った平均キュー長qと適合制御条件記憶部412から読み出した(n)目標値rに基づいて、誤差eと誤差変化分Δeを算出し(p)、これらを次の制御解析部417に入力する(r)。
【0105】
制御解析部417では、適合制御条件記憶部412から読み出した(q)制御ルールに基づき、入力された誤差eと誤差変化分Δeに応じて、次に設定すべき最大パケット廃棄率Pmaxの操作量ΔPmaxを決定する(s)。決定後、制御解析部417は、決定された操作量ΔPmaxを出力値算出部418に入力する(t)。
【0106】
出力値算出部418では、入力された操作量ΔPmaxと制御適合判定前の最大パケット廃棄率Pmaxから現状のトラフィック特性に適応する最大パケット廃棄率Pmaxを算出する(u)。そして、算出した最大パケット廃棄率Pmaxを、制御値送信部419を介してREDキューマネージャー3に再設定する(v)。
【0107】
制御適合判定部415にて平均キュー長が適合判定条件を満たすまで現状のトラフィック特性に対する最大パケット廃棄率Pmaxの適合調整を繰り返す。
【0108】
制御適合判定部415において平均キュー長が適合判定条件を満たした場合、REDキューマネージャー3によるアクティブ・キュー制御動作が現状のトラフィック特性に対して「適合」したと判定し、適合調整の完了報告を制御解析部417に通知する(w)。
【0109】
以上、図1〜図13を用いて説明したように、本例では、転送するパケットを蓄積した送信バッファ2の平均キュー長qを求め、この平均キュー長qに対応して予め設定されたパケット廃棄率に従って、受信したパケットの破棄制御を行い、パケットの転送量を制御する際に、求めた平均キュー長qと予め設定された目標範囲の下限値αおよび上限値βと比較し、平均キュー長qが下限値αより小さければパケット廃棄率を減少させ、平均キュー長qが上限値βより大きければパケット廃棄率を増加させるが、このパケット廃棄率の増減量を、ファジィ推論により算出すると共に、このファジィ推論で用いるルールの制御パラメータをニューラルネットワークの重みとして学習機能により求める。
【0110】
詳細には、インターネット上のゲートウェイ1において、トラフィック特性の変動に係わらず、送信バッファ2のFIFOキューの平均キュー長qを一定範囲内に保つためにパケット廃棄を制御して、送信バッファ2の輻輳を制御する際に、送信バッファ2のFIFOキューの平均キュー長qを監視するトラフィック制御装置41において、システム端末43より事前に設定されたトラフィック特性適応可否判定条件を適合制御条件記憶部412に記憶し、この適応可否判定条件に基づいて、送信バッファ2に対する制御動作が現状のトラフィック特性に適応しているか否かを判定し、判定の結果、非適応と判定した場合、最大パケット廃棄率Pmaxを調整して送信バッファ2内のパケットを廃棄する割合を増加、あるいは減少させ、キュー長の急激な増加、あるいは急激な減少を抑制するために、最大パケット廃棄率Pmaxを制御するルールをファジィ関係として記述し、ファジィ推論により最大パケット廃棄率Pmaxの操作量ΔPmaxを算出する。また、制御パラメータ補正装置42において、システム端末43より事前に設定された制御パラメータ補正条件を制御パラメータ補正条件記憶部423に記憶し、非適応との判定結果の場合、平均キュー長qの変化量に応じて最大パケット廃棄率Pmaxを適切に調整するために、適正な操作量ΔPmaxをニューラルネットワークの学習機能によって修正していく。
【0111】
このように、本例では、REDキューマネージヤー3における最大パケット廃棄率Pmaxの操作量ΔPmaxの適応調整について、制御規則をファジィモデル化してファジィ推論を行い、かつ、このファジィ推論で用いるルールの制御パラメータを、ニューラルネットワークの重みとして学習機能を用いて調整することにより、理論的な解析モデルを用いなくても、トラフィック特性の変動に応じたREDキューマネージヤー3における最大パケット廃棄率Pmaxの操作量ΔPmaxの適応調整を自動的に安定して行うことができ、インターネット上のゲートウェイ1等において、トラフィック特性の変動に係わらず、送信バッファのFIFOキューの平均キュー長をある一定範囲内に維持することでバッファ輻輳を制御することができる。
【0112】
尚、本発明は、図1〜図13を用いて説明した例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、本例では、インターネット上のゲートウェイ1における構成および動作で説明したが、他のパケット転送を行うネットワーク上の通信装置にも適用することができる。
【0113】
また、本例では、REDキューマネージヤー3における最大パケット廃棄率Pmaxの操作量ΔPmaxを例に説明しているが、この最大パケット廃棄率Pmaxの操作量ΔPmax適応調整に伴い、中間のパケット廃棄率Paの操作量についても適応調整されるものである。
【0114】
また、本例では、ファジィ推論として、簡略化ファジィ推論(直接法)を用いているが、間接法のファジィ推論を用いることでも良い。
【0115】
また、本例でのゲートウェイ1のコンピュータ構成としては、キーボードや光ディスクの駆動装置の無い構成としても良い。また、本例では、光ディスクを記録媒体として用いているが、FD(Flexible Disk)等を記録媒体として用いることでも良い。また、プログラムのインストールに関しても、通信装置を介してネットワーク経由でプログラムをダウンロードしてインストールすることでも良い。
【0116】
【発明の効果】
本発明によれば、トラフィック特性の変動に応じたREDキューマネージヤーにおけるパケット廃棄率の制御量を、ファジィ推論により求め、かつ、このファジィ推論で用いるルールのパラメータを、ニューラルネットワークの重みとして学習機能を用いて調整するので、トラフィック特性に変動が起こっても、送信バッファにおけるキュー長を自動的に安定して一定範囲に保つことができ、送信バッファの輻輳を効率的に制御することができ、ネットワークの信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるパケット転送制御システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1におけるトラフィック制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1における制御パラメータ補正装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図2における適合制御条件記憶部に記憶される制御適合判定条件例を示す説明図である。
【図5】図1におけるトラフィック制御装置で用いられるファジィ制御ルールの第1の構成例を示す説明図である。
【図6】図1におけるトラフィック制御装置で用いられるファジィ制御ルールの第2の構成例を示す説明図である。
【図7】図3における制御パラメータ補正条件記憶部に記憶される収束条件例を示す説明図である。
【図8】図3における制御パラメータ補正条件記憶部に記憶される制御ルール生成条件例を示す説明図である。
【図9】図1における制御パラメータ補正装置のニューラルネットワークの構成・動作例を示す説明図である。
【図10】図9におけるニューラルネットワークの具体的な動作例を示す説明図である。
【図11】図1における制御パラメータ補正装置の処理動作例を示す説明図である。
【図12】図3における最大推定誤差領域選択部の処理動作例を示す説明図である。
【図13】図3における制御ルール生成部の処理動作例を示す説明図である。
【図14】従来のREDを用いた輻輳制御およびパケット転送制御を行うシステムの構成例を示すブロック図である。
【図15】図14のシステムで参照する平均キュー長とパケット廃棄率との関係例を示す説明図である。
【図16】図14のシステムにおけるREDキューマネージャーの動作概要を示す説明図である。
【符号の説明】
1:ゲートウェイ(「Gateway:通信装置」)、2:送信バッファ(「FIFO-QUEUE」)、3:REDキューマネージャー(「RED-Queue Manager」)、4:適応調整型トラフィック輻輳制御システム、41:トラフィック制御装置、41a:ファジィ推論部(「Fuzzy Controller」)、42:制御パラメータ補正装置、42a:ニューラルネットワーク(「Neural Network」)、43:システム端末、50:制御適合判定条件、51,61:ファジィ制御ルール(「Fuzzy制御Rule」)、71:収束条件、81:制御ルール生成条件、411:適合制御条件入出力部、412:適合制御条件記憶部、413:制御パラメータ入出力部、414:監視データ受信部、415:制御適合判定部、416:入力値算出部、417:制御解析部、418:出力値算出部、419:制御値送信部、421:制御パラメータ入力部、422:制御パラメータ補正条件入出力部、423:制御パラメータ補正条件記憶部、424:学習データ入出力部、425:学習データ記憶部、426:出力推定値算出部、427:収束条件判定部、428:制御ルール生成条件判定部、429:制御パラメータ更新処理部、4210:最大推定誤差領域選択部、4211:制御ルール生成部、4212:制御パラメータ出力部。

Claims (7)

  1. 転送するパケットを蓄積した送信バッファの平均キュー長を求め、該平均キュー長に対応して予め設定されたパケット廃棄率に従って、受信したパケットの破棄制御を行い、パケットの転送量を制御するパケット転送制御システムであって、
    求めた平均キュー長と予め設定された目標範囲の下限値および上限値と比較し、上記平均キュー長が上記下限値より小さければ上記パケット廃棄率を減少させ、上記平均キュー長が上記上限値より大きければ上記パケット廃棄率を増加させる第1の手段と、
    上記平均キュー長に対して予め設定された目標値から、該目標値と上記平均キュー長との誤差、および、該誤差の変化分を求め、求めた目標値と誤差および変化分を入力としたファジィ推論により、上記第1の手段による上記パケット廃棄率の増減量を算出する第2の手段と、
    該第2の手段でのファジィ推論に用いるルールの制御パラメータを、上記目標値と誤差および変化分を入力、上記パケット廃棄率の増減量を出力とするニューラルネットワークにおける重みとして該ニューラルネットワークの学習により求める第3の手段と
    を有することを特徴とするパケット転送制御システム。
  2. 転送するパケットを蓄積した送信バッファの平均キュー長を求め、該平均キュー長に対応して予め設定されたパケット廃棄率に従って、受信したパケットの破棄制御を行い、パケットの転送量を制御するパケット転送制御システムであって、
    求めた平均キュー長と予め設定された目標範囲の下限値および上限値と比較し、上記平均キュー長が上記下限値より小さければ上記パケットの最大廃棄率を減少させ、上記平均キュー長が上記上限値より大きければ上記パケットの最大廃棄率を増加させる第1の手段と、
    上記平均キュー長に対して予め設定された目標値から、該目標値と上記平均キュー長との誤差、および、該誤差の変化分を求め、上記目標値と誤差および変化分を入力としたファジィ推論により、上記第1の手段による上記パケットの最大廃棄率の増減量を算出する第2の手段と、
    該第2の手段でのファジィ推論に用いるルールの制御パラメータを、上記目標値と誤差および変化分を入力、上記増減量を出力とするニューラルネットワークにおける重みとして該ニューラルネットワークの学習により求める第3の手段と
    を有することを特徴とするパケット転送制御システム。
  3. 転送するパケットを蓄積した送信バッファの平均キュー長を求め、該平均キュー長に対応して予め設定されたパケット廃棄率に従って、受信したパケットの破棄制御を行う手順を有し、パケットの転送量を制御するシステムのパケット転送制御方法であって、
    求めた平均キュー長と予め設定された目標範囲の下限値および上限値と比較する手順と、
    上記平均キュー長が上記下限値より小さければ上記パケット廃棄率を減少させる手順と、
    上記平均キュー長が上記上限値より大きければ上記パケット廃棄率を増加させる手順と、
    上記平均キュー長に対して予め設定された目標値から、該目標値と上記平均キュー長との誤差、および、該誤差の変化分を求める手順と、
    求めた目標値と誤差および変化分を入力としたファジィ推論により、上記パケット廃棄率の増減量を算出する手順と、
    上記ファジィ推論に用いるルールの制御パラメータを、上記目標値と誤差および変化分を入力、上記パケット廃棄率の増減量を出力とするニューラルネットワークにおける重みとして該ニューラルネットワークの学習により求める手順と
    を有することを特徴とするパケット転送制御方法。
  4. 転送するパケットを蓄積した送信バッファの平均キュー長を求め、該平均キュー長に対応して予め設定されたパケット廃棄率に従って、受信したパケットの破棄制御を行う手順を有し、パケットの転送量を制御するシステムのパケット転送制御方法であって、
    求めた平均キュー長と予め設定された目標範囲の下限値および上限値と比較する手順と、
    上記平均キュー長が上記下限値より小さければ上記パケットの最大廃棄率を減少させる手順と、
    上記平均キュー長が上記上限値より大きければ上記パケットの最大廃棄率を増加させる手順と、
    上記平均キュー長に対して予め設定された目標値から、該目標値と上記平均キュー長との誤差、および、該誤差の変化分を求める手順と、
    上記目標値と誤差および変化分を入力としたファジィ推論により、上記パケットの最大廃棄率の増減量を算出する手順と、
    上記ファジィ推論に用いるルールの制御パラメータを、上記目標値と誤差および変化分を入力、上記増減量を出力とするニューラルネットワークにおける重みとして該ニューラルネットワークの学習により求める手順と
    を有することを特徴とするパケット転送制御方法。
  5. コンピュータに、請求項3もしくは請求項のいずれかに記載のパケット転送制御方法における各手順を実行させるためのプログラム。
  6. コンピュータに、請求項3もしくは請求項のいずれかに記載のパケット転送制御方法における各手順を実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  7. 請求項3もしくは請求項のいずれかに記載のパケット転送制御方法における各手順を実行するコンピュータを具備し、該コンピュータの処理に基づき、転送するパケットの量を制御することを特徴とする通信装置。
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