JP3711874B2 - ネットワークストレージシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータシステム及びストレージシステムと、それらを接続するネットワークシステム及びその統合形態であるコンピュータネットワークシステムに属する。
【0002】
【従来の技術】
ネットワークを介したストレージシステムとしては、SAN(Storage Area Network)やNAS(Network Attached Storage)等が実現されており、また、ネットワーク上に仮想的なストレージシステムを構築するStorage Virtualizationというモデルも発表されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これらのネットワークに接続されたストレージシステムは、個々のストレージシステムが保有するデータを、効率よく提供することを目的としている。
そのため、データを保持するストレージシステムは、あらかじめ定められており、データの信頼性は、個々のストレージシステムの構成に依存する。
データの信頼性を保証する方法として、RAIDの構築があげられる。RAIDとは、デービッド エイ パターソン、ガース ギブソン、およびランディーエッチ カッツ共著の「廉価なディスク冗長アレーの例(Redundant Arrays of Inexpensive Disks,RAID)」ユニバーシティー・オブ・カリフォルニア レポート第UCB/CSD87/391号(1987年12月号)に記載されたもので、耐故障性のレベルにより、RAID0〜RAID5までの6種類に分類される。
【0004】
一方、ネットワークを介してデータにアクセスするユーザは、個々のデータが、どの程度の信頼性を持ったストレージシステムに格納されているのかを、直接は知ることが出来ない。
サーバ内蔵の単体ハードディスクに必要なデータが保持されていた場合、サーバがダウンすると、データの利用が不能になる。また、単体ディスク上のデータであれば、データ喪失の危険性もある。従って、ユーザは、不測の事態に備え、ネットワーク上のデータのうち、必要なものを自身でバックアップせねばならず、しかも、更新が頻繁に行われるデータについては、更新周期と同等の周期でバックアップを行わなければならない。
【0005】
これらのバックアップ動作を繰り返すことは、ネットワークの帯域を浪費する事になる。
また、従来技術として、頻繁に利用するデータを、ユーザ・クライアントのアクセスしやすい、物理的に近いネットワークサーバやストレージシステムにコピーを置く、キャッシングと呼ばれる技術があるが、これは、クライアントのアクセス頻度を基準としてコピーを保持するものであり、データの必要性とは必ずしも一致しない。
さらに、希にしか参照しないが、重要度の高いデータに対しては、キャッシングは、データ保持の目的では機能しない。
【0006】
そこで本発明の課題は、ユーザが希望する信頼性レベルのストレージに、データを保存可能としたネットワークストレージシステムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明は、ネットワークに接続された複数のストレージ装置を有するネットワークストレージシステムにおいて、
前記ストレージ装置上のデータに対して、信頼性レベル情報を付与し、
ネットワークに接続されたクライアントが前記ストレージ装置上のデータを参照又は更新する際、クライアントのアクセス権限の範囲内で、信頼性レベル情報を更新し、更新された信頼性レベル情報に基づき、
データを格納するストレージ装置を変更することが可能にしたことを特徴とする。
このようにすれば、ユーザ(クライアント)が希望する信頼性レベルのストレージ装置に、データを保存することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明する。
(1)本発明の概要説明
先ず、本発明の全体の動作を、図1に示すフローチャートに基づいて説明する。
図1に示すように、本発明に基づくネットワークストレージシステム(図2参照)に於いては、クライアントがストレージシステム上のデータを参照又は更新する際、クライアントは、データやストレージシステム,ネットワークサーバの信頼性等に対する要求を、信頼性レベル情報としてネットワーク上のストレージシステムに通知する(ステップS1)。
【0009】
ネットワークストレージシステムは、クライアントのアクセス許可レベルが妥当か否かを判断し(ステップS2)、妥当でない場合はクライアントからの要求を拒絶し、クライアントに対してアクセス許可レベルが条件に合致しなかった旨を通知する(ステップS3)。
クライアントのアクセス許可レベルが妥当な場合は、ネットワーク上のストレージシステムは、各クライアント毎に設定されたアクセス許可レベルに応じて、当該データの信頼性レベル情報を、クライアントが要求するレベルに変更する(ステップS4)。
【0010】
通知を受けたストレージシステムは、当該データの信頼性レベル情報を変更すると同時に、自身のストレージシステム内で、信頼性レベル情報に合致したデータ保存形態が可能かどうかを検査する(ステップS5)。
自身のストレージシステム内で、信頼性レベル情報に合致した保存形態が利用可能な場合は、当該データの保存形態を変更し、処理を終える(ステップS6)。
自身のストレージシステム内で、信頼性レベル情報に合致した保存形態が不可能な場合は、ネットワークサーチエンジンを使用し、信頼性レベル情報に合致した保存形態が利用可能なストレージシステムをサーチする(ステップS7)。
【0011】
サーチ結果により、信頼性レベル情報に合致した保存形態が利用可能なストレージシステムがネットワーク上に存在する場合、当該ストレージシステムへのデータのコピーを実施する(ステップS8)。
サーチ元のストレージシステムは、コピー先のストレージシステムより、コピー完了の通知を受けた後、自身のストレージシステム内のデータを削除すると共に、ネットワークストレージシステム全体に対してデータの移動を通知する(ステップS9)。
信頼性レベル情報の変更を依頼したクライアントには、ネットワークストレージシステム経由で、データを保存するストレージシステムが変更になったことを通知する(ステップS10)。
【0012】
サーチ結果により、信頼性レベル情報に合致した保存形態が利用可能なストレージシステムがネットワーク上に存在しない場合、サーチ元のストレージシステムは、ネットワークストレージシステム経由で、信頼性レベル情報の更新が不可能であったことを通知すると共に、データの信頼性レベル情報を元に戻す(ステップS11)。
【0013】
(2)実施例
図1は本実施例のシステム構成図であり、一般的なネットワークストレージシステムである。
図1で、ネットワークN1上には、クライアント(コンピュータ,ワークステーション)C1,C2と、サーバ(サーバ,ミニコンピュータ,メインフレーム)S1,S2,S3と、ディスクアレイA2,A3,A4が直接接続されている。
また、サーバS1配下にディスクアレイA1が接続され、サーバS3配下にはディスクアレイ51〜54が接続され、サーバ3の処理によりミラーリングを行うことで、ネットワーク上には、等価的にディスクアレイA5が接続されている様に見なされる。
【0014】
図3から図7は、本実施例の動作を示す図ある。
図3で、クライアントC1からディスクアレイA4にデータD1の参照要求が発行される。その際クライアントC1は、データD1の信頼性レベル情報を”RAID0”から”RAID1”に変更するよう要求が出される。
図4でディスクアレイA4は、自身ではクライアントC1の要求”RAID0からRAID1への変更”を実現できないため、サーチエンジンを使用し、ディスクアレイA2に対してデータD1のコピー要求を行う。この実施例では、ディスクアレイA2は、ディスク空き容量などの問題で、コピー要求を拒否している。
【0015】
図5でディスクアレイA4は、サーバS3に対して、データD1のコピー要求を行う。サーバS3は、配下にミラーリングされたディスクアレイを接続しているため、ネットワークストレージシステムとしては、RAID1のディスクアレイと等価に見なされる。
サーバS3は、ディスクアレイA4からのコピー要求に応じ、データD1を配下のミラーリングされたディスクアレイA5にコピーするため、ディスクアレイA4のデータD1を受け取る。
【0016】
図6でサーバS3は、ディスクアレイA4から受け取ったデータD1を、配下のディスクアレイA51及びA52に対して書き込み指示を行う。
ディスクアレイA51及びA52からの書き込み終了報告を受けたサーバS3は、書き込み完了(コピー完了)をディスクアレイA4に通知する。
【0017】
図7でディスクアレイA4は、サーバS3からの書き込み完了通知を受け、ネットワーク上の他のネットワークストレージシステムに対し、データD1の移動を通知すると共に、データD1を削除する。
また、ディスクアレイA4は、クライアントC1に対して、信頼性レベル情報の更新が完了したことを通知する。
【0018】
図8は、信頼性レベル情報の変更を拒否された場合の例である。クライアントC2は、ディスクアレイA4上のデータD2を参照する際、信頼性レベル情報を”RAID5”に変更するよう要求する。
ディスクアレイA4は、データD2のユーザ許可レベルと、クライアントC2のユーザレベルを比較する。この実施例では、クライアントC2のユーザレベルが”LEVEL2”であるのに対して、データD2のユーザ許可レベルが”LEVEL4”であるため、ユーザレベルの方が小さいと判断し、クライアントC2からの信頼性レベル情報の更新要求に対して、拒否の通知を行う。
【0019】
図9は、各ストレージシステム上でのデータの管理方式を示したものである。
図9では、データD1〜D4の各々に対して、信頼性レベル情報R1〜R4が対応づけられている。信頼性レベル情報の中には、信頼性を規定するRAIDレベルと、ユーザからの信頼性レベル変更の可否を判定するユーザ許可レベルとが保持されている。
【0020】
なお、本実施例では、ユーザ許可レベルおよびユーザレベルは、大きい方が優先度の高い例を示したが、小さい方が優先度の高いような実施例も可能である。
また、本実施例では、信頼性レベル情報の示す、信頼性に関する情報として、ディスクアレイのRAIDレベルを例示したが、RAIDレベル以外にも、ハードディスク・ベンダ等のID情報やハードディスクの物理容量、不良トラックの量や障害履歴等も、信頼性情報として、信頼性レベル情報に追加することが可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、以下の効果を発揮することができる。
即ち、ユーザは、必要なデータを、必要な信頼性を保証するストレージシステムに格納するよう要求することが可能となるため、不必要なバックアップを行う必要が無くなる。また、データの信頼性に対する要求をユーザ側から提示させることにより、システム管理の手間を省く効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体のフローチャートである。
【図2】本発明の実施例のネットワークストレージシステムのシステム構成図である。
【図3】同ネットワークストレージシステムの動作の「その1」であって、クライアントがデータを参照する際、信頼性レベル情報の更新を要請する動作である。
【図4】動作の「その2」であって、ディスクアレイA4がディスクアレイA2に対して、データD1のコピーを要求し、拒否される動作である。
【図5】動作の「その3」であって、ディスクアレイA4がディスクアレイA5に対して、データD1のコピーを要求し、応諾される。サーバS3は、ネットワークストレージシステム上では、等価的にディスクアレイ装置A5と見なされる動作である。
【図6】動作の「その4」であって、ディスクアレイA5への、データD1の書き込み完了報告がディスクアレイA4に通知される動作である。
【図7】動作の「その5」であって、ディスクアレイA4はデータD1を削除し、ネットワーク上にデータが移動した旨を通知する動作である。
【図8】動作の「その6」であって、クライアントC2から、データD2に対する信頼性レベル情報の更新要求が拒絶される動作である。
【図9】本発明の実施例における、信頼性レベル情報の記述例である。
【符号の説明】
N1 ネットワーク
A1〜A5、A51〜A54 ディスクアレイ
C1 コンピュータ
C2 ワークステーション
S1 サーバー
S2 ミニコンピュータ
S3 メインフレーム

Claims (6)

  1. ネットワークに接続された複数のストレージ装置を有するネットワークストレージシステムにおいて、
    前記ストレージ装置上のデータに対して、信頼性レベル情報を付与し、
    ネットワークに接続されたクライアントが前記ストレージ装置上のデータを参照又は更新する際、クライアントのアクセス権限の範囲内で、信頼性レベル情報を更新し、更新された信頼性レベル情報に基づき、
    データを格納するストレージ装置を変更することが可能にしたことを特徴とする、ネットワークストレージシステム。
  2. 前記ストレージ装置は、前記ネットワークに直接接続されていることを特徴とする、請求項1記載のネットワークストレージシステム。
  3. 前記ストレージ装置は、前記ネットワークに直接接続されているネットワークサーバシステムに接続されていることを特徴とする、請求項1記載のネットワークストレージシステム。
  4. 前記ストレージ装置は、前記ネットワークに直接接続されているネットワークサーバシステムと、これに接続されているストレージ装置とを、一体と見なされるストレージシステムとすることを特徴とする、請求項1記載のネットワークストレージシステム。
  5. 前記ストレージ装置は、単数又は複数のディスクアレイ装置を備えることを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載のネットワークストレージシステム。
  6. 前記ストレージ装置は、単数又は複数のストレージ装置と接続されたネットワークサーバシステムで、全体としてディスクアレイシステムと見なされるストレージシステム、を備えることを特徴とする、請求項4に記載のネットワークストージシステム。
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