JP3711269B2 - 撹拌乾燥機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部に回転攪拌羽根を備えた撹拌乾燥機の改良された構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、都市ごみ処理施設では、後段の焼却処理などのためにごみが含む水分を除去する乾燥施設が設置されている。乾燥施設に用いられる乾燥機には、種々の形式のものが用いられるが、乾燥効率が高く、操作が比較的容易な乾燥機として、図2に示すような回転ドラム1の内部に軸方向に配置された回転シャフト2に攪拌羽根21、21を設けた形式の攪拌乾燥機が多く用いられている。
【0003】
この種の攪拌乾燥機では、回転ドラム1の一方端(図2では左端)から水分40〜80%程度の被処理物であるごみが投入され、この回転ドラム1の回転作用と、攪拌羽根21の回転作用の相乗効果で投入ごみは攪拌されながら回転ドラム1内を他方端の出口に向かって移動するのであるが、その間に、この回転ドラム1に導入された加熱された乾燥用熱風によって水分が除去されて、出口(図2では右端)からは水分10%以下の乾燥ごみとして取り出される。
【0004】
ところが、被処理ごみ中には、不可避的に含まれている布類の切れ端、ひも類などの細長いひも状物が前記攪拌羽根21を回転させる回転シャフト2に巻き付くという現象が頻繁に見られるのである。このように、回転シャフト2に巻き付いた可燃性のひも状物は、回転ドラム・内に導入された熱風に長く加熱されることから、発火して火災の原因となったり、また巻き付き方が偏ってくると、軸バランスが崩れて、異常トルクが発生し、機器の異常停止や損傷の原因ともなっていた。
【0005】
そして、これらひも状物が一旦、巻き付くと、自然に外れることは少ないので、運転を止めて内容物を排出してから手作業で取り除かなければならないという大変面倒な作業となっていた。特に、この攪拌乾燥機の前段に、2軸せん断式のごみ破砕機が設けられている場合には、衣類の布地やプラスチクシートなどがひも状になり易く、ごみ破砕機のせん断刃物が磨耗すると、ひも状物がより多く発生しやすいという傾向があって、前記の回転シャフト2への巻く付きが激しくなるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、攪拌乾燥機における前記したようなひも状物の回転シャフトへの巻き付きを防止できるシャフト構造を持つ攪拌乾燥機を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記したひも状物の回転シャフトへの巻き付き現象を多数のケースについて調査、解析した結果、攪拌乾燥機に送り込まれてくるひも状物の長さがには限界があって、ある一定値を超える事例がごく少ないという知見を得たことに基づいている。
【0008】
すなわち、上記の問題は、内部に複数の撹拌羽根を備えたドラムからなる撹拌乾燥機において、前記撹拌羽根を立設した回転シャフトに、600mm以上の周長を備えたカバー部材を装着したものであって、前記カバー部材が、回転シャフトに装着されたとき、軸方向に直角の断面外形が円形に形成され、中央に前記回転シャフトに嵌着される凹部を備え、かつ軸方向に分割可能な複数の金属製カバーピースからなるものであって、前記回転シャフトに対して、そのカバー部材を着脱自在に装着したものであることを特徴とする本発明の撹拌乾燥機によって解決することができる。
【0009】
【0010】
さらに、上記の問題は、内部に複数の撹拌羽根を備えたドラムからなる撹拌乾燥機において、前記撹拌羽根を立設した回転シャフトに、600mm以上の周長を備えたカバー部材を装着したものであって、回転シャフトに設けられた前記撹拌羽根の固定用軸体にカバー部材取付金具を予め取り付けておき、このカバー部材取付金具に断面円弧状に成形した金属板材を取り付けて、前記回転シャフトの周囲に断面外形が円形に組み立てられたカバー部材を形成したことを特徴とする本発明の撹拌乾燥機によって解決することができる。
【0011】
一般に用いられる攪拌乾燥機の回転シャフトは、外径50A〜300Aであるが、そのうち250A未満の場合には、600mm程度のひも状物を含む都市ごみを攪拌するため回転すると、それら長いひも状物の巻き付きが避けられなかったのであるが、本発明の場合は、回転シャフト1の実質的な周長が少なくとも600mmに拡大されているので、ひも状物が回転シャフト1にからんでも、1周以上巻き付くことがなく、順次外れていくのである。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の撹拌乾燥機に係る実施形態について、図1、2、3を参照しながら説明する。
本発明の特徴は、図2に例示する複数の撹拌羽根を備えたドラム式撹拌乾燥機のうち、周長が600未満の回転シャフト2(外径が250A未満が該当する)を備えている既存の攪拌乾燥機を対象として、周長が600mm以上となるカバー部材3をその回転シャフト2に装着して、処理ごみ中のひも状物の巻き付きを防止するようにした点にある。
【0013】
このカバー部材3の1例は、図1に示すようなカバーピース3a、3b、3cから構成されるもので、回転シャフト2に装着されたとき、それぞれの外周面31は、軸方向に直角の断面外形が円形に形成されるよう円弧面に造形されている。そしてさらに、各カバーピース3a、3b、3cの中央部分には、前記回転シャフト2に嵌着される凹部32を備えた形状に造形されているものである。このカバーピースは、適宜な金属部材からなるが、図示の3個1組のケースに限定されるものではない。
【0014】
このカバー部材3の周長を具体的に決定するには、その攪拌乾燥機が設置される処理施設の個別の状況に対応するのが最も好ましい。そのためには、予め、代償的な処理条件における乾燥対象のごみの内容を調査して、ひも状物の実態を解明しておくのがよい。そうすれば、含まれるひも状物の長さのデータから、その巻き付を経済的に解消できるカバー部材3の周長を統計学的に決定することができる。
【0015】
本発明では、周長を特定しているが、これは本件発明者らが、前記したようにひも状物の回転シャフトへの巻き付き現象を多数のケースについて調査、解析した結果、ひも状物の長さはほぼ600mmが限界であることを解明した点に基づいている。従って、本発明のように周長が600mm以上となるカバー部材3を用いて、回転シャフト2の周長を拡大したのに等しくすれば、前記ひも状物の巻き付きは実質的に予防できる利点が得られるのである。
【0016】
また、本発明のカバー部材3は、前記の通りカバーピース3a、3b、3cを回転シャフト2に嵌め付けて組み立てられるが、それぞれは着脱自在な固定手段、例えば、図示した金属バンド4を巻き回して固定する手段が採用され得る。この固定手段は、これに限られず、相互にボルト止めして固定する手段も利用できる。かくして、本発明のカバー部材3は、回転シャフト1に着脱自在に装着できるので、点検、清掃、サイズ変更あるいは補修などの際に取り付け、取り外しが容易となるから、メンテナンス作業自体が容易になる利点が得られる。
【0017】
また、本発明に係るカバー部材の他の形態を図3に例示する。
この実施形態では、回転シャフト2に設けられた前記撹拌羽根(図示省略。図2では21として表示)の固定用軸体22、22の、回転シャフト2の軸心から所定の位置にカバー部材取付金具23、23を予め取り付けておき、少なくとも隣り合うカバー部材取付金具23、23にわたって、断面円弧状に成形した金属板材5a、5b、5c、5dがねじ止めなどで取り付けられている。
【0018】
かくして、金属板材5a、5b、5c、5dは、前記回転シャフト2の周囲に断面外形が円形で、かつ周長が600mm以上となるように組み立てられたカバー部材5を形成するので、先の実施形態と同様の利点を得ることができるうえ、その構造がより簡単であるという利点がある。なお、このようなカバー部材5は、その前端部、後端部ともに被処理物が流入しないよう閉鎖されているものとする。この点は、図1のカバー部材3の場合も同様とする。
【0019】
【発明の効果】
本発明の攪拌乾燥機は、以上説明したように構成されているので、攪拌乾燥機における攪拌羽根駆動用の回転シャフトに対するごみ中のひも状物の巻き付き現象を予防することができるから、点検、清掃などのため運転休止する頻度が減少し、装置の稼動効率が向上し、メンテナンス費用も節減できる。またメンテナンスの際、カバー部材の着脱も簡便にできるので、この点においてもメンテナンス費用の節減に一層貢献できるという優れた効果がある。よって本発明は、従来の問題点を解消した攪拌乾燥機として、その実用的価値はきわめて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に供せられるカバー部材の1例を示す要部斜視図。
【図2】本発明が対象とする攪拌乾燥機を示す一部切欠き側面図。
【図3】本発明に供せられるカバー部材の他の事例を示す要部斜視図。
【符号の説明】
1 ドラム、2 回転シャフト、21 攪拌羽根、3 カバー部材、3a、3b、3c カバーピース、31 外周面、32 凹部、4 金属バンド。
Claims (2)
- 内部に複数の撹拌羽根を備えたドラムからなる撹拌乾燥機において、前記撹拌羽根を立設した回転シャフトに、600mm以上の周長を備えたカバー部材を装着したものであって、前記カバー部材が、回転シャフトに装着されたとき、軸方向に直角の断面外形が円形に形成され、中央に前記回転シャフトに嵌着される凹部を備え、かつ軸方向に分割可能な複数の金属製カバーピースからなるものであって、前記回転シャフトに対して、そのカバー部材を着脱自在に装着したものであることを特徴とする撹拌乾燥機。
- 内部に複数の撹拌羽根を備えたドラムからなる撹拌乾燥機において、前記撹拌羽根を立設した回転シャフトに、600mm以上の周長を備えたカバー部材を装着したものであって、回転シャフトに設けられた前記撹拌羽根の固定用軸体にカバー部材取付金具を予め取り付けておき、このカバー部材取付金具に断面円弧状に成形した金属板材を取り付けて、前記回転シャフトの周囲に断面外形が円形に組み立てられたカバー部材を形成したことを特徴とする撹拌乾燥機。
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JP2002083195A JP3711269B2 (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | 撹拌乾燥機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002083195A JP3711269B2 (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | 撹拌乾燥機 |
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JP2003279250A JP2003279250A (ja) | 2003-10-02 |
JP3711269B2 true JP3711269B2 (ja) | 2005-11-02 |
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ID=29231080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002083195A Expired - Lifetime JP3711269B2 (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | 撹拌乾燥機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3711269B2 (ja) |
-
2002
- 2002-03-25 JP JP2002083195A patent/JP3711269B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003279250A (ja) | 2003-10-02 |
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