JP3710935B2

JP3710935B2 - Braking member using magnetic fluid

Info

Publication number: JP3710935B2
Application number: JP17020098A
Authority: JP
Inventors: 貴史新子; 勝人中塚; ヨンサムキム; 豊久藤田
Original assignee: Nittetsu Mining Co Ltd
Current assignee: Nittetsu Mining Co Ltd
Priority date: 1998-06-17
Filing date: 1998-06-17
Publication date: 2005-10-26
Anticipated expiration: 2018-06-17
Also published as: JP2000002274A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性流体を用いた制動部材に関し、詳細にはエンジンマウント、クラッチ、ブレーキ、ダンパー、アクチュエーター等多種の態様に用いられる制動部材に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、自動車等は電子制御化の発達のため、その制動部材としても、電気または磁気印加による反応応答性を利用した手段が多く検討されている。
例えば、作動流体として電気レオロジー流体（以下、ＥＲ流体ともいう）または磁性レオロジー流体（以下、ＭＲ流体または磁性流体ともいう）を用い、該流体に印加する電場または磁場を制御して該流体の状態を変化させることにより、該流体に接する物体および該物体に発生する動作を制御する制動部材が検討または一部で実用化されている。なお、ＥＲ流体およびＭＲ流体とは、それぞれ電気的又は磁気的に作用を受ける粉体粒子がベース液中に分散され、電場又は磁場を制御することにより、その粘性、流動性等を変化させることができるものである。
【０００３】
レオロジー流体は、通常は液体状態であり、流動性を示すが、電場あるいは磁場または電場磁場の両者を印加することにより、著しく粘度が上昇し、さらには流動性を全く示さないゲル状態にまで変化する機能性流体である。
ＥＲ流体としては、これまである種の高分子溶液、または各種粒子を分散させた懸濁液が提案されているが、前者は印加電圧に対する粘度増加率が小さく、ＥＲ流体として十分な機能を示さず、これまで主として後者の粒子分散系流体を中心に検討がなされている。すなわち、粒子分散系のＥＲ流体は、高分子溶液系と比べて比較的良好な電圧印加による粘度増加（ウインズロー効果）を示すものである。
ところで、ＥＲ流体の油性媒体中に分散させる粒子として、これまでシリカ、イオン交換樹脂、チタン酸バリウム、含水フェノール樹脂、結晶性ゼオライトなど種々のものが知られているが、その中でも無機物はＥＲ流体効果が大きく、ポリマー粒子は分散性が良いということから、ポリマー粒子の表面に無機物の微粒子を付着させて無機・有機複合型の二重構造とし、ＥＲ流体用粉体とすることも提案されている（「月刊トライボロジ」１９９４年８月号２４頁）。
磁場に作動する流体としては、磁性体粒子に界面活性剤を吸着させて電気絶縁性液体に分散させたＭＲ流体がある。代表的な磁性流体として、マグネタイト粒子にオレイン酸を吸着させて、ケロシンに分散させたものが知られている。
この磁性流体は、粒子を分散しコロイドとするために、粒径０．００６〜０．０１５μｍの磁性体超微粒子が使われている。しかし、磁性流体では、超微粒子の表面に界面活性剤の層を形成するため、液中の磁性体粒子の濃度が３５％程度が限界であり、また磁性体粒子が小さいため、大きな粒子に比べ磁性の強さ（磁化）が７０〜８０％と小さい。そのため、レオロジー流体とした場合、流体の作動力が小さく、所望の作動力が得られなかったり、非常に強い磁場が必要となる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、ＥＲ流体は、ベース液中での分散性は良いが、電場に対する応答性が弱いため、このＥＲ流体を用いた制動部材は期待される程の成果が得られていない。
また、従来のＭＲ流体は磁場に対する応答性を良くするため、磁性の強いものを用いることを試みると、どうしても磁性粉体の粒径が大きいものを用いざるを得なかった。
磁性粉体の粒径が大きくなると、その重量も大きくなるため、ベース液中での分散性が悪くなる。ＭＲ流体を用いる制動部材は、その制動性の安定を維持するため、粉体粒子がベース液中に、十分な分散状態が維持されていなければならない。
また、重量を小さくするため、その粒径を小さくしても十分な強さの磁性を有する磁性粉体もあるが、これらの殆どは金属磁性粉体であり、長期間の使用中に酸素、水、熱等の影響を受け、その能力が劣化してくる問題があった。
【０００５】
従って、本発明の目的は、上記従来技術の問題点を克服し、制動性が安定、かつ強力で長期間の使用においても性能が維持される磁性流体を用いた制動部材を提供するものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、磁性流体として、従来のものよりも磁性および耐酸化性が強く、かつ磁性粉体粒子のベース液に対する分散性が優れたものを用いることにより、上記従来技術の欠点を克服した。
【０００７】
すなわち、本発明は、以下の構成よりなる。
（１）作動流体として磁性流体を用い、該磁性流体に印加する磁場を制御して該磁性流体の状態を変化させることにより、該磁性流体に接する物体および該物体に発生する動作を制御する制動部材において、
該磁性流体は、０．０１〜２ｎｍの膜厚のシリカ膜で被覆された５〜２０ｎｍの平均粒径の金属鉄粒子が、溶媒中に安定に分散され、その分散状態が維持され、シリカ膜のＳｉＯ _２と金属鉄粒子のＦｅの重量割合（ＳｉＯ _２／Ｆｅ）が０．１〜１０ｗｔ％であることを特徴とする制動部材。
【０００８】
（２）シリカ膜で被覆された金属鉄粒子の飽和磁化が、７０〜２００ｅｍｕ／ｇであることを特徴とする前記（１）の制動部材。
【０００９】
（３）シリカ膜で被覆された金属鉄粒子が、酸化鉄粒子の表面にシリカ膜を形成し、このシリカ膜を形成した酸化鉄粒子を還元して得られたものであることを特徴とする前記（１）の制動部材。
（４）酸化鉄粒子の粒径が４〜２０ｎｍであることを特徴とする前記（３）の制動部材。
（５）シリカ膜を形成した酸化鉄粒子の還元が、水素ガス雰囲気下３００〜８００℃の焼成により行われることを特徴とする前記（３）の記載の制動部材。
【００１０】
本発明の磁性流体を用いた制動部材は上記のように、磁性超微粒子に酸化物被覆金属、特にシリカ被覆金属鉄粉などを用いることにより、従来に比べ、磁性の強い磁性流体を用い、耐酸化性が強く、磁性の低下が少なく、耐久性を有し、過酷な条件で作動し、強力な制動力が得られる。
従って、従来の磁性流体と異なり、実用化が真空中や不活性ガス中に限定されない。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の制動部材に用いられる磁性流体について詳細に説明する。
本発明において、前記磁性流体に用いられる、酸化防止膜で被覆された磁性金属粒子の基体となる金属成分としては、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、チタン、マンガン、アルミニウム、銅、サマリウム、ネオジム等の金属、また鉄−ニッケル、鉄−コバルト、鉄−銅、鉄−コバルトーアルミニウム合金等の金属合金が挙げられる。
【００１２】
また、本発明の磁性流体において、酸化防止膜とは、前記磁性金属粒子の基体である金属成分の酸化を長期にまたは半永久的に防止するものである。酸化防止膜の物質としては、前記磁性金属粒子の金属成分の酸化を長期にまたは半永久的に防止するものであれば特に限定されないが、緻密な酸化物等が挙げられ、強度、成膜性等の点から金属酸化物が好ましい。
前記酸化防止膜に適用される金属酸化物としては、ケイ素、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、錫、鉄、マンガン、ニッケル、クロム、亜鉛、カドミウム、鉛、リチウム、インジウム、ネオジウム、ビスマス、セリウム、アンチモン、カルシウム、マグネシウム、バリウム等の金属の酸化物が挙げられる。
【００１３】
本発明の磁性流体に用いられる磁性粉体、即ち、酸化防止膜で被覆された磁性金属粒子の製造方法としては、１）強磁性金属からなる基体粒子の表面に金属酸化物等の酸化防止膜を形成する方法；２）磁性金属粒子の原料となる酸化物粒子の表面に酸化物膜を形成し、この酸化物膜を形成した原料酸化物粒子を還元する方法がある。
前記１）の方法では、強磁性金属からなる基体粒子をプラズマ法、気相中での製膜法（ＣＶＤ法、ＰＶＤ法）などで形成し、この金属基体粒子が溶媒中に安定に存在すれば、これにゾル−ゲル法などで酸化膜を形成して、真空中あるいは不活性ガス雰囲気中で熱処理することにより強固な酸化防止膜とするものである。
【００１４】
また、前記２）の方法については、以下に詳細に説明する。
磁性金属粒子の原料となる酸化物粒子（以下、磁性金属粒子原料酸化物粒子という）とは、該酸化物が還元により強磁性の金属の単体または合金になるものである。
この磁性金属粒子原料酸化物粒子の具体例としては、マグネタイトやＣｏフェライト、Ｎｉフェライトに代表されるフェライト粒子および複合金属フェライト粒子を挙げることができる。
これら磁性金属粒子原料酸化物粒子は、公知の共沈法や金属イオンの還元法、ＣＶＤ法等により作成可能である。特に、フェライト粒子の場合には共沈法で作成することにより、粒径数ｎｍ〜数十ｎｍ程度の粒径の揃った微粒子を得ることができる。
磁性金属粒子原料酸化物粒子の平均粒径の範囲は、４〜３０ｎｍであり、好ましくは５〜２０ｎｍ、さらに好ましくは５〜１５ｎｍであり、５〜１０ｎｍならば最適である。４ｎｍ未満では磁性が弱くなり、３０ｎｍを超えて大きくなると、磁性流体中で沈降が生じ、共に不適である。
【００１５】
また、本発明においては、前記磁性金属粒子原料を、ゾル−ゲル法、ゲル−ゾル法、共沈法などで、溶媒中で酸化物粒子あるいは水酸化物粒子とする方法も用いられる。
例えば、共沈法により形成する場合には、前記磁性金属粒子原料の塩の水溶液にアルカリ溶液を添加することにより中和、加水分解する方法、また反応にエネルギーが必要な場合にはウォーターバス、オイルバス、オートクレーブなどで加熱することにより、磁性金属粒子原料酸化物粒子を形成する。
前記磁性金属の塩としては、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、炭酸塩、無機塩類、あるいは有機酸塩などの塩類が好ましい。
【００１６】
前記２）の磁性金属粒子原料酸化物粒子の表面に酸化物膜を形成する場合には、イ）有機溶媒中で金属アルコキシドを用いて酸化物膜を形成する方法；ロ）水中で金属塩類を中和、加水分解する方法などがある。
【００１７】
前記金属アルコキシドの加水分解による、金属酸化物の膜を形成する方法としては、金属アルコキシドの溶液（有機溶剤または有機溶剤と水の混合溶剤であることが多い。）中に、前記磁性金属粒子原料酸化物粒子を分散し、分散させた溶液に水または弱いアルカリ性水溶液を添加して金属アルコキシドを加水分解することにより、前記粒子の表面上にその金属の酸化物皮膜を生成させる方法である。
この方法により多層金属酸化物膜粉体を製造する方法は、特開平６−２２８６０４号公報や特開平７−９０３１０号公報等に記載されている。
【００１８】
この加水分解による金属酸化物の製造方法はゾル−ゲル法と呼ばれ、微細で均一な組成の酸化物が形成されるものであって、この方法を磁性金属粒子原料酸化物粒子に対して適用することにより、磁性金属粒子原料酸化物粒子の上に均一な厚さでかつ緻密な膜が得られる。
金属アルコキシドとしては、ケイ素、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、錫、鉄、マンガン等必要な金属酸化物に対応する金属のアルコキシドが選択される。
【００１９】
金属アルコキシドは、一般に水により分解する場合には、有機溶媒の溶液として使用される。有機溶媒は、アルコール、例えばエタノール、メタノール等、またはケトン類等が使用される。有機溶媒は脱水したものを使用することが好ましい。金属アルコキシド溶液の濃度は、溶解する金属アルコキシドの種類や有機溶媒の種類によって変わるが、最適な条件を設定する。金属アルコキシド溶液の濃度と金属アルコキシド溶液の磁性金属粒子原料酸化物粒子に対する使用量により、磁性金属粒子原料酸化物粒子上の金属水酸化物膜の厚さが決まる。
【００２０】
前記ロ）の水中で金属塩類を中和、加水分解する方法としては、金属塩の反応のうち、最も一般的である金属塩水溶液の反応による沈殿という処理に用いられる金属塩についていうと、金属の酸性塩の場合が特に問題となる。金属塩の反応においては、中和や熱分解が代表的に用いられるが、それ以外の反応でもよい。本発明において、金属塩として使用される金属は、鉄、ニッケル、クロム、チタン、亜鉛、アルミニウム、カドミウム、ジルコニウム、ケイ素、錫、鉛、マンガン、リチウム、インジウム、ネオジウム、ビスマス、セリウム、アンチモン等の他、カルシウム、マグネシウム、バリウム等が挙げられる。
【００２１】
また、これら金属の塩としては、硫酸、硝酸、塩酸、シュウ酸、炭酸やカルボン酸の塩が挙げられる。さらにまた、前記金属のキレート錯体も含まれる。本発明において使用される金属塩の種類は、その粉体の表面に付与しようとする性質や製造に際して適用する手段に応じてそれに適するものが選択される。
【００２２】
上記のごとく処理することにより、磁性金属粒子原料酸化物粒子の表面に酸化物膜を形成した磁性金属粒子原料酸化物粒子が得られる。
そして、以上のようにして得られた酸化物膜被覆磁性金属粒子原料酸化物粒子を含む溶液を静置して液相と固相とに相分離させ、液相中に浮遊する超微粒子のみを採取する。ここで、遠心分離器を用いて超微粒子のみを採取することもできる。この超微粒子は平均粒径１０ｎｍ〜数十ｎｍ程度であり、１０ｎｍ程度が好ましく、後述される磁性流体とした際に、該流体中で沈降することなく優れた分散性が得られる。
【００２３】
この酸化物膜を被覆した磁性金属粒子原料酸化物粒子を還元し、基体を金属化して磁性を強くし、酸化物膜を完全な酸化防止膜とした磁性金属粒子を得ることができる。
前記還元は、水素ガス雰囲気に保った炉の中で、温度範囲は３００〜８００℃であり、好ましくは４００〜７００℃で焼成を行う。３００℃以下では酸化防止膜が完全にならないことがあり、８００℃を超えた温度では粒子同志が焼結することがあり、共に不適である。
この炉中での焼成時間は１〜１０時間であり、好ましくは３〜８時間である。
【００２４】
本発明では、前記還元・焼成処理により、磁性金属粒子原料酸化物粒子が金属に還元されると同時に、高温による前記酸化物膜の固化と前記磁性金属粒子の表面の溶融化が同時に進行し、酸化物膜と磁性金属粒子の界面において結合が生じ、この結果、酸化物膜が完全な酸化防止膜になるものと思われる。
また、前記還元・焼成処理の際、酸化防止膜は還元処理中の焼結防止膜としても働く。
更に粒子焼結防止と酸化物被覆磁性粒子の磁性流体化を効率よく行うために回転式チューブ炉を用いることもできる。
【００２５】
上記の還元・焼成処理条件は、それ自体公知の方法であるが、主に磁気記録媒体用として好適に使用することができる磁気特性の優れたマグネタイト、マグヘマイト、金属鉄などの針状の磁性粉末（長軸：０．１〜０．３μｍ）を得るための処理として用いられてきたが（例えば、特開昭５９−２１３６２６号公報、特開昭５８−１６１７０９号公報）、本発明においては、磁気流体の磁性金属粒子原料酸化物粒子を還元し、基体を金属化し、磁性を強くした酸化防止膜被覆磁性金属粒子を得ることが目的であり、平均粒径が、５〜２０ｎｍである超微粒子に適用し、優れた結果を得ることができた。
【００２６】
なお酸化防止膜は、磁性金属粒子との熱反応性による磁化減少防止など必要に応じて複数膜でもよい。
酸化防止膜で被覆された磁性金属粒子の平均粒径の範囲は、５〜２０ｎｍであり、好ましくは６〜１５ｎｍ、さらに好ましくは７〜１２ｎｍであり、８〜１０ｎｍならば最適である。５ｎｍ未満では磁性が弱くなり、２０ｎｍを超えて大きくなると、磁性流体中で沈降が生じ、共に不適である。
酸化防止膜で被覆された磁性金属粒子の飽和磁化の数値範囲は、７０〜２００ｅｍｕ／ｇであり、好ましくは１００〜２００ｅｍｕ／ｇである。
【００２７】
酸化防止膜の膜厚の数値範囲は０．０１〜２ｎｍであり、好ましくは０．０１〜１ｎｍである。更に好ましくは０．０１〜０．５ｎｍである。０．０１ｎｍ未満では焼成時に焼結が起きやすくなり、２ｎｍを超えて厚くなると磁性が弱くなり、共に不適である。
なお、酸化防止膜としてシリカ膜を、磁性金属粒子の金属成分として鉄を用いた場合には、ＳｉＯ₂ とＦｅの重量割合（ＳｉＯ₂ ／Ｆｅ）が０．１〜２０ｗｔ％、好ましくは０．１〜１０ｗｔ％、さらに好ましくは０．５〜７ｗｔ％である。
酸化防止膜または磁性金属粒子の金属成分として、それぞれ別のものを適用する場合には、適宜好ましい重量割合を設定すればよい。
【００２８】
本発明において、上記の酸化防止膜被覆磁性金属粒子を溶媒中に安定に分散させる磁性流体化は、溶媒と分散剤を適当に選ぶことにより達成できる。
媒体である溶媒としての水、あるいは極性の大きい溶媒としては、ダンパー、アクチュエーターの用途には比較的沸点の高い物質であれば良く、エタノール、プロパノール等の低級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、１，４ブタジオールから１，１０デカノールまでの高級アルコールなどの極性溶媒などが用いられる。
【００２９】
水やこれらの極性溶媒中でオレイン酸、リノレン酸、リノール酸などの不飽和脂肪酸を被覆し、粒子の表面を親溶媒性に処理した後、ドデシルベンゼンスルホン酸やドデシル硫酸などの陰イオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの非イオン系界面活性剤などの界面活性剤を添加し、さらに、テトラメチルアンモニウムなどのような陽イオン系界面活性剤を加えることにより、磁性流体とすることができる。
また、ヒドロキシアルキルセルロースなどの高分子分散剤も使用できる。
一方、極性のないケロシン、α−オレフィン、アルキルナフタレンなどの炭化水素、ポリフェニルエーテルなどのエーテル類、ジメチルシロキサンなどのシリコン油類には、オレイン酸などの不飽和脂肪酸、メルカプト変性シロキサンやカルボキシ変性シロキサンなどの反応性シロキサンなどのシリコン分散剤が使用できる。
【００３０】
上記の表面処理に使用される界面活性剤としては、次の各種のうち１種類あるいは複数種用いることができるが、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸などの不飽和脂肪酸のアルカリ塩類、アルキルエーテル酢酸などのカルボン酸及びその塩類、スルホン酸及びその塩類、硫酸及び亜硫酸エステル塩、燐酸エステル及びその塩類、ホウ素系、重合型高分子系、重縮合型高分子などの陰イオン性界面活性剤、脂肪族アミン類及びそのアンモニウム塩、芳香族アミン類及びそのアンモニウム塩、複素環アミン類及びそのアンモニウム塩、ポリアルキレンポリアミン型、高分子型などの陽イオン性界面活性剤、エーテル型、エステルエーテル型、エステル型、デキストリンなどの多糖類、ヒドロキシアルキルセルロースなどのセルロース類などの高分子系、カルボキシ変性、アミノ変性などの変性シリコンオイル、含窒素型などの非イオン性界面活性剤、ベタイン型あるいはアミノ有機酸型などの両イオン性界面活性剤、また、シランカップリング剤やチタンカップリング剤のような反応性界面活性剤などを用いることができる。その添加量としては、適宜決定される。
【００３１】
また、油ベース磁性流体を制動部材として使用した場合には、防水制動部材として使用でき、逆に親水性溶媒磁性流体を使用した場合には防油制動部材とすることも可能である。
その他、本発明の磁性流体は、磁性超微粒子に酸化物被覆金属、特にシリカ被覆金属鉄粉などを用いることにより、従来のマグネタイト磁性流体の問題点であった過熱性がなく放熱性があり、溶媒の蒸発も防止でき、防塵性を有し、耐酸化性が強く、磁性の低下が少なく、耐久性を有する。
【００３２】
本発明は、上記のような磁性の強い磁性流体を用いることにより、強い制動力が得られる制動部材を提供するものである。
例えば、図１に示される装置において、外筒２に、磁性流体５と一端に軸を付けたより円周の小さい内筒３を入れ、外筒２の中を、内筒３が回転運動または垂直運動ができるようにする。
この場合、内筒３は磁場のない状態ではより小さい力で動かすことができる。
一方、外筒２に垂直あるいは平行に磁場を印加すると磁性流体５は、超微粒子がクラスターを形成し、粘性を増加するため、大きな力が必要である。
磁場を印加する際、印加する磁場の大きさおよび方向を変えることにより、内筒３の運動速度を変化することができる。その際に印加する磁場の大きさを徐々に変化させると、内筒３の運動は徐々に変化し、逆に急速に磁場をかけると内筒３は急速に止まる。
【００３３】
上記の特性の応用例として、ダンパーがある。内筒３の一方の端に急速に力がかかった場合、これに対し徐々に磁場を強くかけていくことにより、適当な速さで力を吸収することできる。
このような運動する物体に対し、所望の反発力を発生し、制御するためには、作動流体中の磁性超微粒子は均一に分散している必要がある。そうでない場合所望の作動力が得られない。
また、磁性については、大きな力に対抗するためには、磁場が印加された際に、より大きな力が発生されるよう、より強い磁場が要求される。
【００３４】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、勿論本発明の範囲は、この実施例のみに限定されるものではない。
〔実施例１〕
下記工程により磁性流体を作成した。
（磁性金属粒子原料酸化物粒子）
０．１２５ｍｏｌ／リットルの塩化第１鉄試薬と０．２５ｍｏｌ／リットルの塩化第２鉄試薬を溶解した溶液１５０ｍｌを準備し、これに、１ｍｏｌ／リットルのＮａＯＨ溶液をｐＨが１２になるまで添加し、鉄分を沈殿させた後蒸留水を用いて傾斜洗浄を繰り返し、マグネタイト超微粒子２０ｇを得た。得られたマグネタイトの平均粒径は７．５ｎｍであった。
【００３５】
（酸化物膜の被覆）
得られたマグネタイト２０ｇを含む水溶液１リットルに、Ｎａ₂ Ｏ・３ＳｉＯ₃ 含有量が３７．７％の濃度の水ガラスを６．８ｇを加えて、十分攪拌分散後、１Ｎの塩酸でｐＨ８にし、温度を７０℃に保持したウォーターバス中に入れ、２時間反応させた。
反応終了後、固形分を濾過し、蒸留水５リットルで洗浄し、電解質を除去した。
【００３６】
（酸化物被覆金属超微粒子製造）
固形分を乾燥後、アルミナボートに入れ、回転式チューブ炉に入れ、１０分間、窒素ガス５００ｍｌ／ｍｉｎ．で窒素ガス置換後、水素ガスを５００ｍｌ／ｍｉｎ．で流しながら６５０℃まで３時間で昇温し５時間保持した後、窒素ガス５００ｍｌ／ｍｉｎ．に変えて、放冷した。
得られたシリカ被覆金属鉄超微粒子は鉄に対するＳｉＯ₂ の被覆量は３．５ｗｔ％であった。また得られたシリカ被覆金属鉄超微粒子の平均粒径は９．５ｎｍであった。
また、磁場１０ｋＯｅでの磁化は、１２５．５ｅｍｕ／ｇであった。
さらに、大気中では１５０℃まで酸化は認められなかった。
【００３７】
（磁性流体化）
得られたシリカ被覆金属鉄超微粒子１０ｇを１０％オレイン酸水溶液１００ｍｌ中に入れ、１時間攪拌し、オレイン酸を吸着した。その後過剩のオレイン酸を除去するために、沈殿物を濾過後、１リットルの水で８回洗浄を行った。濾過後粉末を６０℃で８時間乾燥した。
乾燥した粉末を、ドデシルベンゼンスルホン酸３．２ｇとテトラメチルアンモニウム０．５ｇを含むエチレングリコール２．９ｇを加えホモジナイザーで１１００ｒｐｍ．で２時間攪拌後、シリカ被覆金属鉄超微粒子濃度が７０％の磁性流体を得た。
得られた磁性流体の粘性は２２０ｃＰ、密度１．８Ｋｇ／ｍ³であり、非常に分散が良かった。また、磁場１０ｋＯｅでの磁化は７２．６ｅｍｕ／ｇで、２０週間静置したが、磁性変化はなかった。
【００３８】
得られた磁性流体を用いて、前記測定装置による実験を行い、磁性流体の粘度特性を測定した。
図１において、測定装置１は、外筒２及び内筒３からなる同心二重円筒と、該同心二重円筒を挟んで対向する一対の磁極４ａ，４ｂを有する磁石４とから構成される。従って、磁界は磁極４ａ，４ｂ方向においては同方向に発生し、一方該磁極４ａ，４ｂの垂直方向では直交して発生する。
なお、外筒２の径は３０ｍｍ，内筒３の径は２７ｍｍ、回転数は０〜３６０ｒ．ｐ．ｍ．とした。
【００３９】
前記測定装置１の外筒２と内筒３との間に磁性レオロジー流体５を充填し、更に内筒３を回転し、該回転と同時に磁界を作用させた時の剪断応力と剪断速度との関係を求めた。
一定強度（但し、外筒表面において１８５ｋＡ／ｍ、内筒中心部では１１０ｋＡ／ｍ）の磁界を作用させて、測定を行った。また、磁界を作用させない場合の測定も行った。測定結果を図２に示す。
【００４０】
〔比較例１〕
上記実施例１の磁性流体の代わりに、特開昭５４−４００６９号公報に示される方法で調製した７０％のマグネタイト濃度の磁性流体を用いた以外は、実施例１と同様にして剪断応力と剪断速度との関係を求めた。測定結果を図２に示す。
【００４１】
図示されるように、磁界の作用により剪断応力が上昇しており、例えば、無磁界（図中●印）の場合より、磁界を作用させた場合（図中○印）は大きな剪断応力を示しており、磁界の作用による凝集効果が現れていることがわかる。
また、比較例の磁性流体は剪断応力にも大幅な増加がみられない。
上記の結果から、明らかなように、本発明に係わる実施例の磁性流体は、比較例の磁性流体比較して、磁界の作用によりクラスターの形成から崩壊までの時間が促進されて、応答性が向上していることがわかる。また、長期耐久性が認められ、満足すべき結果を得た。
【００４２】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る磁性流体を用いた制動部材は、外部磁場の作用により、強力にかつ精度良く作動し、耐酸化性、さらに分散安定性のよい優れた高性能流体を使用することにより、従来のマグネタイト磁性流体以上の磁性を有するため、従来の磁性流体に比べ、外部磁場に強く応答し、また磁力線方向に配向してクラスターを形成する。
従って、磁力線が同一方向となるように磁界を作用させることにより、前記クラスターの凝集力が増強され、より大きな剪断応力が得られる。しかも、磁界作用に応答するため、制御に関する自由度が増加するとともに、より細かな粘度制御を行うことも可能である。このことは、本発明に係る磁性流体をダンパーやアクチュエータ等の作動流体に使用した際に、特に有益となり、コンパクトにでき、また従来磁性流体では応用できなかった分野にも利用できる。
【００４３】
更に、磁性流体中に分散される粒子も平均粒径４〜２０ｎｍ程度で、しかもその表面に酸化防止膜が形成された超微粒子であるため、分散性が大幅に改善されて優れた磁気的凝集効果が得られるとともに、経時安定性にも優れるため、コスト面でも優位となる。
このように、本発明に係る磁性流体を用いた制動部材は、極めて高い実用性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施例において使用した粘度測定装置を示す概略斜視図である。
【図２】実施例１および比較例１における剪断応力と剪断速度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
１粘度測定装置
２外筒
３内筒
４磁石
５磁性レオロジー流体[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a braking member using a magnetic fluid, and more particularly to a braking member used in various aspects such as an engine mount, a clutch, a brake, a damper, and an actuator.
[0002]
[Prior art]
In recent years, because of the development of electronic control in automobiles and the like, many means using a response response by applying electricity or magnetism have been studied as a braking member.
For example, an electrorheological fluid (hereinafter also referred to as ER fluid) or a magnetorheological fluid (hereinafter also referred to as MR fluid or magnetic fluid) is used as a working fluid, and the state of the fluid is controlled by controlling an electric field or a magnetic field applied to the fluid. A brake member that controls an object in contact with the fluid and an action generated in the object by changing the pressure has been studied or partially put into practical use. The ER fluid and MR fluid are powder particles that are electrically or magnetically acted on, respectively, dispersed in the base liquid, and change their viscosity, fluidity, etc. by controlling the electric or magnetic field. It is something that can be done.
[0003]
A rheological fluid is normally in a liquid state and exhibits fluidity, but by applying both an electric field or a magnetic field or an electric field, the viscosity increases significantly and further changes to a gel state that does not exhibit fluidity at all. Functional fluid.
As the ER fluid, a certain polymer solution or a suspension in which various particles are dispersed has been proposed so far, but the former has a small rate of increase in viscosity with respect to an applied voltage and exhibits a sufficient function as an ER fluid. However, studies have been made mainly on the latter particle dispersion fluid. That is, the particle dispersion type ER fluid exhibits a viscosity increase (Winslow effect) by applying a relatively good voltage compared to the polymer solution type.
By the way, various particles such as silica, ion exchange resin, barium titanate, hydrous phenolic resin, crystalline zeolite and the like are known as particles to be dispersed in the oily medium of ER fluid. Since the effect is great and the polymer particles have good dispersibility, it has also been proposed that inorganic particles be adhered to the surface of the polymer particles to form an inorganic / organic composite type double-layered structure for powders for ER fluids. ("Monthly Tribology" August 1994, page 24).
As a fluid that operates in a magnetic field, there is an MR fluid in which a surfactant is adsorbed on magnetic particles and dispersed in an electrically insulating liquid. As a typical magnetic fluid, one in which oleic acid is adsorbed on magnetite particles and dispersed in kerosene is known.
The magnetic fluid uses magnetic ultrafine particles having a particle size of 0.006 to 0.015 μm in order to disperse the particles into a colloid. However, in the case of magnetic fluid, a surfactant layer is formed on the surface of ultrafine particles, so the concentration of magnetic particles in the liquid is limited to about 35%, and since the magnetic particles are small, they are smaller than large particles. Magnetic strength (magnetization) is as small as 70 to 80%. For this reason, when a rheological fluid is used, the operating force of the fluid is small, and a desired operating force cannot be obtained or a very strong magnetic field is required.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, although the ER fluid has good dispersibility in the base liquid, since the response to the electric field is weak, the braking member using the ER fluid has not achieved the expected results.
In addition, in order to improve the responsiveness to a magnetic field, the conventional MR fluid has no choice but to use a magnetic powder having a large particle size when trying to use a strong magnetic material.
When the particle size of the magnetic powder is increased, the weight thereof is increased, so that the dispersibility in the base liquid is deteriorated. In order to maintain the stability of the braking performance of the braking member using the MR fluid, the powder particles must be sufficiently dispersed in the base liquid.
In addition, in order to reduce the weight, there are also magnetic powders having sufficient magnetism even if the particle size is reduced, but most of these are metal magnetic powders, and oxygen, There was a problem that the ability deteriorated under the influence of water, heat, and the like.
[0005]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a braking member using a magnetic fluid that overcomes the above-mentioned problems of the prior art, has stable braking performance, is strong, and maintains its performance even during long-term use. .
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The inventors of the present invention overcome the drawbacks of the above prior art by using a magnetic fluid that is stronger in magnetism and oxidation resistance than the conventional one and has excellent dispersibility of the magnetic powder particles in the base liquid. did.
[0007]
That is, this invention consists of the following structures.
(1) Using a magnetic fluid as a working fluid and controlling the magnetic field applied to the magnetic fluid to change the state of the magnetic fluid, thereby controlling the object in contact with the magnetic fluid and the operation generated in the object In the member,
Magnetic fluid, metallic iron particles having an average particle diameter of 5~20nm coated with silica film having a thickness of 0.01~2nm is stably dispersed in a solvent, the dispersion state is maintained, the silica film braking members that the weight ratio of Fe in the SiO ₂ and metallic iron particles _(SiO 2 / Fe) to being a 0.1-10%.
[0008]
(2) The braking member according to (1), wherein the saturation magnetization of the metallic iron particles coated with the silica film is 70 to 200 emu / g .
[0009]
(3) is coated metallic iron particles in the silica film, the silica film is formed on the surface of the iron oxide particles, characterized in that one obtained by reducing iron oxide particles to form a silica film The braking member according to (1).
( 4 ) The braking member according to ( 3 ), wherein the iron oxide particles have a particle size of 4 to 20 nm.
( 5 ) The braking member according to ( 3 ), wherein the reduction of the iron oxide particles on which the silica film is formed is performed by baking at 300 to 800 ° C. in a hydrogen gas atmosphere.
[0010]
As described above, the braking member using the magnetic fluid of the present invention uses an oxide-coated metal, particularly silica-coated metal iron powder, etc., as the magnetic ultrafine particles, thereby using a magnetic fluid that is stronger in magnetism than before, and is resistant to acid. It has a strong controllability, has a small decrease in magnetism, has durability, operates under harsh conditions, and provides a strong braking force.
Therefore, unlike conventional magnetic fluids, practical application is not limited to vacuum or inert gas.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the magnetic fluid used for the braking member of the present invention will be described in detail.
In the present invention, the metal component used as the base of the magnetic metal particles coated with the antioxidant film used in the magnetic fluid includes iron, cobalt, nickel, chromium, titanium, manganese, aluminum, copper, samarium, neodymium, etc. And metal alloys such as iron-nickel, iron-cobalt, iron-copper, and iron-cobalt-aluminum alloys.
[0012]
Further, in the magnetic fluid of the present invention, the antioxidant film prevents the metal component which is the base of the magnetic metal particles from being oxidized for a long time or semipermanently. The substance of the anti-oxidation film is not particularly limited as long as it prevents the metal component of the magnetic metal particles from being oxidized for a long time or semi-permanently. From this point, a metal oxide is preferable.
Examples of the metal oxide applied to the antioxidant film include silicon, titanium, aluminum, zirconium, tin, iron, manganese, nickel, chromium, zinc, cadmium, lead, lithium, indium, neodymium, bismuth, cerium, antimony, Examples thereof include oxides of metals such as calcium, magnesium and barium.
[0013]
The magnetic powder used in the magnetic fluid of the present invention, that is, a method for producing magnetic metal particles coated with an anti-oxidation film includes 1) an anti-oxidation film such as a metal oxide on the surface of a base particle made of a ferromagnetic metal. 2) There is a method in which an oxide film is formed on the surface of an oxide particle that is a raw material of magnetic metal particles, and the raw material oxide particle on which the oxide film is formed is reduced.
In the method 1), substrate particles made of a ferromagnetic metal are formed by a plasma method, a film formation method in a gas phase (CVD method, PVD method), etc., and the metal substrate particles are present stably in a solvent. For example, an oxide film is formed on this by a sol-gel method or the like and heat-treated in a vacuum or in an inert gas atmosphere to form a strong antioxidant film.
[0014]
The method 2) will be described in detail below.
The oxide particles used as the raw material for the magnetic metal particles (hereinafter referred to as “magnetic metal particle raw material oxide particles”) are those in which the oxide is converted into a simple substance or alloy of a ferromagnetic metal by reduction.
Specific examples of the magnetic metal particle raw material oxide particles include magnetite, Co ferrite, ferrite particles represented by Ni ferrite, and composite metal ferrite particles.
These magnetic metal particle raw material oxide particles can be prepared by a known coprecipitation method, metal ion reduction method, CVD method or the like. In particular, in the case of ferrite particles, fine particles having a uniform particle diameter of about several nanometers to several tens of nanometers can be obtained by preparing them by a coprecipitation method.
The range of the average particle diameter of the magnetic metal particle raw material oxide particles is 4 to 30 nm, preferably 5 to 20 nm, more preferably 5 to 15 nm, and 5 to 10 nm is optimal. If it is less than 4 nm, the magnetism becomes weak, and if it exceeds 30 nm, sedimentation occurs in the magnetic fluid, both of which are unsuitable.
[0015]
In the present invention, a method is also used in which the magnetic metal particle raw material is converted into oxide particles or hydroxide particles in a solvent by a sol-gel method, a gel-sol method, a coprecipitation method, or the like.
For example, in the case of forming by coprecipitation method, a method of neutralizing and hydrolyzing by adding an alkaline solution to the aqueous salt solution of the magnetic metal particle raw material, and a water bath if the reaction requires energy, Magnetic metal particle raw material oxide particles are formed by heating in an oil bath, an autoclave, or the like.
The magnetic metal salt is preferably a salt such as chloride, sulfate, nitrate, oxalate, acetate, carbonate, inorganic salt, or organic acid salt.
[0016]
In the case of forming an oxide film on the surface of the magnetic metal particle raw material oxide particles of 2), a) a method of forming an oxide film using a metal alkoxide in an organic solvent; b) a metal salt in water There are methods such as neutralization and hydrolysis.
[0017]
As a method for forming a metal oxide film by hydrolysis of the metal alkoxide, the magnetic metal particle raw material is contained in a metal alkoxide solution (often an organic solvent or a mixed solvent of an organic solvent and water). In this method, oxide particles are dispersed, and water or a weak alkaline aqueous solution is added to the dispersed solution to hydrolyze the metal alkoxide, thereby forming an oxide film of the metal on the surface of the particles.
A method for producing a multilayer metal oxide film powder by this method is described in JP-A-6-228604 and JP-A-7-90310.
[0018]
This method for producing metal oxides by hydrolysis is called a sol-gel method, in which an oxide with a fine and uniform composition is formed. This method is applied to magnetic metal particle raw material oxide particles. By doing so, a dense film having a uniform thickness can be obtained on the magnetic metal particle raw material oxide particles.
As the metal alkoxide, a metal alkoxide corresponding to a required metal oxide such as silicon, titanium, aluminum, zirconium, tin, iron, manganese is selected.
[0019]
The metal alkoxide is generally used as a solution in an organic solvent when it is decomposed with water. As the organic solvent, alcohol such as ethanol, methanol, or ketones is used. It is preferable to use a dehydrated organic solvent. The concentration of the metal alkoxide solution varies depending on the type of dissolved metal alkoxide and the type of organic solvent, but optimum conditions are set. The thickness of the metal hydroxide film on the magnetic metal particle raw material oxide particles is determined by the concentration of the metal alkoxide solution and the amount of the metal alkoxide solution used with respect to the magnetic metal particle raw material oxide particles.
[0020]
As a method of neutralizing and hydrolyzing metal salts in the water of (b) above, metal salts used in the treatment of precipitation by reaction of metal salt aqueous solutions, which are the most common among metal salt reactions, In particular, the acid salt is a problem. In the reaction of the metal salt, neutralization or thermal decomposition is typically used, but other reactions may be used. In the present invention, the metal used as the metal salt is iron, nickel, chromium, titanium, zinc, aluminum, cadmium, zirconium, silicon, tin, lead, manganese, lithium, indium, neodymium, bismuth, cerium, antimony, etc. In addition, calcium, magnesium, barium and the like can be mentioned.
[0021]
Examples of these metal salts include sulfuric acid, nitric acid, hydrochloric acid, oxalic acid, carbonic acid and carboxylic acid salts. Furthermore, chelate complexes of the above metals are also included. The type of metal salt used in the present invention is selected according to the properties to be imparted to the surface of the powder and the means applied during production.
[0022]
By performing the treatment as described above, magnetic metal particle raw material oxide particles in which an oxide film is formed on the surface of the magnetic metal particle raw material oxide particles are obtained.
Then, the solution containing the oxide film-coated magnetic metal particle raw material oxide particles obtained as described above is allowed to stand to separate into a liquid phase and a solid phase, and only the ultrafine particles floating in the liquid phase are separated. Collect. Here, it is also possible to collect only ultrafine particles using a centrifuge. These ultrafine particles have an average particle size of about 10 nm to several tens of nm, preferably about 10 nm. When a magnetic fluid described later is used, excellent dispersibility can be obtained without settling in the fluid.
[0023]
Magnetic metal particle raw material oxide particles coated with the oxide film can be reduced, the base metallized to strengthen the magnetism, and magnetic metal particles having the oxide film as a complete antioxidant film can be obtained.
The reduction is carried out in a furnace maintained in a hydrogen gas atmosphere at a temperature range of 300 to 800 ° C., preferably 400 to 700 ° C. Below 300 ° C., the antioxidant film may not be complete, and at temperatures above 800 ° C., the particles may sinter, both being unsuitable.
The firing time in this furnace is 1 to 10 hours, preferably 3 to 8 hours.
[0024]
In the present invention, the magnetic metal particle raw material oxide particles are reduced to metal by the reduction / firing treatment, and at the same time, the solidification of the oxide film and the melting of the surface of the magnetic metal particles proceed at the same time, It seems that bonding occurs at the interface between the oxide film and the magnetic metal particles, and as a result, the oxide film becomes a complete antioxidant film.
Further, during the reduction / firing treatment, the antioxidant film also functions as a sintering prevention film during the reduction treatment.
Furthermore, a rotary tube furnace can also be used in order to efficiently prevent particle sintering and make the oxide-coated magnetic particles magnetic fluid.
[0025]
The above-mentioned reduction / firing treatment conditions are known per se, but are mainly acicular magnetic powders such as magnetite, maghemite, and metallic iron with excellent magnetic properties that can be suitably used mainly for magnetic recording media. Although it has been used as a treatment for obtaining (major axis: 0.1 to 0.3 μm) (for example, Japanese Patent Laid-Open Nos. 59-213626 and 58-161709), in the present invention, Ultrafine particles having an average particle size of 5 to 20 nm are intended to obtain magnetic metal particles of magnetic fluid particles, reduce oxide particles from the raw material, metallize the substrate, and obtain magnetic metal particles coated with an anti-oxidation film having enhanced magnetism. And obtained excellent results.
[0026]
The antioxidant film may be a plurality of films as necessary, such as prevention of magnetization reduction due to thermal reactivity with magnetic metal particles.
The range of the average particle diameter of the magnetic metal particles coated with the antioxidant film is 5 to 20 nm, preferably 6 to 15 nm, more preferably 7 to 12 nm, and 8 to 10 nm is optimal. If it is less than 5 nm, the magnetism becomes weak, and if it exceeds 20 nm, sedimentation occurs in the magnetic fluid, both of which are unsuitable.
The numerical range of the saturation magnetization of the magnetic metal particles coated with the antioxidant film is 70 to 200 emu / g, preferably 100 to 200 emu / g.
[0027]
The numerical range of the film thickness of the antioxidant film is 0.01 to 2 nm, preferably 0.01 to 1 nm. More preferably, it is 0.01-0.5 nm. If it is less than 0.01 nm, sintering is likely to occur during firing, and if it exceeds 2 nm, the magnetism becomes weak and both are unsuitable.
When a silica film is used as the antioxidant film and iron is used as the metal component of the magnetic metal particles, the weight ratio of SiO ₂ to Fe (SiO ₂ / Fe) is 0.1 to 20 wt%, preferably 0. 1 to 10 wt%, more preferably 0.5 to 7 wt%.
When different components are applied as the metal component of the antioxidant film or the magnetic metal particles, a preferable weight ratio may be set as appropriate.
[0028]
In the present invention, the formation of a magnetic fluid in which the above-mentioned antioxidant film-coated magnetic metal particles are stably dispersed in a solvent can be achieved by appropriately selecting a solvent and a dispersant.
Water as a solvent as a medium or a solvent having a large polarity may be a substance having a relatively high boiling point for use as a damper or an actuator. Lower alcohols such as ethanol and propanol, ethylene glycol, propylene glycol, 1, Polar solvents such as higher alcohols ranging from 4 butadiol to 1,10 decanol are used.
[0029]
After coating unsaturated fatty acids such as oleic acid, linolenic acid and linoleic acid in water and these polar solvents and treating the surface of the particles to be solvophilic, an anionic interface such as dodecylbenzenesulfonic acid and dodecylsulfuric acid Add a surfactant such as an activator or a nonionic surfactant such as polyoxyethylene alkyl ether, and then add a cationic surfactant such as tetramethylammonium to obtain a magnetic fluid. be able to.
A polymer dispersant such as hydroxyalkyl cellulose can also be used.
On the other hand, non-polar kerosene, α-olefin, hydrocarbons such as alkylnaphthalene, ethers such as polyphenyl ether, silicone oils such as dimethylsiloxane, unsaturated fatty acids such as oleic acid, mercapto-modified siloxane and carboxy-modified Silicon dispersants such as reactive siloxanes such as siloxane can be used.
[0030]
As the surfactant used for the surface treatment, one or more of the following types can be used. Alkali salts of unsaturated fatty acids such as oleic acid, linoleic acid and linolenic acid, alkyl ether acetic acid Anionic surfactants such as carboxylic acids and salts thereof, sulfonic acids and salts thereof, sulfuric acid and sulfite salts, phosphoric acid esters and salts thereof, boron-based, polymerized polymers, polycondensed polymers, fats, etc. Aromatic amines and ammonium salts thereof, aromatic amines and ammonium salts thereof, heterocyclic amines and ammonium salts thereof, polyalkylene polyamine type, cationic surfactants such as polymer type, ether type, ester ether type, Ester type, polysaccharides such as dextrin, celluloses such as hydroxyalkyl cellulose, etc. Molecular system, modified silicone oil such as carboxy-modified and amino-modified, nonionic surfactant such as nitrogen-containing type, amphoteric surfactant such as betaine type or amino organic acid type, silane coupling agent and titanium A reactive surfactant such as a coupling agent can be used. The amount added is appropriately determined.
[0031]
Further, when an oil-based magnetic fluid is used as a braking member, it can be used as a waterproof braking member. Conversely, when a hydrophilic solvent magnetic fluid is used, it can be used as an oil-proof braking member.
In addition, the magnetic fluid of the present invention uses an oxide-coated metal, particularly silica-coated metal iron powder, etc., as magnetic ultrafine particles, and has no overheating, which has been a problem with conventional magnetite magnetic fluids, and has heat dissipation properties. Evaporation of the solvent can be prevented, dust-proofing property, strong oxidation resistance, little decrease in magnetism and durability.
[0032]
The present invention provides a braking member capable of obtaining a strong braking force by using a magnetic fluid having strong magnetism as described above.
For example, in the apparatus shown in FIG. 1, a magnetic fluid 5 and an inner cylinder 3 having a smaller circumference with a shaft at one end are placed in the outer cylinder 2, and the inner cylinder 3 rotates or moves vertically in the outer cylinder 2. Be able to exercise.
In this case, the inner cylinder 3 can be moved with a smaller force in the absence of a magnetic field.
On the other hand, when a magnetic field is applied perpendicularly or parallel to the outer cylinder 2, the magnetic fluid 5 requires a large force because ultrafine particles form clusters and increase the viscosity.
When applying the magnetic field, the motion speed of the inner cylinder 3 can be changed by changing the magnitude and direction of the applied magnetic field. When the magnitude of the magnetic field applied at that time is gradually changed, the movement of the inner cylinder 3 gradually changes. Conversely, when the magnetic field is applied rapidly, the inner cylinder 3 stops rapidly.
[0033]
An application example of the above characteristics is a damper. When a force is rapidly applied to one end of the inner cylinder 3, the force can be absorbed at an appropriate speed by gradually applying a magnetic field to the end.
In order to generate and control a desired repulsive force against such a moving object, the magnetic ultrafine particles in the working fluid need to be uniformly dispersed. Otherwise, the desired operating force cannot be obtained.
As for magnetism, in order to counter large force, a stronger magnetic field is required so that a greater force is generated when a magnetic field is applied.
[0034]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples, but of course, the scope of the present invention is not limited to only these examples.
[Example 1]
A magnetic fluid was prepared by the following process.
(Magnetic metal particle raw material oxide particles)
Prepare 150 ml of a solution in which 0.125 mol / liter of ferrous chloride reagent and 0.25 mol / liter of ferric chloride reagent are dissolved, and add 1 mol / liter of NaOH solution to this until pH is 12. After precipitating the iron content, the gradient washing was repeated using distilled water to obtain 20 g of magnetite ultrafine particles. The average particle size of the obtained magnetite was 7.5 nm.
[0035]
(Coating with oxide film)
To 1 liter of an aqueous solution containing 20 g of the obtained magnetite, 6.8 g of water glass having a concentration of 37.7% of Na ₂ O.3SiO ₃ was added and dispersed with sufficient stirring, and then adjusted to pH 8 with 1N hydrochloric acid. The mixture was placed in a water bath maintained at 70 ° C. and reacted for 2 hours.
After completion of the reaction, the solid content was filtered and washed with 5 liters of distilled water to remove the electrolyte.
[0036]
(Manufacture of oxide-coated metal ultrafine particles)
After drying the solid content, it is placed in an alumina boat, placed in a rotary tube furnace, and nitrogen gas is 500 ml / min. For 10 minutes. And nitrogen gas replacement at 500 ml / min. The temperature was raised to 650 ° C. over 3 hours while flowing at a temperature of 5 minutes and maintained for 5 hours, and then nitrogen gas was 500 ml / min. And let it cool.
The obtained silica-coated metal iron ultrafine particles had a coating amount of SiO _{2 on} iron of 3.5 wt%. The average particle diameter of the obtained silica-coated metallic iron ultrafine particles was 9.5 nm.
The magnetization at a magnetic field of 10 kOe was 125.5 emu / g.
Furthermore, no oxidation was observed up to 150 ° C. in the atmosphere.
[0037]
(Magnetic fluid)
10 g of the obtained silica-coated metal iron ultrafine particles were placed in 100 ml of a 10% aqueous oleic acid solution and stirred for 1 hour to adsorb oleic acid. Thereafter, in order to remove excess oleic acid, the precipitate was filtered and then washed 8 times with 1 liter of water. After filtration, the powder was dried at 60 ° C. for 8 hours.
To the dried powder, 2.9 g of ethylene glycol containing 3.2 g of dodecylbenzene sulfonic acid and 0.5 g of tetramethylammonium was added, and 1100 rpm. After stirring for 2 hours, a magnetic fluid having a silica-coated metallic iron ultrafine particle concentration of 70% was obtained.
The obtained magnetic fluid had a viscosity of 220 cP and a density of 1.8 kg / m ³ and was very well dispersed. Further, the magnetization at a magnetic field of 10 kOe was 72.6 emu / g, and it was allowed to stand for 20 weeks, but there was no change in magnetism.
[0038]
Using the obtained magnetic fluid, an experiment using the measuring device was performed, and the viscosity characteristics of the magnetic fluid were measured.
In FIG. 1, the measuring apparatus 1 is comprised from the concentric double cylinder which consists of the outer cylinder 2 and the inner cylinder 3, and the magnet 4 which has a pair of magnetic pole 4a, 4b which opposes on both sides of this concentric double cylinder. Accordingly, the magnetic field is generated in the same direction in the magnetic poles 4a and 4b, while it is generated orthogonally in the vertical direction of the magnetic poles 4a and 4b.
The diameter of the outer cylinder 2 is 30 mm, the diameter of the inner cylinder 3 is 27 mm, and the rotational speed is 0 to 360 r. p. m. It was.
[0039]
The magnetorheological fluid 5 is filled between the outer cylinder 2 and the inner cylinder 3 of the measuring device 1, and the inner cylinder 3 is further rotated, and the shear stress and the shear rate when a magnetic field is applied simultaneously with the rotation are calculated. Sought a relationship.
The measurement was performed by applying a magnetic field having a constant strength (however, 185 kA / m at the outer cylinder surface and 110 kA / m at the center of the inner cylinder). In addition, measurement was performed when no magnetic field was applied. The measurement results are shown in FIG.
[0040]
[Comparative Example 1]
In place of the magnetic fluid of Example 1 above, the shear stress and the stress were determined in the same manner as in Example 1 except that a magnetic fluid having a magnetite concentration of 70% prepared by the method disclosed in JP-A-54-40069 was used. The relationship with the shear rate was determined. The measurement results are shown in FIG.
[0041]
As shown in the figure, the shear stress is increased by the action of the magnetic field. For example, when the magnetic field is applied (circles in the figure), the shear stress is larger than when no magnetic field is applied (circles in the figure). It can be seen that a cohesive effect due to the action of the magnetic field appears.
In addition, the magnetic fluid of the comparative example shows no significant increase in shear stress.
As is clear from the above results, the magnetic fluid of the example according to the present invention has a responsiveness in which the time from the formation of the cluster to the collapse is accelerated by the action of the magnetic field as compared with the magnetic fluid of the comparative example. It can be seen that it has improved. Moreover, long-term durability was recognized, and satisfactory results were obtained.
[0042]
【The invention's effect】
As described above, the braking member using the magnetic fluid according to the present invention uses a high-performance fluid that operates strongly and accurately by the action of an external magnetic field, and has excellent oxidation resistance and dispersion stability. By doing so, it has a magnetism higher than that of the conventional magnetite ferrofluid, so that it responds more strongly to the external magnetic field than the conventional ferrofluid and is oriented in the direction of the magnetic field lines to form clusters.
Therefore, by applying a magnetic field so that the lines of magnetic force are in the same direction, the cohesive force of the clusters is enhanced and a greater shear stress can be obtained. In addition, since it responds to the magnetic field action, the degree of freedom regarding control increases, and finer viscosity control can be performed. This is particularly beneficial when the magnetic fluid according to the present invention is used as a working fluid such as a damper or an actuator, and can be made compact, and can also be used in fields where conventional magnetic fluids cannot be applied.
[0043]
Furthermore, since the particles dispersed in the magnetic fluid are ultrafine particles having an average particle size of about 4 to 20 nm and having an anti-oxidation film formed on the surface thereof, the dispersibility is greatly improved and excellent magnetic aggregation is achieved. The effect is obtained and the stability over time is excellent, which is advantageous in terms of cost.
Thus, the braking member using the magnetic fluid according to the present invention has extremely high practicality.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic perspective view showing a viscosity measuring apparatus used in Examples.
FIG. 2 is a graph showing the relationship between shear stress and shear rate in Example 1 and Comparative Example 1.
[Explanation of symbols]
1 Viscosity measuring device 2 Outer cylinder 3 Inner cylinder 4 Magnet 5 Magnetorheological fluid

Claims

In a braking member that uses a magnetic fluid as a working fluid and controls a magnetic field applied to the magnetic fluid to change a state of the magnetic fluid, thereby controlling an object that contacts the magnetic fluid and an operation generated in the object.
Magnetic fluid, metallic iron particles having an average particle diameter of 5~20nm coated with silica film having a thickness of 0.01~2nm is stably dispersed in a solvent, the dispersion state is maintained, the silica film braking members that the weight ratio of Fe in the SiO ₂ and metallic iron particles _(SiO 2 / Fe) is characterized in that it is a 0.1-10%.

The braking member according to claim 1, wherein the saturation magnetization of the metallic iron particles coated with the silica film is 70 to 200 emu / g.

Metallic iron particles coated with silica film, the silica film is formed on the surface of the iron oxide particles, according to claim 1, characterized in that is obtained by reducing iron oxide particles to form a silica film The braking member as described.

The braking member according to claim 3, wherein the iron oxide particles have a particle diameter of 4 to 20 nm.

The braking member according to claim 3 , wherein the reduction of the iron oxide particles on which the silica film is formed is performed by firing at 300 to 800 ° C in a hydrogen gas atmosphere.