JP3706588B2 - 薬剤供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は病院や調剤薬局などにおいて、タブレットケースに収納された薬剤を処方箋により指定された数量だけ容器(瓶や袋など)に供給する薬剤供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より病院や調剤薬局においては、例えば実公昭57−5282号公報(B65B1/30)に示される如き薬剤供給装置(公報では錠剤包装機と称している)を用いて、医師により処方された薬剤を患者に提供している。係る方式では処方箋に記載された数量の薬剤(錠剤、カプセル剤など)をタブレットケース内の排出ドラム(前記公報では整列盤と称している)から一個ずつ排出し、シュートを経てホッパーにより集め、その後、包装紙にて包装し、或いは、瓶詰めするものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、このような薬剤供給装置においては薬剤の充填作業を迅速化するために、シュートからホッパーに落下する薬剤を一時受け止めるためのシャッターが取り付けられるが、このシャッターに落下した薬剤は壁面に衝突して跳ね返るため、シャッターが開放しても、閉じるまでにホッパーに落下しない薬剤が生じる問題があった。
【0004】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、薬剤を一時受け止めるためのシャッターからホッパーに確実且つ迅速に薬剤を落下させることができる薬剤供給装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の薬剤供給装置は、薬剤を収納するタブレットケースと、このタブレットケースから排出された薬剤が落下するシュートと、このシュート下方に対応して設けられたホッパーと、このホッパーにて受け止められた薬剤を、袋や瓶などの容器に充填する充填装置とを備えたものであって、シュートからホッパーに落下する薬剤を一時受け止めるための開閉自在のシャッターと、このシャッター内に吊下されてシュートから落下する薬剤の運動エネルギーを吸収可能な緩衝部材とを備え、シャッターは、上方に向かって傾斜しながら離間する一対の傾斜壁と、これら傾斜壁の下端間の開口を開閉自在に閉塞する開閉板を有し、緩衝部材は、傾斜壁間の中央において各傾斜壁に対向して吊下され、その下端は前 記開口より下方に延在すると共に、この緩衝部材の下端は、開閉板が閉じた状態で当該開閉板に挟まれることを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、薬剤を収納するタブレットケースと、このタブレットケースから排出された薬剤が落下するシュートと、このシュート下方に対応して設けられたホッパーと、このホッパーにて受け止められた薬剤を、袋や瓶などの容器に充填する充填装置とを備えた薬剤供給装置において、シュートからホッパーに落下する薬剤を一時受け止めるための開閉自在のシャッターを備え、このシャッター内には、シュートから落下する薬剤の運動エネルギーを吸収可能な緩衝部材を吊下したので、シュートから落下して跳ね返る薬剤の運動エネルギーを緩衝部材にて吸収することが可能となる。
【0007】
これにより、シャッターに落下した薬剤を迅速に静止させることができるようになり、ホッパーへの薬剤の落下を迅速且つ確実に行うことが可能となるものである。
【0008】
また、シャッターは、上方に向かって傾斜しながら離間する一対の傾斜壁と、これら傾斜壁の下端間の開口を開閉自在に閉塞する開閉板を備え、緩衝部材は傾斜壁間の中央において各傾斜壁に対向して吊下され、その下端は前記開口より下方に延在するので、傾斜壁に衝突して跳ね返る薬剤が緩衝部材に衝突し易くなり、運動エネルギーの吸収作用を向上させることができるようになるものである。
【0009】
更に、緩衝部材の下端は、開閉板が閉じた状態で当該開閉板に挟まれるので、緩衝部材によって開閉板が閉じるときの騒音も吸収し、静音化を図ることができるようになるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の実施例の薬剤供給装置1の斜視図(天板1Aを除く)、図2は各棚2・・の扉パネル6を取り外し、下パネル4を開放した状態の薬剤供給装置1の正面図、図3は薬剤供給装置1の縦断側面図、図4は薬剤供給装置1のもう一つの正面図、図5は薬剤供給装置1の側面図、図6は薬剤供給装置1の平面図、図7は棚2の斜視図、図8はタブレットケース3・・の収納容器51を取り外した状態の棚2の斜視図、図9はタブレットケース3の収納容器51の斜視図、図10はタブレットケース3の駆動ベース52の分解斜視図、図11は棚2と識別センサ33の斜視図、図12はタブレットケース3と識別センサ33の斜視図である。
【0011】
本発明の薬剤供給装置1は、病院や調剤薬局などに設置されるものであり、横長矩形状の本体7と後述する制御用のパソコンPCから構成される。本体7は、相互に分離可能な上部構造体7Aと下部構造体7Bとから構成されており、下部構造体7B上に上部構造体7Aが積層されて連結された構造とされている。そして、この上部構造体7A内には後述するタブレットケース3を収納するために前方並びに上下が開放したケース収納部8が構成され、このケース収納部8の天面は着脱可能な天板1Aにて閉塞されている。
【0012】
また、下部構造体7Bは前面及び上面が開放しており、上面において上部構造体7Aと連通する。そして、この下部構造体7B内には後述する充填装置として包装機13等が収納設置されると共に、前面の開口は観音開き式の下パネル4、4によって開閉自在に閉塞されている。
【0013】
前記上部構造体7Aのケース収納部8内には、左右4列、上下5段(合わせて20個)の棚2・・・が架設されている。各棚2の前端には扉パネル6がそれぞれ取り付けられており、全ての棚2・・・がケース収納部8内に収納された状態で各扉パネル6・・・が上部構造体7A(ケース収納部8)の前面開口を閉塞する。棚2の中央には上下に開放した通路9が前後に渡って形成されており、この通路9の左右両側にタブレットケース3の駆動ベース52が8個ずつ(合計16個)前後方向に並設して取り付けられている(図7、図8)。尚、タブレットケース3はこの駆動ベース52とその上に連結される収納容器51とから構成される。
【0014】
駆動ベース52内には上からブラシ付き直流モータから成るドラム駆動用モータとしてのドラムモータ14が収納され、このドラムモータ14はカバー16及び止め金具17にて駆動ベース52に固定される。この状態でドラムモータ14の駆動軸14Aはカバー16より上方に突出する(図10)。また、駆動ベース52に形成された排出口21には光学式の剤検出センサ18が取り付けられ、この剤検出センサ18の下方に位置する駆動ベース52には、排出口21から斜め下方に延在する排出シュート19が形成されている(図10)。そして、この排出シュート19は前記通路9内に連通開口している。
【0015】
一方、タブレットケース3の収納容器51は上面に開口しており、この開口は開閉自在の蓋22にて閉塞されている(図9)。また、収納容器51内底部には排出ドラム23が取り付けられており、この排出ドラム23の側面周囲には複数の縦溝24が所定の間隔で形成されている。この収納容器51内に上面開口から薬剤が充填され(蓋22を開放する)、排出ドラム23の縦溝24内に2個ずつ入り込むかたちとなる。また、収納容器51の下部側面には光学的に識別可能な識別コード(バーコードなど)26が貼付されている。この識別コード26は収納容器51内に充填された薬剤の種類を識別するためのコードである。
【0016】
係る収納容器51は前述した駆動ベース52上に載置され、着脱可能に連結される。この場合、識別コード26が棚2の外側(通路9とは反対側)に向くように取り付けられる。これによって、タブレットケース3が構成されることになる。このとき、排出ドラム23はドラムモータ14の駆動軸14Aに着脱自在に係合する。そして、ドラムモータ14が正転駆動されると、排出ドラム23が正転され、その縦溝24が順次駆動ベース52の排出口21上に合致して内部の薬剤が一つずつ排出シュート19に落下する仕組みとされている。
【0017】
この排出口21を通過する薬剤は剤検出センサ18によって検出される。また、排出シュート19内に落下した薬剤は棚2の通路9内に排出されることになる。また、収納容器51内の薬剤が空となった場合には駆動ベース52から収納容器51を取り外して補充するものである。
【0018】
このように複数のタブレットケース3・・・が取り付けられた棚2は、上部構造体7Aのケース収納部8内に取り付けられた左右一対の引出レール27、27に着脱可能にネジ止めされる。これにより、棚2及びそれに取り付けられた複数のタブレットケース3・・・は、ケース収納部8内に引き出し自在に収納され、且つ、引き出した状態で引出レール27から着脱可能とされる(図5)。
【0019】
この棚2の後端には、タブレットケース3・・のドラムモータ14に通電(電源供給)を行い、剤検出センサ18からの出力を伝達するため等のハーネス28がコネクタ29を介して着脱可能に取り付けられる。このハーネス28は棚2の引き出し距離よりも長い寸法を有している。また、上部構造体7Aに取り付けられ、折り畳みにより伸縮可能な配線保持部材31によって保持されている(図8)。
【0020】
また、各棚2・・・がケース収納部8内に収納された状態で、上下に位置する各棚2・・・の通路9は相互に対応し、それによって上下に連通した一連のシュート32を構成する。従って、実施例では上下に渡る左右4列のシュート32・・・がケース収納部8内に構成されることになる。このように上下複数段の独立して引き出し自在の棚2・・・をケース収納部8内に設けているので、タブレットケース3の収納容器51を交換する際などには、各棚2を引き出して行うことができるようになる。
【0021】
これにより、上下方向一列の各棚2・・を同時に引き出す構造に比較して、収納容器51の交換のために上下の棚2、2間に構成すべき間隔を縮小することができ、これによって、ケース収納部8内に収納できるタブレットケース3の数を増やすことができるようになる。また、棚2の中央に通路9を構成し、上下の各棚2・・・をケース収納部8内に収納した状態で上下に渡るシュート32が構成されるようにしているので、棚2の側部にシュートを構成する場合に比べて、左右端に位置するシュート32、32の間隔が縮小できる。これにより、後述するシャッター53、53やホッパー54の上面開口面積を縮小して小型化することが可能となる。
【0022】
尚、上部構造体7Aのケース収納部8の左右側面には、左右端に位置する前記各棚2・・・の各タブレットケース3・・・に対応する位置に、複数の光学式識別センサ33・・・が取り付けられている(図11、図12)。各識別センサ33は前記各棚2のケース収納部8左右側面に対応する側のタブレットケース3・・の識別コード26にそれぞれ対応して配置されており、この識別コード26の情報を非接触式に読み取るために用いられる。
【0023】
ここで、上部構造体7Aのケース収納部8内後部には、左右の各列の棚2・・・の後方にそれぞれ対応して、規制手段としてのステー34・・・が上下に渡って4本設けられている(図13〜図15)。各ステー34・・・は上下端の軸36を中心として回動自在に取り付けられている。また、ステー34は図16〜図21に示す如く断面L字状を呈し、上下5カ所の係合孔37・・・・が形成された規制辺34Aと、その端部から垂直に延在する解除辺34Bとを有している。このステー34にはコイルバネ38が係合されており、このコイルバネ38の復元力により、図16の如く各辺34A、34Bが後ろ向きとされた解除状態と、規制辺34Aが前方に向いた規制状態とに安定的に保持されるように構成されている。
【0024】
他方、各棚2・・・の後面には後方に延在する作用部材39が後方に突出して取り付けられている。この作用部材39はステー34の各係合孔37・・・・の高さに対応して設けられており、後方に突出したL字状の作用辺39Aと手前に位置するこれもL字状の係合辺39Bとを有している。
【0025】
そして、上下方向一列の棚2・・・・の全てがケース収納部8内に収納されている場合、ステー34は図16の如き解除状態とされている。この状態はコイルバネ38により安定的に保持される。このとき、作用部材39の作用辺39Aはステー34の規制辺34Aの後側に位置している。この状態で何れかの棚2を手前に引き出していくと、作用辺39Aが規制辺34Aを押圧してステー34を図16中時計回りに回動させていく(図17)。そして、作用部材39がステー34より前方に移動すると、ステー34の規制辺34Aが前方に向き、解除辺34Bが右側方に向いた規制状態となる。
【0026】
この規制状態では、ステー34の規制辺34Aの係合孔37・・・に上下方向の他の棚2・・・の作用部材39の係合辺39Bが進入して係合するので(図18)、他の棚2・・・は引き出せなくなる。次に、引き出していた棚2を押し込んでいくと、やがて作用部材39の作用辺39Aがステー34の解除辺34Bに当接し(図19)、それを後方に押圧してステー34を図19中反時計回りに回動させていく(図20)。これによって、他の棚2の係合辺39Bから規制辺34Aが離間するので、係合孔37・・・と係合辺39Bとの係合は解除される。これによって、他の棚2・・・の引き出しは可能となる。そして、当該棚2をケース収納部8内に収納し終わると、ステー34は当初の解除状態に復帰し、コイルバネ38により安定的に保持されることになる(図21)。
【0027】
このような構成により、上下方向一列の棚2・・・・は何れか一つのみが引き出し可能であり、複数の棚2・・・を同時に引き出すことはできなくなる。これにより、上下一列における複数の棚2・・・が同時に引き出され、その荷重で本体7が前側に転倒してしまう不都合が防止される。
【0028】
また、各ステー34・・・には前述の解除状態において前方に突出するロック部材41が取り付けられている。そして、各ステー34・・・のロック部材41の前側に対応して、上部構造体7Aにはロック手段としてのキープソレノイド42がそれぞれ取り付けられ、それらのプランジャ42Aは後方に突出している。このキープソレノイド42は、プランジャ42Aを後方に突出させた状態では、前述の解除状態におけるロック部材41に当接し、その回動を禁止する(図22)。これにより、当該ステー34は回動できなくなり、従って、作用部材39も図16の状態から移動できなくなるので、当該ステー34に対応する上下1列の全ての棚2・・・・が引き出し不能となる。
【0029】
そして、プランジャ42Aが吸引された状態では、図23の如くステー34は回動可能となり、ロック解除となる。尚、43はステー34が解除状態であるときにロック部材41の先端41Aが進入する位置に設けられたロックセンサであり、その状態で当該ロック部材41を検出し、図23の如くステー34が回動して規制状態となり、ロック部材41の先端41Aがロックセンサ43から離間すると検出しなくなる。これにより、ステー34の状態を識別可能となる。
【0030】
また、44は手動式のロック解除手段としてのロック解除バーであり、各キープソレノイド42・・・に対応してそれぞれ設けられている。このロック解除バー44はL字状を呈しており、その後端はプランジャ42Aに係合する位置に取り付けられている。そして、常にはコイルバネ46により後方に引き込まれており、その状態ではプランジャ42Aから離間している(図22、図23)。そして、このロック解除バー44を手前に引くと、プランジャ42Aをキープソレノイド42側に引き込ませてキープソレノイド42をロック解除させる(図24)。これにより、上下一列の全ての棚2・・・・のロック解除を手動で可能としている。
【0031】
尚、実施例では上下一列単位で複数の棚2の同時引き出しを禁止し、また、ロックを行うようにしたが、それに限らず、左右一段単位で同時引き出しを禁止し、ロックを行うようにしてもよい。その場合には、上下五段の各段に対応して横方向のステーを取り付けることになる。
【0032】
一方、本体7の下部構造体7B内下部には、前述した如く包装機13(充填装置)が収納されている。この包装機13の構造については後に詳述するが、包装機13は図3に示す如く下部構造体7B内の底面左右に取り付けられた引出レール47、47に着脱可能にネジ止めされている。これにより、包装機13は、下パネル4、4を開放した状態で、下部構造体7B内から前方に引出自在とされ、更に、引き出した状態で当該引出レール47、47に着脱可能とされている。尚、48はこの包装機13と下部構造体7B間に着脱自在にコネクタ接続された包装機用のハーネスであり、当該包装機13の引出量を充分に許容できる長さを有している。
【0033】
この下部構造体7B内の上部には二つのシャッター53、53が左右に並設されている。各シャッター53、53はその上方の前記シュート32・・・の下方に対応しており、向かって右側のシャッター53は向かって右端及びその左側のシュート32、32に、向かって左側のシャッター53は向かって左端及びその右側のシュート32、32に対応している。そして、各シュート32・・・から後述するホッパー54に落下する薬剤を一時受け止める役割を果たすものである。
【0034】
そして、各シャッター53、53の下方に対応して前記ホッパー54が下部構造体7B内に設けられている。このホッパー54は、上面が広く開口し、下端に向けて窄まった矩形漏斗状を呈しており、前記各シュート32・・・から落下してシャッター53、53を通過した薬剤を受け止め、下端開口54Aから排出するものである。
【0035】
そして、このホッパー54の上端左右は下部構造体7B内の上部左右に取り付けられた引出レール56、56に着脱可能にネジ止めされると共に、各シャッター53、53も引出レール56、56の上側に位置して当該引出レール56、56に着脱可能にネジ止めされる。これによって、ホッパー54及びシャッター53、53は、下パネル4、4を開放した状態で、下部構造体7B内から前方に同時に引出自在とされ、更に、引き出した状態で当該引出レール56、56に着脱可能とされている(図5)。尚、図示しないがシャッター53用の着脱自在のハーネスも設けられており、このハーネスも当該シャッター53の引出量を充分に許容できる長さを有している。
【0036】
このような構造としたことにより、タブレットケース3の交換や各通路9・・により構成されるシュート32・・・、ホッパー54の清掃、包装機13の部品交換などのメンテナンスを行う場合には、それらを本体7の上部構造体7A或いは下部構造体7Bから引き出しておいて、着脱作業を行うことができるようになる。
【0037】
これにより、薬剤供給装置1のメンテナンス作業性を著しく改善し、円滑な薬剤充填を実現することが可能となる。特に、タブレットケース3は棚2ごと上部構造体7Aから複数同時に引き出し、且つ、その収納容器51を着脱可能に取り付けられているので、タブレットケース3の収納容器51の交換作業性が一段と向上する。
【0038】
更に、シャッター53、53も下部構造体7Bから引き出し、且つ、着脱可能に取り付けたので、ホッパー54に落下する薬剤を一時受け止めるためのシャッター53、53のメンテナンス作業性も改善することができるようになる。特に、シャッター53、53とホッパー54を、下部構造体7Bから同時に引き出し可能に取り付けたので、シャッター53及びホッパー54をメンテナンスする際の作業性を一段と向上させることができるようになる。
【0039】
また、下部構造体7B内の上部中央には、前記両シャッター53、53の間に位置して追加薬剤フィーダ(UTC)57が取り付けられている。この場合、追加薬剤フィーダー57は、下パネル4、4に覆われずに独自に前方に引き出し、且つ、着脱自在に取り付けられている(図1、図6)。この追加薬剤フィーダー57は、追加の薬剤を任意に供給するためのフィーダであり、このフィーダ57は前記ホッパー54内に連通している。
【0040】
次に、図25〜図27を用いて前記各シャッター53の構造について説明する。シャッター53は全体としては下部構造体7Bの奥行き方向に長い左右略対象形状を呈しており、下から上に向かって傾斜しながら離間する左右一対の傾斜壁61A、61Bを有し、上面が広く拡開した矩形漏斗状を呈する本体62と、この本体62の傾斜壁61A、61Bの下端間に窄まったかたちで形成された下端開口62Aを開閉する一対の開閉板63A、63B等から構成されている。
【0041】
各開閉板63A、63Bは後部に設けられたシャッターソレノイド64及びコイルバネ68と、リンク機構66によって動作され、図26の如く左右傾斜壁61A、61Bの下端から略連続して各開閉板63A及び63Bの下端が相互に当接し、本体62の下端開口62Aを閉じた閉鎖状態と、図27の如く開閉板63Aが図中時計回りに、開閉板63Bが図中反時計回りに回動してそれらの下端が相互に離間し、下端開口62Aを開いた開放状態とに駆動される。
【0042】
また、このシャッター53内には緩衝部材としてのカーテン67が取り付けられている。このカーテン67はシュート32から落下して左右傾斜壁61A、61Bに衝突し、跳ね返る薬剤の運動エネルギーを吸収可能な柔軟性を有する薄い布やゴム、合成樹脂などの素材にて構成されており、傾斜壁61A、61B間における本体62内の上部中央から各傾斜壁61A、61Bに対向するかたちで吊下されている。
【0043】
そして、カーテン67の下端は本体62の下端開口62Aより下方まで更に降下し、図26の如く各開閉板63A、63Bが閉じた状態でそれらに挟まる位置まで延在している。
【0044】
係る構造により、シャッター53内に落下して飛び跳ねる薬剤はカーテン67に運動エネルギーを吸収され、迅速に下端開口62Aから開閉板63A、63B上に集まり、静止するようになる。特に、カーテン67は各傾斜壁61A、61Bに対向し、シャッター53の上部から下端開口62A下方まで延在するので、飛び跳ねる薬剤がカーテン67に当たり易くなり、運動エネルギーの吸収作用は一層良好となって、薬剤が静止するまでの時間がより一層短縮される。また、カーテン67が各開閉板63A、63Bに挟まれるので、開閉板63A、63Bの下端が当接する際に生じる騒音も吸収されるようになる。
【0045】
次に、図28を用いて前記包装機13の構成について説明する。71は熱溶着可能な包装紙72(容器を構成する)を巻回したロールであり、73はプリンタ、74はホッパー54の下端開口54Aに取り付けられたノズル、76はシリコンゴムから成る熱シールヘッド、77はロール71から引き出された包装紙72を搬送するローラ、79は包装紙72を切断するカッター、81は分包化されて切断された包装紙72を下パネル4に設けられた取出口82まで搬送するコンベアであり、包装紙72の搬送経路に沿って順次設けられている。尚、83は熱シールヘッド74を動作させるためのモータであり、78はローラ77を駆動するモータ、84はコンベア81のモータである。
【0046】
ロール71に巻回された包装紙72は上面が開き、下端で折られた断面略V字状を呈しており、ローラ77等によってロール71から斜め向かって右斜め下方に引き出された後、プリンタ73により後述する如くその表面に印字が成される。次に、ノズル74から排出される薬剤が包装紙72内に投入され、熱シールヘッド76による熱溶着で、包装紙72は一包毎に区画される。区画されて分包化された包装紙72は次にカッター79で切断され、コンベア81で向かって左上方の取出口82に搬送されるものである。
【0047】
ここで、前記ノズル74は図29に示す如く上下が開口した矩形筒状を呈しており、その下端のプリンタ73側には包装紙72内に挿入される挿入案内辺86が突出形成され、それと対向する側には包装紙72の上面開口を閉じる作用を紙案内辺87が形成されている。また、ノズル74の上端開口は前記ホッパー54の下端開口54Aに対向している。これにより、ホッパー54にて受け止められた薬剤はノズル74に入り、挿入案内辺86に案内された包装紙72内に投入されることになる。
【0048】
更に、ノズル74は保持部材88の回動軸89により、包装紙72の進行方向(図28に矢印で示す)と直交する向き(前後方向)に揺動自在となるようにホッパー54に取り付けられている。これにより、ホッパー54及びノズル74の位置と、包装機13の包装紙72の位置とが厳密に一致していなくとも、ノズル74がその誤差分揺動して支障無く挿入案内辺86を包装紙72内に挿入し、薬剤を投入可能となる。従って、これら部材の取り付け時の作業性を改善することができるようになる。
【0049】
次に、前記プリンタ73について説明する。プリンタ73はインクリボンを用いた熱転写式のプリンタであり、図30に示す如くカラーインクリボン91に押圧板92にて包装紙72を押し付け、熱転写ヘッド93により包装紙72表面に所定の印字を行う。尚、94はプリンタ73の開閉蓋である。また、カラーインクリボン91及び包装紙72の進行方向は図中に矢印で示す。
【0050】
図31は包装紙72に対する上記プリンタヘッド93と熱シールヘッド76の位置関係を示しており、その間に印字された様子を示している。実施例の場合カラーインクリボン91は、図32に示すようにその幅方向に四種類の異なる色帯が構成されており、印字を行うための最も広い帯C1は例えば黒色、次に例えば青色の帯C2、次に例えば赤色の帯C3、最後に例えば黄色の帯C4が設けられている。
【0051】
そして、プリンタ73は係る構成により、例えば帯C1にて氏名、服用年月日、服用時間帯などを黒色で印字すると共に、更に、寝る前に服用する分包には黒色ラインL1、夕食後に服用する分包には青ラインL2、朝食後に服用する分包には黄色ラインL4を印刷して服用時間帯を色分け表示する。これにより、薬剤の服用時間帯を容易に判別できるようになり、誤飲の発生を効果的に解消できるようになる。尚、前記各ラインL1、L2、L4中には図33の如く文字にて各服用時間帯を印字するようにしてもよい。
【0052】
次に、図34は薬剤供給装置1の制御装置95の電気回路のブロック図を示している。制御装置95は制御手段を構成する汎用のマイクロコンピュータ97から成り、このマイクロコンピュータ97の出力にはドライバ回路94を介して前記各タブレットケース3・・・のドラムモータ14と、包装機13、プリンタ73、シャッターソレノイド64、64及び各キープソレノイド42・・・が接続されている。マイクロコンピュータ97はドライバ回路94を制御して、DC24V電源を各ドラムモータ14・・・に印加し、これらドラムモータ14・・・をそれぞれ正転及び逆転可能とされている。
【0053】
また、マイクロコンピュータ97の入力には、各ドラムモータ14・・の通電電流を検出するカレントトランス96の出力と、前記各ロックセンサ43・・・、各剤検出センサ18・・・、各識別センサ33・・・の出力が接続されている。更に、マイクロコンピュータ97は前述したパソコンPCとデータ通信可能に接続されている。
【0054】
以上の構成で本発明の薬剤供給装置1の動作を説明する。尚、電源投入状態において前記各シャッター53、53は閉じているものとする。また、上部構造体7Aのケース収納部8内には、それぞれ所定の薬剤が収納された前記タブレットケース3・・・が取り付けられた棚2・・・が前述の如く取り付けられているものとする。
【0055】
次に薬剤供給装置1の電源を投入すると、制御装置95のマイクロコンピュータ97は、識別センサ33・・・により、上部構造体7Aのケース収納部8の左右端に位置する前記各棚2・・・の各タブレットケース3・・・の識別コードを読み取る。これにより、各タブレットケース3・・・に収納された薬剤の種類に関するデータを、当該タブレットケース3の位置と共に記憶し、このデータはパソコンPCにも送信する。
【0056】
尚、マイクロコンピュータ97はケース収納部8内に収納された各タブレットケース3・・・内の薬剤の種類と当該タブレットケース3の位置に関するデータベースを保有しており、当該データベースはパソコンPCにも送信されているものとする。そして、前記識別センサ33・・・によって読み取られた識別コードもこのデータベースに加えられる。
【0057】
先ず、調剤動作について説明する。作業者が医師の処方箋に基づき、前記パソコンPCから処方データを入力すると、薬剤供給装置1のマイクロコンピュータ97は、当該処方データに基づいて指定された薬剤が収納されたタブレットケース3を前記データベースから特定し、そのドラムモータ14をドライバ94により正転させ、排出ドラム23を回転(正転)させて縦溝24内の薬剤を一個ずつ排出口21に排出する。
【0058】
このとき、マイクロコンピュータ97は剤検出センサー18から剤検出信号を入力し、排出された薬剤をカウントする。そして、所定量が排出された段階でドラムモータ14を停止する。排出された薬剤は排出シュート19から通路9によって構成されるシュート32内に入り、シャッター53に一時受け止められる。
【0059】
そして、マイクロコンピュータ97はシャッターソレノイド64に通電して前述の如く開閉板63A、63Bを開放し(図27)、薬剤をホッパー54内に落下させ、ノズル74を介して薬剤を包装紙72内に投入し、前述の如く包装機13にて包装した後、取出口82より外部に送出するものである。このとき、シャッター53からホッパー54に薬剤が落下した時点で次の薬剤の排出を実行することにより、マイクロコンピュータ97は包装に要する時間を短縮する。また、包装する薬剤に関する前述の印字は、薬剤を投入する以前にプリンタ73により行っておくものとする。
【0060】
ここで、ケース収納部8内には実施例の場合320個のタブレットケース3・・・が収納されている。従って、最大320種類の薬剤の供給と包装を実行可能であるが、取り扱う薬剤の種類がケース収納部8内に入りきれない場合には、前記ケース収納部8の左右端に位置する前記各棚2・・・の各タブレットケース3の収納容器51(ケース収納部8の側壁側)を必要な種類の薬剤が収納された収納容器51と交換する。この交換された収納容器51の識別コードも識別センサ33によって読み取られ、マイクロコンピュータ97に入力される。そして、読み取られた新規薬剤のデータもデータベースに追加される。
【0061】
このとき、投入すべき一種類若しくは複数種類の薬剤のタブレットケース3がケース収納部8内に存在しない場合、マイクロコンピュータ97はパソコンPCにデータを送信して、パソコンPCの画面にタブレットケース3の交換を案内表示する。その際、マイクロコンピュータ97はパソコンPCにデータを送信して、取り外してよいタブレットケース3の収納容器51の位置(アドレス)を画面上に案内表示する。これにより、例えば一つの分包中に複数種類の薬剤を投入するときに、存在しない薬剤の収納容器51を取り付けるために、当該分包中に投入すべき他の薬剤が収納された収納容器51が取り外されてしまう不都合を回避する。
【0062】
次に、マイクロコンピュータ97はドライバ94を制御して、定期的にドラムモータ14を所定の短い時間(例えば10ms)逆転させ、次に同じ時間正転させる異常検知動作を実行する。この異常検知動作における逆転・正転の各時間は、排出ドラム23の回転によって縦溝24が排出口21に合致する時間的間隔(薬剤の排出間隔)よりも充分短い時間とする。
【0063】
そして、マイクロコンピュータ97はカレントトランス96により、この異常検知動作中におけるドラムモータ14の通電電流値を取り込み、電流が流れていなかった場合には、ドラムモータ14の巻線が断線しているものと判断して警報動作を実行する。この警報のデータはパソコンPCに送信されて画面上に表示される。この異常検知動作は全てのタブレットケース3・・・のドラムモータ14に対して順次行われる。この場合、前述の如く異常検知動作における逆転・正転の各時間は、薬剤の排出間隔よりも十分短いので、薬剤が排出されてしまうことはない。
【0064】
特に、先ずドラムモータ14を逆転させるようにしているので、前回の排出動作(ドラムモータ14は正転)で薬剤が縦溝24から排出口21に落ちかかっているような場合にも、この薬剤が誤って排出口21に排出されてしまう不都合も生じない。
【0065】
また、マイクロコンピュータ97はパソコンPCからの指令データに基づき、当該パソコンPCへの入力操作で特定された一列〜全列の棚2・・・に対応するキープソレノイド42に通電し、プランジャ42Aを後方に突出させてロック状態とする。これにより、当該キープソレノイド42に対応する列(全列を含む)の全ての棚2・・は前述の如く引き出し不能となる(図22)。尚、ロック解除はやはりパソコンPCへの入力操作に基づいてキープソレノイド42に逆方向の通電が成されることで行われる。このとき、プランジャ42Aは前述の如く吸引される(図23)。
【0066】
この場合のロック及びロック解除の操作アクセス権は、使用者によりパソコンPCに設定される(パスワードなど)。これにより、不用意に棚2が引き出されてタブレットケース3内に異なる薬剤が収納されるなどの不都合を回避することができるようになる。
【0067】
ここで、マイクロコンピュータ97はロックセンサ43によってステー34が前述の解除状態にあるか規制状態にあるかを判断しており、何れかの棚2が引き出されていて、ステー34が規制状態となっている列に対応するキープソレノイド42については上述のロック動作を実行しない。これにより、規制状態にあるステー34のロック部材41がキープソレノイド42のプランジャ42Aに引っかかって回動不能となる不都合を回避する。
【0068】
尚、前述の如くこのキープソレノイド42のロック状態はロック解除レバー44を引くことによって手動によっても解除できる。これにより、万一キープソレノイド42が故障してロック状態を解除できなくなった場合にも、棚2の引き出しに支障が生じないように対処している。
【0069】
また、マイクロコンピュータ97は上述した薬剤の排出・包装動作において、各ドラムモータ14・・・の動作時間をそれぞれ積算している。また、マイクロコンピュータ97は各シャッターソレノイド64、64やキープソレノイド42の動作回数や、包装機13の熱シールヘッド76、プリンタ73の熱転写ヘッド93などの動作回数をそれぞれ積算している。更に、マイクロコンピュータ97にはこれらの消耗部品の耐用限界値が入力設定されている。
【0070】
そして、マイクロコンピュータ97は、これらの消耗部品の動作時間や動作回数が、それらの耐用限界値に近付いた場合、或いは、耐用限界値に達した場合、パソコンPCに故障予報データを送信してパソコンPCの画面上に当該消耗部品が故障する危険性が高くなったことを表示する。これにより、使用者は予め耐用限界に近付いた、或いは、耐用限界に達したドラムモータ14やシャッターソレノイド64、キープソレノイド42や熱シールヘッド76、熱転写ヘッド93を予め交換しておくことが可能となり、これらの消耗部品が故障に至ることによる薬剤提供の遅延を回避することができるようになる。
【0071】
ここで、図35は薬剤供給装置1に取り付け可能な増設ユニット98を示している。例えば大規模病院などの場合には図1の状態における320個のタブレットケース3・・・では足りない場合が生じる。そこで、係る場合には上部構造体7Aの天板1Aを取り外し、上面に開口した上部構造体7A上に増設ユニット98を連結固定する(天板1Aは増設ユニット98の上面に取り付ける)。この増設ユニット98には左右方向に一段の棚2・・・が4つ引き出し自在に設けられている。これによって、タブレットケース3の数は64個増えることになる。
【0072】
そして、各棚2・・・の通路9・・・下端は下方のケース収納部8内の上端の棚2・・・の通路9・・・上端にそれぞれ対応し、それぞれ連続したシュート32・・・を構成する。そして、この増設ユニット98の各タブレットケース3・・・のドラムモータ14や剤検出センサ18もマイクロコンピュータ97に接続され、前述同様の排出動作が実行される。
【0073】
ここで、ケース収納部8内には図36や図37に示すような前述の棚2の二倍の高さ寸法の有する棚2Aも引き出し自在に架設可能とされている。この場合、棚2Aには各図に示すような大容量の収納容器51Aを有するタブレットケース3Aが取り付けられる。尚、図36は通常のタブレットケース3と大容量のタブレットケース3Aが混在して取り付けられる例を示し、図37は大容量のタブレットケース3Aのみが取り付けられる例を示しており、何れも前述のハーネス28がコネクタ接続される。
【0074】
また、ケース収納部8内には図38に示すような半錠(半分に欠いた錠剤)薬剤用のタブレットケース3Bが取り付けられた棚2Bも引き出し自在に架設可能とされている。そして、この棚2Bにも前述のハーネス28がコネクタ接続される。更に、ケース収納部8内には図39に示すようなタブレットケースが取り付けられない棚2Cも引き出し自在に架設可能とされている。この棚2C上には例えば段ボールに梱包された開梱前の薬剤などが載置されるが、当然にハーネスは接続されない。
【0075】
このように、異なったタブレットケースが取り付けられた棚2A、2B、或いは、電源が接続されない棚2Cなど種々の棚をケース収納部8内に引き出し自在に架設可能としているので、薬剤供給装置1の利便性が著しく向上する。
【0076】
次に、図40はもう一つの下部構造体7Cを示している。この下部構造体7Cも上部構造体7Aの下端に接続可能であり、接続された状態で薬剤供給装置1の本体7を構成する。この下部構造体7C内には充填装置としての瓶詰め機99が取り付けられており、更にその上側には上部構造体7Aの各シュート32・・・の下端に対応して4つのホッパー101・・・が並設されている。シャッター53は設けられない。
【0077】
瓶詰め機99は容器としての瓶102を把持可能な把持腕103、103を有したキャッチャー104と、このキャッチャー104を左右及び上下移動させる移送装置106と、瓶102を搬送するコンベア107等から構成されている。そして、挿入口109からコンベア107にて搬送されてきた瓶102をキャッチャー104の把持腕103、103にて把持し、その状態で移送装置106により当該瓶102を、薬剤が排出されて落下して来るホッパー101の下端開口の下側に移送する。これにより、瓶102内に薬剤を充填するものである。そして、薬剤が充填された瓶102はコンベア107にて取出口108に搬送される。
【0078】
ここで、下部構造体として上述した包装機13や瓶詰め機99を収納したものの他、所謂ブリスター包装機と称される充填装置を収納したものも考えられる。そして、このように異なった種類の充填装置を備える下部構造体7B、7Cを共通の上部構造体7Aの下側に択一的に連結可能とすることで、ケース収納部及び異なる充填装置を備えた薬剤供給装置をそれぞれ準備する必要が無くなり、その汎用性が著しく向上して生産コストの低減を図ることが可能となる。
【0079】
尚、実施例では薬剤供給装置1へのデータの入力を別体のパソコンPCにて行ったが、それに限らず、或いはそれに加えて、何れかの棚2の扉パネル6にコントロールパネル111を取り付け、そこから処方箋などのデータを入力し、或いは、そこに警報表示などを行わせるようにしてもよい。
【0080】
また、実施例ではケース収納部8内に引き出し自在に収納した複数の棚2・・・にそれぞれ扉パネル6を取り付けて上部構造体7A(ケース収納部8)の前面開口を閉塞するようにしたが、それに限らず、図43に示す如く各棚2・・・には扉パネルを取り付けず、観音開き式の上パネル112、112にて上部構造体7Aの前面開口を開閉自在に閉塞するようにしてもよい。この場合には全ての棚2・・の引き出しを禁止するロック操作は、この上パネル112、112をロックすることで達成される。
【0081】
更に、実施例ではシャッター53の開閉板63A、63Bによりカーテン67の下端が挟まれる構造としたが、請求項1及び請求項2ではそれに限らず、開閉板63A、63Bの直上にカーテン67の下端が自由な状態で位置するようにしてもよい。
【0082】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、薬剤を収納するタブレットケースと、このタブレットケースから排出された薬剤が落下するシュートと、このシュート下方に対応して設けられたホッパーと、このホッパーにて受け止められた薬剤を、袋や瓶などの容器に充填する充填装置とを備えた薬剤供給装置において、シュートからホッパーに落下する薬剤を一時受け止めるための開閉自在のシャッターを備え、このシャッター内には、シュートから落下する薬剤の運動エネルギーを吸収可能な緩衝部材を吊下したので、シュートから落下して跳ね返る薬剤の運動エネルギーを緩衝部材にて吸収することが可能となる。
【0083】
これにより、シャッターに落下した薬剤を迅速に静止させることができるようになり、ホッパーへの薬剤の落下を迅速且つ確実に行うことが可能となるものである。
【0084】
また、シャッターは、上方に向かって傾斜しながら離間する一対の傾斜壁と、これら傾斜壁の下端間の開口を開閉自在に閉塞する開閉板を備え、緩衝部材は傾斜壁間の中央において各傾斜壁に対向して吊下され、その下端は前記開口より下方に延在するので、傾斜壁に衝突して跳ね返る薬剤が緩衝部材に衝突し易くなり、運動エネルギーの吸収作用を向上させることができるようになるものである。
【0085】
更に、緩衝部材の下端は、開閉板が閉じた状態で当該開閉板に挟まれるので、緩衝部材によって開閉板が閉じるときの騒音も吸収し、静音化を図ることができるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の薬剤供給装置の斜視図(天板を除く)である。
【図2】 各棚の扉パネルを取り外し、下パネルを開放した状態の図1の薬剤供給装置の正面図である。
【図3】 図1の薬剤供給装置の縦断側面図である。
【図4】 図1の薬剤供給装置のもう一つの正面図である。
【図5】 図1の薬剤供給装置の側面図である。
【図6】 図1の薬剤供給装置の平面図である。
【図7】 図1の薬剤供給装置の棚の斜視図である。
【図8】 タブレットケースの収納容器を取り外した状態の図7の棚の斜視図である。
【図9】 図1の薬剤供給装置のタブレットケースの収納容器の斜視図である。
【図10】 図1の薬剤供給装置のタブレットケースの駆動ベースの分解斜視図である。
【図11】 図1の薬剤供給装置の棚と識別センサの斜視図である。
【図12】 図1の薬剤供給装置のタブレットケースと識別センサの斜視図である。
【図13】 図1の薬剤供給装置の棚とステーの関係を示す透視正面図である。
【図14】 図1の薬剤供給装置のステーの位置関係を示す透視平面図である。
【図15】 図1の薬剤供給装置の棚とステーの関係を示す透視側面図である。
【図16】 図1の薬剤供給装置のステーの動作を説明する図である。
【図17】 同じく図1の薬剤供給装置のステーの動作を説明する図である。
【図18】 同じく図1の薬剤供給装置のステーの動作を説明する図である。
【図19】 同じく図1の薬剤供給装置のステーの動作を説明する図である。
【図20】 同じく図1の薬剤供給装置のステーの動作を説明する図である。
【図21】 同じく図1の薬剤供給装置のステーの動作を説明する図である。
【図22】 図1の薬剤供給装置のキープソレノイドの動作を説明する図である。
【図23】 同じく図1の薬剤供給装置のキープソレノイドの動作を説明する図である。
【図24】 図1の薬剤供給装置のロック解除レバーの動作を説明する図である。
【図25】 図1の薬剤供給装置のシャッターの縦断側面図である。
【図26】 図1の薬剤供給装置のシャッターの縦断正面図である。
【図27】 図1の薬剤供給装置のシャッターのもう一つの縦断正面図である。
【図28】 図1の薬剤供給装置の包装機の正面図である。
【図29】 図1の薬剤供給装置のノズルの斜視図である。
【図30】 図1の薬剤供給装置のプリンタの斜視図である。
【図31】 図1の薬剤供給装置の包装紙に対するプリンタヘッドと熱シールヘッドの位置関係を示す図である。
【図32】 図1の薬剤供給装置における包装紙への印字結果を示す図である。
【図33】 図1の薬剤供給装置における包装紙への印字結果の他の例を示す図である。
【図34】 図1の薬剤供給装置の制御装置の電気回路のブロック図である。
【図35】 図1の薬剤供給装置の増設ユニットの斜視図である。
【図36】 図1の薬剤供給装置の他の例の棚の斜視図である。
【図37】 図1の薬剤供給装置のもう一つの他の例の棚の斜視図である。
【図38】 図1の薬剤供給装置のもう一つの他の例の棚の斜視図である。
【図39】 図1の薬剤供給装置のもう一つの他の例の棚の斜視図である。
【図40】 図1の薬剤供給装置の下部構造体の他の例の斜視図である。
【図41】 図40の下部構造体のキャッチャー部分の斜視図である。
【図42】 図40の下部構造体のキャッチャー部分のもう一つの斜視図である。
【図43】 本発明の他の実施例の薬剤供給装置の斜視図(天板を除く)である。
【符号の説明】
1 薬剤供給装置
2、2A、2B、2C 棚
3A、3B タブレットケース
6 扉パネル
7 本体
7A 上部構造体
7B、7C 下部構造体
8 ケース収納部
9 通路
13 包装機(充填装置)
14 ドラムモータ
23 ドラム
26 識別コード
27、47、56 引出レール
28 ハーネス
32 通路
33 識別センサ
34 ステー
39 作用部材
42 キープソレノイド
43 ロックセンサ
44 ロック解除レバー
53 シャッター
54、101 ホッパー
63A、63B 開閉板
67 カーテン(緩衝部材)
71 ロール
72 包装紙
73 プリンタ
74 ノズル
91 カラーインクリボン
93 熱転写ヘッド
95 制御装置
96 カレントトランス
97 マイクロコンピュータ
98 増設ユニット
99 瓶詰め機(充填装置)
102 瓶
PC パソコン
Claims (1)
- 薬剤を収納するタブレットケースと、
該タブレットケースから排出された薬剤が落下するシュートと、
該シュート下方に対応して設けられたホッパーと、
該ホッパーにて受け止められた薬剤を、袋や瓶などの容器に充填する充填装置とを備えた薬剤供給装置において、
前記シュートからホッパーに落下する薬剤を一時受け止めるための開閉自在のシャッターと、該シャッター内に吊下されて前記シュートから落下する薬剤の運動エネルギーを吸収可能な緩衝部材とを備え、
前記シャッターは、上方に向かって傾斜しながら離間する一対の傾斜壁と、これら傾斜壁の下端間の開口を開閉自在に閉塞する開閉板を有し、
前記緩衝部材は、前記傾斜壁間の中央において各傾斜壁に対向して吊下され、その下端は前記開口より下方に延在すると共に、該緩衝部材の下端は、前記開閉板が閉じた状態で当該開閉板に挟まれることを特徴とする薬剤供給装置。
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