JP3704103B2 - 内視鏡用案内管 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡用案内管に関し、より詳細には、筋肉,腱,神経等皮下に存在する組織を内視鏡によって直接に観察することができる内視鏡用案内管の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、関節,腹腔,膀胱,胃腸管などの生体内に存在する腔間を気体又は液体を媒体として拡張し、内腔を観察する道具として内視鏡があり、整形外科,内科,外科,婦人科,泌尿器科などで広く使用されている。
【0003】
図13は、内視鏡51が使用されている状態を示し、同図において、対向する一対の骨52,52の間に腔間53が形成され、該腔間53内に内視鏡51を挿入し、関節Aの内部を観察するようになっている。内視鏡51は、細長円筒状に形成され、金属製の案内管54内に挿入される。内視鏡51の内部には光学系が組み込まれ、その先端部から前方へ光を射出し、先端部に設けた透明なレンズを介して関節Aの内部腔間53を観察するようになっている。
【0004】
ところが、上記のような内視鏡51では、観察可能な場所は、生体内に腔間が存在する箇所に限られてしまい、特に、筋肉,腱,神経等の皮下組織を直接に観察することができなかった。
【0005】
そのため、例えば、本願出願人が提案した特公平4−10328号(特開昭63−49125号)公報に示すように、図14において、一端を閉じ、内部に内視鏡51を挿入可能な細長の管体55で構成するとともに、管体55の一部或いは全部を透明にした内視鏡用の案内管54を提案している。すなわち、管体55をパイレックス等の透明なガラス又はプラスチック物質で構成することにより、内視鏡51の先端部56を傾斜させた所謂斜視鏡を使用し、360度の角度範囲で案内管54に接触する皮下組織を観察するようになっている。
【0006】
そして、上記案内管54に、図15に示すように、少なくとも1個のスリット乃至スロット状の開口57を設け、該開口57を介してメス等の手術器械58を外部に突出させるようになっている。これにより、内視鏡51の先端に組み込まれた光学系によって、皮下組織の状態を観察しながら、上記開口57から突出したメス等の手術器械58を操作棒59で適宜操作することにより、皮下組織の手術を行うようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記案内管54は、スリット又はスロット状の開口57を介して、皮下組織等と内部を連通する開口状態にあって、内部に体液等が侵入してしまう。その結果、体液等が、内視鏡のレンズと接触して、鏡視能が低下してしまい、本来の手術目的を達成できない等の問題があった。
【0008】
そこで、上記開口57およびその周辺を、プラスチック皮膜で覆う手段が講じられていた。この場合、手術器械としてメス等の刃物を使用すると、この刃物が、プラスチック皮膜の一部を破って、開口57から突出してしまう。その結果、プラスチック皮膜の損傷により、案内管54内に体液等が侵入してしまい、本質的な解決策にならなかった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、一端を閉じ、内部に内視鏡を挿入可能な管状部材で構成するとともに、案内管の外側に、刃物等の手術器械を案内するためのガイド部材を設けることにより、案内管内への体液等の侵入を防止し、筋肉や腱等の皮下組織の手術を安全に行える内視鏡用案内管を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、一端を閉じ、内部に内視鏡を挿入可能な管状部材で構成し、該管状部材の一部或いは全部を透明にした内視鏡用案内管において、該案内管の外側に、刃物等の手術器械を案内するためのガイド部材を設け、該ガイド部材は、前記案内管の外側に、軸方向に沿って基端側から先端側に向かって延びる出張りを形成し、該出張りを利用してメス等の手術器械を前記案内管の外側にエッジが突出した状態で移動自在にガイドするようにし、前記案内管の内部に生体内の体液等が侵入しないようにして、安全に手術を行えるようにしたことにより、達成される。
【0011】
また、本発明の上記目的は、前記ガイド部材によって、メス等の手術器械を移動自在にガイドするとともに、前記案内管に挿入された内視鏡の軸方向及び軸周りの移動と回転を自在にすることにより、前記案内管に形成された透明部を介して生体内の組織を観察しながら、安全かつ正確に手術を行えるようにしたことにより、達成される。
【0012】
また、本発明の上記目的は、前記ガイド部材として、前記案内管とともに断面L字状或いは断面逆L字状に溝を形成し、該溝に沿ってメス等の手術器械を移動自在にガイドするようにしたことにより、達成される。
【0013】
すなわち、本発明の上記目的は、ガイド部材として、案内管の外側に、軸方向に沿って基端側から先端側に向かって延びる出張りを形成することによって達成され、刃物等の手術器械をガイド部材としての出張りに沿って案内するだけでよく、誰でも簡単かつ正確に手術を行うことができるという効果を奏する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る内視鏡用案内管の実施例を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、関節1における内視鏡2の使用状態を示し、内視鏡2は、対向する一対の骨3,3の間に形成された腔間4内や、筋肉や腱などの皮下組織に挿入するようになっている。同図では、内視鏡2を案内管5内に挿入し、関節1内の皮下組織を直接に観察する状態を示す。すなわち、内視鏡2には、内部に光学系が組み込まれており、先端部から前方へ光を射出し、先端部に設けた対物レンズを介して関節1周辺の皮下組織を観察するようになっている。
【0016】
なお、内視鏡として電子内視鏡を用いてもよく、その場合、内視鏡2は、図2に示すように、先端部から前方へ光を射出し、先端部に設けた透明レンズ6を介して腔間4内の画像データを取り込んで、CCDレンズ7から信号ケーブル8及び信号処理手段9を介してモニター10に映像を表示して、腔間4内の様子を観察するようになっている。
【0017】
そして、本発明の特徴として、図3は、案内管5の内部に内視鏡2が挿入された状態を示し、図4は、案内管12を側方から眺めた図である。これらの図において、案内管5の本体11の外側には、軸方向に沿って一条の陥凹12が形成されている。この陥凹12内を、図5に示すように、薄板状のメス等の手術器械13が軸方向に沿って移動自在に嵌め込まれ、該陥凹12に沿ってメス等の手術器械13をガイドするようになっている。この案内管5の開放端側には、半径方向の外側に延在する把手部14が一体的に形成されている。なお、本体11は、好ましくは、透明なガラス又はプラスチックから一体的に形成される。本体11は、略円筒状であり、その中空部の内径は内視鏡よりもやや大きく設定されている。これにより、案内管5を、所定の位置に設定した後に、内視鏡2を挿入し、案内管5を介して生体内の皮下組織を観察するようになっている。さらに、内視鏡2は、案内管5内を軸方向に移動可能であるとともに、軸周りに360度回転することができ、本体11の一部或いは全部が透明に形成されているので、生体の内部を観察することができる。
【0018】
その結果、生体の内部に異常部分が存在する場合、その大きさ及び切開箇所からの距離などを即座に判断することができる。そして、案内管5の陥凹12にメス等の手術器械13を装着すると、エッジ13aが案内管5の外側に突出させた状態になり、術者は、操作杆14aを把持して、生体の内部を観察しながら、手術器械13を陥凹12に沿ってスライドさせて手術することができる。なお、上記陥凹12は、案内管5の一部若しくは全長に渡って形成してもよい。
【0019】
また、図6及び図7は、本発明に係る内視鏡用案内管の第2実施例を示す。これらの図において、上記第1実施例と同じ部材は同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0020】
案内管5の外側に、軸方向に沿って出張り15を形成し、該出張り15にメス等の手術器械13を軸方向に移動自在に装着し、手術器械13をガイドするようになっている。この場合、図8に示すように、メス等の手術器械13は、上記出張り15に対して直角ないし任意の角度に装着され、軸方向に移動自在になっている。
【0021】
よって、この第2実施例でも、メス等の手術器械13は、案内管5の外側に装着されるので、案内管5の内部には、生体内の体液等が侵入しない。その結果、案内管5に、内視鏡2を挿入し、術者は、生体内の状態を観察しながら、手術器械13によって異常部分の手術を行うことができる。よって、上記第1実施例と同様の作用および効果を奏することができる。
【0022】
さらに、図9及び図10は、本発明に係る内視鏡用案内管の第3実施例を示す。これらの図において、上記第1及び第2実施例と同じ部材は同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0023】
案内管5の外側に、図11に示すように、軸方向に沿って断面逆L字状の出張り16を形成し、図12に示すように、該出張り16と案内管5によって形成される溝17に、該溝17に沿ってメス等の手術器械13を移動自在に装着する。よって、メス等の手術器械13は、案内管5の外側に装着されるので、案内管5の内部には、生体内の体液等が侵入しない。その結果、案内管5に、内視鏡2を挿入し、生体内の状態を観察しながら、手術器械13によって異常部分の手術を行うことができる。よって、上記第1及び第2実施例と同様の作用および効果を奏することができる。
【0024】
従って、上記各実施例では、案内管5の外側に、メス等の手術器械13を案内するためのガイド部材を設けた。すなわち、第1実施例では案内管5の外側に陥凹12を形成し、第2実施例では案内管5の外側に出張り15を形成し、第3実施例では案内管5の外側に断面逆L字状の出張り16を形成した。そして、手術器械13を、案内管5の外側に装着して、陥凹12,出張り15,および出張り16によって形成される溝17に沿って移動させることができる。その結果、案内管5には、外部に通じる開口が形成されず、案内管5内に生体内の体液などが進入することがない。よって、内視鏡2を用いて手術をする場合でも、体液等が、内視鏡内の対物レンズやCCDレンズと接触し、鏡視能が低下するという問題が生じない。よって、モニターなどで述部付近の鮮明な画像をみながら、メス等の手術器械を操作することができ、筋肉や腱等の皮下組織の手術を安全に行うことができる。
【0025】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明に係る内視鏡用案内管によると、一端を閉じ、内部に内視鏡を挿入可能な管状部材で構成し、案内管の外側にガイド部材、すなわち、陥凹を形成したり、出張り等を形成し、該陥凹や出張り等に、メス等の手術器械を装着する。そのため、案内管に、生体内に連通する開口がなくなるため、生体内の体液等が、案内管の内部に侵入し、内視鏡の対物レンズやCCDレンズなどのレンズ類に接触することがなくなり、鏡視能が低下することがない。その結果、モニター等には、常に鮮明な画像で術部付近の様子が写し出され、手術に習熟していない医師でも、メス等の手術器械をガイド部材によって案内することにより、安全かつ正確に手術を行うことができ、神経,血管,腱等の周辺組織が損傷する危険を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内視鏡用案内管の使用状態を示す図である。
【図2】電子内視鏡の概略構成を示す説明図である。
【図3】手術器械を装着した内視鏡用案内管の外観を示す斜視図である。
【図4】図3に示す内視鏡用案内管の側面図である。
【図5】図4のA−A線における断面図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る内視鏡用案内管の外観を示す斜視図である。
【図7】図6に示す内視鏡用案内管の側面図である。
【図8】図7のB−B線における断面図である。
【図9】本発明の第3実施例に係る内視鏡用案内管の外観を示す斜視図である。
【図10】図9に示す内視鏡用案内管の側面図である。
【図11】図10のC−C線における断面図である。
【図12】上記内視鏡用案内管の外部に出張りによって形成される溝に、メス等の手術器械を挿入した状態を示す図である。
【図13】従来の内視鏡用案内管の生体内腔間における使用状態を示す図である。
【図14】従来の内視鏡用案内管に内視鏡を挿入した状態を示す説明図である。
【図15】従来の内視鏡用案内管に内視鏡および手術器械を装着した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 内視鏡
4 腔間
5 案内管
7 CCDレンズ
11 本体
12 陥凹
13 手術器械
15 出張り
16 出張り
17 溝
Claims (3)
- 一端を閉じ、内部に内視鏡を挿入可能な管状部材で構成し、該管状部材の一部或いは全部を透明にした内視鏡用案内管において、該案内管の外側に、刃物等の手術器械を案内するためのガイド部材を設け、該ガイド部材は、前記案内管の外側に、軸方向に沿って基端側から先端側に向かって延びる出張りを形成し、該出張りを利用してメス等の手術器械を前記案内管の外側にエッジが突出した状態で移動自在にガイドするようにし、前記案内管の内部に生体内の体液等が侵入しないようにして、安全に手術を行えるようにしたことを特徴とする内視鏡用案内管。
- 前記ガイド部材は、メス等の手術器械を移動自在にガイドするとともに、前記案内管に挿入された内視鏡の軸方向及び軸周りの移動と回転を自在にすることにより、前記案内管に形成された透明部を介して生体内の組織を観察しながら、安全かつ正確に手術を行えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用案内管。
- 前記ガイド部材は、前記案内管とともに断面L字状或いは断面逆L字状に溝を形成し、該溝に沿ってメス等の手術器械を移動自在にガイドするようにした請求項1に記載の内視鏡用案内管。
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