JP3702245B2 - 層間スペーサの製造装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリードフレームを積み重ねて収納する際に使用する層間スペーサの製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
短冊状に形成されたリードフレームを搬送等する際に、トレイに多数枚のリードフレームを積み重ねて収納し、トレイごとリードフレームを搬送することが従来から行われている。リードフレームを積み重ねてトレイ等に収納する場合に、リードフレームをじかに積み重ねて収納することもあるが、リードフレームに傷をつけず、リードフレームが簡単に分離できるようにするため、積み重ねるリードフレームの間に層間スペーサを挟んで積み重ねるようにする場合がある。
【0003】
層間スペーサはリードフレームの形状に合わせていろいろなものが使用される。図11は層間スペーサ10の一例を示すもので、リードフレームと同一の短冊状に形成され、リードフレームのパッド部に対応する部位に窓12が形成されているものである。層間スペーサ10に窓12を形成しているのは、リードフレームのパッド部分がリードフレーム面よりも下方に突出しているため、窓12によってこのパッド部分を逃がすようにするためである。このように、パッド部分がリードフレーム面から突出している製品の場合は、窓12を設けることによって、層間スペーサとリードフレームとを隙間なく積み重ねることができる。なお、層間スペーサの材料には一般に紙が使用されるが、発泡ポリエチレン等の樹脂材も使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような窓12を設けた層間スペーサを形成する場合、従来は、図12に示すように、大判の原反14(層間スペーサを作成する材料)を裁断機にかけて、層間スペーサの外形形状と窓の形状に合わせて型抜きした後、原反14から層間スペーサ10を個片に分離し、窓部分を抜いて層間スペーサ10としている。
大判の原反から層間スペーサ10を個片に分離し、窓部分を取り除く作業は従来は人手によっており、窓部分を抜く操作は個片にした層間スペーサを重ねてたたくといった作業によっている。このため、従来は原反から層間スペーサを得る作業がきわめて非効率であり、手間がかかるとともに、作業時に層間スペーサが曲がってしまうという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、より効率的に層間スペーサを製造することを可能とすべくなされたものであり、型抜きされた原反から層間スペーサを1枚ごとに分離する作業と窓抜き作業を自動化し、層間スペーサの製造効率を向上させ、また、窓部分の抜き残りや層間スペーサの変形を防止して、高品質の層間スペーサを製造することができる層間スペーサの製造装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、層間スペーサの本体部分と窓部分の形状に合わせて型抜きされた原反から、個片に層間スペーサを分離するとともに、前記本体部分から窓部分を窓抜きする分離装置を備えた層間スペーサの製造装置において、前記分離装置に、前記層間スペーサの送り方向とは直交する方向を長手方向として、所定間隔をあけて配置されたブラシローラと、該ブラシローラの下方に該ブラシローラと平行に相互に間隔をあけて配置された2本の棒ローラとからなるユニットを並列に複数個配置し、前記ブラシローラと前記棒ローラとを回転駆動し、前記ブラシローラと前記棒ローラとの間に前記層間スペーサを挟んで搬送する際に、層間スペーサをたわませて前記本体部分から前記窓部分を分離させる駆動機構を設けたことを特徴とする。
【0007】
また、前記駆動機構に、ブラシローラの周速度と棒ローラの周速度を個別に制御する制御部を設け、前記ブラシローラと前記棒ローラとの間に層間スペーサを挟んで搬送する際に、層間スペーサの本体部分から窓部分をずらして分離可能とすべく、前記制御部により前記ブラシローラの周速度が前記棒ローラの周速度を上回るように設定したことを特徴とする。
また、前記ブラシローラの直下に、ブラシローラが外周面に押接される配置に棒ローラを設け、前記ブラシローラと前記棒ローラとの間に層間スペーサを挟んで搬送する際に、前記ブラシローラにより層間スペーサの本体部分から窓部分をはじいて分離するユニットを設けたことを特徴とする。
また、前記ブラシローラと棒ローラとからなるユニット間に、当該ユニット間を層間スペーサが通過する際に層間スペーサのたわみが戻ることによって層間スペーサが当たり、層間スペーサの本体部分から窓部分を分離させる中間ローラを設けたことを特徴とする。
また、前記分離装置の前段に、原反を層間スペーサの本体部分と窓部分の形状に合わせて型抜きする裁断機を設け、該裁断機から前記分離装置に型抜き後の原反を送り込む、送り機構を設けたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について添付図面にしたがって詳細に説明する。
図1、2、3は層間スペーサの製造装置の一実施形態の構成を示す正面図、平面図、側面図である。図1でA部は原反を所定の形状に抜き加工する裁断機、B部は抜き加工された原反を個片の層間スペーサに分離するとともに、原反から窓部を抜く処理を行う分離装置である。
本実施形態の層間スペーサの製造装置は、1m×0.4mといった大判の紙製の原反20を使用して層間スペーサを製造する装置であり、裁断機Aでこの原反20を所定の形状に抜き加工した後、分離装置Bで個片の窓抜きされた層間スペーサとする。
【0009】
裁断機Aは原反20を所定形状に型抜き加工するものであり、従来の型抜き加工する裁断機とその構成が変わるものではない。
図1で、22a、22bは抜き加工した原反20の枠部分を排出方向へ導くスロープ、24は原反20の枠部を排出方向へ引き出すための誘い込みローラ、26は原反20の外枠を細片に切断するための外枠カッターである。裁断機Aで所定形状に型抜きされた原反20は、搬送コンベア28によって搬送され、原反20の外枠部分はスロープ22a、22bにより下向きにガイドされて送り出され、誘い込みローラ24によって引き出され、外枠カッター26により細片に裁断されて袋30に収納される。
【0010】
一方、原反20から外枠部分が取り除かれた層間スペーサは、引き込みコンベア32によって分離装置Bへ送り出される。34はスペーサ誘い込みローラであり、搬送コンベア28によって誘い込みローラ34の位置まで送り出された層間スペーサは、誘い込みローラ34と引き込みコンベア32に挟まれて分離装置側へ送られる。引き込みコンベア32および誘い込みローラ34は原反20を分離装置に送り込む、送り込み機構を構成する。
【0011】
本実施形態の層間スペーサの製造装置において特徴的な構成は、分離装置Bの構成にある。すなわち、分離装置Bは、図1、2に示すように、層間スペーサの送り方向とは直交する方向を長手方向として、複数本のブラシローラ36を所定間隔をあけて並列に配置し、各々のブラシローラ36の下方にブラシローラ36と平行に2本の棒ローラ38を配置したものである。棒ローラ38は、層間スペーサがブラシローラ36と棒ローラ38とに挟まれて先送りされるように、ブラシローラ36の周面位置に近接して配置される。
【0012】
図1で、40は棒ローラ38を回転駆動させる駆動モータである。駆動モータ40と各々の棒ローラ38とはベルト42を介して連繋され、駆動モータ40によって各々の棒ローラ38が回転駆動される。棒ローラ38の回転方向は層間スペーサを図の右方向へ移動させる向きである。
図3で、44はブラシローラ36を回転駆動する駆動モータである。ブラシローラ36の端部には各々歯車46が設けられ、各々の歯車46には駆動モータ44によって回転駆動される中間ギア48が一つずつ連繋している。中間ギア48は駆動モータ44によって一括して回転駆動され、これによってすべてのブラシローラ36が回転駆動される。ブラシローラ36の回転方向は層間スペーサを先送りする向きである。
駆動モータ40、ベルト42および駆動モータ44、中間ギヤ48等が棒ローラ38とブラシローラ36を駆動する駆動機構を構成するが、これらの駆動機構の構成は本実施形態の構成に限定されるものではない。また、場合によっては、棒ローラ38とブラシローラ36を駆動する駆動源を共通にすることも可能である。
【0013】
前述したように、層間スペーサはブラシローラ36と棒ローラ38とによって挟まれながら先送りされる際に、窓部分が層間スペーサから脱落し、窓部分があけられた層間スペーサが分離装置の端部に設けられたスペーサ収納箱50に収納される。51は、ブラシローラ36と棒ローラ38とから送り出された層間スペーサをスペーサ収納箱50にガイドするための滑り台である。
ブラシローラ36と棒ローラ38とによって抜かれた窓部分は隣接する棒ローラ38の中間部分から下方に落下し、袋30に収納される。52は層間スペーサから脱落した窓部分を袋30に導入するためのシュータである。袋30はシュータ52の排出口に袋口を取り付けて設けられ、シュータ52に落下した層間スペーサの窓部分等はすべて袋30に収納される。
【0014】
図3で、54はブラシローラ36の高さを調節する調節ハンドルである。層間スペーサはブラシローラ36と棒ローラ38とに挟まれて先送りされる際に窓部分が取り除かれる。層間スペーサは紙の材質等によって曲げやすさや硬さがまちまちであったりするから、層間スペーサの窓部分が確実に脱落するようにブラシローラ36と棒ローラ38との挟圧力(間隔)を調節する必要がある。調節ハンドル54はブラシローラ36と棒ローラ38との間隔を調節するために設けているものである。
【0015】
本実施形態の層間スペーサの製造装置は、ブラシローラ36と棒ローラ38との間に層間スペーサを挟んで移動させることにより、原反20から層間スペーサを個片に分離するとともに層間スペーサから窓部分を除去するようにしたことが特徴である。
図4は分離装置におけるブラシローラ36と棒ローラ38の全体的な配置を示し、図5はブラシローラ36と棒ローラ38の配置を拡大して示す。図4に示すように、本実施形態の層間スペーサの製造装置では、1つのブラシローラ36に対して2つの棒ローラ38a、38bを組み合わせたものを1ユニットとし、このユニットを並列に10個配置している。39は隣接するユニット間に1つずつ配置した中間ローラである。この中間ローラ39はユニット間で層間スペーサを支持して先送りする作用をなす。
【0016】
ブラシローラ36と棒ローラ38a、38bの1ユニットにおける窓抜き作用は、、ブラシローラ36と棒ローラ38a、38bとの間を層間スペーサが通過する際に層間スペーサがたわみ、このときの層間スペーサの本体部分のたわみ方と、窓部分のたわみ方が相違することを利用するものである。
図5はブラシローラ36と棒ローラ38a、38bとの間に層間スペーサ60が進入し、層間スペーサ60がたわんで窓部分60bが本体部分60aから分離する様子を示している。層間スペーサ60はその長手方向の向きに搬送され、層間スペーサ60の本体部分60aは、ブラシローラ36と棒ローラ38a、38bとに挟まれた際に簡単に湾曲するのに対し、窓部分60bは本体部分60aよりも小さいから本体部分60aにくらべて湾曲しにくく、その湾曲度の相違によって本体部分60aから窓部分60bが分離する。すなわち、本体部分60aは湾曲しながらそのまま先送りされるのに対して、窓部分60bは抜き線位置で本体部分60aから外れるようになる。
【0017】
ブラシローラ36と棒ローラ38a、38bとに挟まれた際に層間スペーサ60がたわむようにするため、本実施形態では、棒ローラ38a、38bの中間位置でブラシローラ36の外周面の位置が棒ローラ38a、38bの外周面の位置よりも1mm程度低位となるようにし、棒ローラ38a、38bの中間位置でブラシローラ36を若干落とし込むようにした。また、本実施形態では、棒ローラ38a、38bの外面の対向間隔を18mmとしている。窓部分60bはこの2本の棒ローラ38a、38bの間の隙間部分から落下する。
【0018】
本実施形態の装置では、1つのブラシローラ36と2つの棒ローラ38a、38bとからなるユニットを並列に10個配置し、層間スペーサ60をたわませて窓抜きする作用が繰り返し行われるようにすることにより、層間スペーサ60が分離装置を通過した際に確実に窓抜きされるようにしている。もちろん、ブラシローラ36と2つの棒ローラ38a、38bとのユニットの配置数は適宜設定することができる。
なお、本実施形態ではブラシローラ36を使用して層間スペーサ60を搬送させているが、層間スペーサ60を搬送させるローラとしてブラシローラを使用すると、窓抜きされた窓部分60bがブラシローラ側に付着せず、好適に窓抜きすることができる。また、ブラシはその弾性によって窓部分60bを突き落とすようにも作用し、窓抜き作用に有効に使用できる。
【0019】
以上のたわみ作用を利用して層間スペーサ60から窓部分60bを抜く作用は、層間スペーサ60と窓部分60bのたわみ量の差が大きい場合、すなわち窓部分のスペースが小さい場合、より正確には層間スペーサの窓部分60bの搬送方向の辺の長さが短い場合に有効に作用する。本実施形態の装置では層間スペーサの搬送方向の辺の長さが15mm以下の場合に有効であった。
これに対して、窓部分60bが比較的大きな場合、いいかえれば層間スペーサ60の窓部分60bの搬送方向の辺の長さが長いと、本体部分60aと同じように窓部分60bがブラシローラ36と棒ローラ38a、38bによるたわみ部分をそのまま通過して抜き落としできない場合がある。
【0020】
このような場合には、ずらし作用を利用することによって窓抜きすることができる。
図6にずらし作用による窓抜き作用を示す。ずらし作用は層間スペーサ60の本体部分60aに対して、窓部分60bをずらすようにして窓抜きさせるものである。このずらし作用は、ブラシローラ36の回転速度と棒ローラ38a、38bの回転速度を変えることによってなされる。たとえば、ブラシローラ36の回転速度(周速度)を1000(mm/sec)とし、棒ローラ38a、38bの回転速度(周速度)を200(mm/sec)とすると、層間スペーサ60の本体部分60aがブラシローラ36によって引き込まれて先送りされるのに対して、窓部分60bについては棒ローラ38a、38bによるブレーキ作用が作用し、本体部分60aに対して窓部分60bがずれ、本体部分60aから窓部分60bが外れて分離される。
【0021】
図6では、本体部分60aが次のブラシローラ36によって引き込まれて直進するのに対して、窓部分60bはブラシローラ36に対して周速度が遅い棒ローラ38aが抵抗となって層間スペーサ60の進行方向に対して後ろ側にずらされる。これによって窓部分60bが本体部分60aから外れ、窓部分60bが棒ローラ38a、38bの間から落下する。
このずらし作用は、ブラシローラ36と棒ローラ38a、38bの周速度の差が大きいほど顕著に表れる。本実施形態の分離装置ではブラシローラ36を回転駆動する駆動モータ44と棒ローラ38を回転駆動する駆動モータ40とを別個に設け、駆動モータ40、44を個別に制御する制御部によりブラシローラ36と棒ローラ38a、38bの回転速度を適宜調節可能となっている。
【0022】
なお、図5、6に示すように、ずらし作用におけるブラシローラ36と棒ローラ38a、38bの配置は、たわみ作用におけるブラシローラ36と棒ローラ38a、38bの配置と同じであり、層間スペーサ60に対しては、ずらし作用と同時にたわみ作用も作用する。実際には、ブラシローラ36と棒ローラ38a、38bの配置および回転速度の設定によって、たわみ作用とずらし作用の寄与分が変化することになる。
【0023】
図7は、層間スペーサ60の本体部分60aから窓部分60bを分離する他の方法として、ブラシローラ36によるはじき作用を利用して窓抜きする方法を示す。はじき作用によって窓抜きする場合は、棒ローラ38a、38bのうちの一つをブラシローラ36の直下位置に配置し、ブラシローラ36をその直下に配置した棒ローラの外周面に押し当てるように配置する。
このようにブラシローラ36と棒ローラ38a、38bを配置すると、ブラシローラ36に窓部分60bが進入しようとする際にブラシが窓部分60bに押し当たり、この作用が窓部分60bに対し抵抗として作用して窓部分60bを後ろ側にずらすようにする。そして、棒ローラ38bから窓部分60bが抜け出ようとするときには、ブラシの弾発力によって窓部分60bがはじかれて本体部分60aから外れて分離する。
【0024】
このはじき作用を利用する場合は、ブラシローラ36のブラシを層間スペーサ60にある程度押し当てるようにする必要があるが、押し当て量が大きすぎると層間スペーサ60に作用する抵抗が大きくなって層間スペーサ60が搬送できなくなる。押し当て量としては2mm程度がよい。
はじき作用は窓部分60bの大きさが大きい製品に適用して有効であり、ずらし作用と併用することで効果的となる。
【0025】
図8、9は、窓抜き作用として利用するさらに他の方法で、層間スペーサ60に衝撃をあたえて窓部分60bを分離させる方法である。衝撃作用は、ブラシローラ36から抜け出た層間スペーサ60に対して衝撃を与えて窓部分60bを本体部分60aから分離させる作用である。
衝撃作用は、ブラシローラ36と棒ローラ38a、38bとからなるユニットの隣接間隔を広くあける部位をつくり、ブラシローラ36を抜け出た層間スペーサ60の端部が、層間スペーサ60のたわみがもとに戻る際の弾発力によって中間ローラ39に当たるようにする。この衝撃作用によれば、層間スペーサ60が中間ローラ39に叩きつけられることにより、本体部分60aから窓部分60bが分離される。図8は、ブラシローラ36から抜け出た層間スペーサ60の端部が中間ローラ39に当たって衝撃を与える場合で、図9は、隣接するブラシローラ36に挟まれた中間で層間スペーサ60が上下動することによって衝撃が与えられる場合である。この衝撃作用は窓部分60bの大小にかかわらず有効である。
【0026】
原反から個片に層間スペーサ60を分離し、層間スペーサ60の窓部分60bを窓抜きする分離装置は、前述したたわみ作用を基本とし、ずらし作用、はじき作用、衝撃作用を併用することにより、さまざまな品種、サイズの層間スペーサ60について、窓部分の大小によらず、窓部分の抜き残りをなくし、効率的に窓抜きすることが可能となる。
図10は、上述した、たわみ作用、ずらし作用、はじき作用、衝撃作用を組合せて構成したブラシローラ36および棒ローラ38a、38bの配置例を示す。
同図でP1はたわみ・ずらし作用、P2ははじき作用、P3は衝撃作用を作用させるユニットを示す。たわみ・ずらし作用はブラシローラ36と棒ローラ38a、38bの回転速度のかねあいによることから、図10ではたわみ・ずらし作用として示している。
図10に示す実施形態では、たわみ・ずらし作用、はじき作用、衝撃作用を組合せて構成しているが、これらの、たわみ・ずらし作用、はじき作用、衝撃作用については、製品に応じて適宜選択して組み合わせて使用することができる。
【0027】
本実施形態の層間スペーサ60はリードフレームを積み重ねて収納する際に使用するものであるが、本発明に係る層間スペーサの製造装置は、リードフレームに限らず、窓抜き部分を備えたスペーサについてはまったく同様に適用することができる。また、層間スペーサの外形寸法や、窓部分の大きさ、層間スペーサの材質等にかかわらず、種々の製品に適用することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明に係る層間スペーサの製造装置によれば、上述したように、型抜きされた原反から個片に層間スペーサを分離し、層間スペーサから窓抜きする作業を完全自動化したことによって、層間スペーサを製造する作業をきわめて効率化することが可能となった。とくに本発明に係る層間スペーサの製造装置では、層間スペーサをたわませて搬送するユニットを設けたことにより、窓抜き作業を確実に行うことが可能であり、さらに、ずらし作用、はじき作用、衝撃作用を併用することによってさらに確実に窓抜きすることが可能となる。また、層間スペーサを折り曲げたりすることなく窓抜きすることから、層間スペーサが変形せず、高品質の層間スペーサとして得ることができる等の著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】層間スペーサの製造装置の一実施形態の全体構成を示す正面図である。
【図2】層間スペーサの製造装置の一実施形態の全体構成を示す平面図である。
【図3】層間スペーサの製造装置の一実施形態の全体構成を示す側面図である。
【図4】層間スペーサの製造装置におけるブラシローラと棒ローラの配置を示す説明図である。
【図5】たわみ作用によって窓抜きする方法を示す説明図である。
【図6】ずらし作用によって窓抜きする方法を示す説明図である。
【図7】はじき作用によって窓抜きする方法を示す説明図である。
【図8】衝撃作用によって窓抜きする方法を示す説明図である。
【図9】衝撃作用によって窓抜きする方法を示す説明図である。
【図10】たわみ・ずらし作用、はじき作用、衝撃作用を組み合わせた分離装置の構成を示す説明図である。
【図11】層間スペーサの例を示す説明図である。
【図12】層間スペーサを型抜きした原反の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 層間スペーサ
12 窓
14、20 原反
28 搬送コンベア
30 袋
32 引き込みコンベア
34 誘い込みローラ
36 ブラシローラ
38、38a、38b 棒ローラ
39 中間ローラ
40、44 駆動モータ
50 スペーサ収納箱
52 シュータ
54 調節ハンドル
60 層間スペーサ
60a 本体部分
60b 窓部分
【発明の属する技術分野】
本発明はリードフレームを積み重ねて収納する際に使用する層間スペーサの製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
短冊状に形成されたリードフレームを搬送等する際に、トレイに多数枚のリードフレームを積み重ねて収納し、トレイごとリードフレームを搬送することが従来から行われている。リードフレームを積み重ねてトレイ等に収納する場合に、リードフレームをじかに積み重ねて収納することもあるが、リードフレームに傷をつけず、リードフレームが簡単に分離できるようにするため、積み重ねるリードフレームの間に層間スペーサを挟んで積み重ねるようにする場合がある。
【0003】
層間スペーサはリードフレームの形状に合わせていろいろなものが使用される。図11は層間スペーサ10の一例を示すもので、リードフレームと同一の短冊状に形成され、リードフレームのパッド部に対応する部位に窓12が形成されているものである。層間スペーサ10に窓12を形成しているのは、リードフレームのパッド部分がリードフレーム面よりも下方に突出しているため、窓12によってこのパッド部分を逃がすようにするためである。このように、パッド部分がリードフレーム面から突出している製品の場合は、窓12を設けることによって、層間スペーサとリードフレームとを隙間なく積み重ねることができる。なお、層間スペーサの材料には一般に紙が使用されるが、発泡ポリエチレン等の樹脂材も使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような窓12を設けた層間スペーサを形成する場合、従来は、図12に示すように、大判の原反14(層間スペーサを作成する材料)を裁断機にかけて、層間スペーサの外形形状と窓の形状に合わせて型抜きした後、原反14から層間スペーサ10を個片に分離し、窓部分を抜いて層間スペーサ10としている。
大判の原反から層間スペーサ10を個片に分離し、窓部分を取り除く作業は従来は人手によっており、窓部分を抜く操作は個片にした層間スペーサを重ねてたたくといった作業によっている。このため、従来は原反から層間スペーサを得る作業がきわめて非効率であり、手間がかかるとともに、作業時に層間スペーサが曲がってしまうという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、より効率的に層間スペーサを製造することを可能とすべくなされたものであり、型抜きされた原反から層間スペーサを1枚ごとに分離する作業と窓抜き作業を自動化し、層間スペーサの製造効率を向上させ、また、窓部分の抜き残りや層間スペーサの変形を防止して、高品質の層間スペーサを製造することができる層間スペーサの製造装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、層間スペーサの本体部分と窓部分の形状に合わせて型抜きされた原反から、個片に層間スペーサを分離するとともに、前記本体部分から窓部分を窓抜きする分離装置を備えた層間スペーサの製造装置において、前記分離装置に、前記層間スペーサの送り方向とは直交する方向を長手方向として、所定間隔をあけて配置されたブラシローラと、該ブラシローラの下方に該ブラシローラと平行に相互に間隔をあけて配置された2本の棒ローラとからなるユニットを並列に複数個配置し、前記ブラシローラと前記棒ローラとを回転駆動し、前記ブラシローラと前記棒ローラとの間に前記層間スペーサを挟んで搬送する際に、層間スペーサをたわませて前記本体部分から前記窓部分を分離させる駆動機構を設けたことを特徴とする。
【0007】
また、前記駆動機構に、ブラシローラの周速度と棒ローラの周速度を個別に制御する制御部を設け、前記ブラシローラと前記棒ローラとの間に層間スペーサを挟んで搬送する際に、層間スペーサの本体部分から窓部分をずらして分離可能とすべく、前記制御部により前記ブラシローラの周速度が前記棒ローラの周速度を上回るように設定したことを特徴とする。
また、前記ブラシローラの直下に、ブラシローラが外周面に押接される配置に棒ローラを設け、前記ブラシローラと前記棒ローラとの間に層間スペーサを挟んで搬送する際に、前記ブラシローラにより層間スペーサの本体部分から窓部分をはじいて分離するユニットを設けたことを特徴とする。
また、前記ブラシローラと棒ローラとからなるユニット間に、当該ユニット間を層間スペーサが通過する際に層間スペーサのたわみが戻ることによって層間スペーサが当たり、層間スペーサの本体部分から窓部分を分離させる中間ローラを設けたことを特徴とする。
また、前記分離装置の前段に、原反を層間スペーサの本体部分と窓部分の形状に合わせて型抜きする裁断機を設け、該裁断機から前記分離装置に型抜き後の原反を送り込む、送り機構を設けたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について添付図面にしたがって詳細に説明する。
図1、2、3は層間スペーサの製造装置の一実施形態の構成を示す正面図、平面図、側面図である。図1でA部は原反を所定の形状に抜き加工する裁断機、B部は抜き加工された原反を個片の層間スペーサに分離するとともに、原反から窓部を抜く処理を行う分離装置である。
本実施形態の層間スペーサの製造装置は、1m×0.4mといった大判の紙製の原反20を使用して層間スペーサを製造する装置であり、裁断機Aでこの原反20を所定の形状に抜き加工した後、分離装置Bで個片の窓抜きされた層間スペーサとする。
【0009】
裁断機Aは原反20を所定形状に型抜き加工するものであり、従来の型抜き加工する裁断機とその構成が変わるものではない。
図1で、22a、22bは抜き加工した原反20の枠部分を排出方向へ導くスロープ、24は原反20の枠部を排出方向へ引き出すための誘い込みローラ、26は原反20の外枠を細片に切断するための外枠カッターである。裁断機Aで所定形状に型抜きされた原反20は、搬送コンベア28によって搬送され、原反20の外枠部分はスロープ22a、22bにより下向きにガイドされて送り出され、誘い込みローラ24によって引き出され、外枠カッター26により細片に裁断されて袋30に収納される。
【0010】
一方、原反20から外枠部分が取り除かれた層間スペーサは、引き込みコンベア32によって分離装置Bへ送り出される。34はスペーサ誘い込みローラであり、搬送コンベア28によって誘い込みローラ34の位置まで送り出された層間スペーサは、誘い込みローラ34と引き込みコンベア32に挟まれて分離装置側へ送られる。引き込みコンベア32および誘い込みローラ34は原反20を分離装置に送り込む、送り込み機構を構成する。
【0011】
本実施形態の層間スペーサの製造装置において特徴的な構成は、分離装置Bの構成にある。すなわち、分離装置Bは、図1、2に示すように、層間スペーサの送り方向とは直交する方向を長手方向として、複数本のブラシローラ36を所定間隔をあけて並列に配置し、各々のブラシローラ36の下方にブラシローラ36と平行に2本の棒ローラ38を配置したものである。棒ローラ38は、層間スペーサがブラシローラ36と棒ローラ38とに挟まれて先送りされるように、ブラシローラ36の周面位置に近接して配置される。
【0012】
図1で、40は棒ローラ38を回転駆動させる駆動モータである。駆動モータ40と各々の棒ローラ38とはベルト42を介して連繋され、駆動モータ40によって各々の棒ローラ38が回転駆動される。棒ローラ38の回転方向は層間スペーサを図の右方向へ移動させる向きである。
図3で、44はブラシローラ36を回転駆動する駆動モータである。ブラシローラ36の端部には各々歯車46が設けられ、各々の歯車46には駆動モータ44によって回転駆動される中間ギア48が一つずつ連繋している。中間ギア48は駆動モータ44によって一括して回転駆動され、これによってすべてのブラシローラ36が回転駆動される。ブラシローラ36の回転方向は層間スペーサを先送りする向きである。
駆動モータ40、ベルト42および駆動モータ44、中間ギヤ48等が棒ローラ38とブラシローラ36を駆動する駆動機構を構成するが、これらの駆動機構の構成は本実施形態の構成に限定されるものではない。また、場合によっては、棒ローラ38とブラシローラ36を駆動する駆動源を共通にすることも可能である。
【0013】
前述したように、層間スペーサはブラシローラ36と棒ローラ38とによって挟まれながら先送りされる際に、窓部分が層間スペーサから脱落し、窓部分があけられた層間スペーサが分離装置の端部に設けられたスペーサ収納箱50に収納される。51は、ブラシローラ36と棒ローラ38とから送り出された層間スペーサをスペーサ収納箱50にガイドするための滑り台である。
ブラシローラ36と棒ローラ38とによって抜かれた窓部分は隣接する棒ローラ38の中間部分から下方に落下し、袋30に収納される。52は層間スペーサから脱落した窓部分を袋30に導入するためのシュータである。袋30はシュータ52の排出口に袋口を取り付けて設けられ、シュータ52に落下した層間スペーサの窓部分等はすべて袋30に収納される。
【0014】
図3で、54はブラシローラ36の高さを調節する調節ハンドルである。層間スペーサはブラシローラ36と棒ローラ38とに挟まれて先送りされる際に窓部分が取り除かれる。層間スペーサは紙の材質等によって曲げやすさや硬さがまちまちであったりするから、層間スペーサの窓部分が確実に脱落するようにブラシローラ36と棒ローラ38との挟圧力(間隔)を調節する必要がある。調節ハンドル54はブラシローラ36と棒ローラ38との間隔を調節するために設けているものである。
【0015】
本実施形態の層間スペーサの製造装置は、ブラシローラ36と棒ローラ38との間に層間スペーサを挟んで移動させることにより、原反20から層間スペーサを個片に分離するとともに層間スペーサから窓部分を除去するようにしたことが特徴である。
図4は分離装置におけるブラシローラ36と棒ローラ38の全体的な配置を示し、図5はブラシローラ36と棒ローラ38の配置を拡大して示す。図4に示すように、本実施形態の層間スペーサの製造装置では、1つのブラシローラ36に対して2つの棒ローラ38a、38bを組み合わせたものを1ユニットとし、このユニットを並列に10個配置している。39は隣接するユニット間に1つずつ配置した中間ローラである。この中間ローラ39はユニット間で層間スペーサを支持して先送りする作用をなす。
【0016】
ブラシローラ36と棒ローラ38a、38bの1ユニットにおける窓抜き作用は、、ブラシローラ36と棒ローラ38a、38bとの間を層間スペーサが通過する際に層間スペーサがたわみ、このときの層間スペーサの本体部分のたわみ方と、窓部分のたわみ方が相違することを利用するものである。
図5はブラシローラ36と棒ローラ38a、38bとの間に層間スペーサ60が進入し、層間スペーサ60がたわんで窓部分60bが本体部分60aから分離する様子を示している。層間スペーサ60はその長手方向の向きに搬送され、層間スペーサ60の本体部分60aは、ブラシローラ36と棒ローラ38a、38bとに挟まれた際に簡単に湾曲するのに対し、窓部分60bは本体部分60aよりも小さいから本体部分60aにくらべて湾曲しにくく、その湾曲度の相違によって本体部分60aから窓部分60bが分離する。すなわち、本体部分60aは湾曲しながらそのまま先送りされるのに対して、窓部分60bは抜き線位置で本体部分60aから外れるようになる。
【0017】
ブラシローラ36と棒ローラ38a、38bとに挟まれた際に層間スペーサ60がたわむようにするため、本実施形態では、棒ローラ38a、38bの中間位置でブラシローラ36の外周面の位置が棒ローラ38a、38bの外周面の位置よりも1mm程度低位となるようにし、棒ローラ38a、38bの中間位置でブラシローラ36を若干落とし込むようにした。また、本実施形態では、棒ローラ38a、38bの外面の対向間隔を18mmとしている。窓部分60bはこの2本の棒ローラ38a、38bの間の隙間部分から落下する。
【0018】
本実施形態の装置では、1つのブラシローラ36と2つの棒ローラ38a、38bとからなるユニットを並列に10個配置し、層間スペーサ60をたわませて窓抜きする作用が繰り返し行われるようにすることにより、層間スペーサ60が分離装置を通過した際に確実に窓抜きされるようにしている。もちろん、ブラシローラ36と2つの棒ローラ38a、38bとのユニットの配置数は適宜設定することができる。
なお、本実施形態ではブラシローラ36を使用して層間スペーサ60を搬送させているが、層間スペーサ60を搬送させるローラとしてブラシローラを使用すると、窓抜きされた窓部分60bがブラシローラ側に付着せず、好適に窓抜きすることができる。また、ブラシはその弾性によって窓部分60bを突き落とすようにも作用し、窓抜き作用に有効に使用できる。
【0019】
以上のたわみ作用を利用して層間スペーサ60から窓部分60bを抜く作用は、層間スペーサ60と窓部分60bのたわみ量の差が大きい場合、すなわち窓部分のスペースが小さい場合、より正確には層間スペーサの窓部分60bの搬送方向の辺の長さが短い場合に有効に作用する。本実施形態の装置では層間スペーサの搬送方向の辺の長さが15mm以下の場合に有効であった。
これに対して、窓部分60bが比較的大きな場合、いいかえれば層間スペーサ60の窓部分60bの搬送方向の辺の長さが長いと、本体部分60aと同じように窓部分60bがブラシローラ36と棒ローラ38a、38bによるたわみ部分をそのまま通過して抜き落としできない場合がある。
【0020】
このような場合には、ずらし作用を利用することによって窓抜きすることができる。
図6にずらし作用による窓抜き作用を示す。ずらし作用は層間スペーサ60の本体部分60aに対して、窓部分60bをずらすようにして窓抜きさせるものである。このずらし作用は、ブラシローラ36の回転速度と棒ローラ38a、38bの回転速度を変えることによってなされる。たとえば、ブラシローラ36の回転速度(周速度)を1000(mm/sec)とし、棒ローラ38a、38bの回転速度(周速度)を200(mm/sec)とすると、層間スペーサ60の本体部分60aがブラシローラ36によって引き込まれて先送りされるのに対して、窓部分60bについては棒ローラ38a、38bによるブレーキ作用が作用し、本体部分60aに対して窓部分60bがずれ、本体部分60aから窓部分60bが外れて分離される。
【0021】
図6では、本体部分60aが次のブラシローラ36によって引き込まれて直進するのに対して、窓部分60bはブラシローラ36に対して周速度が遅い棒ローラ38aが抵抗となって層間スペーサ60の進行方向に対して後ろ側にずらされる。これによって窓部分60bが本体部分60aから外れ、窓部分60bが棒ローラ38a、38bの間から落下する。
このずらし作用は、ブラシローラ36と棒ローラ38a、38bの周速度の差が大きいほど顕著に表れる。本実施形態の分離装置ではブラシローラ36を回転駆動する駆動モータ44と棒ローラ38を回転駆動する駆動モータ40とを別個に設け、駆動モータ40、44を個別に制御する制御部によりブラシローラ36と棒ローラ38a、38bの回転速度を適宜調節可能となっている。
【0022】
なお、図5、6に示すように、ずらし作用におけるブラシローラ36と棒ローラ38a、38bの配置は、たわみ作用におけるブラシローラ36と棒ローラ38a、38bの配置と同じであり、層間スペーサ60に対しては、ずらし作用と同時にたわみ作用も作用する。実際には、ブラシローラ36と棒ローラ38a、38bの配置および回転速度の設定によって、たわみ作用とずらし作用の寄与分が変化することになる。
【0023】
図7は、層間スペーサ60の本体部分60aから窓部分60bを分離する他の方法として、ブラシローラ36によるはじき作用を利用して窓抜きする方法を示す。はじき作用によって窓抜きする場合は、棒ローラ38a、38bのうちの一つをブラシローラ36の直下位置に配置し、ブラシローラ36をその直下に配置した棒ローラの外周面に押し当てるように配置する。
このようにブラシローラ36と棒ローラ38a、38bを配置すると、ブラシローラ36に窓部分60bが進入しようとする際にブラシが窓部分60bに押し当たり、この作用が窓部分60bに対し抵抗として作用して窓部分60bを後ろ側にずらすようにする。そして、棒ローラ38bから窓部分60bが抜け出ようとするときには、ブラシの弾発力によって窓部分60bがはじかれて本体部分60aから外れて分離する。
【0024】
このはじき作用を利用する場合は、ブラシローラ36のブラシを層間スペーサ60にある程度押し当てるようにする必要があるが、押し当て量が大きすぎると層間スペーサ60に作用する抵抗が大きくなって層間スペーサ60が搬送できなくなる。押し当て量としては2mm程度がよい。
はじき作用は窓部分60bの大きさが大きい製品に適用して有効であり、ずらし作用と併用することで効果的となる。
【0025】
図8、9は、窓抜き作用として利用するさらに他の方法で、層間スペーサ60に衝撃をあたえて窓部分60bを分離させる方法である。衝撃作用は、ブラシローラ36から抜け出た層間スペーサ60に対して衝撃を与えて窓部分60bを本体部分60aから分離させる作用である。
衝撃作用は、ブラシローラ36と棒ローラ38a、38bとからなるユニットの隣接間隔を広くあける部位をつくり、ブラシローラ36を抜け出た層間スペーサ60の端部が、層間スペーサ60のたわみがもとに戻る際の弾発力によって中間ローラ39に当たるようにする。この衝撃作用によれば、層間スペーサ60が中間ローラ39に叩きつけられることにより、本体部分60aから窓部分60bが分離される。図8は、ブラシローラ36から抜け出た層間スペーサ60の端部が中間ローラ39に当たって衝撃を与える場合で、図9は、隣接するブラシローラ36に挟まれた中間で層間スペーサ60が上下動することによって衝撃が与えられる場合である。この衝撃作用は窓部分60bの大小にかかわらず有効である。
【0026】
原反から個片に層間スペーサ60を分離し、層間スペーサ60の窓部分60bを窓抜きする分離装置は、前述したたわみ作用を基本とし、ずらし作用、はじき作用、衝撃作用を併用することにより、さまざまな品種、サイズの層間スペーサ60について、窓部分の大小によらず、窓部分の抜き残りをなくし、効率的に窓抜きすることが可能となる。
図10は、上述した、たわみ作用、ずらし作用、はじき作用、衝撃作用を組合せて構成したブラシローラ36および棒ローラ38a、38bの配置例を示す。
同図でP1はたわみ・ずらし作用、P2ははじき作用、P3は衝撃作用を作用させるユニットを示す。たわみ・ずらし作用はブラシローラ36と棒ローラ38a、38bの回転速度のかねあいによることから、図10ではたわみ・ずらし作用として示している。
図10に示す実施形態では、たわみ・ずらし作用、はじき作用、衝撃作用を組合せて構成しているが、これらの、たわみ・ずらし作用、はじき作用、衝撃作用については、製品に応じて適宜選択して組み合わせて使用することができる。
【0027】
本実施形態の層間スペーサ60はリードフレームを積み重ねて収納する際に使用するものであるが、本発明に係る層間スペーサの製造装置は、リードフレームに限らず、窓抜き部分を備えたスペーサについてはまったく同様に適用することができる。また、層間スペーサの外形寸法や、窓部分の大きさ、層間スペーサの材質等にかかわらず、種々の製品に適用することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明に係る層間スペーサの製造装置によれば、上述したように、型抜きされた原反から個片に層間スペーサを分離し、層間スペーサから窓抜きする作業を完全自動化したことによって、層間スペーサを製造する作業をきわめて効率化することが可能となった。とくに本発明に係る層間スペーサの製造装置では、層間スペーサをたわませて搬送するユニットを設けたことにより、窓抜き作業を確実に行うことが可能であり、さらに、ずらし作用、はじき作用、衝撃作用を併用することによってさらに確実に窓抜きすることが可能となる。また、層間スペーサを折り曲げたりすることなく窓抜きすることから、層間スペーサが変形せず、高品質の層間スペーサとして得ることができる等の著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】層間スペーサの製造装置の一実施形態の全体構成を示す正面図である。
【図2】層間スペーサの製造装置の一実施形態の全体構成を示す平面図である。
【図3】層間スペーサの製造装置の一実施形態の全体構成を示す側面図である。
【図4】層間スペーサの製造装置におけるブラシローラと棒ローラの配置を示す説明図である。
【図5】たわみ作用によって窓抜きする方法を示す説明図である。
【図6】ずらし作用によって窓抜きする方法を示す説明図である。
【図7】はじき作用によって窓抜きする方法を示す説明図である。
【図8】衝撃作用によって窓抜きする方法を示す説明図である。
【図9】衝撃作用によって窓抜きする方法を示す説明図である。
【図10】たわみ・ずらし作用、はじき作用、衝撃作用を組み合わせた分離装置の構成を示す説明図である。
【図11】層間スペーサの例を示す説明図である。
【図12】層間スペーサを型抜きした原反の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 層間スペーサ
12 窓
14、20 原反
28 搬送コンベア
30 袋
32 引き込みコンベア
34 誘い込みローラ
36 ブラシローラ
38、38a、38b 棒ローラ
39 中間ローラ
40、44 駆動モータ
50 スペーサ収納箱
52 シュータ
54 調節ハンドル
60 層間スペーサ
60a 本体部分
60b 窓部分
Claims (5)
- 層間スペーサの本体部分と窓部分の形状に合わせて型抜きされた原反から、個片に層間スペーサを分離するとともに、前記本体部分から窓部分を窓抜きする分離装置を備えた層間スペーサの製造装置において、
前記分離装置に、
前記層間スペーサの送り方向とは直交する方向を長手方向として、所定間隔をあけて配置されたブラシローラと、該ブラシローラの下方に該ブラシローラと平行に相互に間隔をあけて配置された2本の棒ローラとからなるユニットを並列に複数個配置し、
前記ブラシローラと前記棒ローラとを回転駆動し、前記ブラシローラと前記棒ローラとの間に前記層間スペーサを挟んで搬送する際に、層間スペーサをたわませて前記本体部分から前記窓部分を分離させる駆動機構を設けたことを特徴とする層間スペーサの製造装置。 - 駆動機構に、ブラシローラの周速度と棒ローラの周速度を個別に制御する制御部を設け、
前記ブラシローラと前記棒ローラとの間に層間スペーサを挟んで搬送する際に、層間スペーサの本体部分から窓部分をずらして分離可能とすべく、前記制御部により前記ブラシローラの周速度が前記棒ローラの周速度を上回るように設定したことを特徴とする請求項1記載の層間スペーサの製造装置。 - ブラシローラの直下に、ブラシローラが外周面に押接される配置に棒ローラを設け、前記ブラシローラと前記棒ローラとの間に層間スペーサを挟んで搬送する際に、前記ブラシローラにより層間スペーサの本体部分から窓部分をはじいて分離するユニットを設けたことを特徴とする請求項1または2記載の層間スペーサの製造装置。
- ブラシローラと棒ローラとからなるユニット間に、当該ユニット間を層間スペーサが通過する際に層間スペーサのたわみが戻ることによって層間スペーサが当たり、層間スペーサの本体部分から窓部分を分離させる中間ローラを設けたことを特徴とする請求項1、2または3記載の層間スペーサの製造装置。
- 分離装置の前段に、原反を層間スペーサの本体部分と窓部分の形状に合わせて型抜きする裁断機を設け、
該裁断機から前記分離装置に型抜き後の原反を送り込む、送り機構を設けたことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の層間スペーサの製造装置。
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