JP3702198B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波診断装置に関し、特に心臓の断層画像上において左室を抽出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、医療分野では超音波診断が広く利用されている。特に心臓のエコー検査は心臓の疾病診断上有用であり、その検査方法として、心臓の断層をいわゆるBモード画像(二次元断層画像)として表示するものが知られている。従来の超音波診断装置の中には、心機能を計測するモードをもったものがある。かかる超音波診断装置においては、Bモード画像に対して、例えば二値化処理及び輪郭抽出がなされ、これにより心腔部分がBモード画像から抽出される。そして、抽出された画像を分析することにより、心機能に関する情報が取得される。具体的には、各フレームのBモード画像上において左室が抽出され、例えば、左室の面積や体積の時間変化がグラフ表示される。これは心筋梗塞などの疾病診断に役立てられる。ちなみに、特開平9−253085号公報には関連する技術が開示されている。
【0003】
従来、左室の抽出においては、例えば心臓の拡張末期のBモード画像をフリーズした状態において、左室部分を囲む関心領域(ROI)が設定される。このような関心領域を設定することにより、各フレームのBモード画像において、感度が低い部分で左室の輪郭がとぎれ、領域抽出処理が外方向へ発散してしまう問題を防止し、また、僧帽弁を介して左室に連接する左房の全体まで領域抽出処理が及んでしまう問題を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特に心臓の収縮時において、心臓のねじれ運動や並進運動もあって、関心領域内に左房の一部あるいは大部分が進入してくる問題があり、この点について上記従来技術では解決できなかった。すなわち、かかる部分まで画像処理の際に左室領域として抽出されてしまうと過大評価がなされ、正確な疾病診断を行えないおそれがあった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、超音波画像に含まれる特定領域を精度よく抽出することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、左室を左房から切り離して領域抽出を行えるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る超音波診断装置は、注目領域と隣接領域とが連接してなる心腔領域を含む一連の超音波画像列を形成する画像形成手段と、前記一連の超音波画像列において各フレームの超音波画像に対して、心臓の周期的運動に追従させて、前記注目領域と前記隣接領域とを分離する分離ラインを設定する設定手段と、前記各フレームの超音波画像ごとに、前記分離ラインによって分離された前記注目領域を抽出する抽出手段と、を含み、前記設定手段は、分離ラインを移動刻みΔEで平行移動させることによって、心臓の周期的運動に追従させて分離ラインを設定する、ことを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、一連の超音波画像列は時間軸方向に並んだ複数の超音波画像であり、それらは動画像を構成する。各フレームの超音波画像ごとに分離ラインが心臓の周期的運動に追従して設定され、各フレームごとに注目領域と隣接領域を適応的に分離できるので、その分離ラインの一方側(注目領域側)を領域抽出の対象とすることによって、注目領域の抽出精度を高められる。
【0009】
好適な態様では、前記超音波診断装置は、前記一連の超音波画像列における各フレームの超音波画像に対して、前記注目領域を包含する所定形状を備えた関心領域を設定する関心領域設定手段を含み、前記抽出手段は、血流部分とそれ以外の部分とに分別された二値化画像と、前記分離ラインの上側の部分と下側の部分とに分別された上下判別画像と、前記関心領域の内部とそれ以外の部分とに分別された内外判別画像と、に基づいて、前記関心領域内であって前記分離ラインの一方側の領域に属する血流部分を前記注目領域として抽出する、ことを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、関心領域内且つ分離ラインの一方側の領域として注目領域の抽出処理範囲が規定される。よって、単に関心領域のみを設定する場合に比べて、注目領域の抽出処理範囲をより的確に設定できる。
【0011】
また別の態様では、前記超音波診断装置は、前記分離ラインの周期的運動の条件をユーザ設定するための入力する手段を含み、前記設定手段は、前記ユーザ設定された周期的運動の条件に従って、前記各フレームの超音波画像ごとに前記分離ラインを設定することを特徴とする。望ましくは、前記超音波診断装置は、心臓の周期的運動を示す生体信号を測定する測定器からの生体信号が入力される生体信号入力部を備え、前記設定手段は、前記生体信号に従って前記各フレームの超音波画像ごとに前記分離ラインを設定する。
【0012】
【本発明の実施の形態】
図1及び図2を用いて本実施形態に係る画像処理の原理を説明する。
【0013】
図1(A)には、心臓の拡張末期における左室100及び左房102が連接してなる心腔領域104を表すBモード画像が示されている。心壁111の内側は心内膜(左室の輪郭)106であり、符号108は心外膜を示している。図1(B)には、心臓の収縮末期における上記と同じ心腔領域104を示すBモード画像が示されている。なお、図1(A)及び図1(B)において、X軸は表示座標系における水平方向であり、Y軸は表示座標系における垂直軸である。
【0014】
周知のように、心腔領域104内には血液が満たされ、当該領域では比較的エコーデータの値が小さいため、Bモード画像上で心腔領域104は概ね暗く表現される。一方、心壁111は、心腔領域104に比べて輝度値は比較的高い。特に、左室100と左房102の間にある僧帽弁110のつけね(根本)は、Bモード画像上において、かなり輝度が高いことが知られている。よって、Bモード画像を観察する上で、その高輝度部分を特定するのは容易であり、後述する分離ラインの設定に当たって、その高輝度部分を画像上の目安とすることができる。
【0015】
関心領域(ROI)112は、左室100の抽出処理範囲を定める公知のものであり、例えば、心臓の拡張末期における(フリーズされた)Bモード画像上において、ユーザーによって設定される。このROI112は、例えば楕円形状を有し、本実施形態では、各フレームの超音波画像に対して、共通の位置及び形状でROI112が設定されるが、各フレームごとにそれを動的に変動させてもよい。左室100は半楕円形状、ハート形状、砲弾形状といった形態を有しており、左室100の形状とROI112の形状の関係から、心臓時相にもよるが、左房102の全部又は一部がROI112内に取り込まれる。例えば、ROI112内に左房102が取り込まれ、その場合において、左室100の領域抽出処理が僧帽弁110を越えて左房102内へ進行した場合には、ROI112内に入り込んだ左房領域が左室としてみなされ、それも一緒に抽出されてしまう可能性がある。
【0016】
そこで、本実施形態においては、各フレームのBモード画像ごとに、ROI112に加えて、それを横断する分離ライン114が設定される。例えば図1(A)のように、この分離ライン114は、左室100と左房102とを分離する直線であって、僧帽弁110を横から跨ぐように設定される。結果として、楕円形状のROI112を横方向から切断するような位置関係で分離ライン114が設定される。この分離ライン114は、ROI112内の領域を分割し、その一方側のみを領域抽出処理として制限するための分割線に相当する。
【0017】
このROI112を各フレームのBモード画像上に自動設定するため、本実施形態においては、分離ライン114についての初期設定及びパラメータ登録がなされる。
【0018】
まず、分離ライン114の初期設定時においては、例えば、心臓の拡張末期において、その時点でのフリーズされたBモード画像上を観察することによって、目視判断によって図1(A)のように分離ライン114がユーザー設定される。このユーザ設定によって、例えば、分離ライン114の初期位置を決定するパラメータである基準点P(X1、Y1)と分離ラインの傾きαとが登録される。基準点Pは、例えば、前述した高輝度の位置(僧帽弁の一方のつけね上)に登録され、傾きαは、ここではYの増分に対するXの増分としての意味を有し、その基準点Pを通る直線の傾きとして登録される。
【0019】
次に、心臓の動きに追従して、分離ライン114が各フレームごとに適応的に設定されるようにするため、必要な幾つかのパラメータがユーザー設定される。本実施形態においては、分離ラインは、演算簡略化のため、前記心臓周期運動に応じて傾き不変の平行移動を行うものとして構成されており、必要なパラメータは、例えば、拡張末期から収縮末期までの超音波画像フレーム数N、及び、個々のフレーム間で分離ラインが移動するY軸方向の移動刻みΔEである。
【0020】
フレーム数Nは、Bモード画像のフレームレートから定まる各フレーム間の時間間隔t、及び、拡張末期と収縮末期間の時間T、により定まり、N=T/tの関係がある。ここで図2を用いて、時間Tについて説明する。
【0021】
図2には、心臓の周期運動における一周期の心電波形が示されている。その図において、時間t0におけるピークが左室の拡張末期を表すR波であり、時間t1におけるピークが左室の収縮末期におけるT波である。よって、時間Tは、T=t1−t0と表せる。時間Tはあらかじめ心電波形から求めた値をユーザがマニュアル設定してもよいが、このように、心電計からの心電信号に対するピーク検出などの手法を利用して、自動的に計測するようにしてもよい。
【0022】
図1(B)において、拡張末期の超音波画像と収縮末期の超音波画像との間で、上記高輝度部分などの移動量を特定することによって分離ラインが移動するY軸方向の移動量Eが認定できる。ここで移動量Eは移動方向によらず正とする。移動刻みΔEは、移動量Eと、フレーム数Nと、により定まり、ΔE=E/Nにより求まる。
【0023】
図1(B)には、心臓の収縮末期における心腔領域104のBモード画像が示されている。収縮末期における僧帽弁110の位置等から、拡張末期の分離ライン114−1から収縮末期の分離ライン114−4への移動量Eがユーザーによって入力され、あるいは、自動的に演算される。
【0024】
本実施形態において、移動量Eとフレーム数Nが登録されると、それらから移動刻みΔEが演算される。そして、以下に詳述するように、その移動刻みΔEを用いて、心臓の動きに追従させた分離ラインの自動設定が実現される。ここで、第1番目のフレームを例えば、心臓の拡張末期とした場合は、分離ラインの設定開始タイミングを図2の心電波形のR波と同期させればよい。
【0025】
ここで簡単のためにnが1≦n≦Nの範囲にあるものとする。n番目フレームは拡張末期から収縮末期までの期間に得られたものである。図1(B)において、第n番目フレームにおける分離ライン114−2は、X=α×(Y−Y1)+X1+α×n×ΔEに基づいて生成される。第(n+1)番目フレームにおける分離ライン114−3は、上式中のnをn+1に置き換えた式に基づいて生成され、これはn番目フレームにおける分離ライン114−2を図中、移動刻みΔEで平行移動させたものに対応している。
【0026】
以上のように、各フレームごとに、関心領域の他に分離ライン114が設定されると、各フレームごとに左室の領域抽出処理が実行される。この場合、その領域抽出処理の範囲は、ROI112内であって分離ライン114の上側に制限される。その制限範囲内で、公知の各種手法を利用して左室100の領域抽出がなされる。例えば、領域抽出の手法としては、左室100の中心点あるいは重心点から放射状に多数の検出ラインを仮想的に設定し、各検出ライン上においてエッジ検出を行って内膜106を特定し、各エッジを相互連結する手法をあげることができる。この場合、内膜106が完全に閉ループとなっていないなどのため、領域抽出処理が僧帽弁110を越えて左房102側へ進行しようとしても、その領域抽出は分離ライン114への到達をもって制止される。
【0027】
各フレームの超音波画像上において、左室100の領域抽出がなされると、例えばピクセルカウント値などから左室100の面積が演算され、また、その面積から体積が演算される。そして、時間軸上において面積や面積変化率などを示すグラフが形成される。
【0028】
なお、フレーム数がNを超えて、収縮末期から再び拡張末期(フレーム数2N)に向かう場合は、前記矢印方向とは逆向きに分離ラインを同じ移動刻みΔEで移動させるようにしてもよい。分離ラインが拡張末期の位置までもどると再度矢印方向に分離ラインを移動させ、上記の動作を繰り返すことにより、分離ラインの繰り返し運動を行うようにしてもよい。
【0029】
また、分離ラインの移動刻みは各フレーム間ごとに異ならせてもよい。たとえば、図2の心電波形と各フレーム間での移動刻みの対応表をあらかじめ作成しておいてもよい。また、上述したように僧帽弁のつけねは、一般に画像の輝度が高いことから、拡張末期に関心領域内にある、これら2点を自動的に特定することが可能である。したがって、初期設定時に分離ラインを自動設定するようにしてもよい。また、各フレームごとにこれら2点を高輝度検出手法を利用して自動的に特定し、それらを通過する直線として分離ラインを設定するようにしてもよい。この場合は、各フレームごとの分離ラインの傾きは一般に変化する。さらに、僧帽弁に含まれる複数の点を特定し、それらの点を通る屈曲線を設定するようにしてもよい。
【0030】
次に上記原理が適用された超音波診断装置の構成について説明する。図3は本発明の実施形態に係る超音波診断装置10の全体構成を示す図である。
【0031】
探触子20は超音波の送受波を行うプローブであり、この探触子20には複数の振動素子からなるアレイ振動子が設けられている。このアレイ振動子によって超音波の送受波が行われる。具体的には、アレイ振動子によって超音波ビームが形成され、その超音波ビームが電子走査(例えば、電子セクタ走査、電子リニア走査)される。この電子走査によって二次元のエコーデータ取込領域(いわゆる走査面)が形成される。送信器22は送信ビームフォーマーとして機能し、受信器24は受信ビームフォーマーとして機能する。受信器24からの受信信号(整相加算後の受信信号)はデジタルスキャンコンバータ(DSC)26に入力される。このDSC26は、座標変換機能などを有し、その内部にはフレームメモリ26Aが設けられ、そのフレームメモリ26A上には、画像表示に先立って各フレームのBモード画像がフレーム単位で格納される。
【0032】
なお、本実施形態の装置においては、一連のBモード画像列(数心拍に亘る複数のBモード画像)を格納する大容量メモリとしてのシネメモリを具備しており(図示せず)、そのようなシネメモリに格納された一連のBモード画像列を順次読み出してフレームメモリ26A上に一旦格納し、そこから読み出すことができる。後述する左室領域抽出は、超音波の送受波に合わせてリアルタイムで行われ、あるいは、上記シネメモリから読み出された各フレームのBモード画像に対して実行される。これは初期設定あるいはパラメータ登録に関しても同様である。
【0033】
Bモード画像の画像データは、ラスタースキャン方式に従って、フレームメモリ26Aから読み出され、画像合成部64に出力され、同時に、画像処理部27に出力される。画像処理部27は、Bモード画像に対してノイズ除去を実行するノイズ除去部29及びノイズ除去後の画像を二値化処理して二値化画像を生成する二値化処理部30によって構成される。二値化画像は、低輝度部分(血流部)の画素値が例えば1とされ、それ以外の画素値が例えば0とされた画像である。その二値化画像はマスク処理部36に入力されている。
【0034】
分離ライン演算部14は、各フレームのBモード画像(実施形態では二値化画像)ごとに、分離ラインを自動的に設定する手段である。その場合には、上記のとおり、座標X1、Y1及び傾きαが用いられ、また、移動時間T、移動量E及びフレーム数Nの情報が利用される。それらの各情報は、必要に応じて、ユーザー入力され、あるいは自動的に演算される。ユーザー入力を行う場合にはトラックボール、キーボードなどによって構成される入力部28が用いられる。例えばフレーム数Nや移動量Eなどを計測演算する場合には、リファレンスとして生体信号入力部15を介して心電計17からの心電信号が利用される。なお、入力部28は、関心領域をユーザー設定する場合にも利用される。関心領域は、上記のように所定形状をもった各フレーム共通の領域であり、それによって領域抽出範囲が規定される。いずれにしても、分離ライン演算部14は、各フレームごとに分離ラインを設定し、その座標情報を上下判別画像出力部32及びラインイメージ生成部60へ出力する。
【0035】
上下判別画像出力部は32、各フレームごとに、分離ラインの上側に属する各画素値が1とされ、それ以外の各画素値が0とされた上下判別画像(第1マスク画像)を生成し、それを出力する。ラインイメージ生成部60は、各フレームごとに、分離ラインのラインイメージを生成する。
【0036】
一方、関心領域出力部16は、ユーザー設定された各フレーム共通の関心領域について、その座標情報を出力する回路である。その座標情報は、内外判別画像出力部34及び枠イメージ生成部62に出力されている。内外判別画像出力部34は、各フレームごとに、関心領域の内部の各画素値が1とされ、それ以外の画素値が0とされた内外判別画像(第2マスク画像)を生成し、それを出力する。枠イメージ生成部62は、各フレームごとに、関心領域の外枠をラインとして示す枠イメージを生成する。
【0037】
マスク処理部36は、左室抽出部として機能し、各フレームの二値化画像に対して、上記の上下判別画像による第1マスク処理、同時に、上記の内外判別画像による第2マスク処理を施す。すなわち、各フレームごとに、入力される3つの画像において、画素値がすべて1の画素については、当該画素の出力(画素)値を1とし、それ以外の場合には出力(画素)値を0とする処理を実行する。すると、関心領域内であり、分離直線の上側に属し、血流部である部分だけが抽出され、それが左室画像として画像合成部64へ出力される。
【0038】
線画イメージ生成部58は、各フレームごとに、上記のラインイメージ及び枠イメージを合成して線画イメージを生成し、それを画像合成部64へ出力する。
【0039】
画像合成部64は、各フレームごとに入力されるBモード画像、左室画像、線画イメージを合成し、その合成画像を表示部へ出力する。ここで、左室画像については、左室領域をより明確に表現するためにその部分に着色を施すようにしてもよい。
【0040】
本実施形態において、演算部66は、各フレームごとに左室の面積を演算する機能、フレーム間における左室の面積の変化率を演算する機能、などを有し、更に、例えば面積あるいはその変化率の時間変化を示すグラフを作成する機能を有している。そのグラフのイメージは画像合成部64へ出力され、そのようなグラフも表示部68上に表示される。また、画像合成部64には、心電計17からの心電信号も生体信号入力部15を介して入力されており、必要に応じて、心電波形も超音波画像と一緒に表示される。
【0041】
ちなみに、分離ラインの初期設定時においては、表示部68に、リアルタイムで取得されたあるいは再生された動画像としてのBモード画像が表示される。そして、そのような一連のBモード画像を利用して、上述の各パラメータの設定が行われる。その後、一連のBモード画像が再び繰り返して再生され、あるいは新しい心拍のBモード画像が形成表示され、それらに対して上記の分離ラインを利用した画像処理が逐次実行される。
【0042】
なお、フレームメモリ26Aに格納されるBモード画像を構成する画像データは、上述したように、ラスタースキャン方式に従って読み出され、それに同期して、図3に示した各構成が動作を行っている。また、上記においては、左室抽出について説明したが、左房、右室といった部分に対して上記処理を同様に適用することができる。
【0043】
次に、図4を用いて、図3に示した符号69で示す部分の具体例について詳述する。分離ライン演算部14は、前述したように各フレームのBモード画像(実施形態では二値化画像)ごとに分離ラインを自動的に設定する手段であり、具体的には、例えばラスタースキャンの各Y座標に対応する分離ラインのX座標を演算する。ここでは、第n番目のフレームにおける分離ラインの設定を行う場合について説明する。
【0044】
分離ライン演算部14は、第n番目のフレームにおける分離ラインとX軸(Y=0)との交点のX座標を演算するX軸交点演算部37、乗算器38、加算器40を含んで構成される。
【0045】
X軸交点演算部37は、乗算器42、44、46、減算器48、加算器50とから構成される。乗算器42はフレーム数を指定するフレーム情報nと、移動刻みΔEとを入力し、それらを乗算した値を出力する。ここで、フレーム情報nは例えばDSC26から読み出すようにする。簡単のためにnは1≦n≦Nとする。また、移動刻みΔEは、前述したように生体信号入力部15、入力部28により測定、又は入力されたパラメータに基づいて演算された量である。乗算器44は分離ラインの傾きαと乗算器42からの出力とを入力し、それらを乗算した値を出力する。一方、乗算器46は、分離ラインの傾きα、及び基準点(図1中、点P参照)のY座標であるY1とを入力して、それらを乗算した値を出力する。減算器48は乗算器46からの出力値と基準点PのX座標であるX1とを入力し、後者の値から前者の値を減算する。加算器50は、乗算器44からの出力と減算器48からの出力を加えた値、すなわちnフレーム目における分離ラインとX軸との交点座標を出力する。
【0046】
乗算器38は、ラスタースキャンのY座標ごとに、各Y座標の値と分離ラインの傾きαを入力し、それらを乗算した値を出力する。加算器40は加算器50からの出力と乗算器38からの出力とを加算することにより、ラスタースキャンの各Y座標に対応した分離ラインのX座標を出力する。
【0047】
分離ライン上下判別画像出力部32は、比較器51を含んで構成される。比較器51はラスタースキャンの各X座標と、前述の分離ラインX座標とをラスタースキャンの各Y座標ごとに比較し、各X座標の値が分離ラインX座標以下の場合には1を、大きい場合は0を出力する。
【0048】
このようにして、ラスタースキャンの各二次元座標(X,Y)に対して0又は1のデータが対応づけられた分離ライン上下判別情報が比較器51により出力される。ここで、値1が対応づけられる座標は分離ラインの上側の領域に、値0が対応づけられる座標は分離ラインの下側の領域にあることが示される。
【0049】
ラインイメージ生成部60は、一致検出器53を含んで構成される。一致検出器53はラスタースキャンの各X座標と、前述の分離ラインX座標とをラスタースキャンの各Y座標ごとに比較し、所定の許容範囲内で両者が一致すれば値1を出力し、そうでない場合には値0を出力する。このようにして、ラスタースキャンの各二次元座標(X,Y)に対して0又は1のデータが対応づけられたラインイメージが一致検出器53により出力される。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば超音波画像に含まれる特定領域を精度よく抽出できる。また、左室を左房から切り離して領域抽出を行えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の原理を示す図である。
【図2】 心電波形を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る超音波診断装置の全体構成を示す図である。
【図4】 分離ライン演算部、上下判別画像出力部、ラインイメージ生成部の各構成を示す図である。
【符号の説明】
14 分離ライン演算部、15 生体信号入力部、16 関心領域出力部、17 心電計、20 探触子、22 送信器、24 受信器、26 DSC、29ノイズ除去部、30 二値化処理部、32 上下判別画像出力部、34 内外判別画像出力部、36 マスク処理部(左室抽出部)、37 X軸交点演算部、51 比較器、53 一致検出器、58 線画イメージ生成部、60 ラインイメージ生成部、62 枠イメージ生成部、64 画像合成部、66 演算部、68 表示部。
Claims (6)
- 注目領域と隣接領域とが連接してなる心腔領域を含む一連の超音波画像列を形成する画像形成手段と、
前記一連の超音波画像列における各フレームの超音波画像に対して、心臓の周期的運動に追従させて、前記注目領域と前記隣接領域とを分離する分離ラインを設定する設定手段と、
前記各フレームの超音波画像ごとに、前記分離ラインによって分離された前記注目領域を抽出する抽出手段と、
を含み、
前記設定手段は、分離ラインを移動刻みΔEで平行移動させることによって、心臓の周期的運動に追従させて分離ラインを設定する、
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記設定手段は、心臓の拡張末期と収縮末期との間における前記分離ラインの移動量Eと、心臓の拡張末期と収縮末期との間における超音波画像フレーム数Nと、に基づいて、前記移動刻みΔEを、ΔE=E/N、により求める、
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項2記載の装置において、
前記設定手段は、基準点Pと傾きαとに基づいて、基準点Pを通る傾きαの直線として決定される初期位置から、前記分離ラインを、傾きαを不変として平行移動させる、
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記一連の超音波画像列における各フレームの超音波画像に対して、前記注目領域を包含する所定形状を備えた関心領域を設定する関心領域設定手段を含み、
前記抽出手段は、血流部分とそれ以外の部分とに分別された二値化画像と、前記分離ラインの上側の部分と下側の部分とに分別された上下判別画像と、前記関心領域の内部とそれ以外の部分とに分別された内外判別画像と、に基づいて、前記二値化画像に対して、前記上下判別画像による第1マスク処理と前記内外判別画像による第2マスク処理を施すことにより、前記関心領域内であって前記分離ラインの一方側の領域に属する血流部分を前記注目領域として抽出する、
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記分離ラインの運動条件をユーザ設定する入力手段を含み、
前記設定手段は、前記ユーザ設定された運動条件に従って、前記各フレームの超音波画像ごとに前記分離ラインを設定することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の装置において、
心臓の周期的運動を示す生体信号を測定する測定器からの生体信号が入力される生体信号入力部を備え、
前記設定手段は、前記生体信号に従って前記各フレームの超音波画像ごとに前記分離ラインを設定することを特徴とする超音波診断装置。
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