JP3701967B2 - 再帰反射性構造体 - Google Patents

Description

発明の背景
再帰反射性材料は、一般に安全または装飾のために用いられる。再帰反射性材料の１種は、非常に小さいプリズムまたは立方体の角の構造を型取りした要素から形成される。（例えば、米国特許3,810,804参照。）
再帰反射性材料が既存の構造体の材料と両立できない場合、または適用方法によって再帰反射の特性が損なわれ得る場合には、上記の材料を既存の構造体に適用できることがしばしば望まれる。
そこで、異なる材料からなる既存の構造体に、再帰反射性の特性を損なうことなく、容易に永続的な移設が可能な再帰反射性材料を作製できるシステムやプロセスの必要性がある。
発明の概要
基材の上へ再帰反射性材料を作製する方法および装置について述べる。まず、ベース材料に剥離用コーティングを形成し、光線の透過する固体のプリズムの列を、そのコーティングに付着するプラスチックオリゴマーで型成形することによりコーティングの上に形成する。
次に、プリズム上に金属層を形成することにより、プリズムに反射性が与えられる。次に、反射金属層に接着剤が塗布される。次に、基材がその接着剤に接着され、ベース材料が剥離用コーティングとともに剥離され、独立したプリズムの露出した列、すなわち、反射性の金属で裏張りされたプリズムが基材に付着して残る。
基材は、再帰反射性材料をその上に形成しようとする構造体と、同じ材料で形成されることまたは両立できることが好ましい。例えば、基材には、ポリビニルクロライド（ＰＶＣ）、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリカーボネイトのような合成樹脂のシート、またはポリエステル、ナイロンのような布地等を適切な樹脂でコーティングしたものが含まれる。
そして、露出したプリズムの層をもつ基材を、その露出した側を透明な保護層で被覆し、基材を、基材と同じか類似の材料からなる既存の構造体に、種々の公知の技術で接着するのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
図１Ａ−１Ｆは、基材上に本発明の再帰反射性材料を形成する主な手順を示す工程の流れの断面図である。
図２は、図１Ａ−１Ｆの実施態様の変形例を示す断面図である。
図３は、本発明に従って形成されたテープを示す斜視図である。
図４は、本発明による他のテープの実施態様を示す断面図である。
図５は、プリズムの方位を示す詳細な断面図である。
発明の詳細な説明
本発明について図面を参照しながら詳細に説明する。図１Ａ−１Ｆを参照しながら、基材がターポリン材料からなる好ましい実施態様について説明する。安全のためにトラックのターポリンに再帰反射性材料を取り付ける簡単で安価な方法が求められているので、これは特に適切な例である。
図１Ａに示すように、出発材料の構造体は、ポリエステルシートの片側をアクリル印刷処理した（デュポン社よりＪフィルムの名称で販売されている）ような材料のベースシート１０より成っている。ポリエステル溶液ボーンタイキャストが形成された剥離コーティング１２は、１−４ミル厚のシート１０の処理された側に、適用される。
次に、図１Ｂに示すように、約２．８ミルの高さのマイクロプリズム１４の列が、この列をエポキシまたはウレタンオリゴマーで型成形して剥離コーティングに接着させることにより、剥離コーティング上に形成される。
プリズムは、３面が９０度で交わる立方体の角の形になって、光学的な軸とプリズムの軸が一致するように形成されることが望ましいが、完璧でない立方体の角のプリズムでも特別な光学的効果を奏することも本発明の意図するところに含まれる。
プリズム１４は、露出した表面を５００−８００オングストロームのアルミ、金または銀のような金属層１６でコーティングすることにより、反射性を与えられる（図１Ｃ）。
図１Ｃの構造体は逆向きにされ、１液湿潤硬化反応型接着剤１８（ＭＡＣＥ社販売）のような接着剤が、金属化されたプリズムの側に、縞の長さ約５０ｍｍの連続した縞状に塗布される（図１Ｄ）。
基材２０は、ここに示すようにポリエステル布地２２をプラスチック材料２４で封じて形成したターポリン材料であり、接着剤１８（図１Ｅ）に重ねられ、ベースシート１０が剥がされる（図１Ｄ）。
この結果、接着剤１８により基材２０に接着され、露出した（独立した）再帰反射性プリズム１４の列の縞が残る（図１Ｆ）。プリズム１４の表面に照射される光線Ｒは、表面１６により再帰反射される。
図１Ｆに示される上記結果の構造体は、図２に示すように、独立したプリズムの側において、接着剤３０とポリビニルのような透明な保護シート３２を、構造体に重ねてコーティングすることにより、さらに加工することができる。そして、図２に示される構造体は、図３に示すように、細長く切ってテープとすることができる。
あるいは、図４に示すように、図１Ｆに示される独立したプリズムの側を、基材２０と独立したプリズム１４の両方によく接合する材料３６でコーティングしてもよい。
例えば、もし基材がアクリルラッカーでコーティングされたターポリンで形成されているのであれば、材料３６としては、エラストマーのウレタンコーティングが適切な選択である。
他の基材材料としては、布地で強化されエンボス加工されたビニル、コーティングされたビニル、ウレタン、ポリプロピレン等がある。
図５に示すように、この発明の重要な特徴は、各プリズム１４が独立しているために、プリズム１４が比較的自由に動けるので、基材２０の形によってある程度方向付けられ、それにより再帰反射光の分布が向上することである。

Claims (20)

1. ａ）透明なプリズムの列をベース材料からなるシートに一時的に付着させ、
   ｂ）上記プリズム上に反射層を形成し、
   ｃ）基材を上記プリズムの上記反射層側に付着させ、
   ｄ）上記ベース材料からなるシートを除去し、上記基材上に形成された再帰反射性プリズムの露出した列を残す
   再帰反射性構造体の作製方法。
2. 請求項１において、上記透明なプリズムが立方体の角の形状をしたプリズムである再帰反射性構造体の作製方法。
3. 請求項１において、上記基材がターボリンである再帰反射性構造体の作製方法。
4. 請求項１において、上記基材がプラスチックで強化された布地である再帰反射性構造体の作製方法。
5. 請求項１において、光線を透過させる接着剤を上記列に塗布し、光線を透過させる保護層を上記列に上記接着剤により接着する再帰反射性構造体の作製方法。
6. ａ）透明な再帰反射性要素の列をベース材料からなるシートに付着させ、
   ｂ）上記再帰反射性要素上に反射層を形成し、
   ｃ）布地をプラスチック材料で封じることにより形成した基材を上記再帰反射性要素の上記反射層に付着させ、
   ｄ）上記ベース材料からなるシートを除去することにより、上記再帰反射性要素を露出させ、
   ｅ）上記露出した再帰反射性要素に保護シートを設けることにより、再帰反射性構造体を形成する
   再帰反射性構造体の作製方法。
7. ａ）立方体の角の形状のプリズムの列をベース材料からなるシートに付着させ、
   ｂ）上記立方体の角の形状のプリズム上に反射層を形成し、
   ｃ）基材を上記立方体の角の形状のプリズムの上記反射層に付着させ、
   ｄ）上記ベース材料からなるシートを除去することにより、上記立方体の角の形状のプリズムを露出させ、
   ｅ）上記露出した立方体の角の形状のプリズムに保護シートを設けることにより、再帰反射性構造体を形成する
   再帰反射性構造体の作製方法。
8. 請求項６または７において、上記保護シートが熱可塑物質である再帰反射性構造体の作製方法。
9. 請求項８において、上記熱可塑物質がポリビニル塩化物である再帰反射性構造体の作製方法。
10. 請求項６または７において、上記基材がターポリンである再帰反射性構造体の作製方法。
11. 請求項６または７において、上記保護シートがエラストマー材料である再帰反射性構造体の作製方法。
12. ａ）立方体の角の形状のプリズムの列をベース材料からなるシート上に形成し、
    ｂ）上記立方体の角の形状のプリズム上に金属溶射層を形成し、
    ｃ）柔軟な基材を上記金属溶射層に取り付け、
    ｄ）上記ベース材料からなるシートを除去することにより、上記立方体の角の形状のプリズムを露出させ、
    ｅ）上記立方体の角の形状のプリズムに保護シートを設けることにより、再帰反射性構造体を形成する
    再帰反射性構造体の作製方法。
13. 請求項１２において、上記形成された再帰反射性構造体がテープ状に成形されている再帰反射性構造体の作製方法。
14. ａ）基材と、
    ｂ）上記基材上に形成され、かつ自由に動くことのできる、互いに独立した複数の透明のプリズムからなる層と、
    ｃ）上記プリズム上に形成されて、上記基材側に位置する反射層と、
    を備えた再帰反射性構造体。
15. 請求項１４において、上記基材がプラスチックで強化された布地である再帰反射性構造体。
16. 請求項１４において、上記基材がターボリンで形成されている再帰反射性構造体。
17. 請求項１４において、上記構造体がテープ状に成形されている再帰反射性構造体。
18. 請求項１４において、上記プリズムが透明なプラスチック材料で型成形されている再帰反射性構造体。
19. 請求項１４において、上記プリズムが接着剤で上記基材に接着されている再帰反射性構造体。
20. 請求項１４において、上記反射層が金属層である再帰反射性構造体。

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