JP3698576B2 - 石油改質剤とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鉱物油分解微生物を使用して石油燃料を改質する石油改質剤とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の石油燃料添加剤は、ジェット燃料や重金属等のオクタン価の高い物質に先に着火して石油燃料を燃焼させようというものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術の場合、ともすれば燃焼室を損傷する場合もあった。一方、鉱物油を分解する鉱物油分解微生物は、近年その存在が確認され、海岸に打ち上げられた重油を分解するなど有効な作用があることが知れている。しかし、鉱物油分解微生物を選択的に培養して商品化したものはなかった。
【0004】
この発明は、上記従来の技術に鑑みてなされたもので、鉱物油分解微生物を使用して石油燃料の改質を行なう石油改質剤とその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、自然界に存在する水や土壌から採取した複数の材料を培養した鉱物油分解微生物と、上記鉱物油分解微生物の慣性栄養培地と鉱物油、界面活性剤が混合されている石油改質剤である。また、上記慣性栄養培地は、樹液の希アルコール化液である植物性産物抽出液である。
【0006】
また、この発明は自然界に存在する水や土壌から複数の材料を採取し、各材料ごとに所定の培地材で作られた培地で鉱物油分解微生物の培養を行ない、この培養された複数の鉱物油分解微生物を混合し、ここへ上記の鉱物油分解微生物の慣性栄養培地と鉱物油、界面活性剤を混合し継代培養する石油改質剤の製造方法である。上記慣性栄養培地は、樹液の希アルコール化液である植物性産物抽出液である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について説明する。この実施形態は,まず、海底泥砂層の泥砂物や海中浮遊層の浮遊物を採取し、これを所定の鉱物油が含まれている培地材で作られた培地に散布し海生微生物群体の鉱物油分解微生物の初期培養を行なう。そして、泥水排水や、川や沼の水を採取し、これを所定の鉱物油が含まれている培地材で作られた培地に散布し陸水生微生物群体の鉱物油分解微生物の初期培養を行なう。また、畑田採掘土壌や山地採掘土壌を採取し、所定の鉱物油が含まれている培地材で作られた培地に散布し陸土壌微生物群の鉱物油分解微生物の初期培養を行なう。次に、個別に初期培養された上記各海生微生物群体、陸水生微生物群体、陸土壌微生物群の鉱物油分解微生物を混合し、所定の鉱物油が含まれている培地材で作られた培地で慣性培養し、新種の変性菌群体を作る。ここで慣性培養とは、濃縮作用を持つ継代培養のことであり、上記各海生微生物群体、陸水生微生物群体、陸土壌微生物群体を混合し各微生物を慣れさせ、安定に微生物混合体を増殖させるものである。このように、2種以上の微生物が作用上において接続体を構成して変位動作を行なうので、定覧微生物ではなく、不明動作微生物作用となるので、変性菌または不明菌と見なされる。そしてこの変性菌体群を所定の培地材で作られた培地で慣性培養する。
【0008】
次にこの変性菌体群に、植物性産物抽出液、界面活性剤、ホワイトガソリンを混合し、さらに所定時間慣性培養し、ビン詰めして商品となる。
【0009】
この実施の形態の石油改質剤は、重油、軽油、灯油等石油燃料に所定量を添加して使用する。撹拌は不要である。そして主体は多種微生物群体であり、コロニー粒子栄養体として植物性の抽出液を希アルコール化した植物性産物抽出液を使用している。
【0010】
例えばこの菌は、重油や軽油に添加する改質剤として利用することができ、この改質剤の作用は、流動性向上、スラッジ分散性向上、燃焼助成、粘度低下、含水分エマルジョン化、炭化水素質化、水素分解、炭化水素分子密環状糸切断、酸化安定などがある。この改質剤によれば、品質の良くない燃料でも燃費が良くなり、排ガスがきれいになる等の効果がある。
【0011】
この実施形態の鉱物油分解微生物の作用を説明するため、軽油と重油について説明する。軽油は、原油から分留された軽油留分を水素化脱硫装置により硫黄分を減少させて製造され、硫黄分は平均0.4%程度であるが、0.3%程度に減少すれば燃焼効率も向上し、さらに排出ガス成分の硫黄酸化物も減少となる。そして現在改質を要求されている項目は、(1)着火性、(2)揮発性、(3)粘度、(4)低温流動性、(5)硫黄分、(6)残暑炭素分で、この鉱物油分解微生物を含有した石油改質剤は上記の項目について改質を行なうもので、各項目毎に説明する。
【0012】
(1) 着火性
ディーゼルエンジンは燃料が高温高圧の圧縮空気の中へ噴射され、液滴が気化して混合気が形成され、自然着火して燃焼する。この場合、自然着火温度が低い程よい。この石油改質剤は、着火性の工程4工程、つまり燃料の噴射から燃焼終了までの4つの過程で、有効作用をし、物理的着火遅れ作用、化学的着火遅れ作用に有効で、さらに安定性着火、補助燃焼性作用がある。着火性すなわちセタン価は、nパラフィンが最も高く、ナフテン、オレフィン、イソパラフィン、芳香族の順である。セタン価を高める効果を持つセタン向上剤として通常はアルキル硝酸エステルRONO2や、有機過酸化物などがあるが、この石油改質剤に含まれている菌の一種、Pscudomonadales(シュドモナス菌)が、軽油の混合体の中でn・CO2・n・・O2を気泡状で遊走作用をして、同様の作用を行なう。この作用を図3に示す。
【0013】
(2) 揮発性の改良
軽油では、揮発性はあまり問題にならず、低温始動性には関係あるが着火性のほうが大きく、後述の低温流動性も問題が大きい。一方、高沸点留分は排気ガス中の黒煙や粒子状物質の排出に悪影響を与えるので、90%留出温度が規定されており、軽油の種類により90%留出温度は360〜330℃以下に規定されている。この揮発性には、この石油改質剤に含まれている菌の一種、好気性Bacillusが拡散作用をすることにより揮発性の調整が行なわれる。この作用を図4に示す。
【0014】
(3) 粘度の改良
粘度は燃焼噴射時の噴射性を左右するもので、粘度が小さいほど噴射粒子が小さく、一方噴射粒子が小さすぎると噴射の貫徹性と称する粒子の広がりが悪くなるので、ある程度の粘度が必要とされる。また、粘度が低すぎると、噴射ポンプや噴射弁の摩擦をもたらすため、粘度の下限が規定されている。粘度を高めたり低めたりするのは、炭素群の硫満状態化に基づいて判断される。この石油改質剤に含まれている菌の一種、嫌気性微生物PsudomonadalcesおよびRhodobaterialesが作用し粘度の調整を行なう。この作用を図5に示す。
【0015】
(4) 低温流動性の調整作用
冬期のディーゼルエンジン車の低温始動性には低温時の着火性もあるが、軽油の低温流動性不良による始動不能がより問題になる。寒冷時にワックスの拆出によりフィルターの目づまりが起こり、ポンプの作動不良を招くためである。作動性向上剤にはエチレン−酢酸ビニル系共重合体、アルケニルコハク酸アミド系等があるが、この石油改質剤に含まれている菌の種類、Hydromyxales,Desulfotomaculumが同様の作用を行なう。そして軽油中のワックスの結晶拆出はnパラフィンによるもので、結晶は生長して三次元の構造を形成し、油全体の流動性を失わせる。この石油改質剤は流動向上性作用があり、0.01〜0.06%添加すれば、拆出するワックスの結晶を微細化することにより流動点を下げ、またフィルターを通過しやすくする。
【0016】
(5) 硫黄分、残留炭素分発生の調整性作用
軽油中の硫黄分は燃焼して硫黄酸化物(SOx)を生成し、大気汚染やエンジンの腐蝕の原因になる。さらに、排気ガス中の硫黄酸化物(SOx)は、ディーゼル車の排気ガス対策の排気ガス再循環法等に悪影響をもたらし、また排気ガス中の粒子状物質の成分の一部になることから、硫黄分を当面0.2%に低減することが考えられている。現在の硫黄分の規定は、0.5%以下である。この石油改質剤に含まれる菌の一種、Desulfotomaculum、RhodobacterialesによってSOx、COxの分解、変換作用が行なわれる。
【0017】
(6) 黒煙及びパティキュート
軽油燃焼エンジンの排気ガスで問題になる黒煙、あるいはパティキュートと呼ばれる粒子状物質は軽油組成に関係がある。黒煙はパティキュートの主な成分をなすものであるが、後者には高沸点炭化水素成分や、潤滑油に由来するものなどを含む。この石油改質剤に含まれるメチル酸化菌は、メチル基を持つメタンその他の一炭素化合物を炭素源、エネルギー源とする好気性菌で石油組成分解性作用を行なう。
【0018】
次に重油について説明する。重油は、残油(常圧残油、減圧残油、脱硫残油)を、軽油留分(常圧軽油留分、減圧軽油留分、接触分解の循環油等)と調合し、粘度、硫黄分、流動点などを規格又は需要の要求に合わせて製造される残油を含む割合は、A重油では少なく、C重油で多く、C重油の特に高粘度のものには残油のみからなるものもある。そして、現在改質を要求されている項目は、(1)粘度、(2)硫黄分、(3)残留炭素分、灰分(4)貯蔵・混合安定性で、この実施形態の鉱物油分解微生物は上記の項目について改質を行なうもので、各項毎に説明する。
【0019】
(1) 粘度
粘度は燃焼時の噴射性を左右しバーナー(燃焼機)選択の基準になり、又ポンプで移送するときなど取り扱いの基準になる。従って、重油は主に粘度により分類される。この石油改質剤に含まれる菌の一種、Desulfotomaculumによって、粘度が低粘度に傾く。
【0020】
(2) 硫黄分
重油中の硫黄分は燃焼して硫黄酸化物(SOx)となり、大気汚染の原因となり又ディーゼルエンジンではエンジンの腐蝕摩耗の原因となる。この石油改質剤に含まれる菌の一種、Rhodobacterialesによって、硫黄分は硫黄酸化細菌に変体し、硫黄分を減少させる。
【0021】
(3) 残留炭素分、灰分
残留炭素が多いと、ノズルにカーボンが付着し燃焼を阻害する。灰分は、ボイラーの電熱面に堆積して効率を低下させる。灰分は重油中の金属の酸化物であるが、特にバナジウムはナトリウムとともに融点500〜700℃程度の低融点の酸化物V25・Na2O を生成し高温腐蝕を生じる。この石油改質剤に含まれる菌の一種、Rhodobacteriales(紅色硫酸菌)の作用に基づきエネルギーの獲得は光リン酸化によって行なわれ、光のエネルギーを利用してATPを作る回路的光リン酸化を行ない、V,Na,K,P等の金属性灰分、粘性構成炭素群が緩和作用を行ない、灰分は減少する。
【0022】
(4) 貯蔵・混合安定性
重油はアスファルテン分やレジン分を含み、これらは油中で会合して分散していると推定されるが、水分やワックス分とカラムと、スラッジとして分離沈殿することがある。また、重油を調合する際に、アスファルテンやレジンの分散系がくずれて拆出することがある。この石油改質剤に含まれる菌の一種、Pasteuria ramosaの作用により分散水分を乳化作用させてスラッジ形成を妨げる。
【0023】
このような鉱物油分解微生物の作用は、以下のような効果をもたらす。まず、石油燃料の主成分である炭化水素の連鎖状態を外し、動粘度を低下させことにより石油改質剤の持っているエネルギーをより完全燃焼に近づけ、タンク、配管、エレメント、ギヤーポンプ、ノズルの掃除が不要となる。黒煙がほとんどなくなり、燃焼効果アップにともないフェールNOxが減少し公害防止に効果がある。そして、燃焼後の断熱材となるカーボンの除去と、カーボンの結合を外して酸素を結合しやすくすることにより、燃料油と空気との混合比が薄い希薄燃焼化が起こり、ディフューザー、缶体、煙突の掃除が不要となる。そしてこの希薄燃焼化により窒素酸化物の発生が減少しサマールNOxが減少し、有害物質NOx,CO,HCの全てが減少し、公害防止に効果がある。このように排煙や排ガスの匂いが少なくなり、特に排ガスによる大気汚染が大きな社会問題となっているディーゼルエンジンの有害ガスを減少させ、また、排ガスが直接室内に溜まる石油ストーブにも有効である。
【0024】
また、石油燃料の動粘度低下にともない過剰燃料の調整を行なうため燃料の節約になる。そして希薄燃焼化により石油燃料に含まれている硫黄を酸化減少が起こる前に灰にしてしまう脱硫効果が起こり、ボイラー等の設備の耐久性が上がり、またスラッジがなくなるのでメンテナンスが楽になる。そして、断熱効果を有するカーボンが除去されるため燃費も向上し経済的である。特に、品質が良くない外国の石油燃料の質を向上させることができる。
【0025】
この鉱物油分解微生物には、その他に燃焼助成作用、含水分エマルジョン作用、炭化水素資化作用、水素分解作用、酸化安定化作用がある。このような石油改質剤の作用については、各種微生物群体の単独作用によるものか、多種微生物群体の総合性相乗作用であるのかは明確ではない。
【0026】
また、この石油改質剤に混入されている混合微生物群体は、実施例に示す当開発培地を使用して培養・変形固定化(分生子、子実体、胞芽)とし、さらに鉱物油の慣性培養処理も行ない、生産する。さらに、鉱物油溶液環境に存在する多種多様な鉱物油形勢成分を慣性分解資化する機能を獲得している。改質(粘度物質低粘性化)作用の、環境微生物類の分解遺伝子の変形変化は多様であり、多種な遺伝子の移動が起こり、新規な機能が生じる(酵素、核酸等)ことが明らかになってきている。
【0027】
【実施例】
次にこの発明の第一実施例について図1に基づいて説明する。まず、海水生微生物を含む海底泥砂層と海中浮遊層を採取ビンに採取し、一方を重油を含む重油用培地で重油分解微生物を初期培養し、他方を軽油を含む軽油用培地で軽油分解微生物を初期培養し、各々コロニー接種保存ビンに保存する。重油用培地と軽油用培地の培地材と配合量は以下の表1、表2に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0003698576
【表2】
Figure 0003698576
【0029】
同様に陸水生微生物を含む泥水排水や川や沼の水を採取ビンに採取し、重油分解微生物と軽油分解微生物を初期培養し、各々コロニー接種保存ビンに保存する。重油用培地と軽油用培地の培地材と配合量は以下の表3、表4に示す。
【0030】
【表3】
Figure 0003698576
【表4】
Figure 0003698576
【0031】
また、陸土壌分解微生物を含む畑田採掘土壌や山地採掘土壌を採取ビンに採取し、重油分解微生物と軽油分解微生物を初期培養し、各々コロニー接種保存ビンに保存する。重油用培地と軽油用培地の培地材と配合量は以下の表5、表6に示す。
【0032】
【表5】
Figure 0003698576
【表6】
Figure 0003698576
【0033】
次に、上記6種の微生物を混合培養する。培養器具は撹拌セット付きカルスター2000mlを使用する。上記6種の微生物が保存されたコロニー接種保存ビンから、各々保存原体30mlを分注器で採取し、それを所定の培地材で作られた培地1000ml入りのカルスターへ注入する。168時間(1週間)撹拌培養し、培養完了後、2000ml耐熱ガラスビンに入れて冷温10℃に保存する。
【0034】
次に、上記の混合培養体を一次慣性培養する。培養器具は撹拌セット付きカルスター2000mlを使用する。この混合培養体30mlを分注器で採取し、それを重油用培地または軽油用培地1000ml入りのカルスターへ注入する。168時間(1週間)撹拌培養し、培養完了後、2000ml耐熱ガラスビンに入れて冷温10℃に保存する。これにより重油分解微生物と軽油分解微生物に分けて一次慣性培養体が保存され、この慣性培養体は新種の変性菌群体で石油改質剤の原料となるもので、必要に応じて耐熱ガラスビンより取り出す。
【0035】
ここで、微生物培養体を次工程へ接種する場合には必ず注入器を使用して外部と遮断して雑菌類が入らないように行なう。また、各培養体(微生物)は、培養時間が168時間と長いため、製造工程に支障が起こらないよう十分に管理し、また余分に培養操作をしておく。培地及び培養体(微生物)は、常に次工程に必要な量を作る必要がある。
【0036】
次に上記慣性培養体に所定材料を混合し石油改質剤を作る操作について説明する。石油改質剤は、重油改質剤と軽油改質剤の2種類ある。まず重油改質剤は、上記の重油分解微生物の一次慣性培養体を1000ml採取し、一次慣性培養体保存槽に入れる。一次慣性培養体保存槽は、容器は¢400(内径¢300)*500H、二重ケーシングで外側層に温水が設けられ、温水の中には投げ込みヒーター、サーモスタットが設けられている。容器の材質はSUS304、ホッパー型、水供給・排出管ストップバルブが設けられている。蓋は開閉式である。付帯機器は、ポータブル撹拌器(PG−020−2)1機、次工程供給口である開閉弁30A、菌体群注入口(密閉型開閉口)、可変式ポンプが設けられている。
【0037】
次に、上記の一次慣性培養体を植物性産物抽出液3000mlと一緒に混合撹拌槽に入れ、撹拌器を使用してAV90rpmで24時間混合する。ここで、植物性産物抽出液とは樹液の希アルコール化液で、これは変性菌の慣性栄養培地として使用され、変性菌の栄養分の役目を果たし、分散作用にも役立っている。この植物性産物抽出液は、混合の前は一次ストック槽に保存されている。この一次ストック槽は、容器は¢1200*1500H、円筒型、二重ケーシングで外側層は冷水層が設けられている。容器の材質はSUS304、水供給・配水管が設けられている。付帯機器は、可変式ポンプ、開閉マンホール、排気管が設けられている。また、ここで使用する混合撹拌槽は、容器は¢1200*1500H、ホッパー型、二重ケーシングで外側層は20〜25℃の温水で、温水槽は50mmtで、投げ込みヒーター、サーモスタットが設けられている。容器の材質はSUS304、ホッパー型、水供給・排出管ストップバルブが設けられている。そして開閉マンホールと排気管が設けられている。付帯機器は、可変型軽量式フィーダー(磁気弁付き)、撹拌器(PG−020−2)取付け器具付き、菌群体注入口(開閉バルブ付き)が設けられている。
【0038】
さらに、この混合撹拌槽材4000mlに、上記の植物性産物抽出液を200l、界面活性剤−ホワイトガソリン混合体4000mlを混合する。混合撹拌は上記の混合撹拌槽に入れ、撹拌器を使用してAV90rpmで24時間混合する。また、界面活性剤−ホワイトガソリン混合体は、混合の前は界面活性剤−ホワイトガソリン混合体混合溶液槽に保存されている。この界面活性剤−ホワイトガソリン混合体混合溶液槽は、容器は¢400*800H、ホッパー型、二重ケーシングで外側層は温水層で、投げ込みヒーター、サーモスタットが設けられている。容器の材質はSUS304、水供給・配水管が設けられている。付帯機器は、撹拌器(ポータブル型)、可変式ポンプ、開閉口、排気管が設けられている。
【0039】
そして、複数の培養慣性撹拌槽に入れ、二次慣性培養を行なう。培養慣性撹拌槽は、容器は¢1200*1200H、ホッパー型、二重ケーシングで外側層は20〜25℃の温水層で、投げ込みヒーター、サーモスタットが設けられている。容器の材質はSUS304、水供給・配水管が設けられている。付帯機器は、撹拌器(PG−020−2)、可変式ポンプ、開閉マンホール、排気管が設けられている。そして、上記の混合撹拌槽材をこの培養慣性撹拌槽に24時間間隔で順次入れる。そして撹拌器を使用してAV90rpmで168時間、各々二次慣性培養する。
【0040】
次に二次慣性培養が完了したものを移送ポンプで一次ストック式フィーディング槽(500l)に移す。移送ポンプの能力は、上記の培養慣性撹拌槽全量を30分で移送可能なものである。そして市販の1000mlフィーディングビン詰め機でビン詰めし、商品となる。フィーディングビン詰め機は、製品溶液槽が¢1200*1200H、ホッパー型、計量可変設定型充填機(ビン)、材質はSUS304、開閉マンホールと排気管、コンベヤー型作業台が設けられている。能力は、200ビン/2時間である。
【0041】
これと同様に、軽油用改質剤は、軽油分解微生物の慣性培養体を使用し、同様の操作で製造する。重油用改質剤と軽油用改質剤を同時に製造する場合は、2ライン必要である。製造に関わる作業員は、各種培地製造作業、接種・培養作業、ビン詰め作業、商品ラベル貼り付け作業、商品箱詰め作業を行なう。培養時間は無人である。
【0042】
次にこの発明の第二実施例について図2に基づいて説明する。まず自然界から採取した各種原種微生物を所定の培地材で作った培地で初期培養を行なう。各種原種微生物は、海生微生物、陸水生微生物、陸土壌微生物である。この初期培養で増殖固定培養した原種微生物群体(コロニー形成体)を採取し、その他多種増殖培養した培養群体(多種コロニー)と、所定の培地材で作った混合用培地でさらに増殖固定培養する。その後所定の培地材で作った慣性固定用培地で一次慣性培養する。この一次慣性培養体は新種の変性菌群体で、石油改質剤の原料となるものである。
【0043】
次に上記慣性培養体に所定材料を混合し石油改質剤を作る操作について説明する。撹拌装置の仕様は、撹拌回転90〜120rpm(全工程撹拌装置)、撹拌槽温度20〜25℃、換気はミクロフィルター経由換気である。混合する材料と配合量は以下の表7に示す。
【0044】
【表7】
Figure 0003698576
ここで、植物性産物抽出液は、樹液の希アルコール化液で、プロテイン(リノール酸)が含まれている。
【0045】
上記の材料を全量撹拌装置に入れ、24時間自動管理により混合する。上記混合体を所定の培養慣性撹拌槽に入れる。培養慣性撹拌槽は、複数個設けられ4時間間隔で順次入れ、撹拌器を使用してAV90rpmで168時間二次慣性培養する。この慣性培養体は、フィーディングビン詰め機で1l用ビンに詰め商品となる。
【0046】
この石油改質剤の製品仕様は、比重0.87、示色は透明薄褐色である。石油改質剤の添加量は、軽由3000に対して本品1、重油1500に対して本品1である。
【0047】
【発明の効果】
この発明の石油改質剤は、鉱物油分解微生物の作用により石油燃料の質を向上させ、石油燃料を完全燃焼に近づけ、燃費が良くなる。そして、発生する黒煙が少なくボイラー等の装置のメンテナンスが楽で耐久性が向上する。有害ガスの発生も抑制し、環境に対する影響が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第一実施例の石油改質剤の製造方法の概略図である。
【図2】 この発明の第二実施例の石油改質剤の製造方法の概略図である。
【図3】 この石油改質剤に含まれる鉱物油分解微生物の鉱物油着火性に関する作用を示す概略図である。
【図4】 この石油改質剤に含まれる鉱物油分解微生物の鉱物油揮発性に関する作用を示す概略図である。
【図5】 この石油改質剤に含まれる鉱物油分解微生物の鉱物油粘度に関する作用を示す概略図である。

Claims (4)

  1. 自然界に存在する水や土壌から海生微生物、陸水生微生物、及び陸土壌微生物を含む複数の材料を採取し、この複数の材料サンプル中の菌を培養して得た重油分解微生物を、所定の重油が含まれている培地材で作られた培地に各々注入して混合し、これを継代培養して作られた変性菌群体が生きた状態で保存され、培地として樹液の希アルコール化液である植物性産物抽出液、界面活性剤、及びホワイトガソリンが混合されていることを特徴とする石油改質剤。
  2. 自然界に存在する水や土壌から海生微生物、陸水生微生物、及び陸土壌微生物を含む複数の材料を採取し、この複数の材料サンプル中の菌を培養して得た軽油分解微生物を、所定の軽油が含まれている培地材で作られた培地に各々注入して混合し、これを継代培養して作られた変性菌群体が生きた状態で保存され、培地として樹液の希アルコール化液である植物性産物抽出液、界面活性剤、及びホワイトガソリンが混合されていることを特徴とする石油改質剤。
  3. 自然界に存在する水や土壌から海生微生物、陸水生微生物、及び陸土壌微生物を含む複数の材料を採取し、各材料ごとに所定の重油が含まれている培地材で作られた培地で重油分解微生物の培養を行ない、この培養された複数の重油分解微生物を混合し、継代培養して変性菌群体を作り、上記重油分解微生物の変性菌群を生きた状態で保存するため、樹液の希アルコール化液である植物性産物抽出液、界面活性剤、及びホワイトガソリンを混合した培地に入れることを特徴とする石油改質剤の製造方法。
  4. 自然界に存在する水や土壌から海生微生物、陸水生微生物、及び陸土壌微生物を含む複数の材料を採取し、各材料ごとに所定の重油が含まれている培地材で作られた培地で軽油分解微生物の培養を行ない、この培養された複数の軽油分解微生物を混合し、継代培養して変性菌群体を作り、上記軽油分解微生物の変性菌群を生きた状態で保存するため、樹液の希アルコール化液である植物性産物抽出液、界面活性剤、及びホワイトガソリンを混合した培地に入れることを特徴とする石油改質剤の製造方法。
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