JP3698532B2 - Paint composition - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は常温以下、特に低温あるいは高湿度下において、速乾性,初期耐水性に優れ、硬化剤を添加することにより、より高抗張力(引張強さ)が増し、ゴム弾性を低下させる事のない製造及び貯蔵安定性,塗装作業性に優れた水系塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、速乾性水系塗料組成物は、その総固形分を高め、界面活性剤,増粘剤等水溶性成分を極力少なくする事及びメタノールのような低沸点アルコールを多量に含有させ乾燥を速める方法が知られている。
又、特開平3−157463号あるいは特開平8−218037号に記載されているような、乳化重合体,多官能性アミンおよび揮発性塩基を含むものが知られていた。
【0003】
しかし、前者の方法に於ては速乾性を十分高める事が出来ず、塗装作業性,貯蔵安定性等の性能を損ない易くなる。又、メタノール等低沸点アルコール類を、その効果が発現するまでの量を添加した場合には、消防法,労働安全衛生法に触れることになった。そして後者の方法では、速乾性あるいは弾性,引張強さが不十分であり、速乾性と引張強さのバランスが得られる塗料組成物が望まれていた。
【0004】
更に、従来の反応硬化型弾性塗料は、十分なポットライフを得ようとする時、乾燥性、特に速乾性の向上は困難であった。一方、反応硬化作用により強靱な塗膜(抗張力)を得られる場合は、ゴム弾性の著しい低下を余儀なくされている。従って、速乾性と強い抗張力,高弾性のバランスが得られる塗料組成物が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、速乾性特に低温高湿度下での乾燥性に優れ、反応硬化作用により、より強靱な塗膜を得るとともに、ゴム弾性の著しい低下のない性質をもつ水系塗料組成物を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記課題を解決するため、▲1▼アニオン性合成樹脂エマルションにあって、エマルションを構成するモノマーの内、陰イオン性を示すモノマーを除くモノマーの、水100グラムに対する溶解度が0.01から1.50グラムである合成樹脂エマルション、▲2▼アミン官能基含有モノマーを少なくとも20重量%含むモノマー混合物から形成されたポリマーを、▲1▼のカルボキシル基の当量数に対して▲2▼のアミン官能基の当量数の比を5〜80%にしたもの、▲3▼本質的に全ての多官能性アミンが非イオン性状態にある点まで組成物のpHを上昇させるのに十分な量の揮発性塩基、▲4▼▲1▼に含まれるカルボキシル基の当量数から▲2▼に含まれるアミン官能基の当量数を差し引いた数に対して5%ないし500%となるエポキシ基数となるエポキシ樹脂を含むことを要旨としている。
【0007】
この明細書において「速乾性」とは、従来の組成物と比較してより速やかに乾燥する性質をいう。
この明細書で用いられている「合成樹脂エマルション」とは、例えば乳化重合のような常用の重合技術で製造することができる水不溶性のポリマーを意味する。合成樹脂エマルションは、塗布条件下でフィルムを形成する、水不溶性のポリマーを生成させる任意のモノマー又はモノマー混合物から重合される。
【0008】
本発明の水性塗料組成物で使用される▲1▼の合成樹脂エマルションは、アニオン性に安定化されていることを必要とする。又、これらは例えば乳化重合のような常用の重合技術で製造することができる水不溶性のポリマーを意味する。
本発明はまたもっと複雑な形態、例えば芯−殻粒子のポリマーを用いても実施することができる。
【0009】
合成樹脂エマルションのアニオン性は、幾つかの方法により得られるが、最も一般的な方法は乳化重合の際にアニオン性の界面活性剤を用する方法か、又は重合後にそれら界面活性剤をエマルションに添加する方法である。
【0010】
非イオン性界面活性剤もこれらの陰イオン的に安定化された合成樹脂エマルションの重合中又は重合後に合成樹脂エマルションに存在していることができる。有用な界面活性剤としては:ナフテンスルホン酸と低分子量のホルムアルデヒドとの縮合生成物、適正な親水性−親油性バランスを持つカルボン酸ポリマー及び同コポリマー,ラウリル硫酸ナトリウムのような高級アルキルサルフェート,ドデシルベンゼンスルホネートのようなアルキルアリールスルホネート,イソプロピルベンゼンスルホン酸又はイソプロピルナフタレンスルホン酸のナトリウム塩又は同カリウム塩,ジオクチルスルホ琥珀酸ナトリウムのようなスルホスクシネート,高級アルキルスルホ琥珀酸アルカリ金属塩、例えばオクチルスルホ琥珀酸ナトリウム,ナトリウム N−メチル−N−パムミトイルタウレート(palmitoyltaurate),オレイルイセチオン酸ナトリウム,アルキルアリールポリエトキシエタノール硫酸又は同スルホン酸のアルカリ金属塩、例えば1〜5個のオキシエチレン単位を有するt−オクチルフェノキシ−ポリエトキシエタノール硫酸ナトリウムなどこの技術分野で周知の種々の陰イオン界面活性剤がある。
【0011】
アニオン性を有する合成樹脂エマルションのもう1つのタイプは、ポリマーに少量の酸性基を含めることの結果として得られるものである。ここで、酸性基は塩の形、例えばアルカリ金属塩又はアンモニウム塩であることができる。このような酸性基の例は、組み込まれた開始剤の断片,マレイン酸,ビニルスルホン酸,クロトン酸,アクリル酸,メタクリル酸,イタコン酸等に由来するものである。
【0012】
アニオン性を有する合成樹脂エマルションの第三の有用なタイプは、例えばアクリルアミド,メタクリルアミド等のような中和された塩基性モノマーを含むラテックスポリマーである。合成樹脂エマルションのアニオン性は、1つのタイプより多くてもよい。
【0013】
アニオン性を有する合成樹脂エマルションは、公知の方法で製造することができる。このような公知の方法はワイレー社(Wiley)が1975年に刊行した、D.C.ブラックレイ(D.C.Blackley)著、「乳化重合:理論と実際(Emulsion Polymerization:Theory and Practice)」及びインターサイエンス パブリシャーズ社(Interscience Publishers)が1965年に刊行したF.A.ボベー(F.A.Bovey)等著、「乳化重合(Emulsion Polymerization)」等の、この主題に関するテキストにおいて明らかにされている。
【0014】
合成樹脂エマルションは、一般に、例えば次のモノマー類から製造されたポリマー又はコポリマーである:アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,アクリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸デシル,メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸ブチル,スチレン,ブタジエン,エチレン,酢酸ビニル,「バーサティック(Versatic)」酸(鎖長C,C10及びC11の第三モノカルボン酸)のビニルエステル(このビニルエステルは「バーサティック酸ビニル(vinyl versatate)」としても知られている),塩化ビニル,ビニルピリジン,塩化ビニリデン,アクリロニトリル,クロロプレン,アクリル酸,メタクリル酸,イタコン酸,マレイン酸及びフマル酸,α、β−エチレン性不飽和モノマー及びそれらのエステル、特にアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルのポリマー及びコポリマーが好ましい。
それらは、米国、ペンシルバニア州、フィラデルフィアのローム アンド ハース社が1966年5月に刊行した「アクリルモノマーの乳化重合(Emulsion Polymerization of Acrylic Monomers)」に示されるような公知の方法で製造するのが好ましい。
【0015】
アクリル酸エステル類として、アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,メタクリル酸メチルおよびアクリル酸2−エチルヘキシルを用い、アクリル酸類としては、アクリル酸およびメタクリル酸を用い、さらにスチレンを用いたコポリマーが好ましく使用される。
合成樹脂エマルションのTgは、好ましくは−50℃〜0℃の範囲である。
【0016】
合成樹脂エマルションは、好ましくはメタアクリル酸ブチルを含むモノマー混合物から重合され、メタアクリル酸ブチルの量は、モノマー混合物の1から70重量%であり、10〜30重量%であることがさらに好ましい。また、合成樹脂エマルションは、好ましくは2−エチルヘキシルアクリレートを含むモノマー混合物から重合され、2−エチルヘキシルアクリレートの量は、モノマー混合物の93〜22重量%であり、82〜43重量%であることがさらに好ましい。前述のように、本発明に用いられる陰イオン性を有するフィルム形成性合成樹脂エマルションは、ポリマーを形成するモノマーの内、陰イオン性を示すモノマーを除くモノマーの、水100グラムに対する溶解度が0.01から1.50グラムであることが必要である。陰イオン性を示すモノマーを除くモノマーとは、上記において第2の陰イオン性導入方法として言及されたように、ポリマーに少量の酸性基を含めることにより陰イオン性とした場合、かかる酸性基を含むモノマーを除いたその他のモノマーの意味である。なお、溶解度は25℃のものをいう。溶解度には加算性が成立すると考えられ、各モノマーの割合を決定すれば計算によりモノマー混合物の溶解度を求めることができる。ここで、溶解度は親水性と疎水性のバランスの尺度であり、溶解度を目安として合成樹脂エマルションを形成するモノマーの混合物の親水性と疎水性のバランスを調整することにより、ポリマーの速乾性や得られる塗膜の物性を調節することができるのである。
【0017】
本発明の塗料組成物は、▲2▼のアミン官能基含有モノマーを少なくとも20重量%含むモノマー混合物から形成された水溶性または水分散性のポリマーを含む。
【0018】
アミン官能基を含有するモノマーとしては、例えば以下のものがある。
1.アルキル基が直鎖型でも、或いは分枝鎖型でもよく、かつ2〜3個の炭素原子を有する、そして窒素原子が第一窒素原子でも、第二窒素原子でも、或いは第三窒素原子でもよいアミノアルキルビニルエーテルあるいは同スルフィド(米国特許第2,879,178号明細書)。
【0019】
具体的な例として次のものがある:β−アミノエチルビニルエーテル;β−アミノエチルビニルスルフィド;N−モノメチル−β−アミノエチルビニルエーテル又は同スルフィド;N−モノエチル−β−アミノエチルビニルエーテル又は同スルフィド;N−モノブチル−β−アミノエチルビニルエーテル又は同スルフィド;及びN−モノメチル−3−アミノプロピルビニルエーテル又は同スルフィド。
【0020】
2.アクリルアミド又はアクリル酸エステル、例えばジメチルアミノエチルアクリレート又は同メタクリレート;β−アミノエチルアクリレート又は同メタクリレート;N−β−アミノエチルアクリルアミド又は同メタクリルアミド;N−(モノメチルアミノエチル)−アクリルアミド又は同メタクリルアミドなどがある。
【0021】
3.N−アクリロキシアルキル−オキサゾリジン及びN−アクリロキシアルキルテトラヒドロ−1,3−オキサジン、並びに「アルキル」結合がアルコキシアルキル及びポリ(アルコキシ−アルキル)で置換されている、上記オキサゾリジン及びオキサジンに対応する化合物。
【0022】
この化合物の例に次のものがある:オキサゾリジニルエチルメタクリレート;オキサゾリジニルエチルアクリレート;3−(γ−メタクリル−オキシプロピル)−テトラヒドロ−1,3−オキサジン;3−(β−メタアクリロキシエチル)−2,2−ペンタメチレン−オキサゾリジン;3−β−メタアクリロキシエチル−2−メチル−2−プロピルオキサゾリジン;N−2−(2−アクリロキシエトキシ)エチル−オキサゾリジン;N−2−(2−メタアクリロキシエトキシ)エチル−オキサゾリジン;N−2−(2−メタアクリロキシエトキシ)エチル−5−メチル−オキサゾリジン;N−2−(2−アクリロキシエトキシ)エチル−5−メチル−オキサゾリジン;3−[2−(2−メタアクリロキシエトキシ)エチル]−2,2−ペンタメチレン−オキサゾリジン;3−[2−(2−メタアクリロキシエトキシ)エチル]−2,2−ジメチル−オキサゾリジン;及び3−[2−(2−メタアクリロキシエトキシ)エチル]−2−フェニル−オキサゾリジン。
【0023】
4.加水分解でアミンを容易に生成させるモノマーのポリマーは、アミン含有成分として、又はこのバインダー組成物のアミン含有成分のポリマーを生成せさせるのに有用である。このようなモノマーの例はアクリロキシ−ケチミン及び−アルジミンのようなものである。
【0024】
例示化合物は次の通りである:2−[4−(2,6−ジメチルヘプチリデン)−アミノ]−エチルメタクリレート;3−[2−(4−メチルペンチリジン)−アミノ]−プロピルメタクリレート;β−(ベンジリデンアミノ−エチルメタクリレート;3−[2−(4−メチルペンチリデン)−アミノ]−エチルメタクリレート;2−[4−(2,6−ジメチルヘプチリデン)−アミノ]−エチルアクリレート;12−(シクロペンチリデン−アミノ)−ドデシルメタクリレート;N−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−(2−メタクリロキシエトキシ)−エチルアミン;N−(ベンジリデン)−メタクリロキシエトキシエチルアミン;N−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−(2−アクリロキシエトキシ)−エチルアミン;及びN−(ベンジリデン)−2−(2−アクリロキシエトキシ)エチルアミン。
【0025】
一般に、少なくとも20重量%の前記カテゴリー1,2,3及び4のモノマーのアミン含有ポリマーは、求められる特定のポリマーに依存して中性か、アルカリ性か、又は酸性の水性媒体中での溶液重合により得ることができる。一般的に言えば、この重合は少量の有機又は無機の酸、例えば酢酸又は塩酸を含有する水性媒体中で行われる。アミン含有ポリマーは最大で80重量%の1種又は2種以上のモノマー、例えばアクリル酸メチル,アクリルアミド,メタクリルアミド及びアミンモノマー由来の4級アンモニウム塩、例えば2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドとのコポリマーを包含する。少量の比較的不溶性のコモノマーも水溶性ポリマーを得るのに使用することができる。不溶性ポリマーは、これらコモノマーをもっと大量に含有していてもよい。このようなモノマーに、例えば(C〜C18)アルコールとのアクリル酸エステル及び1〜18個の炭素原子を有するアルコール、特に(C〜C)アルカノールとのメタクリル酸エステル,スチレン,ビニルトルエン,酢酸ビニル,塩化ビニル,塩化ビニリデン,置換スチレン,ブタジエン,置換ブタジエン,エチレン、並びにアクリル酸又はメタクリル酸のニトリル及びアミドがある。所定のアミン含有ポリマーを製造する際に、使用される特定のモノマー又はモノマー類はこのコポリマーを製造する際に、使用されるアミン含有モノマーの割合に依存する。好ましくは、比較的高い水中溶解度を有するコモノマーが、水溶性ポリマーを製造するのに専ら使用される。これらのポリマーは、従って陽イオン性の、及び所望によっては非イオン性のビニルモノマーのポリマー又はコポリマーである。陽イオン性モノマーの例は、アミン,イミン及び4級アンモニウム塩である;記載された他のモノマーは非イオン性である。従って、これらの水溶性コポリマーは、使用モノマー中の不純物に起因して、或いは合成,貯蔵又は使用の際に起こる幾らかの加水分解に起因して、存在するだろう痕跡量の酸基を除けば、それ以外の酸基は含有していない。
【0026】
不溶性のアミン含有ポリマーの粘度平均分子量は約5,000〜約100,000であり、そして約15,000〜90,000の範囲が好ましい。水溶性ポリマーの分子量は広い範囲に及ぶことができる。典型的には、その粘度平均分子量は約5,000〜約300,000であり、そして約40,000〜約100,000の範囲が好ましい。アミン含有ポリマーの量はアニオン性合成樹脂エマルション及びアミン含有ポリマーの総重量の約0.1〜約20重量%の範囲である。
【0027】
アミン含有ポリマーは、一般に、この技術分野で一般的に知られている通り、例えば米国特許第4,119,600号明細書に教示されているように、求められる特定のポリマーに依存して中性か、アルカリ性か、又は酸性の水性媒体中での溶液重合により得ることができる。一般的に言えば、この重合は少量の有機又は無機の酸、例えば酢酸又は塩酸を含有する水性媒体中で行われる。アミン含有ポリマーは最大で80重量%の1種又は2種以上のモノエチレン性不飽和モノマー、例えばアクリル酸メチル,アクリルアミド及びメタクリルアミドとのコポリマーを包含する。少量の比較的不溶性のコモノマーも水溶性ポリマーを得るのに使用することができる。不溶性ポリマーは、これらのコモノマーをもっと大量に含有していてもよい。このようなモノマーに、例として挙げると、(C〜C18)アルコールとのアクリル酸エステル及び1〜18個の炭素原子を有するアルコール,特に(C〜C)アルカノールとのメタクリル酸エステル,スチレン,ビニルトルエン,酢酸ビニル,塩化ビニル,塩化ビニリデン,置換スチレン,ブタジエン,置換ブタジエン,エチレン、並びにアクリル酸又はメタクリル酸のニトリル及びアミドがある。所定のアミン含有ポリマーを製造する際に、使用される特定のコモノマー又はコモノマー類は、このコポリマーを製造する際に、使用されるアミン含有モノマーの割合に依存する。これらのポリマーは、従って陽イオン性の、及び所望によっては非イオン性のビニルモノマーのポリマー又はコポリマーである。陽イオン性モノマーの例は、アミン及びイミンである;記載された他のモノマーは非イオン性である。従って、これらの水溶性コポリマーは使用モノマー中の不純物に起因して、或いは合成,貯蔵又は使用の際に起こる幾らかの加水分解に起因して存在するだろう痕跡量の酸基を除けばそれ以外の酸基は含有しない。
【0028】
アニオン性合成樹脂エマルション、アミン官能基モノマーを少なくとも20重量%含むモノマー混合物から形成された水溶性または水分散性のポリマー、本質的に全ての多官能アミンが非イオン性状態にある点まで組成物のpHを上昇させるのに十分な量の揮発性塩基を含む組成物として、例えば商品名 E−2706(ローム アンド ハース社製)を例示できる。
【0029】
本発明の塗料組成物は▲3▼の揮発性塩基を必要とする。使用される揮発性塩基のタイプと量は、この組成物のpHをアミン含有ポリマーのアミン官能基が非イオン化(脱プロトン化)される点まで、典型的には少なくともpH5、好ましくはpH7〜9まで上昇させて、この速乾性塗料組成物中のアニオン的に安定化された合成樹脂エマルション、その他のアニオン性成分との相互作用を避けるようにするのに十分なものでなければならない。
【0030】
塗布後に、揮発性塩基は蒸発し、組成物のpHを下げる。組成物のpHがアミン官能基のプロトン化が起こり始める点まで下がると、アミン官能基は陽イオン性となる。この速やかな乾燥は、陰イオン的に安定化されたエマルションポリマーの存在下でのアミン官能基の陽イオン状態へのこの転化によって開始されると考えられるが、この速乾性を生む正確な機構は確立されておらず、従って本発明者はその速乾性を正確な機構の理論で束縛するものではない。
【0031】
適当な塩基には、限定する訳ではないが、アンモニア,モルホリン,アルキルアミン,2−ジメチルアミノエタノール,N−メチルモノホリン,エチレンジアミン及びそれらの混合物があり、好ましい塩基はアンモニアである。
アミンと合成樹脂エマルション中の酸との当量比は、好ましくはアミン/酸=0.5〜1.0である。
【0032】
本発明の水性塗料組成物はまた水溶性又は水分散性の多価金属を金属のイオン,塩,錯体又は酸化物の形で含有することができる。多価金属は塗料組成物配合後に添加してもよいが、多価金属でラテックスポリマーを変成した後、他の成分を加えることが好ましい。ラテックスポリマーを多価金属で予め変成することにより、より広い温度範囲でラテックスポリマーフィルムの伸びと引張強さのバランスが保たれる。
【0033】
変成の方法としては、多価金属の粉末を水に分散させて水性塗料組成物に加えることもできるが、最初に多価金属を多価金属イオンの錯体にしたり、多価金属のイオンとその対イオンにより塩を形成させ、多価金属を水溶性もしくは水分散性とするのが好ましい。多価金属イオンの錯体は、pH=9〜10の希薄なアンモニア水のようなアルカリ性溶液中で可溶化することができる。水溶性または水分散性の多価金属を、温度30〜50℃に保持したラテックスポリマー中に添加することによりラテックスポリマーを多価金属で変成する事ができる。
【0034】
カルシウム,アルミニウム,マグネシウム,亜鉛,バリウム,ストロンチウム等のような多価金属イオンを使用することができる。多価金属イオンの錯体、例えば、亜鉛ヘキサアンモニア,重炭酸亜鉛アンモニウム等、及び多価金属イオンと対イオン、例えば塩化物イオン,酢酸イオン,重炭酸イオンとの塩も使用することができる。亜鉛が好ましい多価金属である。
【0035】
多価金属のイオン,塩,錯体又は酸化物はラテックスのポリマー固形分の重量基準で約0.1〜10重量%の水準で有用である。ラテックスのポリマー固形分の重量基準で約0.3重量%から約2.0重量%の水準が好ましい。加えて、例えば顔料,バインダー,ビヒクル,エキステンダー,分散剤,界面活性剤,合体剤,湿潤剤,レオロジー変成剤,増粘剤,乾燥遅延剤,消泡剤,着色剤,ワックス,防腐剤,熱安定剤,溶剤,皮張り防止剤,乾燥剤等のような常用の塗料成分も本発明において使用することができる。添加剤のタイプと量を選択する際には塗料組成物のpHが貯蔵安定性を阻害する程度まで変えられ、或いは塗布後にpHがポリアミンのプロトン化を開始させるほどには十分に下がらない程度までpH調整が行われなくなることを避けるように注意しなければならない。
【0036】
更に、本発明の塗料組成物では、▲4▼にエポキシ樹脂を硬化剤として配合している。硬化剤を加えることにより、速乾性,初期耐水性の改善のみならず、強靭かつ弾性のある塗膜形成の可能な塗料組成物としている。硬化剤としては、常温架橋反応が可能であり、揮発性塩基と反応することがなく、速乾性を妨げることのないものが好ましい。常温架橋反応の安定したものとは、一般にカルボキシル基に対するエポキシ基あるいはアゾリジン基,オキサゾリン基の反応,カルボニル基に対するヒドラジン基の反応,ヒドロキシ基に対するイソシアネート基の反応が周知である。
【0037】
しかしながら、金属イオンで結合した塗膜や、アジリジン架橋は変異原性等に問題があり、架橋反応を実質的に利用した塗膜への利用は困難である。また、カルボニル基とヒドラジン基の反応は、水存在下ではあまり進行せず架橋密度が小さくなる。カルボキシル基とオキサゾリン基との反応は、カルボキシル基とエポキシ基の反応に比べ、常温では小さく、従って後者の組み合せが好ましい。ヒドロキシ基とイソシアネート基の反応は、塗料として用いた時に可使時間が得られないので良くない。
【0038】
エポキシ基を含むエポキシ樹脂の塗料中における配合量は、カルボキシル基を持つアニオン性合成樹脂エマルションのカルボキシル基の当量数(A)から、アミン官能基含有モノマーを含むポリマー中のアミン官能基の当量数(B)を差し引いた当量数、即ち、(A−B)に対して0.05ないし5倍のエポキシ基数となるようにしたエポキシ樹脂量とする。好ましい量配合としては、(A−B)によって表されるアミン官能基と未反応のカルボキシル基数の割合に対して0.1〜3倍の数となるエポキシ基数となるエポキシ樹脂である。この割合の範囲にあるエポキシ樹脂を添加することにより、塗料組成物中の揮発性塩基が速やかに蒸発し、その後エポキシ基とアニオン性合成樹脂エマルション中のカルボキシル基の反応硬化が始まる。エポキシ基数、しいてはエポキシ樹脂量を反応可能な量を越えて多量に添加した場合は、カルボキシル基の数を越えて反応が生じることはなく、残余のエポキシ樹脂は希釈剤成分となる。しかしながら、このエポキシ樹脂量は速乾燥とも密接な関連がある為、その最適量は実験によって求める必要がある。
【0039】
本発明の塗料組成物には、▲5▼としての揮発性塩基で中和されたアニオン性界面活性剤を顔料分散剤として含有することがある。この界面活性剤の添加量は、顔料を分散するに足りる量であって、通常顔料に対し、その有効成分で0.2〜1.0重量%である。揮発性塩基ではなく、ナトリウム,カリウム等の金属塩で中和された界面活性剤が広く知られているが、これらは塗装後の塗料組成物のpHを速やかに低下させることを妨げ、アミン官能基のプロトン化の開始が遅れ、結果、乾燥性が損なわれるため好ましくない。
【0040】
揮発性塩基で中和されたアニオン性界面活性剤として、商品名 オロタン901(ローム アンド ハース社製),商品名 ポイズ532A(花王社製),商品名 アラスター703S(荒川化学工業社製)が例示できる。
【0041】
本発明の水性塗料組成物は、顔料体積濃度(PVC)が20%〜70%の範囲であり、典型的には、固形分の含有量を10〜70%の範囲とし、かつ、塗料の粘度を50〜5,000ポイズとするように配合される。また、一般に固形分濃度が高いほど速乾性は高くなる。しかしながら、PVCが高くなると、ゴム弾性を低下させる事になる為、好ましくは20%〜60%、最も好ましくは25%〜45%である。
【0042】
顔料としては次のようなものがある。白色顔料として二酸化チタン,炭酸カルシウム,クレーがあり、着色顔料として酸化鉄及び公知の有機系顔料も使用できる。又、二酸化チタン単独使用でも、他の無機又は有機系顔料との併用であっても何ら問題ない。更に、本発明の水性塗料組成物は珪砂,炭酸カルシウム,繊維等のような充填剤を含有することができる。
【0043】
この発明の塗料組成物は、上記以外に低沸点アルコール類,造膜助剤,増粘剤,粘性調整剤,消泡剤,防腐剤,防黴剤,防藻剤等のような一般に塗料製造に配合される成分も、この発明の特徴を損なわない範囲内において使用することができる。
【0044】
本発明にかかる水性塗料組成物は、低感温性でゴム弾性が大きく、速乾性に優れるという効果を有している。また、従来水系では困難であった、0〜5℃といった著しい低温、80%から90%の多湿条件下での塗装・乾燥が可能であるという効果も有している。なお、ここで「低感温性」とは、従来の組成物と比較して温度依存性が小さいことをいう。また、ゴム弾性の尺度としては、−20℃での引っ張り強度を20℃での引っ張り強度で割った値を使用する事ができる。この数値が小さいほど高いゴム弾性を有すると理解される。
この塗料を使用するに当っては、ローラー,タイルガン,圧送機等を用い、典型的には、約0.8ミリ〜約3ミリまでの厚さで塗布することができる。
【0045】
【実施例】
単量体混合物1の製造
脱イオン水3687.8gに、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウムの58%溶液の31.6gを溶かし、攪拌した溶液に、次の単量体をゆっくり加えることにより乳化した単量体混合物1を調整した。
【0046】

Figure 0003698532
【0047】
重合操作 乳化重合体の調製
温度計、冷却器、および攪拌機を備えた適当な反応容器に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム70.1g、および脱イオン水3118.0gを含む溶液を入れ、80〜85℃に加熱した。この反応溶液に、炭酸ナトリウム水溶液(脱イオン水169.4gに炭酸ナトリウム32.3gを溶解させた液)および前述の単量体乳濁液の531.2gの全てを順次仕込み、温度を80〜82℃に調節した。この反応溶液に、過硫酸ナトリウム(SPS)水溶液(脱イオン水169.3gにSPS33.1gを溶解させた液)の全てを加えた。約5分以内に、3〜5℃の温度上昇及び反応混合物の外観の変化により重合の開始を確認した。発熱が終了した後、残りの単量体混合物と過硫酸ナトリウム(SPS)水溶液(脱イオン水384.9gにSPS7.7gを溶解させた液)を反応容器に徐々に加えた。重合反応の熱を冷却によって除くことのできるよう、2〜3時間で添加された。重合反応温度は、必要に応じ冷却することにより80〜82℃に維持した。添加完了後、反応混合物の容器及び供給管を脱イオン水215.6gですすぎ、反応容器に加えた。得られた乳化重合体は温室に冷却するか、または多価金属水溶液、水分散性アミン官能基含有ポリマーを添加するために適切な温度に保った。
【0048】
上記の操作により乳化重合体を4つ調製し、表1に示した配合でサンプル1〜4を調製した。配合は、乳化重合体を40℃に維持し、多価金属水溶液を反応容器に添加し、pHを28%アンモニア水溶液を用いてpH9.0〜10.0に調製し、最後に水分散性アミン官能基含有ポリマーであるポリオキサゾリジニルエチルメタクリレート(固形分27.5%)を添加して行った。さらに、サンプル1〜4のそれぞれを、離型剤を塗布したシャーレに、約2mm厚のフィルムになるような量を流し込み、70℃、相対湿度40%の環境下で12日間乾燥した。乾燥フィルムをダンベルを用いて0.25インチ幅に切りとり、つかみ幅1インチ、引っ張り試験速度2インチ/分で引っ張り試験を行い、フィルムが破断するまでの伸び率及び最大強度を測定した。結果を表2に示す。
【0049】
単量体混合物2の製造
脱イオン水2748.5gに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの24%溶液47.0gと、ポリオキシエチレンアリールエーテル硫酸ナトリウムの30.7%溶液55.0gを溶かし、攪拌した溶液に、次の単量体をゆっくり加えることにより乳化した単量体混合物2を調製した。
【0050】
Figure 0003698532
【0051】
重合操作 乳化重合体の調製
温度計、冷却器、および攪拌機を備えた適当な反応容器に、24%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム31.4g、30.7%ポリオキシエチレンアリールエーテル硫酸ナトリウム37.4g、および脱イオン水3490.6gを含む溶液を入れ、80〜85℃に加熱した。この反応容器に、炭酸アンモニウム水溶液(脱イオン水193.0gに炭酸アンモニウム33.1g溶解させた液)および前述の単量体乳濁液の544.3gの全てを順次仕込み、温度を80〜82℃に調節した。この反応容器に、過硫酸アンモニウム(APS)水溶液(脱イオン水129.6gにAPS34.1gを溶解させた液)の全てを加えた。約5分以内に3〜5℃の温度上昇及び反応混合物の外観の変化により重合の開始を確認した。発熱が終了した後、残りの単量体混合物を徐々に加えた。重合反応の熱を冷却によって除くことのできるよう、2〜3時間で添加された。重合反応温度は、必要に応じ冷却することにより80〜82℃に維持した。添加完了後、反応混合物の容器及び供給管を脱イオン水217.9gですすぎ、反応容器に加えた。反応容器は45℃に冷却し、70%オクチルフェニルポリエトキシエタノール130.5gを添加し、容器及び供給管を脱イオン水139.2gですすぎ、反応容器に加えた。得られた乳化重合体は室温に冷却するか、または多価金属水溶液、水分散性アミン官能基含有ポリマーを添加するために適切な温度に保った。上記の操作により乳化重合体を9つ調製し、表3に示した配合でサンプルNO.5〜13を調製した。なお、サンプルNO.11〜13は比較例である。配合は、乳化重合体を40℃に維持し、上記多価金属水溶液を反応容器に添加し、pHを28%アンモニア水溶液を用いてpH9.0〜10.0に調整し、最後に水分散性アミン官能基含有ポリマーであるポリオキサゾリジニルエチルメタクリレート(固形分27.5%)を添加して行った。次に、上述の乳化重合体の調整を行った時と同様の方法でフィルムを作製し、伸び率及び最大強度を測定した。結果を表4に示す。
【0052】
【表1】
Figure 0003698532
【0053】
【表2】
Figure 0003698532
【0054】
【表3】
Figure 0003698532
【0055】
【表4】
Figure 0003698532
【0056】
サンプルNO.11〜13を5℃、80%RHの環境下で、ガラス板上に5ミルのアプリケータを用いて塗布後、指でこすり、フィルムの皮張り及び乾燥完了までの時間を測定した。結果は以下の通りであった。
【0057】
Figure 0003698532
【0058】
単量体混合物1とこれに続くサンプルNO.1〜4の乳化重合体を調整した時と同様の方法により、表5に示した組成のエマルションを合成した。得られたエマルションを22〜23℃、60%RHの環境下で、ガラス板上に5ミルのアプリケータを用いて塗布後、指でこすり、フィルムの皮張り及び乾燥完了までの時間を測定した。結果を表6に示す。
【0059】
【表5】
Figure 0003698532
【0060】表5中の略号は下記の通りである。
BA:ブチルアクリレート
MMA:メチルメタアクリレート
MAA:メタアクリル酸
2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
Sty:スチレン
BMA:ブチルメタアクリレート
SLS:ラウリル硫酸ナトリウム
DS−4:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
CO−436:ポリオキシエチルノニルフェニルスルホン酸アンモニウム
【0061】
【表6−1】
Figure 0003698532
【表6−2】
Figure 0003698532
【0062】
以下に、上記乳化重合体のうち、引張り強さあるいは破断伸びに優れる重合体サンプルを選択し、塗料化した時、硬化剤を含まない状態における貯蔵安定性を表8に示し、その塗料化配合を表7に示す。次に、貯蔵安定性に優れる重合体サンプル同NO.10を使用し、硬化剤としてのエポキシ樹脂の添加割合を変化させて、塗膜の伸びおよび引張強さを測定した。また重合体サンプルNO.4およびNO.10を使用し、硬化剤の種類を変化させ、塗料のPVCを変化させて塗膜の伸び試験を行った。
【0063】
【表7】
Figure 0003698532
尚、この塗料化配合におけるPVC(顔料体積濃度)は、約25%となる。また、乳化重合体の固型分は乳化重合体によって多少のバラツキがあるものの、約55%とした。
【0064】
【表8】
Figure 0003698532
【0065】
貯蔵安定性の試験は、表7の配合に基づいて調整した塗料を20℃の恒温槽,50℃恒温槽,−5℃の恒温槽に1週間静置した後の粘度を簡易粘度計(ビスコテスター)により測定した。尚、50℃,−5℃の温度条件下に置いた塗料については、20℃条件に一日置いて塗料温度を常温に戻した後で粘度測定した。表8中では、20℃条件下にて貯蔵したものを経時粘度とし、−5℃条件下にて貯蔵したものを低温経時後粘度、50℃条件下にて貯蔵したものを高温経時後粘度としている。表8に示す貯蔵安定性の試験結果における◎印は、製造直後の粘度に対して、粘度変化が10%未満であったことを表し、○印は粘度変化が10%以上20%未満であったこと、×印は20%以上の粘度変化が生じたことを表している。
【0066】
硬化剤添加による伸び,引張強さの測定では、硬化剤を塗料に添加,混合した後、離型紙上に厚み2mmとなるように塗り付け、20℃,65%RH条件下にて7日間養生した後、ダンベル状3号形の打ち抜き型により試験体を切り取り、伸び試験に供した。試験方法は、JIS A6021「屋根用塗膜防水材」の5.4引張性能に準じた。引張強さはダンベル状3号型に打ち抜いた時の厚みと巾をマイクロメーターにより測定しておき、伸び試験を行った時に最大の引張強さを示す値をもとに換算した。硬化剤の添加量は、乳化重合体サンプルに対する重量比であり、乳化重合体サンプルは、アミン官能基含有モノマーを含むポリマーおよび揮発性塩基を含んだもののことを言う。そして、エポキシ樹脂にはグリセロールポリグリシジルエーテル(グリセリンジグリシジルエーテル)を用いた。
【0067】
硬化剤の添加量は、乳化重合体中のカルボキシル基の官能基数およびアミン官能基含有ポリマーのアミン官能基数に依存している。サンプルNO.10の乳化重合体を用いた場合、乳化重合体中1.06重量%(192/18146.1)がメタアクリル酸となり、このモル数がカルボキシル基の当量数に相当する。サンプルNO.10の乳化重合体を用い、表7の配合表に基づいて塗料化した場合、2638.3重量部中の乳化重合体は1700重量部であり、約18重量部(0.21当量)がメタアクリル酸となる。また、同様に乳化重合体中にアミン官能基含有ポリマーは1.06重量%含まれ、0.21当量が添加されていることとなる。従って、約55%(0.12/0.21)のカルボキシル基は、アミン官能基含有ポリマーによってブロックされる為、本願明細書中における(A−B)に相当するカルボキシル基数は0.09当量となる。エポキシ樹脂は、表7の1700重量部の固型分に対して、0.1重量%添加することは0.94重量部添加することであり、グリセリンジグリジルエーテルの分子量204、1分子中のエポキシ基数2であることから、反応し得るエポキシ基数に対し約10%となる。同様にして、乳化重合体固型分に対して、エポキシ樹脂を0.2重量%添加した時には、(A−B)に相当するカルボキシル基数に対して約20%添加したこととなる。
【0068】
【表9】
Figure 0003698532
【0069】
PVCを変化させた時の配合を下記表10に示す。
【表10】
Figure 0003698532
【0070】
【表11−1】
Figure 0003698532
【表11−2】
Figure 0003698532
表中、実施例,比較例のNO.を示す例えばA〜Aは、同一行の試験結果の左から数えての番号を示す。また2段書きの数値は、上段が20℃下の伸び(%)の試験結果であり、下段が引張強さ(kgf/cm)の試験結果を示す。
【0071】
尚、硬化剤種類 符号等は、ED507は旭電化工業(株)のエポキシ樹脂、商品名アデカグリシロールED507のことであり、122Wはクラリアントジャパン(株)のエポキシ樹脂、商品名ベッコポックス122Wのことであり、EP128はクラリアントジャパン(株)のエポキシ樹脂、商品名ベッコポックスEP128、0427は旭電化工業(株)のエポキシ樹脂、商品名アデカレジンEP ES0427、1758は旭電化工業(株)のエポキシ樹脂、商品名アデカレジンEP R−1758、1736は旭電化工業(株)のエポキシ樹脂、商品名アデカレジンEP X−1736、EX313はナガセ産業(株)のエポキシ樹脂、商品名デナコールEX313、EX810はナガセ産業(株)のエポキシ樹脂、商品名デナコールEX810、EX212はナガセ産業(株)のエポキシ樹脂、商品名デナコールEX212、X09は武田薬品工業(株)のウレタン樹脂、商品名タケラックXW−75−X09、XD220は武田薬品工業(株)のポリイソシアネート、商品名スタフィロイドの硬化剤XD220、アクア200は日本ポリウレタン工業(株)のポリイソシアネート、商品名アクアネート200のことを示す。
【0072】
また、表11の例中、伸び率,引張強さ共に良好な値を示したものについて、硬化剤添加後の可使時間を測定した。
【表12】
Figure 0003698532
【0073】
可使時間の測定については、硬化剤を添加混合後、ポリエチレン製容器中に密封し、室温下に置き、一定時間ごとに粘度を測定し、タイルガン(エアースプレーガンの一種)および圧送機械を用いて吹付け塗装を行った際に、作業性に問題が無いかどうかをチェックした。尚、粘度変化が硬化剤添加直後に比べ、20%以上生じた時を一つの目安とした。
【0074】
更に、上記4実施例については、乾燥性を四つの条件下において確認した。条件Aは20℃,65%RH,条件Bは20℃,90%RH,条件Cは5℃,65%RH,条件Dは5℃,90%RHである。乾燥性試験を行うに当っては、調整した塗料および硬化剤,塗装下地を乾燥性試験を行う温度条件下に24時間以上放置した上で、試験に供した。塗装下地はプライマーを塗布した石綿スレート板を用意し、供試塗料を1mmの厚みにして塗り付けて乾燥性を評価した。表中、乾燥の段階を区別するための指触は指触乾燥を言い、半硬化は半硬化乾燥,硬化は硬化乾燥を言い、基準はJIS K5400の評価方法に倣った。また、耐水性は耐水性の得られる段階を言い、塗料を塗り付けた試験板を30分間水中に浸漬させた時に、塗料の溶出が全くない段階のことを示す。測定結果を示す数値は時間である。
【0075】
【表15】
【0076】
【発明の効果】
この発明の塗料組成物は、常温以下、特に低温あるいは高湿度条件下において、速乾性および初期耐水性に優れることは勿論、高抗張力を有し、かつゴム弾性を低下させることのないものを得ることができる。これは、強靭な塗膜物性(抗張力あるいは引張強さ)を得た場合、著しいゴム弾性の低下という問題を解決したものとなっている。また、この発明の塗料は製造の安定性,貯蔵安定性,使用時の可使時間に問題のない水系塗料となる。
従って、低温ないし高湿度条件下においては、使用,施工が困難であった弾性,抗張力にバランスの優れた塗料を提供することが可能となった。
【表13】
Figure 0003698532
[0001]
[Industrial application fields]
The present invention is excellent in quick-drying property and initial water resistance at room temperature or lower, particularly at low temperature or high humidity. By adding a curing agent, higher tensile strength (tensile strength) is increased and rubber elasticity is not lowered. The present invention relates to a water-based coating composition excellent in manufacturing and storage stability and coating workability.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, quick-drying water-based paint compositions are a method of increasing the total solid content, minimizing water-soluble components such as surfactants and thickeners, and containing a large amount of low-boiling alcohol such as methanol to speed up drying. It has been known.
Further, those containing an emulsion polymer, a polyfunctional amine and a volatile base as described in JP-A-3-157463 or JP-A-8-218037 have been known.
[0003]
However, in the former method, the quick-drying property cannot be sufficiently improved, and the performance such as the coating workability and the storage stability tends to be impaired. In addition, when the amount of low-boiling point alcohols such as methanol was added until the effect was manifested, the fire service law and the occupational safety and health law were touched. In the latter method, the quick-drying property, the elasticity and the tensile strength are insufficient, and a coating composition capable of obtaining a balance between the quick-drying property and the tensile strength has been desired.
[0004]
Furthermore, it has been difficult for conventional reaction-curable elastic paints to improve drying properties, particularly quick drying properties, when trying to obtain a sufficient pot life. On the other hand, when a tough coating film (tensile strength) can be obtained by a reaction curing action, the rubber elasticity must be significantly reduced. Accordingly, there has been a demand for a coating composition that can provide a balance between quick drying, strong tensile strength, and high elasticity.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention provides a water-based coating composition having excellent quick-drying properties, particularly drying properties under low temperature and high humidity, having a tougher coating film by reaction curing action, and having a property that does not significantly reduce rubber elasticity. It is.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In the present invention, in order to solve the above-mentioned problems, (1) in the anionic synthetic resin emulsion, among the monomers constituting the emulsion, the monomers other than the anionic monomer have a solubility in 100 grams of water of 0. 1 to 1.50 grams of synthetic resin emulsion, (2) a polymer formed from a monomer mixture containing at least 20% by weight of amine functional group-containing monomer, and (2) relative to the equivalent number of carboxyl groups in (1) The ratio of the number of equivalents of amine functional groups in the composition is 5 to 80%, and (3) up to the point that essentially all polyfunctional amines are in a nonionic state. pH A sufficient amount of volatile base to increase the amount of volatile base, 5% to 4% of the number of equivalents of the carboxyl group contained in (4) (1) minus the number of equivalents of the amine functional group contained in (2) The gist is to include an epoxy resin having an epoxy group number of 500%.
[0007]
In this specification, “quick drying” means a property of drying more quickly than a conventional composition.
As used herein, “synthetic resin emulsion” means a water-insoluble polymer that can be produced by conventional polymerization techniques such as, for example, emulsion polymerization. Synthetic resin emulsions are polymerized from any monomer or monomer mixture that forms a water-insoluble polymer that forms a film under the application conditions.
[0008]
The synthetic resin emulsion (1) used in the water-based coating composition of the present invention needs to be stabilized anionic. These also mean water-insoluble polymers that can be produced by conventional polymerization techniques such as emulsion polymerization.
The invention can also be practiced with more complex forms, such as core-shell particle polymers.
[0009]
The anionic property of the synthetic resin emulsion can be obtained by several methods. The most common method is a method of using an anionic surfactant during emulsion polymerization, or the surfactant is added to the emulsion after polymerization. It is a method of adding.
[0010]
Nonionic surfactants can also be present in the synthetic resin emulsion during or after the polymerization of these anionically stabilized synthetic resin emulsions. Useful surfactants include: condensation products of naphthene sulfonic acid and low molecular weight formaldehyde, carboxylic acid polymers and copolymers with the proper hydrophilic-lipophilic balance, higher alkyl sulfates such as sodium lauryl sulfate, dodecyl Alkyl aryl sulfonates such as benzene sulfonate, sodium salt or potassium salt of isopropylbenzene sulfonic acid or isopropyl naphthalene sulfonic acid, sulfosuccinates such as sodium dioctyl sulfosuccinate, alkali metal salts of higher alkyl sulfosuccinates such as octyl Sodium sulfosuccinate, sodium N-methyl-N-pammitoyl taurate, sodium oleyl isethionate, alkylaryl polyethoxyethane There are various anionic surfactants well known in the art such as alkali metal salts of nor sulfuric acid or sulfonic acids, such as sodium t-octylphenoxy-polyethoxyethanol sulfate having 1 to 5 oxyethylene units.
[0011]
Another type of synthetic resin emulsion having anionic properties is the result of including a small amount of acidic groups in the polymer. Here, the acidic group can be in the form of a salt, for example an alkali metal salt or an ammonium salt. Examples of such acidic groups are those derived from incorporated initiator fragments, maleic acid, vinyl sulfonic acid, crotonic acid, acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid and the like.
[0012]
A third useful type of anionic synthetic resin emulsion is a latex polymer containing neutralized basic monomers such as acrylamide, methacrylamide and the like. The anionic nature of the synthetic resin emulsion may be more than one type.
[0013]
The synthetic resin emulsion having anionic property can be produced by a known method. Such a known method is described in D. W., published by Wiley in 1975. C. "Emulsion Polymerization: Theory and Practice" by D. C. Blackley and Interscience Publishers, published in 1965. A. It is made clear in texts on this subject, such as by FA Bovey et al., “Emulsion Polymerization”.
[0014]
Synthetic resin emulsions are typically polymers or copolymers made, for example, from the following monomers: methyl acrylate, ethyl acrylate, butyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, decyl acrylate, methyl methacrylate, methacrylic acid Ethyl, butyl methacrylate, styrene, butadiene, ethylene, vinyl acetate, “Versatic” acid (chain length C 9 , C 10 And C 11 (The vinyl ester is also known as “vinyl versatate”), vinyl chloride, vinyl pyridine, vinylidene chloride, acrylonitrile, chloroprene, acrylic acid, methacrylic acid. Preference is given to polymers and copolymers of acids, itaconic acid, maleic acid and fumaric acid, α, β-ethylenically unsaturated monomers and their esters, in particular acrylic esters and methacrylic esters.
They are manufactured by known methods as shown in “Emulsion Polymerization of Acrylic Monomers” published in May 1966 by Rohm and Haas Company of Philadelphia, Pennsylvania, USA. preferable.
[0015]
As the acrylic acid esters, ethyl acrylate, butyl acrylate, methyl methacrylate and 2-ethylhexyl acrylate are used, and as the acrylic acids, a copolymer using acrylic acid and methacrylic acid, and further using styrene is preferably used. .
The Tg of the synthetic resin emulsion is preferably in the range of −50 ° C. to 0 ° C.
[0016]
The synthetic resin emulsion is preferably polymerized from a monomer mixture containing butyl methacrylate, and the amount of butyl methacrylate is 1 to 70% by weight of the monomer mixture, more preferably 10 to 30% by weight. Further, the synthetic resin emulsion is preferably polymerized from a monomer mixture containing 2-ethylhexyl acrylate, and the amount of 2-ethylhexyl acrylate is 93 to 22% by weight of the monomer mixture, and is further 82 to 43% by weight. preferable. As described above, the film-forming synthetic resin emulsion having an anionic property used in the present invention has a solubility in 100 g of water of monomers other than the anionic monomer among the monomers forming the polymer of 0. It should be between 01 and 1.50 grams. As mentioned above as the second anionic introduction method, the monomer excluding the monomer exhibiting anionicity is an anionic group by adding a small amount of acidic group to the acidic group. It means the other monomer excluding the monomer to be included. In addition, solubility means a 25 degreeC thing. It is considered that the solubility is additive, and if the proportion of each monomer is determined, the solubility of the monomer mixture can be obtained by calculation. Here, the solubility is a measure of the balance between hydrophilicity and hydrophobicity, and by adjusting the balance between hydrophilicity and hydrophobicity of the mixture of monomers that form the synthetic resin emulsion using the solubility as a guideline, the quick drying property of the polymer can be obtained. The physical properties of the resulting coating film can be adjusted.
[0017]
The coating composition of the present invention comprises a water-soluble or water-dispersible polymer formed from a monomer mixture containing at least 20% by weight of the amine functional group-containing monomer (2).
[0018]
Examples of the monomer containing an amine functional group include the following.
1. The alkyl group may be linear or branched and has 2 to 3 carbon atoms, and the nitrogen atom may be the first nitrogen atom, the second nitrogen atom, or the third nitrogen atom Aminoalkyl vinyl ether or sulfide (US Pat. No. 2,879,178).
[0019]
Specific examples include: β-aminoethyl vinyl ether; β-aminoethyl vinyl sulfide; N-monomethyl-β-aminoethyl vinyl ether or sulfide; N-monoethyl-β-aminoethyl vinyl ether or sulfide; N-monobutyl-β-aminoethyl vinyl ether or sulfide; and N-monomethyl-3-aminopropyl vinyl ether or sulfide.
[0020]
2. Acrylamide or acrylic ester, such as dimethylaminoethyl acrylate or methacrylate; β-aminoethyl acrylate or methacrylate; N-β-aminoethyl acrylamide or methacrylamide; N- (monomethylaminoethyl) -acrylamide or methacrylamide There is.
[0021]
3. N-acryloxyalkyl-oxazolidine and N-acryloxyalkyltetrahydro-1,3-oxazines and compounds corresponding to the above oxazolidines and oxazines wherein the “alkyl” bond is substituted with alkoxyalkyl and poly (alkoxy-alkyl) .
[0022]
Examples of this compound include: oxazolidinyl ethyl methacrylate; oxazolidinyl ethyl acrylate; 3- (γ-methacryl-oxypropyl) -tetrahydro-1,3-oxazine; 3- (β-meta Acryloxyethyl) -2,2-pentamethylene-oxazolidine; 3-β-methacryloxyethyl-2-methyl-2-propyloxazolidine; N-2- (2-acryloxyethoxy) ethyl-oxazolidine; N-2 -(2-Methacryloxyethoxy) ethyl-oxazolidine; N-2- (2-Methacryloxyethoxy) ethyl-5-methyl-oxazolidine; N-2- (2-acryloxyethoxy) ethyl-5-methyl- Oxazolidine; 3- [2- (2-methacryloxyethoxy) ethyl] -2,2-pentameth 3- [2- (2-methacryloxyethoxy) ethyl] -2,2-dimethyl-oxazolidine; and 3- [2- (2-methacryloxyethoxy) ethyl] -2-phenyl-oxazolidine .
[0023]
4). Monomeric polymers that readily produce amines upon hydrolysis are useful as amine-containing components or to produce polymers of amine-containing components of the binder composition. Examples of such monomers are such as acryloxy-ketimine and -aldimine.
[0024]
Exemplary compounds are as follows: 2- [4- (2,6-dimethylheptylidene) -amino] -ethyl methacrylate; 3- [2- (4-methylpentyridine) -amino] -propyl methacrylate; β- (benzylideneamino-ethyl methacrylate; 3- [2- (4-methylpentylidene) -amino] -ethyl methacrylate; 2- [4- (2,6-dimethylheptylidene) -amino] -ethyl acrylate; 12- (cyclopentylidene-amino) -dodecyl methacrylate; N- (1,3-dimethylbutylidene) -2- (2-methacryloxyethoxy) -ethylamine; N- (benzylidene) -methacryloxyethoxyethylamine; N- (1,3-dimethylbutylidene) -2- (2-acryloxyethoxy) -ethylamine; and N- Benzylidene) -2- (2-acryloxyethoxy) ethylamine.
[0025]
In general, at least 20% by weight of the amine-containing polymers of the above categories 1, 2, 3, and 4 monomers are solution polymerized in neutral, alkaline, or acidic aqueous media depending on the particular polymer sought. Can be obtained. Generally speaking, this polymerization is carried out in an aqueous medium containing a small amount of an organic or inorganic acid such as acetic acid or hydrochloric acid. Amine-containing polymers are copolymers with up to 80% by weight of one or more monomers such as methyl acrylate, acrylamide, methacrylamide and quaternary ammonium salts derived from amine monomers such as 2-methacryloxyethyltrimethylammonium chloride. Is included. A small amount of a relatively insoluble comonomer can also be used to obtain a water-soluble polymer. The insoluble polymer may contain a larger amount of these comonomers. Examples of such monomers include (C 1 ~ C 18 ) Acrylic esters with alcohols and alcohols having 1 to 18 carbon atoms, in particular (C 1 ~ C 4 ) Methacrylic acid esters with alkanols, styrene, vinyl toluene, vinyl acetate, vinyl chloride, vinylidene chloride, substituted styrene, butadiene, substituted butadiene, ethylene, and nitriles and amides of acrylic acid or methacrylic acid. In preparing a given amine-containing polymer, the particular monomer or monomers used depends on the proportion of amine-containing monomer used in preparing the copolymer. Preferably, comonomers with a relatively high solubility in water are used exclusively to produce water-soluble polymers. These polymers are therefore polymers or copolymers of cationic and optionally nonionic vinyl monomers. Examples of cationic monomers are amines, imines and quaternary ammonium salts; the other monomers described are nonionic. Thus, these water-soluble copolymers eliminate trace amounts of acid groups that may be present due to impurities in the monomers used or due to some hydrolysis that occurs during synthesis, storage or use. In other words, no other acid groups are contained.
[0026]
The viscosity average molecular weight of the insoluble amine-containing polymer is from about 5,000 to about 100,000 and is preferably in the range of about 15,000 to 90,000. The molecular weight of the water-soluble polymer can range over a wide range. Typically, the viscosity average molecular weight is about 5,000 to about 300,000, and a range of about 40,000 to about 100,000 is preferred. The amount of amine-containing polymer ranges from about 0.1 to about 20% by weight of the total weight of the anionic synthetic resin emulsion and the amine-containing polymer.
[0027]
Amine-containing polymers are generally used depending on the particular polymer sought, as generally known in the art, for example, as taught in US Pat. No. 4,119,600. It can be obtained by solution polymerization in neutral, alkaline or acidic aqueous media. Generally speaking, this polymerization is carried out in an aqueous medium containing a small amount of an organic or inorganic acid such as acetic acid or hydrochloric acid. Amine-containing polymers include copolymers with up to 80% by weight of one or more monoethylenically unsaturated monomers such as methyl acrylate, acrylamide and methacrylamide. A small amount of a relatively insoluble comonomer can also be used to obtain a water-soluble polymer. Insoluble polymers may contain higher amounts of these comonomers. An example of such a monomer is (C 1 ~ C 18 ) Acrylic esters with alcohols and alcohols having 1 to 18 carbon atoms, especially (C 1 ~ C 4 ) Methacrylic acid esters with alkanols, styrene, vinyl toluene, vinyl acetate, vinyl chloride, vinylidene chloride, substituted styrene, butadiene, substituted butadiene, ethylene, and nitriles and amides of acrylic acid or methacrylic acid. In preparing a given amine-containing polymer, the particular comonomer or comonomers used depends on the proportion of amine-containing monomer used in preparing the copolymer. These polymers are therefore polymers or copolymers of cationic and optionally nonionic vinyl monomers. Examples of cationic monomers are amines and imines; the other monomers described are nonionic. Therefore, these water-soluble copolymers are free of trace amounts of acid groups that may be present due to impurities in the monomers used or due to some hydrolysis occurring during synthesis, storage or use. Contains no acid groups other than.
[0028]
Anionic synthetic resin emulsion, water-soluble or water-dispersible polymer formed from a monomer mixture containing at least 20% by weight of amine functional monomers, composition to the point that essentially all polyfunctional amines are in a non-ionic state of pH An example of a composition containing a sufficient amount of volatile base to raise the pH is E-2706 (manufactured by Rohm and Haas).
[0029]
The coating composition of the present invention requires (3) volatile base. The type and amount of volatile base used depends on the composition. pH To the point where the amine functionality of the amine-containing polymer is deionized (deprotonated), typically at least pH 5, preferably pH Must be sufficient to increase to 7-9 to avoid interaction with anionically stabilized synthetic resin emulsions and other anionic components in this quick-drying coating composition .
[0030]
After application, the volatile base evaporates and the composition pH Lower. Of composition pH When the amine function is lowered to the point where protonation of the amine function begins to occur, the amine function becomes cationic. This rapid drying is thought to be initiated by this conversion of the amine functionality to the cationic state in the presence of an anionically stabilized emulsion polymer, but the exact mechanism that produces this quick-drying is It has not been established and therefore the inventor does not constrain its quick-drying by a precise mechanism theory.
[0031]
Suitable bases include, but are not limited to, ammonia, morpholine, alkylamine, 2-dimethylaminoethanol, N-methylmonophorin, ethylenediamine, and mixtures thereof, with a preferred base being ammonia.
The equivalent ratio of amine to acid in the synthetic resin emulsion is preferably amine / acid = 0.5 to 1.0.
[0032]
The aqueous coating composition of the present invention can also contain a water-soluble or water-dispersible polyvalent metal in the form of metal ions, salts, complexes or oxides. The polyvalent metal may be added after blending the coating composition, but it is preferable to add other components after modifying the latex polymer with the polyvalent metal. By pre-modifying the latex polymer with a polyvalent metal, the balance between the elongation and tensile strength of the latex polymer film is maintained over a wider temperature range.
[0033]
As a modification method, a polyvalent metal powder can be dispersed in water and added to an aqueous coating composition. First, the polyvalent metal is converted into a complex of polyvalent metal ions, or ions of the polyvalent metal and the ions thereof. It is preferable to form a salt with a counter ion to make the polyvalent metal water-soluble or water-dispersible. The complex of polyvalent metal ions can be solubilized in an alkaline solution such as dilute aqueous ammonia having a pH = 9-10. By adding a water-soluble or water-dispersible polyvalent metal into a latex polymer maintained at a temperature of 30 to 50 ° C., the latex polymer can be modified with the polyvalent metal.
[0034]
Multivalent metal ions such as calcium, aluminum, magnesium, zinc, barium, strontium and the like can be used. Complexes of polyvalent metal ions, such as zinc hexaammonia, zinc ammonium bicarbonate, and the like, and salts of polyvalent metal ions with counter ions such as chloride ions, acetate ions, bicarbonate ions can also be used. Zinc is a preferred polyvalent metal.
[0035]
The polyvalent metal ions, salts, complexes or oxides are useful at levels of about 0.1 to 10% by weight, based on the weight of latex polymer solids. A level of about 0.3% to about 2.0% by weight based on the weight of polymer solids of the latex is preferred. In addition, pigments, binders, vehicles, extenders, dispersants, surfactants, coalescence agents, wetting agents, rheology modifiers, thickeners, drying retarders, antifoaming agents, colorants, waxes, preservatives, Conventional paint components such as heat stabilizers, solvents, anti-skinning agents, desiccants and the like can also be used in the present invention. When selecting the type and amount of additives, the pH of the coating composition can be changed to such an extent that it inhibits storage stability, or the pH is not lowered enough to initiate protonation of the polyamine after application. Care must be taken to avoid the loss of pH adjustment.
[0036]
Further, in the coating composition of the present invention, epoxy resin is blended in (4) as a curing agent. By adding a curing agent, the coating composition is capable of forming a tough and elastic coating film as well as improving quick drying and initial water resistance. The curing agent is preferably one that can undergo a room temperature crosslinking reaction, does not react with a volatile base, and does not hinder quick drying. In general, those having a stable room temperature crosslinking reaction are well known to react with an epoxy group or an azolidine group or an oxazoline group with respect to a carboxyl group, with a hydrazine group with respect to a carbonyl group, or with an isocyanate group with respect to a hydroxy group.
[0037]
However, coating films bonded with metal ions and aziridine crosslinking have problems in mutagenicity and the like, and it is difficult to use them in coating films that substantially utilize the crosslinking reaction. Further, the reaction between the carbonyl group and the hydrazine group does not proceed so much in the presence of water, and the crosslinking density becomes small. The reaction between the carboxyl group and the oxazoline group is smaller at room temperature than the reaction between the carboxyl group and the epoxy group, and therefore the latter combination is preferred. The reaction between the hydroxy group and the isocyanate group is not good because the pot life cannot be obtained when used as a paint.
[0038]
The compounding amount of the epoxy resin containing an epoxy group in the paint is the equivalent number of the amine functional group in the polymer containing the amine functional group-containing monomer from the equivalent number of the carboxyl group of the anionic synthetic resin emulsion having a carboxyl group (A). The number of equivalents obtained by subtracting (B), that is, the amount of epoxy resin so that the number of epoxy groups is 0.05 to 5 times that of (AB). A preferable amount is an epoxy resin having an epoxy group number which is 0.1 to 3 times the ratio of the amine functional group represented by (AB) and the number of unreacted carboxyl groups. By adding an epoxy resin within this range, the volatile base in the coating composition evaporates quickly, and then reaction curing of the epoxy group and the carboxyl group in the anionic synthetic resin emulsion begins. If the number of epoxy groups, and thus the amount of epoxy resin exceeds the amount that can be reacted, the reaction does not exceed the number of carboxyl groups, and the remaining epoxy resin becomes a diluent component. However, since the amount of this epoxy resin is closely related to quick drying, it is necessary to determine the optimum amount by experiment.
[0039]
The coating composition of the present invention may contain an anionic surfactant neutralized with a volatile base as (5) as a pigment dispersant. The amount of the surfactant added is sufficient to disperse the pigment, and is usually 0.2 to 1.0% by weight of the active ingredient with respect to the pigment. Surfactants neutralized with metal salts such as sodium and potassium, rather than volatile bases, are widely known. pH Is not preferred because it prevents the rapid decrease in the pH, delays the start of protonation of the amine functional group, and consequently impairs the drying property.
[0040]
Examples of anionic surfactants neutralized with a volatile base include trade name Orotan 901 (made by Rohm and Haas), trade name Poise 532A (made by Kao Corporation), and trade name Alastor 703S (made by Arakawa Chemical Industries). it can.
[0041]
The aqueous coating composition of the present invention has a pigment volume concentration (PVC) in the range of 20% to 70%, typically It is blended so that the solid content is in the range of 10 to 70% and the viscosity of the paint is 50 to 5,000 poise. Moreover, generally quick-drying property becomes high, so that solid content concentration is high. However, when PVC becomes high, rubber elasticity is lowered. Therefore, it is preferably 20% to 60%, and most preferably 25% to 45%.
[0042]
Examples of pigments are as follows. Examples of white pigments include titanium dioxide, calcium carbonate, and clay. As color pigments, iron oxide and known organic pigments can also be used. Further, there is no problem even if titanium dioxide is used alone or in combination with other inorganic or organic pigments. Furthermore, the water-based coating composition of the present invention can contain a filler such as silica sand, calcium carbonate, fiber and the like.
[0043]
In addition to the above, the coating composition of the present invention is generally used in the production of paints such as low-boiling alcohols, film-forming aids, thickeners, viscosity modifiers, antifoaming agents, antiseptics, antifungal agents, and algal control agents The components blended in can also be used within a range not impairing the characteristics of the present invention.
[0044]
The aqueous coating composition according to the present invention has the effects of low temperature sensitivity, large rubber elasticity, and excellent quick drying properties. In addition, it has an effect that it can be coated and dried under a remarkably low temperature of 0 to 5 ° C. and a humid condition of 80% to 90%, which has been difficult in the conventional aqueous system. Here, “low temperature sensitivity” means that the temperature dependency is smaller than that of a conventional composition. As a measure of rubber elasticity, a value obtained by dividing the tensile strength at −20 ° C. by the tensile strength at 20 ° C. can be used. It is understood that the smaller this value, the higher the rubber elasticity.
In using this paint, a roller, a tile gun, a pressure feeder or the like can be used, and it can be applied typically in a thickness of about 0.8 mm to about 3 mm.
[0045]
【Example】
Production of monomer mixture 1
31.6 g of a 58% solution of polyoxyethylene nonylphenyl ether ammonium sulfate was dissolved in 3687.8 g of deionized water, and the emulsified monomer mixture 1 was prepared by slowly adding the following monomers to the stirred solution. did.
[0046]
Figure 0003698532
[0047]
Polymerization operation Preparation of emulsion polymer
In a suitable reaction vessel equipped with a thermometer, a condenser, and a stirrer, a solution containing 70.1 g of polyoxyethylene nonylphenyl ether ammonium sulfate and 3118.0 g of deionized water was placed and heated to 80-85 ° C. To this reaction solution, an aqueous sodium carbonate solution (a solution obtained by dissolving 32.3 g of sodium carbonate in 169.4 g of deionized water) and 531.2 g of the above-mentioned monomer emulsion were sequentially added, and the temperature was adjusted to 80 to Adjusted to 82 ° C. To this reaction solution, all of an aqueous solution of sodium persulfate (SPS) (a solution in which 33.1 g of SPS was dissolved in 169.3 g of deionized water) was added. Within about 5 minutes, the start of polymerization was confirmed by a temperature rise of 3-5 ° C. and a change in the appearance of the reaction mixture. After the heat generation was completed, the remaining monomer mixture and an aqueous solution of sodium persulfate (SPS) (a solution in which 7.7 g of SPS was dissolved in 384.9 g of deionized water) were gradually added to the reaction vessel. It was added in 2-3 hours so that the heat of the polymerization reaction could be removed by cooling. The polymerization reaction temperature was maintained at 80 to 82 ° C. by cooling as necessary. After the addition was complete, the reaction mixture vessel and feed tube were rinsed with 215.6 g of deionized water and added to the reaction vessel. The obtained emulsion polymer was cooled to a greenhouse or kept at a suitable temperature for adding an aqueous polyvalent metal solution and a water-dispersible amine functional group-containing polymer.
[0048]
Four emulsion polymers were prepared by the above operation, and Samples 1 to 4 were prepared with the formulation shown in Table 1. The blending was carried out by maintaining the emulsion polymer at 40 ° C., adding a polyvalent metal aqueous solution to the reaction vessel, adjusting the pH to 9.0 to 10.0 using a 28% aqueous ammonia solution, and finally a water-dispersible amine. This was performed by adding polyoxazolidinyl ethyl methacrylate (solid content 27.5%), which is a functional group-containing polymer. Further, each of Samples 1 to 4 was poured into a petri dish coated with a release agent in such an amount that a film with a thickness of about 2 mm was formed, and dried for 12 days in an environment of 70 ° C. and a relative humidity of 40%. The dried film was cut to a width of 0.25 inches using a dumbbell, and a tensile test was conducted at a grip width of 1 inch and a tensile test speed of 2 inches / minute, and the elongation and maximum strength until the film broke were measured. The results are shown in Table 2.
[0049]
Production of monomer mixture 2
In 2748.5 g of deionized water, 47.0 g of a 24% solution of sodium dodecylbenzenesulfonate and 55.0 g of a 30.7% solution of sodium polyoxyethylene arylether sulfate were dissolved, and the following unit amount was added to the stirred solution. The emulsified monomer mixture 2 was prepared by slowly adding the body.
[0050]
Figure 0003698532
[0051]
Polymerization operation Preparation of emulsion polymer
In a suitable reaction vessel equipped with a thermometer, condenser, and stirrer, 31.4 g of 24% sodium dodecylbenzenesulfonate, 37.4 g of 30.7% sodium polyoxyethylene aryl ether sulfate, and 3490.6 g of deionized water The solution containing was added and heated to 80-85 ° C. Into this reaction vessel, an aqueous ammonium carbonate solution (a solution obtained by dissolving 33.1 g of ammonium carbonate in 193.0 g of deionized water) and 544.3 g of the above-described monomer emulsion were sequentially charged, and the temperature was adjusted to 80 to 82. Adjusted to ° C. All of the aqueous ammonium persulfate (APS) solution (a solution obtained by dissolving 34.1 g of APS in 129.6 g of deionized water) was added to the reaction vessel. Within about 5 minutes, the start of polymerization was confirmed by a temperature increase of 3-5 ° C. and a change in the appearance of the reaction mixture. After the exotherm was completed, the remaining monomer mixture was gradually added. It was added in 2-3 hours so that the heat of the polymerization reaction could be removed by cooling. The polymerization reaction temperature was maintained at 80 to 82 ° C. by cooling as necessary. After the addition was complete, the reaction mixture vessel and feed tube were rinsed with 217.9 g of deionized water and added to the reaction vessel. The reaction vessel was cooled to 45 ° C., 130.5 g of 70% octylphenyl polyethoxyethanol was added, and the vessel and feed tube were rinsed with 139.2 g of deionized water and added to the reaction vessel. The resulting emulsion polymer was cooled to room temperature or kept at a suitable temperature for adding an aqueous polyvalent metal solution and a water-dispersible amine functional group-containing polymer. Nine emulsion polymers were prepared by the above-mentioned operation, and sample NO. 5-13 were prepared. Sample No. 11 to 13 are comparative examples. In the blending process, the emulsion polymer is maintained at 40 ° C., the above polyvalent metal aqueous solution is added to the reaction vessel, the pH is adjusted to pH 9.0 to 10.0 using a 28% aqueous ammonia solution, and finally the water dispersibility. This was carried out by adding polyoxazolidinyl ethyl methacrylate (solid content: 27.5%) which is an amine functional group-containing polymer. Next, a film was prepared in the same manner as when the above emulsion polymer was prepared, and the elongation and maximum strength were measured. The results are shown in Table 4.
[0052]
[Table 1]
Figure 0003698532
[0053]
[Table 2]
Figure 0003698532
[0054]
[Table 3]
Figure 0003698532
[0055]
[Table 4]
Figure 0003698532
[0056]
Sample No. 11-13 at 5 ° C, 80% RH In this environment, after applying using a 5 mil applicator on a glass plate, rubbing with a finger, skinning of the film, and time until completion of drying were measured. The results were as follows.
[0057]
Figure 0003698532
[0058]
Monomer mixture 1 followed by sample NO. Emulsions having the compositions shown in Table 5 were synthesized in the same manner as in the preparation of emulsion polymers 1 to 4. The obtained emulsion was 22-23 ° C, 60% RH In this environment, after applying using a 5 mil applicator on a glass plate, rubbing with a finger, skinning of the film, and time until completion of drying were measured. The results are shown in Table 6.
[0059]
[Table 5]
Figure 0003698532
Abbreviations in Table 5 are as follows.
BA: Butyl acrylate
MMA: Methyl methacrylate
MAA: methacrylic acid
2-EHA: 2-ethylhexyl acrylate
Sty: Styrene
BMA: Butyl methacrylate
SLS: Sodium lauryl sulfate
DS-4: Sodium dodecylbenzenesulfonate
CO-436: ammonium polyoxyethyl nonylphenylsulfonate
[0061]
[Table 6-1]
Figure 0003698532
[Table 6-2]
Figure 0003698532
[0062]
Table 8 below shows the storage stability in the absence of a curing agent when a polymer sample excellent in tensile strength or elongation at break is selected from the above emulsion polymers and converted into a paint. Is shown in Table 7. Next, the same polymer sample NO. 10 was used and the ratio of the epoxy resin added as a curing agent was changed, and the elongation and tensile strength of the coating film were measured. Polymer sample NO. 4 and NO. No. 10 was used, the kind of the curing agent was changed, and the PVC of the coating material was changed to perform an elongation test of the coating film.
[0063]
[Table 7]
Figure 0003698532
Note that the PVC (pigment volume concentration) in this paint formulation is about 25%. The solid content of the emulsion polymer was about 55% although there was some variation depending on the emulsion polymer.
[0064]
[Table 8]
Figure 0003698532
[0065]
The storage stability test was conducted by measuring the viscosity of a paint prepared based on the formulation shown in Table 7 in a constant temperature bath of 20 ° C, 50 ° C, and -5 ° C for one week. Measured by a tester). In addition, about the coating material set | placed on the temperature conditions of 50 degreeC and -5 degreeC, the viscosity measurement was carried out after setting the coating material temperature to normal temperature by putting it on 20 degreeC conditions for one day. In Table 8, what was stored under 20 ° C. conditions is the viscosity over time, what is stored under the condition of −5 ° C. is the viscosity after low temperature aging, and what is stored under the conditions of 50 ° C. is the viscosity after high temperature aging. Yes. In the storage stability test results shown in Table 8, ◎ indicates that the change in viscosity was less than 10% relative to the viscosity immediately after production, and ○ indicates that the change in viscosity was 10% or more and less than 20%. The x mark indicates that a viscosity change of 20% or more occurred.
[0066]
In the measurement of elongation and tensile strength by adding a curing agent, after adding and mixing the curing agent to the paint, it was applied on the release paper to a thickness of 2 mm, 65% RH After curing for 7 days under the conditions, the specimen was cut out with a dumbbell-shaped No. 3 punching die and subjected to an elongation test. The test method was based on 5.4 tensile performance of JIS A6021 “Painting waterproofing material for roof”. The tensile strength was converted based on the value indicating the maximum tensile strength when an elongation test was performed by measuring the thickness and width when punched into a dumbbell-shaped No. 3 mold. The addition amount of a hardening | curing agent is a weight ratio with respect to an emulsion polymer sample, and an emulsion polymer sample says the thing containing the polymer and volatile base containing an amine functional group containing monomer. As the epoxy resin, glycerol polyglycidyl ether (glycerin diglycidyl ether) was used.
[0067]
The addition amount of the curing agent depends on the number of carboxyl functional groups in the emulsion polymer and the number of amine functional groups in the amine functional group-containing polymer. Sample No. When 10 emulsion polymers are used, 1.06% by weight (192 / 18146.1) in the emulsion polymer is methacrylic acid, and this number of moles corresponds to the number of equivalents of carboxyl groups. Sample No. When 10 emulsion polymers were used and paint was made based on the recipe in Table 7, the emulsion polymer in 2638.3 parts by weight was 1700 parts by weight, and about 18 parts by weight (0.21 equivalent) was meta. Acrylic acid. Similarly, 1.06% by weight of the amine functional group-containing polymer is contained in the emulsion polymer, and 0.21 equivalent is added. Accordingly, since about 55% (0.12 / 0.21) of the carboxyl groups are blocked by the amine functional group-containing polymer, the number of carboxyl groups corresponding to (AB) in this specification is 0.09 equivalents. It becomes. The epoxy resin is added in an amount of 0.94 parts by weight based on the solid content of 1700 parts by weight in Table 7, and is 0.94 parts by weight. Since the number of epoxy groups is 2, it is about 10% with respect to the number of epoxy groups that can react. Similarly, when 0.2 wt% of the epoxy resin is added to the emulsion polymer solid, about 20% is added to the number of carboxyl groups corresponding to (AB).
[0068]
[Table 9]
Figure 0003698532
[0069]
Table 10 below shows the composition when PVC was changed.
[Table 10]
Figure 0003698532
[0070]
[Table 11-1]
Figure 0003698532
[Table 11-2]
Figure 0003698532
In the table, the NO. For example, A 1 ~ A 8 Indicates the number counted from the left of the test results in the same row. The numerical values in the two-step writing are the test results of elongation (%) at 20 ° C. in the upper row, and the tensile strength (kgf / cm in the lower row. 2 ) Shows the test results.
[0071]
In addition, as for a hardener kind code | symbol, ED507 is an Asahi Denka Kogyo Co., Ltd. epoxy resin, brand name Adeka glycilol ED507, 122W is Clariant Japan Co., Ltd. epoxy resin, brand name Beckopox 122W. EP128 is an epoxy resin of Clariant Japan Co., Ltd., trade name Beckopox EP128, 0427 is an epoxy resin of Asahi Denka Kogyo Co., Ltd., trade name Adeka Resin EP ES0427, 1758 is an epoxy resin of Asahi Denka Kogyo Co., Ltd., Trade name Adeka Resin EP R-1758, 1736 is an epoxy resin of Asahi Denka Kogyo Co., Ltd. Trade name Adeka Resin EP X-1736, EX313 is an epoxy resin of Nagase Sangyo Co., Ltd. Trade names Denacol EX313, EX810 are Nagase Sangyo Co., Ltd. ) Epoxy resin, trade name Denacol E X810 and EX212 are epoxy resins of Nagase Sangyo Co., Ltd., trade names Denacol EX212 and X09 are urethane resins of Takeda Pharmaceutical Co., Ltd., trade names Takelac XW-75-X09, and XD220 are polyisocyanates of Takeda Pharmaceutical Co., Ltd. , Trade name Staphyloid curing agent XD220, Aqua 200 indicates polyisocyanate of Japan Polyurethane Industry Co., Ltd., trade name Aquanate 200.
[0072]
Moreover, the pot life after adding a hardening | curing agent was measured about the thing which showed the elongation value and the tensile strength favorable in the example of Table 11.
[Table 12]
Figure 0003698532
[0073]
For the measurement of pot life, after adding and mixing the curing agent, seal it in a polyethylene container, place it at room temperature, measure the viscosity at regular time intervals, (A type of air spray gun) In addition, when spray coating was performed using a pressure feeding machine, it was checked whether there was any problem in workability. In addition, the time when the viscosity change occurred 20% or more compared with immediately after the addition of the curing agent was taken as one guideline.
[0074]
Furthermore, about the said 4 Example, drying property was confirmed on four conditions. Condition A is 20 ° C. and 65% RH, Condition B is 20 ° C. and 90% RH, Condition C is 5 ° C. and 65% RH, and Condition D is 5 ° C. and 90% RH. In conducting the drying test, the prepared paint, curing agent, and coating base were left for 24 hours or longer under the temperature conditions for performing the drying test, and then subjected to the test. As the coating base, an asbestos slate plate coated with a primer was prepared, and the test paint was applied with a thickness of 1 mm to evaluate the drying property. In the table, the touch for distinguishing the drying stage refers to touch drying, semi-curing refers to semi-curing drying, curing refers to curing drying, and the standard follows the evaluation method of JIS K5400. Water resistance refers to a stage where water resistance can be obtained, and indicates a stage where there is no elution of the paint when the test plate coated with the paint is immersed in water for 30 minutes. The numerical value indicating the measurement result is time.
[0075]
[Table 15]
[0076]
【The invention's effect】
The coating composition of the present invention is not only excellent in quick-drying and initial water resistance at room temperature or lower, particularly under low temperature or high humidity conditions, but also has a high tensile strength and does not reduce rubber elasticity. be able to. This solves the problem of significant rubber elasticity reduction when tough film properties (tensile strength or tensile strength) are obtained. In addition, the coating material of the present invention is a water-based coating material having no problem in production stability, storage stability, and usable time during use.
Accordingly, it has become possible to provide a paint having an excellent balance between elasticity and tensile strength, which has been difficult to use and construct under low temperature or high humidity conditions.
[Table 13]
Figure 0003698532

Claims (2)

▲1▼アニオン性合成樹脂エマルションにあって、エマルションを構成するモノマーの内、陰イオン性を示すモノマーを除くモノマーの、水100グラムに対する溶解度が0.01から1.50グラムである合成樹脂エマルション、▲2▼アミン官能基含有モノマーを少なくとも20重量%含むモノマー混合物から形成されたポリマーを、▲1▼のカルボキシル基の当量数に対して▲2▼のアミン官能基の当量数の比を5〜80%にしたもの、▲3▼本質的にすべての多官能性アミンが比イオン性状態にある点まで組成物のpHを上昇させるのに十分な量の揮発性塩基、▲4▼▲1▼に含まれるカルボキシル基の当量数から▲2▼に含まれるアミン官能基の当量数を差し引いた数に対して5%ないし500%となるエポキシ基数となるエポキシ樹脂を含む塗料組成物であって、その塗料組成物から得られる塗膜の引張り強さが10.0Kg/cm 〜60.0Kg/cm の範囲であり、伸びが200%〜600%の範囲であることを特徴とする塗料組成物。(1) Synthetic resin emulsion in an anionic synthetic resin emulsion, wherein the monomer constituting the emulsion, excluding the anionic monomer, has a solubility in 100 grams of water of 0.01 to 1.50 grams. (2) A polymer formed from a monomer mixture containing at least 20% by weight of an amine functional group-containing monomer, the ratio of the equivalent number of amine functional groups in (2) to the equivalent number of carboxyl groups in (1) is 5 -80%, (3) an amount of volatile base sufficient to raise the pH of the composition to the point where essentially all polyfunctional amines are in the specific ionic state, (4) (1) Epoxy having an epoxy group number of 5% to 500% with respect to the number obtained by subtracting the equivalent number of the amine functional group contained in (2) from the number of equivalents of the carboxyl group contained in ▼ A coating composition comprising a resin, the tensile strength of the coating film obtained from the coating composition is in the range of 10.0Kg / cm 2 ~60.0Kg / cm 2 , elongation of 200% to 600% A coating composition characterized by being in a range . 塗料中に更に▲5▼揮発性塩基で中和されたアニオン性顔料分散剤を含むことを特徴とする特許請求項1記載の塗料組成物。The coating composition according to claim 1, further comprising (5) an anionic pigment dispersant neutralized with a volatile base.
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