JP3698484B2 - 排ガス利用の燃焼用空気供給方法及びその装置 - Google Patents

排ガス利用の燃焼用空気供給方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービン等から排出される酸素含有の排ガスを燃焼用空気として、木屑焚きボイラの燃焼室における複数の燃焼用空気供給箇所に供給させる排ガスを利用した木屑焚きボイラの燃焼用空気供給方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ボイラ等の燃焼装置とガスタービンとを併設したエネルギプラントにあっては、ガスタービンから排出される排ガスの温度が約400〜600℃と高く、且つタービン排ガス中の残存酸素濃度も約13.5〜15%(容量%、以下同じ)と比較的高いことから、タービン排ガスをボイラ等の燃焼用空気として有効利用することが行われている。すなわち、タービン排ガスをボイラ等の燃焼室に導入させて、これを燃焼用空気として利用するのである。
【0003】
而して、このような排ガス利用を行なうことによって、排ガスに含まれる熱エネルギが、ボイラ等によってガス温度が200〜300℃程度になるまで熱回収されて、省エネルギ化に寄与すると共に、ガスタービン及びボイラ等から個々に排出される排ガス量に比して、排ガス総量を大幅に減少させ得て、大気汚染防止や地球環境保全に貢献することができるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、タービン排ガス中の残存酸素濃度は上記したように13.5〜15%程度であり、約21%である空気中の酸素濃度に比しては、かなり低い。一方、ボイラ等に使用する燃料が着火性や燃焼性の比較的良好なもの(例えば、石油,天然ガス,良質の石炭等)である場合には、ボイラ等の燃焼用空気として利用するに必要且つ十分な量の排ガスがガスタービンから排出されるときは、その全量を使用するか、或いは燃料の着火性や燃焼性を配慮して、最小限度必要な新鮮空気を加えるか、の何れかによって、排ガスからの最大限の熱エネルギの回収とボイラ等への燃料費の節減を図ることができる。
【0005】
しかし、ボイラ等に使用する燃料が低品位であったり、或いは着火性や燃焼性の悪いものである場合(例えば、木屑燃料等)には、排ガス量がいくら豊富にあっても、その残存酸素濃度では良好で安定した燃焼を維持することができない。この場合、新鮮空気の供給比を増して、酸素濃度を高める必要があった。例えば、木屑焚きボイラにおいて、タービン排ガスを燃焼用空気として新鮮空気と混合させて使用する場合や排ガス中のNOX 低減を目的とした排ガス再循環方式の場合、従来の経験,実績では、燃焼用空気の酸素濃度が18.9%未満となると、着火遅れや未燃損失の増大等の悪影響が燃焼状態の中で見られた。
【0006】
したがって、残存酸素濃度が13.5〜15%程度のタービン排ガスの燃焼用空気としての使用量は制限され、木屑焚きボイラ等には好適に利用することができないでいるのが実情である。しかも、ガスタービン及び木屑焚きボイラ等の両者から排出される排ガスの総量が減少することには自ずと制約があり、技術的に制限される。。
【0007】
本発明は、木屑焚きボイラ等にあっては、燃焼室に供給する燃焼用空気の必要酸素濃度がその供給箇所によって異なることに着目して、排ガスの燃焼用空気としての利用率の向上と排ガスの大気放出量の低減とを図ることができる排ガス利用の燃焼用空気供給方法を提供すると共に、この方法を好適に実施することができる排ガス利用の燃焼用空気供給装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の排ガスを利用した木屑焚きボイラの燃焼用空気供給方法は、火格子7の下方へ1次空気A 1 を供給する空気供給口8、火格子7の上方へサンダーダスト56と2次空気A 2 を供給するサンダーダストノズル9及び燃焼室6内へ3次空気A 3 を供給する空気ノズル10を備えた木屑焚きボイラ2にガスタービン設備を併設したエネルギープラントに於いて、前記木屑焚きボイラ2の1次燃焼空気A 1 として新鮮空気にタービン排ガスを混合比調整可能に混合して成る酸素濃度が18.9%以上、温度が80〜90℃の混合流体を、また前記2次空気A 2 として温度が75℃〜85℃の新鮮空気を、更に前記3次空気A 3 として酸素濃度が13.5〜15%、温度が350〜400℃のタービン排ガスを、前記各空気供給口8、サンダーダストノズル9及び空気ノズル10が夫々必要とする最小限の量だけ供給することにより、全燃焼用空気の酸素濃度が17.0%になるまでタービン排ガスの混入を可能にしたことを特徴とするものである。
【0010】
なお、本発明において「新鮮空気」とは、大気中から採取される通常の空気(酸素濃度:約21%)を意味するものであり、「新鮮」の語は酸素濃度が通常の空気より低い排ガスと区別するために使用したにすぎない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1及び図2に基づいて具体的に説明する。
【0012】
図1において、1は蒸気及び電力を必要とするユーザプラント、2はユーザプラント1に蒸気を供給する木屑焚きボイラ、3はユーザプラント1に電力を供給するガスタービン、4は本発明の燃焼用空気供給装置である。
【0013】
ボイラ2は、図2に示す如く、火格子付きの水管ボイラ構造をなすもので、上下ドラム及び水管群からなるボイラ本体5と、耐火,断熱壁及び輻射水冷壁を有する燃焼室6と、燃焼室6の底部に設置された火格子7とを具備するものである。
【0014】
燃焼室6には、図2に示す如く、複数の燃焼用空気供給箇所、つまり火格子7下に設けた空気供給口8、火格子7の上方位に設けた複数のサンダーダストノズル9…及びサンダーダストノズル9…の上下に配して設けた複数の空気ノズル10…から燃焼用空気を供給すると共に、木屑燃料をサンダーダストノズル9…及び燃料供給口11から供給するようになっている。ボイラ燃料としては、微細(2mmサイズ以下)なサンダーダストとその他の木屑成分(50mmサイズ以下の木屑塊)とからなる木屑燃料(消費量1860kg/h)が使用されている。サンダーダスト及びその他の木屑成分の各消費量,水分,発熱量は表1に示す通りである。サンダーダストは後述するようにサンダーダストノズル9…から燃焼用空気と共に燃焼室6に吹き込まれて、燃焼室6内で浮遊燃焼する。一方、その他の木屑成分は、周知の供給装置11aにより燃料供給口11から燃焼室6に投入されて、火格子7上で燃焼する。木屑燃料の燃焼により発生した高温ガスは、燃焼室6の壁面に設置された水冷壁に輻射熱を与えながら上昇して、ボイラ本体5に入り、ここで水管群に接触して伝熱して蒸気を発生させた後、排ガスとして排出される。なお、この例では、空気供給口8は燃焼室後壁に設けられており、サンダーダストノズル9…は前後一対のものであり、横断面矩形状をなす燃焼室周壁の4隅に、サンダーダストを燃焼室6の中央部に向かってタンゼンシャルに旋回流をなして噴出,燃焼させるような形態で、設置されており、空気ノズル9…は燃焼室前壁の一箇所及び燃焼室後壁の上下2箇所に設置されている。
【0015】
【表1】
Figure 0003698484
【0016】
また、ボイラ本体5で発生した蒸気12は、図1に示す如く、プラント用蒸気供給路13からユーザプラント1に供給されると共に、プラント用蒸気供給路13に分岐接続されたタービン用蒸気供給路14からガスタービン3にその出力増加用及びNOx 低減用蒸気として供給されるようになっている。プラント用蒸気供給路13には、タービン用蒸気供給路14の接続箇所の下流側において、脱気器15に導いた脱気路16が分岐接続されている。なお、この例では、ボイラ本体5で発生する蒸気12は10t/h,20kg/cm2 であり、ユーザプラント1及びガスタービン3に供給される蒸気圧力,蒸気流量は図1に表示する通りである。
【0017】
また、ボイラ2つまりボイラ本体5から排出される排ガス(以下「ボイラ排ガス」という)17は、ボイラ排ガス排出路18から節炭器19,マルチサイクロン20,電気集塵機21,エアヒータ22,誘引通風機23を経て、排気煙突24に導かれるようになっている。すなわち、ボイラ排ガス17は、節炭器19及びエアヒータ22で熱回収されると共にマルチサイクロン20及び電気集塵機21で清浄化処理された上で、排気煙突24から大気中に放出されるようになっている。
【0018】
ガスタービン3から排出される排ガス(以下「タービン排ガス」という)26は、図1に示す如く、タービン排ガス排出路27から給水加熱器28及びサーモヒータ29を経て、上記排気煙突24に導かれるようになっている。すなわち、タービン排ガス26は、給水加熱器28及びサーモヒータ29で熱回収された上、燃焼用空気として利用する一部(後述する利用排ガス26a)を除いて、共通の排気煙突24からボイラ排ガス17と共に大気中に放出されるようになっている(以下、排気煙突24から放出されるタービン排ガスを「放出排ガス26b」という)。この例では、ガスタービン3が、図1に表示する如く、燃料として灯油を使用して駆動されるものであり、発生した電力の大半(3400KW)はユーザプラント1に供給される。また、タービン排ガス26の酸素濃度は、約13.9%である。
【0019】
なお、ユーザプラント1とサーモヒータ29との間にはサーモオイル循環路29aが設けられており、サーモヒータ29においてタービン排ガス26により加熱されたサーモオイルをユーザプラント1に供給するようになっている。また、ボイラ本体5の上ドラムには、図1に示す如く、ボイラ用給水30が、給水タンク31から脱気器給水ポンプ32,脱気器15,ボイラ給水ポンプ33,給水加熱器28,節炭器19により、脱気,予熱された上で供給されるようになっている。また、ユーザプラント1に供給された蒸気は、その一部がドレン回収路1aから給水タンク31に返戻されるようになっている。ところで、この例における蒸気,排ガス等の温度,量,圧力等は、特に明示する他、図1に示す所定位置において同図に表示する値となっている。
【0020】
而して、燃焼用空気供給装置4は、図1及び図2に示す如く、タービン排ガス排出路27にサーモヒータ29の配置箇所の下流側において分岐接続された排ガス導入路35と、排ガス導入路35から分岐されて、火格子7下の燃焼用空気箇所である空気供給口8に接続された第1排ガス供給路36及び火格子7上の燃焼用空気箇所である空気ノズル10…に接続された第2排ガス供給路37と、火格子7上の燃焼用空気箇所であるサンダーダストノズル9…に接続されたサンダーダスト空送路38と、サンダーダスト空送路38の適所に分岐接続された予熱空気供給路39と、選択された排ガス供給路である第1排ガス供給路36から燃焼室6に供給される排ガスに新鮮空気を混合させる新鮮空気混合機構40とを具備して、本発明の方法により、各燃焼用空気供給箇所8,9,10から燃焼室6に供給させる各燃焼用空気の酸素濃度を、当該各燃焼用空気に必要な条件(燃焼用空気の供給により達成しようとする燃焼条件,燃焼目的等)に応じて、各々必要最小限に抑制する。
【0021】
すなわち、ガスタービン3から排出された排ガス26(466℃,42200Nm3 /h)は、給水加熱器28及びサーモヒータ29で熱回収されることにより冷却(359℃)される。そして、その一部である利用排ガス26aは、排ガス導入路35に設けたタービン排ガス通風機42により、タービン排ガス排出路27から排ガス導入路35へと導入され、その残部(放出排ガス)26bは排気煙突24から放出される。利用排ガス26aの排ガス導入路35への導入量は、タービン排ガス通風機42の上流側において排ガス導入路35に設けた制御弁43により、制御される。この例では、利用排ガス26aの排ガス導入路35への導入量を8200Nm3 /hに設定している。なお、制御弁43は、ボイラ2の主蒸気PIC制御により開閉されるものである。
【0022】
排ガス導入路35に導入された利用排ガス26aは、排ガス導入路35から 分流されて第1及び第2排ガス供給路36,37に導入される。
【0023】
そして、第1排ガス供給路36に導入された利用排ガス(以下「一次空気用排ガス26c」という)は、新鮮空気混合機構40により新鮮空気44を混合された上で、燃焼用空気(以下「一次空気A1 」という)として空気供給口8から燃焼室6に供給される。すなわち、新鮮空気混合機構40は、図2に示す如く、第1排ガス供給36に設けた制御弁45と、制御弁45の下流側において第1排ガス供給路36に分岐接続した新鮮空気供給路46と、新鮮空気供給路46に設けた押込通風機47及びその上流側の制御弁48とを具備して、新鮮空気44を新鮮空気供給路46から一次空気用排ガス26cに混入させるようになっている。
【0024】
ところで、空気供給口8から火格子7下に供給する一次空気A1 は、火格子7上において確実な火種維持を図り、木屑燃料の確実な着火,燃焼を行なわせると共に、火格子7上での木屑燃焼に充分な空気過剰率(1.5)を確保できるものでなければならない。そして、このような一次空気A1 に必要な条件を満たすためには、周知のように、少なくとも、一次空気A1 の酸素濃度が19.6%以上でなければならない。そこで、新鮮空気混合機構40によって、一次空気A1 が上記条件を満たすに必要最小限の酸素濃度(19.6%)となるように、つまり混合させる新鮮空気量が必要最小限となるように、且つ上記空気過剰率が確保されるように、一次空気用排ガス26c及びこれに混入させる新鮮空気44の量を制御する。すなわち、この例では、制御弁45,48により、表2に示す如く、一次空気用排ガス26c(酸素濃度:13.9%)及び新鮮空気44(酸素濃度:21%)の量を夫々1180Nm3 /h,4740Nm3 /hにして、19.6%の酸素濃度を有する一次空気A1 を得るようにしている。また、いうまでもないが、一次空気A1 の供給量は約5920Nm3 /hであり、火格子7上の木屑燃焼に充分な空気過剰率(1.5)を確保できるものである。なお、制御弁40は、一次空気用排ガス26c(359℃)に新鮮空気44を混合させた後の温度つまり一次空気A1 の温度が約85℃となるように、TIC制御器45aにより開閉制御されるものである。制御弁43は、ボイラ2の主蒸気PIC制御により開閉されるものであり、新鮮空気量を、一次空気用排ガス量に対して一次空気A1 の酸素濃度が19.6%となるに必要最小限量に制御する。
【0025】
【表2】
Figure 0003698484
【0026】
一方、第2排ガス供給路37に導入された利用排ガス(以下「三次空気用排ガス26d」という)三次空気用排ガス26dは、新鮮空気を全く混合されることなく、そのまま空気ノズル10…から燃焼用空気(以下「三次空気A3 」という)として燃焼室6に供給される。この例では、表2に示す如く、三次空気用排ガス26dたる三次空気A3 の供給量は、第2排ガス供給路37には、8200Nm3 /hの利用排ガス26aから1180Nm3 /hの一次空気用排ガス26cが第1排ガス供給路36に導入されることから、その差引量である7020Nm3 /hとなる。また、三次空気A3 はタービン排ガス通風機42により約300mmH2 Oまでブーストされる。
【0027】
ところで、空気ノズル10…から供給させる三次空気A3 は、周知のように、燃焼室5内で浮遊燃焼している木屑の一部やサンダーダストの燃焼を促進し且つ完全に燃え切らせるためのものである。かかる三次空気A3 に必要な条件は、利用排ガスたる三次空気用排ガス26dが上述した如く高温(359℃)であり且つ酸度濃度の比較的高い(13.9%)ものであることから、三次空気用排ガス26dをそのまま使用することによって十分達成することができる。
【0028】
したがって、三次空気A3 として、新鮮空気の混合比率を必要最小限とすべく、三次空気用排ガス26dをそのまま使用し、上記した如く約300mmH2 Oまでブーストして空気ノズル10…から燃焼室6に供給することとする。
【0029】
また、三次空気A3 として三次空気用排ガス26dをそのまま使用することは、上記した浮遊燃料の燃焼促進,燃え切りといった三次空気A3 の本来的な供給目的を達成できる他、次のような効果も奏せられる。
【0030】
すなわち、第1に、三次空気A3 の酸素濃度は新鮮空気に比して低い(13.9%)ことから、これを燃焼室5に供給させることにより、ボイラ2にとってあたかも排ガス再循環法におけると同等の効果が奏せられる。つまり、サーマルNOx の発生が可及的に抑制されて、低NOx 運転を行うことができる。また、第2に、三次空気A3 は高温(359℃)であるから、ボイラ2において排ガス温度が200〜300℃程度となるまで熱回収されることになり、プラント熱効率の向上を図ることができる。
【0031】
また、サンダーダストノズル9…からは、サンダーダスト空送路38及び予熱空気供給路39により、新鮮空気のみが燃焼用空気(以下「二次空気A2 」という)としてサンダーダスト50と共に燃焼室6に供給される。
【0032】
すなわち、図2に示す如く、予熱空気供給路39の接続箇所の上流側においてサンダーダスト空送路38に設けたサンダーダスト空送ファン49及び予熱空気供給路39に設けた押込通風機50により、サンダーダスト空送路38に導入された新鮮空気51及びこれに予熱空気供給路39から導入された新鮮空気52が、燃焼用空気(以下「二次空気A2 」という)としてサンダーダストノズル9…から燃焼室6に供給される。この例では、サンダーダスト空送路38に設けた制御弁53及び押込通風機50の吐出口に設けた制御弁54により、二次空気A2 の供給量を表2に示す如く1460Nm3 /hに制御している。そして、かかる二次空気A2 によって、サンダーダストサイロ55からサンダーダスト空送路38に導入されたサンダーダスト56が空送されて、サンダーダストノズル9…から燃焼室6内に吹き込まれる。また、予熱空気供給路39からサンダーダスト空送路38に導入される新鮮空気52はボイラ排ガス排出路18のエアヒータ22で加熱されるもので、サンダーダスト空送路38を流動する新鮮空気51に混入されることにより、二次空気A2 をサンダーダスト56を乾燥,予熱させるに充分な温度にする。この例では、制御弁55,50を制御することにより、二次空気A2 の供給量を上記した1460Nm3 /hに保持する範囲において、その温度が約80℃となるようにして、サンダーダスト56がサンダーダストノズル9…への空送途中において良好に乾燥,予熱されるようにしている。
【0033】
ところで、二次空気A2 は、上記した如く一次空気A1 を使用して得られた木屑燃焼による火種と合わせて、着火遅れのない確実なサンダーダスト56の燃焼を確保するために、サンダーダストノズル9…からサンダーダスト56と共に燃焼室6に供給されるものである。したがって、二次空気A2 には、一次空気A1 や二次空気A2 に比して極めて高い酸素濃度が必要とされる。そこで、上記したように、一次空気A1 を新鮮空気51,52のみで構成して、所要の酸素濃度(21%)を確保するようにしたのである。
【0034】
このように、本発明によれば、表2に示す如く、燃焼室6に酸素濃度が21%である6200Nm3 /hの新鮮空気44,51,52と酸素濃度が13.9%である6200Nm3 /hのタービン排ガス(利用排ガス)26aとが供給されることになり、燃焼室6に供給される燃焼用空気全体(14400Nm3 /h)としては、その酸素濃度(単純混合平均値)が17.0%であるにすぎないにも拘わらず、木屑焚きボイラ2により燃焼を良好に行なうことができ、タービン排ガス26の利用率を大幅に向上させることができる。
【0035】
すなわち、一般的には、冒頭で述べた如く、木屑焚きボイラにおいて木屑燃料の着火性,燃焼性を良好に維持するために、燃焼用空気の酸素濃度は少なくとも18.9%でなければならない。そして、このような酸素濃度を確保するためには、酸素濃度が13.9%であるタービン排ガスは燃焼用空気として3820Nm3 /h以下しか利用できない。しかし、本発明では、上記した如く、燃焼用空気の酸素濃度が17.0%となるまでタービン排ガスを燃焼用空気として利用することができる。つまり、表2に示す如く、8200Nm3 /hのタービン排ガスを燃焼用空気として利用できる。これは、上記した18.9%の酸素濃度に対応する量(3820Nm3 /h)の2倍以上である。
【0036】
しかも、このようにタービン排ガスの燃焼用空気としての利用率を高めることができた結果、システム全体から大気中に放出される排ガス量、つまり排気煙突24から放出されるボイラ排ガス17とタービン排ガス(放出排ガス)26bとの合計量も大幅に減少する。
【0037】
すなわち、上記した例では、図1に表示するように、大気中に放出される排ガス量は49800Nm3 /h(ボイラ排ガス:15800Nm3 /h,放出排ガス:34000Nm3 /h)となる。これに対して、仮に、燃焼用空気として18.9%の酸素濃度を必要とすると、燃焼用空気として利用できるタービン排ガス量は上記した如く3820Nm3 /hにすぎないから、排気煙突24からは4380Nm3 /h(=8200Nm3 /h−3820Nm3 /h)ものタービン排ガスを放出しなければならない。しかも、それが保有する熱量Qが有効に利用されずに、そのまま排気煙突24から放出されるといったエネルギ上の無駄も生じる。なお、上記熱量Qは、具体的には、比熱を0.33kcal/Nm3 ・℃とすれば、排気煙突24から放出されるボイラ排ガス温度及びタービン排ガス温度が図1に表示する如く253℃及び359℃であるから、Q=4380Nm3 /h×(359℃−253℃)×0.33kcal/Nm3 ・℃=153000kcal/hとなる。
【0038】
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において適宜に改良,変更することができる。
【0039】
すなわち、本発明は、主として、木屑燃料の他、着火性,燃焼性が良好でない各種燃料を使用する低品位の燃料焚きボイラ等の燃焼装置と上記したタービン排ガスと同等程度の酸素濃度を有する排ガスを発生するガスタービン等の排ガス発生装置とを併設したエネルギプラント等の各種システムにおいて、上記したと同様に好適に適用することができる。例えば、ボイラとしては、水管式自然循環式,強制貫流式,強制循環式,煙管式等、各種の形式のものを使用でき、その構成(燃焼室の内壁における水冷壁の有無,サンダーダストノズル9や空気ノズル10の本数・設置箇所等)も任意である。また、ガスタービンとしては、灯油の他、石油系液体燃料,天然ガス,石炭ガス等を燃料とするものでもよい。
【0040】
また、上記した例では、燃焼用空気として、排ガスと新鮮空気とを混合させた一次空気A1 、新鮮空気のみからなる二次空気A2 及び排ガスのみからなる三次空気A3 の3種としたが、かかる燃焼用空気の成分は、燃焼室6における燃焼条件等に応じて適宜に変更することができる。例えば、排ガスと新鮮空気とを混合させた燃焼用空気が複数種あり、これらの燃焼用空気における新鮮空気の混合比率(酸素濃度)を異にする場合もある。勿論、燃焼用空気として、新鮮空気のみからなるもの又は排ガスのみからなるものを必要としない場合もありうる。
【0041】
また、燃焼用空気の供給,新鮮空気の混入,新鮮空気の混合比率の制御等は、上記したような手段による他、公知の制御手段を任意に使用して行なうことができる。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、燃焼室全体における燃焼を考慮して燃焼用空気の濃度を設定するのではなく、燃焼室の各部における燃焼の相違を考慮して各部毎に燃焼用空気の濃度を必要最小限に設定するようにしたから、燃焼用空気の一部として排ガスを使用する場合にも、良好な燃焼を確保しつつ、排ガスの利用率を大幅に向上させることができ、しかも大気放出される排ガス量を大幅な減少させることができると共に、排ガス中の熱エネルギを効率よく回収することができる。したがって、近時要請の高い省エネルギ化及び地球環境公害対策を強力に推進することができ、その実用的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排ガス利用の燃焼用空気供給装置を組み込んだエネルギプラントの一例を示す系統図である。
【図2】上記燃焼用空気供給装置を示す系統図である。
【符号の説明】
1…ユーザプラント、2…木屑焚きボイラ、3…ガスタービン、4…排ガス利用の燃焼用空気供給装置、6…燃焼室、7…火格子、8…空気供給口(燃焼用空気供給箇所)、9…サンダーダストノズル(燃焼用空気供給箇所)、10…空気ノズル(燃焼用空気供給箇所)、26…タービン排ガス(ガスタービンから排出される排ガス)、26a…利用排ガス(燃焼用空気として利用されるタービン排ガス)、26b…放出ガス(大気中に放出されるタービン排ガス)、26c…一次空気用排ガス(燃焼用空気の一部として利用されるタービン排ガス)、26d…三次空気用排ガス(燃焼用空気として利用されるタービン排ガス)、36…第1排ガス供給路(選択された排ガス供給路)、37…第2排ガス供給路(選択されない排ガス供給路)、38…サンダーダスト空送路、40…新鮮空気混合機構、44,51,52…新鮮空気、56…サンダーダスト、A1 …一次空気(燃焼用空気)、A2 …二次空気(燃焼用空気)、A3 …三次空気(燃焼用空気)。

Claims (1)

  1. 火格子(7)の下方へ1次空気A 1 を供給する空気供給口(8)、火格子(7)の上方へサンダーダスト(56)と2次空気A 2 を供給するサンダーダストノズル(9)及び燃焼室(6)内へ3次空気A 3 を供給する空気ノズル(10)を備えた木屑焚きボイラ(2)にガスタービン設備を併設したエネルギープラントに於いて、前記木屑焚きボイラ(2)の1次燃焼空気A 1 として新鮮空気にタービン排ガスを混合比調整可能に混合して成る酸素濃度が18.9%以上、温度が80〜90℃の混合流体を、また前記2次空気A 2 として温度が75℃〜85℃の新鮮空気を、更に前記3次空気A 3 として酸素濃度が13.5〜15%、温度が350〜400℃のタービン排ガスを、前記各空気供給口(8)、サンダーダストノズル(9)及び空気ノズル(10)が夫々必要とする最小限の量だけ供給することにより、全燃焼用空気の酸素濃度が17.0%になるまでタービン排ガスの混入を可能にしたことを特徴とする排ガスを利用した木屑焚きボイラの燃焼用空気供給方法。
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