JP3695638B2 - 効果音生成方法、その装置およびプログラム記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ゲームをはじめとする娯楽等で聴取者に興趣を与える効果等を合成する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
時間の経過に比例して周波数が上昇する現象を模擬する方法として正弦波の周波数を電気的に掃引する方法が考えられるが、この方法は生成音の帯域は極めて狭いため聴取者にとり人工的な印象しか与えることができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明はこのような問題を解決し自然な印象を与える効果音を発生させる方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば少なくとも0以上で1ずつ増加する整数Mが少なくとも2以上からなる整数列を発生させ、その各Mについて禁止数か否かの判定を行い、禁止数でなければ、時刻α√M(αは0より大きい実数)にインパルスを発生させる。
禁止数はM=4k (8m+7)(k,mは0以上の任意数)であるMとし、直方体室の平均寸法Lm と音速cからα=Lm /cとして求める。
【0005】
あるいは禁止数はM=k2 m(4n+3)(kは1以上の任意数、mは0以上の任意数)であるMとし、方形断面の平均寸法Lm と音速cからα=Lm /cとして求める。
以下にこの発明の原理を説明する。
ここでは簡単化のため、立方体室を仮定し、音源と受音点は室の中央にあるものとする。
【0006】
まず、立方体室の反射音が持つ規則性を明らかにする。図1は、一辺がLの立方体室内において生成される鏡像を表す。鏡像の位置は(nx L,ny L,nz L)と表される。但し、座標原点Oは室の中央にあるものとし、nx ,ny ,nz は正負の整数値である。このとき、鏡像から出た音が受音点Oに到達するまでの時間tは、音速をcとして、次式(1)のように表される。
t=√((nx 2+ny 2+nz 2)L2)/c (1)
ここで、この反射音の到達時間を二乗時間t2 で考えてみる。二乗時間は、次式(2),(3)で表される。
【0007】
t2 =M(Lm /c)2 (2)
M=nx 2+ny 2+nz 2 (3)
さて式(2),(3)は、二乗時間軸上で反射音が存在する位置を表している。各鏡像の位置を表すnx ,ny ,nz は整数であるので、整数論の知見(M.R.Shroeder著、平野、野村共訳、“数論”、コロナ社、(1995)、上巻、pp.128−129)によれば、M=nx 2+ny 2+nz 2は、式(4)の右辺で表されるような禁止数を除いた全ての整数値をとる。
【0008】
M≠4k (8m+7) (4)
但し、k,m=0,1,2,…である。裏返せば、式(4)の条件を満す時刻√(M(L/c))にそれぞれインパルスを発生するパルス列からなる信号を合成すれば反射音を合成できる。そこで、Mは近似的に全ての整数値をとるものと考えると、反射音(パルス音)は、二乗時間軸上にL2 /c2 の等間隔で存在することになる。
【0009】
禁止数も含めて第n番目と第n+1番目のパルス音がそれぞれ時刻tn とtn+1 に存在するものとする。これらのパルス音は二乗時間軸では(L/c)2 の間隔である。すなわち、次式(5)が成立する。
tn+1 2−tn 2=L2 /c2 (5)
ここでtm =(tn+1 +tn )/2とおく。式(5)を因数分解して整理すると、時間軸上での間隔tn+1 −tn は次式(6)となる。
【0010】
tn+1−tn=(L2 /(2c2 ))(1/tm ) (6)
この式から、パルス音間隔は時刻tm に反比例していることが解る。このように、二乗時間軸上で等間隔になるパルス音列は、時間軸上では時間に逆比例したパルス音列となる。従ってこのようなパルス列をもとに音を合成すると、ピッチ(周波数)が時間経過と共に単調に増加するスイープ(Sweep、掃引)音として知覚される。スイープ音として知覚される周波数がパルス音間隔の逆数であるとすると、式(6)から時刻tm における周波数f(tm )は、2つのパルス音の中心時刻tm の関数として、次式(7)で表される。
【0011】
f(tm )=1/(tn+1 −tn )=(2c2 /L2 )tm (7)
周波数fが中心時刻tm に比例して上昇することが解る。ここではこのスイープ音を主スイープ音と呼ぶ。ここで、時刻t0 の次に到来するパルスの時刻をt1 とおくと、t2 軸上で等間隔であり、その間隔aが式(5)よりL2 /c2 であるから、次式(8)を得る。
t1 2−t0 2=L2 /c2 =a (8)
上記と同様にこの式の左辺を因数分解して2つの時刻の間を(t1 +t0 )/2=tM とおくと、t軸上での間隔t1 −t0 は次の式(9)で表される。
【0012】
t1 −t0 =a/(2tM )=L2 /(2c2 tM ) (9)
このパルス間隔t1 −t0 の逆数が時刻tM における周波数に相当するので、次式(10)を得る。
f=1/(t1 −t0 )=2tM /a=(2c2 /L2 )tM (10)
なお、時刻tM は、式(8)でt1 をt0 で表すことにより、次式(11)のように表される。
【0013】
【数1】
【0014】
この式(11)を式(10)のtM に代入すると、時刻t0 =0のときの周波数f0 の初期値は、c/L(Hz)となる。
前述の通り、立方体室の鏡像から到来するパルス音列は、二乗時間軸上で完全な等間隔にはならない。これを等振幅パルス列として時間軸上で表したものを図2Aに示す。但し、この図はL=10m,c=340m/s、サンプリング周波数fs =16,000Hz(デジタル計算により求める時の計算速度)の場合である。Mが禁止数となる箇所にパルス列に欠落が見られる。この欠落は、二乗時間軸上で完全に等間隔なパルス列(図2B)に、Mの禁止数のパルス列を逆相としたもの(図2C)を加算したことにより生じたものと見なすことができる。
【0015】
この禁止数のパルス列は、式(2),(4)より、二乗時間軸上において周期4k 8(L/c)2 で等間隔になる。その周期は主スイープ音の周期よりも長いため、時間軸上では主スイープ音よりも周波数が低く、周波数の上昇と共に緩やかなスイープ音として現れる。ここでは、この周波数の上昇が緩やかなスイープ音を副スイープ音と呼ぶ。
図3に図2Bに示したパルス列の短時間FFT(高速フーリエ変換)分析結果を示す。主スイープ音SM が明確に表われ、またその高調波成分SMHが見られる。
【0016】
図4に図2Aに示したパルス列の短時間FFT分析結果を示す。主スイープ音SM およびその高調波成分SMHの他に、副スイープ音SS が明確に表われる。主スイープ音SM と副スイープ音SS の間に見えるのは副スイープ音の高調波成分SSHである。
ちなみに、一辺が10mの立方体室においてパルス音を発生させたときの受音信号(インパルス応答=反射音パルス列)を鏡像法(J.B.Allen et al,J.A.S.A.,65(4),pp.943-950,Apr.1979を以下文献1と記す)によりシミュレートした。この受音信号を短時間FFT分析した結果を図5に示す。図5には複数のスイープ音が生じていることが解る。図4と同様に主スイープ音SM が明瞭に見られ、また、副スイープ音SS'も見られる。
【0017】
室の寸法Lが10mのこの場合は、式(7)からこの直線の傾き(主スイープ速度)は2c2 /L2 =2312[Hz/s]となる。これはまた、1秒後の周波数を表し、図5の主スイープ音SM の時刻1秒における周波数と一致している。式(7)と同様にして、副スイープ音の直線の傾きを求めると、k=0の場合(2c2 /L2 )/8となり、L=10mに対して1秒後の周波数は289[Hz]となる(k=1,2,…の場合は周期が4倍、42 倍,…となるので、1秒後の周波数は1/4,1/42 ,…となる)。これも図5の副スイープ音SS'の時刻1秒における周波数が約290[Hz/s]であることから、理論結果と一致する。
【0018】
実際の鏡像から到来する反射音は、音源も受音点も室中央においていることから、鏡像の縮退によって同時刻に複数の反射パルスが到来するため、振幅が一様とはならない。この影響は白色雑音的な成分として現れる。その結果、図5に示した副スイープ音SS'は多少不明瞭にはなるが、図4中の副スイープ音SS と同じ副スイープ音が存在しており、前記理論結果と一致している。
つまりこれらのことは反射音パルス列を、図4Bの二乗時間軸上等間隔周期L2 /c2 のパルス列から、図4Cの二乗時間軸上等間隔周期4k 8(L/c)2 のパルス列を除去したものと考えてよいことを示していることになる。
【0019】
直方体の場合は立方体の場合と異なり、室寸法が3辺で異なるため、鏡像から出た音が受音点に到達するまでの時間tは式(1)のようには表されず、整数論で扱うには複雑な式になる。そこで簡単化のため、次式(12)のように3辺の寸法Lx ,Ly ,Lz から平均的な寸法Lm を算出する。
Lm =√(Lx 2+Ly 2+Lz 2)/3 (12)
シミュレーション実験した直方体残響室の寸法はLx =11m,Ly =8.8m,Lz =6.6mであり、Lm =8.98mとなる。式(6)において、パルス間隔tn+1 −tn ≡Tとおき、Lの代わりにLm とおくと、
T≒(Lm 2/(2c2 ))(1/tm ) (13)
が得られる。先のLmの値を代入すると、係数a=Lm 2/(2c2)=3.5×10-4となる。図6に式(13)の曲線を示すと共に、インパルス音を発生した後の順次到来する反射音パルス列を一定時間(図では0.05秒)ごとにそれまでに到来した反射音パルス列との相関をシミュレーションした結果を示す。時刻tの経過に伴い、大きな相関が得られるパルス間隔は○印で示すようにa/t(a=3.5×10-4)の曲線上に従って狭くなっている。このことから、このようなパルス間隔がスイープ音の生成に関連していることが示された。つまり直方体において平均寸法Lm を、前記直方体における関係式中のLとおきかえてもよいことがわかる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。図7はこの発明による効果音生成装置100を示す。キーボードなどの入力部101により平均寸法計算部102に平均寸法の計算に必要とするパラメータが入力される。例えば直方体室の反射を模擬する場合その直方体室の室寸法Lx ,Ly ,Lz および音速cが入力される。平均寸法計算部102はこの例では平均寸法Lm (=√((Lx 2+Ly 2+Lz 2)/3)))が計算される。このLm とcとが周期計算部103に入力されてα=Lm /cが計算される。例えばトリガー部105を操作することによってトリガー信号を発生させ、このトリガー信号により整数生成部106が起動され、整数生成部106では1以上のある整数から1ずつ増加するよう整数Mを生成する。この整数Mは判定部107でM≠4k ×(8m+7)であることが判定されると平方根計算部108に入力され、Mの平方根√Mが計算される。この√Mと周期計算部103よりのαとが乗算部109で乗算される。前記トリガー信号の発生から起動した時計110の時刻と乗算部109の乗算結果√M×Lm /cとが比較部111で比較され時刻が√M×Lm /cとなるごとにインパルス生成部112からインパルスが生成され、そのインパルス列が出力され、例えばスピーカ114へ供給され、インパルス音列が散音される。
【0021】
この装置は例えば図8に示す手順で動作する。つまり、パラメータが入力されると(S1)、平均寸法Lm を計算し(S2)、更に実数α=Lm /cを計算し(S3)、トリガの入力を待つ(S4)。トリガが入力されると、順次1ずつ増加する正整数Mの列の生成を開始すると共に時計を起動する(S5)。生成された各Mは禁止数(4k (8m+7))と等しいか否かの判定を行い(S6)、禁止数でなければ、そのMの平方根√Mを計算し(S7)、更に(Lm /c)√Mを計算し(S8)、この値(Lm /c)√Mが前記時計の時刻と一致したかを調べ(S9)、一致するとインパルスを生成する(S10)。この際に生成するインパルスの振幅を生成ごとに小さくすることもできる。その場合はステップS10で生成したインパルスにArM(Aは任意の実数、0<r<1)をArM乗算部113(図7)で乗算して出力すればよい(S11)。
【0022】
平均寸法Lm はLx ,Ly ,Lz により求める場合に限らず、例えば初期時刻0秒の初期周波数f0 (Hz)と音速cを入力して、Lm =c/f0 を計算して求めてもよい。あるいは初期時刻0から時刻x秒とその時の所望周波数fx (Hz)と音速cを入力してLm =c√(2x/fx )を計算して求めてもよい。更に平均寸法Lm を計算することなく、実数αを乗算部109に入力して、α√Mを求めて、その時刻にインパルスを生成するようにしてもよい。
【0023】
この効果音生成装置100をデジタル演算により、例えば演算周期1/fs (fs :標本化周波数)で行う場合、乗算部109での乗算結果α√Mと時刻(周期Ts =1/fs のクロックの計数値)と一致しない、つまりα√Mが時刻と次の時刻との間にある場合がある。このような場合はいわゆる内挿関数により、α√Mで鋭いピーク、つまりインパルスとなるように内挿演算すればよい。この内挿関数としては次式を用いることができる。
【0024】
【数2】
【0025】
Kは任意の整数である。
この種の内挿関数としては正弦関数、ラゲール関数、ルジャンドル関数を用いてもよい(内挿関数については例えば株式会社コロナ社昭和55年11月15日発行伊達玄訳「デジタル信号処理(上)」31頁(1.34b)式とこれに関する説明を参照)。
内挿を行う場合は、図8に示した処理中のステップS8の次に例えば図9に示すように、時刻tn を順次増加させたとき、時刻tn とα√Mとの差の絶対値が時刻クロック周期Ts 以下であるか否かを調べ(S9′)、tn =α√Mであれば(S9″)、インパルスを生成し、tn =α√Mでなければ、内挿関数を演算してインパルス信号として出力する(S12)。あるいは図9中に破線で示すようにステップS9′で|tn −α√M|<Ts になれば、内挿関数を演算してインパルス信号として出力してもよい(S13)。つまり図7中において比較部111で|tn −α√M|<Ts になったことを検出すると、インパルス生成部112で内挿関数を演算してインパルス信号を出力してもよい。
【0026】
図7中の判定部107での処理、つまり図8中のステップS6での処理は、例えば図10に示すように、整数Mが入力されると(s1)、X=M mod4k を、k=0,1,2,…について演算し(s2)、その演算結果Xに対しY=Xmod 8を演算し(s3)、その演算結果Yが7であるかを調べ(s4)、Y=7であればMは禁止数として破棄し(s5)、Y=7でなければMを平方根計算部108へ入力する(図8では√Mを計算するステップS7へ移る。なお図4、図5から理解されるように、副スイープ音は主スイープ音より周波数の上昇がかなり緩るやかであり、その周波数は1/(8×4k) に比例するため、またトリガ発生から所望の効果音を得ている時間は2〜5の程度であり、大きなkをもつ副スイープ音は現われず、kは0と1乃至せいぜい5程度まで演算すればよい。
【0027】
従って必要とする禁止数は予測されるので、これら禁止数を予め演算して、テーブルとして記憶しておき、入力されたMにより禁止数テーブル中のそのMに近い禁止数の部分について一致するものがあるかを調べ、あればそのMを禁止数とし、一致するものがなければ禁止数でないと判定してもよい。
この効果音生成装置をコンピュータにより機能させる場合の例を図11を参照して説明する。つまり入力部101、正整数生成カウンタ201、禁止数判定部(107)202、例えば図8に示した処理をコンピュータに実行させるプログラム(効果音生成プログラム)が格納されたメモリ203、時刻カウンタ204、CPU205、コンピュータに基本動作を行わせるための基本プログラムを格納したメモリ206、出力部207がバス208に接続されている。入力部101には、前述したようにαとし、またはLx ,Ly ,Lz とし、あるいはf0 とし、もしくはxとfx が入力され、またトリガもこれより入力される。正整数生成カウンタ201は整数生成部106として作用し、効果音生成プログラムの実効により起動し、正整数Mを順次発生する。禁止数判定部202は図10に示した禁止数判定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが、効果音生成プログラムのサブルーチンプログラムとメモリに格納されているが、予測される全ての禁止数が記録されたテーブルである。時刻カウンタ204はトリガが入力されると、効果音生成プログラムの実行により時刻を0から生成する図7中の時計110と対応するものである。その他の処理は効果音生成プログラムをCPU205により読み出し解釈、実行することにより行われる。生成されたインパルス信号は出力部207から出力される。なお効果音生成プログラムは予め格納されたメモリが装着される場合や、CD−ROM、磁気ディスクなどからインストールされて用いられる。
【0028】
上述ではαを任意の実数として入力する場合以外は直方体室(Lx =Ly =Lz =Lm の場合も含む)内の反射音を模擬する場合であったが、例えば断面が方形の長い廊下のように、その長さ方向における反射が無視できる空間内の反射音を模擬する場合には、その方形断面の寸法をLx ,Ly とすると平均寸法をLm √((Lx 2+Ly 2)/2)、又は前述と同様にLm =c/f0 、あるいはLm =c√(2x/fx )に求め、判定部107では整数MがM≠k2 ×m(4n+3)(但しm≠4n+3,k=1,2,…,m=1,2,…,(高木貞治著「初等整数論講義 第2版」共立出版(1999)pp.246−252)であることを判定し、真のとき、つまりk2 ×m(4M+3)と等しくなければ、そのMを平方根計算部108に送る。その他は図7、図8、図9、図11とそれぞれ同様に構成すればよい。
【0029】
上述においてLx =Ly =Lz =Lm ,Lx =Ly =Lm の場合はLm の演算は特に必要とせず、そのLm を用いればよい。
【0030】
【発明の効果】
正弦波を電気的に掃引する方法は単一の正弦波の周波数を掃引するものであり周波数帯域が狭く、人工的であるが、この発明によれば二乗時間軸上でα√Mの等間隔であり、かつそのうちの禁止数と対応するMを除去したインパルス列であり、図4、図5などを参照して説明したように実際の現象に合致するより自然な効果音を生成できるという、これまでにない優れた効果を奏する。
【0031】
またN回反射を模擬する際、従来の文献1による鏡像法ではN3に比例した計算量を必要とするが、この発明では考慮する禁止数をk次までとすると、(k+1)(N+4)となり、kは前述したように高々5程度以下であるから、計算量を著しく低減できるというこれまでにない優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】立方体室に対する鏡像を表した図。
【図2】パルス列の欠落によって副スイープ音が発生する様子を説明するための図。
【図3】主スイープ音とその高調波を表した図。
【図4】副スイープ音とその高調波が現れる様子を示した図。
【図5】従来法による立方体室のインパルス応答のFFT分析結果を示した図。
【図6】直方体残響室で短音(パルス)を発生させたときの反射パルス列の間隔Tが時間に逆比例していることを示した図。
【図7】この発明装置の実施例を示す図。
【図8】この発明方法の実施例を示す流れ図。
【図9】デジタル処理の場合の内挿補間を行う場合の処理例を示す流れ図。
【図10】図8中のステップS6における禁止数判定処理の例を示す流れ図。
【図11】この発明装置をコンピュータにより機能させる場合の実施例を示す図。
Claims (11)
- 1ずつ増加する整数Mを発生させ、
前記整数Mが、3つの整数の2乗総和にはならないという禁止数であるか否かを判定し、
前記整数Mが禁止数でない場合、効果音が放音される空間と関連した寸法L m と音速cとから時間次元を示す実数αをL m /cとして、時刻α√Mにインパルスを発生させる信号を生成する、
ことを特徴とする効果音生成方法。 - 前記整数MはM=4k (8m+7)(k,mは0以上の任意の整数)であることで禁止数と判定し、
前記寸法L m は、直方体室の平均寸法である
ことを特徴とする請求項1記載の効果音生成方法。 - 前記整数MはM=k 2 m(4n+3)(kは1以上の任意の整数、nは0以上の任意の整数、mは1以上の任意の整数かつm≠4n+3)であることで禁止数と判定し、
前記寸法L m は、方形断面の平均寸法である
ことを特徴とする請求項1記載の効果音生成方法。 - 前記時刻α√Mのインパルスとして、α√Mに近い時刻K/f s (Kは任意の整数、f s は標本化周波数)において、入力値がゼロのときに出力値が鋭く極大値となる内挿関数にα√MとK/f s の差を入力して演算を行い、その出力値でもってインパルス信号を生成させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の効果音生成方法。
- 前記時刻α√Mのインパルスの振幅はArM (Aは任意の実数、rは0より大きく1以下の実数)である
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の効果音生成方法。 - 1ずつ増加する整数Mを発生する整数生成部と、
前記整数Mが、3つの整数の2乗総和にはならないという禁止数であるか否かを判定し、禁止数でないとその整数Mを出力する判定部と、
前記判定部の出力整数Mが入力され、その平方根√Mを計算して出力する平方根計算部と、
効果音が放音される空間と関連した寸法L m と音速cが入力されてL m /cを計算して時間次元を示す実数αとして出力する周期計算部と、
前記平方根√Mと前記実数αとが入力されて時刻α√Mを出力する乗算部と、
前記乗算部が出力する時刻α√Mごとにインパルスを発生させる信号を生成出力するインパルス生成部と
を具備する効果音生成装置。 - 前記判定部は入力された整数Mが4k (8m+7)(k,mは0以上の任意の整数)と等しいか否かを判定し、等しいと前記禁止数と判定するものであり、
前記寸法L m は、直方体室の平均寸法である
ことを特徴とする請求項6記載の効果音生成装置。 - 前記判定部は入力された整数Mがk2 m(4n+3)(kは1以上の任意の整数、mは1以上の任意の整数、nは0以上の任意の整数)と等しいか否かを判定し、等しいと前記禁止数と判定するものであり、
前記寸法L m は、方形断面の平均寸法L m である
ことを特徴とする請求項6記載の効果音生成装置。 - 標本化周波数fs でデジタル演算する装置であって、
前記インパルス生成部は前記時刻α√Mに近い時刻K/fs において、入力値がゼロのときに出力値が鋭く極大値となる内挿関数にα√MとK/f s の差を入力して演算を行い、その出力値でもってインパルス信号を生成する
ことを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載の効果音生成装置。 - 前記インパルス生成部は時刻α√Mに振幅ArM (Aは任意の実数、rは0より大きく1以下の実数)のインパルスを生成するものである
ことを特徴とする請求項6乃至9の何れかに記載の効果音生成装置。 - 請求項1乃至5の何れかに記載の方法の各過程をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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