JP3692488B2 - 基質ペプチドの両端に蛍光発光化合物で修飾したカスパーゼ活性を検出する新規な蛍光プローブ - Google Patents

基質ペプチドの両端に蛍光発光化合物で修飾したカスパーゼ活性を検出する新規な蛍光プローブ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酵素、特にアポトーシスに関与するカスパーゼが特異的に切断するアミノ酸配列を有する基質ペプチドの両端を、可視光で励起する一方の蛍光基の蛍光スペクトルと他方の蛍光基の励起スペクトルが重なる蛍光発光化合物残基の組み合わせで修飾した新規な蛍光プローブ、特に前記基質ペプチドを蛍光共鳴エネルギー移動が起こる長さとした新規な蛍光プローブに関する。
更に、蛍光顕微鏡を使用して、生きた細胞内のカスパーゼの活性を、定量的に観察できる蛍光強度比(蛍光基Dの発光と蛍光基Aの発光強度の比))の経時的変化を観察できる前記新規な蛍光プローブに関する。
【0002】
【従来技術】
従来は、プロテアーゼ、特にカスパーゼ(Caspase)が活性化したことを検出する方法として、活性化カスパーゼに対する抗体を用いる免疫学的方法と、色素でラベルした基質ペプチドの切断活性を測定する酵素化学的方法がよく用いられている。カスパーゼの細胞死における真の働きを調べることを目的とした場合、細胞が生きた状態でカスパーゼ活性を見ることが要求される。従って、抗体を用いる免疫化学的方法は細胞が固定(観察材料を作るのに組織中の細胞をアルコールなどで殺する操作)された状態でしか観察できないというところに欠陥がある。
また、基質ペプチドを用いた検出法には吸収法と蛍光法の二種類があるが、細胞が生きたままの状態で細胞内の活性を測定するのには吸光法は感度面で大いに問題がある。一方、蛍光法はCa2+を始めとして、近年様々なイメージングに用いられており、その感度の良さからイメージングに最もふさわしい方法と考えられている。
【0003】
現在、カスパーゼの活性の検出に使用されている蛍光化合物としては、カスパーゼの基質選択性に基づいてデザインされた蛍光基ラベルペプチド化合物、例えばYVAD−MCA、DEVD−MCAなどを挙げることができる(なお、Y=Tyr、V=Val、A=Ala、D=Asp、E=Gluであり、MCA=4−メトキシクマリン−7−アミンを表す。)。
しかし、これらの化合物は総じて励起波長が短波長(紫外線乃至短波長可視光励起)であり、インビボ(in vivo:ここではメディウムにおいて生きている細胞の意味を含む))で使用する場合、励起光が細胞を痛める及び細胞自身が発する自家蛍光のために(イメージング観察におけるバックグラウンドを構成する。)、わずかな蛍光上昇などを捕らえるのが困難であるなどの問題があった。
また、現在アポトーシスの研究に用いられている方法では、cell lysate(細胞をすり潰したもの)を調製して、そこに含まれる酵素の活性を測定していた。従って、得られるデータは試料の調整時の採取された細胞の平均値にすぎないし、それが必ずしも生理条件における状態を反映していない。また、組織、細胞内の空間分解能が悪いという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者等は、カスパーゼの生きた細胞における酵素活性を指標としてイメージングを得て(画像(種々の画像処理をしたものを含む)などとして捉えて)観察できれば、前記従来の方法では得られない、空間的・時間的分解能の観察結果を得ることができ、その分解能および時間的観察は個々の細胞レベルで酵素の活性の検討できるものが得られると考えた。そのためには、個々の細胞毎に測定することができる蛍光プローブを設計する必要がある。
【0005】
ここで、カスパ−ゼ(Caspase)の構造およびその役割の概要を説明する。
Caspaseの構造
ヒトの場合、今までに10種類の遺伝子が報告されている。Caspaseはいずれも活性中心にCys残基を持つシステインプロテアーゼで、末端からプロドメイン、約20kDaと10kDaのサブュニット(p20とplO)を持っている。プロドメインに関しては、Caspase−1,−2,−5,−9などのようにCARD(Caspase-recruitment domain)と呼ばれるドメインを持つもの、Caspase-8,-10などのようにDED(death effector domain)と呼ばれるドメインを持つもの、Caspase−3,−6,−7のように比較的短いプロドメインしか持たないものの3種類に大別される。Caspaseはこれらの3つがつながった前駆体として細胞内に存在するが、刺激によってp20とplOが切り出され、各々が二分子ずつ会合して四量体となって活性化するとされている。
アポトーシスにおけるCaspaseの役割
最初にCed−3との相同性があると分かったのがCaspase−1(ICE)であり、Capase−1を細胞内に過剰発現させると細胞死を引き起こしたこと。Caspase−1の活性化はマウスの細胞にFasを刺激してアポトーシスを誘導した時のCaspase−3様の活性上昇に先立って起こることが数多く報告されたことなどから、当初はCaspase−1がアポトーシスのシグナル伝達経路に深く関与すると見られていた。しかし、ヒトの細胞のアポトーシスにおいてはCaspase−1活性の指標であるYVAD−MCA切断活性の上昇が再現されないことなどから、現在ではCaspase−1はCaspase−4,−5と共にIL−1βなどのサイトカインの成熟・分泌に関わるCaspaseに分類され、細胞死に関わるCaspase(Caspase−3,−6,−7,一8,−9など)とは異なるという考え方が主流となっている。しかしながら、まだ完全にCaspase−1の細胞死への関与が否定されたというわけではない。
一方、細胞死に関わるとされているCaspaseも、そのプロドメインの構造から、アポトーシスのシグナル伝達の上流に位置するもの(Caspase−8,−9など)と、下流に位置するもの(Caspase−3,−6,−7など)とに分類されている。
Caspase−8はその前駆体のN末端にDED(death effectore domain)を持ち、、同じくDEDを持つ分子であるFADD(Fas associating protein with death domein)と結合することが分かっている。
FADDはその名前の通りFasレセプターとDD(death domain)を介して結合し、Fasリガンドなどの細胞外からの死のシグナルを細胞内に伝える仲介の役目を果たしていると思われる。シグナルを受けて活性化したCaspase−8はCaspase−3など下流のCaspaseを活性化すると考えられている。
また、Caspase−9はCaspase−1サブファミリー(グループI)と同様に前駆体のN末端にCARD(Caspase-recruitment domain)を持っており、同じくCARDを持つced-4の哺乳類ホモローグApaf-1と結合することが知られている。Apaf-1はcytochrome Cと結合することが知られており、ミトコンドリアから放出されたcytochrome CからのシグナルをCaspase−9に伝える役目を果たしている。これによって活性化したCapase−9はCaspase−3などを活性化することによってアポトーシスのシグナルを下流に伝えていると考えられる。
上の2つのCaspaseが主にアポトーシスのシグナル伝達や制御に関わっていると考えられているのに対して、残りのCaspase(Caspase−3,−6,−7)は構造蛋白質などの基質蛋白質の分解という過程を通してアポトーシスの実行に関わっているとされている。このうち、特にCaspase−3はDNAのフラグメンテーションを起こすDNase(CAD)の活性化および様々な細胞内タンパク質の切断に関わっていることが明らかとなっている。ここ数年の研究により、Caspaseの活性化はほとんどのアポトーシスで起こる共通の現象であり、Caspaseの活性化がアポトーシス特有の形態変化に関わっていることが明らかとなってきた。また、最近ではCaspase−9がリン酸化によって制御されているという報告もなされ、複雑な制御をしていることが分かってきた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、(1)カスパーゼが特異的に切断する−Gly−Asp−Glu−Val−Asp−Gly−Val−Lys−または−Ala−Tyr−Val−His−Asp−Ala−Pro−Val−Lys−のアミノ酸配列を有する基質ペプチドの一方の末端を可視光で励起する蛍光基Dで、他方の末端を前記蛍光基Dの発光スペクトルが励起スペクトルと重なる蛍光基Aで修飾した蛍光プローブである。好ましくは、(2)蛍光基Dがルシファーイエローまたは6−カルボキシジクロロフルオレセインからのものであり、蛍光基Aが5−カルボキシテトラメチルローダミンまたは5−カルボキシ−X−ローダミンからのものである前記(1)に記載の蛍光プローブである。本発明者は、蛍光共鳴エネルギー移動を起こす蛍光発光化合物の組み合わせで修飾した前記酵素特異性を向上した基質ペプチド、特に長波長励起の前記蛍光発光化合物の組み合わせを用いることにより前記課題を解決したものである。
【0007】
【本発明の実施の態様】
本発明を、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の、活性化Caspase検出の原理は、好ましくは蛍光共鳴エネルギー移動(Fluorescence Resonance Energy Transfer:以下、FRETと言う場合もある。)を用いるものである。
本明細書において、FRETとは、ある2つの蛍光化合物が距離的に近い位置(大体100Å以内)に存在するとき、その2つの蛍光化合物のうちの片方(ドナーという、例えば前記蛍光基D)の蛍光スペクトルともう片方(アクセプターという、例えば前記蛍光基A)の励起スペクトルが重なりを持つ場合、ドナーの励起波長のエネルギ−を当てると、本来観察されるはずのドナーの蛍光が減衰し、代わりにアクセプターの蛍光が観察される現象をいう。
例えば図1に概略図として示されるように、プロテアーゼによる切断前には、アクセプターの蛍光のみが観察されるが、プロテアーゼが活性化し基質ペプチドを切断すると、ドナーの蛍光が観察されるようになる。
この原理を応用した図2の蛍光プローブの構成は、あるプロテアーゼが特異的に認識・切断する基質ペプチド配列の両側に、ドナー、すなわちアクセプター蛍光体の励起光を発生する蛍光基とアクセプター、すなわち前記ドナーの励起により放出されるエネルギ−により発光する蛍光基とを修飾すると、プロテアーゼにより前記基質ペプチドが切断される前は両者の距離が十分近いためFRETが起こるが、プロテアーゼによって前記基質ペプチドが切断されると両者の距離が離れることによりFRETが起こらなくなると、というものである。そして、それによって生じるであろうスペクトル変化、すなわちアクセプターからの蛍光スペクトルからドナーからの蛍光スペクトルへのスペクトル変化をプロテアーゼの活性測定の指標にすることを原理とするものである。
前記基質ベプチド配列としては、Caspase−1によって特異的に切断されるhuman pro-interleukin-1β(pro-IL-1β)の切断部位の配列である−AYVHDAPVK−、及びCaspase−3,−7などによって切断されるhuman poly-ADP-ribose polymerase(PARP)の切断部位の配列である−GDEVDGVK−を用いることとした。
【0008】
また、FRETが起こるドナーとアクセプターの組み合わせを、図3に示した蛍光化合物類を用いて検討した。
具体的には、ドナーとしてはルシフアーイエロー(LY)、カルボキシジクロロフルオレセイン(CDCF)を用い、また、アクセプターとしてはカルボキシメチルローダミン(CTMR)およびカルボキシX−ローダミン(CXR)を用いて、蛍光プローブ化合物を合成した。
蛍光プローブの合成
ペプチドの両端に化合物を修飾する方法は、Geogheganらによって報告された方法を用いた。すなわち、基質配列のN末端にSer、C末端にLysがあるようなペプチドを出発原料とし、まず中性条件下で過ヨウ素酸処理することによりN末端Serをグリオキシリル基に変換し、別途合成あるいは購入したヒドラジノ化したドナーを修飾する。次に、C末端のLysのε−アミノ基をスクシニミジルエステル化したアクセプターで修飾した。
ドナーとアクセプターの組み合わせを下記表1に示す。
【0009】
【表1】
Figure 0003692488
【0010】
また、用いたドナーおよびアクセプターにおいて、ルシフアーイエローのヒドラジン誘導体は市販のものを使用した。それ以外はすべて合成した。下記1にドナーおよびアクセプターの合成工程をに示す。
【0011】
【化1】
Figure 0003692488
【0012】
以上により合成された、Caspase-1の活性を検出する蛍光プロープは、以下の群Aの(1)〜(3)であり、
群A:
(1)LY−AYVHDAPVK−CTMR、
(2)CDCF−AYVHDAPVK−CXR、
(3)CDCF−AYVHDAPVK−CXR、
また、Caspase−3の活性を検出する蛍光プローブは、以下の群Bの(4)〜(6)である。
群B:
(4)LY−GDEVDGVK−CTMR、
(5)CDCF−GDEVDGVK−CTMR、
(6)CDCF−GDEVDGVK−CXR
反応の進行は逆相HPLCで確認し、生成物の精製には分取用逆相HPLCを用いた。構造の確認はMALDI−TOFMS(Shimadzu社製、COMPAKT,MALDI-IV)によって分子量のピークを確認することによって行った。
その結果を表2に示す。
【0013】
【表2】
Figure 0003692488
【0014】
合成した6種類の蛍光プローブに関して、そのスペクトル特性及び酵素との反応性など物性の検討を行った。
蛍光スペクトル測定
まず、合成した蛍光プロープがpH7.4の緩衝液中でFRETを起こしているかどうか調べたところ、LY−CTMR(1,4)の組み合わせではFRETを確認できた。その結果図4に示す。
FRETの溶媒による効果:
その結果を図5に示す。また、CDCF−CTMR(2,5)、CDCF−CXR(3,6)の両組み合わせともMeOH中ではきれいなFRETが観察され、LY−CTMR(1,4)ではFRETの効率が水中よりもさらに大きくなった。すなわち、MeOH中では合成された(1)〜(6)の全ての化合物がFRET特性を呈することが確認された。
溶媒によるFRETの効率の違いは、LYとCTMRが水中ではある程度会合しているものと推察される。
【0015】
紫外・可視光吸収(uv−Vis.)スペクトル測定
次に、合成した蛍光プローブの紫外・可視光吸収(uv−Vis.)スペクトルを測定した。その結果を図6に示す。
CDCF−CTMR(図6の(b))、CDCF−CXR(図6の(c))の組み合わせではローダミン(CTMR,CXR)の極大吸収波長における吸光度がCDCFの極大吸収波長における吸光度と比較して顕著な減少を示していた。これは、ローダミン系の蛍光団をタンパク質などに多数修飾した際に起こることが報告されている(Ravdin,P.&Axelrod,D.:Anal.Biochem.,80,585-592(1977)参照)。この報告の場合は恐らくローダミン同士で会合していると考えられるが、今回の吸収スペクトルの結果はローダミン(CTMR,CXR)とフルオレセイン(CDCF)が会合していることを示唆する結果である。一方、LYとCTMRの組合わせの場合(図6の(a))、CTMRに由来するスペクトルはふつうのローダミンのスペクトルの形をしている。このことから会合の程度は弱いと考えられ、弱いFRETが起こっている結果を支持するものであった。
【0016】
プロテオリシス(タンパク質加水分解)を受けたときの蛍光プローブのスペクトル変化をリコンビナントヒトCaspaseを用いて測定した。いずれの蛍光プローブもターゲットにしたCaspase-3(前記群Bの蛍光プローブ(4)−(6))によってプロテオリシスを受け、それに従ってドナーの蛍光が大きく増大した。その状態を図7に示す。
また、アクセプターの蛍光を測定したところ、前記群Bの蛍光プローブ(4),(5)および(6)ではプロテオリシスによってドナー以上の蛍光強度の増大が観察された。その状態を図8に示す。
さらに、前記Bの蛍光プローブ(4)を用いて切断前と切断後の吸光スペクトルを測定したところ、CTMRの極大吸収波長が560nmから551nmにシフトした(図9(I)参照)。また、他の蛍光プローブではプロテオリシスによってアクセプターのモル吸光係数の上昇および極大吸収波長のブルーシフト、ドナーの極大吸収波長のレッドシフトが観察された(図9(II)参照)。
このことから、全ての蛍光プロープに関して、水中ではドナーとアクセプターが何らかの相互作用をしていると思われるが、(1),(4)ではそれが弱いと考えられる。このことにより、(1),(4)は水中においてFRETを示した。
以上のデータより、合成した蛍光プローブ(1)〜(6)は各々の設計どおりのCaspaseの活性を検出するプローブとして使用できることが確認された。
更に、LY−CTMRの組合せの蛍光プロープ(1)および(4)ではドナーの励起波長(430nm)で励起した場合、ドナーの蛍光波長(530nm)とアクセプターの蛍光波長(570nm)で蛍光強度の比が変化するため、それらの比を取ることによって、二波長レシオイメージングの蛍光プローブとして使用できる。
二波長レシオイメージングができる蛍光プロープの実現は、蛍光プロープの濃度のみによらずターゲット分子の濃度や活性をより正確に定量できるために、蛍光プローブの染めむらがある場合に特に有用となる。また、CDCFをドナーとして持っ蛍光プローブ(2),(3),(5)および(6)(群AまたはB:)は最大励起波長が505nmであるので、488nmのアルゴンレーザー光によって励起する共焦点顛微鏡を用いたイメージングへの応用も可能であろう。
【0017】
合成した蛍光プローブの各Caspaseに対する選択性の検討
各種リコンビナントCaspase(−1,−3,−6,−7)を用いて、合成した蛍光プロープの酵素に対する選択性を検討した。蛍光ブロープ(1)〜(3)(群A)はCaspase−1に対して選択的であった。また、蛍光プローブ(4)〜(6)(群B)は設計ではCaspase−3,−7のみに切断されることを期待したが、Caspase−3,−7と比べて切断されやすさは劣るもののCaspase−1,−6によっても若干切断された(図10参照)。DEVD−MCAのCaspase(−1,−3,−6,−7)に対する選択性は図10に示したとおりである。
しかし、各々のペプチド基質をCaspase−3とインキュベートしたときの蛍光強度を1.0として、他のCaspaseと反応させたときの相対的蛍光強度を算出したところ、(4)〜(6)のいずれのプローブも、DEVD−MCAと比較するとグループIIのCaspase(特にCaspase−7)に対する選択性は高まっていることが、以下に示す表3から理解される。
【0018】
【表3】
Figure 0003692488
【0019】
Caspase−3の蛍光プローブ(4)〜(6)に対するVmax/Km(Kの測定
時間に対する蛍光強度のグラフの曲線を式(実験の部参頗)にフィットすることで、Caspase−3の蛍光プロープ(4)〜(6)に対する近似のVmax/Kmを求めた。その結果を表4に示す。
近似のVmax/Kmの算出:
DECD-MCAおよび蛍光プローブ(4)〜(6)(2μM)を250U/mlのCaspase-3と、37℃でインキュベーションしながら、蛍光強度を一定時間ごとに測定した。
反応溶液は合計200μlで、20mMHEPESバッファー(pH7.5)10mMMDTT、10%グリセロール、0.1%CHAPS、100mMNaClを含む。
測定波長はDECD-MCAが、ex.380nm、em.460nm、(4)がex.430nm、em.530nm、(5) および(6)がex.505nm、em.525nmで行った。測定した蛍光強度を時間に対してプロットして、そのグラフをy=A×(1-exp((Vmax/Km)×t)+Bの式に一致(フィット)することによって、近似のVmax/Kmを求める。
DEVD−MCAと比較すると値は若干小さかったものの、同じくらいの値であった。蛍光基のサイズが大きくなるとVmax/Kmが小さくなる傾向があった。恐らく、酵素に認識される際に蛍光団のサイズが大きいと、立体障害のために認識されにくくなる可能性が考えられる。
【0020】
【表4】
Figure 0003692488
【0021】
エトポシド処理した細胞からのCaspase−3様活性の検出
下記の化学式(2)(a)のトポイソメラーゼII阻害剤であるエトポシド(VP−16)は多くの細胞においてアポトーシスを引き起こすことが知られている。
【0022】
【化2】
Figure 0003692488
【0023】
そこで、アポトーシスにおいて切断されることが知られているpoly-ADP-polymerase(PARP)の切断部位のペプチド配列を持つ合成蛍光プローブDonor-GDEVDGVK-Acceptor(蛍光プローブ(4)〜(6))を用いて、アポトーシスを起こした細胞のlysateからCaspase活性(Caspase−3様活性)の検出を試みた。その結果、一般的に使用されているDEVD−MCAと同程度の感度で酵素活性を検出することができたことが分かった。(図11参照)。この活性はCaspase選択的阻害剤である前記化学式(2)(b)のZ−Asp−CH2−DCBによって大きく抑制された。エトポシド処理していないHeLa細胞のlysate中にはZ−Asp−CH2−DCBによって抑制されるプロテアーゼ活性はほとんど存在しないことから、これらの蛍光プローブを用いてアポトーシス刺激によって活性化したcaspase−3様プロテアーゼを検出することができる。
しかし、エトポシド処理していないHeLa細胞中にもこれらの蛍光プローブを切断する活性が存在することが明らかとなった。これは、通常細胞内で活性化しているプロテアーゼ群によるものと考えられ、Z−Asp−CH2−DCBによっては全く抑制されないことからCaspaseではないことがわかった。
また、いずれの蛍光プローブもこれら他のプロテアーゼによるバックグラウンドはDEVD−MCAと比較すると低い。すなわち、DEVD−MCAよりもCaspaseに対する選択性は優れていると言える。この原因としては、DEVD−MCAがアミノ酸残基が4つしかないのに対し、合成した蛍光プローブはアミノ酸残基が7〜8個あるためであると考えられる。換言すれば、本発明の蛍光プローブの基質ペプチドにより選択性が向上されたことが理解される。
また、THP−1細胞をエトポシド処理した場合のlysateの場合にも、同様に蛍光プローブ(4)によりCaspase−3様活性の検出の選択性が向上することが分かった。このことを図12に示す。
【0024】
蛍光プローブの細胞内への導入
蛍光プロープをバイオイメージングに適用するには、まずそれらの化合物を細胞内に取り込ませなくてはならない。そこで、最初に蛍光プローブ1〜6をメディウム中に添加しただけで細胞に取り込まれるかどうか検討した。
しかし、いずれのプロープもHeLa細胞・THP−1細胞のどちらにも取り込まれなかった。このため、何らかの方法を用いて細胞内にこれらの蛍光プロープを取り込ませることを考えた。
細胞膜非透過性の化合物を細胞内に入れる方法としては、
▲1▼ 膜透過性化合物への誘導体化(アセトキシメチル化、アセチル化など)
▲2▼ 薬物を用いて膜に穴を開けて取り込ませる方法(α−tozin、β−eschinなど)
▲3▼ 細胞外液を高浸透圧にすることによって取り込ませる方法(Influx(商標名)など)
▲4▼ リボソーム法
▲5▼ マイクロインジェクション
などが存在するが、今回はマイクロインジェクションによる方法を用いた。
マイクロインジェクションによる方法
Eppendorf社のマイクロインジェクション法を用いて蛍光プローブの細胞内への注入を試みた。用いる細胞とし、蛍光イメージング観察が容易な接着性のHeLa細胞で行うことにした。マイクロインジェクション後、血清を含むメディウム(培養液)でインキュベーションすることにより、懸念された膜の傷害による細胞死は防ぐことができた。
蛍光ブローブが導入されたかどうかはCDCFおよびCTMRの蛍光を確認することにより行った。以下のイメージング実験は全て、マイクロインジェクションによって蛍光プローブを細胞内に導入したものを用いて行った。
【0025】
Caspase−3様プロテアーゼのイメージング
蛍光プロープとしては、Caspase−3やCaspase−7といったPARP(poly-ADP-ribose polymerase)を切断するCaspase(Caspase−3様プロテアーゼ)を検出するように設計した試薬であるLY−GDEVDGVK−CTMR(4)およびCDCF−GDEVDGVK−CTMR(5)を使用した。
ポストインキュベーション時間
マイクロインジェクションは細胞膜に穴を開けるために、細胞膜が完全に修復するまでは蛍光基質が細胞外へ漏れ出すことが考えられる。そのため、ポストインキュべ−ションの時間が短いと、イメージングを開始しても蛍光強度が初めから下がり続けてしまい、酵素活性を検出できないと考えられた。そこで、とりあえず以下のイメージング実験はポストインキュベーション時間を6−7時間程度として行った。この条件のポストインキュべ−ション時間でもある程度の局在は観察された。
イメージング中のメディウムの選択
イメージング時に使用するメディウムとしては、培養に使用しているDMEM(Dulecco's modified Eagle's medium)が好ましいが、DMEMのpHを中性に保つためには5%CO2を常に通気しなければならないので、顕微鏡などの観察装置の面で制約があるので、大気中でpHが中性であるHanhk's balanced salt solutio(HBSS)を用いた。このバッファーはCa+イメージングにも使われるように大気中で中性のpHの値を取り、本実験の湯合にも適していると思われる。また、イメージングにおいて重要な問題であるメディウムの自家蛍光を抑制するために、自家蛍光の影響をなるべく少なくし、かつエトポシド未処理では細胞死を起こさないようなFBSの濃度を検討し、1%FBSおよび3%FBSにおいて実験を行った。ちなみに、血清除去はエトポシドの効果を増強することがわかった。
【0026】
イメージング結果
エトポシド刺激(脾臓細胞は20μg/mlのエトポシドで処理され、蛍光顕微鏡を用いて20×.温度:37℃,溶媒:Hank's balanced salt solution(ハンクスの平衡塩溶液) with l% fatal bovine serum(ウシ血清アルブミン).)によってアポトーシスを誘導した細胞において、化学式3で示される蛍光プローブ(5)を用いることによって、CDCF由来の蛍光強度が上昇した画像を取ることに成功した。
【0027】
【化3】
Figure 0003692488
【0028】
イメージング結果の、蛍光画像を図13に、そして比蛍光画像を図14に示す。
この蛍光は、エトポシド処理直後から徐々に上昇し、特に細胞内のある一部分でかなり強い活性上昇が見られた。また細胞全体の蛍光は、細胞の死と共に極端に低下した。この蛍光低下の原因としては、細胞がアポトーシスを起こす過程において膜のブレッビング(blebbing)が観察されるが、そのときに細胞膜が破れて蛍光プローブが細胞外に滞れ出したためと考えられる。
図15は、エトポシ未処理の細胞の蛍光画像を示す。そこでは蛍光色素が集まる傾向は見られたもののこのような大きな蛍光量増加はほとんど見られず、全体的に蛍光量は徐々に低下していく傾向にあった。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように、特に蛍光プローブ(4)〜(6)(Donor−GDEVDGVK−CTMR)を用いることによって、アポトーシスを誘導したHeLa細胞中からCaspase−3様プロテアーゼの活性を改善された選択性をもって検出することができた。更に、CDCF−GDEVDGVK−CTMR(5)をマイクロインジェクションによってHeLa細胞内に導入し、エトポシド処理したHeLa細胞内において活性化したCaspase−3様プロテアーゼのイメージングに成功した。この手法は他のプロテアーゼの活性の観察にも応用が可能であることが推測され、酵素の生体細胞における観察の実現を提供した点において優れた効果をもたすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)現象の概略図
【図2】 本発明の蛍光プローブの酵素活性検出原理図
【図3】 FRETが起こるドナーとアクセブターの組み合わせを構成する、蛍光化合物類
【図4】 pH7.4の緩衝液中で合成蛍光プローブのFRET
【図5】 種々の溶媒中における蛍光スペクトル(FRET)
【図6】 合成した蛍光プローブの紫外・可視光吸収(UV−vis.)スペクトル、
【図7】 プロテオリシスを受けたときの(4)〜(6)の蛍光プローブのドナーのスペクトルの変化
【図8】 プロテオリシスを受けたときの(4)〜(6)の蛍光プローブのアクセプターのスペクトルの変化
【図9】 プロテオリシスを受けたときの蛍光プローブ(4)(I)および(6)(II)の極大吸収波長のシフト
【図10】 蛍光プローブのCaspaseに対する選択性
【図11】 エトポシド処理したHeLa細胞の新規蛍光プローブによるCaspase−3様活性検出
【図12】 THP−1細胞をエトポシド処理した場合の蛍光プローブ(4)によるCaspase−3様活性検出
【図13】 エトポシド処理したHeLa細胞の蛍光イメージング
【図14】 エトポシド処理したHeLa細胞の比蛍光イメージング
【図15】 未処理のHeLa細胞の蛍光イメージング

Claims (2)

  1. カスパーゼが特異的に切断する−Gly−Asp−Glu−Val−Asp−Gly−Val−Lys−または−Ala−Tyr−Val−His−Asp−Ala−Pro−Val−Lys−のアミノ酸配列を有する基質ペプチドの一方の末端を可視光で励起する蛍光基Dで、他方の末端を前記蛍光基Dの発光スペクトルが励起スペクトルと重なる蛍光基Aで修飾した蛍光プローブ。
  2. 蛍光基Dがルシファーイエローまたは6−カルボキシジクロロフルオレセインからのものであり、蛍光基Aが5−カルボキシテトラメチルローダミンまたは5−カルボキシ−X−ローダミンからのものである請求項1に記載の蛍光プローブ。
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