JP3685279B2 - Method for producing aqueous dispersion of synthetic resin - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂などの合成樹脂を有効成分とする水系分散体の製造方法に関する。さらに詳しくは、優れた加工性・密着性の特性と耐水性を兼ね備えた合成樹脂の水分散体の製造において、製造設備に高負荷がかからず、従来に比べて格段に製造時間が短く、かつ低コストで製造できる製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル樹脂をはじめとする合成樹脂の多くは、優れた塗膜加工性・各種基材への密着性を利用して、塗料およびインキ・コーティング剤・接着剤等の利用分野で水系分散体にすれば幅広く用いられる可能性がある。しかしながら、水分散化するには、特別な設備が必要であったり、複雑な製造工程が必要であったり、樹脂の方を分散し易いように変える必要があったりするので合成樹脂のほとんどが有機溶剤に溶解された形で利用されているのが現状である。
【0003】
例えば、ポリエステル樹脂の場合を例に挙げると、低分子量ポリエステルのグラフト変性による水系化方法として米国特許3,634,351号、特公昭57−57065号、米国特許4,517,322号のように、既に多くの技術が公知であるが、低分子量ポリエステルであるために、ポリエステルに本来求められる優れた加工性・密着性の特性を低下させてしまう。また、高分子量の不飽和共重合ポリエステルを水系化する方法も、特開昭59−223374号、特開昭62−225510号、特公昭61−57874号、特開平3−294322号に見られるが、ゲル化等の反応性の問題及び反応条件の制限により、実際の工業生産では、生産性が低い。
【0004】
一方、高分子量の共重合ポリエステル樹脂を水に分散または水性化させる方法としては、共重合ポリエステル樹脂に親水性の原料を共重合させる方法が公知である。例えばスルホン酸金属塩基を含有する原料やポリアルキレングリコールまたは脂肪族ジカルボン酸などを単独または併せて共重合する方法などが知られている。これらのポリエステル樹脂を水を含む溶媒の中へ一括に分散する、又は、あらかじめポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解して後工程で水添加することにより分散体を得ることができる。
【0005】
しかし、水を含む溶剤によって、かかるポリエステル樹脂を一括に分散する方法は、溶解までに多大な時間を要する為コストアップに繋がる。そこで時間短縮を望めば、より多くの有機溶剤を必要とするので本来の有機溶剤削減もしくは排除の目的には不十分となる。また、ポリエステル樹脂溶解品へ水を添加して分散体を得る方法は溶解に多くの時間を有することと、少量の有機溶剤へ大量の樹脂を溶解する時に、撹拌機を有する溶解槽の様な製造設備に尋常でない高負荷がかかるデメリットがあった。
【0006】
以上のように、従来の技術では、加工性・密着性・耐水性等の特性を兼ね備えた高分子量の共重合ポリエステル樹脂などの合成樹脂を、水分散または水性化させて、安定な水分散体を製造する上で、製造設備に尋常でない高負荷がかかる製造条件及び長時間溶解によるコストアップの問題点が、解決されていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような問題点を解決しながら、優れた加工性・密着性・耐水性等の合成樹脂の本来の特性を損わない特性を兼ね備えなえた合成樹脂の水系分散体を製造することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述の問題点に鑑み、優れた加工性・密着性・耐水性等の特性を兼ね備えた合成樹脂を、水に分散または水性化させて、安定な水分散体あるいは水溶液を製造する上で、製造設備に高負荷がかからず、製造時間の短い製造方法を鋭意検討した結果、イオン性あるいはイオン性基に変化可能な官能基を有する合成樹脂と水および必要により有機溶剤とを二軸押出機に投入して、前記合成樹脂を水系媒体中に分散せしめることにより、所期の目的を達成することが可能であることを見いだしたのである。
【0009】
本発明によれば、イオン性基あるいはイオン性基に変化可能な官能基を有する合成樹脂を、二軸押出機内へ連続的に投入し、シリンダー内で加温・溶融しながら、水及び必要により有機溶剤を投入・混練する。これにより製造設備に何ら高負荷をかけずに、製造時間が短い低コストの水系分散体を製造することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる合成樹脂とは、イオン性またはイオン性基に変化可能な官能基を有し、塗膜やフイルムにした場合に、加工性、接着性、密着性、耐水性等の特性を発揮する合成樹脂であり、ポリエステル系樹脂が挙げられる。
【0011】
本発明におけるイオン性基またはイオン性基に変化可能な官能基とは、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸、カルボン酸またはそれらの塩、アミノ基、アミド基、水酸基、スルホベタイン基などの親水性極性基である。
これらの中で、スルホン酸塩基とカルボン酸塩基が導入が容易で、かつ安定性に優れるために好ましい。
塩としては金属塩が好ましく、Na、Kなどのアルカリ金属、Ca、Mgなどのアルカリ土類金属が挙げられる。
【0012】
以下、本発明に用いる合成樹脂の例として、加水分解等の影響を最も受け易く、最も製造しにくいポリエステル樹脂の場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
ポリエステル樹脂において、好ましくは、全酸成分の50mol%以上が芳香族ジカルボン酸であり、かつ数平均分子量が5000以上100000以下である。これにより、高分子量ポリエステルに求められる優れた加工性・密着性・耐水性等の特性を兼ね備えた水分散体の低コストの製造方法を提供することができる。
【0013】
本発明で用いるポリエステル樹脂は、酸成分のうち、芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ジフェニル−m,m’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−p,p’−ジカルボン酸、2,2’−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、インデンジカルボン酸などを挙げられ、これらの1種または2種以上が組み合わせて使用される。これらの芳香族ジカルボン酸は塗膜物性および経済性から任意に選択できるものであるが、塗膜物性および機械的特性、水に対する分散性の点から、テレフタル酸とイソフタル酸を併用して使用することが好ましい。
また3官能以上のカルボン酸も、塗膜の強靭性を上げる等の為に、使用可能である。例えば、トリメリット酸やピロメリット酸を10mol%以下の濃度で使用してよい。
【0014】
また、本発明で用いるポリエステル樹脂は、好ましくは酸成分の50モル%未満の範囲で、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸またはシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環族ジカルボン酸などを使用することができる。特に芳香族ジカルボン酸と併用する脂肪族ジカルボン酸として、基材への密着性や経済性、塗膜物性の点から、アジピン酸、セバシン酸が好ましい。但し脂肪族ジカルボン酸または脂環族ジカルボン酸の存在は、水系分散体の貯蔵安定性を低下させるので注意が必要である。
【0015】
本発明で用いるポリエステル樹脂のポリオール成分としては、エチレングリーコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジメチロールヘプタン、ジメチロールペンタン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、TCDグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド誘導体、ビスフェノールSのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド誘導体、ビスフェノールFのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド誘導体などを挙げることができる。
また、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3官能以上のポリオールを10モル%以下の範囲で使用してもよい。
【0016】
さらに本発明に用いるポリエステル樹脂において、好ましくは、イオン性あるいはイオン性基に変化可能な官能基が、スルホン酸塩、カルボン酸又はその塩の内の少なくとも一つであることにより、高い水分散安定性が得られる。特に好ましくは、0.01〜0.5ミリ当量/gのスルホン酸塩、および/または0.03〜0.8ミリ当量/gのカルボン酸又はその塩である。以上の親水性官能基は該ポリエステル樹脂から製造された水分散体を安定に保つ目的で必要であるが、過剰な親水性官能基の導入は、耐水性への悪影響から好ましくない。また前記の範囲未満の低濃度では、水に対する良好な分散性が得られない。
【0017】
本発明のポリエステル樹脂へのスルホン酸塩導入に際しては、スルホン酸金属塩を含むジカルボン酸やグリコールが使用できる。スルホン酸金属塩を含むジカルボン酸としては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸などの金属塩を挙げることができる。スルホン酸金属塩基を含むグリコールとしては2−スルホ−1,4−ブタンジオール、2,5−ジメチル−3−スルホ−2,5−ヘキサンジオールなどの金属塩が挙げられる。金属塩としてはLi、Na、K、Mg、Ca、Cu、Feなどの塩が挙げられる。これらの内、特に好ましいものとしては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸である。
【0018】
本発明のポリエステル樹脂へのカルボン酸塩導入に際しては、多官能カルボン酸が使用できる。多官能カルボン酸として、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸などの酸無水物、多価カルボン酸を挙げることができる。以上の酸無水物もしくは多価カルボン酸を、ポリエステル重合終了後に、常圧下、200〜230℃で付加反応させて、カルボン酸を所定量有するポリエステルが得られる。これらのカルボン酸を、中和剤を溶解させた水および必要により有機溶剤によって、二軸押出機内又は押出機以降の撹拌設備を有する容器内で中和することにより、該ポリエステル樹脂にカルボン酸塩が導入できる。中和をしないとカルボキシル基が解離せず、良好な水分散性製造に寄与しない。中和用塩基としては、アンモニア水、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミン、ビス−ヒドロキシプロピル−メチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ビス−2−ヒドロキシプロピルアミン、N−メチル−エタノールアミン、アミノメチルプロパノール、3−アミノ−1−プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、アミノメチル−プロパンジオール、シクロヘキシルアミン、t−ブチルアミンなどのアミン類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの弱酸と強塩基の塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などを挙げることができる。これらの中和用塩基の内、塗膜乾燥時に揮発して残存しないアンモニア水、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミンなどのアミン類が、耐水性の観点から、より好ましい。
【0019】
本発明のポリエステル樹脂へ、水分散安定性をさらに高める為、エーテル基を導入することも可能である。エーテル基導入に際しては、主鎖にエーテル基を有するグリコールが利用できる。具体例として、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
【0020】
本発明で用いる水は、イオン交換水・蒸留水・水道水等であり、特に制限されるものではないが、水分散体の安定製造の観点から、イオン交換水・蒸留水が好ましい。
【0021】
本発明で用いる有機溶媒は合成樹脂を溶解するものであれば何でもよく、トルエン、MEK、シクロヘキサノン、ソルベッソ100、ソルベッソ150、MIBK、n−ブチルセロソルブ、t−ブチルセロソルブ、THF、n−プロパノール、イソプロパノール、特に限定されない。その中で、塗膜特性や水分散体としての安定性から、n−ブチルセロソルブ、t−ブチルセロソルブが好ましい。
【0022】
本発明による二軸押出機の使用方法は、合成樹脂を、二軸押出機内へ投入し、シリンダー内で加温・溶融しながら、水及び必要により有機溶剤を投入するのであれば、なんら制限を受けない。
【0023】
二軸押出機への合成樹脂の投入方法としては、例えば、該合成樹脂がペレット状やフレーク状であれば、重量式又は容量式等のスクリューフィーダー又はコイルフィーダー、サークルフィーダー等が使用できる。合成樹脂が非晶性でさらにガラス転移温度が室温以下のようなシート状又はペースト状であれば、加温・溶融してギヤポンプ・スクリューフィーダー等で投入することができる。又は、合成樹脂の製造取出し工程に直接二軸押出機を繋げることにより、高温溶融した状態で、そのまま二軸押出機へ投入してもよい。いずれにしても、投入した合成樹脂の持ち込み水分による合成樹脂(特にポリエステル樹脂の場合)の加水分解をできるだけ防ぐ為に、好ましくは窒素雰囲気下で投入すべきである。より好ましくは、水及び必要により有機溶剤と混練されて合成樹脂が冷やされる前の溶融段階では、合成樹脂から窒素と共に混入水分を減圧下でできる限り抜いておいた方がよい。その工程は二軸押出機内でシリンダーからの脱気として行ってもよいし、あらかじめ原料となる合成樹脂を長時間窒素雰囲気下で処理してもよい。
【0024】
二軸押出機への水及び必要により有機溶剤を投入する方法は例えば、液体フィード用のタンクから、液体注入用ポンプ及び注入弁、逆止弁を通してシリンダー内へ投入する方法が挙げられる。また、水及び必要により有機溶剤を投入する順序として、合成樹脂溶融後に少量の有機溶剤を投入して樹脂を溶解した後、押出機出口により近いシリンダーで水を添加する方法が挙げられる。
【0025】
また、水及び必要により有機溶剤を投入する前段階として、合成樹脂を溶融する為の温度調整とスクリュー回転数は、加水分解等のポリエステル樹脂の劣化を最小限に抑える為に両者ともできるだけ低いことが望ましいが、使用する合成樹脂の溶融粘度特性を考慮して最適な設定値が決定される。特にシリンダーの温度調整はポリエステルの分解を避けるため、270℃以下とすべきである。
【0026】
本発明で使用する二軸押出機は、同方向回転型・異方向回転型のいずれでも構わないが、好ましくは混練能力の高い同方向型である。例えば東芝機械製・同方向回転二軸押出機「TEMシリーズ」や株式会社日本製鋼所製「TEXシリーズ」等が挙げられる。スクリューエレメントの形状と組合せは特に限定されないが、混練能力をできるだけ高く、滞留時間を長くとれるように、二軸押出機のL/D(全てのバレル長さの合計の長さを、シリンダー内筒の内径で除したもの)と必要とする生産能力に合わせて、最適なエレメントの組合せが選ばれる。
【0027】
以下、実施例により本発明を具体的に例示する。実施例において単に部とあるものは重量部を示す。
【0028】
各評価・測定項目は以下の方法に従った。
【0029】
(1)分子量
固形合成樹脂サンプルを合成樹脂の溶剤(ポリエステル系樹脂の場合はテトラヒドロフラン)に3g/lの濃度で溶解し、30℃でのGPC測定により、ポリスチレン換算で数平均分子量を求めた。水系分散体の場合は、ポリプロピレンフィルムに水系分散体を塗布し、120℃で1時間乾燥により固形サンプルを得た後、GPCを測定した。
【0030】
(2)酸 価
試料0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解した。ついで、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定して求めた。指示薬にはフェノールフタレインを用いた。
【0031】
(3)ガラス転移点温度及び融点
示差走査熱量計(DSC)を用いて、20℃/分の昇温速度で測定した。サンプルは試料5mgをアルミニウム押え蓋型容器に入れ、クランプして用いた。
【0032】
(4)合成樹脂の組成分析
NMR(核磁気共鳴法)などにより分析した。
【0033】
(5)分散安定性
水系分散体を常温で1ケ月貯蔵後、目視判定した。
【0034】
(6)分散粒子径の測定
水系分散体を低濃度に希釈し、光子相関分光法により分散粒子径を(株)日科機製COULTERmodelN4型にて測定した。
【0035】
(7)ポリエステル樹脂の合成例
ポリエステル樹脂(A)の合成
撹拌機、温度計およびヴィグリュー分留管を具備した4つ口フラスコにジメチルテレフタレート255部、ジメチルイソフタレート245部、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム15部、ビスフェノールAエチレンオキサイド誘導体(三洋化成工業(株)製「BPE−20」)547部、ジエチレングリコール432部および触媒としてテトラブチルチタネート0.3部を仕込み、180〜230℃で生成するメタノールを系外に留去しながら、5時間エステル交換反応を実施した。ついで反応系を徐々に0.3mmHgまで減圧し、255℃で重縮合反応を30分間行った。ついで、常圧、窒素雰囲気下で200℃まで冷却し、無水トリメリット酸10部を添加し、徐々に230℃まで加熱しトリメリット酸を付加させて、ポリエステル樹脂(A)を得た。得られたポリエステル樹脂はNMRなどの分析の結果、テレフタル酸/イソフタル酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸//ビスフェノールAエチレンオキサイド誘導体/ジエチレングリコール//トリメリット酸(後付加)=50/48/2//65/35//2(モル比)であり、数平均分子量17,000、酸価98当量/トン、ガラス転移点温度58℃の淡黄色透明の樹脂であった。
【0036】
ポリエステル樹脂(B)の合成
撹拌機、温度計およびヴィグリュー分留管を具備した4つ口フラスコにジメチルテレフタレート285部および、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム30部、エチレングリコール150部、1,4−ブタンジオール300部、分子量1000のポリテトラメチレングリコール80部、触媒としてテトラブチルチタネート0.3部を仕込み、180〜230℃で生成するメタノールを系外に留去しながら、5時間エステル交換反応を実施した。ついで、170℃まで降温した後、アジピン酸155部を仕込み、180〜230℃で生成する水を系外に留去しながら、1時間エステル化反応を実施した。計算量のメタノールと水の留去を確認した後、反応系を徐々に0.3mmHgまで減圧し、250℃で重縮合反応を45分間行って、ポリエステル樹脂(B)を得た。得られたポリエステル樹脂はNMRなどの分析の結果、テレフタル酸/アジピン酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸//エチレングリコール/1,4−ブタンジオール/ポリテトラメチレングリコール=56/40/4//20/77/3(モル比)であり、数平均分子量23,000、酸価15当量/トン、ガラス転移温度−30℃、融点110℃の白色不透明の樹脂であった。
【0037】
(8)ポリエステル樹脂の水分散例
<実施例1>
あらかじめ24時間窒素気流下で処理したペレット状のポリエステル樹脂(A)を毎時30部で、二軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM−35BS」(総バレル数15個))へ、重量式コイルフィーダー経由で投入し、スクリュー回転数150rpm、シリンダー温度230℃で溶融状態とした。最初の仕込み口から5番目のシリンダーに取り付けた溶剤注入ラインから、n−ブチルセロソルブを毎時9部、プランジャー式定量ポンプにより投入し、ポリエステル樹脂Aと混練させた。さらに、最初の仕込み口から10番目のシリンダーに取り付けた溶剤注入ラインから、イオン交換水毎時49部、28%アンモニア水を毎時0.18部を投入して、押出機のノズルから連続的に水系分散体を吐出させた。n−ブチルセロソルブとの混練直後のシリンダー温度の調整を140℃とした時、溶解品の温度は130℃であった。また、イオン交換水の混練直前のシリンダー温度の調整を85℃とした時、分散品の温度は80℃であった。得られた水系分散体は常温において安定であり、透明感のある良好なものであった。分散されたポリエステル樹脂の数平均分子量、分散粒子径及び分散安定性について表1に示した。
【0038】
<実施例2>
実施例1において、樹脂溶融時のシリンダー温度の設定を280℃にする以外は、実施例1と同様に水系分散体を得た。この水系分散体の評価結果を表1に示した。
【0039】
<実施例3>
実施例1において、スクリュー回転数300rpmにする以外は、実施例1と同様に水系分散体を得た。この水系分散体の評価結果を表1に示した。
【0040】
<実施例4>
あらかじめ24時間窒素気流下で処理したペレット状のポリエステル樹脂(B)を毎時27部で、二軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM−35BS」(総バレル数15個))へ、重量式コイルフィーダー経由で投入し、スクリュー回転数150rpm、シリンダー温度230℃で溶融状態とした。最初の仕込み口から5番目のシリンダーに取り付けた溶剤注入ラインから、n−ブチルセロソルブを毎時9部、プランジャー式定量ポンプにより投入し、ポリエステル樹脂Bと混練させた。さらに、最初の仕込み口から10番目のシリンダーに取り付けた溶剤注入ラインから、イオン交換水毎時54部を投入して、押出機のノズルから、水系分散体を連続的に吐出させた。n−ブチルセロソルブとの混練直後のシリンダー温度の調整を120℃とした時、溶解品の温度は125℃であった。また、イオン交換水の混練直前のシリンダー温度の調整を80℃とした時、分散品の温度は75℃であった。得られた水系分散体は常温において安定であり、透明感のある良好なものであった。この水系分散体の評価結果を表1に示した。
【0041】
<比較水分散例1>
あらかじめ24時間窒素気流下で処理したペレット状のポリエステル樹脂(A)30部を、撹拌機および温度計、コンデンサーを具備した4つ口フラスコに仕込み、これにn−ブチルセロソルブ9部を加えて樹脂溶液の製造を試みたが、完全な溶液とするのに140℃で、撹拌と停止を繰り返しながら4時間の時間が必要であった。続いて、イオン交換水49部と28%アンモニア水を0.18部を加え、80℃で30分間撹拌して、水系分散体を得た。得られた水系分散体中のポリエステル樹脂の数平均分子量は14,200で、分散粒子径は83.0nmであった。
【0042】
<比較水分散例2>
比較水分散例1において、ポリエステル樹脂(A)をポリエステル樹脂(B)に変える以外は比較水分散例1と同様にして、水系分散体を得た。得られた水系分散体中のポリエステル樹脂の数平均分子量は、19,100で、分散粒子径は95.0nmであった。
【0043】
二軸押出機による連続運転中の安定な製造を確認する為に、連続運転開始から0.5時間、2時間、5時間経過後に、各時点で生成した水系分散体のサンプリングを実施した。その評価結果を表1に示した。
【0044】
【表1】

Figure 0003685279
【0045】
【発明の効果】
本発明はイオン性あるいはイオン性基に変化可能な官能基を有する合成樹脂と水および必要により有機溶剤よりなる水系分散体の製造において、二軸押出機を使用することにより、合成樹脂が溶融する程の高温の条件下にありながら、その混練・分散時間が非常に短い為、加水分解等の影響を最も受け易いポリエステル樹脂でさえ、劣化を抑制することができ、かつ製造設備に高負荷がかからず、水分散化に要する時間が短く、低コストで種々の合成樹脂の水系分散体を連続法により提供することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing an aqueous dispersion containing a synthetic resin such as a polyester resin, a polyamide resin, a polyolefin resin, or a vinyl resin as an active ingredient. More specifically, in the production of synthetic resin aqueous dispersions that have excellent processability and adhesion properties and water resistance, the production equipment does not take a heavy load, and production time is significantly shorter than before, The present invention also relates to a manufacturing method that can be manufactured at low cost.
[0002]
[Prior art]
Many synthetic resins, including polyester resins, are made into aqueous dispersions in applications such as paints, inks, coatings, and adhesives by utilizing their excellent coating processability and adhesion to various substrates. May be widely used. However, in order to disperse in water, special equipment is required, complicated manufacturing processes are required, or the resin must be changed so that it can be easily dispersed. It is currently used in a form dissolved in a solvent.
[0003]
For example, in the case of a polyester resin, as an aqueous method by graft modification of a low molecular weight polyester, as in US Pat. No. 3,634,351, Japanese Patent Publication No. 57-57065, and US Pat. No. 4,517,322, Although many techniques are already known, since they are low molecular weight polyesters, the excellent processability and adhesion properties originally required for polyesters are deteriorated. Also, methods for making high molecular weight unsaturated copolyester water-based can be found in JP-A-59-223374, JP-A-62-225510, JP-B-61-57874, and JP-A-3-294322. In actual industrial production, productivity is low due to reactivity problems such as gelation and reaction condition limitations.
[0004]
On the other hand, as a method for dispersing or making a high molecular weight copolymer polyester resin in water, a method in which a hydrophilic raw material is copolymerized with the copolymer polyester resin is known. For example, a raw material containing a sulfonic acid metal base, a polyalkylene glycol, an aliphatic dicarboxylic acid, or the like is used alone or in combination. A dispersion can be obtained by dispersing these polyester resins all together in a solvent containing water, or by dissolving the polyester resin in an organic solvent in advance and adding water in a subsequent step.
[0005]
However, the method of dispersing such a polyester resin in a lump with a solvent containing water leads to an increase in cost because it takes a long time to dissolve. Therefore, if a reduction in time is desired, more organic solvent is required, which is insufficient for the purpose of reducing or eliminating the original organic solvent. In addition, the method of obtaining a dispersion by adding water to a polyester resin-dissolved product has a long time for dissolution, and when a large amount of resin is dissolved in a small amount of organic solvent, it is like a dissolution tank having a stirrer. There was a demerit that an unusually high load was applied to the manufacturing equipment.
[0006]
As described above, in the conventional technology, a synthetic resin such as a high molecular weight copolyester resin having characteristics such as processability, adhesion, and water resistance is dispersed in water or made into an aqueous dispersion to form a stable aqueous dispersion. However, the production conditions in which unusually high loads are applied to the production equipment and the problem of cost increase due to long-time dissolution have not been solved.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention produces an aqueous dispersion of a synthetic resin that has the characteristics that do not impair the original properties of the synthetic resin, such as excellent processability, adhesion, and water resistance, while solving the above-mentioned problems. The purpose is to do.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In view of the above-mentioned problems, the present inventors have dispersed a synthetic resin having excellent processability, adhesiveness, water resistance, and the like in water, or made it water-soluble to produce a stable aqueous dispersion or aqueous solution. As a result of intensive investigations into a production method that does not impose high loads on production equipment and has a short production time in production, synthetic resin having functional groups that can be changed to ionic or ionic groups, water, and, if necessary, organic solvents Was found to be able to achieve the intended purpose by dispersing the synthetic resin in an aqueous medium.
[0009]
According to the present invention, a synthetic resin having an ionic group or a functional group that can be changed to an ionic group is continuously charged into a twin-screw extruder, and heated and melted in a cylinder while water and as required. Add and knead the organic solvent. This makes it possible to produce a low-cost aqueous dispersion with a short production time without imposing any high load on the production equipment.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The synthetic resin used in the present invention has an ionic or functional group that can be changed to an ionic group, and has properties such as workability, adhesiveness, adhesion, and water resistance when it is made into a coating film or film. a synthetic resin which exhibits, polyester-based resins.
[0011]
In the present invention, the ionic group or the functional group that can be changed to an ionic group is a hydrophilic group such as a sulfonic acid, phosphoric acid, phosphonic acid, carboxylic acid or a salt thereof, an amino group, an amide group, a hydroxyl group, and a sulfobetaine group. It is a polar group.
Of these, sulfonate groups and carboxylate groups are preferred because they are easy to introduce and have excellent stability.
The salt is preferably a metal salt, and examples thereof include alkali metals such as Na and K, and alkaline earth metals such as Ca and Mg.
[0012]
Hereinafter, as an example of the synthetic resin used in the present invention, a case of a polyester resin that is most susceptible to hydrolysis and the like and is most difficult to produce will be described, but the present invention is not limited thereto.
In the polyester resin, preferably, 50 mol% or more of the total acid component is aromatic dicarboxylic acid, and the number average molecular weight is 5000 or more and 100,000 or less. Thereby, the low-cost manufacturing method of the water dispersion which has the characteristics, such as the outstanding workability required for high molecular weight polyester, adhesiveness, and water resistance, can be provided.
[0013]
Among the acid components, the polyester resin used in the present invention includes aromatic dicarboxylic acids such as terephthalic acid, isophthalic acid, orthophthalic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, diphenyl-p, p′-dicarboxylic acid, diphenyl- m, m′-dicarboxylic acid, diphenylmethane-p, p′-dicarboxylic acid, 2,2′-bis (4-carboxyphenyl) propane, indene dicarboxylic acid, and the like, and one or more of these are combined. Used. These aromatic dicarboxylic acids can be arbitrarily selected from the physical properties and economics of the coating, but terephthalic acid and isophthalic acid are used in combination from the viewpoint of coating physical properties, mechanical properties, and water dispersibility. It is preferable.
Trifunctional or higher carboxylic acids can also be used to increase the toughness of the coating film. For example, trimellitic acid or pyromellitic acid may be used at a concentration of 10 mol% or less.
[0014]
The polyester resin used in the present invention is preferably an aliphatic dicarboxylic acid such as succinic acid, glutaric acid, adipic acid, azelaic acid, sebacic acid, dodecanedioic acid, and dimer acid, preferably in the range of less than 50 mol% of the acid component. Alternatively, alicyclic dicarboxylic acids such as cyclohexanedicarboxylic acid, tetrahydrophthalic acid, and hexahydroisophthalic acid can be used. In particular, as the aliphatic dicarboxylic acid used in combination with the aromatic dicarboxylic acid, adipic acid and sebacic acid are preferable from the viewpoints of adhesion to the substrate, economy, and physical properties of the coating film. However, caution is required because the presence of an aliphatic dicarboxylic acid or alicyclic dicarboxylic acid decreases the storage stability of the aqueous dispersion.
[0015]
The polyol component of the polyester resin used in the present invention includes ethylene glycol, propylene glycol, 1,3-propanediol, 1,4-butanediol, 3-methyl-1,5-pentanediol, 2-ethyl-2- Butylpropanediol, neopentyl glycol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, dimethylolheptane, dimethylolpentane, diethylene glycol, triethylene glycol, cyclohexanedimethanol, TCD glycol, polyethylene glycol, polypropylene glycol, poly Tetramethylene glycol, ethylene oxide or propylene oxide derivatives of bisphenol A, ethylene oxide or propylene oxide derivatives of bisphenol S, bisphenol Ethylene oxide or propylene oxide derivatives of Nord F can be mentioned.
Further, trifunctional or higher functional polyols such as glycerin, trimethylolpropane and pentaerythritol may be used in the range of 10 mol% or less.
[0016]
Furthermore, in the polyester resin used in the present invention, it is preferable that the functional group that can be changed into an ionic group or an ionic group is at least one of a sulfonate, a carboxylic acid, or a salt thereof, thereby achieving high water dispersion stability. Sex is obtained. Particularly preferred are 0.01 to 0.5 meq / g sulfonate and / or 0.03 to 0.8 meq / g carboxylic acid or salt thereof. The above hydrophilic functional groups are necessary for the purpose of stably maintaining an aqueous dispersion produced from the polyester resin. However, introduction of excessive hydrophilic functional groups is not preferable because of adverse effects on water resistance. Further, when the concentration is lower than the above range, good dispersibility in water cannot be obtained.
[0017]
In introducing the sulfonate into the polyester resin of the present invention, a dicarboxylic acid or glycol containing a sulfonic acid metal salt can be used. Examples of the dicarboxylic acid containing a sulfonic acid metal salt include metal salts such as sulfoterephthalic acid, 5-sulfoisophthalic acid, 4-sulfonaphthalene-2,7-dicarboxylic acid, and 5 [4-sulfophenoxy] isophthalic acid. it can. Examples of the glycol containing a sulfonic acid metal base include metal salts such as 2-sulfo-1,4-butanediol and 2,5-dimethyl-3-sulfo-2,5-hexanediol. Examples of the metal salt include salts of Li, Na, K, Mg, Ca, Cu, Fe and the like. Of these, 5-sodium sulfoisophthalic acid is particularly preferable.
[0018]
In introducing the carboxylate into the polyester resin of the present invention, a polyfunctional carboxylic acid can be used. Examples of the polyfunctional carboxylic acid include trimellitic anhydride, pyromellitic dianhydride, acid anhydrides such as butanetetracarboxylic acid, and polyvalent carboxylic acids. The above acid anhydride or polyvalent carboxylic acid is subjected to an addition reaction at 200 to 230 ° C. under normal pressure after completion of polyester polymerization to obtain a polyester having a predetermined amount of carboxylic acid. By neutralizing these carboxylic acids with water in which a neutralizing agent is dissolved and, if necessary, an organic solvent, in a twin screw extruder or a container having a stirring facility after the extruder, a carboxylate is added to the polyester resin. Can be introduced. Without neutralization, the carboxyl group does not dissociate and does not contribute to good water dispersibility production. As the base for neutralization, aqueous ammonia, methylethanolamine, dimethylethanolamine, diethylethanolamine, N-methyl-diethanolamine, bis-hydroxypropyl-methylamine, tri-n-butylamine, triethylamine, bis-2-hydroxypropyl Amine, N-methyl-ethanolamine, aminomethylpropanol, 3-amino-1-propanolamine, isopropanolamine, 2-amino-2-hydroxymethyl-1,3-propanediol, aminomethyl-propanediol, cyclohexylamine, Examples thereof include amines such as t-butylamine, salts of weak acids and strong bases such as sodium carbonate and potassium carbonate, and hydroxides of alkali metals such as sodium hydroxide and potassium hydroxide. Of these bases for neutralization, amines such as ammonia water, triethylamine, and dimethylethanolamine that are not volatilized and remain when the coating film is dried are more preferable from the viewpoint of water resistance.
[0019]
In order to further improve the water dispersion stability, it is possible to introduce an ether group into the polyester resin of the present invention. In introducing the ether group, a glycol having an ether group in the main chain can be used. Specific examples include diethylene glycol, triethylene glycol, polyethylene glycol, polypropylene glycol, polytetramethylene glycol and the like.
[0020]
The water used in the present invention is ion-exchanged water, distilled water, tap water or the like, and is not particularly limited, but ion-exchanged water / distilled water is preferable from the viewpoint of stable production of the aqueous dispersion.
[0021]
The organic solvent used in the present invention is not particularly limited as long as it dissolves the synthetic resin. Toluene, MEK, cyclohexanone, Solvesso 100, Solvesso 150, MIBK, n-butyl cellosolve, t-butyl cellosolve, THF, n-propanol, isopropanol, particularly It is not limited. Among them, n-butyl cellosolve and t-butyl cellosolve are preferable from the viewpoint of coating film characteristics and stability as an aqueous dispersion.
[0022]
The method of using the twin-screw extruder according to the present invention is not limited as long as the synthetic resin is put into the twin-screw extruder and water and an organic solvent are put in if necessary while heating and melting in the cylinder. I do not receive it.
[0023]
As a method for charging the synthetic resin into the twin-screw extruder, for example, if the synthetic resin is in the form of pellets or flakes, a weight-type or volume-type screw feeder, coil feeder, circle feeder, or the like can be used. If the synthetic resin is amorphous and is a sheet or paste having a glass transition temperature of room temperature or lower, it can be heated and melted and fed with a gear pump, screw feeder or the like. Alternatively, the twin screw extruder may be directly connected to the synthetic resin production and removal step, and the melt may be poured into the twin screw extruder as it is at a high temperature. In any case, in order to prevent hydrolysis of the synthetic resin (especially in the case of a polyester resin) due to moisture brought into the synthetic resin, it should preferably be introduced in a nitrogen atmosphere. More preferably, in a melting stage before the synthetic resin is cooled by being kneaded with water and, if necessary, an organic solvent, it is better to remove mixed water from the synthetic resin together with nitrogen as much as possible under reduced pressure. The process may be performed as degassing from the cylinder in a twin-screw extruder, or a synthetic resin as a raw material may be previously treated in a nitrogen atmosphere for a long time.
[0024]
Examples of a method of adding water and, if necessary, an organic solvent to the twin-screw extruder include a method of supplying from a liquid feed tank into a cylinder through a liquid injection pump, an injection valve, and a check valve. Further, as an order of adding water and, if necessary, an organic solvent, there is a method of adding a small amount of an organic solvent after melting the synthetic resin to dissolve the resin, and then adding water with a cylinder closer to the exit of the extruder.
[0025]
Also, as a step before adding water and, if necessary, an organic solvent, the temperature adjustment and screw rotation speed for melting the synthetic resin should be as low as possible in order to minimize degradation of the polyester resin such as hydrolysis. However, the optimum set value is determined in consideration of the melt viscosity characteristics of the synthetic resin to be used. In particular, the cylinder temperature should be 270 ° C. or lower in order to avoid decomposition of the polyester.
[0026]
The twin-screw extruder used in the present invention may be either the same direction rotating type or the different direction rotating type, but is preferably the same direction type having a high kneading ability. For example, a Toshiba Machine-made co-rotating twin screw extruder “TEM series” and “TEX series” manufactured by Nippon Steel Co., Ltd. can be used. The shape and combination of the screw elements are not particularly limited, but the L / D of the twin screw extruder (the total length of all the barrel lengths is set to the cylinder inner cylinder so that the kneading capacity is as high as possible and the residence time is increased. The optimum element combination is selected according to the required production capacity.
[0027]
Hereinafter, the present invention will be specifically illustrated by examples. In the examples, “parts” means “parts by weight”.
[0028]
Each evaluation / measurement item followed the following method.
[0029]
(1) Molecular weight A solid synthetic resin sample was dissolved in a synthetic resin solvent (tetrahydrofuran in the case of a polyester resin) at a concentration of 3 g / l, and the number average molecular weight was calculated in terms of polystyrene by GPC measurement at 30 ° C. In the case of an aqueous dispersion, the aqueous dispersion was applied to a polypropylene film, and a solid sample was obtained by drying at 120 ° C. for 1 hour, and then GPC was measured.
[0030]
(2) Acid value 0.2 g of a sample was precisely weighed and dissolved in 20 ml of chloroform. Subsequently, it titrated with 0.01N potassium hydroxide (ethanol solution). Phenolphthalein was used as an indicator.
[0031]
(3) Using a glass transition temperature and a melting point differential scanning calorimeter (DSC), the temperature was measured at a rate of temperature increase of 20 ° C./min. As a sample, 5 mg of a sample was placed in an aluminum press-lid container and clamped.
[0032]
(4) Composition analysis of synthetic resin The composition was analyzed by NMR (nuclear magnetic resonance method) or the like.
[0033]
(5) Dispersion stability The aqueous dispersion was visually determined after storage at room temperature for 1 month.
[0034]
(6) Measurement of dispersed particle size The aqueous dispersion was diluted to a low concentration, and the dispersed particle size was measured with a COULTER model N4 type manufactured by Nikkaki Co., Ltd. by photon correlation spectroscopy.
[0035]
(7) Synthesis Example of Polyester Resin Synthesis of Polyester Resin (A) A four-necked flask equipped with a stirrer, a thermometer and a Vigreux fractionation tube was added with 255 parts of dimethyl terephthalate, 245 parts of dimethyl isophthalate, and 3,5-dicarbo. 15 parts of sodium methoxybenzenesulfonate, 547 parts of bisphenol A ethylene oxide derivative (“BPE-20” manufactured by Sanyo Chemical Industries Co., Ltd.), 432 parts of diethylene glycol and 0.3 part of tetrabutyl titanate as a catalyst were charged at 180 to 230 ° C. A transesterification reaction was carried out for 5 hours while distilling off the methanol produced in the above. Subsequently, the pressure of the reaction system was gradually reduced to 0.3 mmHg, and a polycondensation reaction was performed at 255 ° C. for 30 minutes. Subsequently, it cooled to 200 degreeC under normal pressure and nitrogen atmosphere, 10 parts trimellitic anhydride was added, and it heated gradually to 230 degreeC, and added the trimellitic acid, and polyester resin (A) was obtained. As a result of analysis such as NMR, the obtained polyester resin was terephthalic acid / isophthalic acid / 5-sodium sulfoisophthalic acid // bisphenol A ethylene oxide derivative / diethylene glycol // trimellitic acid (post-addition) = 50/48/2 / / 65/35 // 2 (molar ratio), a pale yellow transparent resin having a number average molecular weight of 17,000, an acid value of 98 equivalents / ton, and a glass transition temperature of 58 ° C.
[0036]
Synthesis of polyester resin (B) A four-necked flask equipped with a stirrer, thermometer and Vigreux fractionation tube, 285 parts of dimethyl terephthalate, 30 parts of sodium 3,5-dicarbomethoxybenzenesulfonate, 150 parts of ethylene glycol, While charging 300 parts of 1,4-butanediol, 80 parts of polytetramethylene glycol having a molecular weight of 1000, and 0.3 parts of tetrabutyl titanate as a catalyst, the methanol produced at 180 to 230 ° C. was distilled out of the system for 5 hours. A transesterification reaction was carried out. Next, after the temperature was lowered to 170 ° C., 155 parts of adipic acid was charged, and the esterification reaction was carried out for 1 hour while distilling out the water produced at 180 to 230 ° C. out of the system. After confirming the distillation of the calculated amounts of methanol and water, the pressure of the reaction system was gradually reduced to 0.3 mmHg, and a polycondensation reaction was performed at 250 ° C. for 45 minutes to obtain a polyester resin (B). As a result of analysis such as NMR, the obtained polyester resin was terephthalic acid / adipic acid / 5-sodium sulfoisophthalic acid // ethylene glycol / 1,4-butanediol / polytetramethylene glycol = 56/40/4 // 20. This was a white opaque resin having a number average molecular weight of 23,000, an acid value of 15 equivalents / ton, a glass transition temperature of −30 ° C., and a melting point of 110 ° C.
[0037]
(8) Example of water dispersion of polyester resin <Example 1>
Pelletized polyester resin (A) previously treated for 24 hours under a nitrogen stream at 30 parts per hour to a twin-screw extruder (“TEM-35BS” manufactured by Toshiba Machine Co., Ltd. (total number of barrels: 15)) It was charged through a coil feeder and brought into a molten state at a screw rotation speed of 150 rpm and a cylinder temperature of 230 ° C. From a solvent injection line attached to the fifth cylinder from the first charging port, 9 parts per hour of n-butyl cellosolve was charged by a plunger metering pump and kneaded with polyester resin A. Furthermore, from the solvent injection line attached to the 10th cylinder from the first charging port, 49 parts per hour of ion-exchanged water and 0.18 part of 28% ammonia water per hour were introduced, and the water system was continuously fed from the nozzle of the extruder. The dispersion was discharged. When adjustment of the cylinder temperature immediately after kneading with n-butyl cellosolve was 140 ° C., the temperature of the dissolved product was 130 ° C. Further, the temperature of the dispersion was 80 ° C. when the adjustment of the cylinder temperature immediately before the kneading of the ion exchange water was 85 ° C. The obtained aqueous dispersion was stable at room temperature and was good with transparency. Table 1 shows the number average molecular weight, dispersed particle size and dispersion stability of the dispersed polyester resin.
[0038]
<Example 2>
In Example 1, an aqueous dispersion was obtained in the same manner as in Example 1 except that the setting of the cylinder temperature during resin melting was 280 ° C. The evaluation results of this aqueous dispersion are shown in Table 1.
[0039]
<Example 3>
In Example 1, an aqueous dispersion was obtained in the same manner as in Example 1 except that the screw rotation speed was 300 rpm. The evaluation results of this aqueous dispersion are shown in Table 1.
[0040]
<Example 4>
A pellet type polyester resin (B) treated in a nitrogen stream for 24 hours in advance at 27 parts per hour to a twin-screw extruder (“TEM-35BS” manufactured by Toshiba Machine Co., Ltd. (total number of barrels: 15)) It was charged through a coil feeder and brought into a molten state at a screw rotation speed of 150 rpm and a cylinder temperature of 230 ° C. From a solvent injection line attached to the fifth cylinder from the first charging port, 9 parts per hour of n-butyl cellosolve was charged with a plunger-type metering pump, and kneaded with polyester resin B. Further, 54 parts per hour of ion-exchanged water was introduced from a solvent injection line attached to the 10th cylinder from the first charging port, and the aqueous dispersion was continuously discharged from the nozzle of the extruder. When adjustment of the cylinder temperature immediately after kneading with n-butyl cellosolve was 120 ° C., the temperature of the dissolved product was 125 ° C. Further, when the adjustment of the cylinder temperature immediately before the kneading of the ion exchange water was 80 ° C., the temperature of the dispersed product was 75 ° C. The obtained aqueous dispersion was stable at room temperature and was good with transparency. The evaluation results of this aqueous dispersion are shown in Table 1.
[0041]
<Comparative water dispersion example 1>
30 parts of a pelletized polyester resin (A) previously treated in a nitrogen stream for 24 hours was charged into a four-necked flask equipped with a stirrer, thermometer and condenser, and 9 parts of n-butyl cellosolve was added to the resin solution. However, it took 4 hours to complete the solution at 140 ° C. with repeated stirring and stopping. Subsequently, 49 parts of ion-exchanged water and 0.18 part of 28% ammonia water were added and stirred at 80 ° C. for 30 minutes to obtain an aqueous dispersion. The number average molecular weight of the polyester resin in the obtained aqueous dispersion was 14,200, and the dispersed particle size was 83.0 nm.
[0042]
<Comparison water dispersion example 2>
In Comparative Water Dispersion Example 1, an aqueous dispersion was obtained in the same manner as Comparative Water Dispersion Example 1 except that the polyester resin (A) was changed to the polyester resin (B). The number average molecular weight of the polyester resin in the obtained aqueous dispersion was 19,100, and the dispersed particle size was 95.0 nm.
[0043]
In order to confirm the stable production during the continuous operation by the twin screw extruder, the aqueous dispersion produced at each time point was sampled after 0.5 hours, 2 hours and 5 hours from the start of the continuous operation. The evaluation results are shown in Table 1.
[0044]
[Table 1]
Figure 0003685279
[0045]
【The invention's effect】
The present invention melts a synthetic resin by using a twin-screw extruder in the production of an aqueous dispersion composed of a synthetic resin having a functional group that can be changed to an ionic or ionic group, water, and, if necessary, an organic solvent. Even under high-temperature conditions, the kneading and dispersing time is very short, so even polyester resins that are most susceptible to hydrolysis and the like can suppress degradation and have a heavy load on production equipment. However, the time required for water dispersion is short, and various synthetic resin aqueous dispersions can be provided by a continuous method at low cost.

Claims (2)

イオン性あるいはイオン性基に変化可能な官能基を有する合成樹脂と水および必要により有機溶剤とを二軸押出機に投入することにより前記合成樹脂を水系媒体中に分散せしめる合成樹脂の水系分散体の製造方法において、該合成樹脂がポリエステル系樹脂であることを特徴とする水系分散体の製造方法。An aqueous dispersion of a synthetic resin in which a synthetic resin having an ionic or functional group capable of changing to an ionic group, water and, if necessary, an organic solvent are introduced into a biaxial extruder to disperse the synthetic resin in an aqueous medium in the method of manufacturing, method of manufacturing an aqueous dispersion in which the synthetic resin is characterized in that the polyester resins. イオン性あるいはイオン性基に変化可能な官能基が、スルホン酸、カルボン酸又はその塩の内の少なくとも一つである請求項1記載の水系分散体の製造方法。  The method for producing an aqueous dispersion according to claim 1, wherein the functional group that can be changed into an ionic group or an ionic group is at least one of a sulfonic acid, a carboxylic acid, or a salt thereof.
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