JP3684003B2 - Optical scanner - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源からの光を反射し、その反射光を一次元または二次元に走査する小型の光スキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】
また、小型の光スキャナの一例として、シリコン基板(半導体基板)とねじりバネとを用い、電磁力によって反射鏡を揺動させて光を走査する光偏向子を用いるようにしたものが知られている。
【0003】
このような光スキャナは、例えば、文献“TECHNICAL DIGESTOF THE SENSOR SYMPOSIUM,1995.pp17−20“に開示されている。
【0004】
図9は、この文献に開示された光スキャナの構成を示す図である。この光スキャナは、光偏向子としてシリコンからなる半導体基板31に反射鏡34と、ねじりバネ33と、これらを支持する固定枠50とを一体に形成している。
【0005】
前記反射鏡34の周縁部には平面コイル35が敷設されており、この平面コイル35は前記ねじりバネ33上を伝わって前記固定枠50上に形成された電極36に電気的に接続されている。
【0006】
また、円形の永久磁石38はスペーサ絶縁基板40を介してその磁化方向が前記反射鏡34に平行でかつ、前記ねじりバネ33の軸方向と約45度をなす方向になる場所に配置されている。
【0007】
交流電流が印加される前記平面コイル35には前記永久磁石38が発生する磁界との相互作用によってローレンツ力が生じる。このローレンツ力によって、前記反射鏡34は前記ねじりバネ33のねじり方向に揺動する。
【0008】
前記ねじりバネ33の弾性特性と前記反射鏡34の質量および重心によって規定される共振周波数と同じ周波数を有する電流を前記平面コイル35に印加すると、その電流値における最大の振幅を得ることができる。
【0009】
また、ここでは反射鏡34を真空封止することによってダンピング係数を小さくしている。なお、図9において、参照符号39はガス吸着剤であり、41は前カバー絶縁基板であり、42は裏面絶縁基板である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した図9に示した従来技術には大きな偏向角を持って振動する光スキャナの配線などの電気要素の耐久性や大気からの保護という観点については記載されていない。
【0011】
そこで、本発明はこのような点に着目し、大きな偏向角を持って振動する光スキャナにおいて、高い耐久性を示す電気要素を有する光スキャナを提供することを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、任意の部材に固定するための支持体と、少なくとも一方の面が光を反射する反射面である可動板と、前記支持体と前記可動板を接続する2本の弾性部材と、前記可動板上に形成された駆動コイルと、前記可動板との間に所定の間隔を有するように前記可動板近傍に配置された永久磁石とからなり、前記駆動コイルに交流電流を印加することで、前記弾性部材をねじりバネとして前記可動板がねじり振動を行う光スキャナにおいて、前記弾性部材は、内部に電気要素を有する絶縁性の有機弾性膜のみからなり、前記可動板上と前記支持体上に達するように形成されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態につき詳細に説明する。
【0014】
<第1の実施の形態>図1乃至図5は、本発明による光スキャナの第1の実施の形態を示す図である。
【0015】
この第1の実施の形態の光スキャナは一次元の光の走査を行うことができるもので、図1はこの光スキャナの斜視図を示し、図2,図3はそれぞれ、図1に示した斜視図のA−A’断面図、B−B’断面図である。また、図4はこの光スキャナに使用される駆動コイルを示し、図5(a)〜(j)は、この光スキャナの製作工程を示す図である。
【0016】
この第1の実施の形態は次のように構成されている。この光スキャナは可動板101と弾性部材102と支持体103と永久磁石104から構成されている。可動板101には、光を反射するための反射面105が形成されており、図1における可動板101の裏面がそれに対応している。可動板101に用いる主材料には振動中に反射面が変形しないことが望まれる。ここでは、可動板101の主材料として高剛性材料である単結晶シリコンを用いている。さらに、この可動板101には、前記単結晶シリコンの他に、窒化シリコン、アルミ、ポリイミド材料が用いられている。
【0017】
窒化シリコンは、光スキャナを作製するときのマスク材料として用いられたものの残留物でシリコンとの絶縁に用いられ、アルミは駆動コイル106の配線と駆動コイルの始点終点にあるコンタクトパッド107として、場合によっては反射面105のミラー材料として用いられる。ポリイミドは、駆動コイル106を上下から挟み込むように形成されており、コイル配線間の絶縁と、コンタクトパッド107も含めて電気要素が大気に触れないようにしている。
【0018】
弾性部材102は、可動板101から延在するポリイミド膜を主材料として、その内部にコンタクトパット107から支持体103に向かう配線108が形成されている。配線108もアルミにより形成されている。支持体103は、光スキャナをダイキャスト等に固定するための接着部として用いられる一方、外部からの電力を配線108を通して駆動コイル106に供給するためのボンディングパッド109が形成されている。
【0019】
この支持体103は、主材料として単結晶シリコンを用いている。単結晶シリコンは剛性が高いため、ダイキャストなどに固定するのに都合がよい。その他に支持体103には、光スキャナを作製するときのマスク材料となる窒化シリコンと、ボンディングパッド109と配線108を形成するアルミと、配線108を上下から挟み込むことによって大気に触れないようにするためのポリイミド膜などが用いられている。このポリイミド膜は可動板101、弾性部材102から延在するポリイミド膜を用いている。また、支持体103の単結晶シリコンと可動板101で用いられる単結晶シリコンは同一の基板から形成されている。
【0020】
図4に示すように、駆動コイル106は配線の線幅と配線間の距離を各辺で変化させている。すなわち、永久磁石104近傍でその幅方向に平行に形成された駆動コイル106の配線は、その他の場所に形成した配線と比べると配線の線幅が短く、配線間の間隔も短く形成している。ただし、駆動コイル106の厚みは均一にしている。
【0021】
永久磁石104の配置位置について、この光スキャナは可動板の一方の側壁近傍に一つの永久磁石を配置することで十分駆動することができるのであるが、可動板の対向する二つの側壁近傍にそれぞれ一つずつ永久磁石を配置し、さらに、可動板101の板厚方向に着磁方向を合わせ、可動板101先端の駆動コイル106に対して上方あるいは下方約45度の延長線上に永久磁石104下部あるいは上部先端が合うような位置に配置することで、より駆動力を増大させるためことができる。
【0022】
次に、この実施の形態の光スキャナの作製方法を説明する。この光スキャナは半導体製造技術によって作製することができる。光スキャナの作製方法を図5に示す。使用する材料は単結晶シリコンの基板と窒化シリコンとポリイミドとアルミの4種類だけである。
【0023】
まず、シリコン基板110は洗浄し、低圧CVD装置を用いて窒化シリコン膜111を成膜する[図5(a)]。シリコン基板110の両面に形成された窒化シリコン膜111は可動板101と支持体103を分離する際のマスク材料として用いる。そのため、裏面の窒化シリコン膜111はフッ素系のドライエッチングによって、シリコンが除去される部分をパターニングしておく[図5(b)]。パターニングされた面と逆の面の窒化シリコン膜111上に第1のポリイミド層112を形成する[図5(c)]。
【0024】
形成方法としては液状のポリイミド溶液を窒化シリコン膜111上に塗布し印刷法あるいはスピンコーティング法によって均一に成膜し、焼結する手法を用いる。第1ポリイミド層112上にスパッタされたアルミをエッチングすることによって、駆動コイル106とコンタクトパッド107そしてボンディングパッド109が形成される[図5(d)]。第2ポリイミド層113は第1ポリイミド層112と同様に液状のポリイミド溶液を第1ポリイミド層112上に塗布し印刷法あるいはスピンコーティング法によって均一に成膜され、焼結される[図5(e)]。
【0025】
この時、コンタクトパッド107及びボンディングパッド109上のポリイミドは除去しておく。第2ポリイミド層113上にスパッタされたアルミをエッチングすることによって、配線108を形成する[図5(f)]。第3ポリイミド層114は弾性部材102の剛性を決定する目的とコンタクトパッドを大気から保護する目的で成膜される。成膜後、ボンディングパッド109上のポリイミドはフォトリソグラフィー技術とドライエッチングにより除去される[図5(g)]。ボンディングパッド109のボンディング特性を改善するためにさらにスパッタされたアルミ121を積層する[図5(h)]。シリコン基板110から可動板101と支持体103を作製するためにアルカリ性溶液を用いて基板の裏面からシリコンの異方性エッチングを行う[図5(i)]。
【0026】
このとき、弾性部材102となる第1ポリイミド層112下には窒化シリコン膜111があり、シリコン基板110が貫通エッチングされた際に第1ポリイミド層112を保護するための保護層になる。シリコンの貫通エッチング後に弾性部材102と可動板101と支持体103の裏面に露出した窒化シリコン膜111はドライエッチングによって除去される[図5(j)]。
【0027】
その後、図5には示されていないが、弾性部材102を形成する部分以外の第1ポリイミド層112を裏面から除去するため、酸素系のドライエッチングも行い、必要に応じて、光を反射する面にアルミをスパッタして反射率の高い反射面を形成すれば光スキャナの完成となる。
【0028】
次に、この実施の形態の作用を説明する。ボンディングパット109から交流電流を印加することにより、可動板101上でその先端を周回する駆動コイル106には永久磁石との相互作用によってローレンツ力が発生する。この力のベクトル方向は永久磁石104と駆動コイル106の位置関係によって決まり、この場合、可動板101の板厚方向に力が発生する。この光スキャナは、支持体103が可動板101を囲むように形成されている。また弾性部材102は可動部101の対向する2辺から支持体103に接続するように形成されている。
【0029】
従って、可動板101はこの2本の弾性部材102の長手方向の中心軸を回転軸としたねじり振動しか行うことができない。ねじり振動は永久磁石104近傍のコイル配線106に生じるローレンツ力と2本の弾性部材102の長手方向の中心軸から永久磁石104近傍のコイル配線までの距離の積によって決まる。また、ローレンツ力は永久磁石104の性能とサイズ、駆動コイル106のターン数と配線長と駆動コイル106に印加する電流量と永久磁石104から駆動コイル106までの距離によって決まる。駆動コイル106が可動板最外周を周回するように形成されるのは、発生力量を少しでも大きくするためである。
【0030】
支持体103をダイキャスト等に固定し、駆動コイル106に電流を印加することによって可動板101は支持体103と弾性部材102の境界部を固定端とした振動を開始する。可動板101と弾性部材102の形状や材質によって一意的に決定される共振周波数と同様の周波数で交流電流を印加することにより、可動板101はその電流値における最大の振幅で振動を開始する。
【0031】
したがって、次のような効果がある。本実施の形態における光スキャナは1次元の光走査を行うことができる。この光スキャナは弾性部材102がねじりバネとして回動するため、曲げ振動を利用した光スキャナと異なり、可動板101上に形成された反射面105の反射点が移動することはなく、光学設計が容易で、光の走査速度の等速性も改善できる。
【0032】
また、弾性部材102に有機膜であるポリイミドを用いたことにより、上述した従来技術に示されているようなシリコンを振動部材に用いた場合と比較して脆性破壊が起きにくく、必要最小限の強度を保ちながら、大きな偏向角を得ることができ、駆動コイル106、配線108およびコンタクトパッド107等の電気要素がポリイミド膜内部に形成されているため、電気要素が湿気によって劣化することがほとんどなく、ポリイミド膜内部に駆動コイル106を設けることで駆動コイル106の配線間の絶縁も安定する。
【0033】
また、本実施の形態で示した駆動コイル106はコイルに電流が印加される際に発生する消費電力及び熱を極力抑えながら、大きな駆動力を得るために考案した形状となっている。
【0034】
ここで、コイルに発生する駆動力と、電流値、消費電力、発生熱量との関係は以下に示す(1)〜(3)式によって求めることができる。コイルの駆動力Fは、
F=ni・B…(1)
で表わされ、nはコイルのターン数、iはコイルに流れる電流量そしてBが永久磁石104に近接して形成された駆動コイル106の配線部上における平均磁束密度を示している。
【0035】
また、コイル部の消費電力Pは、及び、発熱量Jは、
P=i2・R…(2)
J=i2・R・t…(3)
で表すことができる。ここで、iは電流値、Rはコイルの電気抵抗値、tは電流の流れる時間である。
【0036】
この(1)式から、駆動力Fを大きくするためには、電流量i、ターン数n、磁束密度Bの少なくとも一つを大きくすればよいことが分かる。ターン数および磁束密度を大きくするには構造を変更する必要があるが、電流量を大きくすることは実現が容易である。
【0037】
しかし、(2),(3)式から分かるように、コイルに流れる電流値iを大きくすると、電流値iの二乗に比例して、消費電力P、及び、発熱量Jがともに増大することになるので、好ましくない。
【0038】
そこで、駆動コイル106のターン数nを増すか、永久磁石と駆動コイルの距離が短くなるように、駆動コイル106の線幅と配線間隔を短くして平均磁束密度Bを上げることが考えられるが、いずれの場合においても、駆動コイル106の抵抗値Rが大きくなり、消費電力が増大し、また、発熱量が増大することになる。
【0039】
すなわち、駆動力Fと消費電力P、発生熱量Jとはトレードオフの関係にあるのだが、消費電力P、発生熱量Jを極力抑えて、駆動力Fを増大させるために本実施の形態では、図2に示すように駆動力に寄与する配線だけその線幅を短くし、また、配線間の間隔も短くすることで配線全体が永久磁石104の近傍に集中するようにしたものである。ここで、駆動力に寄与しない駆動コイル106の配線間隔を大きくしているのは、駆動コイル106の作製歩留まりを向上させるとともに、駆動コイル106の電気抵抗を低減させるためである。
【0040】
本実施の形態では光スキャナは一体に形成することができ、組立作業がほとんどなく、超小型の光スキャナの生産性を向上することができる。また、半導体製造技術を応用しているため、超小型化された光スキャナの寸法精度が高く、個々の部品または組立上の問題で光スキャナの振動が不安定になるようなことはない。
【0041】
なお、この実施の形態の各構成は、当然、各種の変形、変更が可能である。第1の実施の形態の変形例として、大きな振幅を得るために図6に示すように両端の永久磁石104をヨーク120に接続しても良い。図7と図8はそれぞれ図6におけるA−A’断面とB−B’断面を示している。
【0042】
このとき、両端の永久磁石104は図8に示すように着磁方向を弾性部材102の幅方向に平行な向きにする。ヨークを介することによって両端に配置された永久磁石104は、永久磁石104間の空間に生じる磁束を弾性部材102の幅方向に平行な向きに統一することができる。また、ヨークを用いることで磁気回路的には閉ループ回路となり図1で示した構成のような開ループと比べると磁場の持つエネルギーを効率的に駆動力に変換することができるため、駆動コイルの消費電力を低減することもできる。
【0043】
また、第1の実施の形態では、可動板101は、弾性部材102を軸とした振動運動のため、光を1次元方向のみしか走査していないが、例えば、図9に示した従来技術と同様に、永久磁石を支持体103と別体に設け、弾性部材及び駆動コイルを二重にして設け、内側の弾性部材と外側の弾性部材とを支持体に対して互いに直交するように設けることにより、2次元方向に光を走査することが可能になる。
【0044】
以上、説明したような実施の形態において、本発明には、以下のような発明が含まれている。
【0045】
(1)任意の部材に固定するための支持体と、少なくとも一方の面が光を反射する反射面である可動板と、前記支持体と前記可動板を接続する弾性部材と、少なくとも一辺が可動板上に形成された駆動コイルと、前記可動板との間に所定の間隔を有するように前記可動板近傍に配置された永久磁石とからなり、前記駆動コイルに交流電流を印加することで、前記弾性部材をねじりバネとして前記可動板がねじり振動を行う光スキャナにおいて、前記弾性部材は、内部に電気要素を有し、前記可動板上と前記支持体上に達する絶縁性の弾性膜からなることを特徴とする光スキャナ。
【0046】
(対応する発明の実施の形態)この発明に関する実施の形態は、第1実施の形態が対応する。
【0047】
請求項1における駆動コイルは、第1実施の形態に示すように、交流電流を印加したとき永久磁石との相互作用によって可動板を振動させる力を発生するコイルであり、第1実施の形態では平面コイルを用いている。
【0048】
請求項1における電気要素とは駆動コイル、検出コイル、電気配線、電極パッド等を総称している。
【0049】
(作用、効果)この光スキャナは可動板がねじり振動することができ、構成が簡単で作製が容易な1次元の光スキャナである。板バネ部に絶縁性の弾性膜を用いることによって、振動部材にシリコンを用いた場合と比べて脆性な破壊が起きにくく、必要最小限の強度を保ちながら、大きな偏向角が得られる。また、電気要素が絶縁性の弾性膜内部に形成されているため、電気要素の湿気による劣化がほとんどなく、各電気要素間の絶縁などにも弾性膜を用いることができる。
【0050】
(2)前記永久磁石は、前記可動板の対向する側壁面近傍にそれぞれ配置された少なくとも二つの永久磁石からなることを特徴とする請求項1記載の光スキャナ。
【0051】
(対応する発明の実施の形態)この発明に関する実施の形態は、第1実施の形態が対応する。
【0052】
(作用、効果)可動板の両側壁面近傍にそれぞれ磁石を配置することによって、さらに大きな偏向角を実現することができる。
【0053】
(3)少なくとも二つの前記永久磁石がヨークによって接続されていることを特徴とする請求項2記載の光スキャナ。
【0054】
(対応する発明の実施の形態)この発明に関する実施の形態は、第1の実施の形態の変形例が対応する。
【0055】
(作用、効果)この光スキャナは両側壁面近傍に配置された2つの磁石をヨークによって接続することによって、駆動コイルに発生する駆動力に影響を与える駆動コイル近傍の磁場分布を理想的な状態にすることができ、またヨークを用いない場合と異なり、駆動コイル近傍に磁場が集中するため効率的に駆動力に変換することができる。
【0056】
(4)前記絶縁性の弾性膜は、有機膜からなることを特徴とする請求項1、請求項2および請求項3記載の光スキャナ。
【0057】
(対応する発明の実施の形態)この発明に関する実施の形態は、第1実施の形態が対応する。
【0058】
(作用効果)板バネ部に有機膜を用いることによってシリコンなどを振動部材に用いた場合と比較して脆性な破壊が起きにくく、必要最小限の強度を保ちながら、大きな偏向角が得られる。
【0059】
(5)前記駆動コイルは、前記永久磁石近傍で前記駆動コイルの配線の幅と前記配線間の間隔が最小になるように形成したことを特徴とする請求項1、請求項2および請求項3記載の光スキャナ。
【0060】
(対応する発明の実施の形態)この発明に関する実施の形態は、第1実施の形態が対応する。
【0061】
(作用効果)永久磁石近傍に形成された力の発生に寄与するコイル配線の間隔を狭くし、配線の幅も狭くすることによって永久磁石近傍のコイル配線が永久磁石に近づけることができ、通常のコイルよりも大きな発生力を得ることができる。力の発生に寄与しない部分のコイル配線の幅を十分にとることによってコイル配線幅を狭くすることによって発生する熱の問題を最小限に抑えることができる。また、力の発生に寄与しない部分のコイル配線間の間隔を大きくとることで作製上の歩留まりを改善することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、大きな偏向角を持って振動する光スキャナにおいて、高い耐久性を示す電気要素を有する光スキャナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態による光スキャナの構成を示す斜視図である。
【図2】 図1に示した第1の実施の形態における斜視図のA−A’断面図である。
【図3】 図1に示した第1の実施の形態における斜視図のB−B’断面図である。
【図4】 第1の実施の形態における駆動コイルの構成を示す平面図である。
【図5】 第1の実施の形態による光スキャナの製作工程を示す断面図である。
【図6】 第1の実施の形態による光スキャナの変形例の構成を示す斜視図である。
【図7】 図6に示した第1の実施の形態の変形例における斜視図のA−A’断面図である。
【図8】 図6に示した第1の実施の形態の変形例における斜視図のB−B’断面図である。
【図9】 従来技術の構成を示す図である。
【符号の説明】
101 可動板
102 弾性部材
103 支持体
104 永久磁石
105 反射面
106 駆動コイル
107 コンタクトパッド
108 配線
109 ボンディングパッド
110 シリコン基板
111 窒化シリコン膜
112 第1ポリイミド層
113 第2ポリイミド層
114 第3ポリイミド層
120 ヨーク[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a small optical scanner that reflects light from a light source and scans the reflected light in one or two dimensions.
[0002]
[Prior art]
Also, as an example of a small optical scanner, there is known an optical deflector that uses a silicon substrate (semiconductor substrate) and a torsion spring, and that scans light by swinging a reflecting mirror by electromagnetic force. Yes.
[0003]
Such an optical scanner is disclosed, for example, in the document “TECHNICAL DIGESTOF THE SENSOR SYMPISOUM, 1995.pp17-20”.
[0004]
FIG. 9 is a diagram showing the configuration of the optical scanner disclosed in this document. In this optical scanner, a
[0005]
A planar coil 35 is laid on the peripheral edge of the reflecting
[0006]
In addition, the circular
[0007]
A Lorentz force is generated in the planar coil 35 to which an alternating current is applied by an interaction with the magnetic field generated by the
[0008]
When a current having the same frequency as the resonance frequency defined by the elastic characteristics of the
[0009]
Here, the damping coefficient is reduced by vacuum-sealing the reflecting
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
However, the above-described prior art shown in FIG. 9 does not describe the viewpoints of durability and protection from the atmosphere of electrical elements such as the wiring of an optical scanner that vibrates with a large deflection angle.
[0011]
Accordingly, the present invention pays attention to such a point, and an object of the present invention is to provide an optical scanner having an electric element exhibiting high durability in an optical scanner that vibrates with a large deflection angle.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The present invention includes a support for fixing to an arbitrary member, a movable plate having at least one surface reflecting light, and two elastic members connecting the support and the movable plate; A drive coil formed on the movable plate and a permanent magnet disposed in the vicinity of the movable plate so as to have a predetermined interval between the movable plate and applying an alternating current to the drive coil in, in the optical scanner for performing the movable plate torsional vibration as the torsion spring elastic member, the elastic member is made of only insulating organic elastic layer to have a electric element therein, the support and the movable plate above It is formed to reach the body.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0014]
<First Embodiment> FIGS. 1 to 5 are views showing a first embodiment of an optical scanner according to the present invention.
[0015]
The optical scanner according to the first embodiment can perform one-dimensional light scanning. FIG. 1 is a perspective view of the optical scanner, and FIGS. 2 and 3 are respectively shown in FIG. It is AA 'sectional drawing of a perspective view, and BB' sectional drawing. FIG. 4 shows a drive coil used in the optical scanner, and FIGS. 5A to 5J are diagrams showing a manufacturing process of the optical scanner.
[0016]
The first embodiment is configured as follows. This optical scanner includes a movable plate 101, an
[0017]
Silicon nitride is used as a mask material when manufacturing an optical scanner, but is used as a residue for insulation from silicon, and aluminum is used as a wiring for the
[0018]
The
[0019]
This
[0020]
As shown in FIG. 4, the
[0021]
Regarding the position of the
[0022]
Next, a method for manufacturing the optical scanner of this embodiment will be described. This optical scanner can be manufactured by semiconductor manufacturing technology. FIG. 5 shows a method for manufacturing the optical scanner. There are only four types of materials used: single crystal silicon substrate, silicon nitride, polyimide and aluminum.
[0023]
First, the silicon substrate 110 is cleaned, and a silicon nitride film 111 is formed using a low-pressure CVD apparatus [FIG. 5 (a)]. The silicon nitride films 111 formed on both surfaces of the silicon substrate 110 are used as a mask material when the movable plate 101 and the
[0024]
As a formation method, a liquid polyimide solution is applied onto the silicon nitride film 111, uniformly formed by a printing method or a spin coating method, and sintered. By etching the sputtered aluminum on the
[0025]
At this time, the polyimide on the
[0026]
At this time, there is a silicon nitride film 111 under the
[0027]
Thereafter, although not shown in FIG. 5, in order to remove the
[0028]
Next, the operation of this embodiment will be described. By applying an alternating current from the
[0029]
Therefore, the movable plate 101 can only perform torsional vibration with the central axis in the longitudinal direction of the two
[0030]
By fixing the
[0031]
Therefore, there are the following effects. The optical scanner in this embodiment can perform one-dimensional optical scanning. In this optical scanner, since the
[0032]
In addition, since polyimide, which is an organic film, is used for the
[0033]
The driving
[0034]
Here, the relationship between the driving force generated in the coil, the current value, the power consumption, and the amount of generated heat can be obtained by the following equations (1) to (3). The driving force F of the coil is
F = ni · B (1)
Where n is the number of turns of the coil, i is the amount of current flowing through the coil, and B is the average magnetic flux density on the wiring portion of the
[0035]
Further, the power consumption P of the coil section and the heat generation amount J are
P = i 2 · R (2)
J = i 2 · R · t (3)
Can be expressed as Here, i is a current value, R is an electric resistance value of the coil, and t is a time during which the current flows.
[0036]
From equation (1), it can be seen that in order to increase the driving force F, at least one of the current amount i, the number n of turns, and the magnetic flux density B should be increased. In order to increase the number of turns and the magnetic flux density, it is necessary to change the structure, but increasing the amount of current is easy to realize.
[0037]
However, as can be seen from the equations (2) and (3), when the current value i flowing through the coil is increased, both the power consumption P and the heat generation amount J increase in proportion to the square of the current value i. This is not preferable.
[0038]
Therefore, it is conceivable to increase the average magnetic flux density B by increasing the number n of turns of the
[0039]
That is, although the driving force F, power consumption P, and generated heat amount J are in a trade-off relationship, in order to suppress the power consumption P and generated heat amount J as much as possible and increase the driving force F, in this embodiment, As shown in FIG. 2, the line width is shortened only for the wiring that contributes to the driving force, and the distance between the wirings is also shortened so that the entire wiring is concentrated in the vicinity of the
[0040]
In this embodiment, the optical scanner can be integrally formed, and there is almost no assembly work, and the productivity of the ultra-compact optical scanner can be improved. Further, since the semiconductor manufacturing technology is applied, the dimensional accuracy of the ultra-miniaturized optical scanner is high, and the vibration of the optical scanner does not become unstable due to individual parts or assembly problems.
[0041]
Of course, each configuration of this embodiment can be variously modified and changed. As a modification of the first embodiment,
[0042]
At this time, the
[0043]
In the first embodiment, the movable plate 101 scans light only in a one-dimensional direction because of the oscillating motion about the
[0044]
In the embodiments as described above, the present invention includes the following inventions.
[0045]
(1) A support for fixing to an arbitrary member, a movable plate whose at least one surface is a reflective surface that reflects light, an elastic member that connects the support and the movable plate, and at least one side is movable A drive coil formed on a plate and a permanent magnet arranged in the vicinity of the movable plate so as to have a predetermined interval between the movable plate, and by applying an alternating current to the drive coil, In the optical scanner in which the movable plate performs torsional vibration using the elastic member as a torsion spring, the elastic member has an electric element inside and is made of an insulating elastic film that reaches the movable plate and the support. An optical scanner characterized by that.
[0046]
(Corresponding Embodiment of the Invention) The embodiment relating to this invention corresponds to the first embodiment.
[0047]
As shown in the first embodiment, the drive coil according to
[0048]
The electric element in
[0049]
(Operation and Effect) This optical scanner is a one-dimensional optical scanner that can be torsionally vibrated, has a simple configuration, and is easy to manufacture. By using an insulating elastic film for the leaf spring portion, brittle fracture is less likely to occur than when silicon is used for the vibration member, and a large deflection angle can be obtained while maintaining the necessary minimum strength. Further, since the electric element is formed inside the insulating elastic film, the electric element hardly deteriorates due to moisture, and the elastic film can be used for insulation between the electric elements.
[0050]
(2) The optical scanner according to
[0051]
(Corresponding Embodiment of the Invention) The embodiment relating to this invention corresponds to the first embodiment.
[0052]
(Operation and Effect) A larger deflection angle can be realized by arranging magnets in the vicinity of both side wall surfaces of the movable plate.
[0053]
(3) The optical scanner according to claim 2, wherein the at least two permanent magnets are connected by a yoke.
[0054]
(Corresponding Embodiment of the Invention) The embodiment relating to the present invention corresponds to a modification of the first embodiment.
[0055]
(Function, Effect) This optical scanner connects the two magnets arranged near the wall surfaces on both sides with a yoke, thereby making the magnetic field distribution in the vicinity of the drive coil affecting the drive force generated in the drive coil ideal. Unlike the case where no yoke is used, the magnetic field concentrates in the vicinity of the drive coil, so that the drive force can be efficiently converted.
[0056]
(4) The optical scanner according to
[0057]
(Corresponding Embodiment of the Invention) The embodiment relating to this invention corresponds to the first embodiment.
[0058]
(Effect) By using an organic film for the leaf spring portion, brittle fracture is less likely to occur than when silicon or the like is used for the vibration member, and a large deflection angle can be obtained while maintaining the necessary minimum strength.
[0059]
(5) The drive coil is formed so that the width of the wiring of the drive coil and the interval between the wirings are minimized in the vicinity of the permanent magnet. The optical scanner described.
[0060]
(Corresponding Embodiment of the Invention) The embodiment relating to this invention corresponds to the first embodiment.
[0061]
(Function and effect) The coil wiring near the permanent magnet can be brought closer to the permanent magnet by narrowing the interval of the coil wiring that contributes to generation of the force formed in the vicinity of the permanent magnet and narrowing the width of the wiring. A generative force larger than that of the coil can be obtained. The problem of heat generated by narrowing the coil wiring width can be minimized by sufficiently taking the width of the coil wiring in a portion that does not contribute to the generation of force. In addition, the yield in manufacturing can be improved by increasing the distance between the coil wirings in the portion that does not contribute to the generation of force.
[0062]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the present invention, an optical scanner having an electrical element exhibiting high durability can be provided in an optical scanner that vibrates with a large deflection angle.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing a configuration of an optical scanner according to a first embodiment of the present invention.
2 is a cross-sectional view taken along the line AA ′ in the perspective view of the first embodiment shown in FIG. 1. FIG.
3 is a cross-sectional view taken along the line BB ′ of the perspective view in the first embodiment shown in FIG. 1. FIG.
FIG. 4 is a plan view showing a configuration of a drive coil in the first embodiment.
FIG. 5 is a cross-sectional view showing a manufacturing process of the optical scanner according to the first embodiment.
FIG. 6 is a perspective view showing a configuration of a modification of the optical scanner according to the first embodiment.
7 is a cross-sectional view taken along the line AA ′ of the perspective view of a modification of the first embodiment shown in FIG. 6. FIG.
FIG. 8 is a cross-sectional view taken along the line BB ′ of the perspective view of the modification of the first embodiment shown in FIG.
FIG. 9 is a diagram showing a configuration of a conventional technique.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 101
Claims (5)
少なくとも一方の面が光を反射する反射面である可動板と、
前記支持体と前記可動板を接続する2本の弾性部材と、
前記可動板上に形成された駆動コイルと、
前記可動板との間に所定の間隔を有するように前記可動板近傍に配置された永久磁石とからなり、
前記駆動コイルに交流電流を印加することで、前記弾性部材をねじりバネとして前記可動板がねじり振動を行う光スキャナにおいて、
前記弾性部材は、内部に電気要素を有する絶縁性の有機弾性膜のみからなり、前記可動板上と前記支持体上に達するように形成されていることを特徴とする光スキャナ。A support for fixing to an arbitrary member;
A movable plate, at least one of which is a reflecting surface that reflects light;
Two elastic members connecting the support and the movable plate;
A drive coil formed on the movable plate;
It consists of a permanent magnet arranged in the vicinity of the movable plate so as to have a predetermined interval between the movable plate,
In the optical scanner in which the movable plate vibrates torsionally with the elastic member as a torsion spring by applying an alternating current to the drive coil.
The elastic member is made of only insulating organic elastic layer to have a electric element therein, an optical scanner, characterized by being formed so as to reach over the support and the movable plate above.
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