JP3683975B2 - 核燃料棒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電プラントに使用されている核燃料棒に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、動力炉に用いられている核燃料の大部分はセラミックス燃料である。特に軽水炉燃料としては、酸化ウランを用いた酸化物燃料が用いられている。この酸化物燃料は、焼結した円柱状のペレットに成型し、このペレットをジルカロイまたはステンレス鋼製被覆管内に積層して装填し、不活性ガスを充填し、被覆管の両端に端栓を溶接して核燃料棒としている。
【0003】
成型されたペレットの代わりに高密度の顆粒燃料を被覆管内に振動により充填する方法も開示されている。(例えば特公昭44-22998号公報および特公昭49-27916号公報)しかし、実用化はされていない。
【0004】
特に、軽水炉では負荷追従等の条件が厳しいため、同一の燃料体であっても上部と下部で濃縮度の異なるペレットを充填したり可燃性中性子吸収材であるガドリニア(Gd2 O3 )を混入させたりする方法がとられている。
【0005】
そのため、一個一個のペレットで管理されており燃料を組み立てているのが現状である。これら核燃料棒の長さ方向の密度分布測定方法としては、γ線によるスキャニング方法がとられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の焼結した円柱状ペレットのセラミックス燃料に対して、高密度の顆粒燃料を被覆管内に振動により充填する方法は、次の点で優れている。
(1) 製造工程が少なく、ホットセルにおける遠隔自動化が容易である。
【0007】
(2) 顆粒燃料の配合により燃料中の成分を容易に変更でき、複雑な組成も調整が容易である。
(3) 被覆管と顆粒燃料の熱,機械的相互作用がペレット燃料に比べて少ない。
【0008】
これら顆粒燃料の粒子の製造方法としてはゾルゲル法や、六フッ化ウラン(UF6 )と水蒸気を高温で反応させ二酸化ウラン(UO2 )の微粒子のまわりにUO2 として被覆成長させる方法などが知られている。
【0009】
しかしながら、従来の振動充填方法の場合には、被覆管内に一個一個のペレットを詰めた核燃料棒と異なり軸方向に境目がないため、上下軸方向の細かい濃縮度の調整や密度分布の調整が困難であり、また、軸方向の分布や密度分布がどのようになっているかの確認が困難な課題がある。
【0010】
さらに、核燃料物質として再処理した燃料を使用した場合、その燃料中に高レベルのγ線核種が含まれる場合には、従来のγ線スキャニングによる核燃料棒の検査方法では測定が困難となる課題がある。
【0011】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、上下軸方向の細かい濃縮度の調整や密度分布の調整を容易として混合燃料の充填領域を明確にできるとともに境界面での変化を緩やかにすることができ、出力分布の平坦化が可能で、被覆管の健全な核燃料棒を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、被覆管と、この被覆管内に振動充填法により充填した第1の顆粒混合燃料領域と、この第1の顆粒混合燃料領域の上部に装填した第1の混合セラミックス燃料体と、この第1の混合セラミックス燃料体上に振動充填法により充填した第2の顆粒混合燃料領域と、この第2の顆粒混合燃料領域の上部に装填した第2の混合セラミックス燃料体と、以降順次顆粒混合燃料領域と混合セラミックス燃料体が交互に充填と装填が繰り返され配列されてなり、前記混合セラミックス燃料体の外径は前記被覆管の内径より前記顆粒燃料領域の最大粒径の2倍以上を差し引いた大きさであり、前記顆粒混合燃料領域および前記混合セラミックス燃料体はそれぞれ、核燃料と非核燃料と中性子吸収材を主成分とし、前記混合セラミックス燃料体における核燃料と非核燃料と中性子吸収材の配合割合は前記混合セラミックス燃料体の上下の顆粒混合燃料領域における核燃料と非核燃料と中性子吸収材の配合割合の平均または一方に重みを置いたものであることを特徴とする。
【0014】
請求項1の発明によれば、核燃料棒の軸方向で異なる燃料構成部分の境界部に混合セラミックス燃料体を設けることにより、境界面上下方向での混合状態により生ずる燃料の熱的特性の変化を緩和させることができる。また、この混合セラミックス燃料体は上下の燃料構成要素をブレンドしたものとすることでさらに変化の状態を緩やかにしている。また混合セラミックス燃料体を被覆管内に挿入する場合に、被覆管内に付着した顆粒燃料と干渉し被覆管の内面に傷をつけるということがない。混合セラミックス燃料体と被覆管との隙間は、次に入れる顆粒燃料で埋められる。
【0015】
請求項2に係る発明は、前記顆粒混合燃料領域および前記混合セラミックス燃料体には酸化されてない純金属またはカーボンが酸素ゲッターとして混入され、前記被覆管内の上部に薄膜で形成された多段の真空層を有する真空ガスプレナムが配置され、この真空ガスプレナムの上部に押え構造材とスプリングが設けられてなることを特徴とする。
【0016】
請求項2の発明によれば、酸化されていない純金属やカーボンを全体重量に対して少量入れて酸素ゲッターの役目を持たせ、被覆管の内面腐食を少なくする。また、上部燃料はペレット燃料とし、その上に核分裂生成ガスを収納するガスプレナムとこれらを押さえるメッシュ構造材とスプリングを設けている。
【0017】
このガスプレナムは、多段の真空層から構成されており、各層の仕切りならびに真空層と外部との境界の仕切りに薄膜を用いる。この薄膜は燃料棒内の通常の圧力に対して数倍となったときに破けるように設定してある。したがって、従来の真空層にしていなかった(従来は、燃料棒の内圧となっており加圧されている)ガスプレナムに比べて核分裂生成ガスを収納する実効的な有効体積を増加させている。
【0018】
請求項3に係る発明は、前記顆粒混合燃料領域および前記混合セラミックス燃料体には超ウラン元素を混合してなることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、使用済み燃料中に含まれる半減期の長い超ウラン元素(TRU:Np,Pu,Am,Cm)等を再処理後、燃料と混ぜて新たに核燃料棒を構成する。この場合、再処理時に厳密に分ける手間が省け、燃料製造コストが下げられる。また、超半減期の核種を原子炉内で保管できるため処分の問題を緩和している。
【0019】
請求項4に係る発明は、前記混合セラミックス燃料体は、球状,円柱状,面取りされた円柱状,円錐状またはフットボール状の何れか一種に形成されてなることを特徴とする。
【0020】
請求項4の発明によれば、核燃料棒の被覆管が円柱の場合を想定し、形状が球状の物や円錐状,円柱状,円柱状のエッジを削った俵状,フットボール状といった断面形状が被覆管の断面と相似形である。
【0021】
請求項5に係る発明は、前記混合セラミックス燃料体が横断面多角形の被覆管内に装填されるに際しては前記混合セラミックス燃料体は多角面体,多角錐状または多角柱状の何れかの形状に形成されてなることを特徴とする。
請求項5の発明によれば、請求項4と異なり被覆管が多角柱の場合で、同様に断面形状が被覆管と相似形の多角面体としている。
【0024】
請求項6に係る発明は、前記混合セラミックス燃料体が装填された前記被覆管の部位に締め付け加工部を形成して前記混合セラミックス燃料体を固定してなることを特徴とする。
【0025】
請求項6の発明によれば、混合セラミックス燃料体を装填した後に、被覆管をリング状、あるいはディンプル状に締め付け、混合セラミックス燃料体が移動しないようにしている。この締め付けは軽く締め付けるだけで十分である。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1から図3により本発明に係る核燃料棒の実施の形態を説明する。
図1(a)は本実施の形態に係る核燃料棒と、その製造方法を説明するために核燃料棒の一部切欠して断面で示す斜視図で、図1(b)は図1(a)のA部を拡大して示している。図2は図1における混合セラミックス燃料体の他の4例を示しており、図3は図1(a)における核燃料棒の上部を示している。
【0036】
図1(a)において、符号1は被覆管で、この被覆管1の下端部は下部端栓2により封止されており、被覆管1内に振動充填法により第1の顆粒混合燃料領域3-1 が充填され、この第1の顆粒混合燃料領域3-1 の上部に第1の混合セラミックス燃料領域4-1 の混合セラミックス燃料体4が装填されている。この混合セラミックス燃料体4(4-1 で示す)上には振動充填法により第2の顆粒混合領域3-2 が充填され、この第2の顆粒混合領域3-2 の上部に第2の混合セラミックス燃料領域4-n の混合セラミックス燃料体4が装填されている。
【0037】
このように被覆管1内には顆粒混合領域 3-1〜nと混合セラミックス燃料領域 4-1〜nとが交互に繰り返して配列され、被覆管1の上部には第nの顆粒混合燃料領域3-n と第nの混合セラミックス燃料領域4-n が位置している。
【0038】
顆粒混合領域 3-1〜nを被覆管1内に充填する場合には核燃料ノズル5,非核燃料ノズル6,中性子吸収材ノズル7からそれぞれの顆粒が所定量ずつ被覆管1内に供給され、加振機(図示せず)により被覆管1は振動され充填される。混合セラミックス燃料体4が位置する被覆管1の外面には締め付け加工部8が形成される。締め付け加工部8はリング状またはディンプル状に形成される。
【0039】
混合セラミックス燃料体4は核燃料,非核燃料および中性子吸収材が所定量配合され混合し、圧粉成形してセラミックス状に焼結したもので、被覆管1が円筒体の場合には図1(a),(b)に示したように球状体に形成する。
【0040】
また、混合セラミックス燃料体4を図2に示すように円柱体4a,面取りした円柱体4b,円錐体4cおよびフットボール体4dに任意に形成することができる。
さらに、被覆管1が円筒体ではなく、横断面が六角形等の多角形の場合には多角面体,多角錐,多角柱等任意の形状に形成することができる。
【0041】
この混合セラミックス燃料体4は核燃料棒を製造するにあたり、顆粒混合燃料領域3に軸方向に充填密度分布や中性子吸収材の分布をもたせる場合、顆粒混合燃料領域3の上下の異なる混合組成比率が混ざらないようにするためのものである。混合セラミックス燃料体4の配合割合は混合セラミックス燃料領域上下の顆粒混合領域3の平均または一方に重みを置いたものとし、軸方向の反応度分布を滑らかにしている。
【0042】
被覆管1内の燃料領域の最上部は図3に示したように被覆管1内の第nの顆粒混合領域3-n 上に混合セラミックス燃料体4と同様の組成からなるペレット燃料9が装填される。このペレット燃料9の上部にメッシュ構造材10が設けられ、このメッシュ構造材10上に複数のペレット状真空ガスプレナム構造材11が積層されている。
【0043】
真空ガスプレナム構造材11は薄膜12が設けられ、放射性放出ガス13の圧力により容易に破壊できるようになっている。メッシュ構造材10はペレット燃料9を押さえる目的と燃料から放出されるガスを上部に放散させる目的を持っている。
【0044】
真空ガスプレナム構造材11の上端にはメッシュ構造材10が設けられ、このメッシュ構造材10上にスプリング14が設けられている。スプリング14の上端は、図示してない上部端栓によって制圧されており、被覆管1の上端開口は封止されている。
【0045】
真空ガスプレナム構造材11は内部が真空になったペレット状のもので、上下の薄膜12により蓋をされ真空を保持している。この薄膜12は核燃料棒の健全性を考慮し、通常の内圧に対して数倍の圧力になったときに破けるように製作されており、実効的な体積を増やせるようになっている。
【0046】
しかして、上記構成の実施の形態に係る核燃料棒は顆粒燃料を主体とした顆粒燃料領域3と混合セラミックス燃料領域とからなっている。この混合セラミックス燃料領域は混合セラミックス燃料体4と同様のものであるが、図1(b)に示すように隙間に小径のセラミックス粒子15を充填する場合もあり得るので領域と呼ぶことにしている。
【0047】
すなわち、被覆管1に下部端栓2を取着し、被覆管1を加振機に立設したのち、核燃料ノズル5,非核燃料ノズル6および中性子吸収材ノズル7からそれぞれ所定量の顆粒状核燃料,顆粒状非核燃料および顆粒状中性子吸収材の所定量ずつを被覆管1の上端開口から投入して振動充填し第1の顆粒混合燃料領域3-1 を形成する。
【0048】
次に核燃料と非核燃料および中性子吸収材を所定量混合し圧粉成形し焼結して形成した球状の第1の混合セラミックス燃料体4を第1の顆粒混合燃料領域3-1 上に装填する。次に第1の混合セラミックス燃料体4が位置する被覆管1の外面のかしめにより締め付け加工部8を設け第1の混合セラミックス燃料体4から位置ずれしないようにする。つまり、この締め付け加工部8は混合セラミックス燃料体4が第1から第n番目まで装填を繰り返す工程中に振動等で移動しないようにするものである。
【0049】
混合セラミックス燃料体4は被覆管1内で被覆管1の内面に付着している顆粒混合燃料領域4の顆粒に引っ掛かって所定の位置に装填できなくならないように、また被覆管1の内面に傷をつけないように混合セラミックス燃料体4の断面の外径寸法が被覆管1の断面の内径寸法よりも小さく、さらに顆粒混合燃料領域3の顆粒の最大外径寸法の2倍以上を差し引いた寸法としている。
【0050】
この混合セラミックス燃料体4と被覆管1との隙間は次に充填する第2の顆粒混合燃料領域3-2 の顆粒で埋められる。この状態を図1(b)に拡大して示している。
【0051】
顆粒混合燃料領域3の充填と混合セラミックス燃料領域4の装填をn回繰り返すことにより被覆管1内には第nの顆粒混合領域3-n と第nの混合セラミックス燃料領域4-n まで詰められる。
【0052】
核燃料ノズル5,非核燃料ノズル6および中性子吸収材ノズル7は、被覆管1内の各々の領域毎の中性子吸収材の量や核燃料の濃縮度を調整したり、再処理された長半減期の放射性同位元素の粒子を被覆管1内に投入するもので、図示してない各原料タンクに接続している。長半減期の放射性同位元素は超ウラン元素(TRU)でNp,Pu,Am,Cmなどで使用済み燃料に含まれているものである。
【0053】
第nの顆粒混合燃料領域3-n を充填した後、ペレット燃料9を装填し、このペレット燃料9の上部にメッシュ構造材10を載せ、このメッシュ構造材10の上に複数個の真空ガスプレナム構造材11を積層する。最上の真空ガスプレナム構造材11の上面にメッシュ構造材10を載せ、その上にスプリング14を載せたのち、上部端栓(図示せず)により被覆管1の上端部を封止して核燃料棒を構成する。
【0054】
図3では真空ガスプレナム10の最下段の構造材11の薄膜12が破裂し、さらに下から2段目,3段目の構造材11の薄膜12が破裂した状態を示している。この状態を説明すると、被覆管1内の圧力が放射性ガスの放出により設定圧力以上になった場合、真空ガスプレナム11の最下面の薄膜12が破裂する。すると真空ガスプレナム11内は減圧状態となっているため、最下段の構造材11の実効体積分ガスの圧力が低下する。さらに内圧が上昇し、下から二段目、そして三段目と順次破裂していくようになる。
【0055】
つぎに図4(a),(b)により核燃料棒の検査装置と検査方法の実施の形態を説明する。
図4(b)は図4(a)のB部を拡大して示す縦断面図である。図4(a)において、符号16は検査装置本体で、この検査装置本体16はX線やγ線を遮蔽する肉厚の遮蔽材から構成されている。この検査装置本体16はその下端から出し入れ自在に中性子源17を収納し、中性子源17の上方に減速材18を設け、この減速材18と中性子源17を反射材19により包囲している。
【0056】
減速材18の上方にはコリメータ20が設けられ、このコリメータ20の外側と反射材19を中性子吸収材21により包囲している。検査装置本体16上にはコリメータ20の上方に向けて被検査核燃料棒22が矢印23方向に移動自在に載置される。
【0057】
被検査核燃料棒22の上方にはベルトコンベア方式に構成されたコンバータスクリーン24が矢印24方向に移動自在に設けられている。コンバータスクリーン24の上方には箱形で下端開口のX,γ線遮蔽材26が設置されており、下端開口部には図4(b)に拡大して示したようにガラス基板27の下面に蛍光スクリーン28が設けられている。
【0058】
X,γ線遮蔽材26の上端には高感度カメラ29と蛍光スクリーン密着機構30が取り付けられている。コンバータスクリーン24を回転移動させる機構の内部にはX,γ線遮蔽材31と中性子吸収材32が挿入されている。
【0059】
しかして、本発明に係る核燃料棒の検査装置の主要構成要素は中性子線を発生する中性子源17と、被検査核燃料棒22を透過した中性子線を記録するコンバータスクリーン24と、このコンバータスクリーンから放射された放射線を読み取る蛍光スクリーン28とである。
【0060】
中性子線を発生する部分は中性子源17と中性子線の反射材19,速中性子を熱中性子に減速する減速材18および線束を揃えるコリメータ20とからなっている。コリメートした中性子線は測定対象の核燃料棒を透過して中性子線の透過の度合いを記録するコンバータスクリーン24を放射化する。
【0061】
コンバータスクリーン24には熱吸収断面積が比較的大きく、半減期の短いインジウム(In)箔やジスプロシウム(Dy)箔を使用する。さらに放射化されたコンバータスクリーン24はベルトコンベアーで、中性子線およびX線,γ線を中性子吸収材32とX,γ線遮蔽材31で遮蔽された読み取り領域に移送される。
【0062】
読み取り領域では蛍光スクリーン密着機構30により蛍光スクリーン28と放射化されたコンバータスクリーン24を密着させる。蛍光スクリーン28はガラス基板27上に塗布または張り付けられている。蛍光スクリーン28はコンバータスクリーン24の放射化された部分から放出されるβ線によって発光する。
【0063】
蛍光スクリーン28に使用される蛍光材は色素を溶剤に溶かし樹脂化したシンチレータやGd2 O2 S:Pr,CeやGd3 Ga5 O12:Cr,Ce、Y2 SiO5 :Pr、(Y,Gd)2 O3 :Eu等のセラミックスタイプのシンチレータ,NaI:Tl、CsI:Tl等の結晶タイプのシンチレータである。またガラス基板27の中にも発光蛍光量の透過を阻害しない程度に鉛をドープしてある。
【0064】
発光した蛍光を高感度なカメラ29で取り込みデジタル処理をして燃料の密度分布,濃縮度分布ならびに燃料中に含まれる中性子吸収材の分布を求める。カメラ29の前のレンズには発光する蛍光の波長に合わせたフィルターがつけられており、ノイズに対するシグナルの比率を高めている。
【0065】
核燃料棒に新燃料ではなく使用済み燃料や長半減期の放射性核種等、核燃料棒自体から中性子線を放出する場合には、コリメータ20の部位に核燃料棒が位置する前に燃料から放出している中性子線でコンバータスクリーン24を事前に放射化し、バックグランドを測定しておき、後にコリメータ20の所で測定した結果を補正する。図4の検査装置は反時計方向に90度回転させて立てて用いてもよい。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、顆粒燃料だけでなくセラミックス燃料と組み合わせて用いるため、混合燃料の充填領域を明確にできるとともに境界面での変化を緩やかにすることができ、その結果、出力分布の平坦化が可能となる。
【0067】
また、従来顆粒燃料では、核分裂生成ガスの発生量が全て燃料をセラミックスにした場合と比較して多いという問題点に対して本発明に係る核燃料棒によれば被覆管内に内部が真空のガスプレナム機構を設けることにより内圧の異常上昇を防止でき、燃料被覆管の健全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る核燃料棒の実施の形態を説明するための核燃料棒を一部切欠して縦断面で示す斜視図、(b)は(a)におけるA部を拡大して示す縦断面図。
【図2】図1における混合セラミックス燃料体の他の例を示す斜視図。
【図3】図1(a)における核燃料棒の上部を一部縦断面で示す斜視図。
【図4】(a)は本発明に係る核燃料棒の検査装置の実施の形態を説明するための一部側面で示す縦断面図、(b)は(a)のB部を拡大して示す縦断面図。
【符号の説明】
1…被覆管、2…下部端栓、3…顆粒混合燃料領域、4…混合セラミックス燃料体、5…核燃料ノズル、6…非核燃料ノズル、7…中性子吸収材ノズル、8…締め付け加工部、9…ペレット燃料、10…メッシュ構造材、11…真空ガスプレナム構造材、12…薄膜、13…放射性放出ガス、14…スプリング、15…小径セラミックス粒子、16…検査装置本体、17中性子源…、18…減速材、19…反射材、20…コリメータ、21,32…中性子吸収材、22…被検査核燃料棒、23…矢印、24…コンバータスクリーン、25…矢印、26,31…X,γ線遮蔽材、27…ガラス基板、28…蛍光スクリーン、29…高感度カメラ、30…蛍光スクリーン密着機構。
Claims (6)
- 被覆管と、この被覆管内に振動充填法により充填した第1の顆粒混合燃料領域と、この第1の顆粒混合燃料領域の上部に装填した第1の混合セラミックス燃料体と、この第1の混合セラミックス燃料体上に振動充填法により充填した第2の顆粒混合燃料領域と、この第2の顆粒混合燃料領域の上部に装填した第2の混合セラミックス燃料体と、以降順次顆粒混合燃料領域と混合セラミックス燃料体が交互に充填と装填が繰り返され配列されてなり、前記混合セラミックス燃料体の外径は前記被覆管の内径より前記顆粒燃料領域の最大粒径の2倍以上を差し引いた大きさであり、前記顆粒混合燃料領域および前記混合セラミックス燃料体はそれぞれ、核燃料と非核燃料と中性子吸収材を主成分とし、前記混合セラミックス燃料体における核燃料と非核燃料と中性子吸収材の配合割合は前記混合セラミックス燃料体の上下の顆粒混合燃料領域における核燃料と非核燃料と中性子吸収材の配合割合の平均または一方に重みを置いたものであることを特徴とする核燃料棒。
- 前記顆粒混合燃料領域および前記混合セラミックス燃料体には酸化されてない純金属またはカーボンが酸素ゲッターとして混入され、前記被覆管内の上部に薄膜で形成された多段の真空層を有する真空ガスプレナムが配置され、この真空ガスプレナムの上部に押え構造材とスプリングが設けられてなることを特徴とする請求項1記載の核燃料棒。
- 前記顆粒混合燃料領域および前記混合セラミックス燃料体には超ウラン元素を混合してなることを特徴とする請求項1記載の核燃料棒。
- 前記混合セラミックス燃料体は、球状,円柱状,面取りされた円柱状,円錐状またはフットボール状の何れか一種に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の核燃料棒。
- 前記混合セラミックス燃料体が横断面多角形の被覆管内に装填されるに際しては前記混合セラミックス燃料体は多角面体,多角錐状または多角柱状の何れかの形状に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の核燃料棒。
- 前記混合セラミックス燃料体が装填された前記被覆管の部位に締め付け加工部を形成して前記混合セラミックス燃料体を固定してなることを特徴とする請求項1記載の核燃料棒。
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